特許第6030188号(P6030188)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6030188仕切り材と枠体ならびに枠体が取り付けられた棚
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6030188
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】仕切り材と枠体ならびに枠体が取り付けられた棚
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20161114BHJP
   A47F 7/28 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   A47F5/00 G
   A47F7/28
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-110276(P2015-110276)
(22)【出願日】2015年5月29日
【審査請求日】2015年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】591234352
【氏名又は名称】株式会社サンヤマト
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】西田 斗志継
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−095365(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3083367(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3191827(JP,U)
【文献】 特開2005−013402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
A47F 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に左右に並べられて載置されるボトル容器を仕切る仕切り材であって、この仕切り材を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、仕切り材の一部を、ボトル容器の出し入れ方向に対し入り側に後退させ、仕切り材を枠体の前後両端間を接続する棒材により構成し、棒材の一側を凸状に折曲して形成された仕切り部と、他側を凸状折曲部に連続し凸状折曲部頂部から後退した後退部とを有して構成され、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことを特徴とする仕切り材。
【請求項2】
仕切り材を、枠体の前後両端間に配置される支持部と、前後方向長さが枠体の前後方向長さ寸法より短寸に形成されてこの支持部に両端が接続され凸状に突出する仕切り部とを有して構成されることを特徴とする請求項1に記載の仕切り材。
【請求項3】
枠体の前後両側にはそれぞれ並び方向に延びる支持材が設けられ、仕切り材の両端にはそれぞれ、前後の各支持材に着脱自在に取り付けられる着脱部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の仕切り材。
【請求項4】
仕切り材の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定したことを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1に記載の仕切り材。
【請求項5】
ボトル容器が仕切り部を介して左右に並べられて載置される枠体であって、この仕切り部を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、枠体の前後側両枠間に、ボトル容器の左右方向幅寸法に対応させて仕切り枠を設け、この仕切り枠に仕切り部を形成し、仕切り部の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定するとともに、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことを特徴とする枠体。
【請求項6】
枠体の前後側各枠のうち少なくともいずれか一方に、予め設置された棚の傾斜した棚板に取り外し自在に掛止される掛止部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の枠体。
