特許第6029919号(P6029919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6029919カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理粉体、及びそれを含有する粉体分散組成物及び化粧料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029919
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理粉体、及びそれを含有する粉体分散組成物及び化粧料
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/10 20060101AFI20161114BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 1/06 20060101ALI20161114BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20161114BHJP
   C01G 23/047 20060101ALI20161114BHJP
   C01G 49/02 20060101ALI20161114BHJP
   C01G 9/02 20060101ALI20161114BHJP
   C09C 1/04 20060101ALI20161114BHJP
   C09C 1/36 20060101ALI20161114BHJP
   C09C 1/24 20060101ALI20161114BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20161114BHJP
   C08F 220/02 20060101ALI20161114BHJP
   C08F 220/60 20060101ALI20161114BHJP
   C08F 226/04 20060101ALI20161114BHJP
   C08F 230/08 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   C09C3/10
   A61K8/29
   A61Q1/00
   A61Q19/00
   A61Q1/10
   A61Q1/02
   A61Q1/06
   A61Q17/04
   C01G23/047
   C01G49/02 Z
   C01G9/02 Z
   C09C1/04
   C09C1/36
   C09C1/24
   C08F290/06
   C08F220/02
   C08F220/60
   C08F226/04
   C08F230/08
【請求項の数】6
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2012-220797(P2012-220797)
(22)【出願日】2012年10月2日
(65)【公開番号】特開2014-74088(P2014-74088A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年7月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 A.インターネットによる要旨公開 ▲1▼公開日 2012年6月29日(〜7月6日まで)(閲覧用パスワード保有者限定) ▲2▼アドレス 要旨DLページ:http://www.sccj−ifscc.com/pointPDF_Down.php?id=534 SCCJ第70回HP:http://www.sccj−ifscc.com/event/seminar_report01.php?id=534 ▲3▼公開された発明の内容 (添付書面A:開催概要、プログラム) B.要旨集発行 ▲1▼発行日 2012年7月6日 ▲2▼刊行物名 SCCJ研究討論会(第70回)講演要旨集 ▲3▼公開された発明の内容 (添付書面B:要旨集の表紙、該当頁、奥付) C.ポスター発表 ▲1▼公開日 2012年7月6日 ▲2▼公開場所 大阪国際交流センター(大阪市天王寺区本町8−2−6) ▲3▼文書の種類 ポスター ▲4▼公開された発明の内容 (添付書面C:発表スライドのPPT資料)
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100188352
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100172797
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 昌広
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 啓二
【審査官】 仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−105379(JP,A)
【文献】 特開2006−008629(JP,A)
【文献】 特開平06−336558(JP,A)
【文献】 特開2002−255746(JP,A)
【文献】 特開平04−359913(JP,A)
【文献】 特開2009−269866(JP,A)
【文献】 特開2004−231609(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/132444(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 3/10
C09C 1/04
C09C 1/24
C09C 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーの共重合体であり、(a)〜(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20〜50質量%、(b)=0.5〜4質量%、(c)及び(d)=46〜79.5質量%で、(c)/(d)=0.5〜1.5の割合であるカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理された粉体。
(a)下記一般式(I)
【化1】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよく、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【化2】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【化3】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【化4】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【化5】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
【請求項2】
前記カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体が、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解するものであることを特徴とする請求項1記載の表面被覆処理された粉体。
【請求項3】
粉体が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面被覆処理された粉体。
【請求項4】
前記カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の被覆量が、表面被覆処理された粉体中の0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面被覆処理された粉体。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆処理された粉体及び25℃において表面張力が57mN/m以下である溶媒を含有することを特徴とする粉体分散組成物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の表面被覆処理された粉体及び/又は請求項5に記載の粉体分散組成物を含有することを特徴とする化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理された粉体、及びそれを含有する粉体分散組成物及び化粧料に関し、詳しくは、25℃における表面張力が57mN/m以下である溶媒にカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理した粉体を分散した粉体分散組成物と、該表面被覆処理粉体を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル系重合体は透明で皮膜を形成し、加工性が良好なことから、塗料材料、接着材料、インキ材料、皮膚外用材料、化粧材料等として広く利用されている。しかしながらアクリル系樹脂は極性が高いために課題も多く、そのため種々の共重合体が開発されてきた。それらの中には、分子鎖の片末端にラジカル重合性基を有するジメチルポリシロキサン化合物とアクリレート及び/又はメタクリレートを主体とするラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合して得たアクリル−シリコーン系グラフト共重合体(例えば、特許文献1)がある。
