【実施例1】
【0038】
以下、
図1−
図14を参照しながら実施例1を説明する。
図1は本発明の自動ドア装置の構成図、
図2は本発明のタイミングベルト連結用具と、吊り金具、及び、取り付け金具の斜視図、
図3はタイミングベルト連結用具の実施例1の分解斜視図、
図4は
図3における用具本体を構成する半割本体の一方を示す図であって、(a)は半割本体の斜視図、(b)は半割本体の側面図、
図5はタイミングベルト固定レバーの斜視図、
図6はタイミングベルト抜け防止レバーの斜視図、
図7はタイミングベルト連結用具の斜視図、
図8はタイミングベルトの端末をタイミングベルト連結用具に接続固定する作業手順の説明図であって、タイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定する前の状態を示す図、
図9はタイミングベルトの端末をタイミングベルト連結用具に接続固定する作業手順の説明図であって、
図8につづく図、
図10はタイミングベルトの端末をタイミングベルト連結用具に接続固定する作業手順の説明図であって、
図9につづく図、
図11はタイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定した状態であって、タイミングベルト抜け防止レバーをタイミングベルト固定レバーに係合する前の状態を示す図、
図12はタイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定した状態であって、タイミングベルト抜け防止レバーをタイミングベルト固定レバーに係合した状態を示す図、
図13はタイミングベルト抜け防止レバーとタイミングベルト固定レバーとの係合を解除した状態を示す図、
図14はタイミングベルト抜け防止レバーとタイミングベルト固定レバーとの係合を解除した後、タイミングベルト抜け防止レバーを押し上げた状態を示す図である。
なお、図中の矢印は、前後、上下、左右の各方向を示している(矢印の各方向は一例であるものとする)。
【0039】
図1において、引用符号1は、本発明に係るタイミングベルト連結用具を備える自動ドア装置を示している。
自動ドア装置1は、
図1に図示するように、取り付け用の自動ドア装置ベース2と、この自動ドア装置ベース2に取り付けられる駆動ユニット3と、駆動ユニット3の駆動により開閉動するドア4とを備えて構成されている。
【0040】
図1に図示するように、駆動ユニット3は、モーター5と、このモーター5からの駆動力が伝達される減速機6とを備えている。減速機6には、シャフト7が組み込まれている。シャフト7には、プーリー8(主動プーリー)が組み付けられている。プーリー8は、回動自在な状態に組み付けられている。プーリー8から離れた位置には、アイドラープーリー9(従動プーリー)が回動自在に設けられている。プーリー8及びアイドラープーリー9には、タイミングベルト10(歯付きベルト)が巻き付けられている。
タイミングベルト10は、
図1に図示するように、本発明に係るタイミングベルト連結用具11によって無端状に連結されている。タイミングベルト10には、タイミングベルト連結用具11に組み付けられた取り付け金具12、及び、この取り付け金具12が取り付けられる吊り金具13を介してドア4が取り付けられている。
【0041】
取り付け金具12は、
図2に図示するような形状に形成され、タイミングベルト連結用具組み付け溝14を設けている。
吊り金具13は、
図1及び
図2に図示するように、ドア4の上部に固定される吊り金具本体15と、自動ドア装置1の上部レール(図示せず)の上を転動可能に形成されるハンガーローラ16とを備えて構成されている。吊り金具本体15には、取り付け金具12がボルト17及びナット(図示せず)の締結によって固定されている。
【0042】
本実施例に係る自動ドア装置1は、従来の自動ドア装置101(図
29参照)に対して、タイミングベルト連結用具11を設けている点が特徴となっている。
以下、タイミングベルト連結用具11について詳細に説明する。
【0043】
本発明に係るタイミングベルト連結用具11は、本実施例では、
図2に図示するように、一対設けられている。タイミングベルト連結用具11同士の間の間隔は、ボルト18及びナット19によって変更することができるように構成されている。これにより、
図2において、ナット19を回転させることによって、タイミングベルト10の張りの調整を行うことができる。
一対のタイミングベルト連結用具11は、何れも、同一の構成及び構造を有している。
したがって、以下、一対のタイミングベルト連結用具11のうちの1つについて説明する。
【0044】
タイミングベルト連結用具11は、
図3に図示するように、用具本体20と、タイミングベルト固定レバー21と、タイミングベルト抜け防止レバー22と、第1付勢部材23と、第2付勢部材24と、回動防止用ビス25(回動防止手段)と、複数本(本実施例では2本)の用具本体固定用ビス26と、複数本の用具本体固定用ビス26のそれぞれに螺合するナット(図示せず)とを備えて構成されている。
以下、タイミングベルト連結用具11の各構成について説明する。
【0045】
まず、用具本体20について説明する。
用具本体20は、
図2及び
図7に図示するように、一対の半割本体28を突き合わせ状態にして構成されている。
各半割本体28は、左右対称の形状に形成され、何れも、同一の構成及び構造を有している。
したがって、以下、一対の半割本体28のうちの1つについて説明する。
【0046】
半割本体28は、
図3及び
図4に図示するように、長矩形に形成され、上壁29と、底壁30と、前壁31と、後壁32と、側壁33とを備えて構成され、さらに、内部にタイミングベルト端末部収容室37と、ボルト収容室38とを有している。
上壁29は、
図4に図示するように、半割本体28の軸方向の一端側(
図3及び
図4においては、前後方向の前端側)から中間部にかけて大きく切り欠かれており、レバー出入口34と、第2付勢部材載置部35とが形成されている。
【0047】
レバー出入口34は、後述するタイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とが回動しながら用具本体20内を出入りする部分として形成されている。レバー出入口34は、
図7に図示するように、一対の半割本体28を突き合わせ状態にしたときに、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とが回動しながら用具本体20内を出入り可能な形状に形成されている。
【0048】
第2付勢部材載置部35は、
図3に図示する第2付勢部材24を載置する部分として形成されている。第2付勢部材載置部35は、
図4に図示するように、レバー出入口34の後端側において、上壁29と側壁33とに連続して設けられた板状部36の上面に凹状に形成されている。
【0049】
底壁30は、
図3及び
図4に図示するように、半割本体28の軸方向の一端側(
図3及び
図4においては、前後方向の前端側)から他端側(
図3及び
図4においては、前後方向の後端側)まで延びるように設けられている。
底壁30には、タイミングベルト載置面39と、回動防止用ビス螺合孔40とが設けられている。
