特許第6030630号(P6030630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6030630経口ペプチド送達のための脂肪酸アシル化アミノ酸
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030630
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】経口ペプチド送達のための脂肪酸アシル化アミノ酸
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/28 20060101AFI20161114BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20161114BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   A61K37/26
   A61K47/18
   A61P3/10
【請求項の数】14
【全頁数】67
(21)【出願番号】特願2014-504327(P2014-504327)
(86)(22)【出願日】2012年4月12日
(65)【公表番号】特表2014-512366(P2014-512366A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】EP2012056708
(87)【国際公開番号】WO2012140155
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2015年4月8日
(31)【優先権主張番号】11162411.0
(32)【優先日】2011年4月14日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/477,719
(32)【優先日】2011年4月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン・アンデルス・フェガー
(72)【発明者】
【氏名】アブダラ・マクロフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・ホイヤー
【審査官】 伊藤 基章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−511032(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/060667(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0014478(US,A1)
【文献】 特開2006−117634(JP,A)
【文献】 米国特許第04258029(US,A)
【文献】 特開昭60−233041(JP,A)
【文献】 米国特許第05270032(US,A)
【文献】 米国特許第02772168(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 38/00
A61K 39/00
A61K 47/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.一般式:
【化1】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、
R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、
R3は、Hまたはその塩のいずれかであり、
R4は、非カチオン性アミノ酸側鎖である]
の少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、
b.少なくとも1種のインスリンペプチドと
を含む、経口医薬組成物。
【請求項2】
10%(w/w)未満の水を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、非極性疎水性アミノ酸、極性無電荷アミノ酸または極性酸性アミノ酸をベースとする、請求項1に記載の経口医薬組成物。
【請求項4】
腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の経口組成物。
【請求項5】
脂肪酸アシル化アミノ酸が、その遊離酸または塩の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項6】
脂肪酸アシル化アミノ酸の前記脂肪酸部分が、10、12、14、16または18個の炭素原子からなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項7】
前記脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン (Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項8】
脂肪酸アシル化アミノ酸が、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイルL-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイルL-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイルL-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイルL-グリシン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイルL-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイルL-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイルL-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイルL-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイルL-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイルL-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイルL-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイルL-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイルL-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイルL-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイルL-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-
デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムステアロイルグルタメート、ナトリウムミリストイルグルタメート、ナトリウムラウロイルグルタメート、ナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムココイルグリシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムココイルグリシン、ナトリウムココイルグルタメート、及びナトリウムカプリックメチオニネートからなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項9】
プロピレングリコールをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項10】
SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSの投与形態に配合されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項11】
その他の医薬添加剤をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項12】
医薬として使用するための、請求項1から11のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項13】
真性糖尿病の治療のための医薬として使用するための、請求項1から12のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種のインスリンペプチドのバイオアベイラビリティを増大させるための、請求項1から13のいずれか一項に記載の経口医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、治療用親水性ペプチドおよびタンパク質の経口送達のための脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)ならびにこのようなFA-aaを含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
何らかの高分子(例えば、タンパク質およびペプチド)の欠乏またはその産生の完全な不全による多数の病理学的状態が、親水性ペプチドまたはタンパク質などの治療用高分子の侵襲的かつ不都合な非経口投与を用いて治療されている。これに関する一例として、1回または複数回の1日用量のインスリンを必要とするインスリン依存性患者の治療におけるインスリンの投与がある。経口経路は、その非侵襲的性質のため、投与に望ましく、薬物投与に関連する患者の不快感を低減し、服薬遵守を高める可能性が高い。しかし、胃腸(GI)管における酵素分解、薬物排出ポンプ、腸管粘膜からの吸収が不十分かつ変動的であること、および肝臓における初回通過代謝という、いくつかの障壁が存在し、今までに、治療用親水性タンパク質の経口送達のための製品が市販されているのは見られていない。
【0003】
親水性のタンパク質およびポリペプチドの限定されない例として、ヒトインスリンがある。ヒトインスリンは、胃の中(ペプシン)、腸管腔の中(キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼなど)およびGI管の粘膜表面 (アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エンテロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、エンドペプチダーゼなど)で見出される種々の消化酵素によって分解される。
【0004】
WO2004147578は、シクロスポリンなどの疎水性高分子を含めた疎水性分子の浸透促進物質として使用される脂肪酸アシル化アミノ酸に関する。
【0005】
WO2001035998は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの高分子の経皮および経粘膜吸収促進物質として使用されるアシル化アミノ酸に関する。
【0006】
WO2004064758は、アシルアミノ酸を含めた吸収促進剤を含む、インスリン、成長ホルモンおよびGLP-1などの医薬ペプチドを送達するための経口組成物に関する。
【0007】
US2005282756は、インスリンおよび吸収促進剤を含む乾燥粉末組成物に関する。
【0008】
WO2003030865は、イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含み、トリグリセリドなどのオイルまたは脂質化合物も含有し、長鎖エステル化脂肪酸(C12〜C18)をさらに含むインスリン組成物に関する。
【0009】
WO2004064758は、吸収促進剤を含む医薬ペプチドを送達するための経口医薬組成物に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO2004147578
【特許文献2】WO2001035998
【特許文献3】WO2004064758
【特許文献4】US2005282756
【特許文献5】WO2003030865
【特許文献6】WO2005012347
【特許文献7】WO2008034881
【特許文献8】WO2009/115469
【特許文献9】WO2011068019
【特許文献10】WO08145728
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Fogerら、Amino Acids(2008年)25:233〜241頁、DOI10.1007/s00726-007-0581-5
【非特許文献2】Eudragit(登録商標)Application Guidelines、Evonik Industries、第11版、2009年9月
【非特許文献3】Handbook of Pharmaceutical Excipients、Roweら編、第4版、Pharmaceutical Press (2003)
【非特許文献4】Greene and Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999年
【非特許文献5】Griffin WC:「Classification of Surface-Active Agents by「HLB」」、Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1(1949年):311頁
【非特許文献6】Davies JT:「A quantitative kinetic theory of emulsion type, I. Physical chemistry of the emulsifying」Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interface. Proceedings of the International Congress of Surface Activity(1957年):426〜438頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
経口投与経路はかなり複雑であり、親水性ペプチドまたはタンパク質などの高分子の有効なバイオアベイラビリティを有する、患者の治療に適した許容される組成物を確立する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、そのαアミノ基で、8〜18個の炭素の脂肪酸でアシル化された特定のアミノ酸と、親水性ペプチドまたはタンパク質などの有効成分とを含む経口医薬組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部への注射後における、脂肪酸アシル化アミノの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態(Pharmakokinetic)プロフィール。
図2】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)の空腸中央部への注射後における、2種の異なる濃度のナトリウムN-カプリック(capric)ロイシンの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図3】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部への注射後における、2種の異なる脂肪酸アシル化アミノ酸の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。N-ココイルサルコシンを有する製剤(-□-)は、共溶媒プロピレングリコールの50%を含有していた。ココイルサルコシネート中の脂肪酸鎖分布は、1% C6、8% C8、6% C10、48% C12、18% C14、8% C16、6% C18飽和および5% C18不飽和である。
図4】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部への注射後における、漸増量のナトリウムラウロイルサルコシネートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図5】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)の空腸中央部への注射後における、漸増量のナトリウムミリストイルグルタメートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図6】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラットの結腸への注射後における、10mg/mlのナトリウムラウロイルサルコシネートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図7】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部への注射後における、オレオイルサルコシネートの存在下またはココイルサルコシネートおよび16.5%の共溶媒プロピレングリコールの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。ココイルサルコシネート中の脂肪酸鎖分布は、1% C6、8% C8、6% C10、48% C12、18% C14、8% C16、6% C18飽和および5% C18不飽和である。
図8】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)空腸中央部への注射後における、種々の脂肪酸アシル化アミノ酸の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図9】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部への注射後における、種々の脂肪酸アシル化アミノ酸の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図10】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部への注射後における、ナトリウムN-カプリックロイシンの存在下でプロピレングリコールに溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図11】雄のビーグル犬への、200mgのナトリウムラウロイルサルコシネートおよび50mgのダイズトリプシン阻害薬および腸溶コーティングのためのEudragit(登録商標)L30D55およびEudragit(登録商標)NE30Dを含む腸溶錠の経口投薬後における、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(120nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図12】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部への注射後における、本発明の種々の脂肪酸アシル化アミノ酸またはそれらの混合物の存在下で、またはよく使用される浸透促進剤の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィール。
図13】麻酔された一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部への注射後における、ナトリウムN-ラウロイルフェニルアラニンを含む液体SEDDS、SMEDDSおよびSNEDDS製剤に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(30nmol/kg)の薬物動態プロフィール。組成物は、Table 1(表2)に示されている。
図14】30mgのラウロイルロイシンナトリウムナトリウム塩、150mgのプロピレングリコール、300mgのポリソルベート20および520mgのモノカプリン酸ジグリセロールを含む腸溶ソフトカプセル剤の経口投薬後における、インスリン誘導体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(120nmol/kg)の、単一ビーグル犬における薬物動態プロフィールが示されている。Euragit(登録商標)L30-D55およびEudragit(登録商標)NE30Dの1:1混合物が、腸溶コーティングのために使用された。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本発明は、治療用高分子(すなわち(e.i.)治療用活性ペプチドおよびタンパク質)の経口投与に適した、浸透促進剤として作用するFA-aaを含む医薬組成物に関する。より詳しくは、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質などの治療用高分子は、治療活性を有する親水性ペプチドおよびタンパク質であり、それだけには限らないが、インスリンが挙げられる。低い刺激作用を有する新規界面活性剤の研究は、アミノ酸に由来する種々の界面活性剤の開発につながった(Mitjansら、2003年;Benavidesら、2004年;Sanchezら、2006年)FA-aaは、アミノ酸ベースの界面活性剤、したがって、毒性の低い穏やかな生分解性界面活性剤である。
【0016】
驚くべきことに、特定の脂肪酸N-アシル化アミノ酸は、親水性(hydrophillic)ペプチドおよびタンパク質の吸収を、経口投与後に、脂肪酸塩、胆汁酸塩およびその他のものなどの当技術分野で公知のよく使用される浸透促進剤よりも高い程度に増大することを見出した。この効果は、さまざまな大きさの親水性ペプチドおよびタンパク質について示されている。
【0017】
その低い毒性および親水性ペプチドまたはタンパク質などの治療用高分子の経口バイオアベイラビリティに対するますます増大する効果のために、本発明のFA-aaは、経口医薬組成物において価値のある成分である。有効成分として親水性ペプチドまたはタンパク質を含む経口医薬組成物中の本発明のFA-aaは、特に価値がある。これは、通常、薬物の最も非侵襲的な、非毒性投与が、任意の治療において、治療薬の弧発性投与またはバルク投与にとっても好まれるので、治療用高分子(例えば、ペプチドまたはタンパク質)の慢性投与を必要とする疾患にとって興味深いことであるが、それに限定されない。今までのところ、主に、このような親水性タンパク質およびペプチドの酵素分解の大きな課題および極めて低い腸透過性のために、経口製剤として利用可能な市販の親水性タンパク質はない。Fogerらは、親水性ペプチド薬物の経口吸収に対する分子量の影響を記載した、このような親水性ペプチド薬物の分子量が増大するにつれ透過性が低下すると示した(Amino Acids(2008年)25:233〜241頁、DOI10.1007/s00726-007-0581-5)。
【0018】
本発明はまた、例示的実施形態の開示内容から明らかとなるさらなる問題も解決し得る。本発明は、治療用高分子(例えば、ペプチドおよびタンパク質)のバイオアベイラビリティおよびその吸収を増大するのに適したFA-aaを含む経口医薬組成物に関する。
【0019】
本発明の一実施形態は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物である。本発明の一実施形態は、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物であり、ここで、前記治療用高分子は、親水性ペプチドまたはタンパク質である。
【0020】
本発明はまた、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物に関し、ここで、前記治療用高分子は、ペプチドである。
