(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記課金処理システムが、前記第1の駐車区画に設けられた前記充電器の使用の有無に関わらず、前記第1の駐車区画への駐車に対して前記第1の課金額に基づく課金を行う
請求項1に記載の駐車場。
充電器が設けられ、駐車した車両に対して当該充電器により充電を行うことが可能な第1の駐車区画と、充電器が設けられていない第2の駐車区画とを含む複数の駐車区画を有する駐車場の課金方法であって、
料金収受機が、前記車両が駐車した前記駐車区画が第1の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第1の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第1の課金額を乗算することで駐車料金を算出し、前記車両が駐車した前記駐車区画が第2の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第2の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第2の課金額を乗算することで駐車料金を算出し、
各前記第1の駐車区画に設けられ、当該第1の駐車区画への駐車の有無を検知する駐車センサによって前記第1の駐車区画への駐車が検知された場合に、電気供給制御装置が、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を開始し、
前記第1の駐車区画への駐車に対する駐車料金が支払われた場合に、前記電気供給制御装置が、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を停止し、
前記第1の課金単位時間が前記第2の課金単位時間より長く、
前記第1の駐車区画に前記第1の課金単位時間と前記第2の課金単位時間との公倍数に係る時間だけ駐車する場合の駐車料金と前記第2の駐車区画に前記公倍数に係る時間だけ駐車する場合の駐車料金とが等しい
駐車場の課金方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術によれば、充電終了後も充電器を備える駐車区画から移動しない電動車両を減らし、充電装置の利用率を向上することが期待できる。他方、特許文献1に開示された技術によっても、電動車両優先の駐車区画に充電をしない車両が駐車してしまうという問題は解決することができない。
本発明の目的は、充電器が設けられた駐車区画への充電を要しない車両の駐車を抑制できる駐車場および駐車場の課金方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、駐車場は、複数の駐車区画で構成された駐車場であって、各前記駐車区画への駐車に対し、駐車した時間に応じた課金額の課金を行う課金処理システムを備え、複数の前記駐車区画が、充電器が設けられ、駐車した車両に対して当該充電器により充電を行うことが可能な第1の駐車区画と、充電器が設けられていない第2の駐車区画とを含み、前記課金処理システムが、前記車両が駐車した前記駐車区画が第1の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第1の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第1の課金額を乗算することで駐車料金を算出し、前記車両が駐車した前記駐車区画が第2の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第2の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第2の課金額を乗算することで駐車料金を算出する
料金収受機と、各前記第1の駐車区画に設けられ、当該第1の駐車区画への駐車の有無を検知する駐車センサと、前記駐車センサによって前記第1の駐車区画への駐車が検知された場合に、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を開始し、前記第1の駐車区画への駐車に対する駐車料金が支払われた場合に、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を停止する電気供給制御装置とを備え、前記第1の課金単位時間が前記第2の課金単位時間より長く、前記第1の駐車区画に前記第1の課金単位時間と前記第2の課金単位時間との公倍数に係る時間だけ駐車する場合の駐車料金と前記第2の駐車区画に前記公倍数に係る時間だけ駐車する場合の駐車料金とが等しい。
【0008】
本発明の
第2の態様によれば、
第1の態様に係る駐車場は、前記第1の駐車区画に設けられた前記充電器の使用の有無に関わらず、前記第1の駐車区画への駐車に対して前記第1の課金額に基づく課金を行う。
【0009】
本発明の
第3の態様によれば、
