(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029886
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ICタグホルダー付き溶着パレット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/38 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
B65D19/38 Z
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-175523(P2012-175523)
(22)【出願日】2012年8月8日
(65)【公開番号】特開2014-34402(P2014-34402A)
(43)【公開日】2014年2月24日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】500321955
【氏名又は名称】日本パレットレンタル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】590000477
【氏名又は名称】日本プラパレット株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
(74)【代理人】
【識別番号】100099542
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 保
(72)【発明者】
【氏名】松井 隆伸
(72)【発明者】
【氏名】山本 壮司
(72)【発明者】
【氏名】川本 康介
【審査官】
西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−050024(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3073564(JP,U)
【文献】
特開2010−221516(JP,A)
【文献】
特開2009−018830(JP,A)
【文献】
特開2005−280784(JP,A)
【文献】
特開2012−006620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/00−19/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部スキッドと下部スキッドとを、溶着面で溶着することにより形成されている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、
ICタグホルダーの下端部水平リブに、少なくとも下方へ突出し、上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、
ICタグホルダーの下端部水平リブよりも上部位置に形成された弾性部材の弾性板状部には、係止突条が形成されており、
ICタグホルダーが、溶着パレットのICタグホルダー収容空間に収容された際には、ICタグホルダーの弾性調整部材が、ICタグホルダー収容空間を形成する底部に当接するとともに、ICタグホルダーの弾性部材の弾性板状部に形成された係止突条が、ICタグホルダー収容空間を形成する垂直奥壁に形成された係止段差に係止されるように構成されていることを特徴とするICタグホルダー付き溶着パレット。
【請求項2】
ICタグホルダー収容空間に、ICタグホルダーが取り付けられた際に、ICタグホルダーが近接して位置する上部壁部と下部壁部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のICタグホルダー付き溶着パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬、移送、保管等に使用されるICタグホルダー付き溶着パレットに関するものであり、ICタグホルダーには、ICタグが収容されており、ICタグは、溶着パレットのサイズや材質や所有者等のパレット自体に関する情報及び溶着パレットに載置される物品の種類や個数や行き先等の物品自体に関する情報等の種々の情報が蓄積されるICチップや電池やアンテナ等が収容されている。
【背景技術】
【0002】
従来、ICタグが収容されたICタグホルダーを、溶着パレットに形成されたICタグホルダー収容部に収容することが行われている。このようなICタグホルダー付き溶着パレットは、一例として、特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2009−78827号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のICタグホルダー付き溶着パレットにおいては、ICタグホルダーの上下端が、溶着パレットのICタグホルダー収容部に形成された固定ブロック間に挟持されるように構成されている。しかしながら、一対のスキッドを溶着することにより形成される溶着パレットにおいては、一対のスキッドを溶着した際に、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合がある。
【0005】
