(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気化学モジュールが、前記支持体の前記上側部分と前記下側部分との間に係合する対向端部を有し、前記サンプル受容チャンバは、該対向端部の間に、該支持体からある距離間隔をあけて配置される、請求項1に記載の装置。
前記開口部が、前記支持体の遠位端部に配置され、該支持体の近位端部が、前記第1及び第2電極と分析物測定デバイスとの間の接続を確立するよう設定された第1及び第2接触子を含む、請求項1に記載の装置。
前記上側及び下側絶縁基材が、互いにずれて配置され、これにより該上側絶縁基材の前記第1電極の一部が、前記支持体の前記第2導電性領域と接触し、該下側絶縁基材の前記第2電極の一部が、該支持体の前記第1導電性領域と接触する、請求項6に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、中心軸に沿って延在し前記電気化学空洞を収容する中心部分と、該中心部分の該中心軸に対してある角度で延在する中心軸を有する対向端部と、を有する、請求項1に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、前記第1電極を有する第1絶縁基材と、前記第2電極を有する第2絶縁基材と、を有し、該第1及び第2電極が互いに間隔をあけた関係で対面している、請求項10に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、前記支持体の遠位端部に配置され、該支持体の近位端部が、前記第1及び第2電極と分析物測定デバイスとの間の接続を確立するよう設定された第1及び第2接触子を含む、請求項10に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、前記支持体上に取り付けられた対向端部と、該対向端部の間に配置され、該支持体からある距離間隔をあけて配置された中間部と、を含む、請求項10に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、中心軸に沿って延在し前記電気化学空洞を収容する中心部分と、該中心部分の該中心軸に対してある角度で延在する中心軸を有する対向端部と、を有する、請求項10に記載の装置。
前記電気化学モジュールが、前記支持体上の第1導電性領域と電気接触するよう配置された第1電極を有する第1絶縁基材と、該支持体上の第2導電性領域と電気接触するよう配置された第2電極を有する第2絶縁基材と、を含む、請求項21に記載の方法。
前記支持体を折り畳んだときに、スペーサーが前記上側部分と下側部分を互いにある距離離して保持するように、折り畳みの前に該スペーサーを該支持体上に配置することを更に含む、請求項21に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願で開示するデバイス、システム及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的に理解されるように、特定の例示的実施形態について、これから説明することにする。これらの実施形態の1つ以上の例を添付図面に示す。本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示す装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本開示の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることは、当業者には理解されよう。例示的な1つの実施形態に関連して図示又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴部と組み合わせることができる。そのような修正及び変形は、本開示の範囲に含まれることが意図される。
【0018】
本発明は概して、電気化学モジュールを支える支持体を有し、かつ電気化学モジュール上の電極と分析物測定デバイスとの間を連絡する、電気化学センサー装置を提供する。支持体は、電気化学モジュールを比較的小さいサイズにすることを可能にする一方で、取り扱いやすさのために大きな表面積を提供できるため、特に有利である。電気化学モジュールを小さいサイズにすることによって、電極を形成するのに必要な材料が少なくなり、製造コストを低減することができる。支持体はまた、設計における柔軟性も提供し、1つ又は複数の電気化学モジュールの様々な配置を可能にすると共に、複数のセンサー装置をユニットとして形成することも可能になる。
【0019】
図1A〜1Dは、一実施形態の電気化学センサー装置(本明細書では検査ストリップアセンブリとも呼ばれる)を図示する。図に示すように、検査ストリップアセンブリ10は一般に、
図1Aに示す支持体20と、
図1B〜1Dに示されているように支持体20の上に配置される電気化学モジュール30と、を含む。一般に、支持体20はモジュール30よりも大きい寸法を有し、これによって支持体20は、モジュール30の取り扱いを容易にするための支えの役割をする。この検査ストリップアセンブリ10は、図示されているもの以外の様々な形状を有し得、また本明細書で開示される機能及び当該技術分野において既知の機能の任意の組み合わせを含み得ることが、当業者には理解されよう。更に、各検査ストリップアセンブリは、液体サンプル中の同じ及び/又は異なる分析物を測定するため、支持体の様々な位置に任意の数の電気化学モジュールを含めることができる。
【0020】
キャリア
上述のように、
図1Aは一実施形態の支持体20を示す。支持体20は様々な形状を有し得るが、典型的には、電気化学モジュール30を支え、かつ取り扱いと分析物測定デバイスへの接続を可能にするのに十分な構造的一体性を有する1つ以上の剛性又は準剛性の基材の形状であり、この詳細については後述される。支持体は、プラスチック又は厚紙材料などの様々な材料で形成され得る。代表的な一実施形態において、繊維の脱落がない、又は繊維の脱落が比較的少ない材料が好ましい。基材材料は典型的に、非導電性の材料である。支持体材料はまた、任意の熱膨張係数を有していてよく、これには低い熱膨張係数で、使用中の材料の体積変化が性能に影響を及ぼさないようにすることが含まれる。加えて、支持体材料は不活性及び/又は電気化学的に非機能性であってよく、この場合、支持体材料は時間が経っても容易に腐食せず、またECM材料と化学的な反応を起こさない。支持体上に配置された導電性材料は、腐食に対して抵抗性であるべきであり、それにより、ストリップアセンブリの保管中にも導電性が変化しない。
【0021】
支持体20の形状も変化し得る。
図1Aに示す実施形態において、支持体20は概ね細長い矩形で、長さL
cは幅W
cより長く、この寸法については後で詳細に検討される。支持体20には、第1及び第2末端部21a、21b、並びに、第1末端部21aと第2末端21bとの間に延在して第1及び第2対向側壁21c、21dが含まれる。支持体20は、別々の上側部分及び下側部分から形成することができ、あるいは図に示すように支持体20は、上側部分と下側部分20t、20bを画定する折り線22に沿って折り、これら部分が互いに面する関係になるよう構成することができる。本明細書で使用される用語「上」及び「下」は、図示目的でのみ参照するためのものであり、支持体の各部分の実際の位置は、支持体の向きに依存することが、当業者には理解されよう。支持体20の上側部分と下側部分20t、20bは、それらの間に電気化学モジュール(例えばモジュール30)を搭載し係合させることができる。折り線22の位置は変化し得る。図示されている実施形態において、折り線22は支持体20の中央線からずれた位置にあり、これにより支持体の上側部分と下側部分20t、20bのうち一方(例えば
図1Aの下側部分20b)が、支持体20のもう一方の部分(例えば
図1Aの上側部分20t)の末端部をある距離超えて延出するようにすることができる。そのような構成は、後で詳しく検討されるように、分析物測定デバイスへの接続を促進する。支持体20にはまた、所望により、1本以上の追加の折り線を含めることができ、これにより上側部分と下側部分20t、20bを間隔をあけて配置することを容易にし得る。これについても後で詳しく検討される。支持体の非導電性基材は、折り畳みを容易にするため、意図される折り線でキスカットを施すことができる。基材をキスカットするのに鋭いブレードを使用すると、鋭いエッジが生じることがあり、この場合は先の鋭くないツールを用いて、基材に溝をしっかり刻みつける方が望ましい可能性がある。これにより基材の材料が溝のいずれかの側に滑らかな「堤」となって押し付けられ、このようにすることで、折り畳んだ支持体には鋭いエッジが生じない。
