特許第6030503号(P6030503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030503
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】配線ボックス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/08 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   H02G3/08 050
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-113041(P2013-113041)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-233151(P2014-233151A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2015年11月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 佳樹
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−54989(JP,A)
【文献】 実開平1−159526(JP,U)
【文献】 米国特許第4693438(US,A)
【文献】 特開2012−239367(JP,A)
【文献】 特開2001−16742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁、及び該底壁の周縁から立設された側壁を有するとともに、一面に開口を有するボックス本体を備え、閉塞部によって閉塞されたケーブル挿通孔を前記側壁に備えるとともに、工具によって、前記ボックス本体の内側から前記閉塞部を押圧し、前記閉塞部を除去することで前記ケーブル挿通孔にケーブルが挿通可能になる配線ボックスであって、
前記ボックス本体は、前記ボックス本体の深さ方向において前記底壁との間に間隔を空けて前記開口側に設けられ、かつ前記工具の軸部を支持可能な支持部を備え、
前記支持部は、当該支持部と前記ケーブル挿通孔を備える前記側壁の内面との間に、前記工具を差し込み可能とする空間を挟んで設けられており、
前記工具の軸部を前記支持部に支持させつつ、前記軸部の先端側を前記空間に差し込んだ状態で、前記工具を前記支持部を支点として傾動可能に構成されている配線ボックス。
【請求項2】
前記側壁の開口側から折り曲げられ、かつ前記ボックス本体内に配置された突片を備え、前記支持部は、前記突片に形成された挿通孔の内周縁によって構成されている請求項1に記載の配線ボックス。
【請求項3】
前記突片は、前記ケーブル挿通孔を備える側壁の開口側を折り曲げて形成されるとともに、前記突片は、前記ボックス本体内に配置される配線器具を取り付けるための取付部を備える請求項2に記載の配線ボックス。
【請求項4】
前記支持部は、前記ボックス本体から除去可能である請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の配線ボックス。
【請求項5】
底壁、及び該底壁の周縁から立設された側壁を有するとともに、一面に開口を有するボックス本体を備え、閉塞部によって閉塞されたケーブル挿通孔を前記底壁及び側壁の少なくとも一つである孔形成壁に備えるとともに、工具によって、前記ボックス本体の内側から前記閉塞部を押圧し、前記閉塞部を除去することで前記ケーブル挿通孔にケーブルが挿通可能になる配線ボックスであって、
前記ボックス本体は、前記孔形成壁に直交する他の側壁及び底壁の少なくとも一つに、前記工具の軸部が挿通可能な挿通孔を備え、
前記挿通孔は、当該挿通孔と前記孔形成壁の内面との間に、前記工具を差し込み可能とする空間を区画して設けられており、
前記工具の軸部を前記挿通孔の内周縁に支持させつつ、前記軸部の先端側を前記空間に差し込んだ状態で、前記工具を前記挿通孔の内周縁を支点として傾動可能に構成されている配線ボックス。
【請求項6】
前記挿通孔を閉塞可能な蓋体を備える請求項5に記載の配線ボックス。
【請求項7】
