特許第6030400号(P6030400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6030400(メタ)アクリル樹脂組成物及びコンクリート片のはく落防止方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030400
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】(メタ)アクリル樹脂組成物及びコンクリート片のはく落防止方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/02 20060101AFI20161114BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   C08F290/02
   E04G23/02 A
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-225622(P2012-225622)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-77287(P2014-77287A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】友澤 明央
(72)【発明者】
【氏名】藤間 誠司
(72)【発明者】
【氏名】高安 政春
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−168440(JP,A)
【文献】 特開2003−342314(JP,A)
【文献】 特開平09−302053(JP,A)
【文献】 特開2002−249726(JP,A)
【文献】 特開昭55−152712(JP,A)
【文献】 特開2004−138752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/02−290/06
E04G 23/02
C09D 4/00− 4/06
C09D 147/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(5)を含有する(メタ)アクリル樹脂組成物。
(1)下記(1−1)〜(1−4)を含有してなる(メタ)アクリレート
(1−1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−2)ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−3)エポキシ(メタ)アクリレート
(1−4)両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエン
(2)重合開始剤
(3)分解促進剤
(4)不飽和脂肪酸
(5)短繊維
【請求項2】
(3)分解促進剤が有機金属塩及び/又は有機金属キレートである請求項1記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
【請求項3】
(4)不飽和脂肪酸が亜麻仁油である請求項1又は2記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
【請求項4】
(5)短繊維がナイロンである請求項1乃至3のうちの1項記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
【請求項5】
コンクリート構造物の表面に、請求項1乃至4のうちの1項記載の(メタ)アクリル樹脂組成物を塗布し、硬化して表面層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法。
【請求項6】
コンクリート構造物の表面に、請求項1乃至4のうちの1項記載の(メタ)アクリル樹脂組成物を塗布し、硬化して表面層を形成してなるコンクリート片のはく落防止構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(メタ)アクリル樹脂組成物に関する。本発明は、コンクリート構造物の表面に樹脂層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法及びはく落防止構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物の表面に樹脂層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法は、プライマー、不陸調整又は段差修正材、繊維シート接着剤の下塗り、繊維シートの貼り付け、繊維シート接着剤の上塗り、表面保護層又は耐候性塗料等の複数材料の塗布又は貼り付け等といった、多数の工程が必要であり、施工に要する時間が長く、施工費用に占める労務費が多いという課題があった。
【0003】
コンクリート構造物の表面に樹脂層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法としては、従来から、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維といった強化繊維を配列した強化繊維基材を、エポキシ樹脂等の常温硬化性樹脂で、コンクリート構造物表面に含浸接着する方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
コンクリート構造物の表面に樹脂層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法として、重合可能なアクリル系液状組成物に短繊維を配合した組成物等を用いることが提案されてはいる(特許文献2)。しかし、不飽和脂肪酸を使用して、コンクリート片のはく落防止性能を向上することについて、記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−59937号公報
【特許文献2】特開2003−342314号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来のコンクリート片のはく落防止方法の課題を解決する発明である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記(1)〜(5)を含有する(メタ)アクリル樹脂組成物である。
(1)下記(1−1)〜(1−4)を含有してなる(メタ)アクリレート
(1−1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−2)ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−3)エポキシ(メタ)アクリレート
(1−4)両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエン
(2)重合開始剤
(3)分解促進剤
(4)不飽和脂肪酸
(5)短繊維
前記(3)分解促進剤は有機金属塩及び/又は有機金属キレートであることが好ましい。
前記(4)不飽和脂肪酸は亜麻仁油であることが好ましい。
前記(5)短繊維はナイロンであることが好ましい。
コンクリート構造物の表面に、前記(メタ)アクリル樹脂組成物を塗布し、硬化して表面層を形成してなるコンクリート片のはく落防止方法であることが好ましい。
コンクリート構造物の表面に、前記(メタ)アクリル樹脂組成物を塗布し、硬化して表面層を形成してなるコンクリート片のはく落防止構造体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、はく落防止性能を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、(1)(メタ)アクリレートを含有する。(1)(メタ)アクリレートは、下記(1−1)〜(1−4)を含有する。
(1−1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−2)ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート
(1−3)エポキシ(メタ)アクリレート
(1−4)両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエン
【0011】
本発明は、(1−1)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有する。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、一般式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
一般式(A)Z−O−(RO)p −H
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、Rは−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−を示し、pは1〜10の整数を表す。)
【0012】
(1−1)一般式(A)の化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0013】
本発明は、(1−2)ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートを含有する。ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、一般式(B)のジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。Rは、樹脂強度が大きい点で、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。qは、硬化物の樹脂強度が大きい点で、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
【0014】
【化1】