【0022】
更に
図1Aに示されているように、支持体20には、内部を貫通して延在する少なくとも1つの穴又は開口部を含めることができ、後で詳しく検討されるように、これにより電気化学モジュールへのアクセスが提供される。開口部の数とその各開口部の位置は、例えば支持体に1つを超える数のモジュールがあるかどうかなど、意図される用途によって変化し得る。図示されている実施形態において、支持体20は、折り線22に対して対称に配置された単一の開口部24を有する。そのような構成では、
図1Dに示すように、支持体20を折り畳んだときに支持体20の外周に沿って開口部24が配置されるようにすることができる。図示されてはいないが、別の方法として、開口部24は支持体20の任意のエッジに沿って(例えば末端部21a、21b及び/又は対向側壁21c、21dに沿って)、対応する開口部が上側部分と下側部分20t、20bそれぞれを貫通して延在するよう、配置することができる。他の実施形態において、この開口部は、支持体20の上側部分と下側部分20t、20bの中央部分、支持体20の外周又は外側エッジからある距離離した位置に貫通して延在し得る。
【0023】
支持体20は更に、後述されるように、電気化学モジュールの電極と分析物測定デバイスとの間の導通を促進するため、1つ以上の導電性層を含む。この導電性層は、任意の導電性材料で形成することができ、これにはアルミニウム、炭素、グラフェン(grapheme)、グラファイト、銀インク、酸化スズ、酸化インジウム、銅、ニッケル、クロム、及びこれらの合金、並びにこれらの組み合わせといった、安価な材料が挙げられる。ただし、パラジウム、白金、酸化インジウムスズ、金などの導電性である貴金属も所望により使用することができる。導電性層は支持体の全体又は一部に配置することができるが、導電性層の特定の位置を、電気化学モジュールを分析物測定デバイスに電気接続するために構成すべきである。代表的な一実施形態において、支持体20の内向き表面(すなわち
図1Aで示されている表面)の全体又はかなりの範囲の部分が、導電性層(図示なし)でコーティングされている。その結果、支持体20の上側部分と下側部分20t、20bのそれぞれの上に導電性層が配置されて含まれる。支持体20はまた、1本以上の電気的絶縁線(本明細書では「遮断線」と呼ばれる)を含み得、これは導電性層内に形成されて、その層を、第1導電性層と、その第1導電性層から絶縁された第2導電性層と、に分離する。この遮断線は、レーザーエッチングなど、当該技術分野において既知の様々な技法を用いて形成することができる。導電性層がインク印刷によって形成される場合、上側部分20tと下側部分20bとの間の印刷されていない領域が遮断線を構成する。遮断線の位置は変化し得る。例えば、遮断線は折り線22に沿って延在し、これによって上側部分20tは第1導電性層を含み、これは下側部分20bの第2導電性層からは電気的に絶縁される。よって、支持体20を
図1Dに示されるように折り畳んだとき、第1導電性層(図示なし)は支持体20の上側部分20tの内向き表面に配置され、第2導電性層(図示なし)は支持体20の下側部分20bの内向き表面に配置され、これによって、第1導電性層と第2導電性層は互いに向かい合った関係になる。
図1Aに示されているように、導電性層には、折り線22に沿って形成された第1遮断線と、その第1遮断線(折り線22)からある距離間隔をあけて配置された第2遮断線26が含まれる。この遮断線は折り線22に対して様々な位置に配置することができ、例えば折り線22と同じ側あるいは反対側に配置することができる。支持体20は、1本以上の遮断線を備えた単一の層を形成するのではなく、別々の導電性層を含めるよう製造できることが、当業者には理解されよう。別々の層は、同じ材料又は異なる材料で形成することができる。
【0024】
別の一実施形態において、導電性層は、検査ストリップの側壁21c、21dのうち一方又は両方が(例えばユーザーの指の汗などの塩を含んだ溶液で)汚染された場合、アッセイの「自動開始」を阻止するよう構成することができる。例えば、導電性層は導電性インク(炭素、銀、グラフェンなど)によって形成することができ、この材料は、側壁21c、21dから、ある距離(例えば1mm)離れたところを終端とすることができる。そのような構成により、検査ストリップをユーザーが指で握ったときに、導電性材料と指とが接触するのを防ぐ。
【0025】
導電性層はまた、異なるタイプのストリップ(例えば、グルコース、乳酸、コレステロール、ヘモグロビンなど液体サンプル中の異なる分析物を測定するためのストリップ)を区別して検査計をオンにするよう構成することができる。例えば、導電性の高い細い2層(例えば銀インクで印刷)を、これらの間に間隙をおいて、タブ12a、12bから電気化学空洞に向かって延在させることができる。より導電性の低い材料の層(例えばカーボンインクで印刷)を、この導電性の高い細い2層に接続することができる。タブ12aとタブ12bとの間の抵抗を測定すると、その抵抗値は、導電性の低い材料の層の特性によって支配される。導電性の低い材料の層の厚さ、幅等を変えることにより、異なるタイプのストリップを検査計が区別することが可能になる。
【0026】
支持体20を折り畳んだときに第1導電性領域と第2導電性領域との間の電気的絶縁を維持するため、支持体20には更に、スペーサー層を含めることができ、これは接着剤層であり得る。スペーサー層は、支持体20の上側部分と下側部分20t、20bを互いにある距離離して保持する役目をすることができ、これにより上側部分と下側部分20t、20bが担持する第1及び第2導電性層間の電気的接触を防ぐことができる。スペーサー層は、上側部分と下側部分20t、20bを互いに接着し、並びに電気化学モジュール30を支持体に固定する、両面接着剤としても機能する。スペーサー層は、接着特性を備えた材料を含む様々な材料で形成することができ、またスペーサー層には、スペーサーを支持体に取り付け、かつ所望により電気化学モジュールにも取り付けるのに使用する、別個の接着剤を含めることもできる。接着剤を本開示の様々な検査ストリップアセンブリに組み込むことができる方法の非限定的な例は、「Adhesive Compositions for Use in an Immunosensor」と題して2009年9月30日に出願された、Chatelierらの米国特許出願第12/570,268号で確認することができ、この内容は参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0027】
スペーサー層は様々な形状及び大きさを有することができ、支持体20の様々な位置に配置することができる。
図1Bに示される実施形態において、スペーサー層28は折り線22の一方の側に配置され、支持体20の下側部分20bの内向き表面のかなりの範囲の部分に延在する。スペーサー層28は開口部24で又は開口部24の直前を終端とすることができ、これによりスペーサー層28が開口部24内に入り込んで延在することや、支持体20を折り畳んだときに電気化学モジュールに接触することを防ぐことができる。ただし、開口部24で終端することにより、開口部24近縁の支持体エッジに沿ってシールを形成するのを促進することができる。スペーサー層28はまた、支持体20の第2末端部21bからある距離離した終端とすることもでき、これにより、
図1Dに示すように支持体を折り畳んだときに、下側部分20bの内向き表面の露出部分には、接着材料が存在しないようにすることができる。
【0028】
別の一実施形態において、
図1Cに示すように、スペーサー層29は、同様に、下側部分20bの内向き表面のかなりの範囲を覆うよう配置されている。ただしこの実施形態においては、スペーサー層29には、側壁の一方(例えば第1側壁21c)のみに近接して、折り線22に向けて又は折り線22のところまで延在する延長部分29aが含まれる。換言すれば、延在部分29aは、開口部24の一方の側辺だけに沿って延在する。よって、このスペーサー層29の延長部分29aは電気化学モジュール(例えばモジュール30)と支持体20との間に配置され、支持体が折り畳まれたときに電気化学モジュール30を支持体20に取り付ける。好ましくは、後述するように、延長部分29aは電気化学モジュール30の外側表面(例えば底の外側表面)に接触するよう配置され、内向き表面のいずれにも接触しない。所望により、スペーサー層29には更に、開口部24を挟んで延長部分29aとは反対側に配置される別の部分29bが含まれ、これは更に折り線22の反対側に配置される。これにより、後述するように、この別の部分29bは電気化学モジュール30の反対側の外側表面(例えば上の外側表面)に接触する。スペーサー層の位置は変化し得ることが当業者には理解されよう。