【0021】
本発明はまた、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物に関し、ここで、前記治療用高分子は、治療用活性ペプチドである。
【0022】
本発明の一実施形態は、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物であり、ここで、前記治療用高分子は、タンパク質である。
【0023】
本発明の一実施形態は、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物であり、ここで、前記治療用高分子は、治療用タンパク質である。
【0024】
本発明の一実施形態は、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物であり、ここで、前記治療用高分子は、インスリンである。
【0025】
本発明の一実施形態は、少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aaとを含む医薬組成物であり、ここで、前記治療用高分子は、インスリンペプチドである。
【0026】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含む。
【0027】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Metheonine)(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0028】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0029】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Metheonine)(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0030】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、10個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0031】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、10個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0032】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、12個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0033】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、12個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0034】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、14個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0035】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、14個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0036】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、16個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0037】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、16個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0038】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0039】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(IleIle)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0040】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0041】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0042】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、10個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0043】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、12個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0044】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、14個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0045】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、16個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0046】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、非極性疎水性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaと、18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含み、前記1種または複数の非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0047】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、極性無電荷アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含む。
【0048】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、極性無電荷アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含み、前記極性無電荷アミノ酸は、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択することができる。
【0049】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、極性酸性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含む。
【0050】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、極性酸性アミノ酸をベースとする1種または複数のFA-aaとを含み、前記極性酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0051】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、混合物FA-aaをベースとするFA-aaとを含む。
【0052】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、1種または複数の市販のFA-aaを含む。
【0053】
本発明によれば、FA-aaは、アミノ残基と、前記アミノ酸のα-アミノ基のアシル化によってアミノ酸と結合している脂肪酸とを含む。
【0054】
一実施形態では、本発明のアミノ酸残基は、その遊離酸または塩の形態を含む。
【0055】
一実施形態では、本発明のアミノ酸残基は、その遊離酸またはナトリウム(Na+)塩の形態を含む。
【0056】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0057】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、10個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0058】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、12個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0059】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、14個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0060】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、16個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0061】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸と、18個の炭素原子からなる脂肪酸部分とを含む。
【0062】
一実施形態では、FA-aaは、脂肪酸またはその塩でアシル化されたアミノ酸残基を含む。
【0063】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分が、アミノ酸のαアミノ基に位置する。
【0064】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、8〜18個の炭素原子からなる。
【0065】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、10個の炭素原子からなる。一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、12個の炭素原子からなる。一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、14個の炭素原子からなる。一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、16個の炭素原子からなる。一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、18個の炭素原子からなる。
【0066】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、脂肪酸部分が、その遊離酸または塩の形態であるアシル化アミノ酸を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、アシル化アミノ酸を含み、ここで、脂肪酸部分は、その遊離酸またはナトリウム(Na+)塩の形態である。一実施形態では、本発明のFA-aaは、その遊離酸または塩の形態のアミノ酸残基を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、その遊離酸またはナトリウム(Na+)塩の形態のアミノ酸残基を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、腸のpH値で、特に、5.5〜8.0の範囲において可溶性である。一実施形態では、本発明のFA-aaは、腸のpH値で、特に、6.5〜7.0の範囲において可溶性である。
【0067】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも5mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも10mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも20mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも30mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも40mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも50mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも60mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも70mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも80mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも90mg/mlの溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも100mg/mlの溶解度を有する。
【0068】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも5mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも10mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも20mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも30mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも40mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも50mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも60mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも70mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも80mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも90mg/mlの水への溶解度を有する。一実施形態では、本発明のFA-aaは、少なくとも100mg/mlの水への溶解度を有する。
【0069】
本発明のFA-aaは、一般式A-Xで表すことができ、式中、Aは、非カチオン性アミノ酸をベースとするアミノ酸残基であり、Xは、アシル化によってAのαアミノ基と結合している脂肪酸である。
【0070】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、一般式A-Xで表すことができ、式中、Aは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアミノ酸残基であり、Xは、アシル化によってAのαアミノ基と結合している脂肪酸である。
【0071】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、一般式A-Xで表すことができ、式中、Aは、極性無電荷アミノ酸をベースとするアミノ酸残基であり、Xは、アシル化によってAのαアミノ基と結合している脂肪酸である。
【0072】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、一般式A-Xで表すことができ、式中、Aは、極性酸性アミノ酸をベースとするアミノ酸残基であり、Xは、アシル化によってAのαアミノ基と結合している脂肪酸である。
【0073】
本発明のFA-aaは、一般式;
【0074】
【化1】
【0075】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、R3は、Hまたはその塩のいずれかであり、R4は、非カチオン性アミノ酸のアミノ酸側鎖である]
で表すことができる。
【0076】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、一般式:
【0077】
【化2】
【0078】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、R3は、Hまたはそのナトリウム塩(Na+)のいずれかであり、R4は、非カチオン性アミノ酸のアミノ酸側鎖である]で表すことができる。
【0079】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(I)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)または(r)からなる群から選択され、式中、R1は、8〜18個の間の炭素を含む脂肪酸鎖であり、R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかでり、R3は、Hまたはその塩のいずれかである。
【0080】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(I)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)または(r)からなる群から選択することができ、式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、R3は、Hまたはそのナトリウム(Na+)塩のいずれかである。
【0081】
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
【化3-4】
【0082】
本発明のアミノ酸残基は、非カチオン性アミノ酸をベースとするものでよい。
【0083】
本発明のアミノ酸残基は、非カチオン性アミノ酸をベースとするものでよく、前記非カチオン性アミノ酸は、非極性疎水性アミノ酸、極性無電荷アミノ酸(amio acids)および極性酸性アミノ酸からなる群から選択することができる。
【0084】
本発明のアミノ酸残基は、非カチオン性アミノ酸をベースとするものでよく、前記非カチオン性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択される。
【0085】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、非極性疎水性アミノ酸をベースとするものでよい。
【0086】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、非極性疎水性アミノ酸をベースとするものでよく、前記前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Metheonine)(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0087】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Metheonine)(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0088】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および10個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。
【0089】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および10個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0090】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックロイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシンからなる群から選択することができる。
【0091】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および12個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。
【0092】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および12個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)およびサルコシネートからなる群から選択することができる。
【0093】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイル-L-プロリン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイル-L-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネートおよびナトリウムN-デシルロイシンからなる群から選択することができる。
【0094】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0095】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および8〜18個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0096】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および10個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および10炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0097】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムN-デシルロイシンからなる群から選択することができる。
【0098】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および12個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および12個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0099】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および14個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および14個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0100】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および16個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および16個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0101】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および18個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含む。一実施形態では、本発明のFA-aaは、非極性疎水性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および18個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)からなる群から選択することができる。
