特許第6030138号(P6030138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030138
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】冷却の為の設備
(51)【国際特許分類】
   F25B 31/00 20060101AFI20161114BHJP
   F25B 9/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   F25B31/00 A
   F25B9/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-531291(P2014-531291)
(86)(22)【出願日】2012年8月14日
(65)【公表番号】特表2014-530341(P2014-530341A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】FR2012051896
(87)【国際公開番号】WO2013041790
(87)【国際公開日】20130328
【審査請求日】2015年4月23日
(31)【優先権主張番号】1158478
(32)【優先日】2011年9月23日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1160744
(32)【優先日】2011年11月24日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト、ジャン―マルク
(72)【発明者】
【氏名】デシルドル、シンディー
(72)【発明者】
【氏名】ファウブ、エリック
(72)【発明者】
【氏名】グリロ、ダビド
【審査官】 河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07278280(US,B1)
【文献】 仏国特許出願公開第02919716(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00−1/10,9/00−9/14,31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一の冷却機/液化機(L/R)又は並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機(L/R)による同じ適用対象(1)の冷却の為の設備であって、単一又は複数の冷却機/液化機(L/R)は低モル質量を有している、即ち純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用していて、個々の冷却機/液化機(L/R)は作業ガスを圧縮する為の圧縮部(2)を備えていて、冷却室(3)が圧縮部(2)から排出された作業ガスを冷却することを意図されていて、複数の冷却機/液化機(L,R)の複数の冷却室(3)の夫々により冷却された作業ガスが適用対象(1)へと冷気を供給する為に適用対象(1)で熱交換され、そこにおいては単一又は複数の冷却機/液化機(L/R)の複数の全ての圧縮が複数の冷却機/液化機(L,R)の個々に分かれている冷却室(3)の夫々の為の作業ガスを圧縮する単一の圧縮部(2)を形成し、圧縮部(2)が油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)及び複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)から排出された作業流体から油を除去する為の複数の油除去システム(4,14)のみを備えていて、そして前記圧縮部(2)が作業流体の為の幾つかの圧力水準(VLP,LP,MP,HP,HP1,HP2)を規定している複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を備えていて、1つの圧力水準(VLP,LP,MP,HP,HP1,HP2)からより高い続きの圧力水準への通路は、1つ又はそれ以上の直列の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を介し又は並列に配置されている幾つかの圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を介し達成されており、圧縮部は圧縮部(2)の入口での流体の圧力水準(VLP/LP)以上の少なくとも2つの増大している圧力水準(MP,HP)を規定している少なくとも2つの圧縮機械(EC2,EC3)を備えていて、夫々が第1(EC1)及び第2(EC2