特許第6029944号(P6029944)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6029944シャフト状のワークピースを完全に加工するための工作機械及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029944
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】シャフト状のワークピースを完全に加工するための工作機械及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23B 3/30 20060101AFI20161114BHJP
   B23B 15/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B23B3/30
   B23B15/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-250786(P2012-250786)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2013-107194(P2013-107194A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2015年7月9日
(31)【優先権主張番号】10 2011 118 747.6
(32)【優先日】2011年11月17日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502323988
【氏名又は名称】エマーク・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100157440
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】マルクス・シュースター
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−117701(JP,A)
【文献】 特開2004−160643(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/016910(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/060580(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0106962(US,A1)
【文献】 独国特許出願公開第102011013457(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 3/00−11/00
B23B 9/02− 9/06
B23B 13/04
B23B 15/00
B23Q 39/04
B23Q 7/04
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト状のワークピース(15)を工作機械(1)上で加工するための方法であって、この工作機械が、フレーム(9)を有し、ワークピース(15)の為の第一及び第二のチャックデバイス(2,3)を有し、及び第一及び第二のツールキャリア(7,8)を有し、ワークピース(15)の供給ステーション(16)及び搬出ステーション(17)を有し、ツールキャリア(7,8)が加工のためのツール(18)及びワークピース(15)の搬送の為のキャッチャ(19,20,21)を備え、ツールキャリア(7,8)がフレーム(9)に、二の互いに直交する方向に可動に案内されており、ワークピース(15)が、両チャックデバイス(2,3)の一方内で部分加工され、及び他方内で完全に加工され、ワークピース(15)が、積み降ろしの為にキャッチャ(19,20,21)により捕まれ及びツールキャリア(7,8)の進行により動かされ、及び、積み降ろしが以下のステップにより実行される、つまり
a)部分加工されたワークピース(15´)を、第二のワークピースキャリア(8)設けられた第一のキャッチャ(19)により、第一のチャックデバイス(2)から取り出し、そして同時に、未加工のワークピース(15)を、第一のワークピースキャリア(7)に設けられた第二のキャッチャ(20)により、供給ステーション(16)から取りし、
b)未加工のワークピース(15)を第一のチャックデバイス(2)内へ挿入し、
c)完全に加工されたワークピース(15´´)を第二のチャックデバイス(3)から取り出し、
d)部分加工されたワークピース(15´)を第二のチャックデバイス(3)内へ挿入し、
e)完全に加工されたワークピース(15´´)を搬出ステーション(17)内に保管する方法において、
ステップc)およびe)が、第二のワークピースキャリア(8)に設けられた第三のキャッチャ(21)により行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
第二のチャックデバイス(3)内のワークピース(15´)が、一つの正面側から加工されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
チャックデバイス(2,3)内のワークピース(15)が、両端部において挟み込まれ四軸で加工されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法を実施するための工作機械であって、この工作機械が、フレーム(9)を有し、先端部(5)の間でワークピース(15)を挟み込むための心押し台(6)およびモータスピンドル(4)を有する第一のチャックデバイス(2)を有し、ワークピース(15)を一方側で挟み込むことができるチャックデバイス(3)を有し、及び加工の為のツール(18)及びワークピース(15)の搬送の為のキャッチャ(19,20,21)を有する第一及び第二のツールキャリア(8)を有し、ワークピース(15)の供給ステーション(16)及び搬出ステーション(17)を有し、第一のチャックデバイス(2)内のワークピース(15)が、第一及び第二のツールキャリア(7,8)のツール(18)により加工可能であり
ークピース(15)が、第一のツールキャリア(7)のキャッチャ(20)により供給ステーション(16)から第一のチャックデバイス(2)内へと移動可能であり及び挿入可能である工作機械において、
第二のツールキャリア(8)が、二つのワークピース(15´、15´´)を同時に取り出すための二つのキャッチャ(19,21)を備えることを特徴とする工作機械。
【請求項5】
完全に加工されたワークピース(15´´)が、キャッチャ(21)により第二のチャックデバイス(3)から搬出ステーション(17)内へと移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の工作機械。
