(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記末端装置の前記有用性に関するインジケータ及び対応するステータス情報は、前記末端装置がリソースを節約する方法で使用されているかどうかを決定するために、前記スマートメータによって処理される、請求項1に記載の方法。
前記ステータス情報及び前記有用性に関するインジケータが、前記末端装置の通信モジュールによって、前記スマートメータの前記通信回路へ送信され、前記通信モジュールと前記通信回路との間で送信される信号は、ユーザへの正確な課金を保証するために、識別情報を含んでいる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
前記末端装置によって、有用性を報告する可能性を示すデータを前記スマートメータに送信した後に、前記末端装置と前記スマートメータとの間で報告セッションが開始される、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法。
前記スマートメータからの要求に対する前記サーバからの応答が前記スマートメータによって受信された場合に、前記末端装置は、電源投入を開始され、前記要求は、前記末端装置のインタフェース上でのユーザのコマンド入力後に自動的に送信される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
異なる消費者に関連付けられた末端装置は、それぞれ、前記スマートメータの前記通信回路と結び付けられ、異なる識別情報が、前記スマートメータとの通信のために、前記異なる消費者に対して用いられることにより、前記サーバは、前記消費者のうちの一のみを前記末端装置のうちの1つに関する前記監視データに関連付ける、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
長い間、複雑で高価なシステムが、エネルギー使用量及びコストを低くするために、用いられてきた。しかしながら、これらの手法は、中小企業及び一般消費者によって、高価過ぎるし、複雑過ぎることが分かっている。結果として、消費者は、具体的には、エネルギー消費を抑制しない傾向にある。
【0004】
(ガス及び/又は電気などの)エネルギー消費を削減するにあたって、公益業者及び消費者が直面する課題は、実際の消費者の持続可能な行動を促すための効果的且つリアルタイムな手段が欠けているということである。例えば、エネルギー消費を低減又は最適化する任意の行動が、中央局及び関連する課金システムによって考慮されることを知るのは消費者にとって価値があることであろう。幾つかの自動メータ読み取りシステムが、エネルギー消費に関する定量的データを制御するために使用され得る。自動メータ読み取りシステムは、一般的に、無線モジュールなどの通信モジュールを備え、メータの示度を収集するバッテリ駆動のエンコーダを有し、収集されたデータは、定期的に、通信ネットワークを介して中央局へ送信される。
【0005】
今日のシステムは、結局のところ、例えば、消費者による命令で、又は、リアルタイムの消費データを読み取るための特定の装置を通じてリアルタイムで、幾らかの情報を消費者に提供している。「AMR Hosting」と称されるバックオフィスソリューションは、ユーザが、インターネットを介して、ユーザの電気、水、又は、ガスの消費量を追跡可能とする。全てのデータが、ほぼリアルタイムで収集され、高性能のデータ取得ソフトウェアによって、中央化されたデータベースに格納される。ユーザは、セキュアなウェブアプリケーションを介してデータを閲覧することができ、種々のオンライン解析ツールを用いてデータを解析することができる。ユーザは、負荷プロファイルを容易に図表化し、料金の内訳を解析し、自身の使用料金を検証することができる。Google(登録商標)のPowerMeterは、この種のウェブベースツールの一例である。
【0006】
しかしながら、家庭用電気製品及び光源の最適化されたエネルギー消費を促しながらも、家庭及び職場を含む、様々な状況(即ち、建物の環境/状態)で、消費者に大きな自由度を提供することが有用であろう。
【0007】
従って、エネルギー使用時に、よりよい行動を行なわせるよう、消費者を効率的に駆り立て、ユーザの優先度を必ず配慮する、使用場所又は消費場所の近くに置かれた測定ユニットからデータを収集するための自動エネルギー測定システムが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明の目的は、公益業者及びユーザの両方の期待を満たすことである。
【0009】
本発明の実施形態は、少なくとも1つの末端装置の使用に関する監視データをサーバに送信する、請求項1に記載の方法を提供する。監視データは、上記末端装置のために消費された電力の有用性(定性的情報)についての情報を示していてもよい。
【0010】