【請求項7】
枠体には、掛止部が設けられた前後一方の枠の他方の枠にボトル容器底部が当接する当接部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の枠体。
【請求項8】
傾斜した棚板を備え、この棚板に請求項5ないし7のうちいずれか1に記載の枠体が取り外し自在に取り付けられることを特徴とする棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワインボトル等のボトル容器類を傾斜または横倒しに配置して陳列する仕切り材と枠体ならびに枠体が取り付けられた棚に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、店頭などのワインラックのような陳列棚には、瓶類を傾斜または横倒しにて同じ種類の瓶を積み重ねて揃え、左右方向に異なる種類の瓶が並べられるようになっている。これら積み重ねた同一種類の瓶を、種類の異なる瓶と仕切るため、上方が開放された陳列棚には、仕切り板が左右方向に移動可能に設けられる。仕切り板は、横長矩形状に形成され、箱状の陳列棚の左右方向長さに応じて複数枚配置される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−34329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の仕切り材では、仕切り板が箱状の陳列棚の上端とほぼ同じ高さで横長矩形状に形成されているため、傾斜または横倒しされて上下に一列で積み重ねられた瓶の両側に、仕切り板が配置されたり、左右方向に複数列並んだ瓶を挟んで両側に仕切り板が配置され瓶が同一高さに並んでいる場合など、瓶と仕切り板の間に隙間がないので、上方の出し入れ方向から瓶を取り出しにくいという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で、陳列棚から瓶などの商品を容易に取り出すことができる仕切り材と枠体ならびに枠体が取り付けられた棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る仕切り材は、枠体に左右に並べられて載置されるボトル容器を仕切る仕切り材であって、この仕切り材を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、仕切り材の一部を、ボトル容器の出し入れ方向に対し入り側に後退させ、仕切り材を枠体の前後両端間を接続する棒材により構成し、棒材の一側を凸状に折曲して形成された仕切り部と、他側を凸状折曲部に連続し凸状折曲部頂部から後退した後退部とを有して構成され、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことを特徴としている。
【0007】
本発明の請求項1に係る仕切り材では、枠体に左右に並べられて載置されるボトル容器を仕切る仕切り材であって、この仕切り材を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、仕切り材の一部を、ボトル容器の出し入れ方向に対し入り側に後退させ、仕切り材を枠体の前後両端間を接続する棒材により構成し、棒材の一側を凸状に折曲して形成された仕切り部と、他側を凸状折曲部に連続し凸状折曲部頂部から後退した後退部とを有して構成され、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことにより、枠体に載置された仕切り材で仕切られた隣り合うボトル容器間に空隙が形成される。この空隙から指または手を差し入れることができるので、ボトル容器が取り出しやすくなる。
【0010】
本発明の請求項に係る仕切り材は、仕切り材を、枠体の前後両端間に配置される支持部と、前後方向長さが枠体の前後方向長さ寸法より短寸に形成されてこの支持部に両端が接続され凸状に突出する仕切り部とを有して構成されることを特徴としている。
【0011】
本発明の請求項に係る仕切り材は、枠体の前後両側にはそれぞれ並び方向に延びる支持材が設けられ、仕切り材の両端にはそれぞれ、前後の各支持材に着脱自在に取り付けられる着脱部を設けたことを特徴としている。
【0012】
本発明の請求項に係る仕切り材は、仕切り材の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定したことを特徴としている。
【0013】
