(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1、第2および第3の金属含有膜を形成する工程は、前記層間絶縁層の上面と、前記第1、第2および第3の開口部とに前記金属含有積層膜を堆積する工程と、前記層間絶縁層が露出するように前記金属含有積層膜を研磨する工程とを含み、
前記金属含有積層膜を研磨する工程では、前記第1の金属含有膜の上面と、前記第2の金属含有膜の上面と、前記第3の金属含有膜の上面とが同一の高さの平坦な面を形成するように研磨される、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
前記第1の金属含有膜は前記第1の絶縁膜の上面に形成され、前記第1の金属含有膜は前記第1の絶縁膜より誘電率が高い誘電体膜と、前記誘電体膜の仕事関数を調整する調整膜と、前記金属含有膜とがこの順に積層された構造を有し、
前記第2の金属含有膜は前記第2の絶縁膜の上面に形成され、前記第2の金属含有膜は前記誘電体膜と、前記調整膜と、前記金属含有膜とがこの順に積層された構造を有し、
前記第3の金属含有膜は前記第3の絶縁膜の上面に形成され、前記第3の金属含有膜は前記誘電体膜と、前記調整膜と、前記金属含有膜とがこの順に積層された構造を有し、
前記他の膜は前記誘電体膜と前記調整膜とを含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず一実施の形態の半導体装置に含まれるメモリセルの構成について、
図1〜
図3を用いて説明する。
【0017】
図1を参照して、一実施の形態の半導体装置には、メモリセルとしてのFMONOS型メモリセルFMS(以下「メモリセルFMS」と記す)を有している。メモリセルFMSは、主表面を有する半導体基板SUBに形成されている。
【0018】
半導体基板SUBはたとえばシリコンの単結晶により形成されている。半導体基板SUB内の主表面(
図1の半導体基板SUBの最上面としての左右方向に延びる面)にはドレイン領域DRおよびソース領域SRが互いに間隔をあけて形成されている。ドレイン領域DRおよびソース領域SRは、いわゆるn型またはp型の不純物が拡散されることにより形成されており、後述するコントロールゲート(第1のゲート)およびメモリゲート(第2のゲート)を挟むように配置されている。
【0019】
なおドレイン領域DRおよびソース領域SRの上面には通常、後述するシリサイド膜が形成されるが、ここではその図示が省略されている。
【0020】
半導体基板SUBの主表面上にはコントロールゲート絶縁膜CI(第1の絶縁膜)が形成されており、コントロールゲート絶縁膜CIの上面に接するようにコントロールゲート膜CG(第1の金属含有膜)が形成されている。コントロールゲート膜CGは読み込み・書き込み・消去動作を行なうものであり、ここではコントロールゲート膜CGとは電圧が印加される金属含有膜MT1としての金属膜MLおよび多結晶シリコン膜PLYに加え、高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJを含むものと定義する。コントロールゲート膜CGは、コントロールゲート絶縁膜CIより誘電率が高い高誘電率絶縁膜HK(誘電体膜)と、調整膜WAJと、金属膜MLと、多結晶シリコン膜PLYとがこの順に積層された構成を有している。このようにして、コントロールゲート絶縁膜CIとコントロールゲート膜CGとが積層されたコントロールゲート(第1のゲート)が形成されている。
【0021】
コントロールゲート絶縁膜CIはたとえばシリコン酸化膜など、通常のMOS型トランジスタにおけるゲート絶縁膜と同様の材質により形成される。このゲート絶縁膜CIは、半導体基板SUBとコントロールゲート膜CGとの密着性を高めるため、および界面準位の抑制のために形成される。
【0022】
高誘電率絶縁膜HKとはコントロールゲート絶縁膜CIのシリコン酸化膜に比べて誘電率が有意に高い材質からなる絶縁膜であり、たとえばハフニウム系酸化膜が用いられる。通常のゲート絶縁膜CIと高誘電率絶縁膜HKとを直列に形成することにより、これら両者を合わせた全体の誘電率が高くなるため、MOS容量部の容量値を高くすることができる。
【0023】
調整膜WAJとは、高誘電率絶縁膜HKを含むコントロールゲート膜CG全体の仕事関数を調整し(低下させ)、結果的にコントロールゲート膜CGの閾値電圧を調整する(低下させる)ために形成される薄膜であり、たとえばランタノイド系の酸化膜が用いられる。
【0024】
高誘電率絶縁膜HKは上記のようにMOS容量を増加するために用いられるが、高誘電率絶縁膜HKを用いるとコントロールゲート膜CGの仕事関数が低下しなくなるなど、その制御が困難になる場合がある。調整膜WAJはこの仕事関数の制御を容易にする(低下させる)ために形成される。
【0025】
金属含有膜MT1は金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYとにより形成される。金属膜MLとしては他の材質との密着性が良好な窒化チタンまたは窒化タンタルの薄膜が用いられる。
【0026】
コントロールゲート絶縁膜CIとコントロールゲート膜CGとの側面の一部(
図1では右側の側面)に接して、半導体基板SUBの主表面上にまで延びる延長部を有するように、メモリゲート絶縁膜MI(第2の絶縁膜)が形成されている。
【0027】
メモリゲート絶縁膜MIの側面部と延長部の上面との双方に接するように、メモリゲート膜MG(第2の金属抵抗膜)が形成されている。メモリゲート膜MGは書き込み/消去のフラッシュ動作を行なうものであり、ここではメモリゲート膜MGとは電圧が印加される金属含有膜MT2としての金属膜MLおよび多結晶シリコン膜PLYに加え、高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJを含むものと定義する。すなわちメモリゲート膜MGは、メモリゲート絶縁膜MIの側面部と延長部の上面との双方に接するように形成され、コントロールゲート膜CGと同様に、高誘電率絶縁膜HKと、調整膜WAJと、金属膜MLと、多結晶シリコン膜PLYとがこの順に積層された構成を有している。メモリゲート膜MGにおける高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJのそれぞれの機能は、上記のコントロールゲート膜CGにおける高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJと同様である。このようにして、メモリゲート絶縁膜MIとメモリゲート膜MGとが積層されたメモリゲート(第2のゲート)が形成されている。
【0028】
メモリゲート絶縁膜MIは、通常のMONOS型メモリセルと同様に、(第1の)シリコン酸化膜O1(SiO
2など)と、シリコン窒化膜NF(SiNなど)と、(第2の)シリコン酸化膜O2(SiO
2など)との3層がこの順に積層された構成を有している。このうちの特にシリコン窒化膜NFへの電子の注入によりメモリセルFMSのデータの書き込みがなされ、シリコン窒化膜NFへの正孔の注入によりメモリセルFMSのデータの消去がなされる。データの書き込みの際にはメモリセルFMSの閾値電圧が上昇し、データの消去の際にはメモリセルFMSの閾値電圧が低下する。
【0029】
このようにメモリゲート絶縁膜MIは、データを書き込んだり消去したりするための電荷である電子や正孔を蓄積する電荷蓄積膜を含んでおり、ここではシリコン窒化膜NFが電荷蓄積膜に該当する。シリコン窒化膜NFを含むメモリゲート絶縁膜MIは、MONOS型メモリセルFMSの通常の機能を発揮するために必須の構成要素である。