前記ボックス本体は金属製である請求項1〜請求項6のうちいずれか一項に記載の配線ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞部を除去することでケーブル挿通孔にケーブルが挿通可能になる配線ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の壁に配線器具を設置するために、壁裏には金属材料や合成樹脂材料で形成された配線ボックスが設置されている。この配線ボックスには、配線器具に接続されたケーブルが引込まれている。ケーブルは、配線ボックスの側壁に形成されたケーブル挿通孔に挿通された状態で配線ボックス内に引込まれている。このケーブル挿通孔は、ケーブルが引込まれる前は、閉塞部によって閉塞されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−29062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、ケーブルをケーブル挿通孔に挿通する場合、ケーブル挿通孔から閉塞部を除去する必要があるが、この場合、閉塞部は、ハンマーやドライバー等の工具によって閉塞部を叩いてケーブル挿通孔から打ち抜くことで除去され、閉塞部の除去のために、配線ボックスが損傷を受ける虞があった。
【0005】
本発明は、ボックス本体を損傷させることなく閉塞部をケーブル挿通孔から除去することができる配線ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の配線ボックスは、底壁、及び該底壁の周縁から立設された側壁を有するとともに、一面に開口を有するボックス本体を備え、閉塞部によって閉塞されたケーブル挿通孔を前記側壁に備えるとともに、工具によって、前記ボックス本体の内側から前記閉塞部を押圧し、前記閉塞部を除去することで前記ケーブル挿通孔にケーブルが挿通可能になる配線ボックスであって、前記ボックス本体は、前記ボックス本体の深さ方向において前記底壁との間に間隔を空けて前記開口側に設けられ、かつ前記工具の軸部を支持可能な支持部を備え、前記支持部は、当該支持部と前記ケーブル挿通孔を備える前記側壁の内面との間に、前記工具を差し込み可能とする空間を挟んで設けられており、前記工具の軸部を前記支持部に支持させつつ、前記軸部の先端側を前記空間に差し込んだ状態で、前記工具を前記支持部を支点として傾動可能に構成されていることを要旨とする。
【0007】
これによれば、支持部に軸部を支持させるとともに、軸部の先端側を空間に差し込み、さらに、軸部の先端部を閉塞部の内面に当接させる。そして、支持部を支点として工具を傾動させる。すると、てこの原理を利用して、軸部の先端部によって閉塞部を内面側から強く押圧することができ、閉塞部をケーブル挿通孔から除去することができる。したがって、閉塞部の除去のために、閉塞部をハンマー等で叩く必要がなく、ボックス本体が損傷を受けることもないことが無い。
【0008】
また、配線ボックスについて、前記側壁の開口側から折り曲げられ、かつ前記ボックス本体内に配置された突片を備え、前記支持部は、前記突片に形成された挿通孔の内周縁によって構成されていてもよい。
【0009】
これによれば、ボックス本体の開口側からボックス本体内の空間に工具を差し込むことができ、閉塞部の除去作業をボックス本体の開口側から行うことができる。したがって、配線ボックスを造営材に固定した後でも閉塞部の除去作業を行うことができる。
【0010】
また、配線ボックスについて、前記突片は、前記ケーブル挿通孔を備える前記側壁の開口側を折り曲げて形成されるとともに、前記突片は、前記ボックス本体内に配置される配線器具を取り付けるための取付部を備えていてもよい。
【0011】
これによれば、突片は、取付部を設けるためにボックス本体に設けられ、この突片に支持部が設けられている。このため、取付部を設けるための突片を有効利用して支持部をボックス本体に設けることができる。したがって、ボックス本体とは別体の支持部をボックス本体に一体化する場合と比べて、配線ボックスの構成が複雑化したり大型化することがない。
【0012】
また、配線ボックスについて、前記支持部は、前記ボックス本体から除去可能であってもよい。
これによれば、支持部をボックス本体から除去すれば、ボックス本体の内側又は外側で支持部が占める空間を無くすことができる。
【0013】