【0003】
化粧料には、メイクアップ効果や感触調整等を目的として、無機粉体、有機粉体、色素粉体等の粉体が配合されているが、これらの粉体は無機化合物、有機化合物から成り、その性質は両親媒性のため、水にも油にもなじみやすい。このため、このような粉体を含有する化粧料は、水及び汗、皮脂などの分泌物で濡れやすく、化粧料が持つ本来の色調が損なわれたり、発汗や顔の動きなどによって化粧膜の均一性が損なわれる等、いわゆる「化粧崩れ」の現象が起きる。
【0004】
従来より、汗や皮脂による化粧崩れを防止する技術として、粉体表面を種々の表面処理剤で処理する技術が開発されており、例えば、耐水性と感触のしなやかさを付与するために前記アクリル−シリコーン系グラフト共重合体を表面被覆した処理粉体(例えば、特許文献2)が挙げられる。しかしながら、該アクリル−シリコーン系グラフト共重合体を表面被覆した処理粉体は、親水基を持たないため水性溶媒への分散が悪く、それを配合した化粧料は耐水性こそ優れるものの、洗浄しにくく肌から落とす際に負担がかかるという課題があった。そのため、化粧持ち(耐水性)に優れながらも、洗浄性も良好な化粧料の開発が要求されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2704730号公報
【特許文献2】特許第3501817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、水性溶媒への分散性も良好である、新規なカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理粉体を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題の解決に向けて鋭意研究の結果、水性溶媒への分散性向上のために、4級アンモニウム塩を有するモノマーを使用したカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を、化粧料粉体等の表面処理剤として用いると、表面被覆処理粉体の水性溶媒への分散性が良好であり、また肌への付着性が向上することにより、それを含有する化粧料は化粧持ち及び洗浄性ともに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は
(1)下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られるカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理された粉体
(a)下記一般式(I)
【0009】
【化1】
【0010】
(式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基、R2は1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基、R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基、mは5〜100の整数を表す。)で表される化合物
(b)下記一般式(II)
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、R4は水素原子又はメチル基、R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−、Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基、Zは対アニオンを表す。)で表される化合物、及び、式(III)
【0013】
【化3】
【0014】
(式中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、Zは対アニオンを表す。)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種
(c)下記一般式(IV)
【0015】
【化4】
【0016】
(式中、R12は水素原子又はメチル基、R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物
(d)下記一般式(V)
【0017】
【化5】
【0018】
(式中、R14は水素原子又はメチル基、R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)で表される化合物
(2)前記カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体が、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解するものである表面被覆処理された粉体、
(3)さらに、被覆処理される粉体が酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種である表面被覆処理された粉体、
(4)前記カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の被覆量が、表面被覆処理された粉体中の0.1〜10質量%である表面被覆処理された粉体に関する。
【0019】
また、本発明は、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表面被覆処理された粉体及び25℃において表面張力が57mN/m以下である溶媒を含有することを特徴とする粉体分散組成物、及び、
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の表面被覆処理された粉体及び/又は上記(5)に記載の粉体分散組成物を含有する化粧料に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理粉体は、疎水基であるシリコーン鎖と親水基であるカチオン性基とを有する両親媒性であり、各種溶媒への分散性に優れるため、化粧料、塗料、インキ、皮膚外用剤等の材料として有用である。また、該粉体を分散させた分散組成物および、それらを含有する化粧料においては、シリコーン鎖による撥水性・耐水性の付与と、カチオン性基による肌への付着性により、化粧効果の持続性の発現に優れるだけでなく、油性成分への分散性と水性溶媒への分散性がともに良好であるため、経時安定性に優れ、専用のクレンジングを使用しなくても落としやすいという洗浄性にも優れた化粧料を得ることが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1 カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体
本発明に用いられるカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、少なくとも、下記(a)、(b)、(c)及び(d)のラジカル重合性モノマーを反応させて得られる重合体であり、その他、(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを加えて反応させて得られる重合体を包含し、本発明における(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタアクリルを包含することを意味する。
各モノマーの仕込割合は、本発明の効果を奏する限り制限はないが、(a)〜(d)のモノマーの全体に対して、(a)=20〜50質量%、(b)=0.5〜4質量%、(c)及び(d)=46〜79.5質量%であり、(c)/(d)=0.5〜1.5であることが好ましい。
(a)〜(d)以外の共重合可能なモノマーを使用する場合は、(a)〜(d)のモノマーの合計は、モノマー全体の66.5質量%以上であることが好ましい。
なお、本発明において、モノマーの仕込割合とは共重合体中のそれらの組成割合と略同義である。
本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、25℃において99.5%エタノール中に50質量%以上溶解するものであることが好ましい。
さらに、共重合体を20質量%となるように99.5%エタノールに溶解させたときのエタノール溶液の、25℃においてB型回転粘度計を用いて測定した粘度(単位mPa・s=CS)は、50〜250、好ましくは、70〜150である。
