【実施例1】
【0015】
実施例1に係る高周波溶融装置2を説明する。高周波溶融装置2は、可燃性及び不燃性の雑固体を溶融処理する。可燃性の雑固体は、予め焼却装置(不図示)で焼却処理を施し、灰に減容してから高周波溶融装置2によって溶融処理される。可燃性の雑固体とは、例えば紙・ウエス・ポリエチレンであり、一方、不燃性の雑固体とは、金属・コンクリート・ガラスであるが、溶融処理の対象は、上記に列挙した物質に限られない。
図1に示すように、高周波溶融装置2は、炉本体11と、炉本体11の上端に取付けられた蓋体15と、炉本体11の下方に配置された昇降装置20を有している。
【0016】
炉本体11は、炉体12と、冷却ノズル13と、炉体12の外周面に沿って配置された誘導加熱コイル14を備えている。炉体12は、上端及び下端が開口した筒状に形成されており、その内部に収容空間12aが設けられている。収容空間12aには、後述する溶融容器10が収容可能となっている。炉体12の上端部には投入口12bが設けられ、炉体12の下端部には開口部12cが設けられている。投入口12b及び開口部12cは、収容空間12aと連通している。開口部12cは、溶融容器10が通過可能な大きさに形成されている。投入口12bは、開口部12cより小さく形成されており、溶融容器10が通過不能な大きさに形成されている。冷却ノズル13は、炉体12の下部に、炉本体11の外壁及び炉体12を貫通するように配置されている。炉本体11の外壁と炉体12の間は空洞になっている。誘導加熱コイル14は、その空洞内で、図示しない保持アームによって保持されている。誘導加熱コイル14は、炉体12を介して溶融容器10の側面を覆うように配置されている。誘導加熱コイル14は、図示しない高周波電源(50〜3000Hz)に接続されている。なお、溶融容器10の内側のるつぼ4を高温にするためには、浸透深さを深くすることが好ましい。このため、誘導加熱コイル14に接続される高周波電源は、1000Hz以下とすることが好ましい。
【0017】
蓋体15は、炉本体11の上端に取付けられている。蓋体15が炉本体11に取付けられると、炉体12の上端の投入口12bが閉じられる。蓋体15には、投入機16が設置されている。投入機16は、炉体12の投入口12b(すなわち、収容空間12a)の上方に配置されている。投入機16には、溶融処理の対象となる焼却灰や不燃性の雑固体(以下、放射性廃棄物とも称する)が仕分けして装填される。投入機16は、収容空間12aに収容される溶融容器10内に放射性廃棄物を投入する。また、蓋体15には、排出ガス出口18が設けられる。排出ガス出口18は、炉体12の収容空間12aに連通している。排出ガス出口18は、溶融処理中に発生するガスを排出する。排出ガス出口18には、図示しない排ガス処理設備が接続されている。排出ガス出口18から排出される排ガスは、排ガス処理設備で無害化され、大気に排出される。
【0018】
昇降装置20は、平面台20aと、平面台20aを昇降する昇降機構(図示省略)を備えている。平面台20a上に支台24が載置され、支台24上に溶融容器10が載置される。平面台20aが昇降機構によって上端位置(
図1の実線で示す位置)まで上昇すると、平面台20aの上面が炉体12の下面と当接し、炉体12の開口部12cを閉じる。これによって、収容空間12aの下端が閉じられる。平面台20aが昇降機構によって下端位置(
図1の二点鎖線で示す位置)まで下降すると、炉体12の開口部12cが開放され、収容空間12aの下端が開かれる。なお、平面台20aを昇降する昇降機構には、公知の種々の機構を用いることができ、例えば、パンタグラフ式昇降機構を用いることができる。
【0019】
図1,2に示すように、溶融容器10は、るつぼ4と、るつぼ4を収容する外筒6と、るつぼ4と外筒6の隙間に充填された断熱材8を備えている。本実施例では、るつぼ4、外筒6、及び断熱材8をまとめて溶融容器10とも称するが、溶融容器10は、上記以外の部材を含んでいてもよい。
