特許第6030654号(P6030654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6030654螺子旋回成形装置及び該螺子旋回成形装置を備えた旋盤機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030654
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】螺子旋回成形装置及び該螺子旋回成形装置を備えた旋盤機械
(51)【国際特許分類】
   B23G 1/34 20060101AFI20161114BHJP
   B23B 5/46 20060101ALI20161114BHJP
   B23G 3/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B23G1/34
   B23B5/46
   B23G3/00 B
【請求項の数】24
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-530275(P2014-530275)
(86)(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公表番号】特表2014-526392(P2014-526392A)
(43)【公表日】2014年10月6日
(86)【国際出願番号】EP2012068374
(87)【国際公開番号】WO2013038028
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年7月13日
(31)【優先権主張番号】102011082903.2
(32)【優先日】2011年9月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508122046
【氏名又は名称】ギルドメイスター イタリアーナ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】リゴロネ, フランコ
(72)【発明者】
【氏名】ロタ, レナート
(72)【発明者】
【氏名】カバディニ, マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ミレジ, ルカ
【審査官】 山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−272926(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0131224(US,A1)
【文献】 特開2008−073843(JP,A)
【文献】 特開2002−113601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23G 3/00,1/32−1/34,
1/02−1/04,1/08,5/18,
B23B 3/00−11/00,25/00,
B23Q 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺子旋回成形方法により数値制御型の旋盤機械上のワークピースに螺子を作り出す螺子旋回成形装置であって、
前記旋盤機械に前記螺子旋回成形装置(1)を取付けるための保持構造(10a,10b,10c)と、
前記保持構造(10a,10b,10c)に保持され、その縁に周方向に配置された1個以上の切削工具(12a〜12f)を担持する開口(13)を有した旋回ヘッド(12)と、
前記開口(13)を貫通して延びる第1回転軸線(F1)回りに前記旋回ヘッド(12)を回転駆動するように構成された第1駆動手段(14)と
を備え、
前記螺子旋回成形装置(1)は前記螺子旋回成形方法を実施するように構成され、該成形方法にて、
ワークピース(W)が前記旋盤機械(100)のワークスピンドル(101)を介して該ワークスピンドル(101)のスピンドル軸線回りに回転駆動され、
切削運動を作り出すために、前記旋回ヘッド(12)が前記第1駆動手段(14)を介して前記第1回転軸線(F1)の回りに回転駆動され、
前記ワークピース(W)が前記旋盤機械の制御装置を介して制御されて、前記スピンドル軸線の方向(Z)に前記旋回ヘッド(12)に対して移動し、前記スピンドル軸線の方向への前記旋回ヘッド(12)に対する前記ワークピース(W)の送り速度及び前記スピンドル軸線回りの前記ワークピース(W)の回転速度が加工されるべき螺子に応じ、互いに対して調整されており、