また、請求項5に記載の配線ボックスは、底壁、及び該底壁の周縁から立設された側壁を有するとともに、一面に開口を有するボックス本体を備え、閉塞部によって閉塞されたケーブル挿通孔を前記底壁及び側壁の少なくとも一つである孔形成壁に備えるとともに、工具によって、前記ボックス本体の内側から前記閉塞部を押圧し、前記閉塞部を除去することで前記ケーブル挿通孔にケーブルが挿通可能になる配線ボックスであって、前記ボックス本体は、前記孔形成壁に直交する他の側壁及び底壁の少なくとも一つに、前記工具の軸部が挿通可能な挿通孔を備え、前記挿通孔は、当該挿通孔と前記孔形成壁の内面との間に、前記工具を差し込み可能とする空間を区画して設けられており、前記工具の軸部を前記挿通孔の内周縁に支持させつつ、前記軸部の先端側を前記空間に差し込んだ状態で、前記工具を前記挿通孔の内周縁を支点として傾動可能に構成されていることを要旨とする。
【0014】
これによれば、挿通孔の内周縁に軸部を支持させるとともに、軸部の先端側を空間に差し込み、さらに軸部の先端部を閉塞部の内面に当接させる。そして、挿通孔の内周縁を支点として工具を傾動させる。すると、てこの原理を利用して、軸部の先端部によって閉塞部を内面側から強く押圧することができ、閉塞部をケーブル挿通孔から除去することができる。したがって、閉塞部の除去のために、閉塞部をハンマー等で叩く必要がなく、ボックス本体が損傷を受けることもない。そして、挿通孔は、ケーブル挿通孔を備える孔形成壁とは別の側壁及び底壁の少なくとも一つに形成されている。このため、閉塞部の除去作業を、ボックス本体の側方又は底側から行うことができる。
【0015】
また、配線ボックスについて、前記挿通孔を閉塞可能な蓋体を備えていてもよい。
これによれば、例えば、配線ボックスに耐火性能を持たせた場合、挿通孔を蓋体で閉塞することによって、火災発生時の火炎等が挿通孔からボックス本体外へ漏れ出てしまうことを防止できる。
【0016】
また、配線ボックスについて、前記ボックス本体は金属製であってもよい。
これによれば、配線ボックスに耐火性能を持たせることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ボックス本体を損傷させることなく閉塞部をケーブル挿通孔から除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の配線ボックスを示す斜視図。
図2】(a)は配線ボックスを示す正面図、(b)は配線ボックスを示す図2(a)の2−2線断面図。
図3】(a)は支持部に支持させた軸部を傾動させた状態を示す斜視図、(b)は支持部に支持させた軸部を傾動させた状態を示す断面図。
図4】配線ボックスを設置した状態を示す斜視図。
図5】配線ボックスを設置した状態を示す側断面図。
図6】(a)は別例の支持部を備えた配線ボックスを示す正面図、(b)は支持部に支持させた軸部を傾動させた状態を示す断面図。
図7】(a)は別例の支持部を備えた配線ボックスを示す正面図、(b)は挿通孔を蓋体で閉塞した状態を示す側面図、(c)は別例の支持部を備えた配線ボックスを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、配線ボックスを具体化した一実施形態を図1図5にしたがって説明する。
まず、配線ボックス11が設置される建築物の壁としての軽量間仕切壁Wについて説明する。
【0020】
図4及び図5に示すように、軽量間仕切壁Wは、複数の軽量形鋼材P(図4及び図5では一本の軽量形鋼材Pのみ図示)と、軽量形鋼材Pを挟むように立設される壁材Waとから構築されている。壁材Waは石膏ボードが用いられる。軽量形鋼材Pは、薄鋼板からなり、軽量形鋼材Pの立設方向に対して直交する方向への平断面視が略C字状をなすC型鋼である。そして、軽量間仕切壁Wを構築するには、まず、複数の軽量形鋼材Pを立設する。次に、対となる壁材Waを、軽量形鋼材Pを挟むように配設し、壁材Waをビスによって軽量形鋼材Pに固定すると、軽量間仕切壁Wが構築される。この軽量間仕切壁Wにおいて、対となる壁材Waの間には中空部Tが形成されている。
【0021】
次に、配線ボックス11について説明する。
図1に示すように、金属材料製の配線ボックス11は、一面に開口Sを有する有底四角箱状に形成されたボックス本体20を備える。ボックス本体20は、長方形状をなす底壁12と、該底壁12の周縁から立設された周壁13とから形成されている。なお、周壁13は、対向する一対の短側壁よりなる上側壁13a及び下側壁13bと、対向する一対の長側壁よりなる右側壁13c及び左側壁13dとからなる。
