(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の電磁波増幅装置とは、マイクロ波で実用化された進行波増幅管の特性と類似する有効な増幅機能を、それよりも高い超高周波帯域で実現するものである。従来の進行波増幅管は、本発明で対象とする超高周波帯域では動作せず、マイクロ波からミリ波帯域までの低い周波数帯域の応用に限られていた。これに対して本発明による電磁波増幅装置は、その動作構成や動作原理、構成材料等が全く異なっていて、従来よりもはるかに高い周波数帯域で増幅機能を発揮することができる。
【0013】
以下、その原理について説明する。N型の半導体中に自由電子が存在するときには、その存在濃度によってプラズマ周波数が決まり、このプラズマ周波数以下の周波数では、電磁波のクーロン力はプラズマによって遮断されて、電子の集団として行動する。すなわち媒質の誘電率は等価的に虚数となって電磁波を透過させない。しかし、遮断周波数以上の周波数では、プラズマ遮断が及ばずに、電磁波はプラズマ周波数によって変調されて速波と遅波とに分かれ、それぞれが個々に電子流と相互に作用を及ぼす。
【0014】
半導体中を走行する電子は、半導体の両端に印加された加速電圧によってその方向に走行する。この電子流は平均的な電界と易動度によって定まる平均的なドリフト速度を持つプラズマ集団となる。このプラズマ集団に加えられる電磁波は、その周波数がプラズマ周波数よりも高いときには遮断されずに個々の電子と相互作用する。本発明ではこのような高周波における電磁波を取り扱う。
【0015】
図1は、本発明の電磁波増幅装置の基本概念図を示している。
図1において、中央にある横長の棒状物は導波装置である。この導波装置1は、公知のマイクロ波導波管と同様の作用を持ち、導波構造としては等価的な導波管であるが、公知の「導波管」は金属壁で囲まれた空洞状のものであって、むしろ本発明のように誘電体によって電波を閉じ込めて伝搬させる「誘電体導波路」と原理的に類似である。しかし、この誘電体導波路とは構造的に極めて相違点が多く、また走行する自由電子を含む点等から、本発明の導波装置は全く新規なものであるので、本願明細書においては、「導波装置」と呼ぶことにする。
【0016】
前記導波装置1は、その軸方向がz軸であり、導波装置1の内部は実質的にN型の半導体であり、この半導体(導波装置1)の入力端1a及び出力端1bに電極2、3が接合されており、この電極2、3の間に印加するバイアス電圧によって半導体の内部に電子がz軸方向に加速される。導波装置1の入力端1aには、前記電極2と共にTM波を入力する既知の構造を持つ適宜に選ばれた入力窓が付設され、また、導波装置1の出力端1bには、前記電極3と共に既知の構造を持つ適宜に選ばれた出力窓が付設されている。なお、前記導波装置1は、便宜上断面矩形形状、特に正方形の断面を有する構成を例示するが、これに限ったものではない。なお、
図1の符号イは電磁波(光)の入射方向を示し、符号ロは電磁波(光)の出射方向を示している。
【0017】
そして、前記導波装置1は、その境界条件によって定まる遮断周波数を有する。すなわち伝送定数は遮断周波数以下では虚数となって、この周波数以下の電磁波を通過させない。本発明では、このような周波数帯の電磁波を取り扱う。すなわち通常の単純な金属導波管中を走行させる電磁波はTEモードであって、固有の束縛条件によって、通常ならば前記TEモードの遮断周波数以下の電磁波は導波装置1中を通過できない。しかし、本発明の場合には、前記導波装置1中に収容されている半導体内部の電子流の存在により、電磁波がこの電子流を変調してこれに一体化されていて、電子流は導波装置1を通過できることから、これに乗った電磁波も導波装置1を通過できる。これは空間電荷波であるのでTMモードである。その結果、伝送定数には実数部が付加され、結果として複数素の解が生じる、つまり増幅可能性が生じる。
【0018】
このことを理論的に実証するために、TMモードに対するマクスウェル方程式、ポアッソンの式、電子の運動方程式を表示すると、下記の数1のようになる。ここに、EはTMモードの電界、Hは磁界、サフィックスx、y、zはそれぞれのガウス座標系で表示する。このうちzを導波装置の軸方向すなわち伝送方向(
図1の矢印イ、ロ方向)に選ぶ。kは伝搬定数、Vは平均ドリフト速度、vはその交流分、ωは角周波数、εは誘電率、μは透磁率、qは電子電荷、mは電子質量、Nは自由電子密度、nはその交流分である。また、前記数1では、電磁波の周波数を赤外域を主として考えるので、電子衝突は無視できることから、衝突緩和を省略して考える。すなわち、τを電子散乱の衝突緩和時間として、ωτ>1なる条件の下で考える。すなわち、代表的な高純度N型半導体では、τは10
−12sの程度であるから、ω>10
