特許第6029894号(P6029894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029894
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】看板
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/00 20060101AFI20161114BHJP
   G09F 7/18 20060101ALI20161114BHJP
   G09F 13/02 20060101ALN20161114BHJP
【FI】
   G09F7/00 E
   G09F7/18 Q
   !G09F13/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-191828(P2012-191828)
(22)【出願日】2012年8月31日
(65)【公開番号】特開2013-65008(P2013-65008A)
(43)【公開日】2013年4月11日
【審査請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2011-190151(P2011-190151)
(32)【優先日】2011年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090206
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 信道
(72)【発明者】
【氏名】北河 耕治
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 義広
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−148980(JP,U)
【文献】 特開2010−256813(JP,A)
【文献】 特開2006−307535(JP,A)
【文献】 特開2000−027350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F7/00−7/22
G09F13/02
E04B7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
庇とパネル体とを備え、庇は、屋根材支持枠と、屋根材支持枠に着脱自在な屋根材とを有し、パネル体は、躯体に固定してあり、上下枠及び縦枠からなるパネル枠と表示パネルとを有しており、表示パネルは、パネル枠に固定してあり、屋根材支持枠は、パネル枠の上枠に載置してパネル枠の上枠に固定してあることを特徴とする看板。
【請求項2】
庇とパネル体とを備え、庇は、屋根材支持枠と、屋根材支持枠に着脱自在な屋根材とを有し、パネル体は、躯体に固定してあり、上下枠及び縦枠からなるパネル枠と表示パネルとを有しており、表示パネルは、パネル枠に固定してあり、屋根材支持枠は、躯体側端部に下方に開口する凹部を有し、凹部にパネル枠の上枠を呑み込ませてあるとともに、パネル枠の上枠に載置してパネル枠の上枠に固定してあることを特徴とする看板
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明を有する看板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の看板は、壁面や支柱の屋外側に固定されたパネル体の上側に、パネル体の表示パネルよりも前面に突出した庇を固定し、その庇に内蔵するLEDや蛍光管等の照明装置から表示パネルを照らすことで使用されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録第3162304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような従来の看板は、庇と表示パネルが別々のものであったことから、施工時には庇と表示パネルを個々に取り付けるため施工性が悪く、また、施工者により取付位置の誤差や製品のばらつきが出やすくなるとともに、看板の外観意匠性が悪くなる問題点があった。本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、意匠性が高く施工性も良い看板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1記載の発明は、庇とパネル体とを備え、庇は、屋根材支持枠と、屋根材支持枠に着脱自在な屋根材とを有し、パネル体は、躯体に固定してあり、上下枠及び縦枠からなるパネル枠と表示パネルとを有しており、表示パネルは、パネル枠に固定してあり、屋根材支持枠は、パネル枠の上枠に載置してパネル枠の上枠に固定してあることを特徴とする。
【0006】
本発明のうち請求項2記載の発明は、庇とパネル体とを備え、庇は、屋根材支持枠と、屋根材支持枠に着脱自在な屋根材とを有し、パネル体は、躯体に固定してあり、上下枠及び縦枠からなるパネル枠と表示パネルとを有しており、表示パネルは、パネル枠に固定してあり、屋根材支持枠は、躯体側端部に下方に開口する凹部を有し、凹部にパネル枠の上枠を呑み込ませてあるとともに、パネル枠の上枠に載置してパネル枠の上枠に固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1記載の発明によれば、庇と表示パネルが一体型になっていることから、施工性がよく、設計段階で庇と表示パネルの寸法や意匠が対応していることにより、製品のばらつきがなく意匠性の高い看板を提供できる。さらに、屋根材支持枠がパネル体の上枠に載置して固定してあることにより、庇がパネル体から強固に支持される。
