特許第6029861号(P6029861)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029861
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】車両用灯具ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60Q 3/06 20060101AFI20161114BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B60Q3/06
   B60Q1/00 D
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-131475(P2012-131475)
(22)【出願日】2012年6月11日
(65)【公開番号】特開2013-256140(P2013-256140A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】時枝 佑気
(72)【発明者】
【氏名】奥野 利幸
(72)【発明者】
【氏名】大杉 浩邦
【審査官】 石井 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−225501(JP,A)
【文献】 特開2001−332106(JP,A)
【文献】 再公表特許第2009/110477(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/06
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に第一光源及び第二光源を有し、車両本体の後面に設けられたリアコンビネーションランプと、
車両本体後部の荷室を開閉するバックドアに設けられたリッドランプと、
前記バックドアが閉じられたときには当該バックドアに覆われるとともに前記バックドアが開かれたときには車両後方へ露出する車両本体の後部開口内に車両後方向きに設けられ補助ランプと、
を備え、
前記補助ランプは、前記リアコンビネーションランプの車両中央側に配置されるとともに、前記リアコンビネーションランプのものと共通するハウジング及びアウターレンズを備えて当該リアコンビネーションランプと一体的に構成され、前記第一光源から車両中央側へ出射された光が当該補助ランプ内に入射するように前記リアコンビネーションランプと内部が連通しており、
前記アウターレンズは、前記リアコンビネーションランプの前面を覆う第一レンズ部と、前記補助ランプの前面を覆う第二レンズ部と、前記第一レンズ部の車両中央側の端部から後方へ延出するとともに後端部が前記第二レンズ部の車両側方側の端部に繋がった連結部とを有する形状に形成され、
前記ハウジングの内面には、前記第一光源から出射された光を前記第一レンズ部を通じて車両後方へ照射させる第一反射面と、前記補助ランプ内に設けられ、前記第一光源から車両中央側へ出射された光を前記第二レンズ部を通じて車両後方へ反射させる第二反射面とが形成され、
前記リッドランプは、
前記バックドアが閉じられたときに前記補助ランプの前方であって前記リアコンビネーションランプの車両中央側に隣接する位置に配置されるように設けられ、
当該リッドランプの前面を覆うとともに、後方へ立設された立設部を前記リアコンビネーションランプ側の周縁に有する他のアウターレンズを備え、
前記バックドアが閉じられたときに、前記第二光源から出射された光のうちの少なくとも一部が、前記アウターレンズの前記連結部と前記他のアウターレンズの前記立設部とを介して前記リッドランプ内に入射した後に、当該リッドランプから車両後方へ照射されることを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項2】
当該車両用灯具ユニットは、尾灯及び制動灯として点灯動作を行う場合に、前記第一光源と前記第二光源とを点灯させ、
前記バックドアが閉じられたときには、前記リアコンビネーションランプ及び前記リッドランプが車両後方向きに発光し、
前記バックドアが開かれたときには、前記リアコンビネーションランプ及び前記補助ランプが車両後方向きに発光することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項3】
前記リアコンビネーションランプは、前記バックドアが閉じられたときに前記リッドランプに向かって延在する第一導光棒を有し、
前記第二光源は、前記第一導光棒の長手方向の端面のうち前記リッドランプ側とは反対側の一方の端面と対向配置され
