(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る印刷システムの構成図である。
図1に示す印刷システム10は、印刷装置2と製本装置3とを有し、印刷装置2で印刷を施した記録媒体を、製本装置3にて製本する。
【0016】
印刷装置2は、
図1においては不図示の情報処理装置と接続される。情報処理装置としては、例えばパーソナルコンピュータ(以下PCとする)を使用する。印刷装置2は、印刷システム10において印刷及び製本の処理を実行する旨の指示をPCから受けると、これにしたがって所定の用紙等の記録媒体に印刷処理を施す。印刷装置2は、印刷処理が完了した記録媒体については、接続する製本装置3のスタック36に渡していく。製本装置3は、印刷装置2から排出されて自装置のスタック26に収納される記録媒体に対し、製本処理を施す。
【0017】
印刷システム10を構成する印刷装置2及び製本装置3の構成について説明する。
印刷装置2は、印刷部21と通信部22とを有する。このうち、印刷部21は、PCから入力される印刷製本ジョブに基づき、記録媒体に対して印刷を施す。印刷処理を施した記録媒体は順次製本装置3のスタック36に排出してゆく。通信部22は、印刷製本ジョブの実行にかかわる各種情報等を製本装置3の通信部31との間で送受する。
【0018】
製本装置3は、通信部31、ヒータ32、記憶部34、制御部35、スタック36及び製本部37を有する。
スタック36は、上記のとおり、印刷部21において印刷処理の施された記録媒体を収納する。
【0019】
製本部37は、印刷製本ジョブに基づき、スタック36に収納されている記録媒体に対して製本処理を実行する。
ヒータ32は、製本部37が製本処理に利用する糊を加熱するために設けられる。
【0020】
記憶部34は、ヒータ32により加熱される糊の特性に関する情報を記憶する。具体的には、製本に使用する糊の温度と、ヒータ32により糊を加熱して製本に適した所定の温度にするまでに要する時間とを互いに対応付けた時間テーブルを糊の特性情報として記憶している。時間テーブルの構造については、
図3を参照して説明する。
【0021】
通信部31は、印刷装置2の通信部22との間で、印刷製本ジョブの実行にかかわる各種情報を送受する。
制御部35は、時間算出部52、時間比較部53、計測部54、取得部(図示なし)を有し、製本装置3の各構成要素の制御を行い、例えば、ヒータ32への電力供給の制御を行う。
【0022】
制御部35のうち、時間算出部52は、記憶部34に記憶している情報から、糊を適温にするまでの所要時間を求めるとともに、印刷装置2の印刷部21が、実行中の印刷処理を完了させるまでに要する残り時間を表す印刷完了所要時間を算出する。
【0023】
実施例では、印刷完了所要時間とは、ヒータ32への電力供給を停止させた時間から記録媒体に印刷処理を施して製本開始可能になるまでの時間をいい、印刷処理に伴い減少していく時間をいうものとする。
【0024】
つまり、ヒータ32への電力供給を停止させた時間の印刷完了所要時間は印刷製本ジョブを実行するときの最大時間であり、印刷完了所要時間が最小になったときが製本を開始する時間である。本実施形態では、印刷完了所要時間は、計測部54が計測したヒータ32への電力供給を停止させた時点からの経過時間を減算することにより減少する。
【0025】
また、制御部35は、製本完了検出部(図示なし)から製本が完了したことを検出したことを取得する。
時間比較部53は、時間算出部52が求めた2つの時間の比較を行う。制御部35は、時間比較部53の比較結果に基づいて、ヒータ32への電力供給を制御する。
【0026】
計測部54は、ヒータ32への電力供給が停止した時点からの時間を計測する。
取得部は、時間テーブルの温度を参照する際に用いるための糊の温度を取得する。
以下に、本実施形態に係る印刷システム10においてヒータ32への電力供給を制御する方法について、具体的に説明する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る印刷システム10が印刷製本ジョブに基づき印刷及び製本の処理を実行した場合の、各段階における印刷装置2及び製本装置3の状態を示す図である。
図2を参照して、本実施形態に係る印刷システム10が、製本装置3のヒータ32への電力供給を制御してヒータ32のオン/オフを切り替えるタイミングについて説明する。