タイミングベルト載置面39は、タイミングベルト10(
図2参照)の端末部を用具本体20内に挿入し、後述するタイミングベルト端末部収容室37に収容したときに、タイミングベルト10の端末部が載置される部分として形成されている。
タイミングベルト載置面39は、
図4に図示するように、底壁30の軸方向の一端側(
図3及び
図4においては、前後方向の前端側)の内側に平面状に形成されている。
【0050】
回動防止用ビス螺合孔40は、
図3及び
図4に図示するように、底壁30の軸方向(
図3及び
図4においては、前後方向)における中間部に設けられている。
回動防止用ビス螺合孔40は、
図4(a)に図示するように、底壁30の右縁部を略U字形に切り欠いて形成されている。回動防止用ビス螺合孔40は、一対の半割本体28を突き合わせ状態にしたときに、各半割本体28それぞれの回動防止用ビス螺合孔40同士が連通し、平面視円形となるように構成されている。
【0051】
前壁31は、
図3及び
図4に図示するように、側壁33の軸方向における一端側(
図3及び
図4においては、前後方向の前端側)に連続して設けられ、タイミングベルト挿脱口41と、タイミングベルト固定レバー係合部42とが形成されている。
タイミングベルト挿脱口41は、タイミングベルト10(
図2参照)の端末部をタイミングベルト端末部収容室37に挿脱する部分として設けられている。タイミングベルト挿脱口41は、
図4に図示するように、前壁31の下側を貫通し、後述するタイミングベルト端末部収容室37に連通するように形成されている。
【0052】
タイミングベルト固定レバー係合部42は、後述するタイミングベルト固定レバー21を係合し、タイミングベルト10の端末部を固定した状態を保持するための部分として設けられている。タイミングベルト固定レバー係合部42は、前壁31の内側に凹状に形成されている。
【0053】
後壁32は、
図3及び
図4に図示するように、上壁29と、底壁30と、側壁33のそれぞれの軸方向における他端側(
図3及び
図4においては、前後方向の後端側)に連続して設けられ、ボルト挿通孔43が形成されている。ボルト挿通孔43は、ボルト収容室38に連通するように形成されている。
【0054】
側壁33は、
図3及び
図4に図示するように、底壁30の左右方向における左端側から上方に立設されている。
側壁33の内面には、
図3及び
図4に図示するように、ガイド長孔44と、ガイド孔45とが形成されている。
ガイド長孔44は、
図3及び
図5に図示するタイミングベルト固定レバー21の後述する回動軸46を係合する部分として形成されている。ガイド長孔44は、タイミングベルト固定レバー21が回動自在となるように、且つ、用具本体20の前後方向に遊動自在となるように形成されている。ガイド長孔44は、長円形に形成された溝であって、側壁33の中間部に側壁33の軸方向(
図3及び
図4においては、前後方向)に沿って直線状に延びるように形成されている。
【0055】
ガイド孔45は、
図3及び
図6に図示するタイミングベルト抜け防止レバー22の後述する回動軸47を係合する部分として形成されている。ガイド孔45は、タイミングベルト抜け防止レバー22が回動自在となるように形成されている。ガイド孔45は、
図4に図示するように、円形の溝状に形成され、レバー出入口34の後端側であって板状部36の上方に配置されるように形成されている。
ガイド孔45は、
図4に図示するように、側壁33の中間部で且つガイド長孔44の後側に形成されている。また、ガイド孔45は、
図4に図示するように、ガイド長孔44のよりも上側に形成されている(このようにガイド孔45を形成することで、タイミングベルト抜け防止レバー22の一端側(回動軸47)をタイミングベルト固定レバー21の上側で回動可能に取り付けることができる)。
【0056】
側壁
33の外面には、
図3及び
図4に図示するように、複数の用具本体固定用ビス挿通孔27が貫通形成されている。複数の用具本体固定用ビス挿通孔27は、それぞれ、
図3に図示する用具本体固定用ビス26が挿通可能に形成されている。
【0057】
タイミングベルト端末部収容室37は、
図4に図示するタイミングベルト挿脱口41から挿入されたタイミングベルト10(
図2参照)の端末部を収容する部分として形成されている。タイミングベルト端末部収容室37は、
図4に図示するように、半割本体28の前後方向における前端側に形成され、一対の半割本体28を突き合わせ状態にしたときに、各半割本体28それぞれのタイミングベルト端末部収容室37同士が連通し、1つの収容室を形成するような構成となっている。
【0058】
ボルト収容室38は、
図2に図示するボルト18を収容する部分として形成されている。ボルト収容室38は、
図4に図示するように、半割本体28の前後方向における後端側に形成され、一対の半割本体28を突き合わせ状態にしたときに、各半割本体28それぞれのボルト収容室38同士が連通し、1つの収容室を形成するような構成となっている。ボルト収容室38には、
図2に図示するナット19を装着するナット装着部48が形成されている。
【0059】
つぎに、タイミングベルト固定レバー21について説明する。
タイミングベルト固定レバー21は、
図3及び
図5に図示するように、一対の回動軸46と、タイミングベルト当接部49と、抜け止め溝50と、係合突起51と、被係合部52とを備えて構成されている。
一対の回動軸46は、
図5に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の軸方向の一端側(
図5においては、前後方向の後端側)に形成され、タイミングベルト固定レバー21の軸方向に直交する方向(
図5においては、左右方向)に突設されている。
【0060】
タイミングベルト当接部49は、タイミングベルト10(
図2参照)の端末部の先端が当接する部分として設けられている。また、タイミングベルト当接部49は、後述する第1付勢部材23による付勢を受ける部分として設けられている。
タイミングベルト当接部49は、
図5に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の軸方向の一端側(
図5においては、前後方向の後端側)から下方へ延びるように形成されている。タイミングベルト当接部49は、
図5に図示するように、両側部がタイミングベルト固定レバー21の軸方向に直交する方向(
図5においては、左右方向)に突出するように形成されている。
【0061】
抜け止め溝50は、タイミングベルト10(
図2参照)の端末部の歯部60に係合しタイミングベルト10を抜け止めするための部分として設けられている。
抜け止め溝50は、タイミングベルト固定レバー21の下面に複数条設けられている。抜け止め溝50は、タイミングベルト固定レバー21の軸方向に直交する方向(
図5においては、左右方向)に延びるように形成され、タイミングベルト固定レバー21の軸方向の全長(
図5においては、前後方向の前端側から後端側)にわたって設けられている。
【0062】
係合突起51は、
図5に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の軸方向の他端側(
図5においては、前後方向の前端側)に突設され、