【0020】
るつぼ4は、有底の容器であり、カーボンを含有する導電性のセラミックでできている。るつぼ4の電気抵抗率は、セラミックのカーボン含有率を調整し、含浸ピッチによる含浸処理(後述)を実施することで、1×10
−6〜3×10
−5[Ωm]の範囲に調整されている。そうすることで、るつぼ4内に生じる渦電流によってるつぼ4を好適に加熱することができる。すなわち、誘導加熱コイル14に高周波電源を印加すると、るつぼ4内に渦電流が流れる。るつぼ4の電気抵抗率を1×10
−6[Ωm]以上3×10
−5[Ωm]以下とすることで、適切なジュール熱が生じ、るつぼ4を好適に加熱することができる。前述したように、るつぼ4には、含浸ピッチによる含浸処理が施されている。含浸ピッチによる含浸処理を施すことで、るつぼ4の電気抵抗率を低減できるだけでなく、るつぼ4に酸化防止効果が生じ、溶融処理中にるつぼ4が酸化して発熱特性が劣化することを防止できる。ピッチ含浸を施す利点については、後で詳述する。含侵ピッチには、公知の種々のピッチを用いることができ、例えば、タール、ピッチなどの石油・石炭分留物などを用いることができる。なお、含浸処理の種類は、ピッチ含浸に限られず、例えばフェノール樹脂を用いた含浸処理であってもよい。また、るつぼ4の内外面には、ろう石−酸化鉄−ガラス系の酸化防止用釉薬を施工することも好ましい。
【0021】
外筒6は、有底の金属製の容器である。外筒6は、電気抵抗率が1×10
−7[Ωm]以上の金属によって形成されている。電気抵抗率が1×10
−7[Ωm]以上の金属により外筒6を形成することで、誘導加熱コイル14により生じる渦電流によって外筒6が高温になり過ぎることを好適に抑制することができる。また、外筒6は、非磁性金属により形成することが好ましい。外筒6を非磁性金属により形成することで、外筒6に生じる渦電流損を小さくでき、外筒6の発熱を抑えることができる。外筒6を形成する金属としては、例えば、非磁性金属であるオーステナイト系ステンレス(電気抵抗率7.2×10
−7[Ωm])、高ニッケルステンレスSUS304、SUS316、SUS310S、インコネル、ハステロイ等を用いることができる。
【0022】
断熱材8は、公知の断熱材を用いることができ、例えば、ファインフレックスやセラミックファイバーや絶乾砂(けい砂)を用いることができる。断熱材8は、るつぼ4からの輻射熱の影響を外筒6が受けることを回避するために用いられる。なお、断熱材8が充填される隙間(るつぼ4と外筒6の間のクリアランス)は、10〜50mm程度とすることができる。るつぼ4の容積を大きくする観点からは、両者のクリアランスが小さいほど好ましい。一方、るつぼ4と外筒6の間に断熱材8を充填する作業の施行性の観点からは、両者のクリアランスが大きいほど好ましい。このため、るつぼ4と外筒6の間のクリアランスは、例えば、20mmとすることが好ましい。
【0023】
ここで、るつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比及びるつぼ4と外筒6の厚みの比(即ち、t1/t2)は、溶融加熱処理時に外筒6の表面温度に対してるつぼ4の表面温度が高くなるように調整されている。すなわち、誘導加熱コイル14をオンしたときに、るつぼ4の温度上昇が、外筒6の温度上昇よりも大きくなるように調整されている。これにより、外筒6の温度を低く抑えながら、るつぼ4の温度を充分に高くすることができる。すなわち、るつぼ4の温度を溶融処理物を溶融できる程度に高温にしながら、外筒6をその耐熱温度(外筒6を形成する金属材料によって決まる耐熱温度)以下に抑えることができる。なお、るつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比(外筒6の電気抵抗率/るつぼ4の電気抵抗率)は0.1以上とすることが好ましい。また、るつぼ4と外筒6の厚みの比(即ち、t1/t2)は3.0以上とすることが好ましい。このような比に調整することで、るつぼ4の表面温度を外筒6の表面温度より充分に高くすることができる。