)の主要な圧縮機械である2つの主要な圧縮機械(EC1,EC2)が直列に配置されているともにそれ等の個々の流体出口での圧力水準を「低い」(LP)及び「高い」(HP)と規定していて、主要な圧縮機械(EC1,EC2)が、一方が他方に続き直列に、即ちそれらの間に直列にいかなる他の第2の圧縮機械無しで、配置されていて、もう1つの第2の圧縮機械(EC3)は複数の冷却室(3)から低い(LP)圧力水準と高い(HP)圧力水準との間の中間のいわゆる「中間」(MP)圧力水準で出される流体がその入口で供給されていて、この第2の圧縮機械(EC3)はその流体出口ではまた「高い」(HP)圧力水準を規定していて、中間圧力水準(MP)は主要な圧縮機械(EC1,EC2)の入口での圧力水準よりも高い、
冷却の為の設備。
【請求項2】
第2の圧縮機械(EC3)の及び主要な圧縮機械(EC2)の出口は、同じ高い圧力水準(HP)を規定している共通の導管に連結されている、ことを特徴とする請求項1に従っている冷却の為の設備。
【請求項3】
第2の圧縮機械(EC3)の及び主要な圧縮機械(EC2)の出口は、流体の為の個々に別の高い圧力水準(HP1,HP2)を規定している別の複数の場所で少なくとも1つの冷却室(3)に連結されている、ことを特徴とする請求項1に従っている冷却の為の設備。
【請求項4】
第2の圧縮機械(EC3)の出口での高い圧縮水準(HP)は、主要な圧縮機械(EC1,EC2)の入口圧力水準よりも高い、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に従っている冷却の為の設備。
【請求項5】
第1の主要な圧縮機械(EC1)の出口での流体圧力水準が低い水準(LP)であって第2の主要な圧縮機械(EC2)の入口での流体圧力水準に対応していて、中間圧力水準(MP)が低い圧力水準(LP)と高い圧力水準(HP)との間の中間である、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に従っている冷却の為の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却設備及び方法に関係している。
【0002】
この発明は、詳細には、非常に低い冷却温度(例えばヘリウムでは4.5K)を得る為に低モル質量を伴ったガス(例えば、水素又はヘリウム)が冷却流体として使用されている、低温冷却設備及び方法に関係している。30K及びそれ以下の温度での冷却を得ることは、一般的には、ヘリウムの如き冷媒の使用を要求する。ヘリウムはループ又は回路の熱い端で圧縮され、そして次に、ループの冷たい部分(冷却室)において冷やされそして膨張される。冷媒の主要な部分は、圧縮段階において交換により加熱されているとともに循環されている。幾つかの適用対象においては、作業ガスの一部分が液化されて良い。
【背景技術】
【0003】
ヘリウム液化/冷却サイクルの圧縮は、一般的に、油分離システムにより従われている油で潤滑されているスクリューを伴っている圧縮機械(圧縮機)の1つ又はそれ以上の段階を使用する。
【0004】
幾つかの冷却器を有することが必要であるならば、個々の冷却器はそれ自身の圧縮部に連結されている。要求されている割合に従えば、個々の圧縮水準は並列に幾つかの圧縮機へと分割される。第1の油取扱い及び冷却システムは幾つかの圧縮機に対し共通であるか、又は個々の1つに対し専用にされている。
【0005】
その圧縮及び油分離後に、要求されている温度水準を得る為に、低モル質量ガスが冷却室の極低温膨張タービンにおいて冷却され膨張される。冷却機/液化機の使用者により使用されない冷気は、次に、熱交換機においてそれを冷却する為に高圧力で作業流体へと伝達される。回路の低い及び中間の圧力の作業ガスは、圧縮機の吸入口へと戻る。
【0006】
例えば20kWよりも大きく、4.5Kに匹敵する、大きな冷却システムの為には、冷却される同じ適用対象に対し並列に連結された幾つかの分離された冷却機を使用することが必要である。冷却される適用対象の変動する熱負荷は、圧縮部の複数の圧縮機上の出力に変動を引き起こす。圧縮部(装置,調整そして設備)のコストは、設備の全コストに比べて比較的高い。
【0007】
(冷気を発生する)冷却サイクルは、個々の冷却機では通常「閉じられている」。即ち、冷却室に入る作業流体の循環出力は、この同じ冷却室から主に生じる。他方、これらのサイクル出力は、冷却される適用対象で「開かれている」又は組み合わされている(複数の冷却機により適用された作業流体出力は、冷却される適用対象の為に共有され、そして次には個々の分配システムを介して個々の冷却機に戻る)。
【0008】