本発明の請求項5に係る枠体は、ボトル容器が仕切り部を介して左右に並べられて載置される枠体であって、この仕切り部を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、枠体の前後側両枠間に、ボトル容器の左右方向幅寸法に対応させて仕切り枠を設け、この仕切り枠に仕切り部を形成し、仕切り部の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定するとともに、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことを特徴としている。
【0014】
本発明の請求項5に係る枠体では、ボトル容器が仕切り部を介して左右に並べられて載置される枠体であって、この仕切り部を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、枠体の前後側両枠間に、ボトル容器の左右方向幅寸法に対応させて仕切り枠を設け、この仕切り枠に仕切り部を形成し、仕切り部の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定するとともに、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたことにより、枠体に載置され仕切り部で仕切られた隣り合うボトル容器間に空隙が形成される。この空隙から指または手を差し入れることができるので、ボトル容器が取り出しやすくなる。
【0017】
本発明の請求項に係る枠体は、枠体の前後側各枠のうち少なくともいずれか一方に、予め設置された棚の傾斜した棚板に取り外し自在に掛止される掛止部を設けたことを特徴としている。
【0018】
本発明の請求項に係る枠体は、枠体には、掛止部が設けられた前後一方の枠の他方の枠にボトル容器底部が当接する当接部を設けたことを特徴としている。
【0019】
本発明の請求項に係る棚は、傾斜した棚板を備え、この棚板に請求項ないしのうちいずれか1に記載の枠体が取り外し自在に取り付けられることを特徴としている。
【0020】
本発明の請求項に係る棚では、傾斜した棚板を備え、この棚板に請求項ないしのうちいずれか1に記載の枠体が取り外し自在に取り付けられるようにしたことにより、棚板の枠体に載置され仕切り部で仕切られた隣り合うボトル容器間に空隙が形成される。この空隙から指または手を差し入れることができるので、ボトル容器が取り出しやすくなる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の発明に係る仕切り材は、枠体に左右に並べられて載置されるボトル容器を仕切る仕切り材であって、この仕切り材を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、仕切り材の一部を、ボトル容器の出し入れ方向に対し入り側に後退させ、仕切り材を枠体の前後両端間を接続する棒材により構成し、棒材の一側を凸状に折曲して形成された仕切り部と、他側を凸状折曲部に連続し凸状折曲部頂部から後退した後退部とを有して構成され、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたので、隣り合うボトル容器間に空隙が形成され、枠体からボトル容器を容易に取り出すことができる。
【0022】
本発明の第2の発明に係る枠体は、ボトル容器が仕切り部を介して左右に並べられて載置される枠体であって、この仕切り部を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成し、かつ枠体の前枠に、積み重ねて載置される複数のボトル容器の底面を当接させるべく構成し、枠体の前後側両枠間に、ボトル容器の左右方向幅寸法に対応させて仕切り枠を設け、この仕切り枠に仕切り部を形成し、仕切り部の並び方向幅寸法を、手または指を差し入れ可能な幅寸法に設定するとともに、仕切り部をボトル容器の外面を規制して積み重ね可能にボトル容器を仕切るようにしたので、隣り合うボトル容器間に空隙が形成され、枠体からボトル容器を容易に取り出すことができる。
【0023】
本発明の第3の発明に係る棚は、傾斜した棚板を備え、この棚板に請求項ないしのうちいずれか1に記載の枠体が取り外し自在に取り付けられるようにしたので、隣り合うボトル容器間に空隙が形成され、枠体からボトル容器を容易に取り出すことができる。従って、枠体が高い位置の棚板に掛止されていても枠体からボトル容器を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態である仕切り材が取り付けられた枠体を示す斜視図である。
図2図1の仕切り材の斜視図である。
図3図1の仕切り材の正面図である。
図4図1の仕切り材の平面図である。
図5図1の仕切り材の側面図である。