とりわけ、本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つのリソースを消費する少なくとも1つの末端装置の消費者による使用に関する監視データをサーバに送信するための方法であって、末端装置をスマートメータの通信回路と結び付けることによって、末端装置をスマートメータに関連付けるステップと、スマートメータによって、末端装置によって消費されたリソースを示すリソース消費データを収集するステップと、スマートメータによって、末端装置から、リソース消費データとは異なる有用性に関する少なくとも1つのインジケータ及びステータス情報を収集するステップと、監視データを作るために、ステータス情報及び有用性に関するインジケータを処理するステップと、スマートメータによって、リソース消費データ及び監視データをサーバに送信するステップとを有する、方法が提供される。
【0011】
例示的な実施形態において、上記リソースは、媒体(一般的にはパイプ)を通じて末端装置に供給される、水、湯、冷水、又は、蒸気であってもよい。リソースは、パイプによって供給される、ガス、石油、水素などであってもよい。あるいは、図面に示された実施形態においてより詳細に説明されるように、リソースは、電線によって末端装置に供給される電気であってもよい。
【0012】
従って、監視データ送信の透明性のために、上記方法は、末端装置(例えば、屋内電気器具、電気自動車、照明など)を自由に選択できる消費者に対して、制約を課さない。上記方法は、公益業者の課金システムが好適にユーザの行動を考慮できるため、エネルギー消費を削減するのに有用である。この例では、ユーザは、経済的に、持続可能な行動を採るように駆り立てられるであろう。
【0013】
本発明のある特定の実施形態では、有用性のインジケータが、末端装置のセンサの測定値に基づいている。例えば、有用性のインジケータは、上記センサに接続された末端装置の処理モジュールによって抽出されてもよい。末端装置がLED光源であり、センサが存在検出センサである場合、存在検出センサの出力信号は、近傍にいる1又は複数の人の存在を示しており、ひいては、生成された光の有用性又は効率を示してしている。ここで、センサが追跡したユーザ行動と装置出力との間にはフィードバックループが設けられていないため、ユーザは、いかなる技術的な制約も受けない(末端装置の出力に対する直接的な動作がない)。
【0014】
本発明の方法の様々な実施形態が、請求項3〜17で述べられており、この明細書において然るべく含まれている。
【0015】
本発明の目的の1つは、リソースを消費する末端装置のスマートな使用を増加させるのに適したリソース測定システムを提供することでもある。
【0016】
従って、本発明によれば、請求項18に記載のリソース測定システムが更に提供される。
【0017】
電気用のスマートメータによって読み出される有用性のインジケータは、ユーザプライバシーの観点から、弊害となり得る値を表す可能性があり、また、弊害となり得る機密情報から抽出される可能性がある。加えて、又は、代わりに、スマートメータによって記録され、サーバに送信されるエネルギーパターンは、プライベートな機密情報を抽出できないように処理されるので、スマートメータによる読み出しは、ユーザのプライバシーを保護する。
【0018】
本発明の目的の1つは、ランプのスマートな使用の促進に関するデータの収集に適したランプを提供することでもある。
【0019】
従って、本発明によれば、請求項20に記載の電動ランプが更に提供される。
【0020】
本発明の他の特徴及び利点が、添付の図面を参照して、限定的でない例示として与えられる、以下の説明により、当該技術分野の当業者にとって明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
各図において、同一の符号は、同一又は同様の要素を示すために用いられている。
【0023】
図1は、ここで説明される本発明の実施形態が使用され得る、住居2又は同様の建物(例えば、工場)を示している。電気供給者の少なくとも1つのサーバ10が、インターネット11又は同様のネットワークに接続されている。住居2及び他の住居又は工場(図示省略)が、電源供給ラインを介して変電所12に接続されている。このことから、住居2は、全国高圧送電線網(ナショナル・グリッド)14から電力を引いている。変電所12は、一般的に、給電線を介して送信された住居からの信号を受信するとともに、当該信号を適切なフォーマットでインターネット11に転送する集線装置を有する。各変電所12は、一般的に、100〜200の不動産に電力を供給できるが、ここでは1つの不動産のみが示されている。
【0024】
インターネット11は、任意の他の適切な通信ネットワークによって置き換えられてもよいことが理解される。例えば、無線通信が、無線メッシュネットワークを用いて使用され得る。より一般的には、(WiMax(登録商標)無線、イーサネット(登録商標)、電話モデム、ADSLブロードバンドなどによる)任意の通信方法が使用され得る。
【0025】
図1に示されるネットワークでは、住居内又は職場における装置がサーバと安全に通信可能である。ここで、住居2は、サーバと通信する幾つかの末端装置を有する。電気が、電源供給ライン16を介して住居2に供給され、敷地内電線17が住居2内の装置に電力を供給する。スマートメータ20は、電気使用量を監視し、使用量の詳細を提供するために、電気供給者のサーバ10と通信する。スマートメータ20は、住居2内の他の装置と通信するための無線通信インタフェースを含む。
