(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029961
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ノイズ除去フィルタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 41/10 20060101AFI20161114BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
H01F41/10 C
H01F15/10 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-270056(P2012-270056)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2013-128110(P2013-128110A)
(43)【公開日】2013年6月27日
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0137426
(32)【優先日】2011年12月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(72)【発明者】
【氏名】イ・サン・ムン
(72)【発明者】
【氏名】ウィ・スン・グォン
(72)【発明者】
【氏名】クァク・ジョン・ボク
(72)【発明者】
【氏名】シム・ウォン・チョル
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ヨン・スク
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨン・スク
【審査官】
井上 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−071457(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0157565(US,A1)
【文献】
国際公開第2011/145490(WO,A1)
【文献】
米国特許第08791783(US,B1)
【文献】
特開2000−353620(JP,A)
【文献】
特開平11−273997(JP,A)
【文献】
特開2000−100648(JP,A)
【文献】
特開2001−160523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 41/10
H01F 27/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上の導体パターン、前記導体パターンを覆う絶縁層、及び前記導体パターンを電気的に入出力するための入出力スタッド端子を備える下部磁性体を準備する段階と、
前記入出力スタッド端子の上面に認識部を設ける段階と、
前記認識部及び前記絶縁層の上部に上部磁性体を設ける段階と、
前記上部磁性体をポリシング(polishing)する段階と、
前記認識部を除去し、前記上部磁性体の上面を前記入出力スタッド端子の上面より高く位置させる段階と、
を含む、ノイズ除去フィルタの製造方法。
【請求項2】
前記認識部は、認識可能な物質からなり、前記入出力スタッド端子の上面にオフセット(off−set)印刷される、請求項1に記載のノイズ除去フィルタの製造方法。
【請求項3】
前記認識可能な物質はフォトレジスト(Photo Resist)を含む、請求項2に記載のノイズ除去フィルタの製造方法。
【請求項4】
前記オフセット印刷は、前記認識可能な物質が外周面に転写されたシリンダを回転させて、前記入出力スタッド端子の上面に前記認識可能な物質を印刷することで行われる、請求項2に記載のノイズ除去フィルタの製造方法。
【請求項5】
前記上部磁性体をポリシングする段階は、前記認識部が外部に露出するまで行われる、請求項1に記載のノイズ除去フィルタの製造方法。
【請求項6】
前記認識部を除去する段階は、食刻(etching)工程により行われる、請求項1に記載のノイズ除去フィルタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ除去フィルタに関し、より詳細には、簡単な構造及び工程により透磁率を高め、インピーダンス特性を改善することで性能を向上することができるノイズ除去フィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルTV、スマートフォン、ノートパソコンなどの電子製品は高周波帯域におけるデータ送受信の機能が広く使用されており、今後もこのようなIT電子製品は一つの機器だけでなく、互いにUSB、その他の通信ポートを連結して多機能化及び複合化して活用される頻度が高いと予想される。
【0003】
ここで、前記データを迅速に送受信するためには、周波数帯域をMHz帯域からGHz帯域の高周波数帯域に移動し、より多い量の内部信号ラインを介してデータを送受信する。
【0004】
このように大量のデータを送受信するためにメイン機器と周辺機器との間のGHz帯域の高周波数帯域において送受信する際に、信号の遅延及びその他ノイズによりデータをスムーズに処理することに問題点が生じる。
【0005】
従って、電子製品自体がノイズの発生源にならないようにすると共に、外部ノイズによって誤動作などが生じないようにするイミュニティ(Immunity)対策が必要である。
【0006】
このような問題を解決するために、IT電子製品と周辺機器を連結した周りにEMI対策部品を備えているが、従来のEMI対策部品は巻線型、積層型であって、チップ部品のサイズが大きく、電気特性が悪いため、特定の部位と大面積の回路基板など限定された領域のみに使用することができた。これにより、電子製品のスリム化、小型化、複合化、多機能化への転換に対応するEMI対策部品が要求されている。
【0007】
以下、添付の
図1から
図2cを参照して従来技術によるEMI対策コイル部品、即ちノイズ除去フィルタのうちコモンモードフィルタについてより詳細に説明すると次のとおりである。
【0008】
図1から