図6図1の仕切り材が取り付けられた枠体の使用状態を示す説明図である。
図7】(A)ないし(C)はそれぞれ、枠体にボトル容器が横倒しされて積み重ねられる場合、傾斜して積み重ねられる場合および立てられて並べられる場合毎の仕切り材の変形例を示すもので、取り出し方向と仕切り材の後退部とを示す説明図である。
図8】(A)ないし(D)はそれぞれ、本実施形態の仕切り材が取り付けられた枠体にボトル容器を載せた状態を示す平面図、斜視図、正面図および側面図である。
図9】本発明の第2実施形態である仕切り材を示す正面図である。
図10】本発明の第3実施形態である枠体を示す斜視図である。
図11】(A)、(B)はそれぞれ、図10の枠体を棚の棚板に掛止する際の説明図および掛止した際の側方からみた側面図である。
図12】本発明の第4の実施形態である棚を示す斜視図で、図10の枠体が掛止された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
簡素な構成で、枠体からボトル容器を簡単に取り出すという目的を、枠体に左右に並べられて載置されるボトル容器を仕切る仕切り材であって、この仕切り材を挟んで隣り合うボトル容器間に空隙を形成すべく、仕切り材の一部を、ボトル容器の出し入れ方向に対し入り側に後退させて形成したことにより実現した。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1および図2はそれぞれ、本発明の第1実施形態である仕切り材が取り付けられた枠体を示す斜視図および仕切り材の斜視図である。
【0027】
本発明の第1実施形態に係る仕切り材2は、ワインボトルなどのボトル容器が横倒しまたは傾斜して積み重ねられる枠体3に取り付けられる。枠体3は、図1に示すように、金属製冷蔵用ワインラックで、左右の枠4、5と、両端がこれら左右枠4、5にそれぞれ接続される前後枠(支持材)6、7と下枠(支持材)8とから構成される。これら各枠4〜8は、表面に塗装またはメッキが施された金属製丸棒材から構成される。左右枠4、5はそれぞれ、上側両角部が曲線に形成された矩形状外枠10と、外枠10の内側に外枠10の上下枠部10A、10Bと平行に設けられた横枠部10C、10Dとを有して構成される。
【0028】
前枠6は、細長い四角形状枠体により構成され、上下の枠部6A、6Bは、横枠部10C、10Dに対応して設けられ、左右枠4、5の下枠部10Bより上方に配置されて前側縦枠部10E、10Eに接続される。前枠6には、ラベルプレート11(図8(A)〜(D)参照)の上端が係止される係止部12(図8(A)(B)(D)参照)と、係止部12に係止されたラベルプレート11を見やすい角度に保持する突出部13とが設けられる。
【0029】
下枠8は、両端が左右枠4、5の下枠部10B、10Bに前枠6より内側に後退した位置で接続される。この下枠8にボトル容器Bの本体底側周面が載り、前枠6にボトル容器Bの底面が当接するようになっている。
【0030】
後枠7は、細長い四角形状枠体により構成され、上下の枠部7A、7Bのうち上側の枠部7Aは、下側横枠部10Dより下方に配置され、下側の枠部7Bは下枠8と同じ上下位置で左右枠4、5の後側縦枠部10F、10Fに接続される。後枠7の上枠部7Aにボトル容器Bのネック側が載るようになっている。ボトル容器Bは、図8の(D)に示すように、枠体3に傾斜して載るようになっている。すなわち、左右枠4、5と前後枠6、7と下枠8とにより枠体3にボトル容器Bが載置される載置部を構成するようになっている。
【0031】
ところで、本実施形態に係る仕切り材2は、両端が枠体3の前枠6の下枠部6Bと後枠7の上枠部7Aとに着脱自在に取り付けられ、ボトル容器Bの外面を規制してボトル容器を仕切るようになっている。仕切り材2は、図2ないし図5に示すように、金属製丸棒材からなり、仕切り部21と後退部22とを有して構成される。仕切り部21は、後方側の一側を湾曲した凸状に折曲して形成される。後退部22は、この仕切り部21と連続し前方側の他側を直線状に延長して形成される。
【0032】