第1または第2の態様に係る駐車場は、前記第1の駐車区画が、前記第2の駐車区画と比較して商業施設の入口の近くまたは前記駐車場の出入口の近くに設けられる。
【0010】
本発明の
第4の態様によれば、
第1または第2の態様に係る駐車場は、前記第2の駐車区画が、前記第1の駐車区画と比較して商業施設の入口の近くまたは前記駐車場の出入口の近くに設けられる。
【0011】
本発明の
第5の態様によれば、
第1または第2の態様に係る駐車場は、前記第1の駐車区画は、前記複数の駐車区画のうち、過去の所定期間の稼働率が最も低い駐車区画である。
【0012】
本発明の
第6の態様によれば、第1から
第5の何れかの態様に係る駐車場は、前記第1の課金単位時間は、前記第2の課金単位時間の整数倍の時間である。
【0015】
本発明の
第7の態様によれば、駐車場の課金方法は、充電器が設けられ、駐車した車両に対して当該充電器により充電を行うことが可能な第1の駐車区画と、充電器が設けられていない第2の駐車区画とを含む複数の駐車区画を有する駐車場の課金方法であって、
料金収受機が、前記車両が駐車した前記駐車区画が第1の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第1の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第1の課金額を乗算することで駐車料金を算出し、前記車両が駐車した前記駐車区画が第2の駐車区画である場合に、前記車両の駐車時間を第2の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に、第2の課金額を乗算することで駐車料金を算出し、
各前記第1の駐車区画に設けられ、当該第1の駐車区画への駐車の有無を検知する駐車センサによって前記第1の駐車区画への駐車が検知された場合に、電気供給制御装置が、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を開始し、前記第1の駐車区画への駐車に対する駐車料金が支払われた場合に、前記電気供給制御装置が、当該第1の駐車区画に設けられた充電器への電気供給を停止し、前記第1の課金単位時間が前記第2の課金単位時間より長く、前記第1の駐車区画に前記第1の課金単位時間と前記第2の課金単位時間との公倍数に係る時間だけ駐車する場合の駐車料金と前記第2の駐車区画に前記公倍数に係る時間だけ駐車する場合の課金額とが等しい。
【発明の効果】
【0016】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、充電器が設けられている第1の駐車区画への駐車に対する課金の単位課金時間が、充電器が設けられていない第2の駐車区画への駐車に対する課金の単位課金時間より長く、両駐車区画の課金単位時間の公倍数に係る時間における課金額が等しい。これにより、駐車時間が同じであっても、第1の駐車区画への駐車に対する課金額が第2の駐車区画への駐車に対する課金額より高くなる状況を生じさせることができる。例えば、第1の駐車区画の料金体系を60分当たり400円とし、第2の駐車区画の料金体系を15分当たり100円とした場合において、駐車時間が40分である場合、第1の駐車区画への駐車に対する課金額は400円となり、第2の駐車区画への駐車に対する課金額は300円となる。これにより、車両へ充電する予定がない利用者に、第1の駐車区画への駐車を忌避させることができる。また、駐車区画への駐車に対する課金は、時間当たりの課金額に基づいてなされるため、二次電池への充電が完了した電動車両の利用者に、当該駐車区画への駐車の継続を忌避させることができる。これにより、充電器が設けられている駐車区画への充電を要しない車両の駐車を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
《第1の
参考例》
以下、図面を参照しながら実施形態
および参考例について詳しく説明する。
図1は、第1の
参考例に係る駐車場1の外観を示す鳥瞰図である。
第1の
参考例に係る駐車場1は、商業施設Sに併設されたものである。駐車場1は、入口および出口を除く外周を囲うボラード11と、入口に設けられた入口側遮断器13および発券機14と、出口に設けられた出口側遮断器15および料金収受機16と、ボラード11に囲われた領域内に設けられた複数の駐車区画12とを備える。
【0019】
ボラード11は、一定の間隔で配置されることで車両Cの駐車場1への進入を阻む杭状の障害物である。ボラード11は、車両Cの幅より狭く、かつ歩行者が通行可能な幅より広い間隔で設置される。これにより、車両Cは駐車場1の入口より入場し、出口より退場する必要がある一方で、車両Cから降りた利用者は、任意の場所より駐車場1に入退場することができる。
【0020】
入口側遮断器13は、駐車場1の入口の通路に進入した車両Cの運転手等が、発券機14から発行された通行券を取得するまで車両Cを発進させないようにする目的でゲートの開放および閉塞を行う。
発券機14は、車両Cの運転手等がボタンを押下することにより通行券を発行する。発券機が発行する通行券には、発券時刻が記録される。