図2cを参照すると、従来のコモンモードフィルタは、下部磁性基板10と、前記下部磁性基板10の上部に設けられ、第1コイルパターン21及び第2コイルパターン22を内部に上下対称に形成する絶縁層20と、前記絶縁層20の上部に設けられる上部磁性体30と、を含んでなる。
【0009】
ここで、薄膜工程により、内部に前記第1コイルパターン21及び前記第2コイルパターン22が形成された前記絶縁層20が前記下部磁性基板10の上部に設けられる。前記薄膜工程の一例は、特許文献である日本特許公開公報平8−203737号に開示されている。
【0010】
また、前記絶縁層20には、前記第1コイルパターン21に電気を入出力するための第1入力リードパターン21a及び第1出力リードパターン21bが形成され、前記第2コイルパターン22に電気を入出力するための第2入力リードパターン22a及び第2出力リードパターン22bが形成される。
【0011】
より詳細には、前記絶縁層20は、前記第1コイルパターン21及び前記第1入力リードパターン21aを含む第1コイル層と、前記第2コイルパターン22及び前記第2入力リードパターン22aを含む第2コイル層と、前記第1出力リードパターン21b及び前記第2出力リードパターン22bを含む第3コイル層と、で構成される。
【0012】
即ち、前記下部磁性基板10の上面に、薄膜工程により前記第1コイルパターン21及び前記第1入力リードパターン21aを形成してから絶縁物質をコーティングすると前記第1コイル層が形成される。
【0013】
また、前記第1コイル層の上面に、薄膜工程により前記第1コイルパターン21に対応する前記第2コイルパターン22及び前記第2入力リードパターン22aを形成してから絶縁物質をコーティングすると前記第2コイル層が形成される。
【0014】
次に、前記第1コイルパターン21と前記第2コイルパターン22を外部出力するために、前記第2コイル層の上面に、薄膜工程により前記第1出力リードパターン21b及び前記第2出力リードパターン22bを形成してから絶縁物質をコーティングすると第3コイル層が形成される。
【0015】
この際、前記第1コイルパターン21及び前記第2コイルパターン22は、ビア連結構造により、それぞれ前記第1出力リードパターン21b及び前記第2出力リードパターン22bに電気的に連結されることができる。
【0016】
また、前記第1入力リードパターン21aは第1入力スタッド端子41aに連結され、前記第1出力リードパターン21bは前記第1入力スタッド端子41aに対応する第1出力スタッド端子(不図示)に連結され、前記第2入力リードパターン22aは第2入力スタッド端子42aに連結され、前記第2出力リードパターン22bは前記第2入力スタッド端子42aに対応する第2出力スタッド端子(不図示)に連結される。
【0017】
詳細に図示してはいないが、前記第1コイル層〜第3コイル層は、シート状に製作されて積層方式で結合されることにより、前記第1、2コイルパターン、第1、2入力リードパターン、及び第1、2出力リードパターンを含む絶縁層を構成することもできる。
【0018】
一方、前記のように構成された従来のコモンモードフィルタにおいて、前記上部磁性体30は、前記絶縁層20との接合性、絶縁性、及び耐電圧特性などを向上させるために、フェライトにバインダーとして樹脂を混合した複合物質を充填して形成されるが、この場合、前記上部磁性体30を構成する樹脂によってコモンモードフィルタの透磁率が著しく減衰し、コモンモードフィルタの性能及び特性を低下させる問題点があった。
【0019】
そのため、透磁率を高めるために前記上部磁性体30を構成するフェライトの粒径を大きくするとコモンモードフィルタの高周波特性が劣化する問題点があり、前記上部磁性体30のバインダーである樹脂の量を減少させると前記上部磁性体30の接合性、絶縁性及び耐電圧特性などが劣化する問題点があった。
【0020】
また、透磁率を高めるために前記上部磁性体30を成形する際に高温環境を提供する方法があるが、温度が高い環境では作業性が低下したり温度を高めるための設備が増加し、コモンモードフィルタの信頼性を低下させる問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】特開2006−024772号公報
【特許文献2】特開2009−218644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上述した問題点を解決するために導き出されたものであって、本発明の目的は、上部磁性体の優れた接合性、絶縁性、及び耐電圧特性などを維持すると共に透磁率を高めることができ、これによりインピーダンス特性を改善することで性能及び信頼性を向上することができるノイズ除去フィルタの製造方法を提供することにある。
【0023】
本発明の他の目的は、簡単な構造及び工程により透磁率を高めることができ、これにより、透磁率向上のために設備が増加することを予め防止するなど、透磁率を高めることで伴われる製造コストの上昇を防止することができ、生産性を向上することができるノイズ除去フィルタの製造方法を提供することにある。
本発明のまた他の目的は、上部磁性体のポリシング工程時に入出力スタッド端子が損傷を受けることを防止し、ポリシング工程を正確な設計値で行うことができるノイズ除去フィルタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記目的を果たすために、本発明は、少なくとも一つ以上の導体パターン、前記導体パターンを覆う絶縁層、及び前記導体パターンを電気的に入出力するための入出力スタッド端子を備える下部磁性体を準備する段階と、前記入出力スタッド端子の上面に認識部を設ける段階と、前記認識部及び前記絶縁層の上部に上部磁性体を設ける段階と、前記上部磁性体をポリシング(polishing)する段階と、前記認識部を除去し、前記上部磁性体の上面を前記入出力スタッド端子の上面より高く位置させる段階と、を含むノイズ除去フィルタの製造方法を提供する。
【0025】
ここで、前記認識部は、認識可能な物質からなり、前記入出力スタッド端子の上面にオフセット(off−set)印刷されることができる。
【0026】