【0022】
図2(a)に示すように、底壁12には、配線ボックス11をボックス固定具50に固定するための固定孔12aが複数形成され、固定孔12aには固定ビス55が挿通可能になっている。
【0023】
図4及び図5に示すように、ボックス固定具50は、軽量形鋼材Pの側面に固定される固定片51と、この固定片51から延設された支持片52とから形成されている。支持片52には、固定ビス55を強制螺入可能な螺入孔(図示せず)が形成されている。
【0024】
図1に示すように、上側壁13a及び下側壁13bには、平面視円形状のケーブル挿通孔15が二つずつ形成可能であり、各ケーブル挿通孔15は、未使用時には円板状の閉塞部14によって閉鎖されている。そして、閉塞部14をケーブル挿通孔15から除去することで、上側壁13a及び下側壁13bには円孔状のケーブル挿通孔15が形成されるようになっている。閉塞部14は、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周方向の一部に形成された連結部14aによって上側壁13a及び下側壁13bに一体化されており、連結部14aの形成されていない閉塞部14の周縁部は、上側壁13a及び下側壁13bと破断されている。なお、連結部14aは、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周縁のうち、開口Sに一番近い位置に形成されている。
【0025】
ボックス本体20は、上側壁13a及び下側壁13bの開口側端縁に連続する矩形状の突片21を備える。各突片21は、上側壁13a及び下側壁13bの開口側からボックス本体20内に向けて折り曲げられて形成されており、開口S内に配置されている。よって、ボックス本体20の開口Sは、一対の突片21と、右側壁13cと、左側壁13dによって囲まれている。また、各突片21は、上側壁13a及び下側壁13bに対し直角に折り曲げられている。各突片21は、右側壁13cの内面と左側壁13dの内面との間を横断する状態で設けられており、突片21の長手方向は、右側壁13cと左側壁13dの対向方向である。
【0026】
図2(b)に示すように、各突片21は、ボックス本体20の深さ方向において底壁12との間に間隔を空けて設けられている。また、各突片21の内面は、上側壁13a及び下側壁13bの内面から離れている。よって、上側壁13aの内面と、上側の突片21の内面と、底壁12との間には空間24が区画され、下側壁13bの内面と、下側の突片21の内面と、底壁12との間にも空間24が区画されている。
【0027】
図2(a)に示すように、各突片21の長手方向中央で開口S寄りには、円孔状の取付部22が形成されるとともに、この取付部22は内周面に雌ねじを有する雌ねじ孔である。各突片21の長手方向で取付部22の両側には、四角孔状の挿通孔23が形成されている。各挿通孔23は、上側壁13a及び下側壁13bの内面から離れた位置に設けられている。また、上側壁13aに連続する突片21の各挿通孔23からボックス本体20の深さ方向に沿って底壁12に向かうと、その向かった先の上側に閉塞部14が位置し、下側壁13bに連続する突片21の各挿通孔23からボックス本体20の深さ方向に沿って底壁12に向かうと、その向かった先の下側に閉塞部14が位置している。
【0028】
図3(a)及び図3(b)に示すように、各挿通孔23には、工具としてのドライバー40の軸部41が挿通可能である。また、各突片21は、ボックス本体20の開口側に設けられているため、挿通孔23に挿通された軸部41は、空間24に差し込み可能になる。そして、挿通孔23に挿通された軸部41は、挿通孔23の内周縁のうち、閉塞部14から最も離れた内周縁に支持させた状態で、その内周縁を支点として空間24内で傾動させることができるようになっている。よって、本実施形態では、挿通孔23の内周縁によって支持部23aが構成されている。なお、支持部23aは、上側壁13a及び下側壁13bの内面との間に空間24を挟む状態で設けられている。また、連結部14aは、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周縁のうち、支持部23aに一番近くなる位置に設けられている。
【0029】