出口側遮断器15は、駐車場1の出口の通路に進入した車両Cの運転手等が、料金収受機16に料金を支払うまで車両Cを発進させないようにする目的でゲートの開放および閉塞を行う。
料金収受機16は、通行券の挿入を受け付け、挿入された通行券に記録された発券時刻に基づいて、駐車した時間に応じた課金額の課金を行う。つまり、料金収受機16は、駐車場1内の駐車区画12への駐車に対し、駐車した時間に応じた課金額の課金を行う。
【0021】
駐車区画12は、駐車場1の領域内の区画であって、車両Cを駐車すべき位置を表す白線が引かれている。本
参考例に係る駐車場1の駐車区画12は、プレミアム駐車区画12Aと一般駐車区画12Bと身体障害者用駐車区画12Cの3種類の区画からなる。
【0022】
プレミアム駐車区画12Aは、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cと比較して相対的に商業施設の入口の近くに設けられた区画である。つまり、車両Cが電動車両であるか否かに関わらず、プレミアム駐車区画12Aの利便性は、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの利便性と比較して相対的に高いものとなっている。各プレミアム駐車区画12Aには、駐車センサ121、フラップ板122および充電器123が設けられている。プレミアム駐車区画12Aは、充電器123が設けられ、駐車した車両Cに対して当該充電器123により充電を行うことが可能な第1の駐車区画の一例である。
【0023】
駐車センサ121は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車の有無を検知するセンサである。例えば、駐車センサ121は、プレミアム駐車区画12Aの床下に埋設された磁気センサによって実現される。
フラップ板122は、起立することで車両Cがプレミアム駐車区画12Aから退出することを阻み、倒伏することで車両Cがプレミアム駐車区画12Aから退出することを許容する。
充電器123は、所定のケーブルを介して車両Cと接続されることで、車両Cの二次電池を充電するための電力を供給する。
【0024】
これに対し、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cには、その外枠に車両Cを駐車すべき位置を表す白線が引かれるのみであって、充電器123等の機器が設置されていない。一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cは、充電器123が設けられていない第2の駐車区画の一例である。なお、身体障害者用駐車区画12Cは、一般駐車区画12Bと比較して幅が広くなっている。
【0025】
駐車場1内のプレミアム駐車区画12Aの近傍には、プレミアム料金収受機17が設けられている。プレミアム料金収受機17は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対し、駐車した時間に応じた課金額の課金を行う。またプレミアム料金収受機17は、発券機14が発行した通行券の挿入を受け入れ、挿入された通行券に、駐車時間に応じた割引処理を行う。これによりプレミアム料金収受機17は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車時間分の駐車料金が料金収受機16により二重に課金されることを防ぐ。なお、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金の課金単位時間は、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cへの駐車に対する課金の課金単位時間より長い。また、一般駐車区画12Bへの駐車に係る課金額は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に係る課金額に、第2の課金単位時間を第1の課金単位時間で除算した値を乗算して得られる金額に等しい。
【0026】
具体的には、料金収受機16による課金体系は、例えば15分(第2の課金単位時間)ごとに100円を課金するものである。これに対し、プレミアム料金収受機17による課金体系は、例えば60分(第1の課金単位時間)ごとに400円を課金するものである。つまり、本
参考例によれば、駐車時間60分あたりの課金額は、プレミアム駐車区画12Aと一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cとで等しい。なお、60分は、第1の課金単位時間60分と第2の課金単位時間15分との公倍数である。一方、駐車時間が45分未満である場合、プレミアム駐車区画12Aの課金額は、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの課金額より高くなる。