【0026】
例えば、洗濯機21、食器洗い機22、冷蔵庫23、電気自動車のバッテリ(又は、他の電気駆動される乗り物のバッテリ)のための充電器24、空調機器、ポンプ、LED光源25などの住居内の末端装置は、スマートメータ20と通信を行なう。太陽電池26及び変圧器27は、必要であれば、ナショナル・グリッド14に提供可能な追加的な電力を住宅に供給する。ここで、各装置は、スマートメータ20と無線通信を行なうが、線17に接続された装置が、線17を介して通信することも可能である。1又は複数の末端装置が、住居2又は同様の建物に接続された屋外照明システムの一部を形成してもよい。あるいは、全ての末端装置が、屋外照明システムの照明装置に対応し、スマートメータ20と通信する。
【0027】
1又は複数のこれらのローカルデバイスが、スマートメータ20を介して、関連付けられたサーバ10と通信する。このため、スマートメータ20は、多くの家庭用装置と少なくとも1つの関連付けられたサーバ10との間の通信を可能とするように用いられる。ここで、末端装置は、それぞれ、一意のスマートメータ20に関連付けられている。各通信リンクは、好ましくは、別個且つ安全であるので、スマートメータ20は、ユーザによって改ざんされず、任意の装置によって作られた、受信された、又は、格納されたデータは、住居内の他の装置の製造者及び通信中の末端装置と関連付けられていないサーバの所有者を含む任意の第三者によってアクセス不可能である。
【0028】
図2に示されるように、スマートメータ20は、通信回路31、ユーザインタフェース32、計測装置33、及び、電力供給ユニット34を有する。無線通信のためのアンテナ38は、ここでは、広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)インタフェース35、セキュアマイクロコントローラ36、及び、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)インタフェース37を有する通信回路31を形成している通信ブロックに接続されている。セキュアマイクロコントローラ36は、スマートメータ20の他の要素のそれぞれに接続されている。ローカル通信が異なる態様で行われる場合、アンテナ38は、オプションである。
【0029】
計測装置33は、電源入力16と敷地内電線17との間を接続し、住居2内での電気消費を測定する。スマートメータ20は、このため、末端装置によって消費された電気の全て又は一部を示すエネルギー消費データを収集する。当該収集は、自動的に行われてもよい。電気使用量に関する情報は、オプションで、ユーザインタフェース32上でユーザに表示されてもよい。好ましくは、消費データ以外のデータも、消費価格を決定するために使用される。エネルギーの使用態様を示し、末端装置の使用量に関する定性的データも、以下で説明されるように、収集される。電力供給ユニット34は、電源入力線16からスマートメータ20内の電子機器に低電圧電源を供給する。この実施形態では、WANインタフェース35が、電力線16を介した通信機能を提供する。LANインタフェース37は、ZigBee(登録商標)などのプロトコルを用いて、無線通信機能を提供する。このように、ローカル装置の1つとサーバの1つとの間の任意の通信が、マイクロコントローラ36を通じてルーティングされる。エラー及び不正を回避する(例えば、エネルギーの使用態様に関わらず、常に、低価格であることを回避する)ため、セキュアな接続が、LED光源25又は他の末端装置とスマートメータ20との間に提供される。
【0030】
図2に示されるように、通信回路31は、スマートメータ20内のモジュール又はサブシステムとして実装されている。末端装置は、通信回路31とのインタフェースを通じて、スマートメータ20にそれぞれ関連付けられている。通信回路31は、メータ20のたの部品と同じプリント回路基板にはんだ付けされた部品のセットとしても実装され得る。より一般的には、スマートメータ20の多くの他の実施形態が可能である。
【0031】
ここで、
図1を参照すると、スマートメータ20のセキュアマイクロコントローラ36又は同様の制御回路が、給電された場合の末端装置の1又は複数の有用性についての監視データを作るために配置される。WANインタフェース35又は同様の通信インタフェースが、監視データをサーバ10(ここでは、リモートサーバ)に送信するために設けられる。監視データは、センサから、又は、末端装置における一連の動作からローカルに生成された情報を有する。かかる情報は、末端装置によって消費された電気の有用性を示している。
【0032】
図3に示されるように、LED光源25又は同様のランプ、好ましくはレトロフィットランプ、の例を考慮すると、各装置25は、少なくとも1つの照明部品25aと、ステータス情報(例えば、オン/オフ)及び有用性のインジケータ(例えば、光源25が設置された場所の占有率)を含むデータを作る検出ユニット25bと、検出ユニット25bによって作られたデータをスマートメータ20に送信するための通信モジュール25cとを有する。