【0008】
本発明の請求項2記載の発明によれば、庇と表示パネルが一体型になっていることから、施工性がよく、設計段階で庇と表示パネルの寸法や意匠が対応していることにより、製品のばらつきがなく意匠性の高い看板を提供できる。さらに、庇の屋根枠支持体の凹部に、パネル体の上枠を呑み込ませ、屋根材支持枠がパネル体のパネル枠の上枠に載置して固定してあることにより、庇がパネル体に安定した状態で固定される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、図5のF−F線断面図であり、(b)は、(a)中Aを拡大して庇とパネル枠の取付状態を示す縦断面図である。
図2】本実施による看板のパネル枠を示すものであり、(a)は、正面図、(b)は、B−B線断面図であり、(c)は、(b)中Cを拡大して示す横断面図であり、(d)は、(b)中Dを拡大して示す横断面図である。
図3】(a)は、パネル体の背面図であり、(b)は、(a)中Eパネル枠の下枠と縦枠の取付状態を示す斜視図である。
図4】(a)〜(c)は、本実施による看板の施工手順を示すものであり、(a)(b)は簡略化した縦断面図、(c)は、斜視図である。
図5】本実施による看板の全体を示す斜視図である。
図6】本発明の他の実施形態を示す図7(a)中G−G線断面図である。
図7】本実施による看板を示す(a)は全体の正面図であり、(b)は、(a)中Hを拡大して示す正面図であり、(c)は、パネル体下部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面に基づいて本実施による看板の実施の形態を説明する。
本実施による看板は、図1(a)と図5のように、庇1とパネル体2から構成するものであり、庇1とパネル体2は、ネジ23により固定してある。庇1は、屋根材3と屋根材支持枠4とからなり、屋根材3は、屋外側に向かうに従って下方に傾斜する半円弧状をなすものであり、屋外側先端部には、LED照明枠5を片持ちして支持する挟持部6が設けてあり、また、屋内側端部には、屋根材3を屋根材支持枠4にネジ止め固定するネジ止め部7が設けてある。屋根材支持枠4は、図1(b)のように、屋外側にLED照明枠5と電源部8を支持する略水平な水平壁4aと、水平壁4aの屋外側端部から上方に略垂直に延びる垂直壁4bと、垂直壁4bの上端部から躯体9側に向けて略水平に延びる天壁4cと、天壁4cの躯体9側端部から上方に略垂直に延びる立ち上がり壁4dとから段状に形成するものであり、そのうちの垂直壁4bと天壁4cによりパネル体2の上枠12を呑み込む凹部31を構成している。また、垂直壁4bの中間部やや上側には躯体9側に向けて突出した係止部10を有しており、さらに、立ち上がり壁4dの上端部には、屋外側に開放したネジ穴部11を有しており、屋根材3のネジ止め部7と嵌合するともに、ネジ止め部7とネジ穴部11は、ネジ22によりネジ止めしてある。
【0011】
パネル体2は、図2(a)のように、四周を囲むパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)と、表示パネル15と、押縁16,24とからなっており、パネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)は、図1(b)のように、断面略矩形状をなし、屋外側と内周側と外周側の三方に溝17を有するとともに、外周側には屋外側と躯体側に被係止部18aをそれぞれ突出し且つ外周側が略水平に形成された張出壁18が設けてある。また、上枠12、下枠13、縦枠14、後述する補強材14aのすべてに共通形状のものが使用されている。表示パネル15は、パネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)に対応した略矩形状をなし、その屋外側面に広告や案内などの文字や図柄などの情報が印刷してある。押縁16,24は、図1図2(d)のように、表示パネル15をパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)に保持するものであり、略L字状をなし、L字の一片16a,24aをパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)にネジ25,32で固定するとともに、他片16b,24bで表示パネル15を押さえるものである。また、パネル体2の上枠12と下枠13と縦枠14の枠組みについては、図3(a)(b)のように、各々が付き合わさるコーナー部の躯体側に金属板からなるアングル19,26を用いて固定される。このアングル19,26には、ネジ孔20が設けてあり、アングル19,26を上枠12と縦枠14、下枠13と縦枠14に跨る状態で各々配置するとともに、上枠12と下枠13と縦枠14の各溝17とネジ孔20にネジ21を挿入してネジ止めすることにより、パネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)を枠組みするものである。