図4に図示するタイミングベルト固定レバー係合部42に係合可能な形状に形成されている。
【0063】
被係合部52は、
図5に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の上面であって、タイミングベルト固定レバー21の軸方向(
図5においては、前後方向)の中間部に形成されている。被係合部52は、後述するタイミングベルト抜け防止レバー22(
図6参照)の係合部54と係合可能な形状に形成されている。
本実施例では、タイミングベルト固定レバー21に被係合部52が形成される構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、タイミングベルト固定レバー21に、タイミングベルト抜け防止レバー22との係合を可能とする係合部が形成される構成であってもよいものとする。
【0064】
つぎに、タイミングベルト抜け防止レバー22について説明する。
タイミングベルト抜け防止レバー22は、
図6に図示するうに、一対の回動軸47と、付勢部53と、係合部54と、係合解除部55と、凹部56とを備えて構成されている。
一対の回動軸47は、
図6に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向の一端側(
図6においては、前後方向の後端側)に形成され、タイミングベルト抜け防止レバー22の両側部から、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向に直交する方向(
図6においては、左右方向)に突設されている。
【0065】
付勢部53は、後述する第2付勢部材24による付勢を受ける部分として設けられている。付勢部53は、
図6に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向の一端側(
図6においては、前後方向の後端側)に薄板状に形成されている。
【0066】
係合部54は、
図6に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向の他端側(
図6においては、前後方向の前端側)に凸状に形成されている。係合部54は、タイミングベルト固定レバー21(
図5参照)の被係合部52に係合可能な形状に形成されている。
本実施例では、タイミングベルト抜け防止レバー22に係合部54が形成される構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、タイミングベルト抜け防止レバー22に、タイミングベルト固定レバー21との係合を可能とする被係合部が形成される構成であってもよいものとする。
【0067】
係合解除部55は、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との係合を解除する際に、作業者が、指先や、工具(例えば、マイナスドライバー)を引っ掛ける部分として設けられている。係合解除部55は、
図6に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向の他端側(
図6においては、前後方向の前端側)に略コ字状に形成されている。
【0068】
凹部56は、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とを係合したときに、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との間に、所定の間隔を持たせるための部分として設けられている。凹部56は、
図6に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の下面に設けられ、タイミングベルト抜け防止レバー22の軸方向の他端側(
図6においては、前後方向の前端側)から回動軸47が形成される位置まで切り欠いて形成されている。
本実施例では、凹部56を、タイミングベルト抜け防止レバー22に設ける構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、凹部56を、
図5に図示するタイミングベルト固定レバー21の上面に設ける構成であってもよいものとする。
【0069】
つぎに、第1付勢部材23について説明する。
第1付勢部材23は、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49を、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10(
図2参照)の端末部を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって回動するように付勢することができる部材して形成されている。
【0070】
本実施例では、第1付勢部材23は、特に限定するものではないが、
図3に図示するような形状に形成されたスプリングであるものとする。
第1付勢部材23は、
図3に図示するように、リング部57と、第1脚部58と、第2脚部59とを備えて構成されている。
第1付勢部材23は、
図3に図示するようなスプリングに限定されるものではなく、他の弾性を有する部材であってもよいものとする(他の具体例としては、実施例2−6を参照)。
【0071】
つぎに、第2付勢部材24について説明する。
第2付勢部材24は、タイミングベルト抜け防止レバー22のタイミングベルト抜け防止レバー付勢部53を付勢し、タイミングベルト抜け防止レバー
22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように回動させることができる部材として形成されている。
本実施例では、第2付勢部材24は、特に限定するものではないが、
図3に図示するような形状に形成されたコイルスプリングであるものとする。
第2付勢部材24は、
図3に図示するようなコイルスプリングに限定されるものではなく、他の弾性を有する部材であってもよいものとする(他の具体例としては、実施例3−6を参照)。
【0072】
つぎに、回動防止用ビス25について説明する。
回動防止用ビス25は、特許請求の範囲における「回動防止手段」に相当するものである。
図3に図示する回動防止用ビス25は、用具本体20の回動防止用ビス螺合孔40に螺合すると、タイミングベルト固定レバー21の回動を停止させることができるものとして備えられている。
【0073】
つぎに、タイミングベルト連結用具11の組み立て作業の手順について説明する。
まず、
図3において、タイミングベルト固定レバー21の一方の回動軸46に第1付勢部材23のリング部57を挿通し、第2脚部59をタイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49の上面に載置する(
図8参照)。さらに、
図3に図示する第2付勢部材24を、半割本体28の第2付勢部材載置部35に載置する(
図8参照)。
【0074】
そして、タイミングベルト固定レバー21の回動軸46を半割本体28のガイド長孔44に係合し、タイミングベルト抜け防止レバー22の回動軸47を半割本体28のガイド孔45に係合する。また、
図2に図示するナット19をナット装着部48に装着する。しかる後、一対の半割本体28を突き合わせ状態にする。