つまり、駐車時間が同じであっても、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金額が一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cへの駐車に対する課金額より高くなる状況が生じることがある。これは、プレミアム駐車区画12Aに駐車することで、商業施設Sとの往復が容易になり、かつ充電器123を用いて車両Cの二次電池を充電できるというインセンティブが発生するためである。
なお、本
参考例に係る料金収受機16(第2の課金処理装置)とプレミアム料金収受機17(第1の課金処理装置)は、各駐車区画12への駐車に対し、駐車した時間に応じた課金額の課金を行う課金処理システムの構成要素である。
【0027】
なお、プレミアム料金収受機17は、プレミアム駐車区画12Aに設けられた充電器123の使用の有無に関わらず、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対して一律の課金額に基づく課金を行う。つまり、プレミアム料金収受機17は、充電器123の使用に対する追加料金を課金しない。つまり、プレミアム駐車区画12Aに駐車した車両Cの利用者は、当該車両Cの二次電池を無料で充電することができる。
【0028】
図2は、プレミアム駐車区画12Aに車両Cが駐車するときにおける第1の
参考例に係るプレミアム料金収受機17の動作を示すフローチャートである。
プレミアム駐車区画12Aに車両Cが駐車すると、駐車センサ121が当該車両Cの駐車を検知する。プレミアム料金収受機17は、駐車センサ121から車両Cの駐車を検知したことを示すセンサ情報を受け取ると(ステップS1)、当該駐車センサ121が設けられたプレミアム駐車区画12Aの識別番号を特定する(ステップS2)。
【0029】
次に、プレミアム料金収受機17は、特定した識別番号が示すプレミアム駐車区画12Aに設けられたフラップ板122のアクチュエータを駆動し、フラップ板122を起立させる(ステップS3)。これにより、フラップ板122は、プレミアム駐車区画12Aからの車両Cの退出を阻むことができる。また、プレミアム料金収受機17は、内部メモリに特定した識別番号に関連付けて現在時刻を記憶する(ステップS4)。
【0030】
次に、プレミアム料金収受機17は、特定した識別番号が示すプレミアム駐車区画12Aに設けられた充電器123への電力供給を開始する(ステップS5)。例えば、プレミアム料金収受機17は、充電器123に電力を供給する分電盤に設置したリレーに信号を送ることで、充電器123に電気を流す。これにより、プレミアム駐車区画12Aに駐車した車両Cの利用者は、駐車センサ121が駐車を検知したプレミアム駐車区画12Aに設けられた充電器123を用いた充電を行うことができる。なお、このようにプレミアム料金収受機17がプレミアム駐車区画12Aへの駐車を検知した場合に充電器123への電力供給を行うことで、当該充電器123が一般駐車区画12Bまたは身体障害者用駐車区画12Cに駐車した車両Cの利用者に利用されることを防ぐことができる。
【0031】
図3は、プレミアム駐車区画12Aから車両Cが退出するときにおける第1の
参考例に係るプレミアム料金収受機17の動作を示すフローチャートである。
プレミアム駐車区画12Aから車両Cを退出させる場合、利用者はプレミアム料金収受機17に、車両Cを退出させるプレミアム駐車区画12Aの識別番号を入力する。プレミアム駐車区画12Aの識別番号は、例えばプレミアム駐車区画12Aの地面に白線で記載される。プレミアム料金収受機17は、識別番号の入力を受け付けると(ステップS11)、当該識別番号に関連付けて内部メモリに記録された時刻から現在時刻を減算することでプレミアム駐車区画12Aへの駐車時間を特定する(ステップS12)。次に、プレミアム料金収受機17は、特定した駐車時間を第1の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に所定の課金額を乗算することで駐車料金を算出し(ステップS13)、当該駐車料金をディスプレイに表示させる(ステップS14)。
【0032】
次に、プレミアム料金収受機17は、表示させた駐車料金の支払いを待機する(ステップS15)。なお、駐車料金の支払いは、現金によってなされても良いし、クレジットカード、プリペイドカードまたはその他のカードによってなされても良い。プレミアム料金収受機17は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金が完了すると、利用者から発券機14によって発行された通行券の挿入を受け付ける。プレミアム料金収受機17は、挿入された通行券に、駐車時間に応じた割引情報を記録し、通行券を取出口へ排出する(ステップS16)。具体的には、プレミアム料金収受機17は、ステップS12で特定した駐車時間以上の時間であって、第1の課金単位時間の整数倍によって表される最小の時間についての割引情報を、通行券に記録する。例えば、第1の課金単位時間が60分であり、駐車時間が70分である場合、プレミアム料金収受機17は、120分に相当する割引情報を通行券に記録する。