一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、ICタグホルダーの高さより大きい場合には、ICタグホルダーが、一対の固定ブロック間で移動し、ICタグホルダーが、溶着パレットから外れたり、損傷するという問題があった。また、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、ICタグホルダーの高さより小さい場合には、ICタグホルダーが変形し、ICタグホルダーが、損傷するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来のICタグホルダー付き溶着パレットが有する課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、上部スキッドと下部スキッドとを、溶着面で溶着することにより形成されている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、ICタグホルダーの下端部水平リブに、弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、ICタグホルダーに形成された弾性部材の弾性板状部には、係止突条が形成されており、ICタグホルダーが、溶着パレットのICタグホルダー収容空間に収容された際には、ICタグホルダーの弾性調整部材が、ICタグホルダー収容空間を形成する底部に当接するとともに、ICタグホルダーの弾性部材の弾性板状部に形成された係止突条が、ICタグホルダー収容空間を形成する垂直奥壁に形成された係止段差に係止されるように構成したものであり、第2には、ICタグホルダー収容空間に、ICタグホルダーが取り付けられた際に、ICタグホルダーが近接して位置する上部壁部と下部壁部を形成したものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、上述した目的を達成するために、第1には、上部スキッドと下部スキッドとを、溶着面で溶着することにより形成されている溶着パレットにICタグホルダーが取り付けられているICタグホルダー付き溶着パレットにおいて、ICタグホルダーの下端部水平リブに
、少なくとも下方へ突出し、上下方向に弾性変形可能な弾性調整部材が形成されているとともに、ICタグホルダー
の下端部水平リブよりも上部位置に形成された弾性部材の弾性板状部には、係止突条が形成されており、ICタグホルダーが、溶着パレットのICタグホルダー収容空間に収容された際には、ICタグホルダーの弾性調整部材が、ICタグホルダー収容空間を形成する底部に当接するとともに、ICタグホルダーの弾性部材の弾性板状部に形成された係止突条が、ICタグホルダー収容空間を形成する垂直奥壁に形成された係止段差に係止されるように構成したものであり、第2には、ICタグホルダー収容空間に、ICタグホルダーが取り付けられた際に、ICタグホルダーが近接して位置する上部壁部と下部壁部を形成したものである。
【0009】
ICタグホルダー収容空間に、ICタグホルダーが取り付けられた際に、ICタグホルダーが近接して位置する上部壁部と下部壁部を形成したので、ICタグホルダーを、より安定した状態で、ICタグホルダー収容空間に収容することができ、従って、ICタグホルダーHに取り付けられたICタグに蓄積された情報を、正確に、読み取りできるとともに、情報を、確実に、書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の溶着パレットの上面からの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の溶着パレットの下面からの斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の溶着パレットの上部デッキの部分拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の溶着パレットのICタグホルダー収容空間の部分拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の溶着パレットのICタグホルダー収容空間の一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明の溶着パレットを構成する上部スキッドの部分拡大斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の溶着パレットを構成する下部スキッドの部分拡大斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明の溶着パレットに取り付けられるICタグホルダーの斜視図である。
【
図9】
図9は、同じく、本発明の溶着パレットに取り付けられるICタグホルダーの斜視図である。
【
図10】
図10は、ICタグが取り付けられた状態のICタグホルダーの斜視図である。
【
図11】
図11は、本発明の溶着パレットのICタグホルダー収容空間にICタグホルダーが取り付けられた状態の一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図12】
図12は、同じく、本発明の溶着パレットのICタグホルダー収容空間にICタグホルダーが取り付けられた状態の一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【
図13】
図13は、同じく、本発明の溶着パレットのICタグホルダー収容空間にICタグホルダーが取り付けられた状態の一部垂直断面を含む部分拡大斜視図である。
【実施例】
【0011】
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り、何ら、本実施例に限定されるものではない。
【0012】
先ず最初に、
図1及び
図2を用いて、ICタグホルダー付き溶着パレット(以下、単に、溶着パレットと称する。)Pについて説明する。
【0013】