【0102】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイルL-アラニン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイルL-ロイシン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイルL-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイルL-バリンからなる群から選択することができ、一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性無電荷アミノ酸をベースとするものでよい。
【0103】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性無電荷アミノ酸をベースとするものでよく、前記極性無電荷アミノ酸は、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)からなる群から選択することができる。
【0104】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイルL-システイン、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイルL-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイルL-グリシン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイルL-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイルL-トレオニン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイルL-チロシン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックチロシネートおよびN-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイルL-システイン、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイルL-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイルL-グリシン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイルL-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイルL-トレオニン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイルL-チロシン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックチロシネートおよびN-デカノイル-L-チロシンからなる群から選択することができる。
【0105】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性酸性アミノ酸をベースとするものでよい。
【0106】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性酸性アミノ酸をベースとするものでよく、前記極性酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0107】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および10個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0108】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および12個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0109】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および14個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0110】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および16個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0111】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-グルタミン酸、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、カプリックグルタミン酸ナトリウムおよびN-デカノイル-L-グルタミン酸からなる群から選択することができる。
【0112】
一実施形態では、FA-aaは、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、AmisoftCS-11(ナトリウムココイルグルタメート)およびナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイルL-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-アスパラギン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイルL-グルタミン酸、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、カプリックグルタミン酸ナトリウムおよびN-デカノイル-L-グルタミン酸からなる群から選択することができる。
【0113】
一実施形態では、FA-aaは、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)およびナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択することができる。
【0114】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性酸性アミノ酸をベースとするものでよい。
【0115】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、極性酸性アミノ酸をベースとするものでよく、前記極性酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0116】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および14個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0117】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および16個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0118】
一実施形態では、本発明のFA-aaは、極性酸性アミノ酸をベースとするアシル化アミノ酸および18個の炭素原子からなる脂肪酸部分を含み、前記非極性疎水性アミノ酸は、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択することができる。
【0119】
一実施形態では、FA-aaは、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、カプリックグルタミン酸ナトリウムおよびN-デカノイル-L-グルタミン酸からなる群から選択することができる。
【0120】
本発明に従って、アミノ酸アミノ酸は、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)およびナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択することができる。
【0121】
本発明に従って、アミノ酸アミノ酸FA-aaは、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、カプリックグルタミン酸ナトリウムおよびN-デカノイル-L-グルタミン酸からなる群から選択することができる。
【0122】
本発明に従って、アミノ酸アミノ酸は、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)およびナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択することができる。
【0123】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸部分は、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸である。
【0124】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸部分は、サルコシネートである。
【0125】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされないアミノ酸の遊離酸または塩の形態である。
【0126】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸残基は、サルコシネートの遊離酸または塩の形態である。
【0127】
一実施形態では、本発明のFA-aaのアミノ酸部分は、ロイシンおよびフェニルアラニンを含む群から選択される。
【0128】
アシル化によるアミノ酸の修飾は、アミノ酸の遊離α-アミノ基と反応する当技術分野で公知のアシル化剤を使用して容易に実施される。
【0129】
以下のFA-aaが市販されている:
【0130】
【表1】
【0131】
本発明によれば、FA-aaは、経口医薬組成物の一部であり得る。
【0132】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種の(on)FA-aaおよびプロピレングリコールとを含む。
【0133】
一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSなどの液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSなどの固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。本発明のFA-aaを含む、液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSを、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化した結果、固体経口医薬投与形を得ることができる。したがって、用語「固体」とは、本明細書において使用される場合、ソフトまたはハードカプセル技術においてカプセル化される液体組成物、錠剤および多粒子(multiparticulates)を指す。
【0134】
本発明の液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDを、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化した結果、腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含み得る固体経口医薬投与形を得ることができる。
【0135】
本発明のFA-aaを含む液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSを、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化して、Eudragit(登録商標)として市販されているポリ(メタ)アクリレートなどの腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含み得る固体経口医薬投与形を得ることができる。
【0136】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、親水性ペプチドまたはタンパク質などの少なくとも1種の治療用高分子と、少なくとも1種のFA-aa、プロピレングリコールとを含むSEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSである。
【0137】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、10%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、9%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、8%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、7%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、6%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、5%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、4%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、3%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、2%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、1%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、0%(w/w)未満の水を含む。
【0138】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体である。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、10%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、9%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、8%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、7%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、6%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、5%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、4%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、3%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、2%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、1%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、0%(w/w)未満の水を含む。
【0139】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用高分子(macromoecule)を含む。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質などの治療用高分子は、治療用の活性ペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用ペプチドまたはタンパク質は、親水性ペプチドまたはタンパク質である。
【0140】
一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも50mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも60mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも70mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも80mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも90mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも100mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも110mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも120mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも130mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも140mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも150mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも160mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも170mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも180mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも190m
g/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも200mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも210mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも220mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも230mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の親水性ペプチドまたはタンパク質は、少なくとも240mg/mLの水への溶解度を有するペプチドまたはタンパク質である。
【0141】
一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、1500Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、1750Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、2000Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、2250Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、2500Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、2750Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、3000Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、3250Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、3500Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、3750Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、4000Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、4250Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、4500Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、4750Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、5000Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、1500Daを超えるペプチドまたはタンパク質である。一実施形態では、本発明の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、1500Daから5000Daの間のペプチドまたはタンパク質である。
【0142】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含む。
【0143】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0144】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルをさらに含み、ここで、前記ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween20、Tween21、Tween40、Tween60、Tween65、Tween80、Tween81およびTween85からなる群から選択される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルをさらに含み、ここで、前記ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween20、Tween21、Tween40、Tween60、Tween65、Tween80、Tween81およびTween85からなる群から選択される。
【0145】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0146】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween85として商業的に知られているポリエチレングリコールソルビタントリオレエートである。
【0147】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween85として商業的に知られるポリエチレングリコールソルビタントリオレエートであり、溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0148】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、Tween85として商業的に知られているポリエチレングリコールソルビタントリオレエートおよび水およびプロピレングリコールからなる群から選択される極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、組成物は、水性媒体に希釈した後にマイクロエマルジョンを形成する。