【0030】
以上のようにメモリセルFMSは、コントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGとの2つのゲート電極を有しており、これらにより書き込み/消去のフラッシュ動作と読み込み動作との2つの動作を別個に行なうことが可能となっている。コントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGとは、上記のドレイン領域DRおよびソース領域SRの一部の真上に重畳するように形成される。
【0031】
図1のメモリセルFMSは、コントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGとは平坦な表面(上面)を有しており、かつコントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGと同一高さ(厚み)となるように表面がいわゆるツライチとなっている。言い換えればコントロールゲートとメモリゲートとの高さが同一となっている。これは上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨するためであるが、開口部が確保できるのであればツライチである必要はない。またここでの平坦とは、凹凸がほとんど存在せず、かつ表面が半導体基板SUBの主表面とほぼ平行となる状態を意味する。
【0032】
また同様に、
図1のメモリゲート絶縁膜MIの側面部も、コントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGと同一高さ(厚み)となるように表面がいわゆるツライチとなっており、メモリゲート絶縁膜MIの延長部の端部(
図1の右側の端部)は、メモリゲート膜MGの端部と同一平面を有するいわゆるツライチとなっている。
【0033】
なお
図1においてはドレイン領域DRとソース領域SRとを単純に図示しているが、実際にはこれらの各領域DR,SRには通常のドレイン領域DR(ソース領域SR)に加え、これよりもn型またはp型の不純物の濃度が低いLDD(Light Doped Drain)と呼ばれる領域を有していてもよいし、いわゆるExtensionやHaloと呼ばれる不純物の拡散領域を含んでいてもよい。
【0034】
またメモリセルFMSは、コントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGの側面を覆うように側壁絶縁膜SWを有している。側壁絶縁膜SWは、たとえばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造によりなることが好ましいが、ここではそのような積層構造の図示が省略されている。
【0035】
図2を参照して、半導体基板SUBの主表面にはメモリセルFMSのほかに、たとえばMOS型トランジスタなどのトランジスタTRを有している。このトランジスタTRはメモリセルFMSの周辺回路として、メモリセルFMSと間隔をあけて形成されたいわゆる周辺トランジスタである。
【0036】
トランジスタTRにおいては、通常のMOS型トランジスタと同様に、半導体基板SUB内の主表面に互いに間隔をあけて(後述する第3のゲートを挟むように)形成されたドレイン領域DRおよびソース領域SRを有している。また半導体基板SUBの主表面上にはゲート絶縁膜GI(第3の絶縁膜)と、ゲート絶縁膜GIの上面に接するゲート膜GE(第3の金属含有膜)とが形成されている。ここではゲート膜GEとは電圧が印加される金属含有膜MT3としての金属膜MLおよび多結晶シリコン膜PLYに加え、高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJを含むものとする。このようにして、ゲート絶縁膜GIとゲート膜GEとが積層されたゲート(第3のゲート)が形成されている。
【0037】
すなわちゲート膜GEは、コントロールゲート膜CGなどと同様に、高誘電率絶縁膜HKと、調整膜WAJと、金属膜MLと、多結晶シリコン膜PLYとがこの順に積層された構成を有している。ゲート膜GEにおける高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJのそれぞれの機能は、上記のコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGにおける高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJと同様である。
【0038】
また
図2のトランジスタTRは、ゲート膜GEが平坦な表面(上面)を有しており、かつゲート膜GEがコントロールゲート膜CGとメモリゲート膜MGと同一高さ(厚み)となるように表面がいわゆるツライチとなっている。言い換えればコントロールゲートとメモリゲートとゲートとの高さがすべて同一となっている。
【0039】
図2においてメモリセルFMSとトランジスタTRとの間で共通の構成要素については同一の参照符号を付しているが、これらは同様の構成であり、同一の層として形成されている。
【0040】
図1においては省略されているが、実際には
図2に示すように、メモリセルFMSとトランジスタTRとが形成される領域においては、各ゲート電極を取り囲むように層間絶縁層IIが形成されている。この層間絶縁層IIはたとえばシリコン酸化膜により形成されている。
【0041】
さらに、
図2においてはメモリセルFMSおよびトランジスタTRの双方のドレイン領域DRおよびソース領域SRの上面に、シリサイド膜SCが形成されている。シリサイド膜SCは、ドレイン領域DRなどを構成するシリコンの原子が、その上に形成されたコバルトやニッケルなどの原子と反応することにより、ドレイン領域DRおよびソース領域SRの最上面近傍において形成される薄膜である。
【0042】
なおトランジスタTRおよびメモリセルFMSは半導体基板SUBに複数形成され、隣り合う1対のトランジスタTR(メモリセルFMS)の間には通常、それらを電気的に分離するための分離絶縁膜が形成されるが、ここではその図示が省略されている。
【0043】
ここで、後述するように
図1および
図2におけるコントロールゲート膜CG、メモリゲート膜MGなどを構成する高誘電率絶縁膜HKや金属膜MLなどは、ダミーとしてのゲート電極が除去された開口部を埋め込むように形成される。このとき、スパッタ法などでコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGを成膜すれば、
図1および
図2のように形成される。しかしながら、有機原料ガスを用いたMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法などのCVD法を用いてコントロール膜CGおよびメモリゲート膜MGを成膜すれば、
図3に示すように開口部の底面および側面を覆うように、カップ状の断面形状を有するように形成される。以降においては、
図1および
図2のコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGを用いて説明するが、コントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGは、
図3のような形状となっていてもよい。
【0044】
次に、
図4〜
