(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6029976
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】通信カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-289296(P2012-289296)
(22)【出願日】2012年12月31日
(65)【公開番号】特開2014-130301(P2014-130301A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年10月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】
千本 潤介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−315934(JP,A)
【文献】
特開2005−308817(JP,A)
【文献】
特開2000−233069(JP,A)
【文献】
特開2008−036241(JP,A)
【文献】
特開2009−075452(JP,A)
【文献】
特開2003−144757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
A63F 13/798
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲及びこれらに付随するデータを配信するセンターサーバ装置と、このセンターサーバ装置に複数のカラオケ端末装置とが通信網を介して接続される通信カラオケシステムにおいて、
複数の前記カラオケ端末装置は、楽曲の演奏を終了した際、採点手段が出力した最終の得点と当該楽曲の楽曲番号とを対応付けてなる楽曲採点データをセンターサーバ装置に送信し、
前記センターサーバ装置は、複数の前記カラオケ装置から受信した楽曲採点におけるランキングデータを直近の所定回数で更新し、楽曲番号別に順位付けした採点ランキングデータを逐次作成して記憶部に記憶するようにするとともに、
前記カラオケ端末装置は、少なくともある楽曲の演奏を開始する前に、この楽曲における採点におけるランキングデータを取得し、前記カラオケ端末装置は、楽曲の演奏を開始し、センターサーバ装置から受信した採点ランキング情報に基づいて、楽曲の演奏終了時点での採点ランキング情報を算出して、表示するようにしたことを特徴とする通信カラオケシステム。
【請求項2】
前記カラオケ端末装置は、楽曲の演奏を終了した際、採点手段が出力した最終の得点と当該楽曲の楽曲番号とを対応付けてなる楽曲採点データをセンターサーバ装置に送信するときに歌唱者情報も対応づけて送信しておき、少なくともある楽曲の演奏を開始する前に、センターサーバ装置からこの楽曲におけるランキングに対応する歌唱者情報も取得して採点を行い、採点ランキング情報と歌唱者情報も同時に表示することを特徴とする前記請求項1記載の通信カラオケシステム。
【請求項3】
前記カラオケ端末装置は、センターサーバ装置から受信した採点ランキング情報に基づいて、楽曲の演奏終了時点での採点ランキング情報を算出する際、直近の所定回数のうち古いランキングデータを更新して、当該演奏採点データを加えて表示するようにしたことを特徴とする前記請求項1乃至2記載の通信カラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関し、具体的には、歌唱採点機能を備えたカラオケ装置において、同じ曲を歌った他の人の歌唱採点結果を全国規模で比較できるようにした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ端末装置には歌唱採点機能があり、この機能により音程や発音タイミングの差によって得点を算出する。そこで、歌唱採点機能が利用されるとその利用機会に算出した得点をセンターサーバ装置に送信し、センターサーバ装置は各地のカラオケ端末装置から歌唱得点を収集して採点ランキングなどにまとめてその収集情報を各地のカラオケ端末装置に配信し、カラオケ端末装置は、配信された情報を適宜に表示出力して利用者に提示する。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載の通信カラオケシステムによれば、カラオケ端末装置が利用者を特定するための利用者IDを取得することで、誰が何を歌って何点取ったのかをセンターサーバ装置に送信するようになっている。センターサーバ装置はその送信情報に基づいて月間あるいは年間など所定期間ごとに採点ランキングを作成する。
【0004】
それによって、例えば、これをカラオケ端末装置に配信し、利用者は、カラオケ端末装置に採点ランキングを表示させ、自身がランキング中のどの位置にいるのかを知ることができる。また、カラオケ事業者が所定期間の区切りごとに採点ランキングの上位利用者に賞品などを送付するサービスを提供することもできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4137752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような特許文献1で示されるようなカラオケランキングは、所定期間、例えば月間で行う場合には月初ではランキングの上位に入りやすいが、月末では、ランキングが密集してしまい上位に入ることは難しくなってきてしまう。すなわち、ある期間で集計してランキングを争う歌合戦の場合、集計期間が長いと多数の歌唱者が歌うのでランキング集計の母集団が大きくなる。そのため上位の順位に入るのは極めて難しくなる。
【0007】
また人気曲の場合は、短期間でも極めて多数の歌唱者が争うことになり、ランキング集計の母集団が大きくなる。このようにランキング集計の母集団が大きくなると、上位の順位に入るのは極めて難しくなる。
そこでカラオケ運営会社では、月間でランキングを争う場合には、月ごとにランキングデータをリセットして対応する以外に方法がなく、カラオケランキングの楽しみ方が面白くないばかりか、カラオケ運営会社の管理も負担になっていた。
【0008】