また、本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体のTgは、好ましくは、−10〜40℃、さらに好ましくは0〜30℃である。
ここで、Tgは下記のFoxの式で算出したTgの値を示す。
1/Tg=W/Tg+W/Tg+・・・+W/Tg
上記式において、WからWは、毛髪化粧料用基剤の合成に使用されるn種のモノマーの各重量分率を示し、TgからTgは、各モノマーのみが重合して得られるホモポリマーのガラス転移温度を示す。
さらに、本発明のカチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の種々の形態を包含する。
【0022】
以下に、共重合体の原料であるモノマーについて説明する。
(a)一般式(I)で表されるラジカル重合性モノマー
【0023】
【化6】
【0024】
式中、Meはメチル基、R1は水素原子又はメチル基を表す。
R2は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜10の2価の飽和炭化水素基を表し、1又は2個のエーテル結合を含んでいてもよい。具体的には、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH10−、−CH−CH(CH)−CH−,−CHCHOCHCHCH−,−CHCHOCH(CH)CH−,−CHCHOCHCHCHOCHCHCH−などが例示される。
R3は炭素数1〜10の飽和炭化水素基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基等の炭素数1〜10のシクロアルキル基;シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、3−シクロペンチルプロピル基、シクロへキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等の炭素数1〜10のシクロアルキルアルキル基が挙げられる。
mは5〜100の整数を表す。
【0025】
この式(I)で表わされるモノマーは、たとえば、式(1−a)
【0026】
【化7】
【0027】
で表わされる(メタ)アクリレート置換クロロシラン化合物と式(1−b)
【0028】
【化8】
【0029】
で表わされる片末端水酸基置換ポリシロキサンとを常法に従い、脱塩酸反応させることにより得ることができるが、合成方法は、これに限定されるものではない。
【0030】
式(I)で表されるモノマーとしては、具体例には以下のものが挙げられる。なお以下の式中、Meはメチル基を、n−Buはn−ブチル基を示す。
【0031】
【化9】
【0032】
(b)式(II)又は式(III)で表されるラジカル重合性モノマー
(b)成分は、下記式(II)又は式(III)で表されるカチオン性化合物から選ばれる少なくとも1種である。
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
式(II)中、R4は水素原子又はメチル基を表す。
R5、R6、R7は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
Xは−O−、−NH−、−O−CH−又は−O−CHCH(OH)−を表す。
Yは直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜4の2価の飽和炭化水素基を表し、−CH−,−(CH,−(CH−,−(CH−,−CH−CH(CH)−CH−等が例示される。
は対アニオンであり、例えば、塩素イオン、臭素イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、四フッ化ホウ素イオン、六フッ化リンイオン等が例示される。
【0036】
式(III)中、R8、R9は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示される。
R10、R11は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を表し、炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、n−ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が例示される。
【0037】
(c)式(IV)で表されるラジカル重合性モノマー
【0038】
【化12】
【0039】
式中、R12は水素原子又はメチル基を表す。
R13は水素原子又は直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基を表し、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が例示される。
【0040】
(d)式(V)で表されるラジカル重合性モノマー
【0041】
【化13】
【0042】
式中、R14は水素原子又はメチル基を表す。
R15は炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を表し、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ−n−プロピル基、4−ヒドロキシ−n−ブチル基等が例示される。
【0043】
(e)その他の共重合可能なモノマー
その他の共重合可能なモノマーとしては、以下の物が例示される。
((メタ)アクリル系モノマー)
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルへキシル、(メタ)アクリル酸n−へキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸へプタデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、直鎖状、分岐鎖状又は脂環式の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリロニトリル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−t−オクチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド;アミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)メタアクリルアミド;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の、環式化合物とメタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル類;スルホン酸基含有(メタ)アクリルエステル;(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート等のメタアクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル;(メタ)アクリル酸グリセリル、2−メタアクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、アクリロイルオキシエチルサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン(n=2〜50)グリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、ビスフェノールF EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA EO変性(n=2〜50)ジアクリレート、ビスフェノールS EO変性(n=2〜50)ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する(メタ)アクリレート等が例示される。
【0044】
((メタ)アクリル系以外のモノマー)
クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸;スチレン等の芳香族ビニル化合物;イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル;スルホン酸基含有単量体としては、例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸等のアルケンスルホン酸;α−メチルスチレンスルホン酸等の芳香族ビニル基含有スルホン酸;(メタ)アリルアミン等の1〜3級アミノ基含有不飽和化合物;N,N−ジメチルアミノスチレン等のアミノ基含有芳香族ビニル系化合物;ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するウレタンオリゴマー;エチレン性不飽和二重結合を2個以上有するシリコーン化合物;酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が例示される。