【0029】
他の態様において、スペーサー層29は、パンチ/切断ツールの接着剤による汚れを低減するような大きさ及び形状を有するよう構成することができる。例えば、接着剤のエッジは穴24からわずかな距離(例えば0.5mm)離して配置することができ、これにより穴形成に使用するパンチツールが接着剤に接触するのを防ぐことができる。更に、接着剤が印刷される場合、接着剤のエッジは側壁21c、21dからわずかな距離(例えば0.5mm)離して配置することができ、これにより個別化工程中(複数のストリップを切断して個別ストリップを形成するとき)に、切断ツールが接着剤に接触するのを防ぐことができる。
【0030】
支持体20はまた、分析物測定デバイスに接続するための電気接触も含み得る。電気接触は、支持体20の任意の場所に配置することができる。図示されている実施形態において、支持体20の第2末端部21bには、モジュール30の第1及び第2電極(後述)と分析物測定デバイスとの間の接続を確立するよう構成された、それぞれ第1及び第2接触子12、14が含まれる。
図1Dでよくわかるように、第1接触12は、支持体20の下側部分20bの末端部21bにある第1及び第2タブ12a、12bの形態にある。
図1Dに示すように、支持体を折り畳んだときに、タブ12a、12bは、支持体20の上側部分20tの末端部21aを超えて、ある距離延出している。タブ12a、12bは、支持体20の下側部分20bの第2末端部21b内に入込んで延在する切り抜き又はU字型のノッチ16によって形成することができる。切り抜き16はまた、支持体20の上側部分20tの内向き表面上の第1導電性層を効果的に露出させ、これにより、第1導電性層を分析物測定デバイスに接続するための第2接触14(
図1Dでは点線で示されている)を形成する。この電気接触は、図に示したもの以外の様々な構成を有し得ることが、当業者には理解されよう。例えば、米国特許第6,379,513号は、別の実施形態の電気化学セル接続手段を開示しており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
図1Dに示すように、該電気接触の構成により、支持体上のタブ12a、12bに接続する検査計突起部間の抵抗減少を検出することによって、測定デバイスが検査ストリップを認識することができる。更なる機能として、
図1Dのタブ14は、2つの追加の検査計突起部をタブ14に電気的に接続できるような幅を有するよう製造することができる。これにより、検査計がタブ14との十分な電気接触を確立してから、液体サンプルを電気化学モジュール30の空洞42に適用するようユーザーに促すようにすることが可能となる。そのような構成により、「サンプル待ち」エラーを防止することができる。このエラーは、電気化学アッセイ開始の前に良好な電気接触を確認しないシステムにおいて起こり得るものである。別の一実施形態において、タブ14が2つの検査計タグと接続するのに十分な幅を有していない場合、検査計とタブ14との間の電気接続は、液体サンプルを電気化学空洞42に適用する前に、「乾燥時電気容量」測定を実施することにより監視することができる。電気容量測定により、乾燥したストリップについて予測される範囲にあることを必ず確認してから、電気化学モジュール30の空洞42に液体を適用するようユーザーに促される。
【0032】
支持体は、様々な構成を有する様々な分析物測定デバイスに接続するよう構成され得る。一般に、測定デバイスにはプロセッサが含まれ得、これは、少なくとも1つの測定された又は計算されたパラメータを考慮して補正因子を計算できる計算を行うように構成され、並びに、データ分類及び/又は保存のために構成された1つ以上の制御ユニットを含んでもよい。マイクロプロセッサは、例えばTexas Instruments MSP 430シリーズなどの、混成信号マイクロプロセッサ(MSP)の形態であり得る。更に、マイクロプロセッサは揮発性メモリ及び不揮発性メモリも含み得る。別の実施形態では、電子的構成要素の多くは、特定用途向け集積回路の形態でマイクロコントローラと共に集積することができる。
【0033】
支持体の寸法は、分析物測定デバイスの構成、また検査ストリップアセンブリ上の電気化学モジュールの数及び構成によって、大幅に異なる可能性がある。
図1Aに示されている実施形態において、非限定的な例として、支持体20は、電気化学モジュールの幅より約0mm〜4mm大きい範囲の幅W
cを有し得る。例えば、支持体20の幅W
cは、約5mm〜50mmの範囲であり得る。また、非限定的な例として、支持体20は、開いた形状において約20mm〜200mm、より好ましくは30mm〜50mmの範囲の長さL
cを有し得る。支持体20の開口部の寸法も変化し得るが、代表的な一実施形態において、開口部24は、概ね楕円形又は矩形の形状を有し、対向側壁21cと対向側壁21dとの間に延在する方向で測定される幅W
oは、約3mm〜49mmの範囲である。開口部の長さL
o(開いた状態で)は、電気化学モジュールの長さの2倍(支持体ウェブが折り畳まれるため、2倍にすることが必要となる)より約0〜6mm長い範囲であり得る。例えば、開口部の長さL
oは、約3〜30mmの範囲であり得る。支持体20が
図1Dのように折り畳まれるとき、開口部24は深さD
oを有し、これは折り畳み線22から内側に測定した長さL
oの半分である。本明細書で数値又は範囲に使用される用語「約」及び「およそ」は、本明細書での説明目的で、構成要素の一部又は集合が機能できるようにするための好適な寸法許容度を示すものであることが、当業者には理解されよう。
【0034】
電気化学モジュール
電気化学モジュール(ECM)も、当該技術分野において知られている様々な構成及び様々な電気化学セルセンサーを使用することができる。一実施形態において、モジュールには、複数の電極及び試薬層を含めることができ、このモジュールは液体サンプル中の分析物を受け取ってこれと反応するよう構成することができる。複数の電極を任意の好適な構成で構成することができ、例えば同一平面上で互いに隣接させ、あるいは間隔をあけて互いに向かい合わせの関係に構成することができる。モジュールは、支持体(例えば支持体20)の上に取り付けることができ、これにより支持体はモジュールの支えの役割を果たし、かつ取り扱いを容易にする。上述のように、支持体はまた、モジュールを分析物測定デバイスに電気的に接続することもできる。
【0035】
モジュールは様々な構成を有し得るが、
図2A〜2Bに示されている実施形態において、電気化学モジュール30は一般に、第1電極36を有する第1絶縁層32と、第1絶縁層32の上の第1電極36に向かい合って配置される関係で第2電極38を有する第2絶縁層34と、第1電極36及び第2電極38を互いにある距離離して保持し、これらの間に液体分析物を受容するための空洞又はチャンバ42を画定する1つ以上のスペーサー40a、40bと、を含む。参照を容易にするため、第1絶縁層32は本明細書において上側絶縁層とも呼ばれ、第2絶縁層34は下側絶縁層とも呼ばれる。用語「上」及び「下」は単に図中の向きを記述するために使用されるものであり、層を特定の向きに制限するものではない。図示されている電気化学モジュール30は更に、分析物と反応させるために、第1及び第2電極の一方(例えば第2電極38)の上で、スペーサー40aと40bとの間で、かつチャンバ42の内部に配置された、試薬44を含み得る。電気化学モジュール30は様々な構成を有することができ、例えば同一表面上の電極など、他の電極構成を有することができることを当業者には理解されよう。
【0036】
第1及び第2絶縁層32、34はそれぞれ、様々な形状と大きさを有することができ、絶縁層32、34の具体的な構成は、支持体20の具体的な構成によって異なり得る。図示されている実施形態において、第1及び第2絶縁層32、34はそれぞれ、概ね矩形を有する。絶縁層32、34は様々な材料で形成することができるが、後で詳しく検討されるように、代表的な一実施形態において、絶縁層32、34は熱膨張係数の小さい材料で形成され、これによって絶縁層32、34が反応チャンバ42の体積に悪影響を与えないようにすることができる。代表的な一実施形態において、絶縁層のうち少なくとも一方(例えば第1絶縁層32)は、透明な材料で形成することができ、これにより反応チャンバへの液体の流れを視覚化することができる。好適な材料には、非制限的な例として、プラスチック(例えばPET、PETG、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン)、セラミック、ガラス、接着剤が挙げられる。