前記螺子旋回成形装置(1)は第2駆動手段(15)によって特徴付けられ、
前記第2駆動手段は前記旋回ヘッド(12)を第2回転軸線(F2)回りに回転駆動させるように構成され、
前記螺子旋回成形装置(1)が前記旋盤機械(100)に取付けられたとき、前記第1回転軸線(F1)と前記スピンドル軸線との間の角度を方向付けするために、前記第2回転軸線は前記第1回転軸線(F1)に対して横断して延びている、螺子旋回成形装置。
【請求項2】
前記第2回転軸線(F2)は前記第1回転軸線(F1)に対して実質的に垂直に延びている請求項1に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項3】
前記第1回転軸線(F1)及び前記第2回転軸線(F2)は共通の交点にて交差する請求項1又は2に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項4】
前記旋回ヘッド(12)の1個以上の切削工具は1つの切削方向(12a,12b,12c)を有し、該切削方向は切削工具(12a,12b,12c)の各々のために、前記第1回転軸線(F1)と前記第2回転軸線(F2)との共通の交点に向けられている請求項3に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項5】
前記旋盤機械(100)の前記制御装置(102)に接続されるように構成されたインタフェース手段(16)によって特徴付けられ、前記第2駆動手段(15)が該接続されたインタフェース手段(16)を介して前記旋盤機械の前記制御装置(102)によって制御されるように構成されている、請求項1〜4の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項6】
電子制御装置に接続されるように構成されたインタフェース手段(16)によって特徴付けられ、前記第2駆動手段(15)が該接続されたインタフェース手段を介して前記電子制御装置によって制御されるように構成されている、請求項1〜4の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項7】
電子制御装置によって特徴付けられ、前記第駆動手段が前記電子制御装置を介して制御可能に構成されている、請求項1〜4の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項8】
前記螺子旋回成形装置の電子制御装置はインタフェース手段を含み、該インタフェース手段は前記旋盤機械の前記制御装置に接続されるように構成されている、請求項7に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項9】
前記第2駆動手段は、前記制御装置によって制御されるように構成され、前記制御装置はユーザの手動入力に基づき及び/又はCNCプログラムに含まれる制御指令に基づき、前記第2駆動手段を制御する、請求項5〜8の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項10】
前記第2駆動手段は、前記第2回転軸線(F2)回りに前記旋回ヘッド(12)を回転駆動するため、電気モータ、特にサーボモータを含む、請求項1〜9の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項11】
前記第2駆動手段はクランプ手段を含み、該クランプ手段は、螺子旋回成形方法中、前記第駆動手段により方向付けられた前記第1回転軸線(F1)と前記第2回転軸線(F2)との間の角度を固定するように構成されている、請求項1〜10の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項12】
前記第2駆動手段は角位置センサを備え、該角位置センサは前記第2回転軸線回りの回転に関して前記旋回ヘッド(12)の方向付けの角位置を確証する請求項1〜11の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項13】
前記角位置センサは、前記第2駆動手段の調整のために出力信号を送信するように構成され、前記出力信号は前記第2駆動手段を制御する前記制御装置に前記確証された角度を指示する、請求項5〜8の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項14】
