特許第6029903号(P6029903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029903
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】テープ貼り付け装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/04 20060101AFI20161114BHJP
   B65H 35/07 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B65H37/04 B
   B65H35/07 Z
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-203931(P2012-203931)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-58366(P2014-58366A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】596066482
【氏名又は名称】明正工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生
(72)【発明者】
【氏名】永上 修一
(72)【発明者】
【氏名】上野 宏伸
【審査官】 松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−110457(JP,U)
【文献】 特開2005−133387(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1178148(EP,A2)
【文献】 実開昭55−052682(JP,U)
【文献】 特開平08−259089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/00−35/10
B65H 37/00−37/06
B65H 41/00
B65H 45/00−47/00
F24D 1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネル状の断熱材を搬送路に順次投入して該断熱材を連続的に搬送しながら並べていき、連続的に並べられた断熱材の一面に金属板を接合して片面金属板断熱パネルを製造するにあたり、
連続的に並べられた前記断熱材の他面側の互いの接合端部に、該接合端部の継ぎ目を覆って粘着テープを貼り付けるテープ貼り付け装置であって、
前記搬送路を搬送される前記断熱材の前記他面側に、該他面に常時対向する平坦な貼り付け面を有し、かつ、直線移動のみにより前記接合端部に当接可能な進出位置と該接合端部から離れた待機位置との間を進退可能に設けられ、進出時に貼り付け面が前記継ぎ目を覆って該継ぎ目の両側の前記互いの接合端部の双方に同時に当接可能な貼り付け部材と、
前記貼り付け部材が前記待機位置に位置している時に、前記貼り付け面に粘着テープをセットするテープセット手段と、
前記貼り付け面にセットされた粘着テープを、該貼り付け面に吸着して保持する吸着手段と、
前記貼り付け部材を前記接合端部に対して進退させ、前記貼り付け面に粘着テープがセットされた前記貼り付け部材を前記接合端部に対し進出させることで、粘着テープを、前記継ぎ目を覆って該継ぎ目の両側の前記互いの接合端部の双方に同時に貼り付ける駆動手段と、
を具備し、
前記テープセット手段は、ロール状に蓄積された粘着テープロールを回転自在に支持するテープロール支持手段と、
該テープロール支持手段に支持された粘着テープロールから、前記待機位置に位置している前記貼り付け部材の前記貼り付け面上に粘着テープを引き出して延在させる粘着テープ引き出し手段と、
該粘着テープ引き出し手段で引き出された粘着テープを、前記粘着テープロールから切断する切断手段と、
を具備し、
前記粘着テープ引き出し手段は、前記断熱材の前記他面と前記貼り付け部材との間に、該貼り付け部材に沿って往復移動可能、かつ、前記搬送路に沿った前後方向に移動可能に配設されたクランプを有し、
該クランプは、前後方向の一方側に移動した状態で、前記粘着テープロールから前記粘着テープを把持し、次いで前記貼り付け部材に沿って移動することで該粘着テープを前記貼り付け面上に引き出して延在させ、
前後方向の他方側に移動すると、前記貼り付け部材に干渉しない位置に配されること
を特徴とするテープ貼り付け装置。
【請求項2】