ここで、例えば、挿通孔23が、突片21における上側壁13a及び下側壁13bの内面の直近に形成されていると、挿通孔23の内周縁に軸部41を支持させても軸部41が傾動しにくい。このため、軸部41を傾動させやすくするため、挿通孔23を、上側壁13a及び下側壁13bの内面から所定距離離れた位置に形成し、支持部23aを上側壁13a及び下側壁13bの内面から離間させている。そして、本実施形態の配線ボックス11は、ボックス本体20に突片21を備えるとともに、突片21に支持部23aを備えている。
【0030】
次に、配線ボックス11を用いた配線器具56の設置方法について作用とともに説明する。
まず、図4に示すように、軽量形鋼材Pに対しボックス固定具50を固定する。そして、軽量形鋼材Pに固定されたボックス固定具50の支持片52に対し、配線ボックス11の固定孔12aに挿通した固定ビス55を螺入することにより、配線ボックス11は支持片52に支持されるとともに、軽量形鋼材Pに取付けられる。
【0031】
次に、図3(a)及び図3(b)に示すように、ドライバー40の軸部41を、上側壁13a側の突片21に形成された1つの挿通孔23に挿通し、その挿通孔23から底壁12に向かった先の上側に位置する閉塞部14に対し、軸部41の先端部を当接させる。次に、軸部41を、挿通孔23の内周縁のうち、上側壁13aから最も離れた内周縁である支持部23aに支持させる。
【0032】
次に、ドライバー40の把持部42側を押し下げ、支持部23aを支点にしてドライバー40を傾動させる。すると、軸部41が空間24内で傾動するとともに、てこの原理により、軸部41の先端部が閉塞部14の内面を内側から強く押圧し、連結部14aが破断するとともに閉塞部14がケーブル挿通孔15から外れる。その後、閉塞部14を除去すると、ケーブル挿通孔15が開放される。
【0033】
次に、図4に示すように、開放されたケーブル挿通孔15に筒状の電線管接続具31を接続するとともに、電線管接続具31に電線管32を接続し、電線管32内にケーブル33を挿通する。そして、ケーブル33を配線ボックス11内にまで引込む。
【0034】
次に、図5に示すように、軽量形鋼材Pを挟むように壁材Waを立設する。すると、壁材Waの裏側に配線ボックス11が配置される。次に、壁材Waの裏側に設置された配線ボックス11を探知し、切断工具(図示せず)を用いて壁材Waを切除し、壁材Waに壁孔Wbを形成するとともに、配線ボックス11の開口Sを壁材Waの表側に臨ませ、壁材Waの表側に配線ボックス11内からケーブル33を引き出す。
【0035】
その後、ケーブル33を配線器具56に接続するとともに、配線器具56を保持枠57に保持させ、該保持枠57を貫通させた枠取付部材58を、各突片21の取付部22に螺合する。すると、保持枠57が壁材Waの表側に取付けられるとともに、配線器具56が壁材Waに設置される。
【0036】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)配線ボックス11は、底壁12から間隔を空けた位置に突片21を備えるとともに、突片21に挿通孔23を有する。また、ボックス本体20には、突片21の内面と上側壁13a及び下側壁13bの内面との間に空間24が区画されている。さらに、挿通孔23の内周縁に支持部23aを備える。そして、挿通孔23に挿通したドライバー40の軸部41を空間24に差し込むことができるとともに、挿通孔23の内周縁の一部である支持部23aに軸部41を支持させ、支持部23aを支点として軸部41を空間24内で傾動させることができる。このとき、てこの原理を利用することで、軸部41の先端部により閉塞部14の内面を強く押圧することができる。その結果、閉塞部14を簡単に除去し、ケーブル挿通孔15を開放させることができる。
【0037】
したがって、閉塞部14を除去する作業は、ハンマーやドライバー40で叩いたりする必要がなく、閉塞部14を除去する作業時に配線ボックス11のボックス本体20が損傷を受けることを無くすことができる。
【0038】
(2)各突片21は、上側壁13a及び下側壁13bの開口側から折り曲げられて形成され、その突片21に挿通孔23が形成されている。よって、挿通孔23を、上側壁13a及び下側壁13bの内面から離して設けることができ、空間24に差し込まれた軸部41の傾動可能範囲を広く確保することができる。したがって、軸部41を大きく傾動させることができ、閉塞部14を強く押圧することができる。