最後に、
図7に図示するように、用具本体固定用ビス26を用具本体固定用ビス挿通孔27に挿通する。そして、用具本体固定用ビス26とナット(図示せず)とを螺合し、上記突き合わせ状態を固定する。
以上により、タイミングベルト連結用具11の組み立て作業が完了する。
【0075】
つぎに、タイミングベルト10の端末部を、タイミングベルト連結用具11に接続固定する作業の手順と、各部の動作について説明する。
まず、
図8に図示するように、タイミングベルト10の端末部を、
図8に図示する矢印Aの指示する方向からタイミングベルト挿脱口41を挿通させタイミングベルト端末部収容室37内に挿入する。
【0076】
そして、タイミングベルト固定レバー21と、タイミングベルト抜け防止レバー22とを上方から押し下げ、
図8に図示する矢印Bの指示する方向に回動させる。
このとき、タイミングベルト固定レバー21は、このタイミングベルト固定レバー21の一端側(タイミングベルト当接部49)が第1付勢部材23によって付勢され、タイミングベルト固定レバー21の他端側(
図8においては、前後方向の前端側)がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって(
図8においては、矢印Bが指示する方向とは反対の方向に)回動する。
また、このとき、タイミングベルト抜け防止レバー22は、このタイミングベルト抜け防止レバー22の一端側(付勢部53)が第2付勢部材24によって付勢され、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側(
図8においては、前後方向の前端側)がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように(
図8においては、矢印Bの図示する方向に)回動する。
【0077】
図9に図示するように、タイミングベルト10の端末部のタイミングベルト端末部収容室37内への挿入と、タイミングベルト固定レバー21及びタイミングベルト抜け防止レバー22の押し下げとを続けてゆく。すると、
図10に図示するように、タイミングベルト10の端末部の先端が、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49に当接する。
図10において、タイミングベルト10の端末部を、さらに、タイミングベルト端末部収容室37の奥部へと押し込んでいくと、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49がタイミングベルト10の端末部の先端によって押圧される。これにより、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を、さらに押し下げるように(
図10に図示する矢印Cの指示する方向に)回動する。
【0078】
そして、タイミングベルト固定レバー21は、
図11に図示するように、レバー出入口34を通過し、タイミングベルト10の端末部を固定する位置に達して回動を終了する。
このとき、タイミングベルト固定レバー21の抜け止め溝50がタイミングベルト10の歯部60に係合する。
【0079】
しかる後、タイミングベルト10を、引出方向(
図11に図示する矢印Dの指示する方向)へ牽引することでタイミングベルト固定レバー21の回動軸46をガイド長孔44に沿って
図11に図示する矢印Dの指示する方向に移動させる。すると、
図12に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51が、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42に係合する。
【0080】
そして、タイミングベルト抜け防止レバー22を
図12に図示する矢印Fの指示する方向に押し下げることにより、タイミングベルト抜け防止レバー22の係合部54がタイミングベルト固定レバー21の被係合部52に係合する。
ここで、係合部54と被係合部52との係合位置は、
図12に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の回動軸47の中心位置よりもタイミングベルト端末部収容室37の内側に配置されるように構成されているものとする。
【0081】
また、
図12において、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とを係合すると、用具本体20、タイミングベルト固定レバー21、及び、タイミングベルト抜け防止レバー22のそれぞれの上面が面一となる。
さらに、
図12において、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とを係合すると、タイミングベルト抜け防止レバー22の下面に設けた凹部56によって、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との間に所定の間隔があくようになる。
【0082】
最後に、
図12に図示するように、回動防止用ビス25を、回動防止用ビス螺合孔40に螺合することにより、タイミングベルト固定レバー21の回動を阻止する。
以上により、タイミングベルト10の端末部を、タイミングベルト連結用具11に接続固定する作業が完了する。
【0083】
ここで、タイミングベルト10に、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向に押し込もうとする力が働いた場合の、本発明の作用について説明する。
図1に図示するような自動ドア装置1のドア4がストッパーに当たったときに、タイミングベルト10には、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向(
図12においては、矢印Eの指示する方向)に押し込もうとする力が働く。
【0084】
このような場合に、
図23に図示する従来技術のタイミングベルト連結用具201であれば、タイミングベルト202が用具本体203への挿入方向(
図23(c)においては、矢印Tの指示する方向)に押し込まれ、回動レバー204の係留部209と用具本体203の回動レバー用係止部206との係合が解除されてしまう。これにより、タイミングベルト連結用具201は、回動レバー204が開いてしまい、タイミングベルト202の端末の接続固定状態が解除される。そして、タイミングベルト202がタイミングベルト連結用具201から離脱してしまう。
【0085】
これに対し、本実施例のタイミングベルト連結用具11は、
図12に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22がタイミングベルト固定レバー21に係合している状態においては、タイミングベルト10に、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向(
図12においては、矢印Eの指示する方向)に押し込もうとする力が働いても、タイミングベルト固定レバー21の