【0015】
本発明は、(1−3)エポキシ(メタ)アクリレートを含有する。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、一般式(C)のエポキシ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0016】
【化2】

【0017】
一般式(C)のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、エポキシアクリレート“エポキシエステル3000M”(共栄社工業社製)、エポキシアクリレート“エポキシエステル3000A”(共栄社工業社製)及びエポキシアクリレート“ビスコートV#540”(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用してもよい。
一般式(C)で表されるエポキシ(メタ)アクリレートの中では、以下の一般式(C’)で示されるエポキシアクリレートが好ましい。
【0018】
【化3】

【0019】
一般式(C’)で示されるエポキシメタクリレートとしては、 “ビスコートV#540”( 大阪有機化学工業社製)が挙げられる。
【0020】
本発明は、(1−4)両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエンを含有する。両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエンとしては、一般式(D)の両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエンが挙げられる。
【0021】
【化4】

【0022】
但し、一般式(D)に示す両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエンの代わりに、一般式(D1)に示す両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエンを選択しても良い。
【化5】

【0023】
一般式(D)の両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエンとしては、1,2−ポリブタジエン変性ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。1,2−ポリブタジエン変性ウレタン系(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、“TE−2000”(日本曹達社製、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量2000、構造は一般式(D2)の通り)や“TEA−1000”(日本曹達社製)が挙げられる。
【0024】
【化6】