【0028】
図2においては、上段には、印刷装置2の状態を、下段には、製本装置3の状態をそれぞれ示す。
また、
図2においては、初め、印刷システム10の印刷装置2及び製本装置3の各構成要素への電力供給が停止されている場合を例示する。印刷装置2及び製本装置3がそれぞれの構成要素への電力供給を停止しているときに、印刷装置2に新たに印刷製本ジョブが入力されると、ウォームアップ動作を開始する。
【0029】
ここで、一般的には、印刷装置2は製本装置3よりもウォームアップに要する時間が短い。このため、
図2においては、印刷装置2の方が先にウォームアップ動作が完了し、印刷装置2は、製本装置3のウォームアップが完了するのを待たずに、先に印刷処理を開始している。
【0030】
製本装置3は、ヒータ32を含む各構成要素のウォームアップ動作を実行し、動作可能な状態になると、印刷装置2における印刷処理が完了して全ての記録媒体がスタック36に収納されるのを待ち受ける。製本装置3は、スタック36に全ての記録媒体が収納されると、製本処理を開始する。
【0031】
ここで、製本装置3は、前述のような印刷完了所要時間が最小になることで、印刷が完了して製本が開始できる状態を把握する。
なお、
図2においては、ある印刷製本ジョブにより実行される印刷処理及び製本処理を、それぞれ「印刷(i)」及び「製本(i)」(i=1、2、…)と表し、括弧内の数字が一致する場合は、印刷処理及び製本処理が相互に対応する処理であることを示す。
【0032】
製本装置3は、印刷(1)が完了してスタックに存在している記録媒体に対して製本(1)の処理を施す。
図2に示す例では、印刷システム10には、実行すべき印刷製本ジョブを2つ有している。
【0033】
この場合、製本装置3は、最初(i=1)の印刷製本ジョブに基づき製本(1)の処理を終了すると、後続の製本(2)の処理を実行するまでにヒータ32をオフにしておくことができるか否かを判断する。
【0034】
図2においては、ヒータ32をオフにしておくことができると判断し、一旦ヒータ32への電力供給を停止させている。
そして、製本(2)の処理を実行開始するタイミングを判断して、ヒータ32への電力供給を再開している。
【0035】
ヒータ32への電力供給の再開タイミングは、印刷(2)の処理が完了し、製本装置3が製本(2)の処理を開始するまでに、糊が製本処理に使用可能な温度になっているよう制御される。
【0036】
このように、本実施形態に係る印刷システム10では、製本装置3が、後続の印刷製本ジョブがあるときに、ヒータ32をオフに切り替えると、次の製本処理までに糊が使用可能な状態となっているようタイミングを制御してヒータ32を再びオンに切り替える。次の製本処理が開始されるタイミングは、後続の印刷製本ジョブに含まれる印刷完了所要時間より判断する。
【0037】
ヒータ32をオフにした後、再度オンに切り替えて糊の加熱を再開した場合に糊を適温にするために必要な時間は、製本装置3の記憶部34に記憶する時間テーブルに基づき求める。
【0038】
まず、記憶部34に記憶する時間テーブルについて、
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る製本装置3が保持する時間テーブルの構造例を示す図である。
【0039】
図3に示す時間テーブルにおいては、「糊の温度」、「ヒータをオンにしてから適温になるまでの時間」(以下、糊が適温になるまでの時間)及び「ヒータをオフにしてからの経過時間」が互いに対応付けられている。
【0040】
「糊が適温になるまでの時間」は、対応する「糊の温度」にある糊をヒータ32で加熱した場合に、糊が適温になるまでに要する時間を表す。
「糊の温度」は、製本装置3のヒータ32により加熱され、製本に利用される糊の温度を表す。
【0041】
「ヒータをオフにしてからの経過時間」は、制御部35によりヒータ32がオフにされてから経過した時間を表す。
糊の適温が何度か、ある温度の糊が適温になるまでに要する時間等については、糊の種類やヒータ32等の製本装置3の仕様等により決まる。
【0042】
実施例では、糊の温度ごとに、糊が適温になるまでの所要時間を測定する等により求めて、
図3に示す時間テーブルを作成し、予め、記憶部34に時間テーブルを記憶させておく。
【0043】
なお、ヒータ32をオフにして糊への加熱を止めた場合、通常は、時間の経過に伴い糊の温度は低下してゆく。