前記リッドランプは前記バックドアが閉じられたときに長手方向の一方の端面を前記第一導光棒の他方の端面と対向させる第二導光棒を有し、
前記バックドアが閉じられたときに、前記第二光源から出射されて前記第一導光棒を通じて当該第一導光棒の他方の端面から出射した光が、前記第二導光棒の一方の端面から当該第二導光棒に入射して当該第二導光棒を発光させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用灯具ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載される車両用灯具ユニットとして、車両本体の後面に搭載されるリアコンビネーションランプの一部を、車両後部の荷室を開閉するためのバックドア(トランクリッドやテールゲート等を含む。)にリッドランプとして設けることで、灯具全体の発光面積を確保しつつ荷室の開口幅を広く取れるようにしたものが知られている。
【0003】
ところが、この種の車両用灯具ユニットでは、バックドアが開かれて荷室が開放しているときには、バックドアに設けられたリッドランプを車両後方から視認できず、安全性を低下させてしまう恐れがあった。
【0004】
この点、例えば特許文献1に記載の技術のように、リアコンビネーションランプ(テールランプ)の一部を、常態でバックドアに覆われる荷室内の下端縁部に補助ランプとして装備しておけば、バックドアが開かれたときであっても当該補助ランプを車両後方から視認でき、車両後方への安全性を担保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−349976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、リアコンビネーションランプとは別体の補助ランプを単純に設けてしまうと、当該別体の補助ランプの分だけ部品点数が増加してしまうため、コストや灯具サイズ等の点で好ましくない。
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、部品点数の増加を抑えつつ、バックドアが開かれたときにも車両後方への安全性を確保することができる車両用灯具ユニットの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両用灯具ユニットにおいて、
内部に第一光源及び第二光源を有し、車両本体の後面に設けられたリアコンビネーションランプと、
車両本体後部の荷室を開閉するバックドアに設けられたリッドランプと、
前記バックドアが閉じられたときには当該バックドアに覆われるとともに前記バックドアが開かれたときには車両後方へ露出する車両本体の後部開口内に車両後方向きに設けられ補助ランプと、
を備え、
前記補助ランプは、前記リアコンビネーションランプの車両中央側に配置されるとともに、前記リアコンビネーションランプのものと共通するハウジング及びアウターレンズを備えて当該リアコンビネーションランプと一体的に構成され、前記第一光源から車両中央側へ出射された光が当該補助ランプ内に入射するように前記リアコンビネーションランプと内部が連通しており、
前記アウターレンズは、前記リアコンビネーションランプの前面を覆う第一レンズ部と、前記補助ランプの前面を覆う第二レンズ部と、前記第一レンズ部の車両中央側の端部から後方へ延出するとともに後端部が前記第二レンズ部の車両側方側の端部に繋がった連結部とを有する形状に形成され、
前記ハウジングの内面には、前記第一光源から出射された光を前記第一レンズ部を通じて車両後方へ照射させる第一反射面と、前記補助ランプ内に設けられ、前記第一光源から車両中央側へ出射された光を前記第二レンズ部を通じて車両後方へ反射させる第二反射面とが形成され、
前記リッドランプは、
前記バックドアが閉じられたときに前記補助ランプの前方であって前記リアコンビネーションランプの車両中央側に隣接する位置に配置されるように設けられ、
当該リッドランプの前面を覆うとともに、後方へ立設された立設部を前記リアコンビネーションランプ側の周縁に有する他のアウターレンズを備え、
前記バックドアが閉じられたときに、前記第二光源から出射された光のうちの少なくとも一部が、前記アウターレンズの前記連結部と前記他のアウターレンズの前記立設部とを介して前記リッドランプ内に入射した後に、当該リッドランプから車両後方へ照射されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用灯具ユニットにおいて、
当該車両用灯具ユニットは、尾灯及び制動灯として点灯動作を行う場合に、前記第一光源と前記第二光源とを点灯させ、
前記バックドアが閉じられたときには、前記リアコンビネーションランプ及び前記リッドランプが車両後方向きに発光し、