図12を参照しながら、上記の一実施の形態の半導体装置の製造方法について説明する。
【0045】
まずたとえばシリコンの単結晶からなる半導体基板SUB(
図1〜
図3参照)が準備される。
図4を参照して、当該半導体基板SUBの主表面に、たとえば通常のLOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法またはSTI(Shallow Trench Isolation)法により、互いに間隔をあけて複数の素子分離絶縁膜が形成される(
図4中の「分離形成」に相当)。また半導体基板SUB内の主表面には、互いに隣接する素子分離絶縁膜に挟まれた領域に、必要に応じて不純物が拡散されたWell領域が形成される(
図4中の「Well形成」に相当)。これらについては図示が省略される。
【0046】
さらに
図4および
図5を参照して、半導体基板SUBの主表面の、メモリセルが形成されるメモリセル形成領域に、コントロールゲート絶縁膜CI(第1の絶縁膜)と、周辺トランジスタが形成される周辺トランジスタ形成領域におけるゲート絶縁膜GI(第3の絶縁膜)とが同時に形成される(
図4中の「ゲート酸化」に相当)。これらはたとえば通常の熱酸化法により形成されたシリコン酸化膜であり、通常の写真製版およびエッチングにより所望のパターンに形成される。
【0047】
引き続き
図4および
図5を参照して、コントロールゲート絶縁膜CIの上面に接する第1のダミー電極PE1と、ゲート絶縁膜GIの上面に接する第3のダミー電極PE3とが同時に形成される(
図4中の「ダミー周辺・CG polyゲート形成」に相当)。これらのダミー電極PE1、PE3はたとえばCVD(Chemical Vapor Deposition)法による多結晶シリコンの薄膜により形成されている。このようにして、コントロールゲート絶縁膜CIと第1のダミー電極PE1とが積層された第1の積層構造と、ゲート絶縁膜GIと第3のダミー電極PE3とが積層された第3の積層構造とが形成される。第1のダミー電極PE1はメモリセルを形成するためのダミーのコントロールゲートであり、第3のダミー電極PE3は周辺トランジスタを形成するためのダミーのゲートである。
【0048】
ここで第1のダミー電極PE1を含む第1の積層構造は、第3のダミー電極PE3を含む第3の積層構造に比べてその高さが
図5のhだけ高くなるように形成される。ここで高さとは、半導体基板SUBの主表面に対する、図の上下方向の距離を意味する。
【0049】
具体的にはまず第1のダミー電極PE1と第3のダミー電極PE3とが同時に成膜されることにより、同じ厚みになるように形成された後、第1のダミー電極PE1を覆うフォトレジストが形成された状態で、第3のダミー電極PE3がエッチングにより除去される。このようにすれば、第1のダミー電極PE1より第3のダミー電極PE3を厚くすることができる。
【0050】
第1のダミー電極PE1と第3のダミー電極PE3との厚みが異なるように形成される点を除き、以上の各工程は周辺トランジスタの形成領域およびメモリセルの形成領域の双方に共通である。
【0051】
図4および
図6を参照して、メモリセルの形成領域において、半導体基板SUBの主表面にメモリゲート絶縁膜MIが形成される(
図4中の「ONO形成」に相当)。メモリゲート絶縁膜MIは、第1の積層構造の側面に接するとともに、そこから半導体基板SUBの主表面上にまで延びる延長部を有するように形成される。メモリゲート絶縁膜MIとして具体的には、シリコン酸化膜O1と、シリコン窒化膜NFと、シリコン酸化膜O2との3層がこの順に積層される。これらの絶縁膜O1,NF,O2が、たとえば通常のCVD法により形成される。
【0052】
このとき、第1の積層構造の側面および上面を覆うように、半導体基板SUBの主表面上に、シリコン酸化膜O1と、シリコン窒化膜NFと、シリコン酸化膜O2との3層がこの順に積層される。
【0053】
次に、メモリゲート絶縁膜の延長部の上面を含めてメモリゲート絶縁膜MIに接する第2のダミー電極PE2が形成される(
図4中の「MG形成」に相当)。第2のダミー電極PE2はたとえばCVD法により形成された多結晶シリコンの薄膜である。具体的には、
図6の第1の積層構造の上面、ならびにメモリゲート絶縁膜MIの側面部および延長部の上面を覆うように、多結晶シリコンの薄膜が形成された後、異方性エッチングにより、多結晶シリコンおよびメモリゲート絶縁膜MIがエッチバックされる。その結果、
図6に示すように、多結晶シリコンからなるダミー電極PE2およびメモリゲート絶縁膜MIが第1の積層構造の側壁として形成される。その後通常の写真製版およびエッチングにより不要な部分が除去されることにより、
図6の構造が形成される。このようにして、メモリゲート絶縁膜MIと第2のダミー電極PE2とが積層された第2の積層構造が形成される。第2のダミー電極PE2はメモリセルを形成するためのダミーのメモリゲート膜である。
【0054】
ここで第2のダミー電極PE2を含む第2の積層構造は、第3のダミー電極PE3を含む第3の積層構造に比べてその高さが高くなるように形成される。第1のダミー電極PE1が第3のダミー電極PE3に比べてその高さが高くなるように形成されるため、第2のダミー電極PE2を含む第2の積層構造についても第1の積層構造と同様に、第3の積層構造よりも高くなるように形成される。
【0055】
ただし第2のダミー電極PE2はその上面が平坦ではなく
図6に示すようにやや右肩下がりの形状を有するように形成される。このため第2のダミー電極PE2は少なくとも最大の高さを有する(シリコン酸化膜O2などと接する)領域の高さが第1の積層構造よりも高く形成され、最小の高さを有する(右肩下がりになり最も高さが低い)領域についても第3の積層構造よりも高くなるように形成されることがより好ましい。
【0056】
以上の各工程はメモリセルの形成領域のみに対して行なわれるが、これ以降の各工程は周辺トランジスタの形成領域およびメモリセルの形成領域の双方に共通である。
【0057】
図4および
図7を参照して、周辺トランジスタの形成領域およびメモリセルの形成領域において、第1、第2および第3の積層構造の側面を覆うように側壁絶縁膜SWが形成される(
図4中の「周辺・メモリセルSW形成」に相当)。側壁絶縁膜SWは、第1、第2および第3の積層構造の上面および側面を覆うように絶縁膜が形成された後、異方性ドライエッチングにより絶縁膜がエッチバックされることにより、形成される。側壁絶縁膜は、シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜のいずれか1層のみから形成されてもよいが、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層構造から形成されてもよい。
【0058】
図4および
図7を参照して、第1および第2の積層構造および側壁絶縁膜SWによる構造体を用いた自己整合技術により、半導体基板SUBの主表面から不純物をイオン注入することにより、メモリセル形成領域における半導体基板SUBの主表面にメモリセルのソース領域SRおよびドレイン領域DRが形成される(
図4中の「S/D形成」に相当)。同様に、第3の積層構造および側壁絶縁膜SWによる構造体を用いた自己整合技術により、周辺トランジスタ形成領域における半導体基板SUBの主表面に周辺トランジスタのソース領域SRおよびドレイン領域DRが形成される。
【0059】
その後、ドレイン領域DRおよびソース領域SRが形成された領域の結晶状態を修復するために、たとえばいわゆるRTA(Rapid Thermal Anneal)により、半導体基板SUBの熱処理がなされる。