【0149】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、Tween85として商業的に知られているポリエチレングリコールソルビタントリオレエートおよび水およびプロピレングリコールからなる群から選択される極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、組成物は、水性媒体に希釈した後にマイクロエマルジョンを形成する。
【0150】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween20として商業的に知られるポリエチレングリコールソルビタントリオレエートである。
【0151】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルは、Tween20として商業的に知られるポリエチレングリコールソルビタンモノラウレートであり、溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0152】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、Tween20として商業的に知られているポリエチレングリコールソルビタンモノラウレートおよび水およびプロピレングリコールからなる群から選択される極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、組成物は、水性媒体に希釈した後にマイクロエマルジョンを形成する。
【0153】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、Tween20として商業的に知られているポリエチレングリコールソルビタンモノラウレートおよび水およびプロピレングリコールからなる群から選択される極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、組成物は、水性媒体に希釈した後にマイクロエマルジョンを形成する。
【0154】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含む。
【0155】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、前記極性または半極性溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、前記極性または半極性溶媒は、水およびプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0156】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルを含み、ソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒(水またはプロピレングリコールなど)をさらに含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体でり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステル(Span10、20、40、60または80)および極性または半極性溶媒(水またはプロピレングリコールなど)をさらに含む。
【0157】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステルをさらに含み、ここで、前記ソルビタン脂肪酸エステルは、Span10、Span20、Span40、Span60およびSpan80からなる群から選択される。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステルをさらに含み、ここで、前記ソルビタン脂肪酸エステルは、Span20として商業的に知られているラウリン酸ソルビタン、Span40として商業的に知られているモノパルミチン酸ソルビタン、Span60として商業的に知られているモノステアリン酸ソルビタンおよびSpan80として商業的に知られているオレイン酸ソルビタンからなる群から選択される。
【0158】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含む。
【0159】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体であり、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種のポリグリセロール脂肪酸エステルとを含み、ソルビタン脂肪酸エステルおよび極性または半極性溶媒をさらに含み、ここで、前記極性または半極性溶媒は、水またはプロピレングリコールからなる群から選択される。
【0160】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の治療用の活性ペプチドまたはタンパク質を含む。
【0161】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の、pHが中和されている治療用の活性ペプチドまたはタンパク質を含む。
【0162】
本発明の一実施形態では、治療用の活性ペプチドまたはタンパク質は、溶解され、得られた溶液のpHが、インスリンペプチドのpIを1単位、あるいは2単位、あるいは2.5単位上回るか、下回る標的pH値の値に調整され、その後、前記得られた溶液が凍結されるか、または噴霧乾燥される。一実施形態では、前記pH調整は、不揮発性(non-volitale)酸または塩基を用いて実施される。
【0163】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のインスリンペプチドと、少なくとも1種のFA-aaとを含む。本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のペプチドまたはタンパク質と、少なくとも1種のFA-aaとを含む。
【0164】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のインスリンペプチドと、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールとを含む。
【0165】
一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、液体または半固体液体および界面活性剤をベースとする送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、10%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、9%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、8%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、7%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、6%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、5%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、4%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、3%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、2%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、1%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、0%(w/w)未満の水を含む液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。
【0166】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種の高HLB界面活性剤と、少なくとも1種の低HLB補助界面活性剤と、極性溶媒とを含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも1種の高HLB界面活性剤と、少なくとも1種の低HLB補助界面活性剤と、極性溶媒とを含む。
【0167】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、少なくとも1種の治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも2種の高HLB界面活性剤と、極性溶媒とを含む。一実施形態では、本発明の医薬組成物は、治療用親水性タンパク質またはポリペプチドと、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、少なくとも2種の高HLB界面活性剤と、極性溶媒とを含む。
【0168】
一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSなどの液体または半固体液体および界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、10%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、9%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、8%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、7%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、6%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、6%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、5%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、4%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、3%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、2%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、1%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、0%(w/w)未満の水を含む固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。
【0169】
一実施形態では、アミノ酸FA-aaは、SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSなどの固体界面活性剤ベースの送達系において使用することができる。
【0170】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、液体である。
【0171】
一実施形態では、医薬組成物は、本発明のFA-aaを含む、液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSであり、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明の組成物をカプセル化するために使用されるソフトカプセル技術は、ゼラチンを含まない。一実施形態では、Catalent(登録商標)製のVegicaps(登録商標)の名称の下で商業的に知られているゼラチンを含まないソフトカプセル技術が、本発明の医薬組成物のカプセル化に使用される。
【0172】
一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、10%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、9%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、8%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、7%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、6%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、5%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、4%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、3%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、2%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、1%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む医薬組成物液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、0%(w/w)未満の水を含む固体経口医薬投与形が得られる。
【0173】
一実施形態では、本発明の液体または半固体製剤は、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む固体経口医薬投与形が得られる。
【0174】
一実施形態では、本発明の液体または半固体製剤は、任意の利用可能な腸溶性ソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、固体経口医薬投与量が得られる。
【0175】
一実施形態では、本発明のFA-aaを含む液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む固体経口医薬投与形が得られる。一実施形態では、本発明のFA-aaを含む液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能な腸溶性ソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、固体経口医薬投与量が得られる。
【0176】
一実施形態では、本発明のFA-aaを含む液体または半固体SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSは、任意の利用可能なソフトまたはハードカプセル技術を用いてカプセル化され、その結果、Eudragit(登録商標)として商業的に知られているポリ(メタ)アクリレートなどの腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む固体経口医薬投与形が得られる。
【0177】
一実施形態では、コーティングは、薬物(インスリン誘導体)が放出される部位を制御するために使用できる少なくとも1種の放出修飾ポリマーを含む。修飾された放出ポリマーは、Eudragit(登録商標)商品名(Evonik Rohm GmbH、Darmstadt、Germany)のもとで販売されるもの、例えば、Eudragit(登録商標)L30 D55、Eudragit(登録商標)L100-55、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)S12.5、Eudragit(登録商標)FS30D、Eudragit(登録商標)NE30Dおよびそれらの混合物、例えば、Eudragit(登録商標)Application Guidelines、Evonik Industries、第11版、2009年9月に記載されるものなどのポリメタクリレートポリマーであり得る。
【0178】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のインスリンと、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールとを含む製剤である。
【0179】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のインスリンと、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールとを含む。
【0180】
本発明の一実施形態では、医薬品は、少なくとも1種のペプチドまたはタンパク質と、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールとを含む。
【0181】
本発明の一実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種のペプチドまたはタンパク質と、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールとを含むSEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSである。
【0182】
薬物送達システムの成分は、任意の相対量で存在し得る。一実施形態では、薬物送達システムは、最大90%の界面活性剤またはポリエチレングリコール(PEG)300g/mol、PEG 400g/mol、PEG 600g/mol、PEG 1000g/molなどの最大90%の極性有機溶媒または最大90%の脂質成分を含む。PEGは、エチレンオキシドの重合によって調製され、300g/mol〜10,000,000g/molの分子量の広い範囲にわたって市販されている。
【0183】
一実施形態では、経口医薬組成物は、5〜20%のプロピレングリコールを含む。
【0184】
一実施形態では、経口医薬組成物は、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールと、少なくとも2種の非イオン性界面活性剤とを含む。
【0185】
一実施形態では、経口医薬組成物は、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールと、ポリソルベート20と、補助界面活性剤とを含む。ポリソルベート20は、いくつかの家庭内適用、科学的適用および薬理学的適用において、洗浄剤および乳化剤として使用することを可能にする安定性および相対的な非毒性を有するポリソルベート界面活性剤である。番号20とは、分子中に見られるオキシエチレン-(CH2CH2O)-基の総数を指す。
【0186】
本発明の一実施形態では、経口医薬組成物は、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールと、ポリソルベート20と、ポリグリセロール脂肪酸エステルとを含む。
【0187】
一実施形態では、経口医薬組成物は、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコール、ポリソルベート20と、補助界面活性剤とを含む。
【0188】
一実施形態では、経口医薬組成物は、少なくとも1種のFA-aaと、プロピレングリコールと、ポリソルベート20と、ジグリセロールモノカプリレートなどのポリグリセロール脂肪酸エステルとを含む。
【0189】
本発明の特定の実施形態では、医薬組成物は、医薬組成物中によく見られるさらなる添加剤を含んでいてもよく、このような添加剤の例として、それだけには限らないが、抗酸化物質、抗菌薬、酵素阻害剤、安定化剤、保存料、芳香剤、甘味料および参照により本明細書に組み込まれるHandbook of Pharmaceutical Excipients、Roweら編、第4版、Pharmaceutical Press (2003)に記載されるその他の成分が挙げられる。
【0190】
これらのさらなる添加剤は、総医薬組成物の約0.05〜5重量%の量であり得る。抗酸化物質、抗菌薬、酵素阻害剤、安定化剤または保存料は、通常、総医薬組成物の最大約0.05〜1重量%を提供する。甘味剤または芳香剤は、通常、総医薬組成物の最大約2.5重量%または5重量%を提供する。
【0191】
本発明の経口医薬組成物は、固体投与形として製剤化することができる。
【0192】
本発明の経口医薬組成物は、固体投与形として製剤化することができ、カプセル剤、錠剤、糖衣錠、丸剤、ロゼンジ剤、散剤および顆粒剤からなる群から選択することができる。
【0193】
本発明の経口医薬組成物は、多粒子投与形として製剤化することができる。
【0194】
本発明の経口医薬組成物は、多粒子投与形として製剤化することができ、ソフトまたはハードカプセル、腸溶コートされたソフト-ハードカプセル中のペレット、微小粒子、ナノ粒子、液体または半固体充填製剤からなる群から選択することができる。
【0195】
一実施形態では、経口医薬組成物は、当技術分野で周知の方法に従って、腸溶コーティングなどの1種または複数のコーティングを用いて調製することができ、または遅延放出製剤として製剤化することができる。
【0196】
本発明の腸溶性または遅延放出コーティングは、Eudragit(登録商標)として商業的に知られているポリ(メタ)アクリレートをベースするものであり得る。
【0197】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、医薬の調製のために使用される。
【0198】
一実施形態では、本発明の医薬組成物は、高血糖症、2型真性糖尿病、耐糖能異常、1型真性糖尿病の治療または予防および/または抗肥満症治療のための医薬の調製のために使用される。
【0199】
用語「脂肪酸N-アシル化アミノ酸」または「アシル化アミノ酸」とは、互換的に使用され得、本明細書において使用される場合には、そのα-アミノ基で脂肪酸を用いてアシル化されているアミノ酸を指す。
【0200】
アミノ酸は、D(右旋性)またはL(左旋性)いずれかの立体異性形で存在する。DおよびLとは、光学的に活性な化合物の絶対配置(confirmation)を指す。グリシンを除く、すべてのその他のアミノ酸は、重ねあわすことができない鏡像である。天然に見られるアミノ酸のほとんどは、L型である。したがって、真核細胞のタンパク質は、常に、L-アミノ酸からなるが、D-アミノ酸は、細菌細胞壁中および一部のペプチド抗生物質中に見られる。天然において、少なくとも300種のアミノ酸が記載されているが、これらのうち20種のみが、通常、ヒトペプチドおよびタンパク質の成分として見られる。20種の標準アミノ酸は、ペプチド生合成において細胞によって使用され、これらは、一般的な遺伝暗号によって特定される。20種の標準アミノ酸は、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、アスパラギン酸(Apartic acid)(Asp)、グルタミン酸(Gltamic acid)(Glu)、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apsaragine)(Asn)、グルタミン(Gln)、リシン(Lys)、アルギニン(Arg)およびヒスチジン(His)である。
【0201】
修飾されたFA-aaのアミノ酸部分は、純粋なエナンチオマーの形態であり得、ここで、キラルアミノ酸部分の立体配置は、DまたはLのいずれかであるか(またはR/S技術用語を使用する場合には、RまたはSのいずれか)、または鏡像異性体の混合物の形態であり得る(DおよびL/RおよびS)。
【0202】
本発明の一実施形態では、アミノ酸部分は、鏡像異性体の混合物の形態であり得る。