前記接合端部が前記貼り付け部材に対応する位置に搬送されたことを検知する検知手段を有し、該検知手段の検知信号を受けると前記駆動手段が前記貼り付け部材を前記接合端部に対し進出させて粘着テープを該接合端部に貼り付ける制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のテープ貼り付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル状断熱材を複数並べた片面に金属板を貼り付けてなる片面金属板断熱パネルの断熱材間の合わせ目を接合するテープ貼り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、食品を低温環境で保存する冷蔵倉庫や冷凍倉庫等の建造物における庫内の側壁は、打設コンクリートで構築した駆体の表面でウレタンを発泡させ、発泡したウレタンの表面に金属板を貼り付けるといった築造式の構造が元よりあったが、ウレタンの反応熱の影響等によって施工時間が長くなるなどの問題があった。そこで、予め成形されている断熱パネルを壁面に施工するプレハブ式の側壁構造が普及している(特許文献1,2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−310963号公報
【特許文献2】特開2007−40652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プレハブ式の側壁構造としては、例えばコンクリート壁からなる駆体の表面に断熱パネルを複数層にわたって貼り付け、断熱材の最表面に金属板を貼り付けるといった工法が試みられている。ところがこの工法では、最表面の断熱パネルを施工してから金属板を貼り付けるまでに手間がかかるため全体の施工時間が長くなるといった不満が生じており、改善策が求められていた。そこで、断熱材の片面に金属板を貼り付けた片面金属板断熱パネルを最後に貼り付ける工法が提案された。このような片面金属板断熱パネルは、学校やマンション等の建造物の屋上において、防水シートの下に歩行可能に施工することも試みられている。
【0005】
この片面金属板断熱パネルを製造する方法として、複数のパネル状の断熱材を搬送路に順次投入して断熱材を連続的に搬送しながら並べていき、複数の断熱材の一面に金属板を被せて接合して、所定の長さに切断するといった方法が実施されている。ところがこの方法では、得られたパネルをハンドリングしたり搬送したりする際に、他面側の複数の断熱材が接合端部の継ぎ目が剥離して断熱材に負荷がかかり、折れや破損が生じるといった問題が生じやすかった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その主な目的は、片面金属板断熱パネルを構成する複数の断熱材の継ぎ目が剥離せず、パネルの取り扱い難さを解消することができるテープ貼り付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテープ貼り付け装置は、複数のパネル状の断熱材を搬送路に順次投入して該断熱材を連続的に搬送しながら並べていき、連続的に並べられた断熱材の一面に金属板を接合して片面金属板断熱パネルを製造するにあたり、連続的に並べられた前記断熱材の他面側の互いの接合端部に、該接合端部の継ぎ目を覆って粘着テープを貼り付けるテープ貼り付け装置であって、前記搬送路を搬送される前記断熱材の前記他面側に、該他面に常時対向する平坦な貼り付け面を有し、かつ、直線移動のみにより前記接合端部に当接可能な進出位置と該接合端部から離れた待機位置との間を進退可能に設けられ、進出時に貼り付け面が前記継ぎ目を覆って該継ぎ目の両側の前記互いの接合端部の双方に同時に当接可能な貼り付け部材と、前記貼り付け部材が前記待機位置に位置している時に、前記貼り付け面に粘着テープをセットするテープセット手段と、前記貼り付け面にセットされた粘着テープを、該貼り付け面に吸着して保持する吸着手段と、前記貼り付け部材を前記接合端部に対して進退させ、前記貼り付け面に粘着テープがセットされた前記貼り付け部材を前記接合端部に対し進出させることで、粘着テープを、前記継ぎ目を覆って該継ぎ目の両側の前記互いの接合端部の双方に同時に貼り付ける駆動手段と、を具備し、前記テープセット手段は、ロール状に蓄積された粘着テープロールを回転自在に支持するテープロール支持手段と、該テープロール支持手段に支持された粘着テープロールから、前記待機位置に位置している前記貼り付け部材の前記貼り付け面上に粘着テープを引き出して延在させる粘着テープ引き出し手段と、該粘着テープ引き出し手段で引き出された粘着テープを、前記粘着テープロールから切断する切断手段と、を具備し、前記粘着テープ引き出し手段は、前記断熱材の前記他面と前記貼り付け部材との間に、該貼り付け部材に沿って往復移動可能、かつ、前記搬送路に沿った前後方向に移動可能に配設されたクランプを有し、該クランプは、前後方向の一方側に移動した状態で、前記粘着テープロールから前記粘着テープを把持し、次いで前記貼り付け部材に沿って移動することで該粘着テープを前記貼り付け面上に引き出して延在させ、前後方向の他方側に移動すると、前記貼り付け部材に干渉しない位置に配されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、待機位置に位置する貼り付け部材の貼り付け面にテープセット手段で粘着テープをセットし、吸着手段で貼り付け面に粘着テープを吸着させることで、粘着テープを貼り付け面に保持する。