この際、前記認識可能な物質はフォトレジスト(Photo Resist)を含んでなることができる。
【0027】
また、前記オフセット印刷は、前記認識可能な物質が外周面に転写されたシリンダを回転させて、前記入出力スタッド端子の上面に前記認識可能な物質を印刷する方式で行われることができる。
【0028】
一方、前記上部磁性体をポリシングする段階は、前記認識部が外部に露出するまで行われることができる。
【0029】
また、前記認識部を除去する段階は、食刻(etching)工程により行われることができる。
【発明の効果】
【0030】
上述したように、本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法によると、ノイズ除去フィルタの入出力スタッド端子間の間隔に応じて相違するサイズを有するフェライト粉末を含む上部磁性体を選択的に注入することができ、ノイズ除去フィルタの透磁率を高めることができる利点がある。
【0031】
また、本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法によると、高い透磁率を具現し、ノイズ除去フィルタのインピーダンス特性を改善することにより、製品の性能及び信頼性を向上することができる利点がある。
【0032】
また、本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法によると、簡単な構造及び工程により透磁率を高めることができ、透磁率を向上するための設備増加に伴われる製造コストを下げることができ、生産性を向上することができる利点がある。
【0033】
さらに、本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法によると、上部磁性体のポリシング工程前に入出力スタッド端子の上面に認識部を設けることにより、上部磁性体のポリシング工程時に入出力スタッド端子が損傷を受けることを防止し、ポリシング工程を正確な設計値で行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】従来のノイズ除去フィルタにおけるコモンモードフィルタを概略的に示す断面図である。
【
図2a】
図1の1次コイルパターンを概略的に示す平面図である。
【
図2b】
図1の2次コイルパターンを概略的に示す平面図である。
【
図2c】
図2aの1次コイルパターンの出力側のリードパターン及び
図2bの2次コイルパターンの出力側のリードパターンを概略的に示す平面図である。
【
図3】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、下部磁性体に1次導体パターン、2次導体パターン、絶縁層及び入出力スタッド端子が備えられた状態を示す断面図である。
【
図4】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図3の入出力スタッド端子の上面に認識部を設けた状態を示す断面図である。
【
図5】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図4の認識部をオフセット印刷するシリンダを示す断面図である。
【
図6】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図4の認識部及び絶縁層の上部に上部磁性体を設けた状態を示す断面図である。
【
図7】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図6の上部磁性体をポリシングした状態を示す断面図である。
【
図8】本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図7の認識部を除去した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを果たす方法は、添付図面とともに詳細に後述される実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態で具現されることができる。本実施形態は、本発明の開示が完全になるようにするとともに、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に伝達するために提供されることができる。明細書全体において、同一参照符号は同一構成要素を示す。
【0036】
本明細書で用いられる用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を限定しようとするものではない。本明細書で、単数型は文句で特別に言及しない限り複数型も含む。明細書で用いられる「含む(comprise)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は言及された構成要素、段階、動作及び/又は素子は一つ以上の他の構成要素、段階、動作及び/又は素子の存在又は追加を排除しない。
【0037】
また、本明細書で記述する実施形態は、本発明の理想的な例示図である断面図及び/又は平面図を参照して説明する。図面において、膜及び領域の厚さは技術的内容を効果的に説明するために誇張されたものである。従って、製造技術及び/又は許容誤差などによって例示図の形態が変形され得る。従って、本発明の実施形態は、図示された特定形態に制限されるものではなく、製造工程によって生成される形態の変化も含むものである。例えば、直角に図示された食刻領域はラウンド状であったり所定曲率を有する形状を有してもよい。従って、図面で例示された領域は概略的な属性を有し、図面で例示された領域の形状は素子の領域の特定形態を例示するためのものであって、発明の範疇を制限するためのものではない。
【0038】
以下、添付の
図3から
図8を参照して本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態についてより詳細に説明すると次のとおりである。
【0039】
図3から
図7は本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態を説明するための工程図であって、