溶着パレットPは、公知のように、上部スキッドP’と下部スキッドP”とを溶着することにより形成されている。上部スキッドP’の相対する一方の辺部には、側部桁部p1’が形成されており、また、相対する側部桁部p1’の中間部には、中間桁部p2’が形成されている。同様に、下部スキッドP”の相対する一方の辺部にも、側部桁部p1”が形成されており、また、相対する側部桁部p1”の中間部にも、中間桁部p2”が形成されている。このような上部スキッドP’と下部スキッドP”とを、溶着面p3で溶着することにより、上部スキッドP’の相対する側部桁部p1’と下部スキッドP”の相対する側部桁部p1”とにより、側部桁p1か形成され、また、上部スキッドP’の中間桁部p2’と下部スキッドP”の中間桁部p2”とにより、中間桁p2が形成さている。このようにして形成された溶着パレットPには、相対する側部桁p1と中間桁p2との間には、フォークリフトのフォークが挿入されるフォーク挿入口p4が形成されている。更に、溶着パレットPの下部デッキp5には、相対する側部桁p1の端部と中間桁p2の端部を連結する端部架橋桟p6が形成されているとともに、相対する側部桁p1の中央部と中間桁p2の中央部を連結する中央架橋桟p7が形成されている。
【0014】
溶着パレットPの上部デッキp8には、後述するICタグホルダーHが、挿入可能なICタグホルダー挿入開口p9が形成されており、また、ICタグホルダー挿入開口p9から挿入されるICタグホルダーHが収容されるICタグホルダー収容空間Aが、端部架橋桟p6と中央架橋桟p7との間に位置する中間桁p2の所定の側壁p2aに形成されている。
【0015】
上部デッキp8に形成されたICタグホルダー挿入開口p9は、
図3に示されているように、中間桁p2に沿って、平面形状が、略長方形に形成されており、また、ICタグホルダー挿入開口p9の両端部に位置する端部幅狭部p9aと、幅狭部p9a間に位置する中央広幅部p9bとから形成されている。
【0016】
次に、
図3〜
図5を用いて、ICタグホルダー挿入開口p9から挿入されICタグホルダーHが収容される、中間桁p2の側壁p2aに形成されたICタグホルダー収容空間Aについて説明する。
【0017】
ICタグホルダー収容空間Aは、ICタグホルダー挿入開口p9の長手方向に位置するとともに、中間桁p2から遠い方向に位置する略面一な垂直奥壁a1を有しており、垂直奥壁a1の上部デッキp8から近い位置には、係止段差a1aが形成されている。また、ICタグホルダー収容空間Aは、ICタグホルダー挿入開口p9の両端部に位置する幅狭部p9aを形成する相対する垂直側壁a2を有している。更に、ICタグホルダー収容空間Aは、水平な底部a3を有しており、底部a3の裏面と垂直奥壁a1との隅部には、三角形状の底部補強リブa4が形成されている。更にまた、ICタグホルダー収容空間Aを形成する相対する垂直側壁a2の端部には、垂直側壁a2に略垂直で、且つ、垂直奥壁a1に略平行な上部壁部a5と下部壁部a6が形成されている。更にまた、a10は、ICタグホルダー挿入開口p9を挟んで、垂直奥壁a1と対向するように、且つ、相対する垂直側壁a2を連結する、上部デッキp8から垂下された上端水平リブである。このように、垂直奥壁a1と相対する垂直側壁a2と底部a3と上部壁部a5と下部壁部a6と上端水平リブa10により、ICタグホルダー収容空間Aが形成されており、ICタグホルダー挿入開口p9は、ICタグホルダー収容空間Aに連通されている。従って、ICタグホルダー挿入開口p9から挿入されたICタグホルダーHは、ICタグホルダー収容空間Aに収容されるように構成されている。
【0018】
図6に示されているように、上部スキッドP’には、ICタグホルダー収容空間Aの垂直奥壁a1を形成する上部スキッド側垂直奥壁a1’と、相対する垂直側壁a2を形成する上部スキッド側垂直側壁a2’と、上部壁部a5と、上端水平リブa10とが形成されている。また、
図7に示されているように、下部スキッドP”には、ICタグホルダー収容空間Aの垂直奥壁a1を形成する下部スキッド側垂直奥壁a1”と、相対する垂直側壁a2を形成する下部スキッド側垂直側壁a2”と、底部a3と、下部壁部a6とが形成されている。
【0019】
上述したように形成されている上部スキッドP’と下部スキッドP”とを溶着面p3で溶着することにより、溶着パレットPが形成されている。
【0020】
次に、
図8〜
図10を用いて、ICタグホルダーHについて説明する。
【0021】
ICタグホルダーHは、中央厚肉本体h1と、中央厚肉本体h1を形成する相対する垂直端部リブh1aから外側に延在する幅狭な薄肉部h2とを有している。また、中央厚肉本体h1を形成する下端部水平リブh1bの裏面の両端部には、適当数の端部垂直リブh1cが垂設されており、相対する端部垂直リブh1c間に位置する中央部に位置する下端部水平リブh1bの裏面には、下端部水平リブh1bの長手方向に沿って、その一端が、下端部水平リブh1bの裏面に連結されている平板状の弾性調整部材H1が形成されており、且つ、弾性調整部材H1の自由端部は、端部垂直リブh1cの下端を越えて下方に延在するように構成されている。
【0022】
ICタグホルダーHの中央厚肉本体h1を形成する上端水平リブh1dと、上端水平リブh1dの下方に形成された上部水平リブh1eと、相対する垂直端部リブh1aとにより囲まれた領域には、U字状スリットh1fと、U字状スリットh1fに囲まれた弾性板状部h1gとからなる弾性部材H2が形成されており、弾性板状部h1gの下端には、弾性板状部h1gに垂直な係止突条h1hが形成されている。本実施例においては、弾性部材H2が、上端水平リブh1dにそって、2個形成されている例が示されている。また、h1iは、U字状スリットh1fに囲まれた弾性板状部h1gに形成された、上端水平リブh1dまで延びるICタグホルダーHの係止状態解除凹部であり、ICタグホルダーHを、取り外す際に使用されるマイナスドライバーや棒状等の取外し具が挿入されることになる。
【0023】
下端部水平リブh1bの上方には、下端部水平リブh1bと対向するように中間部水平リブh1jが形成されており、相対する垂直端部リブh1aと、下端部水平リブh1bと、中間部水平リブh1jとに囲まれた領域には、板状のICタグTが収容されるように構成されている。ICタグTは、一例として、下端部水平リブh1bの先端から上方に突出した下部係止爪h1kと、中間部水平リブh1jの先端から下方に突出した上部係止爪h1mとにより、ICタグホルダーHに係止されるように構成されている。