すなわち、ヒータ32をオフにしてからの経過時間は、糊の温度変化と関連性を有している。
【0044】
このことから、「糊の温度」と「糊が適温になるまでの時間」との関係は、「ヒータ32をオフにしてからの経過時間」と「糊が適温になるまでの時間」との関係に置き換えてもよい。
【0045】
そこで、本実施形態においては、ヒータ32をオフにした後の経過時間と糊の温度との関係を予め測定等により求めて、
図3に例示するような時間テーブルを作成しておく。
本実施形態においては、
図3の時間テーブルにより、糊の温度と糊を適温にするまでの時間とが、ヒータ32をオフにしてからの経過時間を通じて対応付けられているということができる。
【0046】
時間算出部52は、印刷処理をしている間に
図3の時間テーブルを参照して、経過時間に対応した糊が適温になるまでの時間を求める。
このように、本実施形態に係る印刷システム10は、製本装置3が処理中のジョブに対して後続の印刷製本ジョブが存在する場合に、
図3の時間テーブルを参照して、ヒータ32への電力供給の制御を実行する。
【0047】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る印刷システム10が印刷製本ジョブを実行するときに、製本装置3のヒータ32への電力供給を制御する方法について具体的に説明する。
【0048】
図4は、本実施形態に係る印刷システム10による印刷製本実行時の処理を示したフローチャートである。
印刷システム10は、PC等から印刷製本ジョブを受け取ると、印刷処理を開始する
印刷装置2において印刷処理が完了し、製本装置3のスタック36に記録媒体が収納されて、製本装置3において製本処理が開始すると、
図4に示す一連の処理を開始する。
【0049】
まず、ステップS1で、印刷装置2は、後続する印刷製本ジョブの有無を判定する。
これから実行しようとする印刷製本ジョブの後に、更に実行すべき印刷製本ジョブが存在する場合は、ステップS2へと処理を移行させる。
更に実行すべき印刷製本ジョブが存在しない場合は、通信部22を介してその旨を製本装置3に通知して、ステップS14へと処理を移行させる。
【0050】
ステップS14で、製本装置3の制御部35は、製本部37において処理中の印刷製本ジョブに基づく製本処理が完了するのを待機する。
印刷製本ジョブが存在しない状態で製本処理が完了すると、ステップS15に進み、制御部35は、ヒータ32への電力供給を停止させ、処理を終了する。
【0051】
一方、製本装置3が現在の印刷製本ジョブに基づく製本処理を実行している間に、新たな印刷製本ジョブが入力された旨の通知を印刷装置2から受けた場合は、ステップS1に戻る。
【0052】
ステップS2へと処理を移行すると、印刷装置2の印刷部21は、後続の印刷製本ジョブに基づき印刷処理を開始する。
製本装置3は、通信部31を介して印刷装置2の通信部22からその旨の通知を受信することにより、印刷装置2において後続の印刷製本ジョブに基づく印刷処理を開始したことを認識する。
【0053】
なお、印刷装置2が後続の印刷製本ジョブの印刷処理を実行する一方で、製本装置3は、現在の印刷製本ジョブに基づき、製本処理を実行中である。
ステップS3では、製本装置3の制御部35は、製本部37において、実行中の印刷製本ジョブに基づく製本処理が完了したか否かを判定する。
【0054】
制御部35は、ステップS3において、製本処理が完了するのを待機し、製本完了検出部が、製本処理が完了した旨を示す製本完了信号を検出すると、処理をステップS4へと移行させる。なお、本実施形態では、製本完了検出部が製本を完了したことを製本完了信号を取得することにより検出しているが、製本装置3が時間を測定し、予め算出した製本完了までの時間を測定することで、製本を完了したことを検出するようにしてもよい。
【0055】
ステップS4では、製本装置3の制御部35は、印刷装置2において後続の印刷製本ジョブの印刷処理を実行中であるか否かを判定する。
ステップS4については、スタック36に未だ全ての記録媒体が収納されていない場合には、印刷装置2において印刷処理を実行中であると判定する。
【0056】
印刷装置2において後続の印刷製本ジョブの印刷処理を実行中である(ステップS4でYES)場合は、ステップS5に進み、印刷装置2において印刷処理が完了している(ステップS4でNO)場合は、ステップS12へと処理を移行させる。