【0045】
2 共重合体の製造方法
本発明において、上記モノマーの共重合は、特に制限はなく、公知の方法により共重合可能であるが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル等の通常のラジカル重合開始剤の存在下に行うことができ、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、バルク重合法のいずれの方法の適用も可能である。これらの中でも溶液重合法は、得られるグラフト共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であることより好ましい方法である。用いられる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
重合反応は50〜180℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲内において行なうことができ、この条件下に5〜10時間程度で完結させることができる。
【0046】
3 表面被覆処理された粉体
本発明の表面被覆処理された粉体は、上記カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を、粉体の表面に被覆処理して使用する。この表面被覆に使用される粉体は、通常、化粧料、塗料、インキ、皮膚外用剤等に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類;オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類;有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類;微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも、被覆処理される粉体が酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄からなる群から選ばれる少なくとも1種であると、上記共重合体の粉体表面への吸着性に優れ、より水性溶媒への分散が良好となり、また優れた耐水性および洗浄性が得られやすいため特に好ましい。
【0047】
本発明において、これらの粉体表面を処理する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の処理方法が用いられる。具体的には、直接粉体と混合する方法(乾式処理法)、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン等の溶媒を用いる方法(湿式法)、気相法、メカノケミカル法等が挙げられる。好ましくは、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体をエタノール又はイソプロパノール等の揮発性溶媒に溶解し、粉体と混合し、乾燥して前記溶媒を除去後、粉砕することにより、より均質で使用感に優れる表面被覆処理粉体を製造することができる。粉砕方法も特に限定されるものではない。また、その被覆量は、特に限定されないが、表面被覆処理された粉体中の0.1〜10質量%が好ましい。被覆量がこの範囲内であれば、耐水性及び肌への付着性が、特に優れる表面被覆粉体を得ることができる。
【0048】
また、粉体粒子形状への粉砕は困難であるが、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体及び粉体を混練して得られる組成物についても、本発明の被覆処理に含めることができる。その場合、共重合体と粉体との配合割合は、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体:粉体の質量比で、10:90〜70:30、特に15:85〜50:50が好ましい。カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体中への粉体の混練は、これらを上記質量比で混合し、加熱下、高剪断力条件下で混練することにより行われるが、共重合体を前記揮発性溶媒に溶解したものに粉体を混合し、加熱下、高剪断力条件下で混練し、揮発性溶媒を揮散する方法が好ましい。高剪断力条件下での混練は、例えばロールミル等を用いて混練すればよい。
【0049】
4 粉体分散組成物
本発明の粉体分散組成物は、上記表面被覆処理された粉体と分散媒を含有する液中分散組成物である。粉体分散物に使用される分散媒としては、25℃で液状を呈するものであり、通常、化粧料、皮膚外用剤、塗料、インキ等に用いられる溶媒であればいずれでもよく、極性や分子量等により特に限定されず、有機溶剤類、油性成分、あるいは多価アルコール、低級アルコール、水等の水性成分、及びこれらの混合物が挙げられる。
具体的には、油性成分としては、揮発性油剤、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、油脂、シリコーン油などの油性成分を使用でき、例えば、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、揮発性ジメチルポリシロキサン等の揮発性油剤;オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、2−デシルテトラデシノール、シトステロール、ラノステロール等の高級アルコール類;流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ワセリン等の炭化水素類;アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類;低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサンフッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン等が挙げられる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。
【0050】
本発明の粉体分散組成物は、これらのうち1種又は2種以上を混合して、分散媒として用いることができるが、特に25℃における表面張力が57mN/m以下であることが好ましく、特に限定されないが、多価アルコールまたは低級アルコールから選ばれる1種又は2種以上を精製水に溶解した水溶液が、分散物の安定性の観点から特に好ましい。粉体分散組成物中における、粉体と分散媒の配合量は、特に制限されないが、配合比として1:100〜100:100が好ましい。
【0051】
また、本発明の粉体分散組成物においては、さらに粉体分散剤を含有してもよく、分散媒によっても異なるが、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン等の変性シリコーン類;ポリヒドロキシステアリン酸類、レシチン類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル等の非イオン性界面活性剤類が挙げられる。
【0052】
本発明の粉体分散組成物において、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理された粉体を、上記分散媒に分散する方法としては、特に限定されるものではなく、通常公知の湿式分散方法が用いられる。具体的には、ローラーミルで混練分散する方法、流動性が高い場合にはビーズミルでビーズを使用して分散する方法、ディスパーミルで直接混合分散する方法、超音波で振動分散する方法、手で振とう分散する方法等が挙げられ、得られた粉体分散組成物は、そのまま化粧料等に配合できる。
【0053】
本発明の粉体分散組成物は、各種の用途に使用することができるが、スキンケア製品、メイクアップ製品、頭髪製品、制汗剤製品、紫外線防御製品等の、特に皮膚や毛髪に外用されるすべての化粧料に配合することができる。また、化粧料以外に、インク、塗料、プラスチック用顔料等への適用も可能である。
【0054】
5 化粧料
本発明の化粧料は、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体により表面被覆処理された粉体、あるいは該表面被覆処理粉体を含有する粉体分散組成物を含有することを必須とするが、さらに目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類、ペプタイド類等を配合できる。水性成分、油性成分、粉体等は、上記粉体分散組成物に用いたものと同じものを使用しても良い。
【0055】