この発明の1つの目的は、上記の問題の全て又は幾つかを解決する、並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機による適用対象の冷却方法及び設備を提案することである。詳細には、この発明の1つの目的は、知られているシステムよりも、より安く及び/又はよりコンパクト及び/又はより効率的及び/又は使用においてより柔軟である冷却方法及び設備を提供することである。
【発明の概要】
【0009】
この目的の為に、同じ適用対象の冷却の為の設備は並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機を備えていて、並列な幾つかの冷却機/液化機は低モル質量を有している、即ち純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用しており、個々の冷却機/液化機は作業ガスを圧縮する為の圧縮部を備えていて、冷却室は圧縮部からの出口で作業ガスを冷却することを意図されていて、複数の冷却機/液化機の複数の冷却室の夫々により冷却された作業ガスが適用対象へと冷気を供給する為に適用対象で熱交換され、そこにおいては単一の圧縮部が並列に配置されている複数の冷却機/液化機の個々に分離されている複数の冷却室の夫々の為の作業ガスを圧縮し、単一の圧縮部が油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械及び複数の圧縮機械から排出された作業流体から油を除去する為の複数のシステムのみを備えていて、その結果として複数の圧縮機械及び複数の油除去システムが並列に配置されている複数の冷却機/液化機により共有されている。
【0010】
さらに、この発明の複数の実施形態は、以下の複数の特徴の1つ又はそれ以上を備えて良く:
前記単一の圧縮部が、作業流体の為の幾つかの圧力水準を規定している複数の圧縮機械を備えている、
1つの圧力水準から続きのより高い圧力水準への通路は、1つ又はそれ以上の直列の圧縮機械を介し又は並列に配置されている幾つかの圧縮機械を介し達成されている、
少なくとも1つの圧力水準から続きのより高い圧力水準への通路は、並列に配置されている2つの圧縮機械を介して達成されていて、油除去システムが2つの圧縮機械からの出口に配置されていて、油除去システムが、並列に配置されている2つの圧縮機械に共通の単一の油除去部材又は並列に配置されている2つの圧縮機械に夫々割り当てられている2つの油除去部材の何れかを備えている、
最後の圧縮水準からの出口、即ち冷却室へと流体を供給している流体連結の前、に配置された少なくとも1つの最後の油除去システムを備えている、
1つの圧縮機械の下流で作業流体を冷却する為の少なくとも1つの交換機を備えている、
前記設備が圧縮部の入口での流体の圧力水準以上の3つの増大している圧力水準を規定している3つの圧縮機械を備えていて、第1及び第2の圧縮機械は直列に配置されているともにそれ等の個々の流体出口での圧力水準を「低い」及び「高い」と規定していて、第3の圧縮機械は低い水準と高い水準との間の中間のいわゆる「中間」圧力水準で複数の冷却室から出される流体がその入口で供給されていて、第3の圧縮機械はその流体出口ではまた「高い」圧力水準を規定している、
前記設備が第2の圧縮機械と並列に配置されている第4の圧縮機械を備えていて、第4の圧縮機械の出口が第3の圧縮機械の入口に連結されている、
第3の圧縮機械及び第2の圧縮機械の出口が同じ高い圧力水準を規定している共通地点に連結されている、
第3の圧縮機械の出口及び第2の圧縮機械の出口が、流体の為の個々の別の複数の高い圧力水準を規定している別の複数の場所で少なくとも1つの冷却室に連結されている。
【0011】
この発明のもう1つの目的は、単一の冷却機/液化機又は並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機による同じ適用対象の為の冷却設備を提供することであり、単一の冷却機/液化機又は複数の冷却機/液化機は低モル質量を有している、即ち純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用していて、個々の冷却機/液化機は作業ガスを圧縮する為の圧縮部を備えていて、冷却室が圧縮部から排出された作業ガスを冷却することを意図されていて、複数の冷却機/液化機の複数の冷却室の夫々により冷却された作業ガスが適用対象へと冷気を供給する為に適用対象で熱交換され、そこにおいては単一の圧縮部が単一の冷却機/液化機又は複数の冷却機/液化機の複数の圧縮部の夫々の為の作業ガスの圧縮を提供していて、圧縮部が油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