【0037】
上述のように、絶縁層32、34はそれぞれ、電極36、38を有し得る。
図2Aに示されているように、第1絶縁層32の内向き表面には第1電極36があり、第2絶縁層34の相対する内向き表面には第2電極38がある。電極36、38はそれぞれ、例えば金、パラジウム、炭素、銀、白金、酸化スズ、イリジウム、インジウム、及びこれらの組み合わせ(例えば酸化インジウムスズ)などの導電性材料の層で形成することができる。グラフェンの形態の炭素も使用することができる。導電性材料は、スパッタリング、無電解めっき、熱蒸着、及びスクリーン印刷などの様々なプロセスによって、絶縁層32、34上に付着させることができる。代表的な一実施形態において、試薬を含まない電極(例えば第1電極36)はスパッタリングによる金電極であり、試薬44を含む電極(例えば第2電極38)はスパッタリングによるパラジウム電極である。後で詳しく検討されるように、使用中、一方の電極が作用電極として機能し、もう一方の電極が対向/参照電極として機能し得る。
【0038】
電気化学モジュール30が組み立てられた状態のとき、第1及び第2絶縁層32、34、そしてすなわち第1及び第2電極36、38は、1つ以上のスペーサーによってある距離間隔をあけて一緒に保持することができる。
図2Bに示されているように、電気化学モジュール30には第1及び第2スペーサー40a、40bが含まれ、これは接着剤とも称される。図示されているスペーサー40a、40bはそれぞれ概ね矩形の形状を有し、その長さL
sは絶縁層32、34の長さL
iに実質的に等しく、幅W
sは絶縁層32、34の幅W
iより顕著に小さくあり得る。ただし、スペーサー40a、40bの形状と大きさ、並びに数量は、大幅に変化し得る。図示されているように、第1スペーサー40aは第2/下側絶縁層34の第1末端部34aに隣接して配置され、第2スペーサー40bは第2/下側絶縁層34の中央部分近くに配置され、これによってスペース又は間隙が、第1スペーサー40aと第2スペーサー40bとの間で画定される。第1/上側絶縁層32の第2末端部32bは、第2スペーサー40bの、第1スペーサー40aから遠い側のエッジに実質的に合わせて配置することができ、これによって、第1/上側絶縁層32の第1末端部32aは、第2/下側絶縁層34の第1末端部34aをある距離超えて延出する。その結果、第2/下側絶縁層34の第2末端部34bは、
図2Aに示すように、第1/上側絶縁層32の第2末端部32bを距離D
i超えて延出する。第1及び第2絶縁層32、34は、これにより、互いにずれて配置することができ、これにより第1及び第2電極36、38それぞれの内向き部分が露出される。スペーサーの形状、向き及び位置、並びに絶縁層の互いの構成を含む具体的な構成は、変化し得ることが当業者には理解されよう。
【0039】
上述のように、スペーサー40a、40b及び電極36、38はスペース又は間隙(これはウィンドウとも呼ばれる)を画定し、これらの間に、液体サンプルを受け取るための電気化学空洞又は反応チャンバ42を形成する。具体的に、第1及び第2電極36、38は反応チャンバ42の上面と底面を画定し、スペーサー40a、40bは反応チャンバ42の側壁を画定する。スペーサー40aとスペーサー40bとの間の間隙は、反応チャンバ42内に延びる開口部又は流入口を有するモジュール30の対向側壁を形成する。液体サンプルはこれにより、側壁開口部を通って内部に搭載することができる。
【0040】
図2Aに更に示されているように、反応チャンバ42は、少なくとも一方の電極(例えば第2電極38)の上に配置された試薬44も含み得る。あるいは、試薬層は反応チャンバ42の複数の面上に配置することができる。試薬44は、様々なメディエーター及び/又は酵素を含む、様々な材料で形成することができる。好適なメディエーターには、非限定的な例として、フェリシアニド、フェロセン、フェロセン誘導体、オスミウムビピリジル錯体、及びキノン誘導体が挙げられる。好適な酵素には、非限定的な例として、グルコースオキシダーゼ、ピロロキノリンキノン(PQQ)補酵素依存性グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド補酵素依存性GDH、及びFAD依存性GDH[E.C.1.1.99.10]が挙げられる。試薬44を製造するのに好適な1つの代表的な試薬処方は、係属中の米国特許出願第7,291,256号「Method of Manufacturing a Sterilized and Calibrated Biosensor−Based Medical Device」に記載されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。試薬44は様々なプロセスを用いて形成することができ、例えばスロットコーティング、チューブ端からの吐出、インクジェット、及びスクリーン印刷によって形成することができる。そのようなプロセスは例えば、米国特許第6,749,887号、同第6,869,441号、同第6,676,995号、及び同第6,830,934号に記述されており、これらは全体が参照により本明細書に組み込まれる。詳細は検討しないが、本明細書に開示される様々な電気化学モジュールには、生化学的構成成分のための緩衝剤、湿潤材、及び/又は安定剤も含まれ得ることも、当業者には理解されよう。
【0041】
電気化学モジュール30及びその構成要素の大きさは変化し得る。例えば、一実施形態において、第1及び第2絶縁層32、34はそれぞれ実質的に同じ大きさであり得、支持体20の長さL
c及び幅W
cよりも小さい長さL
i及び幅W
iであり得る。非限定的な例として、絶縁層32、34はそれぞれ、長さL
iの少なくとも2倍の幅W
iを有し得る。例えば、幅W
iは約3mm〜48mm、より好ましくは約6mm〜10mmの範囲であり、長さL
iは約0.5mm〜20mm、より好ましくは1mm〜4mmの範囲であり得る。上側電極36と下側電極38との間の距離D
e、並びにスペーサー40a、40bの寸法も、反応チャンバ42の望ましい容積によって変化し得る。代表的な一実施形態において、反応チャンバ42は小さな容積を有する。例えば、容積は、約0.1マイクロリットル〜約5マイクロリットル、好ましくは約0.2〜約3マイクロリットル、より好ましくは約0.2マイクロリットル〜約0.4マイクロリットルの範囲である。小さな容積を提供するため、スペーサー40aとスペーサー40bとの間の間隙は、約0.005cm
2〜約0.2cm
2、好ましくは約0.0075cm
2〜約0.15cm
2、更に好ましくは約0.01cm
2〜約0.08cm
2であり、スペーサー40a、40bの厚さ(すなわち高さH
s)は、約1マイクロメートル〜500マイクロメートル、より好ましくは約10マイクロメートル〜400マイクロメートル、更に好ましくは約40マイクロメートル〜200マイクロメートル、更により好ましくは約50マイクロメートル〜150マイクロメートルの範囲の面積であり得る。当業者には理解されるように、反応チャンバ42の容積、スペーサー40aとスペーサー40bとの間の間隙の面積、及び電極36と電極38との間の距離は、顕著に変化し得る。
【0042】
検査ストリップアセンブリ
様々な技法を使用して、支持体と電気化学モジュールの両方を有する検査ストリップアセンブリを調製することができる。
図1A〜1Dに戻って、一実施形態において、単独の検査ストリップアセンブリ10は、支持体(例えば支持体20)を供給し、その支持体20の上にスペーサー層28又は29及び電気化学モジュール30を配置することによって、形成することができる。電気化学モジュール30は好ましくは、支持体20がその装置を取り扱う支えとして機能することができ、同時に、反応チャンバ42へのアクセスが容易なように、支持体20に取り付けられる。支持体20に対するモジュール30の具体的な位置は、モジュール30の構成、支持体20上に取り付けられたモジュール30の個数、及び支持体20の構成によって変化し得るが、図示された実施形態において、モジュール30は、開口部24を横切って延在し、折り線22に沿って、又は折り線22の一方の側に隣接して配置されるよう、支持体20の上に取り付けられる。よって、モジュール30の対向末端部は支持体20に接触し、モジュール30の中央又は中間部分は支持体20に接触しておらず、支持体20から間隔をあけて配置される。スペーサー層28又は29は同様に、支持体20の様々な位置に配置することができる。上述のように、スペーサー層28又は29は、支持体20の上側部分20tと下側部分20bとの間にモジュール30を固定する接着剤として機能することができ、これによって支持体20に対してモジュール30が動くのを防ぐ。
