特許第6029863号(P6029863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000002
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000003
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000004
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000005
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000006
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000007
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000008
  • 特許6029863-自動車用牽引フック 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029863
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】自動車用牽引フック
(51)【国際特許分類】
   B60D 1/04 20060101AFI20161114BHJP
   B60D 1/18 20060101ALI20161114BHJP
   B60R 19/48 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B60D1/04 A
   B60D1/18
   B60R19/48 W
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-138266(P2012-138266)
(22)【出願日】2012年6月19日
(65)【公開番号】特開2014-904(P2014-904A)
(43)【公開日】2014年1月9日
【審査請求日】2015年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】399075304
【氏名又は名称】コックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081949
【弁理士】
【氏名又は名称】神保 欣正
(72)【発明者】
【氏名】渦尻 栄治
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−122863(JP,A)
【文献】 実開昭60−157405(JP,U)
【文献】 特開2005−186846(JP,A)
【文献】 特開2004−136745(JP,A)
【文献】 実開平04−083903(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60D 1/04
B60D 1/18
B60R 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンパーに設けた貫通穴を介して車体内部に一端を進入させた後、車体内部の被取り付け部に一端を螺着することにより車体に固定する牽引フックにおいて、金属製の牽引フック本体の他端に前記のバンパーに設けた貫通穴を貫通可能な大きさの金属製の環状連結具を設け、上記環状連結具は後端に延設した螺子杆をもって牽引フック本体に螺着されることにより、先端がバンバーから突出しないように牽引フック本体に対する突出量を調節可能とし、この環状連結具に牽引ロープを固定するための非剛性素材よりなる可撓性を有する牽引ストラップを挿通して固定したことを特徴とする自動車用牽引フック。
【請求項2】
牽引ストラップは布により構成される請求項1記載の自動車用牽引フック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車の牽引に用いるための牽引フックに関し、特にレース用の自動車に最適な自動車用牽引フックに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車に着脱自在な牽引フックが公知である。この種のフックは牽引時に自動車に取り付けることを前提としており、一端を車体への螺着部とし、他端を牽引ロープなどを掛止するフック部としている。
【0003】
そして、前記の牽引フックとして、バンパーに設けた貫通穴を介してフック部の後端に延設した螺子杆を車体内部に進入させた後、レインフォースメントなどの被取り付け部に一端を螺着することにより車体に固定する構造のものが提案されている(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4539320号公報
【特許文献2】特開2002−331889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、サーキットなどでレースのために走行する自動車の場合、自走不能時の事態に備え車体に予め牽引フックを装着することが規則上求められている。
【0006】
この場合、そのまま公道上を走行しようとする場合は、前記の従来技術の牽引フックはフック部がバンパーの外に突出しているので、保安基準に違反することとなり、牽引フックを一旦取り外さなくてはならない面倒があった。
【0007】
また、サーキット内を走行する場合でも、不測の接触事故時にバンパーの外に突出しているフック部が相手側の自動車に突き刺さり大きなダメージを与える危険があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の自動車用牽引フックは前記の問題点に鑑みて創作されたものであり、バンパーに設けた貫通穴を介して車体内部に一端を進入させた後、車体内部の被取り付け部に一端を螺着することにより車体に固定する牽引フックにおいて、牽引フック本体の他端に前記のバンパーに設けた貫通穴を貫通可能な大きさの環状連結具を設け、この環状連結具に非剛性素材よりなる可撓性を有する牽引ストラップを挿通して固定したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2記載の自動車用牽引フックは、前記の牽引フックにおいて、環状連結具を後端に延設した螺子杆をもって牽引フック本体に螺着することにより、環状連結具の牽引フック本体に対する突出量を調節可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上の構成よりなるこの発明の自動車用牽引フックは、牽引ロープは非剛性素材よりなる可撓性を有する牽引ストラップを介して牽引フックに連結され、前記牽引ストラップは牽引フック本体の他端に設けられた環状連結具に挿通することにより固定される。この場合、前記環状連結具はバンパーに設けた貫通穴を貫通可能な大きさに構成されるので、環状連結具を車体内部に後退させることにより牽引フックの固い部分がバンバーから突出することが防止される。
【0011】
よって、この発明によれば、牽引フックを装着したままでも公道での走行に支障を来すことがなく、また、サーキットにおける不測の接触事故時においても他の車にダメージを与えることを防止できる。
【0012】
さらに、請求項2記載の発明によれば、螺子杆の回転により環状連結具を進退させることにより環状連結具の前後位置を調整できるので、車体内部の被取り付け部とバンパーとの距離が車種により異なる場合でも一種類の牽引フックで対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の自動車用牽引フックの分解状態の一部切り欠き側面図。
図2】同上、組み立て状態の側面図。
図3】同上、組み立て状態の平面図。
図4】同上、牽引フック本体の正面図。
図5】この発明の自動車用牽引フックおよび自動車の使用状態の一部切り欠き側面図。
図6】この発明の自動車用牽引フックの側面図。
図7】この発明の自動車用牽引フックの牽引フック本体の異なる実施例の側面図。
図8】この発明の自動車用牽引フックの牽引フック本体の異なる実施例の側面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の自動車用牽引フックの具体的実施例を添付図面に基づいて説明する。図1はこの発明の牽引フックの各部材を示すための分解状態の一部切り欠き側面図である。図中符合1は金属製の牽引フックの本体であり、一端を雄螺子部2とし、これを自動車の車体内部のレインフォースメントなどの被取り付け部Rに設けた雌螺子部R1に螺合することにより車体に固定される(図5参照)。
【0015】
図中符合5は牽引ストラップ9が固定される金属製の環状連結具である。この実施例においては環状連結具5は牽引フック本体1とは同体にせず、後端に延設した螺子杆7をもって牽引フック本体1内に設けた雌螺子部4に螺合することにより、螺子杆の回転によって牽引フック本体に対し進退できるようにしている(図6参照)。なお、図中符合3はこれらの螺合時にレンチなどで牽引フック本体1を固定するために牽引フック本体周側に設けられた多角形部、図中符合8は螺合中途で固定するために環状連結具5の螺子杆7に螺合される固定ナットである。
【0016】
環状連結具5は牽引ストラップ9が挿通される環状体6からなり、この環状体は自動車のバンパーBに設けた貫通穴B1を貫通可能な大きさに構成される(図5参照)。
【0017】
非剛性素材よりなる可撓性を有する牽引ストラップ9はこの実施例では布地により構成され一端10を環状連結具5の環状体6に挿通された後に折り返すとともに、他端12を牽引ロープなど(図示せず)を固定できるようにループ状に折り返し、それぞれを重ねて縫着部11により固定する(図2、3参照)。
【0018】
なお、前記の牽引フック本体1の形状は図示のものに限定されるものではなく、例えば図7、8に示すようなものも想定し得る。
【符号の説明】
【0019】
1 牽引フック本体
2 雄螺子部
5 環状連結具
7 螺子杆
9 ストラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8