油剤としては、例えば、揮発性油剤、高級アルコール、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、油脂、シリコーンなどの油性成分を使用できる。
【0056】
界面活性剤としては、カチオン性、ノニオン性、アニオン性のいずれでもよい。
カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシエーテルカルボン酸塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。
【0057】
金属セッケンとしては、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0058】
ゲル化剤としては、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0059】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行った粉体でも良い。
【0060】
アルコール類としては、先に記載した通り、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等がある。
【0061】
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0062】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。
【0063】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0064】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0065】
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。
ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。
糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。
これらは、一種又は二種以上を適宜選択又は組み合わせて配合することができる。
【0066】
本発明の化粧料は、例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック等のスキンケア化粧料、アイシャドウ、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、コンシーラー、白粉、マスカラ、口紅、アイブロウ、アイライナー、マニキュア等のメイクアップ化粧料、日焼け止め料、毛髪化粧料等に使用できる。
本発明の化粧料における当該表面被覆処理粉体の配合割合は、用途に応じて適宜配合可能であるが、化粧料中の配合量は、通常は0.1〜50質量%、好ましくは、1〜20質量%である。
【0067】
本発明の化粧料は、剤型としては、水性、可溶化型、O/W乳化型、W/O乳化型、油性、固形粉末型等いずれでもよく、また液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、固形状等性状もいずれでも構わない。また、噴射剤を配合してエアゾールフォーム又はポンプフォーム容器を使用してフォーム状タイプとしての実施も可能であるが、特に、水性溶媒分散性と耐水性、洗浄性を兼ね備えるのが困難であるO/W乳化型化粧料とすることが、本願の効果が発揮されるため好適である。
【実施例】
【0068】
以下に本発明の実施例について記載するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。また、実施例において、%は質量%を示す。
【0069】
1 カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体の製造
製造実施例1
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注1)IPA 関東化学株式会社製
(注2)V−601 和光純薬工業株式会社製
(注3)X−24−8201 信越化学工業社製
(注4)EA 関東化学株式会社社製
(注5)HEMA 関東化学株式会社社製
(注6)MAPTAC エボニック・デグサ・ジャパン株式会社製,50%水溶液
【0070】
製造実施例2
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)170gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:31:27:40
(注7)X−22−174DX 信越化学工業社製
【0071】
製造実施例3
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174ASX)(注8)40g、エチルアクリレート(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174ASX=2:31:27:40
(注8)X−22−174ASX 信越化学工業社製
【0072】
製造実施例4
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40.4g、エチルアクリレート(注4)27.3g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)31.3g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0073】
製造実施例5
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(注4)26g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)30g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)8g、イソプロパノール(注1)120gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を83g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=4:26:30:40
【0074】
製造実施例6
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20g、エチルアクリレート(注4)41.5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)36.5g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:41.5:36.5:20
【0075】
製造実施例7
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(注1)50gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)50g、エチルアクリレート(注4)23g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(注5)25g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(注6)4g、イソプロパノール(注1)100gを3〜4時間かけて添加した。次いで、IPAに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を96g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:23:25:50
【0076】
製造実施例8
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)31g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド(DADMAC)(注9)3.34g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
DADMAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:31:27:40
(注9)DADMAC 東京化成工業株式会社製,60%水溶液
【0077】
製造実施例9
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)30g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)27g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を89g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:30:27:40