さらに、パネル体2と躯体9の取り付けは、躯体9に打ち込んであるアンカー28のネジ部を縦枠14に固定したL字アングル33に挿通し、そのネジ部をナット34で締めて固定するものである。また、パネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)は、すべて共通形状をなすものが使用されることから、部品種が少なくなって省コスト化が図れる。さらに、パネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14、補強材14a)に溝17が設けてあることにより、その溝17の適宜な箇所にアングル19,26やL字アングル33、その他金具類を自由に取り付けできることから施工性が高くなる。尚、符号14aは、補強材であり、この補強材についてもパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)と共通した形状をなすものが使用されている。
【0012】
上記のように構成する看板の施工手順は、第一の手順として図4(a)のように、躯体9に打ち込んだアンカー28に、庇1の屋根材支持枠4のみを取り付けたパネル体2を固定する。第二の手順として図4(b)のように、屋根材3を屋根材支持枠4に載置し、そのときに嵌合するネジ止め部7とネジ穴部11をネジ22でネジ止めする。図4(c)のように、庇1と上枠12、また、下枠13と押縁16の間の間隙に、表示パネル15を差し入れてスライドし、各々で表示パネル15を位置決めして庇1の両側をカバー27で塞ぐとともに、パネル体2の両側(縦枠14外周部)を押縁24で塞ぐことにより、本実施による看板の躯体への取り付けが完了する。
【0013】
上記の施工手順を経て形成された本実施による看板は、庇1の屋根枠支持体4の凹部31に、パネル体2の上枠12を呑み込ませることにより、屋根材支持枠4の天壁4cがパネル体2のパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)の上枠12に載置するとともに、垂直壁4bが上枠12の屋外側と重合する。これにより、パネル体2が庇1の垂直荷重を受けるとともに、庇1の躯体側部分がパネル体2と重合することにより、荷重で垂れ下がろうとする庇1をパネル体2の上枠12の屋外側面で受けるので、庇1がパネル体2の上枠12にしっかりと取り付けできる。さらに、垂直壁4bの係止部10と上枠12の被係止部18aが係止することにより、風圧や他物との接触などで庇1がパネル体2から持ち上がろうとするときに、これを抑えることができるので、庇1とパネル体2の取付状態がより強固となる。また、設計段階で庇1と表示パネル15の寸法や意匠が対応していることにより、製品のばらつきがなく、庇1とパネル体2が隙間なく取り付けられるので、庇1とパネル体2の統一感が生まれ、看板の外観意匠性も向上する。また、パネル体2は、寸法が大きくなってもパネル枠(上枠12、下枠13、縦枠14)に溝17が設けてあることから、縦横の補強材の本数を増やして上枠12と下枠13、あるいは縦枠14間の適宜な箇所に取り付けることができる。さらに、屋根材支持枠4から屋根材3を着脱できることから、屋根材3を取り外せば、屋根材支持枠4に取り付けられたLED照明枠5や電源部8が露出するので、これらの交換が簡単に行えるとともに、屋根材3を取り外した状態で看板を躯体9に取り付けできることから、作業時に屋根材3を傷付けることがないので、取付作業が容易に行える。
【0014】
本発明の他の実施形態として図6のように、庇1とパネル体2から構成するものであり、庇1とパネル体2は、ネジ23により固定してある。そして、上記実施形態と相違する構成として、パネル体2は、表示パネル15の上端部を上枠12の正面側にネジ35で固定してあり、さらに、図1(a)と図2(d)のように、表示パネル15の左右側端部と下端部を縦枠14と下枠13に対して押縁16,24で固定してある。そのパネル体2の上枠12を庇1の屋根枠支持体4の凹部31に呑み込ませ、屋根材支持枠4の天壁4cをパネル体2の上枠12に載置し、さらに、天壁4cと上枠12をネジ23で固定したものである。このように形成すると、庇1とパネル体2が一体的に構成されるので、看板の外観意匠性が好適なものとなり、さらに、庇1をパネル体2に載置した状態でネジ23により固定するので、庇1がパネル体2に安定した状態で固定される。また、本実施の看板に使用されるコーナー金具19は、図7(a)(b)のように、板状をなすとともに、パネル体2の躯体9側に取り付けてあり、その板状の中央部が躯体9側に彎曲変形して躯体当接部19aを形成している。そして、パネル体2を躯体9に取り付けたとき、図7(c)のように、コーナー金具9の躯体当接部19aが躯体9に当接する。このようにすると、パネル体12と躯体9との間に生じた隙間が埋められるので、パネル体2を躯体9に安定した状態で取り付けることができる。
【0015】
上記各実施形態では、本発明の看板を躯体9として壁部に取り付けるものを挙げたが、支柱や横桟に取り付けるものでもよい。また、庇1の屋根材3の形状やパネル体2の大きさについても上記実施形態のものに限らず、様々なものに対応できる。
【符号の説明】
【0016】
1 庇
2 パネル体
3 屋根材
4 屋根材支持枠
12 上枠(パネル枠)
13 下枠(パネル枠)
14 縦枠(パネル枠)
15 表示パネル
16,24 押縁
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7