図3は下部磁性体に1次導体パターン、2次導体パターン、絶縁層及び入出力スタッド端子が備えられた状態を示す断面図であり、
図4は
図3の入出力スタッド端子の上面に認識部を設けた状態を示す断面図であり、
図5は
図4の認識部をオフセット印刷するシリンダを示す断面図であり、
図6は
図4の認識部及び絶縁層の上部に上部磁性体を設けた状態を示す断面図であり、
図7は
図6の上部磁性体をポリシングした状態を示す断面図であり、
図8は
図7の認識部を除去した状態を示す断面図である。
【0040】
本発明によるノイズ除去フィルタの製造方法の一実施形態によると、先ず
図3を参照して、下部磁性体110の上部に1次導体パターン121、2次導体パターン122、及び絶縁層123からなるコイル層を備えることができる。
【0041】
ここで、前記下部磁性体110は、フェライト系の磁性物質からなる基板状に製作されることができ、前記1次導体パターン121及び前記2次導体パターン122は、前記下部磁性体110の上部に前記絶縁層123を介して電気的に互いに分離して設けられることができる。
【0042】
この際、前記絶縁層123は前記1次導体パターン121に電気を入出力するための第1入力リードパターン121a及び第1出力リードパターン121bと、前記2次導体パターン122に電気を入出力するための第2入力リードパターン122a及び第2出力リードパターン122bと、を含むことができる。
【0043】
また、前記第1入力リードパターン121aは第1入力スタッド端子141aに電気的に連結され、前記第1出力リードパターン121bは前記第1入力スタッド端子141aに対応する第1出力スタッド端子(不図示)に電気的に連結されることができ、前記第2入力リードパターン122aは第2入力スタッド端子142aに電気的に連結され、前記第2出力リードパターン122bは前記第2入力スタッド端子142aに対応する第2出力スタッド端子(不図示)に電気的に連結されることができる。
【0044】
次に、
図4及び
図5を参照すると、前記第1、2入出力スタッド端子の上面に認識部150を設けることができる。
【0045】
ここで、前記認識部150は、フォトレジスト(Photo Resist)のように認識可能な物質からなることができ、前記第1、2入出力端子の上面にオフセット(off−set)印刷されることができる。
【0046】
この際、前記オフセット印刷は、前記認識可能な物質150aが外周面に転写されたシリンダ155を回転させて、前記第1、2入出力スタッド端子の上面に前記認識可能な物質を印刷する方式で行われることができる。
【0047】
次に、
図6を参照すると、前記認識部150及び前記絶縁層123の上部に上部磁性体130を設けることができる。
【0048】
ここで、前記上部磁性体130はフェライト系の物質を充填し、充填された物質を硬化させることで設けられることができる。
【0049】
この際、前記上部磁性体130は、前記認識部150を覆うことと、以降のポリシングのような表面研磨を考慮して、十分な高さ及び厚さを有するように形成されることができる。
【0050】
次に、
図7を参照すると、前記上部磁性体130の表面を研磨するためにポリシング(polishing)工程を行うことができる。
【0051】
この際、本実施形態によるノイズ除去フィルタの製造方法では、前記第1、2入出力スタッド端子の上面に前記認識部150が備えられているため、前記上部磁性体130のポリシング工程時に前記第1、2入出力スタッド端子が損傷を受けることを防止することができ、前記認識部150が外部に露出するまで前記上部磁性体130にポリシング工程を施すことにより前記ポリシング工程が完了する時点を容易かつ正確に把握することができ、これにより、前記上部磁性体130の設計値に相当する正確なポリシング工程を行うことができる。
【0052】
次に、
図8を参照すると、前記上部磁性体130のポリシング工程の後、前記認識部150を除去することにより、前記認識部150の厚さだけ、前記上部磁性体130の上面を前記第1、2入出力スタッド端子の上面より高く位置させることができる。
【0053】
即ち、本実施形態によるノイズ除去フィルタの製造方法によると、前記上部磁性体130の上面が前記第1、2入出力スタッド端子の上面より高く位置するように、互いに高さの差Hを有することができる。これにより、前記上部磁性体130のサイズ及び磁性成分を増大し、これを含むノイズ除去フィルタの透磁率を高めることができる。
【0054】
一方、前記認識部150を除去する段階は食刻(etching)工程により行われることができる。
【0055】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、上述の内容は本発明の好ましい実施形態を示して説明するものに過ぎず、本発明は多様な他の組合せ、変更及び環境で用いることができる。即ち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、述べた開示内容と均等な範囲及び/又は当業界の技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。上述の実施形態は本発明を実施するにおいて最善の状態を説明するためのものであり、本発明のような他の発明を用いるにおいて当業界に公知された他の状態での実施、そして発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。従って、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態に本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むと解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0056】
110 下部磁性体
121 1次導体パターン
121a 第1入力リードパターン
121b 第1出力リードパターン
122 2次導体パターン
122a 第2入力リードパターン
122b 第2出力リードパターン
130 上部磁性体
141a 第1入力スタッド端子
142a 第2入力スタッド端子
150 認識部