【0033】
次に、プレミアム料金収受機17は、フラップ板122のアクチュエータを駆動させ、フラップ板122を倒伏させる(ステップS17)。これにより、フラップ板122は、プレミアム駐車区画12Aからの車両Cの退出を許容する。次に、プレミアム料金収受機17は、駐車センサ121が駐車を検知したプレミアム駐車区画12Aに設けられた充電器123への電力供給を停止させる(ステップS18)。例えば、プレミアム料金収受機17は、充電器123に電力を供給する分電盤に設置したリレーに信号を送ることで、充電器123へ電気が流れないようにする。これにより、当該充電器123を用いた充電ができなくなる。このようにプレミアム料金収受機17による課金が完了した後に充電器123への電力供給を断つことで、駐車が終わったにもかかわらず継続して車両Cに対する充電がなされることを防ぐことができる。
【0034】
以上、本
参考例によれば、充電器123が設けられているプレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金の単位課金時間が、充電器123が設けられていない一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cへの駐車に対する課金の単位課金時間より長く、両駐車区画12の課金単位時間の公倍数に係る時間における課金額が等しい。これにより、駐車時間が同じであっても、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金額が一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cへの駐車に対する課金額より高くなる可能性が生じる。これにより、車両Cへ充電する予定がないユーザに、プレミアム駐車区画12Aへの駐車を忌避させることができる。他方、車両Cへの充電を望んでいるユーザは、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cと同じ課金レートで、車両Cを充電することができる。
また、駐車時間が同じであっても、プレミアム駐車区画12Aの課金額が一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの課金額より高くなる場合があるため、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cが満車である場合にもプレミアム駐車区画12Aに空きがある可能性が高い。そのため、プレミアム駐車区画12Aは、駐車料金が割高になる可能性があっても車両Cを駐車したい利用者を、プレミアム駐車区画12Aに誘導し、その対価として充電器123の使用などのインセンティブを提供することができる。
【0035】
また、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金は、時間当たりの課金額に基づいてなされるため、車両Cの二次電池への充電が完了した電動車両の利用者に、プレミアム駐車区画12Aへの駐車の継続を忌避させることができる。つまり、二次電池への充電が完了した後も継続してプレミアム駐車区画12Aに車両Cを駐車させる場合、二次電池への充電がなされないにも関わらず一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cより駐車料金が割高になる可能性が生じる。そのため、利用者が車両Cの二次電池への充電のみを目的としてプレミアム駐車区画12Aに車両Cを駐車した場合、当該利用者に一般駐車区画12Bまたは身体障害者用駐車区画12Cへの車両Cを移動させることを検討させることができる。
【0036】
また、本
参考例によれば、第1の課金単位時間と第2の課金単位時間の公倍数に係る時間におけるプレミアム駐車区画12Aの課金額と一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの課金額とが等しい。そのため、駐車場1は、充電器123が設けられた駐車区画12への充電を要しない車両Cの駐車を抑制しつつ、駐車場1の利用者を混乱させることを防ぐことができる。
【0037】
また、本
参考例によれば、プレミアム料金収受機17は、プレミアム駐車区画12Aに設けられた充電器123の使用の有無に関わらず、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対して一律の課金額に基づく課金を行う。つまり、プレミアム駐車区画12Aの利用者は無料で充電器123を使用することができる。これにより本
参考例に係る駐車場1は、電動車両以外の車両Cの利用者が充電器123があることを理由にプレミアム駐車区画12Aへの駐車を躊躇うことを防ぐことができる。つまり、本
参考例に係る駐車場1は、プレミアム駐車区画12Aの駐車料金が一般駐車区画12Bより割高になる可能性を持たせることで、電動車両以外の車両Cの利用者がプレミアム駐車区画12Aに駐車することに対し、後ろめたさを感じさせなくさせることができる。