【0033】
ある例示的な実施形態では、検出ユニット25bの存在検出センサによって、(例えば、人が他の部屋にいるなどして)非占有であることが検出される。存在検出センサの出力信号は、近傍にいる1又は複数の人の存在を示すものであり、ひいては、生成された光の有用性又は効率を示すものであることが理解される。従って、使用量の効率/有用性のインジケータを規定する存在インジケータが、生成されることができ、例えば、少なくとも一人の人間が検出されれば1、誰も検出されない場合は0の、2つの値をとり得る。LED光源25の有用性のインジケータ、及び、電源の状態を示す、対応するステータス情報は、LED光源25がエネルギー節約の態様で使用されているのか、エネルギーを無駄にする態様で使用されているのかを決定するために、スマートメータ20によって処理される。1又は複数のステータス情報が使用され得る。LED光源25の場合では、ステータス情報は、オフ及びオンから選択されるか、又は、異なるパワーレベルから選択され得る。有用性のインジケータは、エネルギー消費データとは異なり、エネルギー消費に関する使用レベル、即ち、エネルギー消費の質的なレベルを示すものであることに留意すべきである。このインジケータは、電気的にオンされた末端装置の使用量を反映する、物理的パラメータの測定後に得られることができる。このため、(装置の期待される使用量に比して)使用量が最適化されているか否かを、上記物理的パラメータから推定することができる。
【0034】
LED光源25の検出ユニット25bは、ここでは、通信モジュール25cを介してスマートメータ20に後で送られる関連情報を抽出するための処理ユニットを有する。好ましくは、LED光源25は、関連付けられた通信モジュール25cを通じて、スマートメータ20の通信回路31に、制御データを安全に送信する。通信回路31への通信を保護するために、データは、識別情報を含むフレーム形式にカプセル化されてもよく、かかる識別情報を運ぶ信号は、通信モジュール25cとLANインタフェース37又は通信回路31の同様のインタフェースとの間で送信される。非占有のこの例では、監視データは、非占有である所定期間の経過後、LED光源25の動作中に非占有であることを示すデータを含むことができる。
【0035】
ある例示的な実施形態では、スマートメータ20内の時間制御部が、LED光源25又は同様の末端装置から受信される制御データの周期とは異なる周期で監視データを通信するように、通信回路31を制御してもよい。時間制御部は、通信回路31が制御データを受信/記録したかどうかについての判断を繰り返すことができる。待機期間が閾値を超えた場合、時間制御部は、送信情報を送信するように、通信回路31を制御する。
【0036】
照明が必要でない場合(例えば、人が他の部屋にいる場合)に、人々に照明をスイッチオフさせるよう促すため、無駄にされるエネルギーの価格を、有用なエネルギーの価格に比して高く設定するようにしてもよい。例えば、サーバ10は、中央データベースに接続され、無駄にされたエネルギーについての情報を考慮する課金システムを備える。有用性のインジケータは、超過エネルギーが、関連付けられた末端装置で消費されたかについての決定を可能とする。これに関連して、無駄にされるエネルギーをユーザに知らせる警告機能が、例えば、スマートメータ20のユーザインタフェース32内に、あるいは、LED光源25又は同様のランプと同じ空間に置かれた警告装置内に、オプションで、照明装置の筐体内部に、実装される。消費者は、日付及び時間と関連して、消費された超過エネルギー量を通知されることができる。
【0037】
ある好ましい実施形態では、無駄にされたエネルギーに関する情報が、適切な態様で、例えば、ユーザインタフェース32のディスプレイを介して、ユーザに伝達される。もちろん、スマートメータ20は、検知、処理、及び、伝達のためのいかなる部品も持たない古いランプ及び/又は照明器具(レトロフィット)に関する消費データについても収集することができる。1つの料金のみが、白熱電球又は同様のランプがオンされた場合に消費される電気と関連付けられる。
【0038】
図1に示されるような末端装置を備えた、スマートホーム又は建物において、スマートメータ20によって行われるスマートメータリングは、電気の無駄使いを考慮した料金を規定するために、サーバ10の特定の課金システムと関連付けられてもよい。
図1に示されるようなエネルギー測定システムは、ステータス情報及び有用性のインジケータを取得するために、スマートメータ20と幾つかの末端装置との間に接続を有する。スマートメータ20のセキュアマイクロコントローラ36又は同様の制御回路が、計測装置33に接続され、上記線17におけるエネルギー消費データを収集するように構成される。セキュアマイクロコントローラ36は、例えば、末端装置から送られた使用可能な交換データ及び/又はステータス情報を用いることによって、異なる末端装置の消費データを区別するように構成される。セキュアマイクロコントローラ36は、ステータス情報及び上記有用性のインジケータの処理後に、給電された末端装置についての監視データを作る。当該監視データは、所与の末端装置におけるエネルギー消費の質的なレベルを示すデータを含んでおり、やがてサーバ10に送信される。