図1Bはスペーサー28がモジュール30からある距離間隔をあけて配置されており、これによりスペーサー28は、支持体20が折り畳まれたときにもモジュール30に接触しないが、一方、
図1Cに示されている構成のように、スペーサーは別の構成を有することができ、スペーサー29は、モジュール30の少なくとも末端部にわたって延在し、モジュール30を支持体20に直接接着している部分29a、29bを有する。
【0043】
モジュール30とスペーサー28又は29を支持体20の上に配置した後、
図1Dに示すように、支持体20は折り線22に沿って折り畳むことができ、これによって上側部分と下側部分20t、20bが互いに接着して、上側部分20tと下側部分20bとの間に電気化学モジュール30が固定される。折り畳まれた状態で、支持体20は、第1及び第2電気接触12、14を備えた近位端20pと、それらの上に配置されたモジュール30を備えた遠位端20dと、を有する。モジュール30は、支持体20の末端遠位エッジ又は外周に隣接して、又はこれに沿って配置することができ、これにより、反応チャンバ42内に延びる開口部の一方の側が外周に沿って配置されて、液体サンプルを側面から反応チャンバ42内へと搭載することが可能になる。モジュール30の反対側(すなわち近位側)は、開口部24の内側エッジから、ある距離間隔をあけて配置され、間隙を形成している。支持体とモジュールとの間の間隙により、液体サンプルが支持体20の中に(例えば上側部分20tと下側部分20bとの間に)流れ込むことなく、反応チャンバ42内に流れ込むことができる。本明細書で用いられる用語「近位」は、参照の構造が検査計により近いことを示し、用語「遠位」は、参照の構造が検査計からより遠いことを示す。
【0044】
完全に組み立てられた状態で、
図1Dに示すように、上側電極36の内向き表面は支持体20の下側部分20bの内向き表面と直接接触して電気的に接続され、下側電極38の内向き表面は支持体20の上側部分20tの内向き表面と直接接触して電気的に接続されている。この接続は、
図2Aに示されているように、絶縁層32、34及び電極36、38のずれた構成によるものである。具体的には、
図2Bに示されているように、接続は、第2/下側絶縁層34の第1末端部34aを超えて、ある距離延出している第1/上側絶縁層32の第1末端部32aと、第1/上側絶縁層32の第2末端部32bを超えて、ある距離延出している第2/下側絶縁層34の第2末端部34bと、で生じている。第1電極36は第1絶縁層32によって支持体20の上側部分20tとの接触から絶縁されており、第2電極38は第2絶縁層34によって支持体の下側部分20bとの接触から絶縁されている。よって第1電極36は、支持体の下側部分20bと、第1電気接触12(例えばタブ12a及び12b)とを介して、分析物測定デバイスと導通し、第2電極38は、支持体の上側部分20tと、第2電気接触14とを介して、分析物測定デバイスと導通している。スペーサー層は、支持体20の上側部分20tと下側部分20bとの間の電気的絶縁を保持する。
【0045】
ECM及び検査ストリップアセンブリの組立て済み寸法は変化し得るが、一実施形態において、ECMは幅約10mm、長さ(近位側−遠位側方向に測定)約2mmを有し、支持体又は検査ストリップアセンブリは幅約12mm、長さ(近位側−遠位側方向に測定)約40mmを有する。よって支持体の寸法は、ECMの寸法に比べて顕著に大きい。
【0046】
代表的な製造プロセス
代表的な一実施形態において、検査ストリップアセンブリは、適切な剛性を有する幅76mmの光沢厚紙、PET又はポリプロピレンのウェブに、導電性カーボンインクのコーティングを適用することによって製造できる。コーティングの厚さは、表面抵抗を低減するのに十分であるべきであり、これによりコネクタートラックの全体の抵抗は200オーム未満になる。支持体の導電性層は、1つのエッジから40mmの位置でレーザー又は機械的スクライバーを用いてウェブ下流方向にエッチングすることができ、これによりウェブは、電気的に絶縁された2つの機能領域(例えば上側部分20tと下側部分20b)に分割される。複数の検査ストリップアセンブリ(例えば、マルチパネル検査ストリップアセンブリ)を有する支持体ウェブについては、該ウェブは20mm間隔でウェブ放談方向にエッチングすることができ、これにより各検査ストリップアセンブリを分離することができる。
図3Cに示すように、剥離ライナーで覆われた、スペーサー又は接着層(例えばスペーサー128)は、ウェブ上にラミネートされ、これによってエッジの1つが支持体ウェブの下側部分20bの末端部から4mmの位置にあり、もう一方のエッジが支持体ウェブの中央線から約5mm上の位置にある。
図3Cに戻って、中心線は折り線122の位置に対応し得る。穴124は、直径8mmを有し、エッチング線に沿って12mm間隔(中心間距離)でウェブ下流方向に支持体ウェブにパンチングすることができ、スロットは下側(近位側)にパンチングすることができる。マルチパネル検査ストリップアセンブリについて、穴はそれぞれ20mm部分の中央にあり得る。幅34mmの両面接着セパレーターのトラック(高さ約95±2マイクロメートル、剥離ライナー50マイクロメートル)をキスカットし、不要部分を除去して、
図8に示すように、4つの繰り返しパターンになるようにする。これは(1)中央に幅1.2mmの空洞(
図8では「a」で示される)があり、これは後の工程で電気化学空洞を形成し、及び、(2)各側に幅2.4mmのスペーサー部分セパレーター(
図8では「b」で示される)があり、これは後の工程で電気化学空洞の壁を形成する。用語「キスカット」は、ラミネート構造を部分的に切断することを指すのに使用され得る。例えば、Au−PET層、接着剤スペーサー層、及びPd−PET層を含むラミネート構造は、キスカットによりAu−PET層のみ、又はPd−PET層のみを切断することができる。残るセパレーターは試薬のない空洞(両側に2mm、
図8では「c」で示される)を形成し、これは後の工程で、上に張り出した電極が露出する部分である。幅32mmの、硫酸バリウム粒子で充填されたPETのトラックを、60nmのPdでスパッタリングし、0.3mM MESA水溶液に20秒間接触させ、次にエアナイフを使って余剰の液体を飛ばす。4本の試薬ストリップ(同一又は異なるもの)を、8mm間隔(中心間距離)でPd電極に適用する。両面接着セパレーターをPd電極に接着し、これにより各幅1.2mmの空洞が試薬ストライプに重なるようにする。幅32mmの、透明PETのトラックを、30nmのAuでスパッタリングし、0.3mM MESA水溶液に20秒間接触させ、次にエアナイフを使って余剰の液体を飛ばす。このPd−セパレーター−Auの3層ラミネートを、
図8に矢印で示すように、2つの方向のみにおいて電極層をキスカットし、これによりPd又はAuのいずれかが、スペーサー層及びもう一方の電極層のエッジを超えて延出するようにする。3層ラミネートの異なるトラックが分離されて、4つの電気化学モジュールを形成し、このうち2つは
図8にA及びBとして示され、残りの2つは部分のみが図に示されている。モジュールそれぞれの合計幅は、2mm(セクションc、上側電極)+2.4mm(セクションb、3層ラミネート)+1.2mm(セクションa、空洞プラス試薬)+2.4mm(セクションb、3層ラミネート)+2mm(セクションc、下側電極)で、合計10mmである。この値は、上側電極と下側電極の露出部分が分離されたため、32を4で割った合計長さ(約8mm)よりも大きくなる。3層ラミネートの各モジュールを長さ2mmのセンサーに切断し、上述のように支持体の上に配置する。これを達成する1つの方法は、3層ラミネートの先端エッジをホイールのスロットに押し込み、幅2mmのセンサーに切断することである。次にこのホイールを回転させて、別のスロットが3層ラミネートウェブの先端エッジを受け取れるようにし、幅2mmのセンサーがもう1枚切断され得る。支持体ウェブは、ホイールの反対側の端を通り過ぎて前進し、幅2mmの各センサーを受け取り、このとき、電気化学空洞の適切なエッジが、支持体の穴の中央に来るようにする。多分析物検査ストリップアセンブリについては、支持体に沿ったトラック順序は1−2−3−4、1−2−3−4、等になり、各試薬について別々の回転ホイールが用いられる。小型ECMはそれぞれ幅10mm、支持体はそれぞれ幅12mmであるため、ECM及び支持体それぞれのエッジの間には十分な間隙があり、これにより切断機は最後の「個別化」工程においてECMを損傷することがない。支持体はウェブ下流方向にレーザーエッチングされた線に沿って折り畳まれ、両面接着セパレーターに接着され、所望によりロゴその他の必要な情報を印刷してから、適切に切断される。折り畳みプロセスは、ウェブプロセスの中で連続的に行うか、又はウェブをカードに切断してから折り畳むことができる。多分析物検査ストリップアセンブリについては、4つのECMのセットを単独のカードに切断することができる。全ての試薬が同一であり、かつ平均値が必要な場合は、各カードに2つ又は4つのECMを収容することができる。あるいは、ウェブは単一の同一センサーとして、単純なアプリケーションで処理することができる。