【0078】
製造実施例10
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)35g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)6g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=3:35:32:30
【0079】
製造実施例11
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=2:36:32:30
【0080】
製造実施例12
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)37g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を90g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:37:32:30
【0081】
製造実施例13
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−22−174DX)(注7)30g、エチルアクリレート(EA)(注4)36g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)32g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)4g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を86g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、11℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−22−174DX=2:36:32:30
【0082】
製造実施例14
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)16g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)42g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を91g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、30℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:16.2:42.4:40.4
【0083】
製造実施例15
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)40g、エチルアクリレート(EA)(注4)27g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)31g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を88g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、15℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:27.3:31.3:40.4
【0084】
製造実施例16
3つ口フラスコ内、窒素雰囲気下で、イソプロパノール(IPA)(注1)100gを攪拌下、70〜80℃にて、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601)(注2)4g、片末端メタクリレート置換ジメチルポリシロキサン(X−24−8201)(注3)20.2g、エチルアクリレート(EA)(注4)65.7g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(注5)13.1g、3−トリメチルアンモニウムプロピルメタクリルアミドクロライド(MAPTAC)(注6)2g、イソプロパノール(注1)50gを3〜4時間かけて添加した。次いで、イソプロパノールに溶解したジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(注2)1gを添加し、70〜80℃の温度範囲内で5時間反応させ、粘稠な溶液を得た。この溶液を精製水に注ぎ込み、グラフトポリマーを沈殿析出させた後、沈殿物を濾別し、80℃にて減圧乾燥させて透明ゴム状物を87g得た。
赤外吸収スペクトルにて、得られたゴム状物が目的とする(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体であることを確認した(この生成物は、赤外吸収スペクトルによりジメチルポリシロキサン、アミド結合、エステル結合、アルキル基、水酸基を有するポリマーであることが確認された)。
また、EA、HEMAから理論的に計算されるガラス転移温度(Tg)は、−10℃である。
モノマーの仕込割合は以下のとおりである。
MAPTAC:EA:HEMA:X−24−8201=1:65.7:13.1:20.2
【0085】
上記製造実施例1〜16において得られた各共重合体を50%溶液となるように99.5%エタノールに加熱(70℃)溶解後、25℃に戻して目視にて溶解性を評価したところ、全サンプルにおいて沈殿物、析出物のないことを確認できた。
【0086】
2 表面被覆処理粉体の製造
実施例1
カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体(製造実施例2)5%をエタノールおよびn−ヘキサンを溶媒として用いて、酸化チタン(注10)95%と混合分散しながら溶媒を減圧除去する湿式処理後、乾燥、粉砕を経て、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
(注10)TIPAQUE CR−50 石原産業社製
【0087】
実施例2
カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体(製造実施例2)0.5%をエタノールおよびn−ヘキサンを溶媒として用いて、酸化チタン(注10)99.5%と混合分散しながら溶媒を減圧除去する湿式処理後、乾燥、粉砕を経て、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
【0088】
実施例3
カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体(製造実施例2)8%をエタノールおよびn−ヘキサンを溶媒として用いて、酸化チタン(注10)92%と混合分散しながら溶媒を減圧除去する湿式処理後、乾燥、粉砕を経て、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
【0089】
実施例4
カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体(製造実施例2)30%をイソプロパノールに溶解し、酸化チタン(注10)70%を加えて混合し、加熱下、ロールミルにて混練し、イソプロパノールを揮散させることにより、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
【0090】
比較例1
アクリル−シリコーン系グラフト共重合体(注11)5%をエタノールおよびn−ヘキサンを溶媒として用いて、酸化チタン(注10)95%と混合分散しながら溶媒を減圧除去する湿式処理後、乾燥、粉砕を経て、アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
(注11)KP−540 信越化学工業社製
【0091】
比較例2
メチルシラノールトリPEG−8−ヤシ油脂肪酸グリセリン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体の10:1混合物5%を水及びアルコール混合液を溶媒として用いて、酸化チタン(注10)95%と混合分散しながら溶媒を減圧除去する湿式処理後、乾燥、粉砕を経て、カチオン性(メタ)アクリルシリコーン系グラフト共重合体を用いた表面被覆処理酸化チタンを得た。
【0092】
3 表面被覆処理粉体の評価
[分散性]
実施例1の表面処理粉体0.5gを表1に示す各種分散媒30mlに添加し、規格瓶に入れ、5分間超音波処理(BRANSONIC 1510J−DTH 42kHz)した分散物を作成し、再度手で30回振とう後、底面積1cm、高さ30cmの沈降管に移し入れ、直後、15分後、1日後の粉体分散状態を、白濁分散層の高さで目視評価した。結果を表1に示す。分散媒の表面張力は、自動接触角計DM−500(協和界面科学社製)を用いて懸濁法にて、25℃における表面張力を3回測定した値の平均値を用いた。