【0039】
ここで、
図3を参照すると、LED光源25又は任意の他の末端装置とスマートメータ20との間の通信ステップは、プライバシーを考慮して住居内の情報を収集するように行われる。例えば、電気使用量についての情報の意図しない漏洩、又は、部外者による住居2内の電気機器の制御を避けるため、セキュリティについても保証される。また、プライバシーは、ここでは、プライバシーに関する機密情報をサービス提供者及び公益事業会社と共有する制御を行なうよう管理される。
【0040】
図3に示されるように、スマートメータ20とLED光源25とが、初期ステップS0において、ひもづけられる(ペアリングされる)。スマートメータ20及びLED光源25は、互いの識別情報及びプライバシー設定についての基本的情報を交換し、未来のキーを承諾する。ある実施形態では、住居内の線17が、ペアリングのために使用され、情報が、PCL(Power Line Communication)又は同様のデータ伝送システムを介して、交換される。住居内の電気グリッドが、ユーザに対してプライバシー及びセキュリティを保証するため、LED光源25とスマートメータ20とをセキュアに結び付けるための第1のプライバシー機能と組み合わせて用いられる。
【0041】
上記第1のプライバシー機能は、制御信号が単一の住居2へ向かうことを保証するため、及び、住居内の末端装置(スマートメータ20と装置との間のペアリング)を一意の適切なスマートメータ20にセキュアに結び付ける認証プロトコルを実行するために実装される。このことは、例えば、スマートメータ20内の誘電フィルタ、ローパスフィルタを含むことによって実現可能である。誘電フィルタは、住居内電気グリッド(これを実現する技術の例は、X10及びイーサネットオーバパワー(Ethernet over Power)である)上で変調された任意の信号が住居2の外側へ漏洩するのを妨げる。このフィルタの使用は、スマート末端装置21,22,23,24,25をスマートメータ20とセキュアにペアリングすることを可能とする。当該ペアリング後、無線ZigBeeなどの他の通信プロトコルが用いられ得る。
【0042】
スマートエネルギープロファイルのためのZigBee技術又は同様の技術が、一方では、末端装置とスマートメータ20との間の通信のために、他方では、スマートメータ20と上記グリッドとの間の通信のために、使用可能である。当該技術の特徴は、基本測定、要求応答、負荷制御、課金、管理システムのためのテキストメッセージ及びサポートを含んでいる。ZigBee技術は、消費者のみ、公益業者のみ、又は、共有ネットワークに情報フローの制御を可能とするため、セキュリティ及び認証を提供する。この技術を使用する場合、以下の特徴が提供され得る。
【0043】
・データ及びトランザクションが本物であることを保証する信頼性(Authenticity)
【0044】
・データが認証なしには修正されない整合性(Integrity)
【0045】
・住居の所有者がエネルギー受信を拒否できない否認防止(Non-repudiation)
【0046】
・エネルギー消費量が保護されなければならない通信チャネルの機密性(Confidentiality of the communication channel)
【0047】
ZigBeeは、32、64、又は、128ブロック長のAES-CCMとともに実装された場合、セキュリティ及び認証の両方を提供する。ZigBeeセキュリティによって提供される他のセキュリティについての特徴は、リプライアタックに対する保護及びアクセスコントロールリスト(ノードが通信する準備ができているノードのリスト)の提供を含む。
【0048】
図3を参照すると、ペアリングの初期ステップS0の後、セッション初期化S1がオプションで実行されてもよい。セッションのためのパラメータがやり取りされる。LED光源25は、特定の加入料又は奨励金付きのモデルと相まってのみ機能してもよい。セッション初期化S1は、このため、ペアリング後であって使用前に開始する。LED光源25及びスマートメータ20は、ここでは、このプロトコルの一部として、能力及び要求を交換し、例えば、LED光源25は、有効な使用を報告するため、自身の性能を報告できるとともに、奨励金付きであるかどうかを報告することができる。
【0049】
一般的には、セッションは、LED光源25又は同様の末端装置が同一の線17(即ち、同一の電気経路又は家庭内電気グリッド)に接続されたままである場合に限って有効であろう。家庭内電気グリッドは、時間制限のある許可証明書の連続的な交換を具備するオプションのハートビート(キープアライブ)プロトコルによってサポートされてもよい。
【0050】
セッション中、LED光源25は、使用料、有用性、照明機能及び関連センサの状態などを、スマートメータ20に報告する。オプションで、特定の末端装置は、将来の期間において使用が見込まれるエネルギー量について報告してもよい。報告S2は、セッション中、定期的に更新されてもよい。