【0039】
(3)各突片21は、上側壁13a及び下側壁13bの開口側から折り曲げられて形成され、その突片21に挿通孔23が形成されている。このため、ボックス本体20の開口S側からボックス本体20内にドライバー40の軸部41を差し込むことができ、閉塞部14の除去作業をボックス本体20の開口S側から行うことができる。したがって、配線ボックス11を軽量形鋼材Pに固定した後でも閉塞部14の除去作業を行うことができる。
【0040】
(4)各突片21は、ケーブル挿通孔15を備える上側壁13a及び下側壁13bに連続して形成され、この突片21に挿通孔23を備える。このため、支持部23aをケーブル挿通孔15の近くに設けることができ、そのケーブル挿通孔15を閉塞する閉塞部14の除去作業を、その近くで行うことができる。
【0041】
(5)配線ボックス11に配線器具56を設置するための取付部22は、突片21に設けられ、この取付部22が設けられた突片21に挿通孔23(支持部23a)が設けられている。よって、取付部22を設けるための突片21を有効利用して支持部23aをボックス本体20に設けることができる。したがって、ドライバー40を傾動させる際の支点(支持部23a)を設けてもボックス本体20が大型化しない。
【0042】
(6)ドライバー40の軸部41を傾動させる支点(支持部23a)は、上側壁13a及び下側壁13bの開口側に設けられている。このため、支持部23aは、閉塞部14を除去した後のケーブル33挿通作業の邪魔にならず、閉塞部14除去後の作業に支障を来さない。
【0043】
(7)配線ボックス11は金属製であるため、配線ボックス11に耐火性能を持たせることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
【0044】
図6(a)及び図6(b)に示すように、右側壁13c及び左側壁13dの内面において、上側壁13a及び下側壁13bの内面から離れた位置に、支持部としての支持板43を形成してもよい。この場合、突片21は、取付部22を形成するためだけに上側壁13a及び下側壁13bの長手方向中央のみに設けられ、突片21を挟む位置は開口Sとなっている。
【0045】
支持板43は、ボックス本体20の深さ方向に幅を有するとともに、開口S内に配置されている。各支持板43は、ボックス本体20の深さ方向において底壁12との間に間隔を空けて開口S側に設けられている。また、各支持板43は、支持板43と、上側壁13a及び下側壁13bの内面との間に、ドライバー40を差し込み可能とする空間24を区画して設けられている。
【0046】
そして、図6(b)に示すように、ボックス本体20の開口S側からボックス本体20内の空間24にドライバー40の軸部41を差し込み、その軸部41を支持板43に支持させるとともに、支持板43を支点として軸部41を傾動させて閉塞部14を内側から押圧するようにしてもよい。
【0047】
なお、支持板43は、右側壁13c及び左側壁13dの内面から折り取ったり、切断したりして除去してもよい。支持板43を除去すれば、ボックス本体20の内側で支持板43が占める空間を無くすことができ、ボックス本体20内の空間を広くすることができる。
【0048】
図7(a)に示すように、右側壁13c及び左側壁13dにおいて、その上側壁13a側及び下側壁13b側それぞれに挿通孔45を形成する。すなわち、ケーブル挿通孔15の形成された上側壁13a及び下側壁13b(孔形成壁)に直交する他の側壁に、挿通孔45を形成する。よって、突片21は、取付部22を形成するだけにボックス本体20に設けられ、実施形態と比較すると長手方向の長さが短くなっている。
【0049】
図7(b)に示すように、挿通孔45は、閉塞部14を除去する作業が行われない場合は、蓋体46によって閉塞されている。蓋体46は、右側壁13c及び左側壁13dにおいて、挿通孔45が形成される部位を折り曲げて形成されている。
【0050】