なお、充電器の使用時間や使用電力量に応じた課金を行う駐車場においては、充電器が設けられた駐車区画に空きがあり、かつ一般の駐車区画に空きが無い場合に、電動車両以外の車両の利用者が電動車両優先の駐車区画に駐車することを躊躇うことにより、駐車区画の利用率が低下するという問題が生じている。
【0038】
また、本
参考例に係るプレミアム駐車区画12Aは、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cに比べ、相対的に商業施設Sの入口の近くに設けられている。つまり、プレミアム駐車区画12Aの利便性は、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの利便性に比べて高い。これにより、電動車両の利用者のみならず、電動車両以外の車両Cの利用者にも、プレミアム駐車区画12Aに駐車することによるインセンティブを享受させることができる。
【0039】
また、本
参考例に係る駐車場1は、プレミアム駐車区画12A、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cへの駐車に対して一律の課金額に基づく課金を行う料金収受機16と、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対して一律の課金額に基づく課金を行い、通行券に割引情報を記録するプレミアム料金収受機17とを備える。つまり、駐車場1は、既存の料金収受機および割引機を組み合わせることで、プレミアム駐車区画12Aと一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cとで別の課金単位時間に基づく課金を行うことができる。
【0040】
また、本
参考例に係る駐車場1は、プレミアム駐車区画12Aにフラップ板122を設けることで車両Cのプレミアム駐車区画12Aからの退出を妨げるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る駐車場1は、プレミアム駐車区画12Aの入口および出口に、遮断器を備えることで、プレミアム駐車区画12Aからの退出を妨げるものであっても良い。この場合、駐車場1は、プレミアム駐車区画12Aの入口に発券機を備え、プレミアム料金収受機17は、当該発券機によって発行された通行券に基づいて課金を行う。なお、商業施設Sは、プレミアム駐車区画12Aに駐車したことにより発行される通行券の提示により、利用者がインセンティブを受けられるようにしても良い。インセンティブの例としては、利用者が3000円以上の買い物をした場合に駐車無料時間を1時間延長すること、利用者が1万円以上の買い物をした場合に500円分の金券を贈呈することなどが挙げられる。
【0041】
《
第1の実施形態》
図4は、
第1の実施形態に係る駐車場1の外観を示す鳥瞰図である。
第1の実施形態に係る駐車場1は、コインパーキング駐車場である。駐車場1は、入口および出口を除く外周を囲うフェンス18と、フェンス18に囲われた領域内に設けられた複数の駐車区画12と、駐車区画への駐車に対する課金を行う料金収受機16とを備える。フェンス18は、車両Cの駐車場1への進入を阻む障害物である。なお、フェンス18は、第1の
参考例に係るボラード11のように利用者が通行可能でなくても良い。
【0042】
本実施形態に係る駐車場1は、第1の
参考例に係る駐車場1が備えるプレミアム料金収受機17を備えない。つまり、本実施形態に係る駐車場1は、1台の料金収受機16によってプレミアム駐車区画12Aおよび一般駐車区画12Bに対する課金を行う。
【0043】
駐車区画12は、駐車場1の領域内の区画であって、車両Cを駐車すべき位置を表す白線が引かれている。本実施形態に係る駐車場1の駐車区画12は、プレミアム駐車区画12Aと一般駐車区画12Bの2種類の区画からなる。本実施形態に係る駐車区画12は、プレミアム駐車区画12Aであるか一般駐車区画12Bであるかに関わらず、駐車センサ121およびフラップ板122を備える。
【0044】
プレミアム駐車区画12Aは、駐車場1に2か所設けられている。各プレミアム駐車区画12Aは、いずれも駐車場1が備える駐車区画12のうち最も出入口側に設けられた区画である。駐車場1の通路は奥行き方向に伸びているため、出入口付近の駐車区画12は、車両Cの切り返し運転が容易である区画であり、かつ駐車場1に出入りするために利用者が歩くべき歩数が少なくすむ区画である。また、本実施形態に係る料金収受機16は、プレミアム駐車区画12Aの近傍に設けられている。つまり、車両Cが電動車両であるか否かに関わらず、プレミアム駐車区画12Aの利便性は、一般駐車区画12Bの利便性と比較して相対的に高いものとなっている。プレミアム駐車区画12Aには、駐車センサ121およびフラップ板122に加え、充電器123が設けられている。