本発明は、これらの点に鑑み、歌唱採点によるカラオケランキングサービスおいて、期間に関係なく、歌唱者の歌唱ランキングが一定でわかりやすく、表示できるようにしたカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため本発明の請求項1は、カラオケ端末装置は、楽曲の演奏を終了した際、採点手段が出力した最終の得点と当該楽曲の楽曲番号とを対応付けてなる楽曲採点データをセンターサーバ装置に送信するようにしている。そしてこのカラオケ端末装置は、少なくともある楽曲の演奏を開始する前に、この楽曲における採点におけるランキンデータをセンターサーバ装置から取得して、楽曲の演奏を開始し、歌唱採点結果によるランキングを表示するものであって、センターサーバ装置は、複数のカラオケ装置から受信した楽曲採点におけるランキングデータを直近の所定回数で更新することによって、常に所定回数(所定人数)で歌合戦を行ったようなデータが取得できる。
【0010】
カラオケ端末装置は、楽曲の演奏を終了した際、採点手段が出力した最終の得点と当該楽曲の楽曲番号とを対応付けてなる楽曲採点データをセンターサーバ装置に送信するときに例えば歌唱者のニックネームやID情報など歌唱者情報も対応づけて送信する。そして各カラオケ装置は、センターサーバ装置からランキングデータを取得して、採点に基づくランキング情報を表示する際、各ランキングに対応する歌唱者情報も表示できるようにした。
【0011】
さらにカラオケ端末装置は、センターサーバ装置から受信した採点ランキング情報に基づいて、楽曲の演奏終了時点での採点ランキング情報を算出する際、直近の所定回数のうち古いランキングデータを更新(削除)して、今回歌唱した採点データを加えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、歌唱ランキングは、常に所定回数(所定人数)例えば100人分のデータであれば、常に100人で歌合戦を行っているような感じになり、従来のように月初や月末でランキングデータに極端な偏りがなく一定のランキング(歌合戦)が楽しめる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施例を示すカラオケシステムの概念説明図。
【
図2】本発明の一実施例を示すセンターサーバ装置におけるデータ更新の説明図。
【
図3】本発明の一実施例を示すディスプレイ表示例説明図。
【
図4】本発明の一実施例を示すディスプレイ表示例説明図。
【
図5】本発明の一実施例を示すカラオケ端末装置とセンターサーバ装置の動作フロー説明図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1に示すカラオケシステム1は、カラオケ楽曲及びこれらに付随するデータを配信するセンターサーバ装置2と、このセンターサーバ装置2に複数のカラオケ端末装置3とがネットワーク網5を介して接続されるカラオケシステム1を示すものである。
【0015】
複数のカラオケ端末装置3は、楽曲の演奏を終了した際、カラオケ端末装置3の採点手段が出力した最終の得点とこの楽曲の楽曲番号とを対応付けてなる楽曲採点データをセンターサーバ装置2に送信するようになっており、さらにセンターサーバ装置2は、複数のカラオケ装置3から受信した楽曲採点におけるランキングデータ6を直近の所定回数で更新し、楽曲番号別に順位付けした採点ランキングデータ6を記憶部(図示せず)に記憶し蓄積している。すなわち直近(例えば100回)の採点データを常に更新している。
【0016】
カラオケ端末装置3は、少なくともある楽曲の演奏を開始する前に、この楽曲における採点におけるランキングデータを取得するようにしている。例えば、毎朝全楽曲のランキングデータの更新を行うか、歌唱者が楽曲を演奏予約したタイミングで楽曲毎のランキング更新データを取得するようにする。
【0017】
図5に示したものは、カラオケ端末装置3とセンターサーバ装置2の動作フロー説明図であり、カラオケ端末装置3の楽曲毎に歌唱された採点データをセンターサーバ装置2に送信するようにしている(ステップ21)。センターサーバ装置2側では、受信した(ステップ22)楽曲毎の採点データに基づきランキングデータを直近の所定回数で更新していく(ステップ23)。そして各カラオケ端末装置3に例えば、毎朝あるいは、カラオケ端末装置からの要求に基づいたタイミングでデータを送信している(ステップ24、ステップ25)。
【0018】
各カラオケ端末装置3は、楽曲の演奏を開始し、センターサーバ装置2から受信した採点ランキング情報により、楽曲の演奏終了時点での採点に基づき歌唱のランキングを算出して、ディスプレイ4に表示するようにする。
【0019】
カラオケ端末装置3は、楽曲の演奏を終了した際、採点手段が出力した最終の得点と楽曲毎の楽曲番号とを対応付けて楽曲採点データをセンターサーバ装置2に送信する。その際、歌唱者があらかじめ登録した会員のニックネーム等の情報も対応づけて送信するようにしている。
【0020】
こうすることで、少なくともある楽曲の演奏を終了した時に、ランキングデータとともに、歌唱コンテストで自分のニックネームが入っていれば、参加意識が高まる。また第三者である歌唱者がニックネームを見ることで競争意識も高まる。もちろん、ニックネームをつけずに歌唱コンテストに参加できる。その場合は、参加者(歌唱者)の地域情報などが表示されれば良い。
【0021】
このようにカラオケ端末装置3は、センターサーバ装置2から受信した採点ランキング情報に基づいて、楽曲の演奏終了時点での採点ランキング情報を算出する際、直近の所定回数のうち古いランキングデータを削除(更新)して、演奏採点データを加えて表示するようにすれば常に、所定回数分のランキングデータが表示される。すなわち、センターサーバ装置2で集計するのではなく、カラオケ端末装置3側でも臨時で暫定的に所定回数分のランキングデータが集計され、「歌唱コンテスト100人歌合戦」が実施できる。
【0022】
図3は、カラオケ端末装置3に接続されたディスプレイ4に表示されたランキングリストであり、適宜なリモコンで、楽曲毎のランキングデータを表示されるようにしたものである。また、
図4は、歌唱を行った際に、歌唱者のニックネームで最終得点と順位(ランキング)が表示された例である。ニックネームを付けずに歌唱した場合は、単に「あなたの得点と順位」としても良い。
【0023】
以上の構成により、センターサーバ装置2は、複数のカラオケ装置3から受信した楽曲採点におけるランキングデータ6を直近の所定回数(所定人数)で更新することによって、ランキング競争する母集団のバラツキをなくし、常に所定人数で歌合戦を行うサービスが展開できるばかりか、月初や月末など歌った時期に関係なく、データを所定期間毎にリセットすることもなくカラオケ利用者は安定したサービスを受けられる。
【符号の説明】
【0024】
1…カラオケシステム
2、12…センターサーバ装置
3、13…カラオケ端末装置
4…ディスプレイ
5…ネットワーク網
6…ランキングデータ
7、8…ディスプレイ表示例