械及び複数の圧縮機械から排出された作業流体から油を除去する為の複数のシステムのみを備えていて、そして前記圧縮部が作業流体の為の幾つかの圧力水準を規定している複数の圧縮機械を備えていて、1つの圧力水準から続きのより高い圧力水準への通路は、1つ又はそれ以上の直列の圧縮機械を介し又は並列に配置されている幾つかの圧縮機械を介し達成されており、圧縮部は圧縮部の入口での流体の圧力水準以上の少なくとも2つの増大している圧力水準を規定している少なくとも2つの圧縮機械を備えていて、2つの主要な圧縮機械が直列に配置されているともにそれ等の個々の流体出口での圧力水準を「低い」及び「高い」と規定していて、もう1つの第2の圧縮機械は複数の冷却室から低い圧力水準と高い圧力水準との間の中間のいわゆる「中間」圧力水準で出される流体がその入口で供給されていて、この第2の圧縮機械はその流体出口ではまた「高い」圧力水準を規定している。
【0012】
他の可能な特徴に従えば、
第2の圧縮機械の及び主要な圧縮機械の出口は、同じ高い圧力水準を規定している共通のパイプに連結されていて、
第2の圧縮機械の及び主要な圧縮機械の出口は、流体の為の個々に別の高い圧力水準を規定している別の複数の場所で少なくとも1つの冷却室に連結されている。
【0013】
この発明はまた、並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機を備えている冷却及び/又は液化設備により同じ適用対象を冷却する為の方法にも関係していて、並列な複数の冷却機/液化機は低モル質量を有している、即ち純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用していて、個々の冷却機/液化機は作業ガスを圧縮する為の圧縮部を備えており、個々の冷却室が圧縮部から排出された作業ガスを冷却することを意図されていて、複数の冷却機/液化機の複数の冷却室の夫々により冷却された作業ガスが適用対象へと冷気を供給する為に適用対象で熱交換され、そこにおいては単一の圧縮部が並列に配置されている複数の冷却機/液化機の複数の個々に分離した冷却室の夫々の為の作業ガスを圧縮し、単一の圧縮部が油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械及び複数の圧縮機械から排出された作業流体から油を除去する為の複数のシステムのみを備えていて、その結果として複数の圧縮機械及び複数の油除去システムが並列に配置されている複数の冷却機/液化機により共有されている。
【0014】
他の可能な特徴に従えば、
冷却される適用対象の熱負荷が変動した時、前記設備の出力変動は共通の圧縮部の複数の圧縮機の幾つかのみの態勢(regime)を変動させることにより達成される、
並列の冷却機/液化機により冷却された適用対象は同じ室中に配置されていて、冷却された複数の超伝導要素を備えている。
【0015】
この発明はまた、上記したまた以下の複数の特徴の如何なる組み合わせを備えている代わりの装置又は方法に関係している。
【0016】
他の特徴及び利点は、図面を参照した以下の記載を読むことから明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、この発明に従っている設備の構成及び機能を簡易化されている形態で示している。
図2図2は、この発明に従っている第1実施形態の構成及び機能を図示している部分的な概略図を示している。
図3図3は、この発明に従っている第2実施形態の構成及び機能を図示している部分的な概略図を示している。
図4図4は、この発明に従っている第3実施形態の構成及び機能を図示している部分的な概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1中に概略的に示されている冷却設備は、同じ物理的な実体(即ち、同じ適用対象1)を冷却する、並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機(L/R)を備えている。
【0019】
並列に配置されている複数の冷却機/液化機は低モル質量を有している、即ち例えば純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用する。
【0020】
個々の冷却機/液化機(L/R)は、作業ガスを圧縮する為の圧縮部2及び圧縮部2から排出される作業ガスを冷却することを意図されている冷却室3を使用する。複数の冷却機/液化機(L,R)の個々の冷却室3の夫々に冷却された作業ガスは、適用対象に対し冷気を供給する為に適用対象1と、分配回路11を介し、熱交換される。
【0021】