【0047】
その他の実施形態
検査ストリップアセンブリ10の一実施形態が
図1Dに示されているが、
図3A〜4には、他の様々な検査ストリップアセンブリの実施形態が示されている。具体的には検討しないが、
図3A〜4に示されている検査ストリップアセンブリには、
図1A〜1Dに関して上述されている機能、及び/又は当該技術分野において既知のその他の機能の、任意の組み合わせを含み得ることが、当業者には理解されよう。
【0048】
一実施形態において、複数の検査ストリップアセンブリを有する支持体ウェブが形成され得る。そのような構成では、複数の検査ストリップアセンブリの大量生産が可能になる。各検査ストリップアセンブリは単に切断するか、又は他の方法で使用前に支持体ウェブから取り外すことができる。例えば、支持体ウェブには、各検査ストリップアセンブリの間に刻み目領域を含めることができ、これによって、はさみ又はその他の切断メカニズムの必要なしに、検査ストリップアセンブリの取り外しを容易にすることができる。あるいは、分析物測定デバイスは、複数の電気化学モジュールを有する支持体ウェブを受容するよう構成された複数の端子を有し得る。そのような構成により、複数の分析物を同時に検査することが可能になり得る。そのような構成は、別の実施形態において、採取された単一分析物の複数の測定を可能にし、これによりデバイスがアウトライアーを除外し、平均値を表示することができる。これにより、分析物濃度の確実な評価が提供され、測定の精密度と正確さの両方を強化することができる。
【0049】
支持体ウェブは様々な構成を有し得るが、
図3Aは、概ね細長い矩形構成を有する支持体ウェブ100の一実施形態を示す。支持体ウェブ100は
図1Aに関して上述した支持体20の長さL
cと同じ長さL
wを有するが、ただし、支持体ウェブ100の幅W
wは、
図1Aで述べた支持体20の幅W
cの複数倍であり得る。具体的には、支持体ウェブ100の幅W
wは好ましくは、
図1Aの支持体の幅W
cに、支持体ウェブ100に含まれるべき支持体の数を掛けた値に相当する。例えば、支持体ウェブ100が10本の支持体を製造する、すなわち10本の検査ストリップアセンブリを製造するよう構成された場合、支持体ウェブ100の幅W
wは、単一支持体の幅W
cの約10倍となる。支持体ウェブ100の具体的な寸法は変化し得ることが当業者には理解されよう。
【0050】
図3A及び3Bに更に示されているように、支持体ウェブ100には、内部に形成された複数の開口部124が含まれ得、この各開口部124は
図1Aに関して上述した開口部24に類似の構成を有する。図示されているように、開口部124は互いにある距離間隔をあけて、支持体ウェブ100上の意図された折り線122に沿って長手方向に揃えて、配置することができる。支持体ウェブ100はまた、支持体ウェブ100の様々な部分に配置された接着剤又はスペーサー128を含み得る。図示されている実施形態において、スペーサー128は意図された折り線122の一方の側に配置される。スペーサー128には、電気化学モジュール(例えばモジュール130)が取り付けられた状態のときに、この底面に接触するための、各開口部124の一方の側辺に沿って延在する部分128aが含まれ得る。スペーサー128には更に、別個の第2部分128bが含まれ得、これは各開口部124の反対側の側辺で、折り線122の反対側に配置され、これによりスペーサー128の第2部分128bが電気化学モジュール130の上側表面に接触する。支持体ウェブ100が折り畳まれたときに、スペーサー128は支持体ウェブ100の上側部分と下側部分を互いにつなぎ、同時に、上側部分と下側部分100t、100bを互いにある距離間隔離して保持する。開口部124の各側辺に沿って延在するスペーサー128の一部が、各電気化学モジュール130を支持体ウェブ100に接着して固定し、これによりモジュール130を、支持体ウェブ100に対して固定位置に保持する。
【0051】
図3Cは、ウェブの各開口部124を横切って延在するよう取り付けられた電気化学モジュール130を有する、
図3A及び3Bの支持体ウェブ100を示す。ウェブ100上の各モジュール130は、すでに説明された構成を有し得る。他の実施形態において、支持体ウェブ100のモジュール130は、互いに異なり得る(例えば、異なる分析物を検査することができる)。支持体ウェブ100及びその上に取り付けられるモジュール130の構成、並びに支持体ウェブ100上の各モジュール130の位置は、意図される用途によって顕著に異なり得る。
【0052】
図4Aは、電気化学モジュール230の別の一実施形態を示し、
図4Bは支持体220に取り付けられて検査ストリップアセンブリ200を形成する電気化学モジュール230を示す。この実施形態において、電気化学モジュール230は曲線又は折れ曲がった形状を有し、支持体220の開口部224の内側エッジから更に離れた距離に、電気化学セル又は反応チャンバ242を配置するようになっている。具体的には、電気化学モジュール230は
図2A及び2Bに関して上述したものと類似の構成を有しているが、ただしモジュール230には折れ曲がった又は斜めの末端部分が含まれている点が異なる。図に示すように、反応チャンバ242を含むモジュール230の一部分(例えば中間部分230a)は、中心軸L
1に沿って延在し、2つの末端部分230b、230cはそれぞれ、中間部分230aの中心軸L
1軸に対して角度αで延在する軸L
2、L
3に沿って延在する。中心軸L
1はまた、サンプルが反応チャンバ242に流入する方向に対して直角方向に延在し得る。各端部分230b、230cと中間部分230aとの間の角度αは、変化し得る。例えば、図示されている実施形態において角度αは鋭角であり、具体的には0度より大きく90度より小さい。例えば、角度αは約45度であり得る。各末端部分230b、230cは好ましくは、中間部分230aの中心軸L
1から同じ方向に逸れて延在する向きに配向される。そのような構成により、
図4Bに示すように、末端部分230b、230cを、開口部242の対向側で支持体220に取り付けることができ、中間部分230aは開口部224の内側エッジからある距離間隔をあけて配置され得る。距離dは、末端部分230b、230cの長さによって異なり得るが、代表的な一実施形態において、電気化学モジュール230は、モジュール230の最も遠位側のエッジ230dが、支持体220の最も遠位側のエッジ220dよりも遠位側に来るように配置される。その結果、モジュール230の近位側エッジと、開口部224での支持体220の最も近位側の内側エッジとの間の距離dが増大し、反応チャンバ242から支持体220への液体の流れを防止するのに役立つ。
【0053】
図5は、
図4Aのモジュールと同じ構成を有する複数の電気化学モジュール230が、
図3Dで上述した支持体ウェブ100と同様に支持体ウェブ300に取り付けられた様子を示す。このウェブ及びモジュールは様々な構成を有することができ、本明細書で開示される機能及び/又は当該技術分野において既知の機能の任意の組み合わせを含み得ることが、当業者には理解されよう。
【0054】
図6は、折り畳まれた状態で完全に組み立てられた検査ストリップアセンブリ400の別の一実施形態を示す。この実施形態において、アセンブリ400には、単一の支持体420上の様々な位置に取り付けられた複数の電気化学モジュール430a、430b、430cが含まれる。具体的に、支持体420は
図1Aの支持体20と同様の構成をもつが、ただし、遠位端開口部424bに加え、支持体420には、支持体420の上側部分及び下側部分それぞれを貫通して延在する、第1及び第2対向側面開口部424a、424cが含まれている。これにより、電気化学モジュール430a、430b、430cを、支持体420の上側と下側部分との間で、支持体420に取り付けることができる。各モジュール430a、430b、430cは、図示のように、開口部424a、424b、424cを横切って延在するよう配置することができる。各モジュール430a、430b、430cは、液体サンプル中の同じ分析物を測定するよう構成することができ、あるいは異なる分析物を測定するよう構成することができる。複数の電気的絶縁線又は「遮断線」426を、各モジュール430a、430b、430cを電気的に絶縁するよう支持体内に形成することができ、これによって支持体420は、各モジュール430a、430b、430cと分析物測定デバイスの別々の電気的接続との間の電気的導通を分離することができる。各モジュールは、