【0024】
次に、上述した高周波溶融装置2により溶融処理の対象となる処理物を溶融処理する例を説明する。まず、昇降装置20を駆動して平面台20aを下端位置(
図1の二点鎖線に示す位置)に位置決めする。次いで、平面台20a上に支台24を載置し、その支台24上に溶融容器10を載置する。次に、昇降装置20を、平面台20aが炉体12の下面に当接するまで上昇させる。これによって、支台24上に配置された溶融容器10は、炉体12の収容空間12aに収容される。この際、炉体12の投入口12bが蓋体15で閉じられ、炉体12の開口部12cが平面台20aで閉じられる。これによって、密閉された収容空間12a内に溶融容器10が位置することとなる。
【0025】
収容空間12a内に溶融容器10が位置決めされると、次いで、投入機16を駆動して溶融容器10内に放射性廃棄物を投入する。溶融容器10内への放射性廃棄物の投入が終了すると、誘導加熱コイル14に高周波電源が印加される。これによって、誘導加熱コイル14に交流電流が流れ、るつぼ4及び外筒6に渦電流が発生し、これらの容器が発熱する。ここで、るつぼ4の温度上昇が促進される一方で、外筒6の温度上昇が抑制される(後述)ため、外筒6の温度が過度に上昇することを抑制しながら、るつぼ4の温度を放射性廃棄物を溶融可能な温度(例えば、1300℃)とすることができる。るつぼ4の温度が上昇すると、るつぼ4の内部に装填された放射性廃棄物が溶融する。この際、溶融容器10の外筒6には、冷却ノズル13から冷却ガスが供給されて、外筒6が冷却される。そのため、外筒6の温度を、るつぼ4の温度に比べてより低くすることができる。冷却ノズル13は、少なくとも2箇所以上に設置されることが好ましい。そうすることで、外筒6を均一に冷却することができる。溶融処理中に発生するガスは、排出ガス出口18から排出され、排ガス処理設備(不図示)において処理される。1回の溶融処理に要する時間は、例えば4〜5時間である。溶融処理が終了すると、溶融容器10は高周波溶融装置2から搬出される。その手順は、溶融容器10を炉体12の内部に収容させる前述の手順と逆の手順である。即ち、昇降装置20を降下させて、溶融容器10を支台24ごと昇降装置20の平面台20a上から降ろす。次に、溶融処理を終了した溶融容器10は、冷却室22に移動され、その内部の溶湯が冷却固化される。溶湯を冷却固化した溶融容器10は、所定の貯蔵施設に廃棄される。
【0026】
次に、上記の高周波溶融装置2を用いて実際に放射性廃棄物を溶融固化した実験について説明する。るつぼ4は、カーボンを含有する導電性のセラミックで形成し、含浸ピッチによる含浸処理を施した。るつぼ4の電気抵抗率は5.0×10
−6[Ωm]であった。るつぼ4の外径OD1は510[mm]、高さH1は775[mm]、厚みt1は30[mm]であった(
図2参照)。一方、外筒6は、非磁性金属であるオーステナイト系ステンレスで形成し、その電気抵抗率は7.2×10
−7[Ωm]であった。外筒6の外径OD2は560[mm]、高さH2は800[mm]、厚みt2は5[mm]であった。るつぼ4と外筒6の間隙には、断熱材としてファインフレックスを充填した。るつぼ4と外筒6の間隙t3は20[mm]とした。なお、実験では、溶融容器10の各部の温度(すなわち、るつぼ4及び外筒6の温度)を計測するため、