12s
−1なる条件が、サブミリ波、遠赤外、近赤外ないし可視域の電磁波へ適用される。
【0020】
以上の式を組み合わせると次の数2のようなの永年方程式が得られ、これを解けば良いことになる。
【0022】
ここに、β=V/C、Cは媒質中の光速度、ω
pはプラズマ角周波数、ω
cは通常定義されるTEモードでの遮断角周波数、sは方形導波装置の口径の辺長である。すなわち、次の数3となる。
【0024】
前記永年方程式には、それぞれ独立した4個の解が存在するが、そのうちには必ずkが共役複素の解が存在している。そのうち増幅解が一つ存在し、走行に従って他の解による波を圧倒するので、これに注目して計算すれば良い。結果の一例を
図3に示す。ここでは物理的に理解しやすくするために、横軸を波長とし縦軸を単位長あたりの利得で示している。パラメータは導波装置の口径の一辺の長さであり、数3のsである。ただし、sは下記の実施例のような場合には補正が必要で、実効サイズTとなる。
【0025】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。上記の説明においては、導波装置1として
図1に示すような、通常よく用いられるマイクロ波導波管の基本構造を想定して論じた。しかし本発明ではさらに高い周波数、すなわちミリ波より短波長の、遠赤外あるいは赤外の電磁波を取り扱うので、その壁面構造は、従来の金属壁を持つ導波管では損失が大きく導波装置1の役目をなさない。そこで実際の構造では金属を用いず、半導体がその誘電率が高く界面での反射率も高いので、この誘電体の界面を利用する「誘電体導波路」を形成する効果を利用しなければならない。このことは光ファイバーにおける導波効果と同一である。
【0026】
実際の装置としては、上記のような半導体の細い角棒だけでもその高い誘電率のために電磁波を閉じ込めることができ、本発明の効果を発揮して実用化することができるので本発明に含まれる。また、好ましくは光集積回路のなかに組み込めるような構造で優れた導波効果を実現することができる。すなわち、シリコン集積回路製作技術を用いて、
図2に示すよう作った方が製作精度や応用範囲の点から好ましい。そこで、
図2に示すように、導波装置1を中心のコア4とそれを取り巻くクラッド層5の2層構造とし、コア4とクラッド層5として、共に当該電磁波に対して透明な誘電体を用いる。コア4の屈折率をクラッド層5の屈折率よりも僅かに高くすれば、電磁波はコア4の中に閉じ込められて、導波装置1として作用する。この構造は光領域で広く用いられていて、代表的なものは光ファイバーであるから、これは実質的に光ファイバーと類似の構造を持つ「誘電体導波路」として理解される。このとき誘電体材料としては、取り扱う周波数が高いので、特に赤外領域では、赤外光に対して損失の少ないものが選ばれる。
【0027】
光ファイバーのような誘電体導波路に対して本発明の大きな違いは、内部に走行電子流を有することである。本発明では走行電子を利用するために、特にコア4及びクラッド層5として半導体材料を使用する。この場合、集積回路技術を利用した集積構造によって閉じ込め効果を実現するのが実用的である。本発明の実施例では、導波装置1として石英材料ではなく半導体材料を用いるので、その集積化プロセスに従って製作するなら、導波装置1の断面はファイバーのように円形ではなく、
図2に示すように角型(
図2では簡略化のために正方形断面の場合を示している)が便利であるのでこの例について述べる。
【0028】
ここで、半導体における閉じ込め効果について述べる。電磁波(光)の閉じ込めは、コア4内外の屈折率の差で決まる。また電子の閉じ込めはコア4内外の導電率の差によって決まる。実際にはコア4は高い導電性を持ち、クラッド層5は高抵抗であるように作られる。以下に示す実施例のような場合、シリコンにゲルマニウムを僅かに混入することで、コア4の屈折率差は増加をもたらし(下記)、光をコア4内に閉じ込めることができる。この場合に電磁波は実効的に外周のクラッド層5にも若干浸み出すが、その割合は小さい。以下の近似的な評価では、電界や電子はコア4よりも外部に僅かに浸み出すので、実効的にはコア4は少し太くなったと考えた方が良い。実効的なコア4のサイズTは、製作値sよりも僅かに大きくなる。これは実験で決められる補正値と考えれば良く、周波数や材料の物性によって僅かに異なる。
【0029】
次に、計算した各パラメータを示す。この場合には、
図1の金属壁を除いた半導体の細い角棒だけを考えれば良い。その導波装置1としての断面口径の一辺はsではなく、クラッド層5への浸み出しを考慮したTとして代表させれば
図1と同等に考えることができる。半導体としては母体として高純度高抵抗シリコンを、コア4としてはシリコンにゲルマニウムを3%混入した混晶を採用する。この場合、コア4の屈折率はクラッド層5の屈折率よりも1.15%高くなって光の閉じ込めが可能である。そのドナー濃度は、N=10