前記バックドアが開かれたときには、前記リアコンビネーションランプ及び前記補助ランプが車両後方向きに発光することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用灯具ユニットにおいて、
前記リアコンビネーションランプは、前記バックドアが閉じられたときに前記リッドランプに向かって延在する第一導光棒を有し、
前記第二光源は、前記第一導光棒の長手方向の端面のうち前記リッドランプ側とは反対側の一方の端面と対向配置され
前記リッドランプは前記バックドアが閉じられたときに長手方向の一方の端面を前記第一導光棒の他方の端面と対向させる第二導光棒を有し、
前記バックドアが閉じられたときに、前記第二光源から出射されて前記第一導光棒を通じて当該第一導光棒の他方の端面から出射した光が、前記第二導光棒の一方の端面から当該第二導光棒に入射して当該第二導光棒を発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、バックドアに設けられたリッドランプと、バックドアが開かれたときに車両後方へ露出してリッドランプと同様に点灯動作する補助ランプと、を備えるので、バックドアが開かれたときにはリッドランプに代えて(又はリッドランプと共に)補助ランプを点灯させることにより、バックドアが開かれたときにも車両後方への安全性を確保することができる。
【0012】
また、補助ランプが、リアコンビネーションランプ内の第一光源によって発光するように、当該リアコンビネーションランプと一体的に構成されているので、補助ランプ専用の光源を設ける必要がない。したがって、リアコンビネーションランプとは別体の補助ランプを単純に設ける場合と異なり、部品点数の増加を抑えることができる。
【0013】
また、補助ランプが、リアコンビネーションランプの車両中央側に配置され、第一光源から車両中央側へ出射された光が当該補助ランプ内に入射するようにリアコンビネーションランプと内部が連通しており、第一光源から車両中央側へ出射されて当該補助ランプ内に入射した光を車両後方へ反射させる第一反射面を有しているので、リアコンビネーションランプ内の第一光源から出射された光を当該リアコンビネーションランプと内部が連通した補助ランプ内に入射させつつ当該補助ランプ内の第一反射面で反射させることによって、補助ランプを点灯させることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、バックドアが閉じられたときには、リアコンビネーションランプに設けられた第二光源から出射されて第一導光棒を通じて当該第一導光棒の車両中央側の端面から出射した光が、リッドランプに設けられた第二導光棒の車両側方側の端面から当該第二導光棒に入射して当該第二導光棒を発光させるので、リッドランプの第二導光棒を発光させるための光源をリッドランプ自体に設ける必要がない。したがって、リッドランプから当該光源を排除でき、リッドランプを軽量且つコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】車両用灯具ユニットを備える車両の背面図である。
図2】バックドアが閉じられた状態での車両用灯具ユニットの正面図である。
図3】バックドアが開かれた状態での車両用灯具ユニットの正面図である。
図4】リアランプの斜視図である。
図5図3のII−II線での断面図である。
図6図2のIII−III線での断面図である。
図7図2のIV−IV線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態における車両用灯具ユニット1を備える車両Cの背面図であり、図2は、車両CのバックドアDが閉じられた状態での車両用灯具ユニット1の正面図であり、図3は、車両CのバックドアDが開かれた状態での車両用灯具ユニット1の正面図であり、図4は、車両用灯具ユニット1のうちのリアランプ2の斜視図であり、図5は、図3のII−II線での断面図であり、図6及び図7は、図2のIII−III線及びIV−IV線での断面図である。
【0017】
図1及び図2に示すように、車両用灯具ユニット1は、車両Cの後部左右に搭載されて主に車両Cの後方へ向けて発光するリアランプユニットである。
なお、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具ユニット1から見た方向、すなわち車両Cから見た方向とは前後左右を逆にした方向を意味するものとする。
【0018】
車両用灯具ユニット1は、車両C本体に設けられたリアランプ2と、車両C本体後部の荷室を開閉する跳ね上げ式のバックドアDに設けられたリッドランプ3とを備えている。