【0203】
一実施形態では、アミノ部分は、純粋なエナンチオマーの形態である。一実施形態では、キラルアミノ酸部分は、L型である。一実施形態では、キラルアミノ酸部分は、D型である。
【0204】
本明細書において使用される場合、用語「非カチオン性アミノ酸」は、非極性疎水性アミノ酸、極性無電荷アミノ酸および極性酸性アミノ酸からなる群から選択される任意のアミノ酸を指すと理解されなければならない。
【0205】
用語「非極性疎水性アミノ酸」とは、本明細書において使用される場合、当業者によって使用されるアミノ酸の分類(catogorisation)を指す。用語「極性無電荷アミノ酸」とは、本明細書において使用される場合、当業者によって使用されるアミノ酸の分類(catogorisation)を指す。本明細書において使用される場合、用語「および極性酸性アミノ酸」とは、当業者によって使用されるアミノ酸の分類を指す。本明細書において使用される場合、用語「非カチオン性アミノ酸」は、以下のアミノ酸:アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)を含む。
【0206】
用語「経口バイオアベイラビリティ」とは、本明細書において、経口投与された後に全身循環に到達する、薬物の投与される用量の割合を意味する。定義によって、投薬が静脈内に投与される場合には、そのバイオアベイラビリティは100%である。
【0207】
しかし、薬物が経口によって投与される場合には、有効成分のバイオアベイラビリティは、不十分な吸収および初回通過代謝のために低下する。インスリンペプチドの生物活性は、例えば、WO2005012347に記載されるような当業者に公知のアッセイにおいて測定することができる。
【0208】
本明細書において使用される場合、用語「界面活性剤」とは、それだけには限らないが、液体対空気、液体対液体、液体対容器または液体対任意の固体などの表面および界面に吸着でき、その親水基に電荷を有する基がない任意の物質、特に、洗浄剤を指す。
【0209】
用語「浸透促進剤」とは、本明細書において使用される場合、薬物の吸収を促進する生物製剤または化学物質を指す。
【0210】
用語「保存料」とは、本明細書において使用される場合、微生物の活性(成長および代謝)を防ぐか、または遅延するために医薬組成物に添加される化合物を指す。薬学的に許容される保存料の例として、フェノール、m-クレゾールならびにフェノールおよびm-クレゾールの混合物がある。
【0211】
本明細書において使用される用語「高分子の」または「高分子」とは、非重合体分子を指し、核酸、ペプチド、タンパク質、炭水化物および脂質を含む。
【0212】
本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチド」および「ペプチド」とは、ペプチド結合によって結合している少なくとも2種の構成アミノ酸からなる化合物を意味する。構成アミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸の群に由来する場合があり、遺伝暗号によってコードされない天然アミノ酸ならびに合成アミノ酸である場合もある。遺伝暗号によってコードされないよく知られている天然アミノ酸として、例えば、γ-カルボキシグルタメート、オルニチン、ホスホセリン、D-アラニンおよびD-グルタミンがある。よく知られている合成アミノ酸は、化学合成によって製造されるアミノ酸、すなわち、D-アラニンおよびD-ロイシンなどの遺伝暗号によってコードされるアミノ酸のD異性体、Aib(a-アミノイソ酪酸)、Abu(a-アミノ酪酸)、Tie(t-ブチルグリシン)、β-アラニン、3-アミノメチル安息香酸、アントラニル酸を含む。
【0213】
本明細書において使用される場合、用語「タンパク質」とは、1種または複数のポリペプチドからなる生化学的化合物を意味する。
【0214】
用語「高分子治療用」または「治療用高分子」は、互換的に使用することができ、本明細書において使用される場合、治療に使用される大きな分子量を有する、核酸、ペプチド、タンパク質、炭水化物および脂質ならびに非重合体分子を指し、それに限定されないが、インスリン、インスリン類似体およびインスリン誘導体が挙げられる。一実施形態では、大きな分子量とは、1500Daを超える分子量を意味する。一実施形態では、大きな分子量とは、150Da〜6000Daの間の分子量を意味する。
【0215】
本明細書において使用される場合、用語「薬物」、「治療用」、「薬剤」または「医薬」とは、治療において使用することができる医薬組成物において使用される有効成分を指し、したがって、本特許出願において「高分子治療用」または「治療用高分子」として定義されるものも指す。
【0216】
「インスリンペプチド(insulin peptide)」、「インスリンペプチド(an insulin peptide)」または「インスリンペプチド(the insulin peptide)」とは、本明細書において使用される場合、CysA7とCysB7の間およびCysA20とCysB19の間のジスルフィド架橋ならびにCysA6とCysA11の間の内部ジスルフィド架橋を含むヒトインスリンまたはインスリン類似体またはその誘導体を意味する。
【0217】
本明細書において使用される場合、用語「ペプチド」とは、ペプチド、タンパク質、このようなペプチドおよびタンパク質のコンジュゲートおよびその生物学的に活性な断片を含む。用語「タンパク質」は、ペプチドを含み、また、タンパク質およびその生物学的に活性な断片も指す。
【0218】
ヒトインスリンは、2種のポリペプチド鎖、それぞれ、21および30個のアミノ酸残基を含有するAおよびB鎖からなる。AおよびB鎖は、2つのジスルフィド架橋によって相互接続している。ほとんどの他の種に由来するインスリンは、同様であるが、いくつかの位置にアミノ酸置換を含有し得る。
【0219】
用語「インスリン」とは、本明細書において使用される場合、さらに明記されない場合は、ヒトインスリン、インスリン類似体およびインスリン誘導体からなる群から選択されるインスリンである。
【0220】
本明細書において使用される場合、インスリン類似体とは、天然インスリン中に生じる少なくとも1個のアミノ酸残基を欠失および/もしくは置換することによって、ならびに/または少なくとも1種のアミノ酸残基を付加することによって、形式的に、天然に存在するインスリン、例えば、ヒトインスリンのものの構造から誘導され得る分子構造を有するインスリンペプチドなどのポリペプチドである。
【0221】
本明細書において使用される場合、用語「インスリン類似体」とは、インスリンの1個もしくは複数のアミノ酸残基がその他のアミノ酸残基と置換されている、および/または1個もしくは複数のアミノ酸残基が、インスリンから欠失している、および/または1個もしくは複数のアミノ酸残基が、付加されている、および/またはインスリンに挿入されている修飾されたインスリンを意味する。
【0222】
一実施形態では、本発明のインスリン類似体は、ヒトインスリンに対し8未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。
【0223】
一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して7未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して6未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。
【0224】
一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して5未満の修飾(置換、欠失、付加)含む。一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して4未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して3未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。一実施形態では、インスリン類似体は、ヒトインスリンに対して2未満の修飾(置換、欠失、付加)含む。
【0225】
本明細書において使用される場合、用語「インスリン誘導体」とは、化学修飾された親インスリンまたはその類似体を指し、ここで、修飾は、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステルの結合、PEG化などの形態である。
【0226】
本発明のインスリン誘導体は、天然に存在するインスリンまたはインスリン骨格の1つまたは複数の位置に側鎖を導入することによってか、またはインスリン中のアミノ酸残基の基を酸化もしくは還元することによってか、または遊離カルボキシル基をエステル基に、もしくはアミド基に変換することによって化学的に修飾されたインスリン類似体である。その他の誘導体は、ヒトインスリンまたdesB30ヒトインスリンのB29位置におけるものなどの遊離アミノ基またはヒドロキシ基をアシル化することによって得られる。
【0227】
本明細書において、用語「アシル化されたインスリン」は、インスリンペプチドとの、場合により、リンカーを介した1つまたは複数の親油性置換基の結合によるインスリンの修飾を包含する。
【0228】
したがって、インスリン誘導体は、インスリンペプチドの1個または複数のアミノ酸と結合している側鎖などの少なくとも1種の共有結合修飾を含む、ヒトインスリン、インスリン類似体またはインスリンペプチドである。
【0229】
本明細書において、インスリンペプチドという命名は、以下の原則に従って行われる:その名称は、ヒトインスリンに対する突然変異および修飾(アシル化)として与えられる。アシル部分の命名については、命名は、IUPAC命名法に従って、その他の場合には、ペプチド命名法のように行われる。例えば、アシル部分:
【0230】
【化4】
【0231】
の命名は、例えば「オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG」または「17-カルボキシヘプタデカノイル-γ-L-Glu-OEG-OEG」(式中、OEGは、アミノ酸-NH(CH2)2O(CH2)2OCH2CO-の略語であり、γ-L-Glu(またはg-L-Glu)は、アミノ酸γグルタミン酸部分のL型の略語である)であり得る。
【0232】
修飾ペプチドまたはタンパク質のアシル部分は、純粋なエナンチオマーの形態であり得、ここで、キラルアミノ酸部分の立体配置は、DまたはLのいずれかであるか(またはR/S技術用語を使用する場合には、RまたはSのいずれか)、または鏡像異性体の混合物の形態であり得る(DおよびL/RおよびS)。本発明の一実施形態では、アシル部分は、鏡像異性体の混合物の形態である。一実施形態では、アシル部分は、純粋なエナンチオマーの形態である。一実施形態では、アシル部分のキラルアミノ酸部分は、L型である。一実施形態では、アシル部分のキラルアミノ酸部分は、D型である。
【0233】
一実施形態では、本発明の経口医薬組成物中のインスリン誘導体は、インスリンペプチドの1個または複数のアミノ酸においてアシル化されているインスリンペプチドである。
【0234】
一実施形態では、本発明の経口医薬組成物中のインスリン誘導体は、タンパク質分解に対して安定化されており(特異的突然変異による)、B29-リシンでさらにアシル化されているインスリンペプチドである。タンパク質分解に対して安定化されている(特異的突然変異によって)インスリンペプチドの限定されない例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO2008034881において見出すことができる。
【0235】
本発明に適したアシル化インスリンペプチドは、プロテアーゼ安定化インスリン分子中のリシンアミノ酸残基と結合している1つだけのアシル化基を有する一置換されたものであり得る。
【0236】
本発明の液体経口医薬組成物に適したアシル化インスリンペプチドの限定されない一覧は、例えば、WO2009/115469において、その24頁で始まり、次の6頁に続く節などにおいて見出すことができる。
【0237】
本発明の一実施形態では、アシル化インスリンペプチドは、
B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu)A14E B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu) A14E B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)ヘキサデカンジオイル-γ-L-Glu) A14E B16H B25H desB30ヒトインスリン;
B29K(N(ε)エイコサンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B16H B25H desB30ヒトインスリン;および
B29K(N(ε)オクタデカンジオイル) A14E B25H desB30ヒトインスリン
からなる群から選択される。
【0238】
本発明の一実施形態では、インスリン誘導体は、
B29K(N(ε)オクタデカンジオイル-γ-L-Glu-OEG-OEG) A14E B25H desB30ヒトインスリンである。
【0239】
本発明の液体経口医薬組成物に適したアシル化インスリンペプチドの限定されない一覧は、2013年4月に公開されるPCT出願WO2011068019、それだけには限らないが、20頁20行目で始まり、次の6頁に続く節において概説され、例示されるものなどにおいて見出すことができる。
【0240】
本発明の一実施形態では、アシル化インスリンペプチドは、
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジエチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジエチル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B16H、B25H、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B16H、B25H、Β29Κ(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1F(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、desB27、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1F(N(α)、N(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、desB27、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、desB27、B29K(Aε オクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα,Nα-ジメチル)、A14E、B1(Nα,Nα-ジメチル)、B25H、B29K(Aεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα-カルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(N(α)カルバモイル)、A14E、B1F(N(α)カルバモイル)、desB27、B29K(N(eps)ヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(N(α)カルバモイル)、A14E、B1F(N(α)カルバモイル)、desB27、B29K(Neps)-ヘキサデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(N(α)カルバモイル)、A14E、B1F(N(α)カルバモイル)、desB27、B29K(Neps)-エイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαカルバモイル)、A14E、B1F(Nαカルバモイル)、B16H、desB27、B29K(Neps)-エイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαカルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαカルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαカルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαカルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαカルバモイル)、A14E、B1(Nαカルバモイル)、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαカルバモイル)、A14E、B1F(Nαカルバモイル)、B25H、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαカルバモイル)、A14E、B1F(Nαカルバモイル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαカルバモイル)、A14E、B1F(Nαカルバモイル)、B16H、desB27、Β29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαチオカルバモイル)、A14E、B1F(Nαチオカルバモイル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1 (Nαジメチルグリシル)、A14E、B1(Nαジメチルグリシル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオニル)、A14E、Β1(Nα3-(N,N-ジメチルアミノ)プロピオニル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα4-(N,N-ジメチルアミノ)ブタノイル)、A14E、Β1(Nα4-(N,N-ジメチルアミノ)ブタノイル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nα3-(1-ピペリジニル)プロピオニル)、A14E、B1(Nα3-(1-ピペリジニル)プロピオニル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαジメチルグリシル)、A14E、B1(Nαジメチルグリシル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαアセチル)、A14E、B1F(Nαアセチル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nα2-ピコリル)、A14E、B1F(Nα2-ピコリル)、B25H、desB27、B29K(N(eps)-オクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B16H、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαジメチルグリシル)、A14E、B1(Nαジメチルグリシル)、B16H、B25H、B29K(Nεヘキサデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A-1(Nαトリメチル)、A14E、B-1(Nαトリメチル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαアセチル)、A14E、B1(Nαアセチル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαアセチル)、A14E、B1F(Nαアセチル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαアセチル)、A14E、B1F(Nαアセチル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1G(Nαアセチル)、A14E、B1F(Nαアセチル)、B25H、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、Bl(Nαスクシニル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、B25H、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαジグリコリル)、A14E、B1(Nαジグリコリル)、B25H、desB27、Β29Κ(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、B25H、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、Bl(Nαスクシニル)、desB27、B29K(Nεオクタデカンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、Bl(Nαスクシニル)、B25H、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、B16H、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαスクシニル)、A14E、B1(Nαスクシニル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、B25H、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、desB27、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
A1(Nαグルタリル)、A14E、B1(Nαグルタリル)、B25H、B29K(Nεエイコサンジオイル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン
からなるN末端修飾されたインスリンからなる群から選択される。
【0241】