23m
−3が例示される。もちろんシリコン・ゲルマニウム以外の半導体でも良く、その組み合わせとしては易動度の高いこと、また実用上では耐熱性や加工性、材料安定度が高いことが望ましい。
【0030】
また、半導体における閉じ込め効果のためには、もう一つの方法として伝導帯のエネルギーバンドの最小値(谷点)を操作することができる。コア4部分の伝導体の谷点を、クラッド層5部分のエネルギーバンドの谷点よりも低下させることで、コア4中に存在する電子を閉じ込めることができる。実施例では、エネルギーバンドの谷点差が0.012eV程度に達し、電子の閉じ込めをも実現することができる。結局、導波装置1の寸法設計については、上記のクラッド層5中に電磁波や電子が僅かに浸み出す効果を考えておけば、
図2の場合でも
図1と同様に取り扱うことができる。
【0031】
そして、このような半導体材料を断面正方形に加工し、その一辺がs=10
−5〜10
−6m程度、すなわちそのTEモードでの公称遮断周波数が取り扱う周波数よりも高くなるように選ぶ。こうすることで、増幅波長を赤外領域まで伸ばすことが可能になる。サイズや遮断周波数は、増幅度に関係する重要な数字であるが、その限度は半導体の工作取り扱い精度で定まる。もちろん、取り扱い周波数がサブミリメートル、ないし遠赤外の程度で良いならば、導波装置1のサイズは、取り扱う周波数に応じてミクロン程度よりも太くして差し支えないので、工作精度に対する要求は緩和される。
【0032】
図1に示すように、導波装置1の入力端1aには直流バイアス負電圧を印加すべく電極2を付設し、また、導波装置1の出力端1bには直流バイアス正電圧を印加すべく電極3を付設する。この電極構造は公知技術により適当に作られる。この電極2、3を介して印加されるバイアス電圧は、半導体の長さによって異なるが、電界強度にして10
5V/mを超えない程度でも十分である。この値は電子温度すなわち雑音温度が上昇しないホットキャリアの限界である。また、この程度の値では半導体の動作温度が許容範囲内であって、特に冷却装置を必要としないことを示すことができる。なお、入力装置には、入力電磁波のうち必要なTMモードを選別して入力させる装置を付加する。この構造には既知の種々の手段が用いられる。
【0033】
以上のそれぞれのパラメータの数字は、室温の動作温度を想定した数字を示す。バイアス電流を流すので発熱するが、半導体が細い棒状であることから、重大な温度上昇を引き起こすほどではない。また、半導体を必要に応じて冷却することも容易にできる構造を持っている。
【0034】
半導体における動作周波数のもう一つの上限は、半導体材料の内部吸収である。例えばエネルギーギャップ値は適用電磁波(光)を遮断する絶対的な限界で、それ以上の周波数では内部吸収が強くて動作には不適当である。この限界値は可視域ないしその近辺に存在するので、それよりも長波長が本発明の適用限界である。また、半導体中でのフォノンとの相互作用に伴う散乱による吸収損失も増幅度に対する制限因子になるが、通常の場合に、ほとんど問題にならない。
【0035】
次にこの製作方法について述べる。シリコン基板は、真性に近いN型高純度シリコンであって、その比抵抗は少なくとも1Ωm以上である。これにケミカルエッチングまたはイオンエッチングでコア4に相当する溝(孔)を作り込む。この上にエピタキシャル成長法でシリコンに3%ゲルマニウムを含む層を成長させて溝を埋める。この部分がコア4相当であって、前記のようなN型のドナー濃度は10
23m
−3のときに、その比抵抗は例えば10
−3Ωm程度を有する。
【0036】
次に、ケミカルエッチングまたは研磨法でエピタキシャル付加層を除去して溝部分だけ埋まった形を残すようにする。次いで再度ケミカルエピタキシャル成長法で高純度シリコン層を成長させる。こうしてコア4がクラッド層5中に埋め込まれた導波装置構造が形成される。これらの方法は、全て公知の適宜の手段を採用することができる。このように形成された導波装置1の入出力端1a、1bに入出力装置を付加することで、本発明の電磁波増幅装置が形成される。
【0037】
図3は、前述したように、前記永年方程式に基づく、前記実施例の電磁波増幅装置の増幅度の計算結果の一例を示している。この
図3から、本発明の電磁波増幅装置においては、サブミリ波帯から赤外光にわたって極めて高い増幅利得が得られることが判る。その増幅帯域の下限はプラズマ周波数であって、それよりも低周波域ではプラズマによる遮断のために本発明のメカニズムが働かない。また、増幅帯域の上限は遮断周波数であって、それよりも高周波域では単なる通過帯域であって利得が得られない。この下限及び上限の両者の中間の周波数帯域において極めて広い増幅帯域を持つことが判る。このように広い帯域と高い増幅度を示す装置は、従来全く知られていない。このような新規な特徴を発揮させるメカニズムは、本発明の新規な発見によるものであって、このような増幅を実現するためには、遮断周波数がプラズマ周波数よりも高く設定されていることが製作上の必要前提条件である。