【0060】
ところで
図7においては側壁絶縁膜SWより内側の第1のダミー電極PE1および第3のダミー電極PE3の真下の領域の一部にまで広がるようにドレイン領域DRおよびソース領域SRが形成される。このようにするためには、たとえば第1〜第3の積層構造の形成後、側壁絶縁膜SWの形成前に一度、第1〜第3の積層構造を用いた自己整合技術により、半導体基板SUBの主表面から不純物をイオン注入することにより、上記のドレイン領域DRおよびソース領域SRよりも不純物濃度の低いいわゆるLDD領域が形成されることが好ましい。すなわちこの場合は、第1〜第3の積層構造の形成後、LDD領域が形成され、その後側壁絶縁膜SWが形成される。さらにその後、ドレイン領域DRおよびソース領域SRが形成される。
【0061】
図4および
図8を参照して、第1のダミー電極PE1、第2のダミー電極PE2、第3のダミー電極PE3、ドレイン領域DRおよびソース領域SRの上面にシリサイド膜SCが形成される(
図4中の「シリサイド」に相当)。具体的には、第1、第2、第3のダミー電極PE1,PE2,PE3の上面を覆うように、半導体基板SUBの主表面上にたとえばコバルトまたはニッケルの金属膜が、たとえばスパッタリング法などの一般的な金属薄膜形成方法により形成される。
【0062】
次に、図示されないがこの状態で半導体基板SUBが熱処理される。具体的には、たとえば半導体基板SUBが、たとえばニッケルの場合500℃以上600℃以下の温度で20秒以上3分以下の時間加熱される。するとドレイン領域DRおよびソース領域SRを構成するシリコンの原子と、その上に形成されたコバルトの原子とが反応してシリサイド膜SCが形成される。ただしコバルトの場合は700℃以上800℃以下の温度で加熱される。ダミー電極PE1〜PE3とその上に形成されたコバルトやニッケルの原子とも同様に反応してシリサイド膜SCが形成される。
【0063】
図4および
図9を参照して、第1のダミー電極PE1、第2のダミー電極PE2、第3のダミー電極PE3を含む第1〜第3の積層構造の上面などを覆うように、半導体基板SUBの主表面に層間絶縁層IIが形成される(
図4中の「層間絶縁層形成」)。層間絶縁層IIは、たとえばシリコン酸化膜であり、たとえばCVD法により形成される。
【0064】
図4および
図10を参照して、層間絶縁層IIに覆われた第1のダミー電極PE1、第2のダミー電極PE2の上面が露出するように、層間絶縁層IIの一部を含む第1および第2の積層構造の上面が研磨される(
図4中の「CMP工程1」に相当)。このとき第1のダミー電極PE1および第2のダミー電極PE2は、その上面が露出し、かつその上面に開口部を形成するように一部が研磨される。この開口部は、第1のダミー電極PE1および第2のダミー電極PE2の、半導体基板SUBの主表面に沿う方向に関する幅に比べて小さすぎないように、後の工程において当該開口部から第1のダミー電極PE1および第2のダミー電極PE2を抜き取り除去することが可能な程度に十分に広いことが好ましい。
【0065】
このとき、第1および第2のダミー電極PE1,PE2に加えて第3のダミー電極PE3の上面が露出するように、層間絶縁層IIの一部を含む第3の積層構造の上面が研磨される。第3の積層構造の上面は、第1および第2の積層構造の上面と同時に研磨される。すなわち、ここでは第3の積層構造は第1および第2の積層構造よりもその高さが低くなるように形成されているため、第1および第2の積層構造(ダミー電極PE1,PE2)の上面が露出した後も引き続き、第3のダミー電極PE3の上面が露出するまで、研磨が続けられる。
【0066】
ここでの研磨は、たとえば通常のCMPによりなされることが好ましい。また研磨の後には層間絶縁層IIの上面およびダミー電極PE1,PE2,PE3の上面が平坦になるように処理がなされる。
【0067】
図4および
図11を参照して、第1のダミー電極PE1および第2のダミー電極PE2が、通常の写真製版およびエッチングにより除去される(
図4の「周辺、CG、MGゲートpoly除去」に相当)。この処理により、第1のダミー電極PE1が形成されていた領域には第1の開口部CV1が、第2のダミー電極PE2が形成されていた領域には第2の開口部CV2が、それぞれ形成される。
【0068】
このとき、第1および第2のダミー電極PE1,PE2に加えて第3のダミー電極PE3が、第1および第2のダミー電極PE1,PE2と同時に除去され、第3のダミー電極PE3が形成されていた領域には第3の開口部CV3が形成される。
【0069】
図4および
図12を参照して、メモリセルの形成領域において、第1の開口部CV1(コントロールゲート絶縁膜CIの上面)に、高誘電率絶縁膜HK(誘電体膜)と、調整膜WAJとがこの順に形成され、さらにその上に、金属含有膜MT1としての金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYとがこの順に形成される。これにより、層間絶縁層IIの上面と第1の開口部CV1とに金属含有積層膜が堆積(埋設)され、その結果、第1の金属含有膜(コントロールゲート膜CG)を構成する積層構造が形成される。すなわち金属含有膜MT1ならびに高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJが第1の開口部CV1に埋め込まれることにより、コントロールゲート膜CGが形成される。
【0070】
なおここでは金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYとを合わせた積層膜を「金属含有膜(MT1)」と、高誘電率絶縁膜HKと調整膜WAJとを合わせた積層膜を「他の膜」と、金属含有膜と他の膜とを合わせた積層膜を「金属含有積層膜」と定義する。金属含有積層膜を構成する各膜の厚みと開口部CV1の深さとの関係により、
図12に示すように層間絶縁層IIの上面には金属含有積層膜のうち多結晶シリコン膜PLYのみが堆積する態様となってもよい。
【0071】
高誘電率絶縁膜HKは、コントロールゲート絶縁膜CI(第1の絶縁膜)よりも誘電率が高い。高誘電率絶縁膜HKとしては、たとえばハフニウム系の酸化膜が、CVD法などにより形成される。調整膜WAJとしては、たとえばランタノイド系の酸化膜が、CVD法などにより形成される。また金属膜MLとしてはたとえば窒化チタンまたはタンタルチタンの薄膜が、たとえばスパッタリング法により形成される。さらに多結晶シリコン膜PLYが、たとえばCVD法により形成される。
【0072】
上記のコントロールゲート膜CGと同時に、第2の開口部CV2(メモリゲート絶縁膜MIの延長部の上面)に、メモリゲート絶縁膜MIの側面部に接するように、高誘電率絶縁膜HKと調整膜WAJと(他の膜)が形成され、さらにその上に、金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYと(金属含有膜MT2)がこの順に形成される。これにより、金属含有積層膜としての第2の金属含有膜(メモリゲート膜MG)を構成する積層構造が形成される。すなわち金属含有膜MT2ならびに高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJが第2の開口部CV2に埋め込まれることにより、メモリゲート膜MGが形成される。
【0073】