(評価基準)
◎ 1日後に白濁分散層が95%以上
○ 15分後に白濁分散層が95%以上
△ 15分後に白濁分散層が95%以下
× 直後から分散不良
【0093】
【表1】
【0094】
[耐水性]
実施例1の表面処理粉体及び比較例1〜2の表面処理粉体、未処理の酸化チタン(注10)(比較例3)各0.01gをウレタンマット2×2cmに塗布した後、塗布膜の色値(L値;明度)を測定した。その後、6L/minの流水に1分間さらし、5分間、室温で自然乾燥し、再度塗布膜の明度を測定した。その初期値との差を下記評価基準で評価した。結果を表2に示す。色値の測定には、分光色差計SE−2000(日本電色工業社製)を用いた。
(評価基準)
◎ 初期値との明度差が1.0未満
○ 初期値との明度差が1.0以上1.5未満
△ 初期値との明度差が1.5以上2.0未満
× 初期値との明度差が2.0以上
【0095】
【表2】
【0096】
[洗浄性]
実施例1の表面処理粉体及び比較例1〜2の表面処理粉体、未処理の酸化チタン(注10)(比較例3)各0.01gをウレタンマット2×2cmに塗布した後、6L/minの流水に1分間さらした後、市販の洗顔料を十分泡立て、指で塗布部位を10回擦って流水で洗浄した。その後5分間、室温で自然乾燥し、塗布膜の明度を測定した。粉体を塗っていないウレタンマットの明度(流水と洗浄のみ)をブランクとし、ブランクとの差を下記評価基準にて評価した。結果を表2に示す。
(評価基準)
◎ ブランクとの明度差が0.5未満
○ ブランクとの明度差が0.5以上1.0未満
△ ブランクとの明度差が1.0以上1.5未満
× ブランクとの明度差が1.5以上
【0097】
4 化粧料
実施例5〜7及び比較例4〜6:水中油型コントロール下地化粧料
表3に示す組成及び下記製法にて水中油型コントロール下地化粧料を調整した。得られた化粧料の「化粧持ち」、「洗浄性」、「経時安定性」について下記の方法により評価し、結果を併せて、表3に示した。
【0098】
【表3】
【0099】
(製造方法)
(1)成分1〜5ディスパーにて分散し、70℃に加熱する
(2)(1)に成分6〜10を添加混合し、70℃に加熱する
(3)成分11を70℃に加熱する
(4)(3)に(2)を加え、乳化する
(5)(4)に成分12〜18を加え均一に混合する
(6)(5)を冷却する
(7)45℃にて成分19〜23を添加し均一に混合する
(8)(7)を室温まで冷却し、取り出す
【0100】
(評価方法1)
[化粧持ち][洗浄性]
専門評価パネル20名により、使用テストを行った。上記実施例4〜6及び比較例4〜6の各試料を顔に塗布し、日常生活を送ってもらい、4時間後に「化粧くずれのなさ」を目視にて評価した。その後、洗顔クリームを用いて洗顔を行い「化粧膜残りのなさ」を目視下にて評価した。それぞれ、下記の評価基準により判定した。
(評価) (判定)
20名中16名以上が良好と回答した :◎
20名中12名以上が良好と回答した :○
20名中6名以上が良好と回答した :△
20名中6名未満が良好と回答した :×
【0101】
(評価方法2)
[経時安定性(凝集)]
前記実施例及び比較例の化粧料を6号規格ビンに充填した試料を作成し、試料を安定性加速試験として50℃恒温下にて2週間放置後、25℃に戻した試料の「凝集」についての状態変化を、下記評価基準により判定した。
(評価) (判定)
変化なし :◎
外観に僅かに変化があるが、使用性には問題なし :○
微量の凝集物あり :△
かなり凝集物あり :×
【0102】
表3の結果から明らかなように、実施例4〜6の水中油型コントロール下地化粧料は、比較例4〜6に比べて、化粧持ち、洗浄性、経時安定性の全てに優れた化粧料であった。
【0103】
実施例8 パック
以下に示す組成のパックを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.2
2.流動パラフィン 7.0
3.ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル
(20EO,4PO) 1.0
4.1,3−ブチレングリコール 0.1
5.グリセリン 10.0
6.実施例1の表面処理粉体 0.02
7.ヒドロキシエチルセルロース 0.7
8.精製水 残量
9.エタノール 6.0
10.メチルパラベン 0.1
11.香料 適量
(製法)
(1)成分1〜3を80℃にて均一に混合する。
(2)成分4〜11を80℃にて均一に混合する。
(3)(2)に(1)を添加し、乳化する。
(4)(3)を攪拌しながら冷却し、パックを得た。
実施例8のパックは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたパックであった。
【0104】
実施例9 油性アイライナー
以下に示す組成の油性アイライナーを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.セレシンワックス 11.0
2.ポリイソブチレン 16.0
3.ポリエチレンワックス 8.0
4.軽質流動イソパラフィン 残量
5.製造実施例10の共重合体(2%)処理黒酸化鉄 15.0
6.シリコーン処理タルク 5.0
7.メチルパラベン 0.1
8.香料 適量
(製法)
(1)成分1〜4を100℃に加温し、均一混合する。
(2)成分5〜8を80℃に加温し、均一混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一に混合する。
(4)(3)をローラーにて処理し、アイライナー(油性系)を得た。
実施例9のアイライナーは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたアイライナーであった。
【0105】
実施例10 水性アイブロウ
以下に示す組成のアイブロウを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.アクリル酸アルキル共重合体エマルション(注14) 30.0
2.L−アルギニン 1.0
3.精製水 残量
4.エタノール 15.0
5.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 0.5
6.1,3−ブチレングリコール 2.0
7.製造実施例1の共重合体(2%)処理黒酸化鉄 0.05
8.黄酸化鉄 0.05
9.ベンガラ 0.25
10.メチルパラベン 0.1
11.香料 適量
(注14)ヨドゾール32A707(45%固形分)(日本NSC社製)
(製法)
(1)成分1〜4を均一に混合する。
(2)成分5〜9をローラーにて処理する。
(3)(1)に(2)、成分10、11を添加後、均一に混合し、アイブロウを得た。
実施例10のアイブロウは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたアイブロウであった。
【0106】
実施例11 O/W型マスカラ
以下に示す組成のO/W型マスカラを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.ステアリン酸 2.0
2.ミツロウ 10.0
3.セトステアリルアルコール 1.0
4.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 1.5
5.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
6.トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
7.製造実施例4の共重合体(5%)処理黒酸化鉄 5.0
8.無水ケイ酸 3.0
9.精製水 残量
10.1,3−ブチレングリコール 10.0
11.トリエタノールアミン 1.5
12.アクリル酸アルキル共重合体エマルション(注15) 30.0
13.エタノール 1.0
14.メチルパラベン 0.1
15.香料 適量
(注15)ヨドゾールGH810(45%固形分)(アクゾノーベル社製)
(製法)
(1)成分1〜3を80℃にて均一に混合する。
(2)成分4〜8をローラーにて処理する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一に混合する。
(4)成分9〜15を80℃にて均一に混合する。
(5)(4)に(3)を添加し、乳化する。
(6)(5)を冷却し、マスカラ(O/W)を得た。
実施例11のO/W型マスカラは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたO/W型マスカラであった。
【0107】
実施例12 スティック状口紅
以下に示す組成のスティック状口紅を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.ポリエチレンワックス 7.0
2.マイクロクリスタリンワックス 3.0