一般駐車区画12Bには、駐車センサ121およびフラップ板122が設けられている一方、充電器123が設けられない。
【0045】
ここで、本実施形態に係る料金収受機16の動作について説明する。
図5は、駐車区画12に車両Cが駐車するときにおける
第1の実施形態に係る料金収受機16の動作を示すフローチャートである。
駐車区画12に車両Cが駐車すると、駐車センサ121が当該車両Cの駐車を検知する。料金収受機16は、駐車センサ121から車両Cの駐車を検知したことを示すセンサ情報を受け取ると(ステップS101)、当該駐車センサ121が設けられた駐車区画12の識別番号を特定する(ステップS102)。
【0046】
次に、料金収受機16は、特定した識別番号が示す駐車区画12に設けられたフラップ板122のアクチュエータを駆動し、フラップ板122を起立させる(ステップS103)。また、料金収受機16は、内部メモリに特定した識別番号に関連付けて現在時刻を記憶する(ステップS104)。
【0047】
次に、料金収受機16は、特定した識別番号が示す駐車区画12がプレミアム駐車区画12Aであるか否かを判定する(ステップS105)。なお、いずれの識別番号がプレミアム駐車区画12Aを示すかは、予め料金収受機16内部の不揮発メモリに記録されている。特定した識別番号が示す駐車区画12がプレミアム駐車区画12Aでない場合(ステップS105:NO)、料金収受機16は、処理を終了する。他方、特定した識別番号が示す駐車区画12がプレミアム駐車区画12Aである場合(ステップS105:YES)、プレミアム料金収受機17は、充電器123への電力供給を開始する(ステップS106)。
【0048】
図6は、駐車区画12から車両Cが退出するときにおける
第1の実施形態に係る料金収受機16の動作を示すフローチャートである。
駐車区画12から車両Cを退出させる場合、利用者は料金収受機16に、車両Cを退出させる駐車区画12の識別番号を入力する。駐車区画12の識別番号は、例えば駐車区画12の地面に白線で記載される。料金収受機16は、識別番号の入力を受け付けると(ステップS111)、当該識別番号に関連付けて内部メモリに記録された時刻から現在時刻を減算することで駐車区画12への駐車時間を特定する(ステップS112)。
【0049】
次に、料金収受機16は、特定した識別番号が示す駐車区画12がプレミアム駐車区画12Aであるか否かを判定する(ステップS113)。特定した識別番号が示す駐車区画12がプレミアム駐車区画12Aである場合(ステップS113:YES)、料金収受機16は、特定した駐車時間を第1の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値にプレミアム駐車区画12Aへの駐車に係る課金額を乗算することで駐車料金を算出し(ステップS114)、当該駐車料金をディスプレイに表示させる(ステップS115)。
【0050】
次に、料金収受機16は、表示させた駐車料金の支払いを待機する(ステップS116)。料金収受機16は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に対する課金が完了すると、フラップ板122のアクチュエータを駆動させ、フラップ板122を倒伏させる(ステップS117)。そして、料金収受機16は、充電器123への電力供給を停止させる(ステップS118)。
【0051】
他方、特定した識別番号が示す駐車区画12が一般駐車区画12Bである場合(ステップS113:NO)、料金収受機16は、特定した駐車時間を第2の課金単位時間で除算して端数を切り上げた値に一般駐車区画12Bへの駐車に係る課金額を乗算することで駐車料金を算出し(ステップS119)、当該駐車料金をディスプレイに表示させる(ステップS120)。なお、一般駐車区画12Bへの駐車に係る課金額は、プレミアム駐車区画12Aへの駐車に係る課金額に、第2の課金単位時間を第1の課金単位時間で除算した値を乗算して得られる金額に等しい。
【0052】
次に、料金収受機16は、表示させた駐車料金の支払いを待機する(ステップS121)。料金収受機16は、一般駐車区画12Bへの駐車に対する課金が完了すると、フラップ板122のアクチュエータを駆動させ、フラップ板122を倒伏させる(ステップS122)。
【0053】
このように、本実施形態に係る駐車場1によれば、プレミアム料金収受機17を備えることなく、第1の
参考例と同様の効果を奏することができる。
【0054】