前記第2駆動手段は、標準の方向付けから第1回転方向への前記第2回転軸線回りの第1最大角の方向付けまで、及び、前記標準での方向付けらから前記第1回転方向とは逆の第2回転方向への前記第2回転軸線回りの第2最大角の方向付けまで、特に前記標準の方向付けに対して+15°及び−15°まで前記旋回ヘッドを方向付けするように構成されている、請求項1〜13の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項15】
前記螺子旋回成形装置は、前記旋回ヘッド(12)の標準の方向付けにて前記第1回転軸線(F1)が前記旋盤機械の前記スピンドル軸線に平行、特に同軸上に方向付けられている、請求項14に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項16】
前記第2駆動手段はギヤ機構を含む、請求項1〜15の何れかに記載の螺子旋回成形装置。
【請求項17】
前記ギヤ機構は、ベベルギヤ機構、ウオームギヤ機構及び/又はスパーギヤ機構を含む、請求項16に記載の螺子旋回成形装置。
【請求項18】
ワークピース(W)を受け取り、そのスピンドル軸の回りに前記ワークピース(W)を回転駆動するワークスピンドル(101)と、
請求項1〜17の何れか1に記載の螺子旋回成形装置(1)と
を備えた数値制御型の旋盤機械。
【請求項19】
前記旋盤機械(100)及び前記螺子旋回成形装置(1)のための制御装置(102)によって特徴付けられた請求項18に記載の旋盤機械。
【請求項20】
前記制御装置は、前記第2駆動手段を制御することにより、前記スピンドル軸線と前記第1回転軸線との間の角度を方向付ける、請求項19に記載の旋盤機械。
【請求項21】
前記旋盤機械が提供された理想螺子プロファイルに基づいて構成されているとき、前記第1回転軸線の方向を調整するために、前記第2駆動手段を制御することにより、前記制御装置が前記スピンドル軸線と前記第1回転軸線(F1)との間の角度を方向付けするように構成されている、請求項20に記載の旋盤機械。
【請求項22】
前記制御装置は、前記ワークピースが処理されたとき、切削工具の摩耗に起因した螺子誤差を補償するために、前記第2駆動手段を制御することにより、前記スピンドル軸線と前記第1回転軸線(F1)との間の角度を適合させるように構成されている、請求項20又は21に記載の旋盤機械。
【請求項23】
前記制御装置は、第1ワークピースに螺子を成形した後で且つ第2ワークピースに同一の螺子プロファイル且つ同一の螺子ピッチを有する螺子を形成する前に、前記第1及び前記第2ワークピースの呼び径間の差に基づいて前記第2駆動手段を制御することにより、前記スピンドル軸線と前記第1回転軸線(F1)との間の角度を適合させるように構成されている、請求項20〜22の何れかに記載の旋盤機械。
【請求項24】
前記制御装置は、第1ワークピースに螺子を成形した後で且つ同一の呼び径を有する第2ワークピースに同一の螺子プロファイルの螺子を形成する前に、前記第1及び前記第2ワークピースにおける螺子の螺子ピッチ間の差に基づいて前記第2駆動手段を制御することにより、前記スピンドル軸線と前記第1回転軸線(F1)との間の角度を適合させるように構成されている、請求項20〜23の何れかに記載の旋盤機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値制御型の旋盤機械上のワークピースに螺子旋回成形方法により螺子を成形する螺子旋回成形装置に係わり、該螺子旋回成形装置は、旋盤機械に螺子旋回成形装置を取付けるための保持構造と、該保持構造に保持され、その縁に周方向に配置された1個以上の切削工具を担持する開口を有する旋回ヘッドと、第1駆動手段とを有し、該第1駆動手段は開口を貫通して延びる第1回転軸線の回りに旋回ヘッドを回転駆動するように構成されている。付け加えて、本発明は、数値制御型の旋盤機械に関し、該旋盤機械はワークピースを受け取り、該ワークピースをそのスピンドル軸線回りに回転駆動するワークスピンドルと、螺子旋回成形装置とを備える。
【背景技術】
【0002】
請求項1の前提部における一般的な螺子旋回成形装置は、以下の特許文献1から公知である。一般的な螺子旋回成形装置は螺子旋回成形方法を実施するように構成され、この螺子旋回成形方法にて、ワークピースは旋盤機械のワークスピンドルによりワークスピンドルのスピンドル軸線回りに回転駆動され、この際、ワークピースは旋回ヘッドの開口を貫通して延びている。旋回ヘッドは、切削運動を作り出すために第1駆動手段により第1回転軸線回りに回転駆動され、そして、ワークピースは旋盤機械の制御装置により制御されてスピンドル軸線の方向に旋回ヘッドに対して移動し、そして、スピンドル軸線の方向への旋回ヘッドに対するワークピースの送り速度及びスピンドル軸線回りのワークピースの回転速度が成形されるべき螺子プロファイルに従って互いに対して適合されている。