図12に図示する矢印Eの指示する方向への移動が規制されるため、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51と用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合が解除されることはない。
また、タイミングベルト抜け防止レバー22の一端側(付勢部53)が、第2付勢部材24によって付勢され、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように回動するため、タイミングベルト抜け防止レバー22がタイミングベルト固定レバー21に係合している状態においては、タイミングベルト抜け防止レバー22は常に
図12に図示する矢印Fの指示する方向に押し下げられることになる。これにより、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合が解除されることはない。
したがって、タイミングベルト10が用具本体20から離脱しなくなる。
【0086】
最後に、タイミングベルト10の端末部と、タイミングベルト連結用具11との接続固定を解除する作業の手順と、各部の動作について説明する。
まず、
図13に図示するように、タイミングベルト10を引出方向(
図13においては、矢印Gの指示する方向)に牽引し、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との係合を解除する。
そして、作業者が、指先又は工具(例えば、マイナスドライバー)を、
図13に図示するタイミングベルト抜け防止レバー22の係合解除部55に引っ掛けて、
図14に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22を押し上げる。
【0087】
しかる後、
図14において、タイミングベルト10を挿入方向に押し込むことでタイミングベルト固定レバー21の回動軸46をガイド長孔44に沿ってタイミングベルト10の挿入方向に移動させ、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51と、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合を解除する。すると、第1付勢部材23の付勢により、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって回動する。
以上により、タイミングベルト10の端末部と、タイミングベルト連結用具11との接続固定を解除する作業が完了する。
【0088】
以上、
図1−
図14を参照しながら説明してきたように、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、タイミングベルト固定レバー21をタイミングベルト10を固定した状態にしてタイミングベルト抜け防止レバー22をタイミングベルト固定レバー21に装着するという簡単な作業によって、タイミングベルト抜け防止レバー22をタイミングベルト固定レバー21に係合させることができる。これにより、ドア4がストッパーに当たったときに、タイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向に押し込まれてもタイミングベルト固定レバー21によるタイミングベルト10の固定状態が解除しないようにすることができる。このことから、タイミングベルト10が用具本体20から離脱するのを防止することができる。
したがって、タイミングベルト10の端末の接続固定に係る作業性を良好にしつつ、タイミングベルト10が押し込まれた場合であってもタイミングベルト10の接続固定が解除するのを防止することができるという効果を奏する。
【0089】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、タイミングベルト固定レバー21の一端側が、第1付勢部材23によって付勢され、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって回動するため、タイミングベルト10の端末の接続固定に係る作業を容易に行うことができる。また、タイミングベルト抜け防止レバー22の一端側が、第2付勢部材24によって付勢され、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように回動するため、タイミングベルト抜け防止レバー22をタイミングベルト固定レバー21に係合させた状態において、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって回動しなくなる。
したがって、タイミングベルト10の端末の接続固定に係る作業性を良好にしつつ、タイミングベルト10が押し込まれた場合であっても、より確実にタイミングベルト10の接続固定が解除するのを防止することができるという効果を奏する。
【0090】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、係合部54を被係合部52に係合するという簡単な作業だけで、タイミングベルト抜け防止レバー22をタイミングベルト固定レバー21に係合することができる。これにより、ドア4がストッパーに当たったときに、タイミングベルト固定レバー21がタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向に押し込まれても、タイミングベルト固定レバー21によるタイミングベルト10の固定状態が解除しないようにすることができる。
したがって、タイミングベルト10の端末の接続固定に係る作業性をより向上させつつ、タイミングベルト10が押し込まれた場合であってもタイミングベルト10の接続固定が解除するのを確実に防止することができるという効果を奏する。
【0091】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、タイミン
グベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22がタイミングベルト抜け防止レバー22の回動軸47よりも内側の位置で係合するので、タイミングベルト抜け防止レバー22は、常に、この他端側がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように回動する。これにより、タイミングベルト10が、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向に押し込まれても、タイミン
グベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22の係合が解除されないようになる。
したがって、タイミングベルト10が押し込まれた場合であっても、より確実にタイミングベルト10の接続固定が解除するのを防止することができるという効果を奏する。
【0092】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、タイミングベルト連結用具11の上面がフラット化されるため、タイミングベルト連結用具10が、他の部材に干渉し難くなるという効果を奏する。