さらにコントロール膜CG、メモリゲート膜MGと同時に、第3の開口部CV3(ゲート絶縁膜GIの上面)に、高誘電率絶縁膜HKと、調整膜WAJと(他の膜)が形成され、さらにその上に、金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYと(金属含有膜MT3)がこの順に形成される。これにより、金属含有積層膜としての第3の金属含有膜(ゲート膜GE)を構成する積層構造が形成される。すなわち金属含有膜MT3ならびに高誘電率絶縁膜HKおよび調整膜WAJが第3の開口部CV3に埋め込まれることにより、ゲート膜GEが形成される。以上の工程は、
図4の「High−K/Metal埋め込み」に相当する。
【0074】
この高誘電率絶縁膜HKと調整膜WAJとを形成する工程は、上記のシリサイド膜SCを形成するための熱処理がなされた後に行なわれる。より具体的には、高誘電率絶縁膜HKと調整膜WAJとを形成する工程の後、半導体装置が完成するまでの間には、熱処理がなされないことが好ましい。なおここでの熱処理とは、ドレイン領域DRやシリサイド層SCなどを形成した後に(たとえば500℃や800℃などの)高温でなされるアニールなどの処理(高温熱処理)を指すものとする。たとえばこの後においても配線の形成のための成膜などの工程があり、当該成膜時にも半導体基板SUBの温度が上がる。このためこのような成膜工程なども厳密には熱処理に含まれ得るが、このような温度の上昇はここでは熱処理に含まないものとし、高誘電率絶縁膜HKと調整膜WAJとを形成する工程の後にこのような温度の上昇がなされてもよい。
【0075】
図4、
図12および
図2を参照して、その後、「CMP工程2」により、
図12に示す層間絶縁層IIの上面に接するように形成された多結晶シリコン膜PLYが除去され、
図2に示すように層間絶縁層IIが露出するまで層間絶縁層IIの上面が研磨される。層間絶縁層IIが露出した結果、開口部CV1〜CV3に埋め込まれた多結晶シリコン膜PLYなどを含むコントロールゲート膜CG、メモリゲート膜MGおよびゲート膜GEの上面が露出し、これらの上面は同一の高さの平坦な面となる。以上により、コントロールゲート膜CG、メモリゲート膜MGおよびゲート膜GEが形成される。
【0076】
その後、層間絶縁層IIと同一の層および/またはそれより上層に各種の配線などが形成され(
図4の「配線工程」に相当)、たとえば
図1に示すような一実施の形態のメモリセルおよび周辺トランジスタを有する半導体装置が形成される。
【0077】
次に、
図13〜
図21の比較例を参照しながら、一実施の形態の作用効果について説明する。
【0078】
図13を参照して、比較例の半導体装置のメモリセルFMSは、一実施の形態の半導体装置のメモリセルFMSと大筋で同様の構成を備えている。このため
図13において
図1と同様の構成を有する要素については
図1と同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0079】
図13のメモリセルFMSは、コントロールゲート膜が(ダミー電極PE1と同様に)多結晶シリコン膜PE11により形成されており、メモリゲート膜が(ダミー電極PE2と同様に)多結晶シリコン膜PE12により形成されている点において、
図1に示す一実施の形態のメモリセルFMSと異なっている。多結晶シリコン膜PE11,PE12の上面にはシリサイド膜SCが形成される。
【0080】
図14を参照して、比較例の半導体装置の製造方法は、
図4の一実施の形態の製造方法の「ダミー周辺・CG polyゲート形成」において形成される多結晶シリコンのダミー電極PE3は一実施の形態と同様にダミーとして形成されるため除去されるが、多結晶シリコン膜PE11は除去されることなくそのままメモリセルFMSの電極として用いられる。つまり、周辺回路としてのトランジスタTRはダミー電極を用いるゲートラストプロセスにより形成されるが、メモリセルFMSはダミー電極を用いないゲートファーストプロセスにより形成される。以下、
図14〜
図18を参照しながら、比較例の半導体装置の製造方法について説明する。
【0081】
図14を参照して、一実施の形態と同様に、半導体基板SUBが準備され、「分離形成」「Well形成」がなされる。次に
図14および
図15を参照して、半導体基板SUBの主表面上に、コントロールゲート絶縁膜CIとゲート絶縁膜GIとが同時に形成される。さらにコントロールゲート絶縁膜CIの上面に接するコントロールゲート膜として機能する多結晶シリコン膜PE11と、ゲート絶縁膜GIの上面に接する第3のダミー電極PE3とが同時に形成される。なおここでは、多結晶シリコン膜PE11と第3のダミー電極PE3とがほぼ同じ厚みとなるように形成される。以上は
図14の「ゲート酸化」「周辺・CG polyゲート形成」に相当する。
【0082】
図14および
図16を参照して、
図6と同様にメモリゲート絶縁膜MIが形成され(
図14中の「ONO形成」に相当)、その後、メモリゲート膜として機能する多結晶シリコン膜PE12が形成される(
図14中の「MG形成」に相当)。
【0083】
図14および
図17を参照して、
図7と同様に側壁絶縁膜SWが形成され(
図14中の「周辺・メモリセルSW形成」に相当)、ドレイン領域DRおよびソース領域SRが形成され(
図14中の「S/D形成」に相当)、シリサイド膜SCが形成される(
図14中の「シリサイド」に相当)。さらに図示されないが熱処理がなされ、
図9と同様に層間絶縁層IIが形成される(
図14中の「層間絶縁層形成」に相当)。
【0084】
図14および
図18を参照して、
図10と同様に多結晶シリコン膜PE11,PE12,PE3の上面が露出するまで層間絶縁層IIを研磨する(
図14中の「CMP工程1」に相当)。
【0085】
ところが、
図18の工程においては本来、周辺トランジスタの形成領域の第3のダミー電極PE3のみ上面が露出すれば十分であるが、第3のダミー電極PE3と多結晶シリコン膜PE11,PE12との上面がともに研磨される。このため多結晶シリコン膜PE11,PE12の上面のシリサイド膜SCが削り取られてしまう。多結晶シリコン膜PE11,PE12は多結晶シリコンで形成されるため、その上面のシリサイド膜SCが存在しなければゲート抵抗が高くなってしまう。このような問題は、多結晶シリコン膜PE11と第3のダミー電極PE3とがほぼ同じ厚みとなるように形成されるために起こり得る。
【0086】
図14および
図19を参照して、多結晶シリコン膜PE11,PE12の上面のシリサイド膜SCが露出された状態で、周辺トランジスタの形成領域のみに対して第3のダミー電極PE3が除去され(
図14の「周辺ゲートpoly除去」に相当)、第3のダミー電極PE3が除去された領域に対して、ゲート絶縁膜GIの上面に、高誘電率絶縁膜HKと、調整膜WAJとが形成され、さらにその上に、金属含有膜MT3としての金属膜MLと、多結晶シリコン膜PLYとがこの順に形成されることにより、ゲート膜GEが形成される(
図14の「High−K/Metal埋め込み」に相当)。その後は一実施の形態と同様に
図14の「配線工程」に相当する処理がなされる。
【0087】
上記のように多結晶シリコンPE11,PE12の上面にシリサイド膜SCが存在しないために高抵抗になるという問題を解決するためには、
図20および
図21に示すように、ゲートファーストプロセスにより形成されるメモリセルの形成領域の多結晶シリコン膜PE11,PE12およびその上面のシリサイド膜SCが研磨されることを抑制すればよい。つまり多結晶シリコン膜PE11,PE12が第3のダミー電極PE3よりも低く(薄く)なるように形成すればよい。このようにすれば、周辺トランジスタの形成領域の第3のダミー電極PE3のシリサイド膜SCが研磨されても、メモリセルの形成領域の多結晶シリコン膜PE11,PE12のシリサイド膜SCは研磨されないので、ゲート抵抗を低く保つことができる。