【0003】
特に、上述の螺子における螺子旋回成形は医療技術の分野、例えば特別な螺子を有する自己固定の骨スクリューのような外科のためのインプラントの製造に特に利点がある。例えば、このような特別な螺子を有するスクリュー又は要素は、例えば歯科医療の分野でのインプラント、脊柱インプラント及び骨スクリューのような整形外科の分野での骨スクリューのために要求される。この場合、上述の螺子旋回成形の大きな利点は、堅いステンレス鋼や、チタニウム又はチタニウム合金から比較的に簡単且つ所望の高い精度でワークピースの処理が可能となることである。
【0004】
成形された螺子プロファイルは完全にバリが無く(これは医療技術にとって極めて重要な要求である)、そして、高い表面品質且つ形状の正確さによって識別される。螺子の螺旋成形が作動中、時間を節約すべく螺子は固形材料内に更に切り込まれ、これにより、高い測定の精度が達成される。正確さはミリメータの数百分の一の公差範囲にあって、ワークスピンドルにおけるスピードの複数パラメータとワークスピンドルに対する旋回ヘッドの送り運動との正確な対応によってのみ達成可能である。
【0005】
螺子を成形する工作機械としての一般的な螺子旋回成形装置は、例えば旋回ヘッドを備え、この旋回ヘッドは螺子旋回成形のために例えば固形カーバイドの複数の切削工具又は複数の螺子旋回鏨(chisels)を有し、これらは旋回ヘッドにおける開口の周囲に配置されている。所望の螺子プロファイルのために、例えば特別な切削工具プロファイルが計算され、特別に製作される。旋回ヘッド即ちその回転軸線は、切削運動を生起するために、スピンドル軸線に対して、切削されるべき螺子のピッチ角にて傾斜されている。
【0006】
この後、ワークピースは開口内にて旋回ヘッドの切削工具間に押し込まれ、多くの場合、1個の切削工具のみが使用される。旋回ヘッドは螺子旋回成形の作動中、高速で回転し、この結果、切削速度を決定し、そして、ワークピースは低速のスピンドル速度で回転し、旋盤機械における線形軸の作動中、スピンドル軸線の方向に位置付けられ、スピンドル軸線の方向への送り速度、即ち、螺子ピッチを決定する。特に、送り速度とスピンドル速度との対応は螺子の螺子ピッチに影響する。
【0007】
医療技術のための螺子の螺子旋回成形において、スピンドル速度は大抵、約15〜20rpmの範囲にあり、送り速度は所望の螺子ピッチに従い、即ち、スピンドルの回転当たりにおける1ピッチによって正確に調整されるものなっている(螺子において、前記ピッチはリード、即ち、その螺子軸線、換言すれば螺子の一方向の回転によって進む軸方向経路に沿う2つの螺子条間のスペースで特定される)。
【0008】
一般的な螺子旋回成形装置において、該螺子旋回成形装置には駆動手段を設けることができ、この駆動手段によって切削運動を生起するため、旋回ヘッドの回転運動が高速でもって可能となる。この駆動手段は、好都合にして欧州特許公開第1985397号公報に教示されているような非直動又はダイレクトな駆動部として備えることができる。
【0009】
しかしながら、一般的な螺子旋回成形装置によれば、常に旋回ヘッドの傾斜角に対する備えが存在し、この備えは医療技術に要求される螺子の正確さを達成するために、所望の螺子プロファイルの所望の螺子ピッチに対して正確に手動でもって調整されなければならない。手動調整によって要求された正確さで傾斜角の調整を可能にするには、複雑で且つ不都合に大きな変換機構の提供が必要となり、この変換機構は手動調整の動きを最小の調整の動きに変換する。更にまた、螺子旋回成形方法によって螺子を成形するうえで、ワークピースの処理が極端に迅速でも、この利点は上述の長い手動調整手順によって無効にされる。
【0010】
多くの場合、医療技術のためのスクリューは大量生産品ではなく、個々に製造されるワークピースであり、これにより、実際上、個々のワークピースを処理する前には屡々、長い手動調整が要求される。このことは、同一の螺子プロファイル及び同一の螺子ピッチを有するが異なる呼び径を有する一連のワークピースへの螺子旋回成形が交互実施されるときでも、また、同一の螺子プロファイル及び同一の呼び径を有するが異なる螺子ピッチを有する一連のワークピースへの螺子旋回成形が交互に実施される場合でも同様である。
【0011】