仕切り材2の両端にはそれぞれ、合成樹脂製の着脱部23、24が設けられる。前側着脱部23は、前枠6の下側枠部6Bに、後側着脱部24は、後枠7の上枠部7Aにそれぞれ着脱自在に装着される。着脱部23、24は、金属製丸棒に差し入れられる筒状部25とこの筒状部25に直角に接続された断面C字状の嵌合部26とを備えて構成される。嵌合部26は、丸棒状の下側枠部6B、7Aに取り外し自在に嵌着される。このように、仕切り材2は、ボトル容器Bが載せられる位置に応じて、前側着脱部23を前枠6の下側枠部6Bに、後側着脱部24を後枠7の上枠部7Aにそれぞれ装着すると、仕切り部21が、ボトル容器Bの外面を規制し、後退部22は、仕切り部21の頂部から下方に後退している。このため、取り出し方向、つまり枠体3の上方から指または手を差し入れると、仕切り部21から離れた前側では隣り合うボトル容器B間に空隙が形成されるので、その空隙から指または手を差し入れることができるようになっている。このため、ボトル容器Bを取り出しやすくなっている。仕切り材2は、着脱部23、24が着脱自在に装着されるので、図8の(A)ないし(C)に示すように、ボトル容器Bのサイズに合わせて、所望の位置に取り付けることができるようになっている。なお、隣り合うボトル容器B間の空隙は、仕切り材2の左右方向の寸法(丸棒材の場合、丸棒材の直径の寸法)により決定されるので、この寸法S1(図5参照)を指(または手)を差し入れる空隙が確保される寸法とすることが好ましい。なお、仕切り材2は、ボトル容器Bとの間に僅かな空隙C1(図8の(A)参照)を設けてもよいし、空隙を設けなくてもよく、ボトル容器Bの左右方向幅寸法に応じて適宜取り付け位置が決定される。このため、仕切り材2をボトル容器Bとの間に僅かな空隙C1を設けて取り付ける場合、指や手が差し入れやすくなるので、仕切り材2の左右方向寸法S1を上記寸法より短寸にしてもよい。
【0033】
次に、本実施形態に係る仕切り材2の作用について説明する。本実施形態に係る仕切り材2は、前後の着脱部23、24をそれぞれ、隣り合うボトル容器B毎、種類の異なるボトル容器Bの径寸法に応じて、前枠6の下側枠部6Bと後枠7の上枠部7Aに装着される。仕切り材2には、仕切り部21と連続し載置部となる4〜8に載置されたボトル容器Bの出し入れ方向に後退して形成された後退部22が形成されているので、これら複数の仕切り材2が装着された枠体3の仕切り材2間にボトル容器Bを並べ積み重ねて載置すると、隣り合うボトル容器B間に空隙が形成される。この空隙から指または手を差し入れることができるので、枠体3に載置されたボトル容器Bを取り出しやすい。
【0034】
図7の(A)ないし(C)はそれぞれ、上記実施の形態に係る仕切り材2の変形例を示すもので、図7の(A)および(B)はそれぞれ、ボトル容器Bが枠体3に水平に横倒し状態で積み重ねられた場合と傾斜して積み重ねられた場合を示している。いずれも、上方から上下方向が取り出し方向になり、後退部は仕切り部より後退して形成される。図7の(C)は、ボトル容器Bが枠体3に立てられた状態で並べられた場合を示し、横方向が取り出し方向となり、後退部は取り出し方向に対し下方に後退して形成される。
【0035】
図9は、本発明の第2実施形態に係る仕切り材32を示す正面図で、第2実施形態に係る仕切り材32は、上記第1実施形態に係る仕切り材2が、凸状に湾曲させて折り曲げた仕切り部21とこの仕切り部21から連続して延びる後退部22とを1本の棒材から構成しているのに対し、枠体3の前後枠6、7間に配置される支持棒部(支持部)33と、前後方向長さL2が枠体3の前後方向長さ寸法L1より短寸に形成されて(L2<L1)この支持棒部33に両端が接続された仕切り部34とを有して構成される点が異なっている外はほぼ同一の構成を備えている。仕切り部34は、開口側が拡開したU字状棒材からなり、開口端が支持棒部33に接続されて上方に凸状に突出している。すなわち、第1実施形態に係る仕切り材2では、仕切り材2の一部を後退させて後退部22を形成しているのに対し、この仕切り材32では、仕切り部34と前方側着脱部23との間の支持棒部33Aが後退部としての機能を果たし、指(または手)を差し入れるのに十分な前後方向長さL3と、仕切り材32の左右方向の幅寸法とを有して構成される。
【0036】
なお、上記第1第2の実施形態では、仕切り材2、32や枠体3を金属製丸棒材で構成しているがこれに限られるものではなく、断面多角形状のものであってもよいし、木材や合成樹脂製の部材から構成してよいことはいうまでもない。その場合には、仕切り材を木材の板や合成樹脂製のプレートで構成し、左右方向の所望の位置に着脱自在に装着し、取り出し方向に対して後退して形成された後退部や支持棒部を設けるようにすればよい。また、上記各実施形態では、仕切り部を凸状に折曲して形成しているがこれ限られるものではなく、隣接し積み重ねられたボトル容器間を仕切るとともに、これら隣接して積み重ねられたボトル容器間に指や手を差し入れ可能な空隙を確保する厚さや左右幅寸法を有するものであればよいことはいうまでもない。
【0037】