【0038】
ここで、本発明で適用される物質定数例えば誘電率について述べる。本発明に適用される材料や構造は、その細部にあまり依存せず、また原理的に広い応用範囲を有することが理解される。材料や構造の細部は、結果の増幅度の数字を左右するが、現象は普遍的である。例えば加速バイアス電圧を変えれば電子走行速度を変えて増幅度を制御することができることは明らかである。
【0039】
また、例えば半導体の結晶対称軸と導波装置(導波路)の構造的な座標軸方向が一致しない場合には、電磁波(光波)の進行に伴って偏波面が回転するようにでき、増幅度を調節できて、材料の実効屈折率の制御手段としてみなせる。
【0040】
また、誘電率の周波数分散特性を示す周波数域においては、実効屈折率は周波数の関数として変動する。あるいはまた、人工的に合成した導波装置構造すなわちメタマテリアルあるいはフォトニック結晶等によっても、材料や構造設計によってある特定の選ばれた周波数において実効屈折率を制御することができる。
【0041】
上記のことは、実効屈折率のほか実効透磁率においても同様である。磁気光学特性を有する場合には、外部磁界によってファラデー効果すなわち偏波面が回転して増幅度が制御可能となる。
【0042】
以上例示したように、明細書の基礎理論の適用範囲で制御できる実効的な物質定数として扱う限り、本願理論式から導かれる結果は、本発明に含まれるものである。
【0043】
なお、以上説明した電磁波はTMモードあって、このまま取り出して応用するには若干の注意が必要である。すなわち、光ファイバーなどでも知られるように、その誘電体導波路がTMモードを許容するように構造を設計する必要がある。その際、構造によっては、シングルモード導波ではなくなることがあり、余分のモードの混入や発生に注意が必要となる。また、所要のTMモードと通常よく用いられるTEMないしTEモードの変換には、通常よく知られたモード変換装置が用いられる。
【0044】
また、本発明の電磁波増幅装置は、単一方向性を有するので、出力を入力に正帰還させることによって電磁波発振装置が得られることは当然である。その基本概念図を
図4に示す。なお、
図4において、1は前記導波装置であり、1a、1bは導波装置1の入力端及び出力端である。また、6は導波装置1の出力を分離する分離装置で、この分離装置6により7なる外部出力端と帰還成分とに分離される。8〜10は電磁波の方向を変換する反射鏡装置であり、11は特定の周波数を選択するフィルター装置である。
【0045】
本発明の電磁波増幅装置を利用した電磁波発振装置の場合、例えば、出力を他の導波装置1で受けて該導波装置1の入力側に導けば良い。このための導波装置1は上記したように、種々の導波装置1を組み合わせることができる。このとき、帰還回路の中に前記フィルター装置11のような周波数選択回路を挿入することで、希望の周波数を任意に得ることができるし、帰還ループの一部に前記分離装置6を設けることで、電磁波を外部に取り出すこともできる。
【0046】
また、前記電磁波発振装置の場合、同じ目的のために別の構造をとることもできる。例えば外部帰還回路を設ける代わりに加速電圧の極性を切り替え反転させることで、増幅波の単一方向性を反転させ、これに同期して該電磁波増幅装置の入出力端に上記反射鏡装置で出力電磁波を出力端から導入入射させて、逆方向に増幅出力を得る如く構成することもできる。すなわち、出力を例えば周期性干渉膜を重ねた反射鏡装置等で反射させて元の導波装置に逆入射させ、そのときに電子加速電圧が逆極性となるように反転させても良い。これによって電磁波は往復とも増幅されることになる。このとき例えば電磁波の逆入射のときの加速バイアス電圧の波形は直流でなくても、その印加される位相が、往復となって反転するように制御された交流波形となっても良い。
【0047】
以上説明したように、本発明による電磁波増幅装置及び電磁波発振装置にあっては、ミリ波以上、サブミリ波、遠赤外、赤外等の超高周波帯域において、従来全く存在しなかった広帯域の増幅及び発振を可能ならしめるものであって、その実用的、工業的な価値は極めて大きいものがある。なお、上記に説明した導波装置1の全体形状、コア4及びクラッド層5の形態等は、一例であって、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜に変更することが可能であることは言うまでもない。