【0057】
ステップS5では、製本装置3の制御部35は、ヒータ32への電力供給を停止させる。
そして、ステップS6では、製本装置3の制御部35のうちの時間算出部52が、後続の印刷製本ジョブに含まれる印刷完了所要時間を取得し、ステップS7に進む。
【0058】
なお、ステップS6においては、時間算出部52が、通信部31を介して印刷装置2の通信部22と通信を行う等により、印刷完了所要時間を取得する。
ステップS7では、製本装置3の制御部35のうちの時間算出部52は、ステップS5において計測部54が計測したヒータ32への電力供給を停止させてからの経過時間に基づいて、
図3の時間テーブルを参照して、糊の温度情報を取得する。
【0059】
ステップS8では、時間算出部52は、ステップS7で取得した糊の温度情報が表す「糊の温度」に対応する「糊が適温になるまでの時間」を、
図3の時間テーブルから算出して、ステップS9に進む。
【0060】
ステップS9では、時間算出部52は、ステップS6で取得した印刷完了所要時間から、ステップS5でヒータ32への電力供給を停止させてからの経過時間分を減算して、印刷完了所要時間を更新する。
【0061】
ステップS10では、製本装置3の制御部35のうちの時間比較部53が、ステップS9で更新した印刷完了所要時間と、ステップS8で求めた糊が適温になるまでの時間とを比較し、互いに等しいか否かを判定する。
【0062】
互いに等しくない場合は、ステップS7に戻る。
比較を繰り返した結果、印刷完了所要時間と糊が適温になるまでに要する時間とが等しい場合は、ステップS11に進む。
【0063】
ステップS11では、製本装置3の制御部35は、ヒータ32への電力供給を再開する。
ステップS12では、制御部35は、糊が適温になり、且つ、印刷装置2において実行していた後続の印刷製本ジョブに基づく印刷処理が完了するまで待機する。
【0064】
糊が適温になり、後続の印刷製本ジョブに基づく印刷処理が完了すると、処理をステップS13へと移行させる。
ステップS13では、製本装置3の制御部35は、製本部37において後続の印刷製本ジョブに基づく製本処理を開始するよう制御を行うと処理を終了する。
【0065】
ステップS7及びステップS8においては、ヒータ32への電力供給を停止してからの経過時間より、糊の温度を求め、求まる糊の温度に対応する「糊が適温になるまでの時間」を算出しているが、糊が適温になるまでの時間の算出の仕方はこれには限らない。
【0066】
例えば、
図3の時間テーブルには、ヒータ32への電力供給を停止してからの経過時間と糊が適温になるまでの時間とのみを互いに対応付けておき、時間テーブルの経過時間に対応する「糊が適温になるまでの時間」を直接取得する構成としてもよい。
【0067】
また、変形例として、ステップS7〜ステップS10においては、糊が適温になるまでの時間及び印刷完了所要時間の算出や比較を繰り替えし実行しているが、これには限定されない。
【0068】
例えば、
図3のような時間テーブルのうち、「ヒータをオフにしてからの経過時間」及び「適温になるまでの時間」の合計時間が、ステップS6で取得した印刷完了所要時間に最も近くなる行を検索する。
【0069】
そして、検索により該当する行の「ヒータをオフにしてからの経過時間」を取得するとともに、計測部54により時間の計測を開始し、「計測された経過時間」と取得した行の「ヒータをオフにしてからの経過時間」とを比較する。
【0070】
「計測された経過時間」と「ヒータをオフにしてからの経過時間」とが等しくなったときに、すなわち、印刷完了所要時間からヒータをオフにしてからの経過時間を減算した印刷完了所要時間と適温になるまでの時間とが等しくなったとき、ヒータ32への電力供給を再開する構成とすることもできる。
【0071】
つまり、このような構成の場合、時間テーブルを随時参照する必要がなく、ヒータをオフにした時点で、自動的にヒータ32への電力供給を再開するタイミングを取得して、上記と同様に、ヒータ32をオフからオンに切り替えるタイミングを適切に決定することが可能である。
【0072】
上記のように、ヒータ32への電力供給を一旦停止させることより、製本装置3において印刷装置2側の印刷処理が完了するのを待機している間に糊の劣化が進むことを抑える。
【0073】