【請求項6】
部分加工されたワークピース(15´)が、キャッチャ(19)により第一のチャックデバイス(2)から第二のチャックデバイス(3)へと移動可能であることを特徴とする請求項4または5に記載の工作機械。
【請求項7】
垂直ガイド(10)に設けられた垂直可動台(11,11´)に設けられたツールキャリア(7,8)が、フレーム(9)に沿って走行可能であること、水平ガイド(13)に設けられた水平可動台(14,14´)が、垂直可動台(11,11´)に沿って案内されていること、及びツールキャリア(7,8)が、水平可動台(14,14´)における垂直旋回軸(22)の周りを回転可能に支承されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部、または装置クレーム4の上位概念に記載のシャフト状のワークピースを完全に加工するための方法及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1より複数の互いに連続する加工ステーションを有する工作機械が公知である。各加工ステーションの左右には、それぞれリボルバーが各一つのキャッチャと共に設けられている。リボルバーは走行可能であり、加工ステーション内でのワークピースの加工とキャッチは、両リボルバーにおけるツール及びキャッチャにより行われる。この原理に従う二つの加工ステーションを有する工作機械の為に、三つのリボルバーが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】欧州特許出願第1 418 019 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、コスト面で安価なワークピースの搬送を行い、そして同時に、ワークピースの加工が行われない非生産時間中を短縮する方法及び工作機械を示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1に記載の方法及び請求項4に記載の工作機械により解決される。
【0006】
本発明の有利な観点に従い、二つの加工ステーションを有する工作機械において二つのリボルバーのみが必要とされる。
【0007】
以下に本発明を、実施例に従い詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】工作機械の全面図
図1a】ツールキャリアの上面図を拡大図として表す図。
図2】積み降ろしの動作シーケンスを表す図。
図3】積み降ろしの動作シーケンスを表す図。
図4】積み降ろしの動作シーケンスを表す図。
図5】積み降ろしの動作シーケンスを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、方法を実施するための工作機械1を示す。発明の本質に関わらないワークピース供給、制御およびハウジングの詳細は、表されていない。シャフト状のワークピース15は、モータスピンドル4と心押し台6から成る第一のチャックデバイス2内で、先端部5の間に挟み込まれ、そして回転させられる。第一のツールキャリア7と第二のツールキャリア8は、リボルバーとして実施されている。これらは、各々の旋回軸22の周りを回転可能に支承されており、そしてフレーム9に対して相対的に、二つ互いに直交する方向に(X軸およびZ軸)制御されて可動である。このためフレーム9には、垂直可動台11,11´のための垂直ガイド10が設けられている。これらは、モータ12によるZ軸方向の送り動作を行うために動かされる。垂直可動台11,11´は、それらの側で、水平可動14、14´のための水平ガイド13を支持している。チャックデバイス2の両側に設けられたツールキャリア7,8は、四軸加工のためのツール18を備えられている。第一のチャックデバイス2内では、ワークピース15´が部分加工される。より良好な理解のため、図1aは第二のツールキャリア8を上面図として示す。これは周辺加工の為のツール18と、正面側の加工の為のドリル23を装備している。ツールの他に、ワークピース15,15´の為の二つのキャッチャ19,21が設けられている。両キャッチャ19,21は共通して動かされるので、先行技術と反対に、第三の二軸ユニットは必要とされない。図1には、心押し台6に並んで左側に第二のチャックデバイス3が設けられている。これは、チャック部を有するモータスピンドルとして実施されている。この中でワークピース15´は正面側から完全に加工される。加工されていないワークピース15は、供給ステーション16内に例えばベルトコンベアを介して準備され、そして完全に加工されたワークピース15´´は、搬出ステーション17を介して工作機械を去る。動作シーケンスは、図2から5により正確に記載されている。ワークピースキャリア8に設けられた第一のキャッチャ19が、ワークピース15´を第一のチャックデバイス2内でつかみ、そして同時にワークピースキャリア7に設けられる第二のキャッチャ20が、ワークピース15を供給装置16内で取り上げることにより、新たなサイクルが開始される。その後、両ツールキャリア7,8は、各旋回軸22の周りを回転させられ、そして水平ガイド13に沿って走行する。図3から分かる通り、加工されていないワークピース15は、第一のチャックデバイス2内に挟み込まれ、そして第一のツールキャリア7のツール18によって既に加工されることが可能である。同時に、完全に加工されたワークピース15´´が、第三のキャッチャ21によって第二のチャックデバイス3から取り出される。引き続いて部分加工されたワークピース15´が、第二のチャックデバイス3中に挟み込まれ(図4)、そして完全に加工されたワークピース15´´が搬出ステーション17内に保管される。その後、ワークピース15は、図1に表されるように第一のチャックデバイス2中で四軸加工を行われる。
【0010】
加工サイクルは、第二のチャックデバイス3内におけるワークピース15´の正面側の加工により終了する。図5内には、例えばドリル23による穴あけが表されている。必要に応じ、並行してワークピース15が第一のチャックデバイス2内において、第一のワークピースキャリア7のツール18により加工されることが可能である。
【符号の説明】
【0011】
1 工作機械
2 第一のチャックデバイス
3 第二のチャックデバイス
4 モータスピンドル
5 先端部
6 心押し台(Reitstock)
7 第一のツールキャリア
8 第二のツールキャリア
9 フレーム
10 垂直ガイド
11 垂直可動台
11’ 垂直可動台
12 モータ
13 水平ガイド
14 水平可動台
14’ 水平可動台
15 ワークピース
15’ 部分加工されたワークピース
15’’ ワークピース
16 供給ステーション
17 搬出ステーション
18 ツール
19 第一のキャッチャ
20 第二のキャッチャ
21 第三のキャッチャ
22 旋回軸
23 ドリル
図1
図1a
図2
図3
図4
図5