【0088】
ところが実際にはメモリセルの多結晶シリコン膜PE12は、側壁絶縁膜SWのような右肩下がりの断面形状を有するため、これの高さを低く(薄く)形成すれば型崩れする可能性がある。また多結晶シリコン膜PE12が薄ければ、多結晶シリコン膜PE12にイオン注入しようとする不純物が多結晶シリコン膜PE12を貫通するため、多結晶シリコン膜PE12に適正な量の不純物を注入することが困難になる可能性がある。
【0089】
図20および
図21のようにメモリセルを周辺トランジスタよりも低く形成するのではなく、反対に周辺トランジスタを低く、メモリセルを高く(厚く)形成する方が好ましい。周辺トランジスタは素子の動作速度を高めるため微細化がすすめられており、微細化に伴いゲートの高さが低くなっている。仮に周辺トランジスタのゲートが高く形成されれば、ゲートの断面のアスペクト比が大きくなりそのバランスを確保できなくなる。このため周辺トランジスタはメモリセルよりもゲートが低く形成される方が好ましい。
【0090】
しかしこのようにすれば、上記の
図14〜
図19の工程と同様に、メモリセルにおける多結晶シリコン膜PE11,PE12のシリサイド膜SCが除去される問題が再び発生する。
【0091】
すなわちメモリセルFMSがゲートファーストプロセスにより形成され、周辺トランジスタTRがゲートラストプロセスにより形成されれば、メモリセルFMSの多結晶シリコン膜PE11,PE12が周辺トランジスタの第3のダミー電極PE3に対してどのような厚み(高さ)の大小関係となるように形成されようとも、上記のような問題が生じ得るため、最終製品の信頼性が低下する可能性がある。
【0092】
そもそも、メモリセルFMSがゲートファーストプロセスにより形成され、周辺トランジスタTRがゲートラストプロセスにより形成されるという製造方法は、一部の領域にゲートラストプロセスを施すだけのために工程数を増加する必要があるため、非常に煩雑である。
【0093】
そこで一実施の形態のように、メモリセルFMSと周辺トランジスタTRとの双方をゲートラストプロセスにより形成することにより、周辺トランジスタTRがゲートラストプロセスにより形成される比較例の工程に比べて工程数を増加することなく、より信頼性の高い半導体装置を提供することができるという知見が得られた。
【0094】
具体的には、一実施の形態のように、第1,第2のダミー電極PE1,PE2が第3のダミー電極PE3に比べて厚く形成されることが好ましい。このようにすれば、メモリセルの電極の型崩れを抑制し、かつ周辺トランジスタの微細化により周辺トランジスタを薄くすることができる。また、第2のダミー電極PE2は、第1のダミー電極PE1の側壁部に形成されているため、第2のダミー電極PE2の上面は斜めになっている。そのため、
図10に示す工程において、第2のダミー電極PE2が第3のダミー電極PE3よりも高くないと、第2のダミー電極PE2の露出部が狭くなってしまい、
図11の工程で、第2の電極を除去するのが困難になってしまう。また、
図12の工程で、開口部に金属膜を埋め込むのも困難になる。そのため、一実施の形態では、第2のダミー電極PE2が第3のダミー電極PE3よりも高くなるようにしている。
【0095】
第1,第2のダミー電極PE1,PE2が第3のダミー電極PE3に比べて厚く形成される場合、第3のダミー電極PE3の上面が研磨されることにより第1,第2の電極の上面も研磨される。このように第1,第2のダミー電極PE1,PE2の上面が研磨されて開口部が形成されることにより、後の工程において当該開口部を通じて第1,第2のダミー電極PE1,PE2を確実に除去することができる。
【0096】
このように、一実施の形態では、メモリセルFMSのダミーのコントロールゲートである第1のダミー電極PE1と、ダミーのメモリゲートである第2のダミー電極PE2とが、周辺トランジスタTRのダミーのゲートである第3のダミー電極PE3よりも高く形成される。このため、CMPによる平坦化工程後に、ダミーのコントロールゲートとダミーのメモリゲートとダミーのゲートとを確実に除去し、その除去後の開口部に金属膜を埋め込むことができる。そして、メモリセルFMSと周辺トランジスタTRとをともに容易にゲートラストプロセスで形成することができる。
【0097】
この結果、
図14〜
図19に示す工程のように周辺トランジスタはゲートラストプロセスとしメモリセルはゲートファーストプロセスとする作り分けをする必要がなくなり、プロセス工程数を大幅に削減することが可能となる。その結果、工程数が削減したことにより特性ばらつきの影響も小さくなり、半導体装置としての信頼性が向上する。
【0098】
なお、第1,第2のダミー電極PE1,PE2が第3のダミー電極PE3に比べて厚く形成されることは、第1,第2のダミー電極PE1,PE2は後工程において除去される電極であるためまったく問題はない。第1,第2のダミー電極PE1,PE2が第3のダミー電極PE3に比べて厚く形成されることにより、メモリセルの側壁絶縁膜SWおよびメモリゲート絶縁膜MIの高さ(厚み)が最終的に周辺トランジスタとほぼ等しい高さ(厚み)を有するものとすることができる。
【0099】
次に一実施の形態においては、いったん形成された多結晶シリコンからなるダミー電極PE1〜PE3が除去され、その後にコントロールゲート膜CG、メモリゲート膜MGおよびゲート膜GEが形成される。これらは金属含有膜MT1〜MT3を含むために、多結晶シリコンのダミー電極PE1〜PE3よりも抵抗が小さくなる。このため、周辺トランジスタおよびメモリセルの微細化に伴う抵抗の増加を抑制することができる。金属含有膜MT1〜MT3は多結晶シリコン膜PLYを含んでいるが、金属膜MLを含むことにより、十分に抵抗値を下げることができる。
【0100】
またコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGなどが金属膜MLを含むことにより、ゲート空乏化が抑制される。そのため反転ゲート容量が大きくなり短チャネル特性を改善することが可能となる。
【0101】
メモリゲート膜MGなどが金属膜MLを含むことにより、メモリゲート膜MGの仕事関数の変化を通じてメモリゲート膜MGからシリコン窒化膜NFへの電子の注入を抑制することができ、結果的にメモリセルFMSをより深く(確実に)データ消去することができる。
【0102】
またコントロールゲート膜CGなどが高誘電率絶縁膜HKを有することにより、コントロールゲート絶縁膜CIなどの薄膜化が困難となっても高い容量性を維持することができる。
【0103】
ところが高誘電率絶縁膜HKを用いた場合、メモリゲート膜MGの仕事関数の制御が困難になる可能性がある。そこで仕事関数の調整膜WAJを形成することにより、メモリゲート膜MGの仕事関数が調整できる。ただし調整膜WAJは熱に弱いため、たとえば調整膜WAJを含むメモリゲート膜MGの形成後にソース領域SRやドレイン領域DRのアニールなどの熱処理がなされると、仕事関数の調整が不可になる可能性がある。
【0104】