次に、本発明の第3実施形態に係る枠体53について説明する。図10および図11の(A)、(B)はそれぞれ、第3実施形態に係る枠体53を示す斜視図、棚の棚板に掛止する際の説明図および掛止した際の側方からみた側面図である。本実施形態に係る枠体53は、金属製丸棒材からなり、矩形枠54と、この矩形枠54の前側枠部(前側枠)55と後側枠部(後側枠)56との間に左右側枠部57、58と平行にボトル容器の左右方向幅寸法に対応させて設けられた仕切り枠59とを有して構成される。
【0038】
前後側各枠部55、56のうち後側枠部56には、掛止部60が設けられる。掛止部60は、予め設置された棚70の傾斜した棚板71に取り外し自在に掛止されるようになっており、掛止部60が棚板71の後側端縁72に係止されると、枠体53は、傾斜した棚板71に脱落が阻止されて載置されるようになっている。前側枠部55には、当接部61がほぼ直角で立ち上がって設けられる。当接部61は、枠体53が後側が持ち上げられて傾斜した状態にあるとき、ボトル容器Bを横にして左右方向に並べると、自重によりボトル容器Bの底部が当接するようになっている。当接部61の上部には、デザインされた意匠ボード65が差し込まれる差し込み部66が形成される。また、当接部61の前方側には、商品名や値段の記載されたカードケース67が掛止されるカードケース掛止部68が設けられる。
【0039】
ところで、本実施形態に係る枠体53は、仕切り枠59に仕切り部62が形成される。仕切り部62は、U字状金属製丸棒材の両開放端を仕切り枠59に接続して構成され、前後方向寸法L3が枠体53の仕切り枠59の長さ寸法L4より短く(L3<L4)、仕切り部62と当接部61との間に指(または手)を差し入れることのできる空隙を確保するようになっている。仕切り部62の左右方向の寸法(丸棒材の場合、丸棒材の直径の寸法)は指(または手)を差し入れる空隙が確保される寸法とすることが好ましい。しかしながら、仕切り枠59間の寸法を隣り合うボトル容器Bとの間に僅かな空隙を確保する寸法とすると、仕切り部62の左右方向寸法を上記寸法より短寸にしてもよい。
【0040】
次に、本実施形態に係る枠体53の作用について説明する。本実施形態に係る枠体53、矩形枠54の内側に前後方向に沿って設けられた複数の仕切り枠59に仕切り部62が形成され、しかも、仕切り部62の前後方向長さL3は、仕切り枠59の前後方向長さL4より短寸となっているので、枠体53の仕切り部62間にボトル容器Bを載置し、さらに積み重ねて載置すると、仕切り部62と当接部61との間で隣り合うボトル容器B間に空隙が形成される。この空隙から指または手を差し入れることができるので、枠体53に載置されたボトル容器Bを取り出しやすい。
【0041】
次に、本発明の第4実施形態に係る棚70について説明する。本実施形態に係る棚70は、図11の(A)、(B)および図12に示すように、前方側が下方に傾斜した棚板71を備えた陳列棚であって、前記枠体53の掛止部60が、傾斜した棚板71の後方側端縁72に掛止されて枠体53が棚板71上面に載置されて構成される。この棚70では、枠体53が高い位置の棚板71に掛止されていても枠体53からボトル容器Bを容易に取り出すことができる。また、枠体53を取り替え可能に載せ置くことができるので、傾斜した棚板71を備えてさえいれば、枠体53を取り替えるだけでサイズの異なる多種の商品を陳列することができる。
【0042】
なお、本実施形態に係る棚70では、枠体53を掛止部60により棚板71に取り付けるようにしているがこれに限られるものではなく、ワンタッチで着脱できる構造や機構を備えていればよいことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0043】
2 仕切り材
3 枠体
4、5 左右枠(載置部)
6、7 前後枠(載置部)
8 下枠(載置部)
21 仕切り部
22 後退部
B ボトル容器
【要約】      (修正有)
【課題】枠体からボトル容器を容易に取り出すことができる仕切り材と枠体ならびに枠体が取り付けられた棚を提供する。
【解決手段】仕切り材2は、ボトル容器が傾斜されて積み重ねられる載置部4〜8を有する枠体3に、左右方向の所望の位置に着脱自在に取り付けられる。仕切り材2は、金属製棒材からなり、仕切り部と後退部とを有している。仕切り部は、棒材の一側を凸状に折曲して形成され、ボトル容器の外面を規制して隣接するボトル容器を仕切るようになっている。後退部は、この折曲された仕切り部と連続して直線状に形成され、載置部4〜8に載置されたボトル容器の出し入れ方向に対して後退して形成される。後退部は、仕切り部により仕切られた隣接するボトル容器間に空隙を形成し、指または手を差し入れることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12