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態に係るプレミアム駐車区画12Aは、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cと比較して利便性が高い場所に設けられるが、これに限られない。つまり、他の実施形態に係るプレミアム駐車区画12Aは、一般駐車区画12Bまたは身体障害者用駐車区画12Cと利便性が同等の場所または利便性が低い場所に設けられても良い。プレミアム駐車区画12Aの課金額が一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの課金額より高いため、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cが満車である場合にもプレミアム駐車区画12Aに空きがある可能性が高い。そのため、プレミアム駐車区画12Aは、利用者に対し、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cが満車である場合にも車両Cを駐車できるというインセンティブを提供することができる。
【0055】
特に、複数のコインパーキングが存在する地区に設けられたコインパーキングや、稼働率の低いコインパーキングにおいては、最も利便性が高い駐車区画12の課金額が他の駐車区画12の課金額と比較して高い場合、それを理由に利用者が他のコインパーキングの利用を検討する可能性がある。このようなコインパーキングにおいては、敢えて利便性が低い駐車区画12をプレミアム駐車区画12Aとすることで、電動車両の駐車を誘引できる可能性がある。利便性が低い駐車区画12の例としては、商業施設Sの入口から遠い区画、駐車場1の出入口から遠い区画、道路から入庫して最も駐車しづらい区画、前向き駐車の必要がある区画などが挙げられる。これは、利便性が低い駐車区画12をプレミアム駐車区画12Aとしてプレミアム駐車区画12Aに車両Cが駐車している確率を低減させることで、当該コインパーキングを、プレミアム駐車区画12Aが空車である可能性が比較的高い駐車場にすることができるためである。これにより、電動車両の充電を望む利用者に、充電器123が利用可能な可能性が比較的高い当該コインパーキングを利用することを検討させることができる。
【0056】
また、他の実施形態では、客観的に認識しうる利便性によらず、過去の稼働率が低い駐車区画12をプレミアム駐車区画12Aとしても良い。料金収受機16が各駐車区画12の稼働状況を収集する機能を有する場合、駐車場1の運営者は、収集された稼働状況に基づいて、過去の所定期間における稼働率が最も低い駐車区画12を特定し、当該駐車区画12をプレミアム駐車区画12Aとして設定することができる。
つまり、駐車場1の運営者は、任意の駐車区画12をプレミアム駐車区画12Aとして良く、充電器123を設置することによる既存の顧客の利便性低下と、新規の顧客の利便性向上との比較に基づいてプレミアム駐車区画12Aの配置を決定することができる。
【0057】
また、上述した実施形態では、プレミアム駐車区画12Aの利便性が一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cの利便性と比較して高いことを示す例として、プレミアム駐車区画12Aが商業施設Sの入口の近くに設けられることと、プレミアム駐車区画12Aが駐車場1の出入口の近くに設けられることとを挙げたが、これに限られない。例えば、一般駐車区画12Bおよび身体障害者用駐車区画12Cに屋根が設けられない場合、プレミアム駐車区画12Aに屋根を設けることで、プレミアム駐車区画12Aは、雨および夏の強い日光を遮ることができるという利便性を提供することができる。
【0058】
また、上述した実施形態では、第1の課金単位時間(60分)が第2の課金単位時間(15分)の整数倍の時間である場合について説明したが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、第1の課金単位時間が第2の課金単位時間の整数倍でなくても良い。例えば、第1の課金単位時間を30分とし、第2の課金単位時間を20分としても良い。この場合、駐車時間が20分から30分の間など、一時的に一般駐車区画12Bの駐車料金がプレミアム駐車区画12Aの駐車料金より高額になることがあるが、一般駐車区画12Bの駐車料金がプレミアム駐車区画12Aの駐車料金より低額になる割合の方が高いため、上述した実施形態と同様の効果を期待することができる。なお、第1の課金単位時間が第2の課金単位時間の整数倍である場合、駐車時間が同じであれば一般駐車区画12Bまたは身体障害者用駐車区画12Cの駐車料金がプレミアム駐車区画12Aの駐車料金より高額になることがない。
【0059】
また、上述した実施形態に係る充電器123は、ケーブルを介して車両Cの二次電池を充電するが、これに限られず、他の実施形態に係る充電器123は、いわゆる非接触方式の充電器であっても良い。
【0060】
なお、上述の料金収受機16およびプレミアム料金収受機17は、いずれもCPU、主記憶装置、補助記憶装置およびインタフェースを備えるコンピュータに実装される。そして、上述した各動作は、プログラムの形式で補助記憶装置に記憶されている。CPUは、プログラムを補助記憶装置から読み出して主記憶装置に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0061】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。