【0019】
リアランプ2は、図3図5に示すように、車両C本体の後面側方端に設けられたリアコンビネーションランプ部(以下、RCランプ部という。)2aと、このRCランプ部2aの車両中央側に設けられた補助ランプ部2bとが一体的に形成された構成となっている。このうち、RCランプ部2aは、バックドアDの開閉に係らず外部に露出しており、後述する各種ランプとして点灯動作する。一方、補助ランプ部2bは、RCランプ部2aの車両中央側端の上半部且つその後半部から車両中央側へ延出しており、バックドアDが閉じられたときには当該バックドアDに覆われるとともに、バックドアDが開かれたとき(上方へ跳ね上げられたとき)には前方(車両後方)へ露出するように、車両C本体の後部開口内に車両後方向きに設けられている。この補助ランプ部2bは、後述するように、バックドアDが開かれたときに、バックドアDが閉じられているときのリッドランプ3と略同様に点灯動作する。
【0020】
具体的には、リアランプ2は、前面が開口したハウジング20と、当該ハウジング20の前面開口を覆うアウターレンズ21とを備えている。これらハウジング20及びアウターレンズ21は、RCランプ部2aと補助ランプ部2bとで内部を連通させつつ互いの周縁部で固定されており、当該ハウジング20及びアウターレンズ21で形成されるリアランプ2の灯室内には、赤色光を発する第一光源22が収容されている。
【0021】
ハウジング20は、その内面に形成された第一反射面201及び第二反射面202を有している。
このうち、第一反射面201は、RCランプ部2aの上半部であって、RCランプ部2aの上半部中央に配置された第一光源22の後方に設けられている。この第一反射面201は、第一光源22の近傍を焦点とする放物面状に形成されており、当該第一光源22から後方へ出射された光を前方へ反射させる。
一方、第二反射面202は、第一反射面201の車両中央側の端部に連なるように補助ランプ部2bに設けられている。この第二反射面202は、第一光源22の近傍を焦点とするとともに前方斜め車両側方側へ開口する放物面状に形成されており、当該第一光源22から車両中央側へ出射された光を前方(車両後方)へ反射させる。つまり、RCランプ部2a内の第一光源22から出射された光が補助ランプ部2b内の第二反射面202に入射するように、RCランプ部2aと補助ランプ部2bとは内部が連通している。
なお、第一反射面201及び第二反射面202は、ハウジング20とは別体のリフレクター(図示せず)に形成されていてもよい。
【0022】
アウターレンズ21は、RCランプ部2aの前面を覆う第一レンズ部211と、補助ランプ部2bの前面を覆う第二レンズ部212とが、連結部213によって段付き状に連結された形状に形成されている。具体的には、第一レンズ部211及び第二レンズ部212が、車両側方側に向かって後方へ湾曲しつつ傾斜するようにそれぞれ形成されており、第一レンズ部211の車両中央側の端部から後方へ延出する連結部213の後端部が、第二レンズ部212の車両側方側の端部に繋がっている。
【0023】
また、ハウジング20とアウターレンズ21とで形成されるリアランプ2の灯室内には、ターンランプ23と、2つのRCランプ用導光棒24,24と、2つの第二光源25,25とが収容されている。
ターンランプ23は、RCランプ部2aの下半部に設けられ、方向指示器として点灯動作する。このターンランプ23は一般的な構成を有するランプユニットであるため、詳細な説明については省略する。
【0024】
2つのRCランプ用導光棒24,24は、アウターレンズ21の第一レンズ部211に沿って正面視で左右方向へそれぞれ延在した状態,つまりバックドアDが閉じられたときにリッドランプ3に向かうようにそれぞれ延在した状態で、RCランプ部2aの上半部で上下方向に並設されている。各RCランプ用導光棒24は、車両中央側の端面をアウターレンズ21の連結部213の近傍で当該連結部213に対向させている。また、各RCランプ用導光棒24の後面には、車両側方側の端面から当該RCランプ用導光棒24内に入射した光を長手方向に沿って導光させつつ前方へ反射させるための複数のレンズカット241,…が、全長に亘って形成されている(図7参照)。
【0025】
2つの第二光源25,25は、赤色光を発するLED(発光ダイオード)であり、RCランプ用導光棒24,24と、後述するリッドランプ用導光棒33,33とを発光させるための光源である。この2つの第二光源25,25は、2つのRCランプ用導光棒24,24の長手方向の端面のうち、リッドランプ3側とは反対側の車両側方側の端面に発光面を対向させた状態で、当該端面の近傍に配置されている。
【0026】