図4Aの実施形態に類似の構成を含め様々な構成を有し得ること、及びモジュールは支持体420又は支持体ウェブの上の様々な位置に取り付けられることが、当業者には理解されよう。分析物測定デバイスに連結する電気的接触も、様々な構成を有し得る。
【0055】
使用
本明細書に開示されている検査ストリップアセンブリは、多種多様なサンプル中の多種多様な分析物の測定において使用するのに好適であり、全血、血漿、血清、間質液、又はこれらの類縁体中の分析物の測定において使用するのに特に好適である。非限定的な例として、電気化学モジュールは、グルコースセンサー、乳酸脱水素酵素に基づく乳酸センサー、乳酸を含む乳酸脱水素酵素センサー(組織損傷を調べる)、β−ヒドロキシ−ブチラート脱水素酵素に基づくケトン体センサー、細胞融解剤(例えばデオキシコール酸塩)を含むヘモグロビンセンサー、並びに、抗体及び/又は光源を含む免疫センサーとして構成することができる。
【0056】
使用中、検査ストリップアセンブリは、例えば検査計などの分析物測定デバイスに搭載することができる。接続を示す可聴確認信号が所望により提供され得る。検査計は、検査ストリップアセンブリの第1及び第2電気接続に接続して、完全な回路を形成する。
図1Dに示されている一例では、接触12a及び12bを使用して、検査計にストリップが挿入されたことを認識することができる。検査計は、検査ストリップアセンブリの電気接触間の抵抗又は電気的導通を測定することにより、検査ストリップが検査計に電気的に接続されているか否かを判定することができる。検査計は、様々なセンサー及び回路を使用して、検査ストリップが検査計に対して適切に配置されているかどうかを判定することができる。一実施形態において、検査計に配置される回路は、第1電気接触と第2電気接触との間に、試験電圧及び/又は試験電流を印加することができる。検査ストリップアセンブリが挿入されたことを検査計が認識すると、検査計がオンになり、液体検出モードを開始する。一実施形態において、液体検出モードにより、検査計は約1マイクロアンペアの定電流を、第1電極と第2電極との間に印加する。
図1Dに示されている例において、接触14と接触12との間の電流を使って、ストリップ内の液体を検出することができる。検査ストリップアセンブリは最初乾いているため、検査計は最大電圧を測定し、この値は検査計内のハードウェアによって制限される。生理液又は対照溶液などの液体サンプルが、電気化学分析のために、開口部を通って、液体サンプルがサンプル反応チャンバ42に充填されるまで、サンプル反応チャンバに送達され得る。液体サンプルが第1電極と第2電極との間の間隙を埋めると、計測器が測定電圧の低下を検出し(例えば、米国特許第6,193,873号に記述されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる)、これが、所定の閾値よりも下がることにより、検査計が自動的に分析物検査(例えばグルコース検査)を開始する。
【0057】
サンプル反応チャンバが部分的にのみ充填された場合、測定電圧が所定閾値よりも下がる可能性があることに留意するべきである。液体が適用されたことを自動的に認識する方法は、必ずしもサンプル反応チャンバが完全に充填されたことを示さないが、サンプル反応チャンバにある程度の量の液体が存在することを確認することだけができる。液体が検査ストリップアセンブリに適用されたことを検査計が判定した後、サンプル反応チャンバを完全に充填するために、短い時間(ただし0ではない)が更に必要である可能性がある。この時点で、計測器は一連の電気電位を印加し、電流対時間を測定し、アルゴリズムを使用して、検査液中の分析物の濃度を計算することができる。
【0058】
非限定的な一例として、
図7は、分析物測定デバイスの一実施形態、例えば糖尿病測定装置(DMU)500を示す。DMU 500には一般に、ハウジング502、ユーザーインタフェースボタン504、ディスプレイ506、及び検査ストリップポート開口部508が含まれる。ユーザーインタフェースボタン504は、データの入力、メニューの操作、及びコマンドの実行を可能にするように構成することができる。データには、分析物濃度及び/又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を、表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、食物の摂取、薬の使用、健康診断の実施、並びに個人の一般的な健康状態及び運動レベルが含まれ得る。DMUは、インスリン送達デバイス、追加の分析物検査デバイス、及び薬物送達デバイスと組み合わせることもできる。DMUは、ケーブル、又は例えば、GSM、CDMA、BlueTooth、WiFi等の好適な無線技術を介して、コンピュータ又はサーバに接続してもよい。分析物測定デバイスは様々な構成を有することができ、当該技術分野において既知の様々なデバイスを使用できることが、当業者には理解されよう。非限定的な例として、分析物測定デバイスの代表的な一実施形態が、米国特許出願第2009/0084687号「Systems and Methods of Discriminating Control Solution From A Physiological Sample」に開示されており、この全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
上述の実施形態に基づき、本開示の更なる特徴及び利点が、当業者には理解されよう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指定されているものを除いて、具体的に図示し説明した内容によって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び文献は、それらの全容を本明細書に援用するものである。
【0060】
〔実施の態様〕
(1) 電気化学検出装置であって、
互いに電気的に絶縁している第1及び第2導電性領域を有し、内部を貫通して延在する開口部を含む、支持体と、
前記支持体に取り付けられた電気化学モジュールであって、該電気化学モジュールの少なくとも一部が前記開口部を横切り、該電気化学モジュールが、該支持体の該第1導電性領域と電気的導通している第1電極、該支持体の該第2導電性領域と電気的導通している第2電極、及び試薬層を含むサンプル受容チャンバを備える電気化学空洞を有する、電気化学モジュールと、
を含む、電気化学検出装置。
(2) 前記支持体が折り線に沿って折り畳まれて上側部分と下側部分とを画定する、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記開口部が前記折り線を横切って延在する、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記電気化学モジュールが、前記支持体の最大長さ及び最大幅よりも小さい最大長さ及び最大幅を有する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記支持体が、前記第1導電性領域を有する上側部分と、前記第2導電性領域を有する下側部分とを有し、前記電気化学モジュールが該上側部分と該下側部分との間に取り付けられる、実施態様1に記載の装置。
【0061】
(6) 前記支持体の前記上側部分と前記下側部分との間に配置され、該上側部分と該下側部分とを、互いに一定距離離して維持するよう構成される、接着剤を更に含む、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記電気化学モジュールが、前記支持体の前記上側部分と前記下側部分との間に係合する対向端部を有し、前記サンプル受容チャンバは、該対向端部の間に、該支持体からある距離間隔をあけて配置される、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記開口部が、前記支持体の遠位端部に配置され、該支持体の近位端部が、前記第1及び第2電極と分析物測定デバイスとの間の接続を確立するよう設定された第1及び第2接触子を含む、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記電気化学モジュールが、