【0093】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、タイミングベルト固定レバー21又はタイミングベルト抜け防止レバー22に凹部56を設けることにより、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との間に所定の間隔があくようになるため、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22に歪みが生じても、タイミングベルト固定レバーとタイミングベルト抜け防止レバー22との係合が解除し難くなる。
したがって、より確実にタイミングベルト10の接続固定が解除するのを防止することができるという効果を奏する。
【0094】
また、本発明のタイミングベルト連結用具によれば、回動防止用ビス25によって、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かう回動を確実に阻止することができる。
したがって、より確実にタイミングベルト10の接続固定が解除されるのを防止することができるという効果を奏する。
【0095】
さらに、本発明のタイミングベルト連結用具を備える自動ドア装置は、上記構成のタイミングベルト連結用具11と同様の効果を奏する。
【実施例2】
【0096】
本発明に係るタイミングベルト連結用具、及び、自動ドア装置は、実施例1の他、下記の実施例2を用いてもよいものとする。
以下、
図15−
図21を参照しながら実施例2を説明する。
図15はタイミングベルト連結用具の実施例2の分解斜視図、
図16はタイミングベルトの端末をタイミングベルト連結用具に接続固定する作業手順の説明図であって、タイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定する前の状態を示す図、
図17はタイミングベルトの端末をタイミングベルト連結用具に接続固定する作業手順の説明図であって、
図16につづく図、
図18はタイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定した状態であって、タイミングベルト抜け防止レバーをタイミングベルト固定レバーに係合する前の状態を示す図、
図19はタイミングベルト固定レバーをタイミングベルトの端末に固定した状態であって、タイミングベルト抜け防止レバーをタイミングベルト固定レバーに係合した状態を示す図、
図20はタイミングベルト抜け防止レバーとタイミングベルト固定レバーとの係合を解除した状態を示す図、
図21はタイミングベルト抜け防止レバーとタイミングベルト固定レバーとの係合を解除した後、タイミングベルト抜け防止レバーを押し上げた状態を示す図である。
図15−
図21において、実施例1と同一の構成部材には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、図中の矢印は、前後、上下、左右の各方向を示している(矢印の各方向は一例であるものとする)。
【0097】
図15において、引用符号71は、本発明のタイミングベルト連結用具の実施例2を示している。
本実施例におけるタイミングベルト連結用具71は、
図15に図示する第1付勢部材72の構成以外は、実施例1と同じ構成及び構造を備えている。したがって、本実施例では、第1付勢部材72の構成及び構造について説明し、他の構成及び構造の詳細な説明は省略する。
【0098】
本実施例における第1付勢部材72は、所定の板厚を有する金属板からなり、
図15に図示するように、略V字形に形成された板バネであるものとする。
第1付勢部材72の弾力は、板バネの板厚を変更することにより調整するものとする。
第1付勢部材72は、本実施例の構成及び構造に限定されるものではなく、他の弾性を有する部材であってもよいものとする(他の具体例としては、実施例3−6を参照)。
【0099】
つぎに、タイミングベルト連結用具71の組み立て作業の手順について説明する。
タイミングベルト連結用具11の組み立て作業の手順は、
図16に図示するように、第1付勢部材72をタイミングベルト端末部収容室37の奥部に収容しタイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49に接触させるように配置する点以外は、実施例1における組み立て作業の手順と同一である。
【0100】
つぎに、タイミングベルト10の端末部を、タイミングベルト連結用具71に接続固定する作業の手順と、各部の動作について説明する。
まず、
図16に図示するように、タイミングベルト10の端末部を、
図16に図示する矢印
Hの指示する方向からタイミングベルト挿脱口41を挿通させタイミングベルト端末部収容室37内に挿入する。
【0101】
そして、タイミングベルト固定レバー21と、タイミングベルト抜け防止レバー22とを上方から押し下げ、
図16に図示する矢印Jの指示する方向に回動させる。
このとき、タイミングベルト固定レバー21は、このタイミングベルト固定レバー21の一端側(タイミングベルト当接部49)が第1付勢部材72によって付勢され、タイミングベルト固定レバー21の他端側(
図16においては、前後方向の前端側)がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって(
図16においては、矢印Jが指示する方向とは反対の方向に)回動する。
また、このとき、タイミングベルト抜け防止レバー22は、このタイミングベルト抜け防止レバー22の一端側(付勢部53)が第2付勢部材24によって付勢され、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側(
図16においては、前後方向の前端側)がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように(
図16においては、矢印Jの図示する方向に)回動する。
【0102】
図17において、タイミングベルト10の端末部のタイミングベルト端末部収容室37内への挿入と、タイミングベルト固定レバー21及びタイミングベルト抜け防止レバー22の押し下げとを続けてゆくと、タイミングベルト10の端末部の先端が、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49に当接する。
タイミングベルト10の端末部を、さらに、タイミングベルト端末部収容室37の奥部へと押し込んでいくと、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49がタイミングベルト10の端末部の先端によって押圧される。これにより、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を、さらに押し下げるように(
図17に図示する矢印Kの指示する方向に)回動する。
【0103】
そして、タイミングベルト固定レバー21は、
図18に図示するように、レバー出入口34を通過し、タイミングベルト10の端末部を固定する位置に達して回動を終了する。
このとき、タイミングベルト固定レバー21の抜け止め溝50がタイミングベルト10の歯部60に係合する。
【0104】
しかる後、タイミングベルト10を、引出方向(