【0025】
両末端(メタ)アクリル変性ポリブタジエン及び/又は両末端(メタ)アクリル変性水素添加ポリブタジエンの数平均分子量は、500〜100000が好ましく、1000〜50000がより好ましい。数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリスチレン換算の値である。具体的には、平均分子量は、下記の条件にて、溶剤としてテトラヒドロフランを用い、GPCシステム(東ソ−社製SC−8010)を使用し、市販の標準ポリスチレンで検量線を作成して求める。
【0026】
流速:1.0ml/min
設定温度:40℃
カラム構成:東ソー社製「TSK guardcolumn MP(×L)」6.0mmID×4.0cm1本、および東ソー社製「TSK−GELMULTIPOREHXL−M」7.8mmID×30.0cm(理論段数16,000段)2本、計3本(全体として理論段数32,000段)、
サンプル注入量:100μl(試料液濃度1mg/ml)
送液圧力:39kg/cm2
検出器:RI検出器
【0027】
本発明の(1)(メタ)アクリレートとしては、(1−1)〜(1−4)からなる(メタ)アクリレートが好ましい。以下、(1−1)〜(1−4)からなる(メタ)アクリレートを、単に(メタ)アクリレートを総称することもある。(1−1)〜(1−4)からなる(メタ)アクリレートの使用量は、(1−1)〜(1−4)の合計100質量部中、(1−1):(1−2):(1−3):(1−4)=5〜45:15〜65:1〜25:10〜55が好ましく、10〜30:30〜50:3〜10:25〜45がより好ましい。
【0028】
本発明の(2)重合開始剤は、いわゆるラジカル重合開始剤の働きを有する。(2)重合開始剤としては、有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物としては、ハイドロパーオキサイド類が好ましい。ハイドロパーオキサイド類としては、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド及び1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0029】
(2)重合開始剤の使用量は、(1)(メタ)アクリレート100質量部に対して、0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。0.2質量部未満では硬化が遅くなるおそれがあり、10質量部を超えても硬化速度等は向上せず、むしろ接着性の低下等が生ずるおそれがある。
【0030】
本発明の(3)分解促進剤は、重合開始剤の分解を促進させる化合物であり、例えば次のようなものが挙げられる。
【0031】
(3−1)有機金属塩:ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸銅及びオクチル酸亜鉛等。
【0032】
(3−2)有機金属キレート:銅アセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、クロムアセチルアセトネート、鉄アセチルアセトネート、バナジルアセチルアセトネート及びコバルトアセチルアセトネート等。
これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0033】
これらの中では、有機金属塩及び/又は有機金属キレートが好ましく、有機金属塩がより好ましく、オクチル酸コバルトが最も好ましい。
【0034】
(3)分解促進剤の使用量は、(1)(メタ)アクリレート100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜5質量部がより好ましい。0.1質量部未満では硬化が遅くなるおそれがあり、10質量部を超えても硬化速度等は向上せず、むしろ含浸性や接着性の低下等が生ずるおそれがある。
【0035】
本発明の(4)不飽和脂肪酸は、本発明の(3)分解促進剤、特に有機金属塩の作用により空気硬化する、不飽和炭化水素結合を分子中に有する油脂類の総称である。これらはそのヨウ素価により半乾性油と乾性油に分類される。ヨウ素価100以上130(g/100g)未満の半乾性油としては、大豆油、綿実油、なたね油等が挙げられる。ヨウ素価130(g/100g)以上の乾性油としては、魚油等から変性した乾性油、亜麻仁油、ボイル油等が挙げられる。これらの中では、乾性油が好ましい。
【0036】
(4)不飽和脂肪酸の使用量は、(1)(メタ)アクリレート100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
【0037】
本発明の(5)短繊維としては、(1)に溶解しない繊維が好ましい。(5)短繊維としては、アラミド繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ウレタン繊維、綿繊維、セルロース繊維等の有機高分子繊維、カーボン繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、金属繊維等の無機繊維が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
【0038】
(5)短繊維は、他の成分と組み合わせることにより、コンクリート片のはく落防止性能を発揮するものである。(5)の中では、ビニロン繊維及び/又はナイロン繊維が好ましく、ナイロン繊維が最も好ましい。
【0039】
(5)短繊維の太さは50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。短繊維の長さは0.5〜20mmが好ましく、3〜15mmがより好ましく、5〜10mmがより好ましい。
【0040】
(5)短繊維の使用量は、(1)(メタ)アクリレート100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.3〜8質量部がより好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
【0041】
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物は、コンクリート表面に塗布することにより、コンクリート片のはく落防止性能を向上する。(メタ)アクリル樹脂組成物の塗布量は、0.1〜10kg/mが好ましく、0.3〜5kg/mがより好ましく、0.5〜3kg/mが最も好ましい。
【0042】
本発明の(メタ)アクリル樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されている各種エラストマー、溶剤、補強材、可塑剤、キレート化剤、染料、顔料、難燃剤、界面活性剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、無機充填材や有機充填材等の添加剤を添加してもよい。
【実施例】
【0043】
次に実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0044】
[実験例]
表1〜4に示す配合並びに塗布量で、コンクリート構造物の表面に(メタ)アクリル樹脂を塗布し、硬化して表面層を形成した後、1週間養生してはく落防止性能の評価を行った。評価結果は表1〜4に併記した。(メタ)アクリル樹脂組成物(以下アクリル樹脂ということもある)1及び2の配合を表5に示した。
【0045】
[使用材料]
2−ヒドロキシエチルメタアクリレート:市販品
ジシクロペンテニロキシエチルメタアクリレート:市販品
エポキシ(メタ)アクリレート:“ビスコートV#540”( 大阪有機化学工業社製)
両末端メタクリル変性液状ポリブタジエン:“TE−2000”(日本曹達社製)
クメンハイドロパーオキサイド:市販品
オクチル酸コバルト:市販品
亜麻仁油:市販品、ヨウ素価130(g/100g)以上
ナイロン:短繊維、太さ11μm、長さは表に記載
ビニロン:短繊維、太さ11μm、長さは表に記載
エポキシ樹脂:市販品
変性シリコーン樹脂:市販品
【0046】
[試験方法]
[はく落防止性能試験方法]
はく落防止性能は、島津製作所社製万能試験機オートグラフAG−300KNGを用い、土木学会規準JSCE−K 533に従って変位が10mm以上における最大荷重と最大荷重を示した時の変位とを測定した。最大荷重の試験値は、試験数3の平均値とした。
[はく落防止性能の判定基準]
はく落防止性能試験方法に従って得られた試験値(最大荷重)が0.3kN以上を合格とした。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
【表3】

【0050】
【表4】

【0051】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に関わるコンクリート片のはく落防止方法は、短時間に施工可能で、施工費用に占める労務費が少ない。本発明は、はく落防止性能を発揮できる。本発明は、時間や費用の制約でこれまで出来なかった対象にもはく落防止性能を付与することができる。