図2に示すように、るつぼ4の内表面及び外筒6の外表面のそれぞれ3箇所に熱電対26を設置した。次いで、高周波電源を600[Hz]に設定して誘導加熱コイル14に交流電流を流した。これによって、外筒6の外表面温度が1050[℃]、るつぼ4の内表面温度が1250[℃]となり、外筒6の温度よりもるつぼ4の温度の方が高温になった。上記の溶融容器10を用いて焼却灰の溶融処理を実施したところ、焼却灰は適切に溶融され、冷却室22において良好な溶融固化体が作成された。るつぼ4及び外筒6は溶融処理中に破損することはなかった。
【0027】
次に、るつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比及びるつぼ4と外筒6の厚みの比(即ち、t1/t2)を調整(すなわち、るつぼ4及び外筒6の材質及び厚みを調整)して容器の表面温度を調べる実験を行った。その結果を表1〜3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表1に示す実験(以下、実験1と称する)では、外筒6にSUS304製の容器を用い、るつぼ4にカーボンを90%含有するセラミック製の容器を用いた。なお、るつぼ4には含浸ピッチによる含浸処理を施している。表2に示す実験(以下、実験2と称する)では、実験1の比較例として、外筒6に実験1と同じ材質の容器を用い、るつぼ4にカーボンを40%含有するセラミック製の容器を用いた。実験2のるつぼ4にもピッチ含浸処理を施している。表3に示す実験(以下、実験3と称する)では、実験1の比較例として、外筒6に実験1と同じ材質の容器を用い、るつぼ4には実験2と同じ割合でカーボンを含有するセラミック容器を用いた。但し、実験3のるつぼ4にはピッチ含浸処理は施していない。実験1〜3の外筒6の電気抵抗率ρ2は7.20×10
−7[Ωm]であり、他方、実験1におけるるつぼ4の電気抵抗率ρ1は5.80×10
−6[Ωm]、実験2におけるるつぼ4の電気抵抗率ρ1は2.00×10
−5[Ωm]、実験3におけるるつぼ4の電気抵抗率ρ1は5.50×10
−5[Ωm]であった。即ち、実験1ではるつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比はρ2/ρ1=0.124であり、実験2ではるつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比はρ2/ρ1=3.6×10
−2であり、実験3ではるつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比はρ2/ρ1=1.31×10
−2であった。また、各実験では外筒6の厚み(
図2のt2)を5[mm]、るつぼ4の厚み(
図2のt1)を40[mm]に設定した。即ち、るつぼ4と外筒6の厚みの比をt1/t2=8に設定した。高周波電源の周波数は各実験ともに650[Hz]に設定した。その結果、実験1ではるつぼ4の温度は外筒6の温度より200[℃]高くなり、実験2ではるつぼ4の温度は外筒6の温度より50[℃]高くなり、実験3ではるつぼ4の温度は外筒6の温度より100[℃]低くなった。即ち、同じ材質の外筒6及び同じカーボン含有率のるつぼ4を用いて、同じ周波数で誘導加熱をする場合に、ピッチ含浸処理されたるつぼ(実験2)の方が、ピッチ含浸処理されていないるつぼ(実験3)よりも高温になることが確認された。さらに、いずれもるつぼ4にピッチ含浸処理が施された実験1と実験2を比較すると、同じ条件で誘導加熱する場合に、カーボンの含有率が高い方がより高温になることが確認された。また、実験1において、溶融処理中にるつぼ4の容器が割れることはなかった。
【0032】
上記の実験1では電気抵抗率の比がρ2/ρ1=0.124、厚みの比がt1/t2=8であったが、研究の結果、電気抵抗率の比が、ρ2/ρ1≧0.1であり、及び/又は、厚みの比がt1/t2≧3であれば、内側の容器であるるつぼ4を、外側の容器である外筒6よりも100[℃]以上高温にできることが分かった。