図18に図示する矢印Lの指示する方向)へ牽引することでタイミングベルト固定レバー21の回動軸46をガイド長孔44に沿って
図18に図示する矢印Lの指示する方向に移動させる。すると、
図19に図示するように、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51が、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42に係合する。
【0105】
そして、タイミングベルト抜け防止レバー22を
図19に図示する矢印Nの指示する方向に押し下げることにより、タイミングベルト抜け防止レバー22の係合部54がタイミングベルト固定レバー21の被係合部52に係合する。
ここで、係合部54と被係合部52との係合位置は、
図19に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22の回動軸47の中心位置よりもタイミングベルト端末部収容室37の内側に配置されるように構成されているものとする。
【0106】
また、
図19において、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とを係合すると、用具本体20、タイミングベルト固定レバー21、及び、タイミングベルト抜け防止レバー22のそれぞれの上面が面一となる。
さらに、
図19において、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22とを係合すると、タイミングベルト抜け防止レバー22の下面に設けた凹部56によって、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との間に所定の間隔があくようになる。
以上により、タイミングベルト10の端末部を、タイミングベルト連結用具71に接続固定する作業が完了する。
【0107】
ここで、タイミングベルト10に、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向に押し込もうとする力が働いた場合の、本発明の作用について説明する。
図1に図示するような自動ドア装置1のドア4がストッパーに当たったときに、タイミングベルト10には、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向(
図19においては、矢印Mの指示する方向)に押し込もうとする力が働く。
【0108】
本実施例のタイミングベルト連結用具71は、
図19に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22がタイミングベルト固定レバー21に係合している状態においては、タイミングベルト10に、このタイミングベルト10を用具本体20へ挿入する際の挿入方向(
図19においては、矢印Mの指示する方向)に押し込もうとする力が働いても、タイミングベルト固定レバー21の
図19に図示する矢印Mの指示する方向への移動が規制されるため、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51と用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合が解除されることはない。
また、タイミングベルト抜け防止レバー22の一端側(付勢部53)が、第2付勢部材24によって付勢され、タイミングベルト抜け防止レバー22の他端側がタイミングベルト固定レバー21を押し下げるように回動するため、タイミングベルト抜け防止レバー22がタイミングベルト固定レバー21に係合している状態においては、タイミングベルト抜け防止レバー22は常に
図19に図示する矢印Nの指示する方向に押し下げられることになる。これにより、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合が解除されることはない。
したがって、タイミングベルト10が用具本体20から離脱しなくなる。
【0109】
最後に、タイミングベルト10の端末部と、タイミングベルト連結用具71との接続固定を解除する作業の手順と、各部の動作について説明する。
まず、
図20に図示するように、タイミングベルト10を引出方向(
図20においては、矢印Pの指示する方向)に牽引し、タイミングベルト固定レバー21とタイミングベルト抜け防止レバー22との係合を解除する。
そして、作業者が、指先又は工具(例えば、マイナスドライバー)を、
図20に図示するタイミングベルト抜け防止レバー22の係合解除部55に引っ掛けて、
図21に図示するように、タイミングベルト抜け防止レバー22を押し上げる。
【0110】
しかる後、
図21において、タイミングベルト10を挿入方向に押し込むことでタイミングベルト固定レバー21の回動軸46をガイド長孔44に沿ってタイミングベルト10の挿入方向に移動させ、タイミングベルト固定レバー21の係合突起51と、用具本体20のタイミングベルト固定レバー係合部42との係合を解除する。すると、第1付勢部材72の付勢により、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置からタイミングベルト10の固定を解除する位置に向かって回動する。
以上により、タイミングベルト10の端末部と、タイミングベルト連結用具71との接続固定を解除する作業が完了する。
【0111】
以上、
図15−
図21を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、実施例1と同様の効果を奏する。
【実施例6】
【0130】
本発明に係るタイミングベルト連結用具、及び、自動ドア装置は、実施例1−5の他、下記の実施例6を用いてもよいものとする。
以下、
図27及び
図28を参照しながら実施例6を説明する。
図27はタイミングベルト連結用具の実施例6を示す図であって、タイミングベルト抜け防止レバーをタイミングベルト固定レバーに係合した状態を示す図、
図28は実施例6における第1付勢部材を示す図であって、(a)は第1付勢部材の斜視図、(b)は第1付勢部材の側面図である。
図27において、実施例1と同一の構成部材には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
なお、図中の矢印は、前後、上下、左右の各方向を示している(矢印の各方向は一例であるものとする)。
【0131】
図27において、引用符号92は、本発明のタイミングベルト連結用具の実施例6を示している。
本実施例におけるタイミングベルト連結用具92は、
図27及び
図28に図示する第1付勢部材93以外は、実施例5と同じ構成及び構造を備えている。
したがって、本実施例では、第1付勢部材93の構成及び構造について説明し、他の構成及び構造の詳細な説明は省略する。
【0132】
本実施例における第1付勢部材93は、所定の板厚を有する金属板からなり、
図28に図示するような形状に形成された板バネであるものとする(形状は一例であるものとする)。第1付勢部材93の弾力は、金属板の板厚を変更することにより調整するものとする。
【0133】
第1付勢部材93は、
図27及び
図28に図示するように、基部94と、第1アーム片95と、第2アーム片96とを備えて構成されている。