一実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、以下のインスリンペプチド(すなわち、N末端修飾を含まず、「親油性置換基」またはアシル部分を含まない本発明のインスリン):A14E、B25H、desB30ヒトインスリン:A14H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B28D、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B16E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B1E、B25H、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B1E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B1E、B16E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B26D、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B28D、desB30ヒトインスリン; A14E、B28E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B28E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B27E、B28E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B25H、B28E、desB30ヒトインスリン; A14E、B1E、B25H、B27E、B28E、desB30ヒトインスリン; A14D、B25H、desB30ヒトインスリン; B25N、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、B25N、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B27E、B28E、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B28E、desB30ヒトインスリン; B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; B1E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、B1E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A8H、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; B25N、B27D、desB30ヒトインスリン; A8H、B25N、B27D、desB30ヒトインスリン; B25H、B27D、desB30ヒトインスリン; A8H、B25H、B27D、desB30ヒトインスリン; A(-1)P、A(0)P、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B(-1)P、Β(0)Ρ、B25H、desB30ヒトインスリン; A(-1)P、A(0)P、A14E、B(-1)P、B(0)P、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B30T、B31L、B32Eヒトインスリン; A14E、B25Hヒトインスリン; A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B10P、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B10E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B4E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14H、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14H、B10E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13H、A14E、B10E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13H、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B24H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B26G、B27G、B28G、desB30ヒトインスリン; A14E、A21 G、B25H、B26G、B27G、B28G、desB30ヒトインスリン; A14E、A18Q、A21Q、B3Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A18Q、A21Q、B3Q、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A13H、A14E、B1E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13N、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13N、A14E、B1E、B25H、desB30ヒトインスリン; A(-2)G、A(-1)P、A(0)P、A14E、B25H、desB30ヒトイン
スリン; A14E、B(-2)G、B(-1)P、B(0)P、B25H、desB30ヒトインスリン; A(-2)G、A(-1)P、A(0)P、A14E、B(-2)G、B(-1)P、B(0)P、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B27R、B28D、B29K、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27R、B28D、B29K、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B26T、B27R、B28D、B29K、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27R、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27H、desB30ヒトインスリン; A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A13E、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A12E、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A15E、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13E、B25H、desB30ヒトインスリン; A12E、B25H、desB30ヒトインスリン; A15E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、desB27、desB30ヒトインスリン; A14H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B16H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14H、B16H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B26D、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27R、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27N、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27D、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27Q、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27E、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27G、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27K、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27P、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27S、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B27T、desB30
ヒトインスリン; A13R、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13N、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13D、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13Q、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13E、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13G、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13H、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13K、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13P、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13S、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A13T、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16R、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16D、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14R、B25H、desB30ヒトインスリン; A14N、B25H、desB30ヒトインスリン; A14D、B25H、desB30ヒトインスリン; A14Q、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14G、B25H、desB30ヒトインスリン; A14H、B25H、desB30ヒトインスリン; A8H、B10D、B25Hヒトインスリン; およびA8H、A14E、B10E、B25H、desB30ヒトインスリンからなる群から選択されるペプチド部分を有し、この実施形態は、場合により、B25H、desB30ヒトインスリンおよびB25N、desB30ヒトインスリンを含み得る。
【0242】
好ましい実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、A14E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B16H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B25H、B26G、B27G、B28G、desB30ヒトインスリン; B25H、desB30ヒトインスリンおよびA14E、B25H、desB27、desB30ヒトインスリンからなる群から選択されるペプチド部分を有する。
【0243】
好ましい実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、上記のインスリンのいずれか1種から選択され、さらにdesB27突然変異を含有するペプチド部分を有する。
【0244】
好ましい実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、A14E、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B16H、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、B16E、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン;およびB25H、desB27、desB30ヒトインスリンからなる群から選択されるペプチド部分を有する。
【0245】
一実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、上記のインスリンのいずれかから選択され、化学的安定性を改善するよう位置A21および/またはB3における以下の突然変異:A21G、desA21、B3QまたはB3Gのうち1つまたは2つを含むペプチド部分を有する。
【0246】
好ましい実施形態では、本発明のN末端修飾されたインスリンは、A14E、A21 G、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21 G、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21 G、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、A21 G、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B25H、B26G、B27G、B28G、desB30ヒトインスリン; A21G、B25H、desB30ヒトインスリンおよびA21G、B25N、desB30ヒトインスリンからなる群から選択されるペプチド部分を有し、好ましくは、以下のプロテアーゼ安定化インスリン: A14E、A21G、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A14E、A21G、B25H、desB27、desB30ヒトインスリン; A21G、B25H、desB30ヒトインスリンおよびA21G、B25N、desB30ヒトインスリンから選択される。
【0247】
本明細書において、用語「アシル化インスリン」とは、インスリンペプチドとの、場合により、リンカーを介した1つまたは複数の親油性置換基の結合によるインスリンの修飾を対象とする。
【0248】
本明細書において「親油性置換基」は、LysB29などのアミノ酸位置または同等のものにおいて、場合により、リンカーを介してインスリンと結合している脂肪酸または脂肪二酸からなる側鎖として理解される。
【0249】
インスリンペプチドは、総医薬組成物の最大約20重量%、例えば、最大10重量%における、または約0.1%から、例えば、約1%からの本発明の医薬組成物の量で存在し得る。本発明の一実施形態では、インスリンペプチドは、総組成物の約0.1%〜約20%の量で、さらなる実施形態では、約0.1重量%〜15重量%、0.1重量%〜10重量%、1重量%〜8重量%または約1重量%〜5重量%の量で存在する。しかし、特定のレベルのインスリンペプチドの選択は、極性有機溶媒におけるインスリンペプチドの溶解度または使用される任意選択の親水性成分もしくは界面活性剤もしくはそれらの混合物、投与様式ならびに患者の大きさおよび状態を含めた医薬の技術分野において周知の因子に従って行われると意図される。
【0250】
各単位投与量は、1mgから200mgのインスリンペプチド、例えば、約1mg、5mg、10mg、15mg、25mg、50mg、80mg、90mg、100mg、150mg、200mgのインスリンペプチド、例えば、5mgから200mgの間のインスリンペプチドを含有することが適している。本発明の一実施形態では、各単位投与量は、10mgから200mgの間のインスリンペプチドを含有する。さらなる実施形態では、単位投与形は、10mgから100mgの間のインスリンペプチドを含有する。
【0251】
本発明の一実施形態は、単位投与形は、20mgから80mgの間のインスリンペプチドを含有する。本発明のなおさらなる実施形態では、単位投与形は、30mgから60mgの間のインスリンペプチドを含有する。
【0252】
本発明の一実施形態では、単位投与形は、30mgから50mgの間のインスリンペプチドを含有する。このような単位投与形は、治療の特定の目的に応じた毎日1〜5回の投与に適している。
【0253】
インスリンなどのポリペプチドおよびペプチドの製造は、当技術分野で周知である。ポリペプチドまたはペプチドは、例えば、古典的なペプチド合成、例えば、t-BocまたはFmoc化学を使用する固相ペプチド合成またはその他の十分に確立された技術によって製造することができる。例えば、Greene and Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999年参照のこと。ポリペプチドまたはペプチドはまた、(ポリ)ペプチドをコードするDNA配列を含有し、(ポリ)ペプチドを発現できる宿主細胞を、ペプチドの発現を可能にする条件下、適した栄養媒体において培養することを含む方法によって製造することができる。非天然アミノ酸残基を含む(ポリ)ペプチドについては、組換え細胞は、非天然アミノ酸が、例えば、tRNA突然変異体の使用によって、(ポリ)ペプチド中に組み込まれるよう修飾されなければならない。
【0254】
本明細書において使用される場合、用語「マイクロエマルジョン予備濃縮物」とは、水性媒体において、例えば、水においてまたは経口適用後に胃腸液において、マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン、例えば、水中油マイクロエマルジョン、膨張したミセル、ミセル溶液を自発的に形成する組成物を意味する。組成物は、水性媒体に希釈すると、例えば、1:5、1:10、1:50、1:100またはそれ以上の希釈をすると自己乳化する。一実施形態では、本発明の組成物は、直径100nm未満の粒子またはドメインの大きさを含むマイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンを形成する。本明細書において使用される場合、用語「ドメイン径」または「粒径」とは、反復散乱単位を指し、例えば、小角X線によって測定することができる。本発明の一実施形態では、ドメイン径は、150nmよりも小さく、別の実施形態では、100nmよりも小さく、別の実施形態では、50nmよりも小さく、別の実施形態では、20nmよりも小さく、別の実施形態では、15nmよりも小さく、さらに別の実施形態では、100nmよりも小さい。
【0255】
「SEDDS」(自己乳化薬物送達システム)は、本明細書では、穏やかな撹拌またはGI管中で遭遇する消化運動の条件下で水性媒体に曝露された場合に、水エマルジョン中の微細なオイルを自発的に形成する、親水性成分と、界面活性剤と、場合により、補助界面活性剤または脂質成分と、治療用高分子との混合物として定義される。「SMEDDS」(自己微乳化薬物送達システム)は、本明細書では、穏やかな撹拌またはGI管中で遭遇するであろう消化運動の条件下で水性媒体に曝露された場合に、水中油マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョンを迅速に形成する、親水性成分と、界面活性剤と、場合により、補助界面活性剤または脂質成分と、治療用高分子との等方性混合物として定義される。「SNEDDS」(自己ナノ乳化薬物送達システム)は、本明細書では、穏やかな撹拌またはGI管中で遭遇するであろう消化運動の条件下で水性媒体に曝露された場合に、ナノエマルジョン(例えば、PCSによって測定される、直径20nm未満の液滴径)を迅速に形成する、親水性成分と、10を超えるHLBを有する少なくとも1種の界面活性剤と、場合により、補助界面活性剤と、場合により、脂質成分と、治療用高分子との等方性混合物として定義される。
【0256】
本明細書において使用される場合、用語「エマルジョン」とは、その成分が水性媒体と接触すると、自発的にまたは実質的に自発的に形成されるわずかに不透明な、乳白色の、または不透明な(opague)コロイド状粗大分散物を指す。
【0257】
本明細書において使用される場合、用語「マイクロエマルジョン」とは、その成分が水性媒体と接触すると、自発的に、または実質的に自発的に形成される、透明な、または半透明の、わずかに不透明な、乳白色の、透明な(non-opaque)、または実質的に透明なコロイド状分散物を指す。
【0258】
マイクロエマルジョンは、熱力学的に安定であり、標準光散乱技術によって、例えば、MALVERN ZETASIZER Nano ZSを使用して測定される150nm未満の平均直径の、例えば、固体または液体状態の(例えば、液体脂質粒子または液滴)均一に分散された粒子またはドメインを含有する。一実施形態では、本発明の医薬組成物が、水性媒体と接触すると、100nm未満、例えば、50nm未満、40nm未満および30nm未満の平均直径の均一に分散された粒子またはドメインを含有するマイクロエマルジョンが形成される。したがって、用語「Z平均(nm)」とは、前記マイクロエマルジョンの粒子またはドメインの粒径を指す。用語「PDI」は、用語「多分散性指数(polydispersity index)」の略語であり、混合物中の分子または粒子の大きさの不均一性の尺度である。
【0259】
本明細書において使用される場合、用語「ドメイン径」とは、反復散乱単位を指し、例えば、小角X線によって測定することができる。本発明の一実施形態では、ドメイン径は、150nmより小さく、一実施形態では、100nmより小さく、一実施形態では、50nmより小さく、一実施形態では、20nmより小さく、一実施形態では、15nmより小さく、さらに別の実施形態では、10nmより小さい。
【0260】
本明細書において使用される場合、用語「ナノエマルジョン」とは、その成分が水性媒体と接触すると、自発的に、または実質的に自発的に形成される、直径20nm未満(例えば、PCSによって測定される)の粒子または液滴の大きさを有する、透明または半透明の、わずかに不透明な、乳白色の、透明なまたは実質的に透明なコロイド状分散物を指す。一実施形態では、本発明の医薬組成物が水性媒体と接触すると、20nm未満、例えば、15nm未満、10nm未満および約2〜4nm超の平均直径の均一に分散された粒子またはドメインを含有するマイクロエマルジョンが形成される。
【0261】
本明細書において使用される場合、用語「自発的に分散可能な」とは、予備濃縮物に言及する場合、例えば、手作業で簡単に振盪させることによって、短期間、例えば、10秒間、本発明の組成物の成分が水性媒体と接触する時に、水性媒体を用いて希釈されると、ナノエマルジョン、マイクロエマルジョン、エマルジョンおよびその他のコロイド系などのコロイド構造を生成できる組成物を指す。一実施形態では、本発明の自発的に分散可能な濃縮物は、SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSである。
【0262】
用語「非イオン性界面活性剤」とは、本明細書において使用される場合、液体対空気、液体対液体、液体対容器または液体対任意の固体のような表面および界面に吸着でき、その親水基(単数または複数)(「頭部」と呼ばれることもある)に電荷を有する基がない任意の物質、特に、洗浄剤を指す。非イオン性界面活性剤は、エトキシ化ヒマシ油、ポリグリコライズド(polyglycolyzed)グリセリド、アセチル化モノグリセリドおよびソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、超精製(super refined)ポリソルベート20、超精製ポリソルベート40、超精製ポリソルベート60および超精製ポリソルベート80などのポリソルベート(ここで、用語「超精製」は、供給者Crodaによって高純度Tween製品に使用される)、ポロクサマー188およびポロクサマー407などのポロクサマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキル化およびアルコキシル化誘導体などのポリオキシエチレン誘導体(Tweens、例えば、Tween-20またはTween-80)、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドブロック共重合体(例えば、プルロニックs/Tetronics、Triton X-100および/またはSynperonic PE/L 44 PEL)などのブロック共重合体およびエトキシ化ソルビタンアルカノエート界面活性剤(例えば、Tween-20、Tween-40、Tween-80、Brij-35)、ラウリン酸ジグリセロール、カプリン酸ジグリセロール、カプリル酸ジグリセロール、モノカプリル酸ジグリセロール、ラウリン酸ポリグリセロール、カプリン酸ポリグリセロールおよびカプリル酸ポリグリセロールなどの洗浄剤から選択することができる。
【0263】