リッドランプ3は、図2及び図6に示すように、バックドアDが閉じられたときに、補助ランプ部2bの前方であってRCランプ部2aの車両中央側に隣接する位置に配置されるように、バックドアDの左右側方端に設けられている。
このリッドランプ3は、前面が開口したハウジング30と、当該ハウジング30の前面開口を覆うアウターレンズ31とを備えている。このうち、アウターレンズ31は、バックドアDが閉じられたときに、リアランプ2のアウターレンズ21の第一レンズ部211に対して面一となるように形成されている。また、アウターレンズ31の周縁には、後方へ立設された立設部311が形成されており、この立設部311の後端がハウジング30の開口周縁と固定されている。
【0027】
ハウジング30及びアウターレンズ31で形成されるリッドランプ3の灯室内には、バックランプ32と、2つのリッドランプ用導光棒33,33とが収容されている。
バックランプ32は、リッドランプ3の下半部に設けられ、後退灯として点灯動作する。このバックランプ32は一般的な構成を有するランプユニットであるため、詳細な説明については省略する。
【0028】
2つのリッドランプ用導光棒33,33は、アウターレンズ31に沿って正面視で左右方向へそれぞれ延在した状態で、リアランプ2の2つのRCランプ用導光棒24,24と上下方向の位置を略一致させつつ上下方向に並設されている。各リッドランプ用導光棒33の後面には、図7に示すように、車両側方側の端面から当該リッドランプ用導光棒33内に入射した光を長手方向に沿って導光させつつ前方へ反射させるための複数のレンズカット331,…が、全長に亘って形成されている。また、各リッドランプ用導光棒33は、車両側方側の端面をアウターレンズ31の立設部311の近傍で当該立設部311に対向させている。より詳しくは、各リッドランプ用導光棒33は、バックドアDが閉じられたときに、その車両側方側の端面を、リアランプ2のアウターレンズ21の連結部213とアウターレンズ31の立設部311とを介して、リアランプ2のRCランプ用導光棒24の車両中央側の端面と対向させている。そのため、当該リッドランプ用導光棒33は、後述するように、RCランプ用導光棒24を導光してきた第二光源25からの光によって発光する。
【0029】
続いて、車両用灯具ユニット1の点灯動作について説明する。
まず、バックドアDが閉じられているときには、図2及び図6に示すように、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2のRCランプ部2aの車両中央側にリッドランプ3が位置し、リアランプ2の補助ランプ部2bがバックドアD(リッドランプ3)に覆われた状態となっている。
【0030】
この状態において、車両用灯具ユニット1が尾灯及び制動灯として点灯動作を行う旨の制御指令を車両本体から受けると、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2の第一光源22と2つの第二光源25,25とを点灯させる。
【0031】
このうち、第一光源22から出射された光(赤色光)は、ハウジング20の第一反射面201で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第一レンズ部211を通じて車両後方へ照射される。これにより、第一反射面201が形成されたRCランプ部2aの上半部が車両後方向きに発光する。
【0032】
一方、各第二光源25から出射された光(赤色光)は、図7に示すように、RCランプ用導光棒24の車両側方側の端面から当該RCランプ用導光棒24内に入射し、その後面の複数のレンズカット241,…によって当該RCランプ用導光棒24内を長手方向に沿って導光しつつ前方(車両後方)へ反射される。そして、車両後方へ反射された光がRCランプ用導光棒24から車両後方へ照射されることにより、当該RCランプ用導光棒24が全長に亘って車両後方向きに発光する。
【0033】
また、第二光源25から出射されてRCランプ用導光棒24内に入射した光のうち、当該RCランプ用導光棒24内をその車両中央側端まで導光した光は、RCランプ用導光棒24の車両中央側の端面から出射した後に、リアランプ2のアウターレンズ21の連結部213とリッドランプ3のアウターレンズ31の立設部311とを介して、リッドランプ3のリッドランプ用導光棒33に車両側方側の端面から入射する。そして、この光がリッドランプ用導光棒33の後面の複数のレンズカット331,…によって当該リッドランプ用導光棒33内を長手方向に沿って導光しつつ前方(車両後方)へ反射されて、当該リッドランプ用導光棒33から車両後方へ照射されることにより、当該リッドランプ用導光棒33が全長に亘って車両後方向きに発光する。
【0034】