そして、図7(a)及び図7(c)に示すように、挿通孔45の内周縁のうち、上側壁13aの閉塞部14又は下側壁13bの閉塞部14から最も離れた周縁に支持部45aが形成され、この支持部45aに軸部41を支持させ、支持部45aを支点として軸部41を傾動させるようにしてもよい。なお、図7に示す形態では、右側壁13c側に形成された閉塞部14において、連結部14aは、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周縁のうちの右側壁13c寄りに形成され、左側壁13d側に形成された閉塞部14において、連結部14aは、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周縁のうちの左側壁13d寄りに形成されている。
【0051】
このように構成した場合、挿通孔45及び支持部45aは、ボックス本体20の側方に設けられている。このため、ボックス本体20の側方から閉塞部14の除去作業を行うことができる。したがって、配線ボックス11の開口S側に壁材Waが立設され、開口Sが塞がれていても、閉塞部14の除去作業を行うことができる。
【0052】
また、閉塞部14を除去した後は、蓋体46を折り曲げる前の状態に戻し、蓋体46により挿通孔45を閉塞し直すことができる。よって、配線ボックス11の設置後は、万一、火災が発生しても火炎等が挿通孔45からボックス本体20外へ漏れ出てしまうことを防止できる。
【0053】
なお、蓋体46は、閉塞部14を除去した後、右側壁13c又は左側壁13dから折り取ったり、切断したりして除去してもよい。
また、挿通孔45、支持部45a及び蓋体46は、右側壁13c及び左側壁13dのいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0054】
さらに、挿通孔45、支持部45a及び蓋体46は、上側壁13a及び下側壁13b(孔形成壁)に直交する底壁12に設けられていてもよい。この場合、閉塞部14において、連結部14aは、閉塞部14及びケーブル挿通孔15の周縁のうちの底壁12寄りに形成される。
【0055】
また、底壁12にケーブル挿通孔15及び閉塞部14を設け、底壁12を孔形成壁とした場合、底壁12と直交する他の側壁として、上側壁13a、下側壁13b、右側壁13c、及び左側壁13dのいずれかに挿通孔45及び支持部45aを形成してもよい。
【0056】
加えて、底壁12及び四つの側壁13a〜13dに挿通孔45及び支持部45aを形成してもよい。
○ 配線ボックス11は、合成樹脂製であってもよい。
【0057】
○ 実施形態において、各突片21を右側壁13cと左側壁13dを横断する形状としたが、これに限らない。一対の挿通孔23と、1つの取付部22を形成するために、3つの突片を上側壁13a及び下側壁13bから延設してもよい。
【0058】
○ 突片21は、右側壁13c及び左側壁13dの開口側から折り曲げて形成し、その突片21に挿通孔23(支持部23a)を形成してもよい。
○ 実施形態において、突片21は、底壁12との間に間隔が空いていれば、上側壁13a及び下側壁13bの開口側よりも底壁12寄りに設けられていてもよい。
【0059】
○ 突片21は、上側壁13a及び下側壁13bの内面に対し、直角をなすように折り曲げられていなくてもよく、折り曲げ角度は適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、各突片21に挿通孔23(支持部23a)を1つだけ設けてもよい。
【0060】
○ 挿通孔23,45は円孔状でもよい。
○ 突片21は、上側壁13a及び下側壁13bから折り曲げて形成されず、上側壁13a及び下側壁13bに対し、別体の突片21を溶接等で一体化して設けてもよい。
【0061】
○ 実施形態において、挿通孔23を閉塞する蓋体を突片21に一体又は別体で設けてもよい。
○ 工具はドライバー40でなくてもよく、軸部を有し、挿通孔23,45に挿通可能な工具であれば、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0062】
S…開口、11…配線ボックス、12…底壁、13a…上側壁(孔形成壁)、13b…下側壁(孔形成壁)、13c…右側壁、13d…左側壁、14…閉塞部、15…ケーブル挿通孔、20…ボックス本体、21…突片、22…取付部、23,45…挿通孔、23a,45a…支持部、24…空間、33…ケーブル、40…工具としてのドライバー、41…軸部、43…支持部としての支持板、46…蓋体、56…配線器具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7