【0033】
実施例1に係る高周波溶融装置2の利点を説明する。高周波溶融装置2に設置される溶融容器10は、るつぼ4と外筒6の二層構造であり、その間には断熱材8が充填されている。従来の高周波溶融装置においても、るつぼと外筒の二層構造を有し、その間に断熱材が充填された溶融容器を用いる技術は開示されている。しかしながら、従来の溶融容器のるつぼ及び外筒はセラミック製であるため、搬送時の物理的衝撃などでクラックが入り、長時間の溶融処理に耐えられず、処理中などに割れてしまう可能性があった。二層構造を採用することで溶湯の流出防止を図っているものの、万全ではなかった。一方、実施例1に係る溶融容器10は、外筒6にオーステナイト系のステンレス鋼であるSUS304を用いる。外筒6をこのような金属製の容器にすることで、取扱いが容易になるとともに、搬送時の物理的衝撃などで外筒6が破損する可能性を低減できる。これにより、万一るつぼ4が損傷しても、溶湯が外部に流出する事態の発生を抑制できる。また、るつぼにはカーボンを含有するセラミック製の容器を用いる。これは、カーボンを含有することで容器に導電性を付与するとともに、容器の電気抵抗が下がり、容器をより高温に誘導加熱できるからである。しかしながらその一方で、カーボンを含有することにより容器に微細な孔が多数形成され、電気抵抗が十分小さくできない問題があった。本実施例に係るるつぼ4は、カーボンを含有するセラミック製の容器に、含浸ピッチで含浸処理を施す。そうすることで、容器の微細孔に含浸ピッチが浸透して容器を緻密化するため、電気抵抗を一層下げることができるとともに、容器の強度が向上する。また、含浸ピッチが酸化防止の機能を有するため、溶融処理中に酸化・劣化して発熱特性を損ねる可能性を低減できる。このように、外筒6及びるつぼ4の強度をそれぞれ向上させることにより、溶湯が外筒6の外部に流出する可能性をより低減できる。
【0034】
また、従来は放射性廃棄物を溶融及び冷却固化処理した後、るつぼごとドラムに収容して貯蔵室に廃棄処分していた。しかしながら、本実施例に係る溶融容器10は、その外筒6が金属製の容器であるため、溶融容器10を冷却室22で冷却固化した後で、外筒6を最終処分容器としてそのまま貯蔵室に廃棄することができる。即ち、溶融容器10をドラムに装填する必要がなくなる。そのため、廃棄処理における作業効率を向上させるとともに、ドラムに付随するコストを削減できる。
【0035】
ここで、高周波溶融装置に設置される誘導加熱コイルは、溶融容器を収容する炉体の外周に配置されるため、一般に、内側の容器よりも外側の容器の方が誘導加熱により発熱しやすい。従って、外筒6を金属製の容器にすると、一般に金属の融点はセラミックの融点よりも低いため、外筒6をその融点未満の温度に維持しつつ、るつぼ4の温度を放射性廃棄物の溶融処理に適した温度まで昇温することが困難であった。しかしながら、本実施例に係る溶融容器10は、るつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比、及び、るつぼ4と外筒6の厚みの比を調整することで、外筒6の温度よりもるつぼ4の温度の方を高温とする。前述したように、例えば、るつぼ4と外筒6の電気抵抗率の比をρ2/ρ1≧0.1、及び、厚みの比をt1/t2≧3となるように調整することで、るつぼ4は外筒6より100[℃]以上高温にすることができる。したがって、金属製の容器である外筒6の使用可能温度が1200[℃]である場合、るつぼ4の温度を1300[℃]とすることができる。その結果、るつぼ4を放射性廃棄物を適切に溶融できる温度である1300[℃]まで加熱することができ、放射性廃棄物を適切に溶融できる。
【0036】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。