そして、時間テーブルを参照して再度加熱して糊が適温になるまでの時間を求め、糊が適温になるまでの時間と、印刷装置2にて実行している後続の印刷製本ジョブに基づく印刷完了所要時間とに基づき、印刷が完了するときに糊が適温となるよう適切なタイミングでヒータ32への電力供給を再開する。
【0074】
これにより、生産性を低下させることなく、糊の劣化を効果的に抑制できる。
<第2の実施形態>
上記の実施形態においては、時間テーブルには、「糊の温度」、「糊が適温になるまでの時間」及び「ヒータをオフにしてからの経過時間」を対応付けて格納しておく。
【0075】
そして、計測部54がヒータ32をオフにしてからの経過時間を計測しておき、経過時間に対応する糊が適温になるまでの時間を時間テーブルより求めている。
これに対し、本実施形態においては、糊の温度を検出する温度検出部33を設けるとともに、検出した糊の温度と、糊が適温になるまでの時間とを対応付けてテーブルに格納しておく。
【0076】
そして、時間テーブルより、糊の温度を検出する手段において検出した温度に対応する糊が適温になるまでの時間を求める点で異なる。
以下に、第1の実施形態と異なる点を中心に、本実施形態に係る印刷システムによるヒータ32への電力供給の制御方法について、具体的に説明する。
【0077】
図5は、本実施形態に係る印刷システムの構成図である。
図5に示す印刷システム10は、
図5の第1の実施形態に係る印刷システムと比較して、温度検出部33を更に備えている点で異なり、他の構成については、上記と同様である。
【0078】
温度検出部33は、糊の温度を検出し、実施例では、温度センサ等を使用する。
図6は、本実施形態に係る製本装置3が保持する時間テーブルの構造例を示す図である。
【0079】
図6に示す時間テーブルは、「糊の温度」及び「適温になるまでの時間」が互いに対応付けられている。
製本装置3の時間算出部52は、温度検出部33から糊の温度を取得し、取得した糊の温度に対応する糊を適温にするまでに要する時間を、
図6の時間テーブルから算出し、時間比較部53が取得した時間を印刷製本ジョブより求まる印刷完了所要時間と比較する。
【0080】
制御部35は、比較に基づき、後続の印刷製本ジョブに基づく印刷処理が完了するときまで、すなわち、製本装置3が次の製本処理を開始するときまでにヒータ32の再開処理が完了できているよう、ヒータ32をオンにするタイミングを制御する。
【0081】
図7は、本実施形態に係る印刷システム10による印刷製本実行時の処理を示したフローチャートである。
第1の実施形態と同様に、印刷システム10は、PC等から印刷製本ジョブを受け取ると、印刷装置2において印刷処理を開始する。
【0082】
そして、印刷処理が完了して、記録媒体が製本装置3のスタック36に収納されると、
図7に示す一連の処理を開始する。
ステップS21〜ステップS26の処理については、それぞれ
図4のステップS1〜ステップS6の処理と同様である。また、ステップS34、ステップS35も
図4のステップS14、ステップS15と同様である。
【0083】
ステップS27では、時間算出部52は、温度検出部33から、糊の温度を取得する。
そして、ステップS28では、時間算出部52は、記憶部34の時間テーブルより、ステップS27で取得した温度の糊が適温になるまでの時間を求める。
ステップS29以降の処理については、
図4のステップS9以降の処理と同様である。
【0084】
以上説明したように、本実施形態に係る印刷システム10のように、糊の温度と糊が適温になるまでの時間との関係を求めておき、これに基づき時間テーブルを作成しておく構成をとる場合であっても、上記の実施形態と同様の効果を奏する。
【0085】
なお、上記の第1及び第2の実施形態においては、製本装置3において時間テーブルを記憶させておき、製本装置3が、保持する時間テーブルより糊が適温になるまでの時間を求めて、印刷装置2において実行中の後続の印刷製本ジョブに基づく印刷処理が完了する印刷完了所要時間と比較して、これによりヒータ32への電力供給を制御している。
【0086】
しかし、本発明は、かかる構成に限定されるものではない。
この他にも、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の改良及び変更が可能である。例えば、前述の各実施形態に示された全体構成からいくつかの構成要素を削除してもよく、更には各実施形態の異なる構成要素を適宜組み合わせてもよい。