特に好ましいことに従えば、単一の圧縮部2が、並列に配置されている複数の冷却機/液化機L/Rの分離した個々の複数の冷却室3の夫々の為の作業ガスを圧縮する。
【0022】
圧縮部2は、適用時に、作業流体を貯蔵する為のいわゆる「熱い」緩衝器12に連結されて良い。もう1つの特に好ましいことに従えば、単一の圧縮部2は、油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械及び複数の圧縮機械からの出口で作業流体から油を除去する為の複数のシステムのみを備えている。このようであれば、複数の圧縮機械(油潤滑されているスクリュー圧縮機)及び複数のシステムが、並列に配置されている複数の冷却機/液化機により供給される。
【0023】
この構成は、作業流体を圧縮する為に必要な機械の数及び装置の種類を制限することを可能にする。
【0024】
これはまた、圧縮機の制限されている数を超えた負荷における変動を適切な調整手段(例えば、周波数変調器,調整器弁,その他)で集中させることを可能にする。
【0025】
さらには、これはまた、適用時に、複数の冷却サイクルによるよりもむしろ、圧縮機の型により又機能(冷却サイクル及び/又は消費者供給)により複数の圧縮部分をグループ化ことを可能にする。
【0026】
その構造はまた、適用時に、機能毎に又は圧縮段階毎に幾つかの流体サイクル圧力を提供することを可能にする。
【0027】
図2は、この発明に従っている第1の可能な実施形態を図示している。図2中から見ることが出来る如く、単一の共通な圧縮部2は、作業流体の為の幾つかの圧力水準VLP,LP,MP,HP,HP1,HP2を規定している複数の圧縮機械EC1,EC2,EC3を備えている。
【0028】
圧縮部2の入口では、1つ又はそれ以上の冷却室3から出されている流体が、いわゆる「非常に低い」圧力(VLP)で到着する。この非常に低い水準の圧力は適用対象1に従っていて、そして、この非常に低い圧力水準は幾つかの適用対象の為には出現しなくても良い(即ち、圧縮部における第1圧縮水準は「低い」と呼ばれていて、即ち、以下に言及されている範囲中に含まれている)。第1の圧縮機械EC1は、非常に低い圧力VLPよりも高いいわゆる「低い」圧力(LP)への作業流体における圧力上昇を提供する。この第1の圧縮機械EC1からの出口では、流体が油除去部材4中で油除去されて良く、そして次に熱交換機5において冷却される。第1の圧縮機械EC1の出口は次に、基礎圧力LPから高い圧力HPへと流体を圧縮する第2の圧縮機械EC2の入口に連結されている。この第2の圧縮機械EC2の入口はまた、複数の冷却室3から発せられているこの低い圧縮水準LPで流体を受ける。上に記載されている如く、この第2の圧縮機械EC2からの出口では、流体が油除去部材4中で油除去されて良く、そして次に熱交換機5において冷却される。複数の冷却室3へと戻る以前に、流体は最後の油除去システム14において最後のさらなる精選された油除去にさらされて良い。第3の圧縮機械EC3が圧縮部2中に配置されている。この第3の圧縮機械EC3はその入口において、低いLP水準と高いHP水準との間の中間のいわゆる「中間」圧力MPで複数の冷却室3からの流体が供給される。この第3の圧縮機械EC3はまた、その流体出口で作業流体の為の「高い」圧力水準HPを規定している。この第2の圧縮機械EC2からの出口では、流体が油除去部材4中で油除去されて良く、そして次に熱交換機5において冷却される。高い圧力の作業流体は、最後の油除去システム14の上流に注入される(パイプが第2の圧縮機械EC2の出口に連結されている)。
【0029】
この結果は従って、低い圧力LPと高い圧力HPとの間で幾つかの油潤滑されているスクリュー圧縮機械を組み合わせていて、そしてさらには、中間圧力MPと同じ高い圧力HPとの間の圧縮水準を有する。
【0030】
この構成は、特に低圧力LPと高圧力HPとの間のサイクルの部分において、最初の油取扱いシステム4(最後の油除去14以前の油除去システム4)の寸法を減少させる利点を有する。この構成はまた、回路のこの部分(特に、中間圧力MPと高い圧力HPとの間)において可能な流量と圧力における変動に対する柔軟性を保つことを同時に可能にしている。
【0031】
他方、この解決は、組み合わされた複数の圧縮機械が相互に関連していて変動を制御することがより困難であるので、低い圧力LPにおける作業流体の流量を変動させる可能性に関しては柔軟性が低い。
【0032】
圧縮機械により実行される複数の圧縮段階の夫々は、もちろん、並列に配置された2つ(又はそれ以上)の圧縮機により交換されて良い。これは、必要な作業流体の流量次第で、個々の圧縮水準が並列に配置されている幾つかの圧縮機中に分けられても良いからである。この場合には、複数の最初の油取扱い(油除去)及び冷却システムが、幾つかの圧縮機に対し共通であるか又は個々に振り分けられて良い。