前記第1電極を有する上側絶縁基材と、
前記第2電極を有する下側絶縁基材と、
該第1電極と該第2電極との間に配置され、該第1及び第2電極を互いに間隔をあけた関係に維持している、スペーサーと、
を含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記上側及び下側絶縁基材が、互いにずれて配置され、これにより該上側絶縁基材の前記第1電極の一部が、前記支持体の前記第2導電性領域と接触し、該下側絶縁基材の前記第2電極の一部が、該支持体の前記第1導電性領域と接触する、実施態様9に記載の装置。
【0062】
(11) 前記電気化学モジュールが、中心軸に沿って延在し前記電気化学空洞を収容する中心部分と、該中心部分の該中心軸に対してある角度で延在する中心軸を有する対向端部と、を有する、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記支持体が不活性である、実施態様1に記載の装置。
(13) 電気化学検出装置であって、
支持体であって、
第1導電性領域、
該第1導電性領域から電気的に絶縁された第2導電性領域、及び
該支持体を貫通して形成された開口部、を含む、支持体と、
該支持体上に取り付けられた電気化学モジュールであって、該モジュールの少なくとも一部が該支持体の該開口部を通ってアクセス可能であり、該電気化学モジュールが、
該支持体の該第1導電性領域と導通する第1電極、
該支持体の該第2導電性領域と導通する第2電極、
液体サンプルを受容するための、該第1電極と該第2電極との間に形成されている電気化学空洞、及び
該電気化学空洞内に受容された液体サンプルの分析物と反応するために、該電気化学空洞内に配置され、該第1及び第2電極のうち少なくとも一方の上にある、試薬、を含む、電気化学モジュールと、
を備える、電気化学検出装置。
(14) 前記電気化学モジュールが、前記第1電極を有する第1絶縁基材と、前記第2電極を有する第2絶縁基材と、を有し、該第1及び第2電極が互いに間隔をあけた関係で対面している、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記開口部が、前記支持体の外周に沿って配置されている、実施態様13に記載の装置。
【0063】
(16) 前記支持体が、前記電気化学モジュールの最大長さ及び最大幅よりも大きい最大長さ及び最大幅を有する、実施態様13に記載の装置。
(17) 前記支持体の前記上側部分と前記下側部分との間に配置され、該上側部分と該下側部分とを互いに一定距離離して維持するよう構成される、接着剤を更に含む、実施態様13に記載の装置。
(18) 前記支持体が折り線に沿って折り畳まれて、前記第1導電性領域を有する上側部分と、前記第2導電性領域を有する下側部分とを画定する、実施態様13に記載の装置。
(19) 前記支持体の前記第1及び第2導電性領域が、前記折り線に沿って互いに電気的に絶縁されている、実施態様18に記載の装置。
(20) 前記開口部が、前記折り線に沿って配置されている、実施態様18に記載の装置。
【0064】
(21) 前記電気化学モジュールが、前記支持体の遠位端部に配置され、該支持体の近位端部が、前記第1及び第2電極と分析物測定デバイスとの間の接続を確立するよう設定された第1及び第2接触子を含む、実施態様13に記載の装置。
(22) 前記電気化学モジュールが、前記支持体上に取り付けられた対向端部と、該対向端部の間に配置され、該支持体からある距離間隔をあけて配置された中間部と、を含む、実施態様13に記載の装置。
(23) 前記電気化学モジュールが、中心軸に沿って延在し前記電気化学空洞を収容する中心部分と、該中心部分の該中心軸に対してある角度で延在する中心軸を有する対向端部と、を有する、実施態様13に記載の装置。
(24) 前記支持体が、電気化学的に非機能性である、実施態様13に記載の装置。
(25) 電気化学センサー装置であって、
第1及び第2電極を備えた電気化学空洞、並びに該電気化学空洞内に受容された液体サンプルの分析物と反応するよう構成された試薬層を有するサンプル受容チャンバを含む、電気化学モジュールと、
支持体であって、
第1導電性領域を有する上側絶縁基材、
第2導電性領域を有する下側絶縁基材、
遠位切り抜きであって、該遠位切り抜きが、該上側及び該下側絶縁基材の遠位端部を貫通して延在し、前記電気化学モジュールの少なくとも一部分が該遠位切り抜きを横切って延在しており、これにより、前記第1電極が該第1導電性領域に電気的に導通し、前記第2電極が該第2導電性領域に電気的に導通している、遠位切り抜き、並びに
近位切り抜きであって、該近位切り抜きが、該下側絶縁基材の近位端部を貫通して延在し、該上側絶縁基材の該第1導電性領域上の接触領域を露出させており、これにより、該第1接触領域及び該下側絶縁基材の第2接触領域が露出して、分析物測定デバイスとの電気的接続を可能にし、該第1及び第2電極と該分析物測定デバイスとの間の接続を確立する、近位切り抜き、を含む、支持体と、
を含む、電気化学センサー装置。
【0065】
(26) 電気化学モジュールであって、
第1電極を有する第1絶縁基材と、第2電極を有する第2絶縁基材であって、該第1及び第2絶縁基材はそれぞれ、第1末端部と第2末端部との間に延在する対向側壁と、該第1末端部と該第2末端部との間に延在する軸と、を有し、該第1及び第2絶縁基材は互いにずれて配置され、これにより該第1絶縁基材の第1末端部が、該第2絶縁基材の第1末端部をある距離超えて延出して該第1電極を露出させ、かつ該第2絶縁基材の第2末端部が、該第1絶縁基材の第2末端部をある距離超えて延出して該第2電極を露出させ、該第1及び第2絶縁基材がそれぞれ、該対向側壁の間に延在する長さの少なくとも2倍の長さの、該第1末端部と該第2末端部との間に延在する幅を有する、第1及び第2絶縁基材と、
該第1絶縁基材と該第2絶縁基材との間に配置され、該第1及び第2電極を互いに間隔をあけた関係に維持する、少なくとも1つのスペーサーと、
該第1電極と該第2電極との間に形成され、液体サンプルを受容するよう構成された電気化学空洞であって、前記電気化学空洞中で受容した液体サンプルの分析物と反応するよう構成された試薬を含む、電気化学空洞と、
を含む、電気化学モジュール。
(27) 前記少なくとも1つのスペーサーが、前記第2絶縁基材の前記第1末端部に近接して配置された第1スペーサーと、前記第1絶縁基材の前記第2末端部に近接して配置された第2スペーサーと、を含む、実施態様26に記載の電気化学モジュール。
(28) 支持体ウェブであって、
互いに電気的に絶縁された第1及び第2導電性領域、並びに互いにある距離間隔をあけて配置された複数の開口部を有する支持体と、
複数の電気化学モジュールであって、各モジュールが該複数の開口部のうちの1つを横切って取り付けられ、各電気化学モジュールが、該第1導電性領域と導通している第1電極、該第1電極と絶縁し且つ該第2導電性領域と導通している第2電極、及び液体サンプルを受容するために該支持体内の該開口部を通ってアクセス可能な電気化学空洞を有する、複数の電気化学モジュールと、
を含む、支持体ウェブ。
(29) 前記支持体が、前記第1導電性領域を有する上側部分と前記第2導電性領域を有する下側部分とを画定する、長手方向に延在する折り線を含む、実施態様28に記載の支持体ウェブ。
(30) 電気化学検出装置の製造方法であって、
電気化学モジュール内に形成された電気化学空洞が、支持体に形成された開口部を横切って配置されるように、該支持体上に該電気化学モジュールの対向端部を配置することと、
該支持体の上側部分と下側部分との間に、該電気化学モジュールの該対向端部を係合させるために該支持体を折り畳むことと、
を含む、電気化学検出装置の製造方法。
【0066】
(31) 前記電気化学モジュールが、前記支持体上の第1導電性領域と電気接触するよう配置された第1電極を有する第1絶縁基材と、該支持体上の第2導電性領域と電気接触するよう配置された第2電極を有する第2絶縁基材と、を含む、実施態様30に記載の方法。
(32) 配置の前に、第1及び第2導電性領域が互いに電気的に絶縁されるように、前記支持体の該第1及び第2導電性領域を形成することを更に含む、実施態様30に記載の方法。
(33) 前記支持体を折り畳んだときに、前記第1導電性領域が該支持体の前記上側部分にあり、前記第2導電性領域が該支持体の前記下側部分にある、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記支持体を折り畳んだときに、スペーサーが前記上側部分と下側部分を互いにある距離離して保持するように、折り畳みの前に該スペーサーを該支持体上に配置することを更に含む、実施態様30に記載の方法。