本明細書において使用される場合、用語「非水性」とは、医薬組成物の調製の間に水が添加されない組成物を指す。水を付加せずに調製されている組成物が、例えば、組成物をカプセル化するために使用されるソフトカプセルまたはハードカプセルなどの医薬組成物の取り扱いの間に周囲から少量の水を吸収する可能性があるということは、当業者には知られている。また、医薬組成物中のインスリンペプチドおよび/または1種または複数の添加剤は、本発明の医薬組成物の調製の前に、それに結合している少量の水を有し得る。したがって、本発明の非水性医薬組成物は、少量の水を含有し得る。一実施形態では、本発明の非水性医薬組成物は、10%(w/w)未満の水を含む。別の実施形態では、本発明の組成物は、5%(w/w)未満の水を含む。別の実施形態では、本発明の組成物は、4%(w/w)未満の水、別の実施形態では、3%(w/w)未満の水、別の実施形態では、2%(w/w)未満の水、さらに別の実施形態では、1%(w/w)未満の水を含む。一実施形態では、組成物は、0%(w/w)水を許容する。
【0264】
その他の非イオン性界面活性剤の例として、それだけには限らないが、以下が挙げられる:
1.天然または硬化ヒマシ油およびエチレンオキシドの反応生成物。天然または硬化ヒマシ油はエチレンオキシドと、約1:35〜約1:60のモル比で反応させ、生成物からPEG成分を任意選択で除去してもよい。種々のこのような界面活性剤として、市販の、例えば、BASF Corp.(Mt. Olive、NJ)製のCREMOPHORシリーズ、例えば、約50〜60の鹸化値、約1未満の酸性値であり、約2%未満の含水量、すなわち、Fischer、約1.453〜1.457のnD60、約14〜16のHLBを有するPEG40硬化ヒマシ油であるCREMOPHOR RH40がある;
2.ポリオキシエチレンステアリン酸エステルを含むポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、Uniqema製のMYRJシリーズ、例えば、約47℃の融点を有するMYRJ 53。MYRJシリーズ中の特定の化合物として、例えば、約47℃の融点を有するMYRJ 53およびMYRJ 52として入手可能なステアリン酸PEG-40がある;
3.Uniqema製のTWEENシリーズ、例えば、TWEEN 60を含むソルビタン誘導体;
4.ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体およびブロック共重合体またはポロクサマー、例えば、BASF製のプルロニックF127またはプルロニックF68またはCroda製のSynperonic PE/L;
5.ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、C12〜C18アルコールのポリオキシエチレングリコールエーテル、例えば、Uniqema製のBRIJシリーズとして知られており、市販されている、ポリオキシル10-または20-セチルエーテルまたはポリオキシル23-ラウリルエーテルまたは20-オレイルエーテルまたはポリオキシル10-、20-もしくは100-ステアリルエーテル。BRIJシリーズからの特に有用な製品として、BRIJ58;BRIJ76;BRIJ78;BRIJ35、すなわち、ポリオキシル23ラウリルエーテル;およびBRIJ98、すなわち、ポリオキシル20オレイルエーテルがある。これらの製品は、約32℃〜約43℃の間の融点を有する;
6.約36℃の融点を有する、Eastman Chemical Co.から入手可能な水溶性トコフェリルPEGコハク酸エステル、例えば、TPGS、例えば、ビタミンE TPGS。
7.例えば、5〜35[CH2-CH,-O]単位、例えば、20〜30単位、を有するPEGステロールエーテル、例えば、Chemron(Paso Robles、CA)製のSOLULAN C24(Choleth-24およびCetheth-24);使用してもよい同様の製品として、Nikko Chemicals製のNIKKOL BPS-30(ポリエトキシ化30フィトステロール)およびNIKKOL BPSH-25(ポリエトキシ化25フィトスタノール)として知られ、市販されているものがある;
8.例えば、4〜10のグリセロール単位の範囲または4、6または10グリセロール単位を有するポリグリセロール脂肪酸エステル。例えば、Nikko Chemicals製のデカ-/ヘキサ-/テトラモノステアリン酸グリセリル、例えば、DECAGLYN、HEXAGLYNおよびTETRAGLYNが特に適している;
9.アルキレンポリオールエーテルまたはエステル、例えば、それぞれ、GELUCIRE44/14およびGELUCIRE50/13である、ラウロイルマクロゴール-32グリセリドおよび/またはステアロイルマクロゴール-32グリセリド;
10.飽和C10〜C22ポリオキシエチレンモノエステル、例えば、C18置換、例えば、ヒドロキシ脂肪酸;例えば、12ヒドロキシステアリン酸PEGエステル、例えば、PEG約、例えば、600〜900、例えば、660ダルトンMWのもの、例えば、BASF(Ludwigshafen、20 Germany)製のSOLUTOL HS 15。BASF技術リーフレットMEF 151 E(1986年)によれば、SOLUTOL HS 15は、約70重量%のポリエトキシ12-ヒドロキシステアレート、約30重量%の非エステル化ポリエチレングリコール成分を含む。90〜110の水素化値、53〜63の鹸化値、最大1の酸性数値および0.5重量%の最大含水量を有する;
11.ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-アルキルエーテル、例えば、C12〜C18アルコールのポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン-エーテル、例えば、Nikko Chemicals製のNIKKOL PBC 34として市販されているポリオキシエチレン-20-ポリオキシプロピレン-4-セチルエーテル;
12.例えば、UniqemaからATLAS G 1821およびNikko ChemicalsからNIKKOCDS-6000Pの商品名のもとで市販されている、ポリエトキシ化ジステアレート。
【0265】
本明細書において使用される場合、界面活性剤または親油性成分の用語「親水性-親油性バランス」または「HLB」は、Griffin (Griffin WC:「Classification of Surface-Active Agents by「HLB」」、Journal of the Society of Cosmetic Chemists 1(1949年):311頁)によって、またはDavies(Davies JT:「A quantitative kinetic theory of emulsion type, I. Physical chemistry of the emulsifying」Gas/Liquid and Liquid/Liquid Interface. Proceedings of the International Congress of Surface Activity(1957年):426〜438頁)によって記載されるように、分子の異なる領域の値を算出することによって決定される、親水性または親油性である程度の尺度である。
【0266】
「10を超えるHLBを有する非イオン性界面活性剤」は、10を超えるHLBを有するという一般的な特徴を有する非イオン性界面活性剤の選択である。
【0267】
例示のために、10を超えるHLBを有する界面活性剤の限定されない一覧が、そのHLB値とともに以下に提供されている:
16.7のHLBを有する、ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(Tween20、ポリソルベート20、超精製ポリソルベート20);
15のHLBを有する、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween80、ポリソルベート80、超精製ポリソルベート80);
15.6のHLBを有する、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween40、ポリソルベート40、超精製ポリソルベート40);
11のHLBを有する、ジグリセロールカプリレート(ジグリセロールモノカプリレート、ポリグリセロールカプリレート)。
10のHLBを有する、ポリグリセロールカプレート(Rylo PG10 Pharma);
14のHLBを有するカプリロカプロイルマクロゴールグリセリド(Labrasol、Labrasol ALF);
SYNPERONIC PE/L 44(ポロクサマー124)などのブロック重合体;
11.1のHLBを有する、ポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 45、マクロゴールステアレート);
15のHLBを有する、ポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 49、ステアリン酸マクロゴール);
16のHLBを有する、ポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 51、ステアリン酸マクロゴール);
16.9のHLBを有する、ポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 52、ステアリン酸マクロゴール)
17.9のHLBを有するポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 53、ステアリン酸マクロゴール);
18.8のHLBを有する、ポリオキシエチレンエステアレート(Myrj 59、ステアリン酸マクロゴール)および
13.3のHLBを有する、ポリオキシエチレングリセロールトリリシノールエート(polyoxyethyleneglyceroltriricinoleat)(Cremophor EL)
【0268】
本明細書において使用される場合、用語「アミノ酸」とは、アミンおよびカルボキシル官能基の両方を含有する任意の分子を指す。
【0269】
用語「腸溶コーティング」とは、本明細書において使用される場合、固体経口投与形の崩壊および放出を制御するポリマーコーティングを意味する。固体投与形の崩壊および放出部位は、治療用高分子(すなわち、治療用活性ペプチドまたはタンパク質)の吸収が望まれる標的とされる領域のpHに応じて設計され得、したがって、酸抵抗性保護コーティングも含む。この用語は、既知腸溶コーティングも含むが、腸溶特性を有する任意のその他のコーティングも含み、ここで、前記用語「腸溶特性」とは、固体経口投与形(すなわち、本発明の経口医薬組成物)の崩壊および放出を制御する特性を意味する。
【0270】
用語「腸溶ソフトまたはハードカプセル技術」とは、本明細書において使用される場合、腸溶特性を有する少なくとも1種の要素、例えば、腸溶コーティングの少なくとも1種の層を含むソフトまたはハードカプセル技術を意味する。本明細書において使用される場合、用語「遅延放出コーティング」とは、経口投薬後に遅延された方法でAPIを放出するポリマーコーティングを意味する。遅延放出は、pH依存性またはpH非依存性ポリマーコーティングによって達成することができる。
【0271】
用語「補助界面活性剤」とは、本明細書において使用される場合、組成物または製剤に添加されるさらなる界面活性剤を指し、ここで、第1の界面活性剤は存在する。
【0272】
これに関連して、1,2-プロパンジオールおよびプロピレングリコールは、互換的に使用される。
【0273】
以下は、本発明の範囲内にさらに含まれる態様の限定されない一覧である。
1.a.一般式:
【0274】
【化5】
【0275】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、
R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、
R3は、Hまたはその塩のいずれかであり、
R4は、非カチオン性アミノ酸側鎖である]
の少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、
b.少なくとも1種の治療用高分子と
を含む、経口医薬組成物。
2.a.一般式:
【0276】
【化6】
【0277】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、
R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、
R3は、Hまたはその塩のいずれかであり、
R4は、非カチオン性アミノ酸側鎖である]
の少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、
b.少なくとも1種の親水性ペプチドまたはタンパク質と
を含む、経口医薬組成物。
3.a.一般式:
【0278】
【化7】
【0279】
[式中、R1は、8〜18個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、
R2は、H(すなわち、水素)またはCH3(すなわち、メチル基)のいずれかであり、
R3は、Hまたはその塩のいずれかであり、
R4は、非カチオン性アミノ酸側鎖である]
の少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、
b.少なくとも1種のインスリンペプチドと
を含む、経口医薬組成物。
4.前記少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、非極性疎水性アミノ酸をベースとする、前記1から3の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
5.前記少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、極性無電荷アミノ酸をベースとする、前記1から4の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
6.前記少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、極性酸性アミノ酸をベースとする、前記1から5の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
7.少なくとも1種のインスリンをさらに含む、前記の1から6の態様のいずれかに記載の固体経口組成物。
8.腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む、前記の1から7のいずれかに記載の固体経口組成物。
9.前記FA-aaの脂肪酸部分が、その遊離酸または塩の形態である、前記の1から8の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
10.FA-aaの前記脂肪酸部分が、10個の炭素原子からなる、前記の1から9の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
11.前記FA-aaの脂肪酸部分が、12個の炭素原子からなる、前記の1から10の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
12.前記FA-aaの脂肪酸部分が、14個の炭素原子からなる、前記の1から11の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
13.前記FA-aaの脂肪酸部分が、16個の炭素原子からなる、前記の1から12の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
14.前記FA-aaのアミノ酸残基が、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択される、前記の1から13の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
15.前記FA-aaのアミノ酸残基が、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)の遊離酸または塩の形態からなる群から選択される、前記の1から14の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
16.FA-aaがナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイル-L-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイル-L-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイル-L-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイル-L-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイル-L-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイル-L-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)、Amilite GCS-11(ナトリウムココイルグリシネート)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムココイルグリシンおよびナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択される、前記の1から15の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
17.FA-aaが、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイル-L-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイル-L-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイル-L-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイル-L-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイル-L-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイル-L-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)、Amilite GCS-11(ナトリウムココイルグリシネート)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシンおよびナトリウムココイルグリシン、ナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択される、前記の1から16の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
18.プロピレングリコールをさらに含む、前記の1から17の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
19.SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSをさらに含む、前記の1から18の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
20.その他の医薬賦形剤をさらに含む、前記の1から19の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
21.医薬として使用するための、前記の1から20の態様のいずれか項に記載の経口医薬組成物。
22.真性糖尿病の治療のための医薬として使用するための、前記の1から21の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
23.前記親水性ペプチドまたはタンパク質が、インスリンペプチドである前記の1から22の態様のいずれかに記載の医薬組成物。
24.10%(w/w)未満の水を含む、前記の1から23の態様のいずれかに記載の医薬組成物。
25.前記少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸のアミノ酸残基が、非極性疎水性アミノ酸、極性無電荷アミノ酸または極性酸性アミノ酸をベースとする、前記1から24の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
26.腸溶性または遅延放出コーティングをさらに含む、前記の1から25の態様のいずれかに記載の経口組成物。
27.脂肪酸アシル化アミノ酸が、遊離酸または塩の形態である、前記の1から26の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
28.FA-aaの前記脂肪酸部分が、8、10または12の炭素原子からなる前記の1から27の実施形態のいずれかに記載の経口医薬組成物。
29.FA-aaの前記脂肪酸部分が、14、16または18個の炭素原子からなる、前記の1から28の実施形態のいずれかに記載の経口医薬組成物。
30.FA-aaの前記脂肪酸部分が、10、12、14、16または18個の炭素原子からなる、前記の1から29の実施形態のいずれかに記載の経口医薬組成物。
31.FA-aaの前記脂肪酸部分が、10または12個の炭素原子からなる前記の1から30の実施形態のいずれかに記載の経口医薬組成物。
32.前記FA-aaのアミノ酸残基が、アラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Leu)、イソロイシン(Ile)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、メチオニン(Met)、プロリン(Pro)、サルコシネート、グリシン(Gly)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Apn)およびグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)およびグルタミン酸(Glu)からなる群から選択される、前記の1から31の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