【0033】
非常に低い圧縮水準VLP及び第1の圧縮機械EC1の圧縮比に従い、第1の圧縮機械EC1の出口はまた、いわゆる「中間」圧縮水準MPで、第3の圧縮機械EC3の入口に連結されて良い。構成の残りは同じままである。
【0034】
図3中における変化は、図1中におけるものから、設備が第2の圧縮機械EC2と並列に配置されている第4の圧縮機械EC12を備えていることにより区別される。第2の圧縮機械EC2に関するのと同様に、第4の圧縮機械EC12の流体入口は、第1の圧縮機械EC1の出口及び複数の冷却室3からのこの低い圧力の流体入口の両方に連結されている。第4の圧縮機械EC12の出口は、その部分が第3の圧縮機械EC3の入口に連結されている(第3の圧縮機械EC3の入口はまた、複数の冷却室からの流体を中間圧力MPで受ける)。
【0035】
以前の如く、並列の第2EC2及び第4EC12圧縮機械は夫々が、それらの出口に、割り当てられた油除去システム4及び割り当てられた熱交換機5を有して良い。変形例では、これら複数の油除去システム4及び熱交換機5が共通にされて良く、従って共有されて良い。
【0036】
前の如く、要求されている作業流体流量に従い、個々の圧縮水準は並列に配置されている幾つかの機械(複数の圧縮機)へと振り分けられて良い。
【0037】
また以前の如く、この解決は、低い圧力LPと高い圧力HPとの間の幾つかの圧縮機を組み合わせ、そしてさらに、中間の圧力MPと同じ高い圧力HPとの間の圧縮水準を提供する。
【0038】
しかしながら図3の場合には、低い圧力LPで作業流体の流れの一部分が、流体を中間の圧力MPへのみ圧縮する複数の圧縮機械EC12を通過する。
【0039】
複数の後者の圧縮機械EC12は、低い圧力の流体の流量における変動に対し反応する為に、複数の速度変化器が設けられて良い。低い圧力LPと中間の圧力MPとの間の流体の循環はまた、負荷における変動に対し反応する為に可能である。
【0040】
低い圧力LPと高い圧力HPとの間に組み合わされた単一の圧縮機又は複数の圧縮機EC2は、一定の流量及び負荷(適用対象1)における変動からの独立を伴い機能する。流量及び圧力における変動は、非常に低い入力圧力VLPとより高い水準(LP→MP→HP)との間である限り複数の圧縮機EC1,EC2,EC3のグループにより吸収される。
【0041】
図4中における変形例は、図3中のものから、第3の圧縮機械EC3及び第2の圧縮機械EC2の出口が、流体の為の個々の別の高い圧力水準HP1,HP2を規定している複数の分離した位置で少なくとも1つの冷却室3に連結されていることのみにより区別されている。さらには、図4中には、第4の圧縮機械EC12及びその下流の複数の部材(油除去ユニット4及び熱交換機5)を備えている導管が、(その追加の特徴をより良く示す為に)点線により示されている。
【0042】
図4のこの構成においては、第3EC3及び第2EC2の圧縮機械の夫々の高圧出口HP1,HP2が、個々の熱交換機5の下流に、個々の最後の油除去部材14を備えている。2つの通路間の圧力における差異の故に、2つの最後の油除去システム14が実際には必須である。
【0043】
前の如く、低い圧力LPでの流体の流れの一部分が高い圧力HP2へと直接的に圧縮されている。図4中におけるこの構成においては、この高い圧力HP2が、中間圧力MPと高い圧力HP1との間に圧縮する複数の圧縮機の出口で得られる高い圧力HP1から独立している。
【0044】
この特性はまた、種々の圧縮段階の圧縮機の種々の型の寸法及び効率を最高にすることを可能にする。
【0045】
2つの高い圧縮水準HP1及びHP2における夫々の結果としての複数の回路上の流体の流量及び圧力における変動は従って、より独立して取り扱われることが出来る。
【0046】
中間の圧力MPと高い圧力HP1との間の圧縮段階を備えている回路は、一般的に、そのシステムの冷却源である複数の冷却室3のサイクルの圧力低下タービンの主要部分を提要する。従って、このサイクルの変動は、複数の冷却機/液化機L/Rの冷却能力の直接の変動を許容する。
【0047】
他方、第2の圧縮機械EC2から出されている高い圧力流体回路HP2は、このサイクルの冷たい端で適用対象1及び/又はジュール―トムソン(Joule-Thompson)型の冷却の膨張回路を供給する為に使用されることが好ましい。
【0048】
この発明は特に、ヘリウム又は希ガスを使用している高い液化又は冷却能力を伴っているいかなる冷却/液化ユニットに対し適用して良い。
【0049】