そして、駆動手段により貼り付け部材を断熱材の接合端部に進出させ、粘着テープを継ぎ目を覆って接合端部に押し付けることで、粘着テープを接合端部に貼り付ける。続いて、吸着手段による吸着を解除してから貼り付け部材を待機位置に戻し、粘着テープの貼り付け工程を終える。以上を繰り返すことで、断熱材の接合端部に連続的に粘着テープを貼り付けることができる。このように接合端部を粘着テープで接合された片面金属板断熱パネルは所定長さに切断される。断熱材の接合端部が粘着テープで接合されることにより、断熱材の継ぎ目が剥離せず、パネルの取り扱い難さが解消される。
【0009】
本発明では、前記接合端部が前記貼り付け部材に対応する位置に搬送されたことを検知する検知手段を有し、該検知手段の検知信号を受けると前記駆動手段が前記貼り付け部材を前記接合端部に対し進出させて粘着テープを該接合端部に貼り付ける制御を行う形態を含む。この形態によれば、連続的に搬送される断熱材の接合端部に対し、自動的に粘着テープを連続的に貼り付けることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、片面金属板断熱パネルを構成する複数の断熱材の継ぎ目が剥離せず、パネルの取り扱い難さを解消することができるテープ貼り付け装置が提供されるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る粘着テープ貼り付け装置を備えた片面金属板パネルの製造設備を模式的に示す側面図である。
図2】一実施形態に係るパネル状の断熱材の斜視図である。
図3】複数の断熱材を搬送路に供給して搬送する状態を示す平面図である。
図4】複数の断熱材の上面に鋼板を接合して片面金属板断熱パネル素材を得る工程を示す側面図である。
図5】片面金属板断熱パネル素材を所望の長さに切断して片面金属板断熱パネルを得る工程を示す側面図である。
図6】一実施形態に係る粘着テープ貼り付け装置を示す斜視図である。
図7】同粘着テープ貼り付け装置の正面図である。
図8】同粘着テープ貼り付け装置の動作を示す正面図である。
図9】継ぎ目に粘着テープが貼り付けられた断熱材を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
(1)パネル製造設備
図1は、パネル製造設備を模式的に示しており、図2はパネル状の断熱材1を示している。断熱材1は所定の厚さを有する長方形状であって、例えばポリスチレン等の樹脂発泡材から形成されている。断熱材1の寸法は任意であるが、例えば長さ:1820mm、幅:910mm、厚さ:50mmといった規定寸法に成形されている。本実施形態では、複数の断熱材1を、図1に示すパネル製造設備によって連続的に並べるとともに片面に金属板を接合して所定長さの片面金属板断熱パネルを製造する過程において、断熱材1どうしを粘着テープで接合するテープ貼り付け装置に係るものである。なお、本発明の断熱材の材質は、サイズ同様任意であり、例えばウレタンフォーム、フェノールフォーム、ロックウール等も挙げられる。
【0014】
はじめに、図1に示すパネル製造設備による片面金属板断熱パネルの製造工程の概要を説明する。
【0015】
断熱材1は、パネル製造設備の水平に設けられた搬送路50に、順次供給される。搬送路50は、搬送方向(矢印Fで示す)に並ぶ複数のローラコンベヤ51で構成され、断熱材1は、供給部51aから、長手方向が搬送路50の搬送方向に沿う状態で、かつ、幅方向を揃えて搬送路50に連続して供給される。供給部51aに供給された断熱材は、シリンダ式のプッシャ52によって搬送方向に押され、先行する断熱材1の後端に突き当てられることで、複数の断熱材1が搬送路50上において突き当てられた状態で連続して搬送される。
【0016】
搬送路50の中間部で、図3に示すように、断熱材1の上面側に鋼板(金属板)30が適宜な接着剤によって接合される。搬送路50上には、連続する断熱材1の上面に鋼板30が貼られた片面金属板断熱パネル素材12が製作される。片面金属板断熱パネル素材12は、搬送路50上でエンドレスに長く構成することができる。
【0017】
鋼板30は、断熱材1の幅と概ね同寸法の幅を有しており、供給部51aの上方に配設された鋼板ロール30Aから搬送路50上の下流側に巻き出され、ガイドロール53により断熱材1の上面に導かれる。鋼板30は、板厚が例えば0.25〜0.6mmのカラー鋼板、ガルバリウム鋼板、ZAM鋼板(登録商標)、塩ビ鋼板等が用いられる。