次に、バックドアDが開かれているときには、図3及び図5に示すように、車両用灯具ユニット1は、リアランプ2の補助ランプ部2bが車両後方へ露出した状態となっている。
この状態において、車両用灯具ユニット1が尾灯及び制動灯として点灯動作を行う旨の制御指令を車両本体から受けると、車両用灯具ユニット1は、バックドアDが閉じられているときと同様に、リアランプ2の第一光源22と2つの第二光源25,25とを点灯させる。
【0035】
このうち、第一光源22から出射された光(赤色光)であってハウジング20の第一反射面201へ出射されたものは、当該第一反射面201で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第一レンズ部211を通じて車両後方へ照射される。これにより、第一反射面201が形成されたRCランプ部2aの上半部が車両後方向きに発光する。
【0036】
また、第一光源22から出射された光(赤色光)のうち、車両中央側へ出射されたものは、RCランプ部2aから補助ランプ部2b内へ入射して第二反射面202で前方(車両後方)へ反射され、アウターレンズ21の第二レンズ部212を通じて車両後方へ照射される。これにより、補助ランプ部2bが、RCランプ部2a内の第一光源22によって車両後方向きに発光する。
【0037】
一方、各第二光源25から出射された光(赤色光)は、バックドアDが閉じられているときと同様にして、RCランプ用導光棒24を通じて車両後方へ照射される。そして、RCランプ用導光棒24が全長に亘って車両後方向きに発光する。
【0038】
以上の車両用灯具ユニット1によれば、バックドアDに設けられたリッドランプ3と、バックドアDが開かれたときに車両後方へ露出してリッドランプ3と同様に点灯動作する補助ランプ部2bと、を備えるので、バックドアDが開かれたときにはリッドランプ3に代えて(又はリッドランプ3と共に)補助ランプ部2bを点灯させることにより、バックドアDが開かれたときにも車両後方への安全性を確保することができる。
【0039】
また、補助ランプ部2bが、RCランプ部2a内の第一光源22によって発光するように、当該RCランプ部2aと一体的に構成されているので、補助ランプ部2b専用の光源を設ける必要がない。したがって、リアコンビネーションランプとは別体の補助ランプを単純に設ける場合と異なり、部品点数の増加を抑えることができる。
【0040】
また、バックドアDが閉じられたときには、リアランプ2のRCランプ部2aに設けられた第二光源25から出射されてRCランプ用導光棒24を通じて当該RCランプ用導光棒24の車両中央側の端面から出射した光が、リッドランプ3に設けられたリッドランプ用導光棒33の車両側方側の端面から当該リッドランプ用導光棒33に入射して、当該リッドランプ用導光棒33を発光させるので、リッドランプ3のリッドランプ用導光棒33を発光させるための光源をリッドランプ3自体に設ける必要がない。したがって、リッドランプ3から当該光源を排除でき、リッドランプ3を軽量且つコンパクトに構成することができる。
【0041】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0042】
例えば、上記実施形態では、リアランプ2のRCランプ部2aとリッドランプ3とが左右方向に隣接することとしたが、例えば上下方向に隣接することとしてもよい。但し、この場合に、補助ランプ部2bの位置や、RCランプ用導光棒24及びリッドランプ用導光棒33の延在方向等を適宜変更する必要があることは勿論である。
【0043】
また、バックドアDは、車両後部の荷室扉であれば、トランクリッドやテールゲート等と呼ばれるものであってもよいし、跳ね上げ式のものでなくとも、横開き式や観音開き式のものであってもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 車両用灯具ユニット
2 リアランプ
2a リアコンビネーションランプ部(リアコンビネーションランプ)
2b 補助ランプ部(補助ランプ)
20 ハウジング
201 第一反射面
202 第二反射面(反射面)
21 アウターレンズ
211 第一レンズ部
212 第二レンズ部
213 連結部
22 第一光源(光源)
23 ターンランプ
24 RCランプ用導光棒(第一導光棒)
241 レンズカット
25 第二光源(導光棒用光源)
3 リッドランプ
30 ハウジング
31 アウターレンズ
311 立設部
32 バックランプ
33 リッドランプ用導光棒(第二導光棒)
331 レンズカット
C 車両
D バックドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7