基部94は、
図27に図示するように、内壁61に接触する部分として設けられている。基部94は、
図27及び
図28に図示するように、矩形の板状に形成されている。
【0134】
第1アーム片95は、
図28に図示するように、基部94に連続して設けられている。第1アーム片94は、
図28に図示するように、基部94の前端側において
図28における左右方向の左端側から右端側に傾斜して起ち上がるように形成されている。
第1アーム片95の先端側は、
図28に図示するように、第1接触部95aとして形成されている。第1接触部95aは、
図27に図示するように、タイミングベルト固定レバー21のタイミングベルト当接部49に接触する部分として設けられている。第1接触部95aは、
図28に図示するように、第1アーム片95の先端側を屈曲してなり、基部94と略平行となるように形成されている。
第1アーム片95は、押圧されると
図28(b)において仮想線で図示するように弾性変形するように形成されている。第1アーム片95は、この可動範囲が、
図28(b)に図示するように、後述する第2アーム片96の可動範囲よりも大きくなるように設定されている。
【0135】
第2アーム片96は、
図28に図示するように、基部94に連続して設けられている。第2アーム片96は、
図28に図示するように、基部94の後端側において
図28における左右方向の右端側から左端側に傾斜して起ち上がるように形成されている。
第2アーム片96の先端側は、
図28に図示するように、第2接触部96aとして形成されている。第2接触部96aは、
図27に図示するタイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置の近傍まで回動したときに、タイミングベルト固定レバー21の後端に接触しタイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置に向かって回動するように付勢する部分として設けられている。第2接触部96aは、
図28に図示するように、第2アーム片96の先端側を屈曲してなり、基部94と略平行となるように形成されている。
第2アーム片96は、押圧されると
図28(b)において仮想線で図示するように弾性変形するように形成されている。第2アーム片96は、この可動範囲が、
図28(b)に図示するように、第1アーム片95の可動範囲よりも小さくなるように設定されている。
【0136】
以上、
図27及び
図28を参照しながら説明してきたように、本発明によれば、実施例1−5と同様の効果を奏する他、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置の近傍まで回動すると、第1付勢部材93の第2アーム片96がタイミングベルト固定レバー21の一端側を付勢することにより、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置に向かって回動する。このため、タイミングベルト固定レバー21の操作をスムーズに行うことができる。また、タイミングベルト固定レバー21の他端側がタイミングベルト10を固定する位置まで回動した後は、第1付勢部材93の第2アーム片96がタイミングベルト固定レバー21の一端を付勢するため、タイミングベルト固定レバー21がタイミングベルト10を固定した状態を確実に保持することができる。
したがって、タイミングベルト10の端末の接続固定に係る作業性を、より向上させつつ、タイミングベルト10が押し込まれた場合であってもタイミングベルト10の接続固定が解除するのを確実に防止することができるという効果を奏する。
【0137】
この他、本発明は本発明の主旨を変えない範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。
【0138】
上記実施例1,2の説明では、第2付勢部材24として、コイルスプリングを用いたが、これに限らず、実施例3における第2付勢部材74、実施例4における第2付勢部材77、又は、実施例5における第2付勢部材87を用いてもよいものとする。
【0139】
以上、説明したように、本発明に係るタイミングベルト連結用具は、軸方向の一端側に開口しタイミングベルトの端末部に挿脱するタイミングベルト挿脱口と、前記軸方向と直交するように開口する回動レバー出入口と、を有する回動レバー収容室が形成され、該回動レバー収容室内に回動レバー係合部(タイミングベルト固定レバー係合部)を設けた用具本体と,
前記用具本体の軸方向へ遊動自在で前記回動レバー出入口より前記回動レバー収容室内に出入自在となるように前記用具本体に回動可能に支持されるものであって、前記タイミングベルト挿脱口からみた奥側の端部に形成されたタイミングベルト当接部と、前記タイミングベルトの歯部と係合可能に形成された抜け止め溝と、前記回動レバー係合部(タイミングベルト固定レバー係合部)と係合可能に形成された係留部(係合突起)と、を設けた第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)と,
前記回動レバー収容室内に配設され、前記第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)を前記回動レバー出入口から外側へ押し出すように回動させる第1押圧部材(第1付勢部材)と,
前記回動レバー出入口より前記回動レバー収容室内に出入自在となるように前記用具本体に支持されるものであって、この回動軸を挟んで一端側に押圧部(付勢部)を設けるとともに他端側に前記第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)の第1係合部(被係合部)に係合可能に形成された第2係合部(係合部)を設けた第2回動レバー(タイミングベルト抜け防止レバー)と,
前記回動レバー収容室内に配設され、前記第2回動レバー(タイミングベルト抜け防止レバー)の押圧部(付勢部)を押圧することによって、該第2回動レバー(タイミングベルト抜け防止レバー)を前記回動レバー出入口から前記回動レバー収容室内へ収容するように回動させる第2押圧部材(第2付勢部材)と,
を備えてなり、
前記第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)を前記回動レバー収容室内へ収容し該第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)の抜け止め溝を前記タイミングベルトの歯部に嵌合させ、該タイミングベルトを前記用具本体の軸方向に引っ張ると、前記第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)の係留部(係合突起)が前記用具本体の回動レバー係合部(タイミングベルト固定レバー係合部)に係合するとともに、前記第1回動レバー(タイミングベルト固定レバー)の第1係合部(被係合部)に前記第2回動レバー(タイミングベルト抜け防止レバー)の第2係合部(係合部)に係合するように構成することにより、タイミングベルトの端末の接続固定に係る作業性を良好にしつつ、タイミングベルトが押し込まれた場合であってもタイミングベルトの接続固定が解除するのを防止することができる。