以下の特許文献2によれば、1つの螺子旋回成形ヘッドが公知であり、この螺子旋回成形ヘッドはフライス処理センタの工具担持スピンドルに取付け可能であって、スピンドル駆動部によって駆動される螺子切削工具を有する。この場合、螺子旋回成形ヘッドを保持するスピンドルを移動させる移動可能な処理センタの複数の軸線は、ワークピースに対して螺子旋回成形ヘッドの動きを制御するために使用され、ここで、ワークピースはワークピースの軸線に対して、3次元自由度の並進運動及び1次元自由度の回転運動でもって工具クランプにてクランプされている。しかしながら、この場合、螺子旋回成形ヘッドが個別に駆動手段を有していないので、処理センタの1つのスピンドル又は1つのスピンドル駆動部が螺子旋回成形ヘッドを駆動するために使用されなければならないと不具合を有する。付け加えて、このような螺子旋回成形ヘッドは、ワークピース担持スピンドルを有する旋盤機械への使用に好適しない。何故なら、旋盤機械のスピンドルはワークピース(フライス盤又は処理センタのワークピース担持スピンドルとは異なるワークピース担持スピンドル)を受け取るように構成され、この結果、螺子旋回成形ヘッドは旋盤機械のスピンドルに受け取り不能であり、そのスピンドルによって駆動できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許公開第1985397号公報(EP 1985397 A2)
【特許文献2】米国特許公開第2008/0131224号公報(US 2008/0131224 A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般的な螺子旋回成形装置における上述の不具合に関して、本発明の目的は、医療技術に要求される高度な正確さを維持又は更に改善し、医療用ワークピース、特に異なるワークピースが交互に処理されるとき、より有効且つ簡単にしてワークピースへの螺子旋回成形を可能とした螺子旋回成形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上述の目的を達成するため、本発明によれば、請求項1の螺子旋回成形装置及び請求項18の数値制御型の旋盤機械が提供される。従属項は本発明の好適な実施形態に関する。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、螺子旋回成形装置が提供される。この螺子旋回成形装置は、数値制御型の旋盤機械のワークピース担持スピンドルに受け取られ、該旋盤機械上にて螺子旋回成形方法によりワークピースに螺子を作り出すために旋盤機械に取付け可能である。螺子旋回成形装置は、旋盤機械(特に、旋盤機械の工具担持体又は旋盤機械の機械本体)に螺子旋回成形装置を取り付けるため、特に一体又は複数の部材で構成された保持構造と、該保持構造に保持、特に、回転可能に支持され、その縁の周囲に配置された1個以上の切削工具を担持する開口を有した旋回ヘッドと、第1駆動手段とを備え、該第1駆動手段は第1回転軸線の回りに旋回ヘッドを(特に旋盤機械のスピンドルとは独立、又は、旋盤機械のスピンドル駆動部とは独立して)回転駆動可能に構成され、第1回転軸線は開口を貫通して延び、この開口を通じて螺子旋回成形の作動のためにワークピースの導入が提供され、螺子旋回成形の作動では切削運動を生起する旋回ヘッドの回転中、切削工具により螺子が形成される。この場合、旋盤機械に螺子旋回成形装置を取り付ける保持構造は特に、旋盤機械の工具担持体又は旋盤機械の機械本体にロック又はアンロックできるように解放可能に固定可能な保持構造として構成されている。
【0016】
本発明の螺子旋回成形装置は、旋盤機械に取付け、特に該旋盤機械に固定又はロックされたとき、旋盤機械と協働して螺子旋回成形方法を実施するように構成されている。ここでの螺子旋回成形方法において、ワークピースは、旋盤機械の工具担持ワークスピンドルによってワークスピンドルのスピンドル軸線回りに回転駆動され、この際、ワークピースは旋回ヘッドの開口を貫通して延び、切削運動を生起するために旋回ヘッドは、螺子旋回成形装置上又は内部に別々に備えられた第1駆動手段、特に螺子旋回成形装置内に組み込まれた第1駆動手段により第1回転軸線回りに回転駆動され、そして、ワークピースは旋盤機械の制御装置によって制御され、旋回ヘッドに対してスピンドル軸線の方向に(特に、旋盤機械のスピンドルと独立、又は、旋盤機械のスピンドル駆動部と独立、また、旋盤機械の如何なる回転軸線と独立して)移動する。
【0017】