図3に示されるように、スマートメータ20は、例えば、ネットワークが高負荷を被っていること、加入プランに応じて1又は複数の末端装置が優先度の低い使用のためのエネルギー消費を低下させるべきであることを示すために、LED光源25及びスマート機器又は他の末端装置に制御信号を送ってもよい。この最後の例では、より高い優先度が少なくとも1つの末端装置に関連付けられ、より低い優先度が他の末端装置に関連付けられる。従って、ネットワークの生産能力に比して電気に対する要求が高い場合、サーバ10は、スマートメータ20に制御信号をすぐに送信でき、そして、制御ステップS3の間、より低い優先度の装置に電力削減命令を送信することができる。より低い優先度を持つ末端装置に関する上記電気消費の削減は、より高い優先度の他の末端装置から恩恵を受けるユーザに影響を与えない。あるいは、又は、加えて、スマートメータ20は、制御信号を、より低い優先度の末端装置の1又は複数に関する電力削減勧告に変換してもよい。かかる勧告が表示され、及び/又は、警告機能が、所与の機器、光源などをスイッチオフするのを自由に選択できるユーザを防いでもよい。スマートメータ20のユーザインタフェース32は、ユーザの個人的な要求に応じた各優先度をパラメータ化するために使用されてもよい。加えて、又は、あるいは、有用性のインジケータは、優先度の序列を動的に更新するために使用され得る。換言すれば、優先度の管理は、スマートメータ20によって行われる。
【0051】
図3を参照すると、グリッド報告S4及びグリッド通知S5が、サーバ10とスマートメータ20との間で行なわれる2つの通信ステップを形成する。通信回路によって末端装置(ここでは、LED光源25)に関するステータス情報及び1又は複数の有用性のインジケータを受信した後、スマートメータ20は、サーバ10に、現在の使用量、有用性、及び、オプションで、期待される使用及び/又は他の承認されたパラメータを、公益事業会社に報告する。
【0052】
サーバ10に関連するサービスプロバイダは、グリッド通知ステップS5において、グリッドステータスを通知し、ステップS4において報告された見込み使用量に応じて要求された将来のエネルギー使用に関して、更新された料金プランを提供してもよい。換言すれば、電気消費に対する課金は、監視データに依存しており、動的に更新され得る。サーバ10への送信前に、スマートメータ20のセキュアマイクロコントローラ36は、監視データを作るため、ステータス情報及び有用性のインジケータを処理する。監視データは、消費データと一緒に、サーバ10へ送信される。上記のように、スマートメータ20によって送信されたデータは、現在の使用料、有用性、オプションで、見込み使用量及び/又は同様のパラメータを反映している。さらに、スマートメータ20は、プライバシーポリシーを施行するように構成され、従来のプライバシー向上技術を適用してもよい。
【0053】
住居内で収集された情報は、公益事業会社又は同様のサービスプロバイダのサーバ10にセキュアに送信される。スマートメータ20内に実装される、第2のプライバシー機能は、ここでは、何の情報がサーバ10に送信されるかを制御する。これは、ユーザの選択次第であってもよく、可能であれば、適用可能な契約(申し込み)であってもよい。ユーザインタフェース32への入力が、この第2のプライバシー機能の管理に考慮されてもよい。適用されるプライバシー向上技術は、周波数の報告、平均化、マスキングなどを含む。これは、使用されたエネルギーの報告と同様、(例えば、夜間に電気自動車などに充電するための)使用されるエネルギーの推定にも適用可能であることに留意すべきである。末端装置についての電力特性及び時間情報は、スマートメータ20によって、1又は複数の末端装置に関するエネルギー消費、即ち、見込まれる使用の推定のために、用いられてもよい。第2のプライバシー機能は、好ましくは、グリッドから入力される信号が公益事業会社からのものであると認証するための、制限されたセキュリティ機能を持つ。
【0054】
ステップS5においてグリッド通知を受信した後、スマートメータ20は、LANインタフェース37を介して末端装置に適切な制御信号を送信するために、グリッドステータス及び更新された料金プランを用いることができる。これを管理するために、スマートメータ20は、公益事業会社からの更新データとマイクロコントローラ36によって処理されるアルゴリズムとを格納し、エネルギーコスト及びエネルギー消費に対する優先度を考慮するために、格納された更新データを使用するための記憶領域を有する。
【0055】
図1を参照すると、末端装置21,22,23,24,25は、個々の機器21〜24及びLED光源25において、幾つかの基本的なプライバシー機能に関するプライバシー機能を備えていてもよい。ある例示的な実施形態では、末端装置のスマートメータ20との通信は、スマートメータ20に報告されたデータの制御により実行される。装置毎のプライバシーポリシーは、例えば、スマートメータ20において使用される第2のプライバシー機能と同様の態様で、この制御を動作させるように施行される。
【0056】