そこでメモリセルFMSを構成するコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGを形成する前に、ダミー電極PE1,PE2を形成し、上記の(高温)熱処理を含む通常のトランジスタのプロセスの後にダミー電極PE1,PE2を除去したうえで、調整膜WAJを含むコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGが形成される、いわゆるゲートラストプロセスがなされる。このようにすれば、調整膜WAJが熱による悪影響を被ることが抑制され、仕事関数の調整がより容易になされる。その結果、メモリゲート膜MGのデータの消去などをより確実に(より深く)行なうことができる。
【0105】
コントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGはダミー電極PE1,PE2に比べて低抵抗であるため、コントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGの形成後はこの上面にシリサイド膜SCを形成する必要がない。このためコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGの形成後には上記のようにアニールなど高温の熱処理の必要がなくなり、上記の効果を奏することができる。さらにコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGの上面にシリサイド膜SCが形成されないため、これらの電極上のシリサイド膜SC同士が接触することに起因する両者の短絡を抑制することもできる。
【0106】
なお上記のように、
図10のCMP工程1においてダミー電極PE1,PE2などの上面が完全に露出するように研磨がなされることが好ましい。このようにすれば、
図11の工程においてダミー電極PE1,PE2などを確実に除去することができる。
【0107】
さらに周辺トランジスタのゲート膜GEについてもメモリセルのコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGと同様の構成を有することにより、周辺トランジスタTRをより高容量化、低抵抗化することができる。また周辺トランジスタのゲート膜GEとメモリセルのコントロールゲート膜CGおよびメモリゲート膜MGとを同時に形成することができるので、工程数の増加を抑制することができる。
【0108】
(実施の形態2)
図22を参照して、本実施の形態の半導体装置は、
図2に示す実施の形態1の半導体装置と大筋で同様の構成を備えている。しかし本実施の形態においては、金属含有膜MT1〜MT3が多結晶シリコンPLYを含まず金属膜MLのみになっている点で、実施の形態1と相違する。金属膜MLはたとえば窒化チタンの薄膜である。
【0109】
本実施の形態の金属含有膜MT1〜MT3は、実施の形態1の金属含有膜MT1〜MT3とほぼ同じ厚みを有する。本実施の形態の金属膜MLの膜厚は、実施の形態1の金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYとの厚みの和にほぼ等しい。
【0110】
本実施の形態は上記の点においてのみ実施の形態1と異なっており、他の点においては実施の形態1と同様であるため、実施の形態1と同一の構成要素については
図22においても実施の形態1と同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。このことは以降の各実施の形態においても同様である。
【0111】
実施の形態1においては、金属含有膜MT1〜MT3を形成するために金属膜MLと多結晶シリコン膜PLYとの2層を形成する必要があるが、本実施の形態においては金属膜MLの1層のみを形成すればよい。このためプロセスがより簡略化される。
【0112】
また多結晶シリコン膜PLYの代わりに金属である窒化チタンの薄膜が配置されることにより、金属含有膜MT1〜MT3全体の抵抗を減少させることができる。
【0113】
(実施の形態3)
図23を参照して、本実施の形態においては、メモリゲート絶縁膜MIを構成するシリコン窒化膜NFの延長部において、その端部がシリコン酸化膜O1,O2の延長部の端部よりも内側に形成されている。その結果、シリコン窒化膜NFの延長部の端部はメモリゲート膜MGの端部(
図23の右側の側面)よりも内側に形成されている。なおここで内側とは
図23の左側(コントロールゲート膜CGの配置される側)である。
【0114】
シリコン窒化膜NFは、下記のようにオーバーエッチングされることにより、その端部がメモリゲート膜MGの端部よりも内側に形成され、その後の側壁絶縁膜SWが形成される際に、当該絶縁膜によりシリコン窒化膜NFの端部の外側が埋め込まれる。ただし他の実施の形態と同様に、メモリゲート絶縁膜MIのシリコン酸化膜O1,O2の端部は、メモリゲート膜MGの端部と同一平面を有する(ツライチとなる)ように形成されている。
【0115】
図23の構成は、以下に述べる方法により形成される。
図6と同様にメモリセルの形成領域にメモリゲート絶縁膜MIと第2のダミー電極PE2とが形成された後、半導体基板SUBの主表面の、ソース領域SRよりも内側(
図23における左側)に高濃度注入ソースMSが形成される。この高濃度注入ソースMSはソース領域SRなどと同様にイオン注入により形成される。高濃度注入ソースMSにおける不純物濃度は、ソース領域SRと位置的に連続するように形成される。
【0116】
当該メモリセルがホットホール消去型である場合には、高濃度注入ソースMSは、高濃度注入による急峻なプロファイルが必要なためLDDとしないことが好ましい。しかし当該メモリセルがトンネル消去型である場合には、高濃度注入ソースMSは高濃度である必要はなく、通常のMISトランジスタと同様に短チャネル特性が良くなるように低濃度化してもよい。
【0117】
高濃度注入ソースMSの形成後、メモリゲート絶縁膜MIのシリコン窒化膜NFのみが、選択的に延長部の端部からオーバーエッチングされる。この処理により、メモリゲート絶縁膜MIの中でもシリコン窒化膜NFのみ、その端部がメモリゲート膜MGの端部よりも内側に形成される。
【0118】
本実施の形態の構成は、以上の構成を有するために、メモリセルFMSのデータの消去の効率を高めることができる。このことについて以下に説明する。
【0119】
高濃度注入ソースMSは、シリコン窒化膜NFに正孔を注入してメモリセルFMSのデータを消去する際に、高濃度注入ソースMSの端部の近傍における半導体基板SUBのシリコンに正孔を形成させ、当該正孔を電界により加速させてシリコン窒化膜NF中に注入させるために配置される。
【0120】
しかしながら、シリコン窒化膜NFが配置されていれば、当該領域においては正孔を加速させる電界が弱くなるために、高濃度注入ソースMSの真上のシリコン窒化膜NFには正孔が注入されにくくなる。その結果、データの消去が遅くなる可能性がある。
【0121】
具体的には、仮に高濃度注入ソースMSの真上にメモリゲート膜MGがオーバーラップすれば、高濃度注入ソースMSの真上にあるシリコン窒化膜NFには通常は正孔は注入されない。特にいわゆるExtensionと呼ばれる不純物の拡散領域が形成された場合にはそのようになる。この場合にはメモリゲート膜MGと高濃度注入ソースMSとの間の電界強度は変化せず、データの消去は通常通りになされる。しかしながら仮に高濃度注入ソースMSの真上のシリコン窒化膜NFに正孔が注入されれば、注入された正孔はオーバーラップされたメモリゲート膜MGにまで移動できる。そのようになれば、メモリゲート膜MGと高濃度注入ソースMSとの間の電界強度が弱くなり、データの消去が遅くなる。
【0122】
そこで