33.脂肪酸アシル化アミノ酸が、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイル-L-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイル-L-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイル-L-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニン、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイル-L-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイル-L-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイル-L-バリン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)、Amilite GCS-11(ナトリウムココイルグリシネート)、ナトリウムラウロイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、ナトリウムココイルグリシン、ナトリウムココイルグルタメート、ナトリウムラウロイルアラニネート、N-ドデカノイル-L-アラニン、ナトリウムラウロイルアスパラギネート、N-ドデカノイル-L-アスパラギン、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムラウロイルシステイネート、N-ドデカノイル-L-システイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムラウロイルグルタミネート、N-ドデカノイル-L-グルタミン、ナトリウムラウロイルグリシネート、N-ドデカノイル-L-グリシン、ナトリウムラウロイルヒスチジネート、N-ドデカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムラウロイルイソロイシネート、N-ドデカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムラウロイルロイシネート、N-ドデカノイル-L-ロイシン、ナトリウムラウロイルメチオニネート、N-ドデカノイル-L-メチオニン、ナトリウムラウロイルフェニルアラニネート、N-ドデカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムラウロイルプロリネート、N-ドデカノイル-L-プロリン、ナトリウムラウロイルセリネート、N-ドデカノイル-L-セリン、ナトリウムラウロイルスレオニネート、N-ドデカノイル-L-トレオニン、ナトリウムラウロイルトリプトファネート、N-ドデカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムラウロイルチロシネート、N-ドデカノイル-L-チロシン、ナトリウムラウロイルバリネート、N-ドデカノイル-L-バリン、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、N-ドデカノイル-L-サルコシン、ナトリウムカプリックアラニネート、N-デカノイル-L-アラニン、ナトリウムカプリックアスパラギネート、N-デカノイル-L-アスパラギン、カプリックアスパラギン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-アスパラギン酸、ナトリウムカプリックシステイネート、N-デカノイル-L-システイン、カプリックグルタミン酸ナトリウム、N-デカノイル-L-グルタミン酸、ナトリウムカプリックグルタミネート、N-デカノイル-L-グルタミン、ナトリウムカプリックグリシネート、N-デカノイル-L-グリシン、ナトリウムカプリックヒスチジネート、N-デカノイル-L-ヒスチジン、ナトリウムカプリックイソロイシネート、N-デカノイル-L-イソロイシン、ナトリウムカプリックロイシネート、N-デカノイル-L-ロイシン、ナトリウムカプリックメチオニネート、N-デカノイル-L-メチオニン、ナトリウムカプリックフェニルアラニネート、N-デカノイル-L-フェニルアラニン、ナトリウムカプリックプロリネート、N-デカノイル-L-プロリン、ナトリウムカプリックセリネート、N-デカノイル-L-セリン、ナトリウムカプリックスレオニネート、N-デカノイル-L-トレオニン、ナトリウムカプリックトリプトファネート、N-デカノイル-L-トリプトファン、ナトリウムカプリックチロシネート、N-デカノイル-L-チロシン、ナトリウムカプリックバリネート、N-デカノイル-L-バリン、ナトリウムカプリックサルコシネートおよびN-デカノイル-L-サルコシン、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレオイルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシン、Amisoft HS-11P(ナトリウムステアロイルグルタメート、Amisoft MS-11(ナトリウムミリストイルグルタメート))、Amisoft LS-11(ナトリウムラウロイルグルタメート)、Amisoft CS-11(ナトリウムココイルグルタメート)、Amilite GCS-11(ナトリウムココイルグリシネート)、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムN-デシルロイシンおよびナトリウムココイルグリシン、ナトリウムココイルグルタメートからなる群から選択される、前記の1から32の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
34.プロピレングリコールをさらに含む、前記の1から33の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
35.SEDDS、SMEDDSまたはSNEDDSをさらに含む、前記の1から34の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
36.その他の医薬賦形剤をさらに含む、前記の1から35の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
37.医薬として使用するための、前記の1から36の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
38.真性糖尿病の治療のための医薬として使用するための、前記の1から37の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物。
39.前記親水性ペプチドまたはタンパク質のバイオアベイラビリティを増大するための、前記の1から38の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物の使用。
40.前記治療用高分子のバイオアベイラビリティを増大するための、前記の1から39の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物の使用。
41.前記治療用活性ペプチドのバイオアベイラビリティを増大するための、前記の1から40の態様のいずれかに記載の経口医薬組成物の使用。
【実施例】
【0280】
インスリン誘導体と脂肪酸アシル化アミノ酸とを含む医薬組成物の実施例
【0281】
実施例1
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、脂肪酸アシル化アミノ酸の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図1に示されている。
【0282】
実施例2
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、それぞれ、10または20mg/mLの濃度のナトリウムN-カプリックロイシンの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図2に示されている。
【0283】
実施例3
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、それぞれ、ナトリウムラウロイルサルコシネート(10m/mL)またはN-ココイルサルコシン酸ナトリウム(10mg/mL)の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。N-ココイルサルコシンを有する製剤(-□-)は、共溶媒プロピレングリコールの50%を含有していた。ココイルサルコシネート中の脂肪酸鎖分布は、1% C6、8% C8、6% C10、48% C12、18% C14、8% C16、6% C18飽和および5% C18不飽和であった。
得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部へ注射し、薬物動態プロフィール。
結果は、図3に示されている。
【0284】
実施例4
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、全増量のナトリウムラウロイルサルコシネート(3mg/mL、10mg/mL、30mg/mLおよび100mg/L)の存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図4に示されている。
【0285】
実施例5
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、漸増する量(3mg/mL、10mg/mL、30mg/mLおよび100mg/L)のナトリウムミリストイルグルタメートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図5に示されている。
【0286】
実施例6
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、10mg/mLのナトリウムラウロイルサルコシネートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の結腸へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図6に示されている。
【0287】
実施例7
10mg/mLオレオイルサルコシネートの存在下、または10mg/mLココイルサルコシネートおよび16.5%の共溶媒プロピレングリコールの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させたインスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)の薬物動態プロフィールを作製した。ココイルサルコシネート中の脂肪酸鎖分布は、1% C6、8% C8、6% C10、48% C12、18% C14、8% C16、6% C18飽和および5% C18不飽和である。
組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図7に示されている。
【0288】
実施例8
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、それぞれ、10mg/mLナトリウムN-ミリストイル-L-グルタメート、ナトリウムN-ラウロイル-L-グルタメート、ナトリウムN-ココイル-L-グルタメート、ナトリウムN-ココイルグリシネートまたはナトリウムN-ステオリル(steoryl)-L-グルタメートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。
得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=4〜6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図8に示されている。
【0289】
実施例9
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、それぞれ、10mg/mLのナトリウムN-カプリックロイシン、ナトリウム、Nーカプリックアラニン、ナトリウムN-カプリックフェニルアラニン、N-カプリックイソロイシン、N-カプリックアスパルト(aspart)、N-ラウロイルロイシンまたはN-ミリストイルロイシンの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図9に示されている。
【0290】
実施例10
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)を、ナトリウムN-カプリックロイシンの存在下でプロピレングリコールに溶解させた。得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録から薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、図10に示されている。
【0291】
実施例11
200mgのナトリウムラウロイルサルコシネート、50mgのダイズトリプシン阻害薬(SBTI)および腸溶コーティングのためのEudragit(登録商標)L30-D55およびEudragit(登録商標)NE30Dを含み、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)およびdesB30ヒトインスリン(120nmol/kg)をさらに含む腸溶コーティング錠の経口投薬後の測定値と関連する得られた記録から、雄のビーグル犬への200mgのナトリウムラウロイルサルコシネート、50mgのダイズトリプシン阻害薬(SBTI)および腸溶コーティングのためのEudragit(登録商標)L30-D55およびEudragit(登録商標)NE30Dを含む腸溶コーティング錠の経口投薬後の薬物動態プロフィールを読み出した。
結果は、単一のPKプロフィールとして図11に示されている。
【0292】
実施例12
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(60nmol/kg)10mgのラウロイルロイシンナトリウム、5mg/mLのラウロイルロイシンナトリウムおよび5mg/mlのカプリックロイシンの混合物または10mg/mLのよく使用される浸透促進剤サリチレート、デオキシコレートの存在下でリン酸バッファー(pH7.4)に溶解させた。得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部へ注射し、薬物動態プロフィールを得られた記録に基づいて算出した。
結果は、図12に示されている。
【0293】
インスリン誘導体と、脂肪酸アシル化アミノ酸とを含む液体非水性医薬組成物の実施例
【0294】
実施例13
液体インスリンSEDDS、SMEDDSおよびSNEDDS製剤は、脂肪酸アシル化アミノ酸ナトリウムN-ラウロイルフェニルアラニンを含むWO08145728に示された指針に従って調製した。
すべての製剤は、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(30nmol/kg)を含有していた。
インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(30nmol/kg)を、ナトリウムN-ラウロイルフェニルアラニンを含む液体SEDDS、SMEDDSおよびSNEDDS製剤に溶解させた。
得られた組成物を、麻酔され一晩絶食させたスプラーグドーリーラット(n=5〜6)の空腸中央部へ注射し、得られた記録に基づいて薬物動態プロフィールを算出した。
【0295】
組成物は、Table 1(表2)に示され、PK結果は図13に示されている。
組成物はTable 1(表2)に示されている。
【0296】
【表2】
【0297】
実施例14
インスリンSEDDSおよびSMEDDS組成物は、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728において示された指針に従って調製した。37℃のMilliQ水で100倍希釈した後に、平均粒径(流体力学直径)およびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤が、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(30nmol/kg)を含有していた。
結果はTable 2(表3)に示されている。
【0298】
【表3】
【0299】
実施例15
SEDDSに製剤された、インスリン誘導体と、脂肪酸アシル化アミノ酸とを含む腸溶ソフトカプセル。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示される指針(手短には、インスリンをまず水に溶解し、pHを不揮発性塩基(NaOH)を用いてpH7.4に調整し、続いて、凍結乾燥し、次いで、得られたインスリン散剤をまずプロピレングリコールに溶解し、次いで、記載されるようなその他の添加剤と混合した)に従って調製した。30mgのナトリウムラウロイルロイシンナトリウム塩、150mgのプロピレングリコール、300mgのポリソルベート20および520mgのジグリセロールモノカプリレートを含む腸溶コーティングソフトカプセル剤の経口投薬後における、インスリン誘導体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(120nmol/kg)の、単一のビーグル犬における薬物動態プロフィールが示されている。
ソフトカプセル剤は、Eudragit(登録商標)L30-D55およびEudragit(登録商標)NE30Dの混合物を用いて腸溶コーティングした。
結果は、単一PKプロフィールとして図14に示されている。
【0300】
実施例16
種々の量のN-ラウロイルロイシンナトリウム塩を有する液体非水性インスリン類似体組成物。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示される指針(手短には、インスリンをまず水に溶解し、pHを不揮発性塩基(NaOH)を用いてpH7.4に調整し、続いて、凍結乾燥し、次いで、得られたインスリン散剤をまずプロピレングリコールに溶解し、次いで、記載されるようなその他の添加剤と混合した)に従って調製した。漸増量のN-ラウロイルロイシンナトリウム塩を含むインスリンSEDDSおよびSMEDDS組成物を調製した。37℃のMilliQ水で50倍希釈した後に平均粒径(流体力学直径)をおよびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤は、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(5mg/g)を含有していた。
結果は、Table 3(表4)に示されている。
【0301】
【表4】
【0302】
実施例17
ジグリセロールモノカプリレートおよびプロピレングリコールをさらに含む、種々の量のN-ラウロイルロイシンナトリウム塩を有する液体インスリン類似体組成物。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示された指針(手短には、インスリンをまず水に溶解し、pHを不揮発性塩基(NaOH)を用いてpH7.4に調整し、続いて、凍結乾燥し、次いで、得られたインスリン散剤をまずプロピレングリコールに溶解し、次いで、記載されるようなその他の添加剤と混合した)に従って調製した。種々の量のN-ラウロイルロイシンナトリウム塩を含むインスリン(nsulin)SEDDS組成物を調製した。37℃のMilliQ水で50倍希釈した後に平均粒径(流体力学直径)をおよびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤は、インスリン誘導体A14E、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン(5mg/g)を含有していた。
【0303】
【表5】
【0304】
実施例18
種々の脂肪酸アシル化アミノ酸、種々の溶媒および種々のポリソルベートを有する脂質組成物。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示される指針(手短には、インスリンをまず水に溶解し、pHを不揮発性塩基(NaOH)を用いてpH7.4に調整し、続いて、凍結乾燥し、次いで、得られたインスリン散剤をまずプロピレングリコールに溶解し、次いで、記載されるようなその他の添加剤と混合した)に従って調製した。種々の脂肪酸アシル化アミノ酸ナトリウム塩、ポリソルベートおよび溶媒を含むインスリンSEDDSおよびSMEDDS組成物を調製した。37℃のMilliQ水で50倍希釈した後に平均粒径(流体力学直径)およびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤は、5mg/gのインスリン類似体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリン5mg/gを含む。結果はTable 5(表6)に示されている。
【0305】
【表6】
【0306】
実施例19
少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸と、インスリン誘導体と、溶媒と、少なくとも1種の脂質または補助界面活性剤とを含む液体脂質ベースの製剤を調製した。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示される指針(手短には、インスリンをまず水に溶解し、pHを不揮発性塩基(NaOH)を用いてpH7.4に調整し、続いて、凍結乾燥し、次いで、得られたインスリン散剤をまずプロピレングリコールに溶解し、次いで、記載されるようなその他の添加剤と混合した)に従って調製した。
【0307】
種々の脂肪酸アシル化アミノ酸ナトリウム塩と、脂質または補助界面活性剤と、溶媒とを含むインスリンSEDDS組成物を調製した。37℃のMilliQ水で50倍希釈した後に平均粒径(流体力学直径)およびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤は、5mg/gのインスリン類似体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリンを含む。結果は、Table 6(表7)に示されている。
【0308】
【表7】
【0309】
実施例20
N-ラウロイルロイシンナトリウム塩および種々の界面活性剤を含み、変動するHLB値を有する、脂質SEDDS、SMEDDSおよびSNEDDS組成物を調製した。インスリンSEDDS組成物を、少なくとも1種の脂肪酸アシル化アミノ酸(FA-aa)を含むWO08145728に示される指針に従って調製した。
【0310】
N-ラウロイルロイシンナトリウム塩と、プロピレングリコールと、ジグリセロールモノカプリレートと、高または低HLB界面活性剤とを含むインスリンSEDDSおよびSMEDDS組成物を調製した。すべての製剤は、5mg/gのインスリン類似体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリンを含む。
【0311】
37℃のMilliQ水で50倍希釈した後に平均粒径(流体力学直径)およびそれぞれのPDI(多分散性指数)を分析した。すべての製剤は、5 mg/gのインスリン類似体A1(N,N-ジメチル)、A14E、B1(N、N-ジメチル)、B25H、B29K(N(eps)オクタデカンジオイル-gGlu-OEG-OEG)、desB30ヒトインスリンを含む。結果はTable 7(表9)に示されている。
【0312】
Table 7(表9)で分析され示された脂質組成物は、以下のように構成された;
【0313】
【表8】
【0314】
【表9】
【0315】
その他の組成物の例
【0316】
実施例21
Novo Nordisk A/Sが現在臨床開発中であるインスリンデグルデック(degludec)/リラグルチド(liraglutide)薬物製品の組成物を以下に示す。この製剤は、II型糖尿病臨床試験(皮下注射)において使用するのに適した安定な併用製品であると示されている。
【0317】
薬物製品製剤中の成分名
原薬
・リラグルチド、1mlあたり3.6mg(960nmol)
・インスリンデグルデック、1mlあたり600nmol(100U)
添加剤
・フェノール
・グリセロール
・亜鉛
製剤方法特徴
・インスリンデグルデックおよびリラグルチド原薬の両方を、添加剤の混合物に固体散剤の形態で別個に直接加える。
・すべての亜鉛は、一度に加える。
・製剤方法のどこにも保持時間の必要はない。
【0318】
本明細書において使用される場合、本発明の特定の特徴が例示され、記載されているが、当業者ならば、ここで、多数の修飾、置換、変更および均等物に思い当たるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨内に入るようなすべてのこのような修飾および変更も対象とするものとする理解されなければならない。
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