報告セッションS2(
図3)の間にスマートメータに通信される情報は、一般的に、有用性についての教示を供給し得る、機器のステータス(オン/オフなど)、エネルギー使用量、エネルギー使用パターン、センサ情報(存在、温度、環境光レベルなど)についての情報を含んでいる。さらに、1又は複数の認証キーが使用され得る。キーについての承認は、初期ステップS0のペアリング中に取得される。このため、制限されたセキュリティ機能が、スマートメータ20に送られた信号が末端装置からのものかどうかの認証のために使用され得る。スマートメータ20と所与の末端装置との間のペアリングは、有用性のインジケータ及びステータス情報が、(この所与の末端装置のための)電気消費データと関連付けられることを可能とする。スマートメータ20は、少なくとも1つが電気消費の自動調整を可能とする、1又は複数のモデルに従って動作してもよい。あるいは、スマートメータ20は、末端装置の電気消費においていかなる変更も生じさせることなく、装置毎の量的及び質的なデータのみを収集してもよい。
【0057】
図3に示される実施形態は、部屋における非占有を検出可能な検出ユニットを備えたLED光源25を示しているが、末端装置は、有用性のインジケータを決定するための各種のセンサ及び収集素子を備えることができることが理解されるべきである。実際、ランプの代替として、エネルギー節約(有効)又はエネルギーを無駄にする態様(非有用)で使用可能な様々な機器が考えられ得る。洗濯機21又は食器洗い機22の例を考えると、有用性は、汚れの量及び機械の負荷の程度を測定することによって決定され得る。このため、負荷センサ及び/又は水の透明度センサが、上記測定を行なうために備えられ得る。
【0058】
電気自動車のバッテリを充電するように設計された充電装置24の例を考えると、かかる装置24は、オプションで、より長い時間における運転スタイルについての情報を収集するためのデータレコーダと関連付けられることができる。充電動作は、より低い料金のために、夜間に行なわれる。時間データ及びオプションの乗り物運転データの集計は、スマートメータ20に送信される。
【0059】
ここで、末端装置は、電気的に給電される装置のグループから選択される。例えば、このグループは、家庭用機器21,22,23、バッテリを充電するための装置24、空調機器、ポンプ、光源(好ましくは、LED光源25)又は任意の他の同様の装置を実質的に含む。
【0060】
ある変形例によれば、末端装置は、エネルギー(のほとんど)の消費に際して、及び、スマートメータ20への報告に際して、柔軟性を持つ。例えば、洗濯機21は、夜間に、即ち、より低い料金の時間帯において、洗濯を行なうことができる。スマートメータ20は、公益事業会社のサーバ10に要求を転送し、これに応じて、(例えば、エネルギーが消費され得る時間帯の形式で)当該要求が割り当てられた場合に信号を取得する。かかる制御は、一般的には、経済的に有利な条件、即ち、割引でエネルギーを得るものであろう。
【0061】
消費の制御は、複数の末端装置によって行なわれてもよい。この制御の例は、例えば、電気自動車が充電される場合の、本発明のエネルギー使用のための時間帯の割り当てを含む。
図1に示されるような充電装置24は、充電が所定の時間帯において行なわれることを可能とする通信モジュールを備えていてもよい。充電動作は、例えば、スマートメータ20からの命令信号に応じて行なわれる。より一般的には、上記末端装置は、スマートメータ20において上記要求に応じた応答をサーバ10から受信した後に給電される。上記要求は、ユーザ命令が末端装置のインタフェースを介して入力された場合に、スマートメータ20によって自動的に送信されてもよい。電気消費の当該制御の利点の1つは、見込まれるエネルギー使用が報告され得ることである。もちろん、上記報告は、プライバシーの高い機密情報を公益事業会社などに暴露すべきではなく、上記第2のプライバシー機能は、サーバ10に送信される情報の程度を制限する。
【0062】
図1に示されるようなエネルギー測定システムの他のアプリケーションは、例えば、消費者に、従来の照明をLED技術を備えたランプで置き換えさせるよう促すといった、LED光源25によって使用されたエネルギー量についての正確な情報の売り込みである。LED技術における投資の回収は、LEDの極めて低いエネルギー消費及びより長い寿命に起因する。結果として、損益分岐点に達するまでに数年かかることがある。上記交換が実質的な投資であることから、関連する電気料金を適用するための監視データの売り込みは、投資を回収するのに必要な時間にもかかわらず、LED技術の選択を促すことができ、これは、「光ライセンス」ビジネスモデルである。
【0063】