【0024】
次に、
図11〜
図13を用いて、溶着パレットPの上部デッキp8に形成されたICタグホルダ挿入開口p9を経て、ICタグホルダーHのICタグホルダー収容空間Aへの挿着について説明する。
【0025】
先ず最初に、ICタグTが収容されたICタグホルダーHを、上部デッキp8に形成されたICタグホルダー挿入開口p9の端部幅狭部p9aに、ICタグホルダーHの薄肉部h2が挿入され、また、ICタグホルダー挿入開口p9の中央広幅部p9bに、ICタグホルダーHの中央厚肉本体h1が挿入されるように、ICタグホルダー挿入開口p9を経て、ICタグホルダー収容空間AへICタグホルダーHを挿入する。この際、ICタグホルダーHに形成された弾性部材H2を構成する弾性板状部h1gの下端に位置する係止突条h1hが、ICタグホルダー収容空間Aの係止段差a1aの上方に位置する垂直奥壁a1に当接し、弾性板状部h1gの弾勢力に抗して、垂直奥壁a1と対向する上端水平リブa10方向に弾性変形する。その後、ICタグホルダーHを下降させると、弾性板状部h1gの下端に位置する係止突条h1hが、垂直奥壁a1に形成された係止段差a1aに係止し、係止突条h1hが、垂直奥壁a1に形成された係止段差a1aに係止した時点で、弾性板状部h1gは、その弾性復元力により、元の位置に戻ることになる。
【0026】
また、弾性板状部h1gの下端に位置する係止突条h1hが、垂直奥壁a1に形成された係止段差a1aに係止した時点では、ICタグホルダーHの下端部水平リブh1bの裏面に形成された弾性調整部材H1が、ICタグホルダー収容空間Aの底部a3に当接するように構成されている。このようにして、溶着パレットPの上部デッキp8形成されたICタグホルダ挿入開口p9を経て、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに形成されたICタグホルダー収容空間Aに取り付けられることになる。更に、溶着パレットPに形成されたICタグホルダー収容空間Aに、ICタグホルダーHが取り付けられた際には、ICタグホルダー収容空間Aを形成する上部壁部a5と下部壁部a6が、ICタグホルダーHの薄肉部h2に近接して位置するように構成されており、従って、ICタグホルダーHを、より安定した状態で、ICタグホルダー収容空間Aに収容することができる。このことにより、ICタグホルダーHに取り付けられたICタグTに蓄積された情報を、正確に、読み取りできるとともに、情報を、確実に、書き込むことができる。
【0027】
上述したように、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに取着されることになるが、一対のスキッドを溶着することにより形成される溶着パレットにおいては、一対のスキッドを溶着した際に、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合がある。しかしながら、本発明においては、ICタグホルダーHを構成する下端部水平リブh1bの裏面には、弾性調整部材H1が形成されており、ICタグホルダーHが、ICタグホルダー収容空間Aに収容された際には、ICタグホルダーHの下端部水平リブh1bの裏面に形成された弾性調整部材H1が、ICタグホルダー収容空間Aの底部a3に当接するように構成されている。
【0028】
上述したように、ICタグホルダーHが、溶着パレットPに取着されることになるが、一対のスキッドを溶着することにより形成される溶着パレットにおいては、一対のスキッドを溶着した際に、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーの高さより、大きかったり、小さくなる場合がある。しかしながら、本発明においては、ICタグホルダーHを構成する下端部水平リブh1bの裏面には、弾性変形可能な平板材からなる弾性調整部材H1が形成されており、ICタグホルダーHの弾性板状部h1gの下端に位置する係止突条h1hが、ICタグホルダー収容空間Aの垂直奥壁a1に形成された係止段差a1aに係止した時点では、弾性調整部材H1が、ICタグホルダー収容空間Aの底部a3に当接するように構成されているので、一対のスキッドに形成された固定ブロックの間隔が、一定せず、ICタグホルダーHの高さより、大きかったり、小さくなる場合があっても、その誤差を、弾性調整部材H1により、吸収することができるので、ICタグホルダーHの高さより小さい場合には、ICタグホルダーのガタツキや振動を防止することができるとともに、ICタグホルダーHの高さより大きい場合には、ICタグホルダーの損傷を防止することができる。
【0029】
上述した実施例における、ICタグホルダーHを構成する下端部水平リブh1bの裏面に形成された平板状の弾性調整部材H1に代えて、両端が、下端部水平リブh1bの裏面に連結され、円弧状部分が下方に位置する円弧状弾性片を適用することもできるなど、種々の弾性片を適用することができる。
【符号の説明】
【0030】
A・・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダー収容空間
a1a・・・・・・・・・・・・・・係止段差
a3・・・・・・・・・・・・・・・底部
H・・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダー
H1・・・・・・・・・・・・・・・弾性調整部材
H2・・・・・・・・・・・・・・・弾性部材
h1h・・・・・・・・・・・・・・係止突条
P・・・・・・・・・・・・・・・・溶着パレット
p9・・・・・・・・・・・・・・・ICタグホルダ挿入開口
T・・・・・・・・・・・・・・・・ICタグ