【0018】
断熱材1は、鋼板30の接合領域に至るまで複数が突き当たった状態に連続して搬送され、ガイドロール53から押さえロール54を通過する間に、鋼板30が断熱材1の上面に接合され、片面金属板断熱パネル素材12が製作されていく。鋼板30を断熱材1に接着させる接着剤は、断熱材1の上面もしくは鋼板30の下面に塗布される。
【0019】
続いて、搬送路50の下流側において、図4に示すように、片面金属板断熱パネル素材12を所望箇所において切断機55により切断する。これにより、断熱材1の片面に鋼板30が固着されてなる所望長さの片面金属板断熱パネル14を得る。以上の動作が連続的に行われることにより、所望の長さの多数の片面金属板断熱パネル14を連続的に得ることができる。
【0020】
(2)テープ貼り付け装置
さて、上記パネル製造設備には、図1に示すように搬送路50における切断機55の上流側の下方に、上面に鋼板30が接合された前後の断熱材1の継ぎ目を覆って接合端部を接合するテープ貼り付け装置100が配設されている。テープ貼り付け装置100は、断熱材1が下方に露出するローラコンベヤ51間に位置付けられている。
【0021】
(2−1)テープ貼り付け装置の構成
テープ貼り付け装置100は、図6に示すように、搬送路50を搬送される断熱材1の下面に対向する貼り付け面111を有する貼り付けパッド(貼り付け部材)110と、貼り付けパッド110を昇降させることで断熱材1の接合端部に対し進退させ、進出時に粘着テープ120を接合端部に貼り付ける駆動手段130と、貼り付け面111に粘着テープ120を引き出してセットするテープセット手段140を備えている。
【0022】
貼り付けパッド110は、搬送路50を横断する方向に延びる板状部材であって、断熱材1の幅に対応した長さを有しており、上面の貼り付け面111は、断熱材1の下面と平行、すなわち水平になるよう設定されている。貼り付け面111の両端部は開口部112が形成され、この開口部112には、粘着テープ120を貼り付け面111に吸着して保持する吸着手段115が設けられている。吸着手段115は図示せぬ真空ポンプ等の吸気装置に接続されている。貼り付けパッド110の上方であって、搬送路50を搬送される片面金属板断熱パネル素材12の上側には、鋼板30の上面に接触する受圧ロール119が、この場合前後2本設けられている。
【0023】
図7に示すように、貼り付けパッド110は、基台101に対しガイド102に沿って昇降自在に支持されたプレート103上に設けられている。ガイド102は搬送方向を横断する方向に離間して2つ設けられ、基台101のガイド102間に、エアシリンダ等からなり、プレート103を昇降駆動する駆動手段130が設置されている。駆動手段130により、貼り付けパッド110は下方の待機位置と、上方の進出位置との間を移動させられ、上方の進出位置では貼り付け面111は断熱材1の下面の接合端部に当接可能となっている。
【0024】
貼り付けパッド110が待機位置にある時、貼り付け面111にはテープセット手段140により粘着テープ120がセットされる。図6に示すように、テープセット手段140は、粘着テープロール121を回転自在に支持するテープロール支持手段141と、テープロール支持手段141に支持された粘着テープロール121から、待機位置に位置する貼り付けパッド110の貼り付け面111上に粘着テープ120を引き出して延在させる粘着テープ引き出し手段144と、切断手段150とから構成される。粘着テープ120は、例えばアクリル系粘着剤による粘着層が片面に形成された幅が100mm程度の養生テープ、アルミテープ等が、好適に用いられる。
【0025】
テープロール支持手段141は、待機位置に位置する貼り付けパッド110の側方に固定されたボード142の片面(搬送方向下流側の面)に、幅100mm程度の粘着テープ120をロール状に蓄積した粘着テープロール121を回転自在に支持するもので、この場合、ボード142には、上下に2つの粘着テープロール121が支持される。
【0026】
粘着テープ引き出し手段144は、粘着テープロール121から粘着テープ120の端部を掴むクランプ145を有している。クランプ145は、スライド板146を介しクランプガイド147に貼り付けパッド110に沿って往復移動可能に設置されている。また、クランプ145は、前後ガイド148を介して、スライド板146に対し断熱材1の搬送方向に沿った前後方向に移動可能に支持されている。
【0027】
切断手段150は、テープロール支持手段141と貼り付けパッド110との間であって、クランプガイド147の下流側に配設されており、ディスク状のカッター151がアーム152を介しカッターガイド153により前後方向に移動自在に設けられて構成されている。