例えば、「光ライセンス」ビジネスモデルによれば、LED光源装置25は、無料で与えられ、電気料金がわずかに増加される。通常料金に加えて支払われる金額は、LED照明のための支払いに用いられる。LED光源装置25が極めて少ないエネルギーを使用するという事実のために、全体として、消費者はお金を節約できる。かかるモデルを実施するため、電気会社又は第三者(オプションで、LEDの製造者)は、特定の料金を適用してもよい。インジケータ及び/又はステータス情報が、新たに設置されたLED光源装置25のそれぞれに関連付けられ、結果、スマートメータ20は、これらのLED光源装置25によって消費された電気量の特異性を考慮する。LED光源装置25によって使用された電気量は、スマートメータ20によって、正確に収集される必要がある。この使用された電気量は、LED光源装置25の既知の電力を乗じた光生成の時間の測定などの種々の態様により決定されることができる。
【0064】
新たなランプとスマートメータ20との間の接続は、セキュア且つ信頼性のあるものであり、これは、エラー及び不正を防ぐ。消費者は、スマートメータが設置されていない無料のLED光源装置25を設置及び使用できないようにしなければならない。例えば、この「光ライセンス」ビジネスモデルによれば、LED照明は、スマートメータ20によって接続及び認識されていないLED光源装置25を機能させることはできない。当該モデルにおいて使用されるLED光源装置25は、
図3を参照して説明されるように、通信モジュール25cにおいて、LED照明がスマートメータ20から確認メッセージを受信した後でのみ起動されることを可能とする起動ルーティンを更に有していてもよい。
【0065】
図1に示されるエネルギー測定システムは、住居2内で使用されているが、かかるシステムは、オフィスビル又は同様の環境において設置され得ることが理解されるべきである。電気消費に関して責任がとれるやり方で行動する動機を増大させるため、有効及び無駄なリソースの区別だけでなく、誰が電気リソースの恩恵を受けているかを決定することができる高度な占有検出が設けられ得る。かかる構成では、オフィスビルにおける末端装置は、異なる消費者に関連付けられ、スマートメータ20の通信回路31とそれぞれひもづけられる。区別のための識別情報が、好適に、スマートメータ20と通信する異なる消費者のために用いられ、これにより、サーバ10は、消費者を一意的に、上記複数の末端装置のうちの所与の一の末端装置に関する監視データに関連付ける。サーバ10に関連付けられた課金システムは、複数のアカウントを考慮し、従って、オフィスビルなどにおけるリソースの使用の一元化された支払いを回避する。
【0066】
監視データは、無駄の多い行動を識別するために、測定データ及びステータス情報を用いて、正確に収集され得る。無駄の多い行動は、とりわけ有用性のインジケータの観点から決定され、消費者の行動は、より細かいレベルで課金され得る。結果として、エネルギー測定システムは、個人の責任感を向上させる。
【0067】
エネルギー測定システムは、屋外照明システムを監視するためにも使用される。屋外でのエネルギーコストは、社会にとって大きなコストであるだけでなく、エネルギーの大量の無駄を有する支出でもある。長期間、有用性の統計を収集することによって、社会は、照明スケジュールを最適化できる。より小さな通りに対しては、屋外照明を(多くはいずれにせよ幾らかの屋外照明を持つ)住居に接続することにより、インフラが節約され、社会の利益のために生じた電力コストを払い戻すことができる。この場合では、住居に属する末端装置によるエネルギー消費は、スマートメータ20によって、監視される。
図3に示されるステップS1〜S5は、サービスプロバイダが払い戻すコストを推定するために必要な全てのデータを収集するように、実行されてもよい。
【0068】
エネルギー測定システムの多くのアプリケーションは、環境リソースの過度の使用を避けることを目的とし得る。実際、当該システムは、消費者の行動を、より環境的に持続可能なパターンへ方向づける強力な態様を提供できる。エネルギー測定システムは、好適には、持続可能な行動のための財政的(又は、他の)動機を与えるために、ユーザ優先度を考慮してもよく、測定データ及び外部情報を単純に使用してもよい。
【0069】
本発明は、好ましい実施形態とともに説明されてきた。しかしながら、これらの実施形態は、単なる例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、前述の例が電気測定システムのみに基づくものであったとしても、これは、リソースのスマートな消費を得るため、ガス、水、熱、などの他のリソースの消費を測定するシステムのためにも適用可能である。当該技術分野における当業者によって、他の変形及び修正が、添付の請求項に記載される本発明の範囲内で容易になされ、ひいては、本発明が以下の請求項によって限定されることを意図していることが理解されるであろう。ステータス情報は、有用性のインジケータとは区別される情報として上述されているが、かかるステータス情報は、インジケータから抽出されてもよく、その逆も可能であることが理解されるべきである。従って、ステータス情報は、厳密な態様で実装されるべきではない。
【0070】
添付の請求項中の任意の参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する」なる用語の使用が、任意の請求項中に記載された用語に加えて、任意の他の要素の存在を除外しないことが明らかであろう。「a」又は「an」なる用語は、複数の要素の存在を除外しない。