3.セレシンワックス 2.0
4.トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
5.テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 10.0
6.ジメチルポリシロキサン 3.0
7.2−エチルヘキサン酸セチル 残量
8.香料 適量
9.赤202号 0.5
10.黄色4号 2.0
11.実施例1の表面処理粉体 0.5
12.製造実施例5の共重合体(2%)処理黒酸化鉄 0.01
13.フェノキシエタノール 0.2
(製法)
(1)成分1〜7を100℃にて均一に溶解混合する。
(2)(1)に成分8〜13を添加し、均一に混合する。
(3)(2)を容器に流し込み、冷却してスティック状口紅を得た。
実施例12のスティック状口紅は、表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れた口紅であった。
【0108】
実施例13 W/O型ファンデーション
以下に示す組成のW/O型ファンデーションを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレンメチルシロキサン・ポリオキプロピレンオレイルメチル
シロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(注16) 2.0
2.PEG−3ジメチコン(注17) 1.0
3.ジメチルポリシロキサン 20.0
4.シリコーン処理赤酸化鉄 1.0
5.シリコーン処理黄酸化鉄 1.5
6.製造実施例7の共重合体(5%)処理黒酸化鉄 0.5
7.実施例3の表面処理粉体 10.0
8.シリコーン処理タルク 5.0
9.トリ2−エチルへキサン酸グリセリル 10.0
10.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5
11.精製水 残量
12.メントール 0.01
13.1,3−ブチレングリコール 10.0
14.エタノール 5.0
15.メチルパラベン 0.1
16.香料 適量
(注16)KF−6026(信越化学工業社製)
(注17)KF−6015(信越化学工業社製)
(製法)
(1)成分1〜3を均一に混合する。
(2)成分4〜10をローラーにて均一に分散する。
(3)(1)に(2)を添加し、均一混合する。
(4)(3)に成分11〜16を添加、乳化し、W/O型ファンデーションを得た。
実施例13のW/O型ファンデーションは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたW/O型ファンデーションであった。
【0109】
実施例14 O/W型アイカラー
以下に示す組成のO/W型アイカラーを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.キサンタンガム 0.3
2.ジプロピレングリコール 0.5
3.1,3−ブチレングリコール 10.0
4.エタノール 5.0
5.水酸化ナトリウム 0.06
6.精製水 残量
7.ステアリン酸 0.5
8.流動パラフィン 2.0
9.ジメチルポリシロキサン 2.0
10.モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO) 0.2
11.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
12.1,3−ブチレングリコール 10.0
13.製造実施例8の共重合体(2%)処理群青 0.5
14.黄酸化鉄 0.2
15.雲母チタン 15.0
16.合成金雲母 5.0
17.メチルパラベン 0.2
18.香料 適量
(製法)
(1)成分1〜6を80℃にて均一に混合する。
(2)成分7〜9を80℃にて均一に混合する。
(3)(1)に(2)を添加し、乳化する。
(4)成分10〜17をローラーにて均一に分散する。
(5)(3)に(4)、成分18を添加し、O/W型アイカラーを得た。
実施例14のO/W型アイカラーは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたO/W型アイカラーであった。
【0110】
実施例15 スティック状コンシーラー
以下に示す組成のスティック状コンシーラーを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.セレシンワックス 8.0
2.ポリエチレンワックス 2.0
3.ジメチルポリシロキサン 5.0
4.2−エチルヘキサン酸グリセリル 5.0
5.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 残量
6.実施例3の表面処理粉体 5.0
7.シリコーン処理赤酸化鉄 1.0
8.シリコーン処理黄酸化鉄 1.5
9.シリコーン処理黒酸化鉄 0.5
10.ラウリン酸亜鉛 5.0
11.フェノキシエタノール 0.2
12.香料 適量
(製法)
(1)成分1〜5を90℃にて加熱溶解する。
(2)(1)に成分6〜11を添加し、ローラーにて均一に分散する。
(3)(2)に成分12を添加し、80℃にて溶解後、容器に充填し、スティック状コンシーラーを得た。
実施例15のスティック状コンシーラーは表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れたスティック状コンシーラーであった。
【0111】
実施例16 W/O型日焼け止め料
以下に示す組成の日焼け止め料を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.製造実施例12の共重合体(3%)処理酸化亜鉛 15.0
2.実施例4の表面処理粉体 10.0
3.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
4.トリ−2エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
5.パルミチン酸2−エチルヘキシル 5.0
6.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
7.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 10.0
8.メチルポリシロキサン・セチルメチルポリシロキサン・ポリ(オキシエチレン・
オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体(注18) 2.0
9.精製水 残量
10.塩化ナトリウム 0.2
11.エタノール 5.0
12.メチルパラベン 0.1
13.香料 適量
(注18)ABIL EM90(EVONICGOLDSCHMIDTGMBH社製)
(製法)
(1)成分1〜4をローラーにて均一に分散する。
(2)(1)に成分5〜8を添加し、均一に混合する。
(3)(2)に成分9〜13を添加、乳化し、W/O型日焼け止め料を得た。
実施例16のW/O型日焼け止め料は表面処理粉体の分散性が良好なため経時安定性が良好であり、化粧持ち及び洗浄性ともに優れた日焼け止め料であった。
【0112】
実施例17 固形粉末型ファンデーション
以下に示す組成の固形粉末型ファンデーションを下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.シリコーン処理酸化チタン 15.0
2.製造実施例3共重合体(2%)処理タルク 残量
3.シリコーン処理ベンガラ 1.0
4.シリコーン処理黄酸化鉄 3.0
5.シリコーン処理黒酸化鉄 0.5
6.マイカ 20.0
7.ナイロン末 2.0
8.トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
9.流動パラフィン 3.0
10.パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
11.メチルパラベン 0.1
12.香料 適量
13.エタノール 1.0
(製法)
(1)成分1〜7、成分11〜13を均一に混合する。
(2)(1)に成分8〜10を添加し、均一に混合する。
(3)(2)をパルベライザーで粉砕する。
(4)(3)を金皿に充填し、固形粉末型ファンデーションを得た。
実施例17の固形粉末型ファンデーションは表面処理粉体の分散性に優れ、滑らかな使用感と付着性に優れるものであり、化粧持ち及び洗浄性にも優れたファンデーションであった。
【0113】
実施例18 トナー用組成物
以下に示す組成のトナー用組成物を下記の方法により製造した。
(成分) (%)
1.イソプロパノール 85.0
2.製造実施例16の共重合体(7%)処理黒酸化鉄 15.0
(製法)
(1)成分1、2をディスパーズミルを用いて分散する。
実施例18のトナー用組成物は、粉体分散性に優れ、仕上がりも美しいトナーであった。