【0028】
図1に示すように、搬送路50には、搬送されている断熱材1の搬送距離を検知するエンコーダ等からなる検知手段160が具備されている。テープ貼り付け装置100が最初に作動した後は、検知手段160で断熱材1の長さ分だけ断熱材1が搬送されたことが検知されるごとに、当該装置100は動作を繰り返すように制御される。
【0029】
(2−2)テープ貼り付け装置の動作
上記構成を有するテープ貼り付け装置100の動作は、以下の通りである。
貼り付けパッド110を待機位置に位置付け、粘着テープロール121から出された粘着テープ120の端部を、後側(下流側)に位置付けられたクランプ145が把持し、クランプ145が貼り付けパッド110の貼り付け面111上を移動して粘着テープ120を貼り付け面111上に引き出す(図8(a)参照)。粘着テープ120は、片側の粘着面が上方の断熱材1に向いた状態に水平に引き出される。次いで、吸着手段115を作動させて引き出した粘着テープを貼り付け面111上に吸着して保持し、続いて、切断手段150のアーム152が前方(上流側)に移動することで粘着テープ120を粘着テープロール121から切断する。そして、クランプ145による粘着テープ120の把持を解除する(図8(b)参照)。
【0030】
次に、クランプ145を前後ガイド148に沿って方に移動させてから、クランプガイド147に沿って元の位置に戻す。前後ガイド148に沿って方に移動させることにより、クランプ145は貼り付けパッド110に干渉することなく元の位置に戻され、この後、前方の粘着テープ把持位置に位置付けられる。
【0031】
次に、搬送路50を搬送されていく断熱材1の接合端部がテープ貼り付け装置100上に進み、継ぎ目が貼り付け面111上に来る時に、駆動手段130により貼り付けパッド110を上昇させる。これにより貼り付け面111上の粘着テープ120は継ぎ目を覆って前後の断熱材1の互いの接合端部に押し付けられ、接合端部に貼り付けられる(図8(c)参照)。貼り付けパッド110が上昇して生じる押し付け力は受圧ロール119で受けられ、押し付け力が確実に断熱材1に伝わるようになっている。続いて、吸着手段115による粘着テープ120の吸着を解除してから貼り付けパッド110を待機位置に下降させる(図8(d)参照)。
【0032】
このように断熱材1の下面の継ぎ目は、搬送されながら粘着テープ120で接合され、この後は、検知手段160で測定される搬送距離に基づき、断熱材1の長さ分だけ断熱材1が搬送されたことが検知されて前後の断熱材1の継ぎ目がテープ貼り付け装置100上に来るごとに、上記貼り付け動作を繰り返す制御が行われる。
【0033】
(3)一実施形態の作用効果
本実施形態のテープ貼り付け装置100によれば、待機位置に位置する貼り付けパッド110の貼り付け面111にテープセット手段140で粘着テープ120をセットし、吸着手段115で貼り付け面111に粘着テープを吸着させることで、粘着テープ120を貼り付け面111に保持する。そして、駆動手段130により貼り付けパッド110を搬送中の断熱材1の接合端部に進出させ、粘着テープ120を継ぎ目を覆って接合端部に押し付けることで、粘着テープ120が接合端部に貼り付けられる。続いて、吸着手段115による吸着を解除してから貼り付けパッド110を待機位置に戻し、粘着テープ120の貼り付け工程を終える。以上を繰り返すことで、搬送中の断熱材1の接合端部に、搬送を停止させることなく連続的に粘着テープ120を貼り付けることができる。図9は、本装置100で断熱材1の継ぎ目1aに粘着テープ120が貼り付けられた状態を示している。
【0034】
このように断熱材1の接合端部の継ぎ目が粘着テープ120で接合された片面金属板断熱パネル14は、切断機55で所定長さに切断され、片面金属板断熱パネル14に製造される。得られた片面金属板断熱パネル14においては、断熱材1の接合端部が粘着テープ120で接合されることにより、断熱材1の継ぎ目が剥離せず、パネルの取り扱い難さが解消される。また、本実施形態のように、検知手段160で断熱材1の搬送距離を検知し、検知した搬送距離に基づいて作動させることにより、連続的に搬送される断熱材1の接合端部に対し自動的に粘着テープを連続的に貼り付けることができる。
【符号の説明】
【0035】
1…断熱材
1a…接合端部の継ぎ目
14…片面金属板断熱パネル
30…鋼板(金属板)
50…搬送路
100…テープ貼り付け装置
110…貼り付けパッド(貼り付け部材)
111…貼り付け面
115…吸着手段
120…粘着テープ
130…駆動手段
140…テープセット手段
141…テープロール支持手段
144…粘着テープ引き出し手段
150…切断手段
160…検知手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9