図23のように、高濃度注入ソースMSの真上にはシリコン窒化膜NFが配置されない態様とすることにより、正孔を加速させる電界が弱くなることが抑制され、より高効率に正孔がシリコン窒化膜NF中に注入される。したがってメモリセルFMSのデータの消去の効率をより高めることができる。
【0123】
(実施の形態4)
図24を参照して、本実施の形態、および以上に述べた各実施の形態のメモリセルFMSおよび周辺トランジスタTRは、たとえばシリコンの単結晶により形成された半導体ウェハWFRに形成されている。具体的には、半導体ウェハWFRの主表面には互いに間隔をあけて複数のチップ領域CR(素子形成領域)が行列状に配置されている。このチップ領域CRに、上記のメモリセルFMSおよび周辺トランジスタTRなどの半導体素子が形成される。なお上記の半導体基板SUBとは半導体ウェハWFRの土台としての基板を意味し、実質的に半導体ウェハWFRと半導体基板SUBとは同義である。
【0124】
隣り合う1対のチップ領域CRに挟まれた領域、言いかえればチップ領域CRの周囲に形成された領域はダイシング領域DLRであり、ダイシング領域DLRにおいて1枚の半導体ウェハWFRがチップ領域CRごとに分割された半導体チップとして形成される。
【0125】
図25を参照して、ダイシング領域DLRは半導体ウェハWFRが切断される領域であるため、ここにはメモリセルFMSなどを形成するための位置合わせ用マークなどが形成される。ただしこのダイシング領域DLRには、少なくともその一部に、構造体形成領域FMRが形成されており、構造体形成領域FMRには複数の構造体FFMSが形成されている。
【0126】
図26を参照して、ダイシング領域DLRの構造体FFMSは、ダミーとして形成されるものであるため、たとえば多結晶シリコンの薄膜により形成されるなど、メモリセルFMSおよびトランジスタTRの電極とは異なる構成や材質であってもよい。
【0127】
図27を参照して、ダイシング領域DLRの構造体FFMSは、
図5に示す第1の積層構造を形成する工程、または
図6に示す第2の積層構造を形成する工程と同時に、ダイシング領域に対して形成されることが好ましい。上記のとおり構造体FFMSの構成や材質は第1および第2の積層構造の電極などとは異なっていてもよい。
【0128】
構造体FFMSは、第1または第2の積層構造の厚み(高さ)とほぼ同じ厚みとなるように形成されることが好ましい。なお第2の積層構造を構成する第2のダミー電極PE2は、エッチバックされることによりその断面形状が右肩下がりになるためその厚み(高さ)が一定にならない。ここでは第2の積層構造の厚み(高さ)とはその最大の厚みであり、第1の積層構造の上面と同一平面をなす上面部(ツライチとなった部分)の厚みを意味するものとする。
【0129】
上記の各実施の形態において形成される第1のダミー電極PE1と第2のダミー電極PE2とほぼ同じ高さの構造体FFMSが形成されれば、たとえば
図10に示す工程のようにダミー電極PE1,PE2の上面が研磨されるCMPがなされる場合に、構造体FFMSがCMPの際に半導体基板SUB側に加わる力を支えることができる。このため、たとえばダミー電極PE1,PE2とダミー電極PE3との厚みが異なる場合においても、半導体基板SUBの位置に対するCMPの加工量のばらつきなどを低減し、より均一にCMPの研磨がなされる。
【0130】
構造体FFMSの支持の下でダミー電極PE1〜PE3がCMPにより、構造体FFMSと高さが同一となるように研磨されれば、
図26に示すように、その後形成されるコントロールゲート膜CG、メモリゲート膜MGおよびゲート膜GEと、構造体FFMSとの高さがほぼ同一となるようにすることができる。
【0131】
上記のCMPは、ゲートラストプロセスを行なう際にメモリセルFMSおよびトランジスタTRのダミー電極PE1,PE2などを効果的に除去するために極めて重要な工程であり、CMPの加工量にばらつきが生じれば、最終的に形成されるメモリセルFMSなどの電極の形状に異常を来たす可能性がある。しかしながら上記のようにダイシング領域DLRにダミーの構造体FFMSを形成することにより、CMPの加工精度を高めることができるため、最終的に形成されるメモリセルFMSなどの信頼性を高めることができる。
【0132】
その他、実施の形態に記載された内容の一部を以下に記載する。
(1)半導体装置は、半導体基板の主表面に形成されるメモリセルと周辺トランジスタとを備える半導体装置である。上記メモリセルは、主表面に形成される第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の上面に接する第1の金属含有膜とが積層された第1のゲートを含む。上記メモリセルは、主表面に形成される、第1のゲートの側面に接するとともに半導体基板の主表面上にまで延びる延長部を有するように形成された第2の絶縁膜と、第2の絶縁膜の延長部の上面を含めて第2の絶縁膜に接する第2の金属含有膜とが積層された第2のゲートを含む。上記周辺トランジスタは、主表面に形成される第3の絶縁膜と、第3の絶縁膜の上面に接する第3の金属含有膜とが積層された第3のゲートを含む。上記第1、第2および第3の金属含有膜の上面は平坦な面である。
【0133】
(2)(1)の半導体装置において、上記第1、第2および第3のゲートの高さが同一である。
【0134】
(3)(1)の半導体装置において、上記第2の絶縁膜には電荷を蓄積する電荷蓄積膜を含む。
【0135】
(4)(1)の半導体装置において、上記電荷蓄積膜はシリコン窒化膜である。
(5)(1)の半導体装置において、上記第2の絶縁膜は、第1のシリコン酸化膜と、シリコン窒化膜と、第2のシリコン酸化膜とがこの順に積層された構成を有する。
【0136】
(6)(4)または(5)の半導体装置において、上記シリコン窒化膜の端部は、第2の金属含有膜の端部よりも内側に配置される。
【0137】
(7)(1)の半導体装置において、上記メモリセルは、主表面に形成され、第1および第2のゲートを挟むように配置されるドレイン領域およびソース領域を有する。上記ドレイン領域およびソース領域にはシリサイドが形成されている。
【0138】
(8)(1)の半導体装置において、上記周辺トランジスタは、主表面に形成され、第3のゲートを挟むように配置されるドレイン領域およびソース領域を有する。
【0139】
(9)(1)の半導体装置において、上記第1、第2および第3の金属含有膜は金属含有膜(他の膜を含んでもよい)を含む。上記金属含有膜は窒化チタンの薄膜のみから構成される。
【0140】
(10)(1)の半導体装置において、上記第1、第2および第3の金属含有膜は金属含有膜(他の膜を含んでもよい)を含む。上記金属含有膜は、窒化チタンの薄膜と、多結晶シリコンの薄膜とがこの順に積層された構成を有する。
【0141】
(11)(9)または(10)の半導体装置において、上記第1、第2および第3の金属含有膜は、第1、第2および第3の絶縁膜より誘電率が高い誘電体膜と、高誘電率絶縁膜の仕事関数を調整する調整膜と、金属含有膜とがこの順に積層された構成を有する。
【0142】
(12)(1)の半導体装置において、上記主表面には、メモリセルおよび周辺トランジスタが形成される素子形成領域と、素子形成領域の周囲に形成されるダイシング領域とを有する。上記ダイシング領域には、第1、第2および第3のゲートと同じ厚みを有する構造体が形成される工程をさらに備える。
【0143】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。