限定的ではない例(3つの圧縮段階を伴っているが4つの圧力水準を規定している)によれば、複数の圧縮段階の個々の圧力段階、非常に低いVLP,低いLP,中間MP,そして高いHP、は、作業ガスの対応している複数の圧縮比及び複数の流量とともに、以下の範囲中に含められて良い。
【表1】
【0050】
図示されていた種々の実施形態における圧縮段階の状況は、(並列な幾つかであるよりもむしろ)単一の液化機/冷却機を使用している設備にもまた有利に適用できる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 単一の冷却機/液化機(L/R)又は並列に配置されている幾つかの冷却機/液化機(L/R)による同じ適用対象(1)の冷却の為の設備であって、単一又は複数の冷却機/液化機(L/R)は低モル質量を有している、即ち純粋なガス状ヘリウムの如き10g/モル以下の平均全体モル質量を有している、同じ性質の作業ガスを使用していて、個々の冷却機/液化機(L/R)は作業ガスを圧縮する為の圧縮部(2)を備えていて、冷却室(3)が圧縮部(2)からの出口で作業ガスを冷却することを意図されていて、複数の冷却機/液化機(L,R)の複数の冷却室(3)の夫々により冷却された作業ガスが適用対象(1)へと冷気を供給する為に適用対象(1)で熱交換され、そこにおいては単一又は複数の冷却機/液化機(L/R)の複数の全ての圧縮段階が複数の冷却機/液化機(L,R)の個々に分かれている冷却室(3)の夫々の為の作業ガスを圧縮する単一の圧縮部(2)を形成し、圧縮部(2)が油潤滑されているスクリュー型の複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)及び複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)から排出された作業流体から油を除去する為の複数のシステム(4,14)のみを備えていて、そして前記圧縮部(2)が作業流体の為の幾つかの圧力水準(VLP,LP,MP,HP,HP1,HP2)を規定している複数の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を備えていて、1つの圧力水準(VLP,LP,MP,HP,HP1,HP2)からより高い続きの圧力水準への通路は、1つ又はそれ以上の直列の圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を介し又は並列に配置されている幾つかの圧縮機械(EC1,EC2,EC3)を介し達成されており、圧縮部は圧縮部(2)の入口での流体の圧力水準(VLP/LP)以上の少なくとも2つの増大している圧力水準(MP,HP)を規定している少なくとも2つの圧縮機械(EC2,EC3)を備えていて、2つの主要な圧縮機械(EC1,EC2)が直列に配置されているともにそれ等の個々の流体出口での圧力水準を「低い」(LP)及び「高い」(HP)と規定していて、もう1つの第2の圧縮機械(EC3)は複数の冷却室(3)から低い(LP)圧力水準と高い(HP)圧力水準との間の中間のいわゆる「中間」(MP)圧力水準で出される流体がその入口で供給されていて、この第2の圧縮機械(EC3)はその流体出口ではまた「高い」(HP)圧力水準を規定していて、中間圧力水準(MP)は主要な圧縮機械(EC1,EC2)の入口での圧力水準よりも高い、
冷却の為の設備。
[2] 第2の圧縮機械(EC3)の及び主要な圧縮機械(EC2)の出口は、同じ高い圧力水準(HP)を規定している共通の導管に連結されている、ことを特徴とする[1]に従っている冷却の為の設備。
[3] 第2の圧縮機械(EC3)の及び主要な圧縮機械(EC2)の出口は、流体の為の個々に別の高い圧力水準(HP1,HP2)を規定している別の複数の場所で少なくとも1つの冷却室(3)に連結されている、ことを特徴とする[1]に従っている冷却の為の設備。
[4] 第2の圧縮機械(EC3)の出口での高い圧縮水準(HP)は、主要な圧縮機械(EC1,EC2)の入口圧力水準よりも高い、ことを特徴とする[1]乃至[3]の何れか1項に従っている冷却の為の設備。
[5] 主要な圧縮機械(EC1,EC2)が、一方が他方に続き直列に、即ちそれらの間に直列にいかなる他の第2の圧縮機械無しで、配置されている、ことを特徴とする[1]乃至[4]の何れか1項に従っている冷却の為の設備。
[6] 第1の主要な圧縮機械(EC1)の出口での流体圧力水準が低い水準(LP)であって第2の主要な圧縮機械(EC2)の入口での流体圧力水準に対応していて、中間圧力水準(MP)が低い圧力水準(LP)と高い圧力水準(HP)との間の中間である、ことを特徴とする[1]乃至[5]の何れか1項に従っている冷却の為の設備。
図1
図2
図3
図4