加工されるべき螺子(特に、螺子ピッチ)に対応して決定される旋回ヘッドに対するスピンドル軸線の方向へのワークピースの送り速度及びスピンドル軸線回りの回転速度は、この場合、加工されるべき螺子に従い互いに対して完全に調整される。特に、螺子旋回成形装置は、好ましくは螺子旋回成形装置上又は内部に別々に設けられた第1駆動手段を介して螺子旋回成形方法の切削運動を旋回ヘッドの回転駆動によって生起するように構成されているのが好ましい。
【0018】
本発明によれば、本発明の螺子旋回成形装置は更に第2駆動手段を備え、この第2駆動手段は螺子旋回成形装置上又は内部に別々に設けられている。特に、第2駆動手段は螺子旋回成形装置内に組み込まれ、螺子旋回成形装置が旋盤機械に取付けられたとき、第1回転軸線と第2回転軸線との間の角度を(特に旋盤機械のスピンドルと独立、又は、旋盤機械のスピンドル駆動部と独立、そしてまた、旋盤機械の如何なる回転軸線と独立して)方向付けするために、第1回転軸線に対して横断して延びる第2回転軸線の回りに旋回ヘッドを回転駆動するように構成されている。
【0019】
この結果、本発明の意図は、螺子形成装置上又は内部に別々に設けられ、切削運動を生起するために第1回転軸線の回りに旋回ヘッドを切削運動に要求される高速でもって(旋盤機械のスピンドル又はスピンドル駆動部と独立して)回転駆動する第1駆動手段に加えて、別の第2駆動手段を備えていることにある。該第2駆動手段は、螺子旋回成形装置上又は内部に別個に設けられ、第2回転軸線回りに旋回ヘッドを(旋盤機械のスピンドル又はスピンドル駆動部と独立し、そして、旋盤機械の如何なる回転軸線と独立して)回転可能であり、これにより、今、旋盤機械のスピンドル軸線に対する旋回ヘッド又は第2回転軸線の傾斜角に要求される調整は第2駆動手段を介して自動的に実施可能であり、最早、従来技術にて述べたように複雑且つ時間集中的な機械方式の手動でもって実施されることはない。
【0020】
好適には、このことは、より簡単且つ正確にして迅速な調整手順が可能となるばかりでなく、螺子旋回成形装置をよりコンパクトに構成できる。何故なら、手動調整操作のための調整後の角度位置を読み取る大きな定規や、操作者の手動の機械的調整の動きをより正確な実際の角度調整の動きに変換する複雑な変換機構を備える必要がない。
【0021】
調整期間に関しての重要な改善は、本発明による傾斜角の調整によって可能となり、この場合、実際の傾斜角調整の要求される時間が自動化により大幅に減少可能になるばかりでなく、更に、機械的な手動調整での場合のように操作者が角度調整のために旋盤機械の操作スペース内に到達する必要が最早無いということである。操作スペースは螺子旋回成形装置に対する手動調整のために開放されなければならないので、安全上の理由から、調整を実施可能とするには旋盤機械を完全な静止状態にもたらす必要があり、操作スペースは機械が静止状態に達したときにのみ、開放することができる。しかしながら、第2駆動手段を使用する本発明の自動調整によれば、操作スペースを閉じた状態に好適に維持し、調整と同時に旋盤機械に関する他の自動工程を実施可能である。従って、例えば、好適には旋盤機械が自動ワークピース交換装置を含んでいるなら、旋回ヘッドの傾斜角が調整されると同時に、スピンドル上のワークピースの交換が可能となり、これにより、他の重要な改善が効率的に達成される。
【0022】
この結果、本発明の第2駆動手段を使用して、傾斜角の調整が特に好適にて自動化可能となり、そして、その調整はそれぞれ大幅にして簡単、効率的、正確及び迅速に実施可能であり、例えば、螺子旋回成形中、切削工具の摩耗を補償し、螺子の全長に亘って螺子に対するより高い正確さを可能にするために、ワークピースの処理中、次の調整を連続的に可能とすることも考えられる。
【0023】
好ましくは、第2回転軸線は第1回転軸線に対して実質的に垂直に延びている。このことは第1回転軸線が1つの仮想面に正確に整合(aligned)されるという利点を有する。
【0024】
好ましくは、第1回転軸線及び第2回転軸線は共通の交点にて交差する。好ましくは、旋回ヘッドの1個以上の切削工具は切削の方向付けを有し、該方向付けは各工具のために、第1及び第2回転軸線の共通の交点に向けられている。このことは、スピンドルと螺子旋回成形装置との間の相対移動における軸線の移動方向が第2回転軸線回りの旋回ヘッドの方向付けに適合される必要が無いという付加的な利点を有する。
【0025】
更に好ましくは、螺子旋回成形装置はインタフェース手段を備え、このインタフェース手段は旋盤機械の制御装置に接続されるように構成されている。好ましくは、第2駆動手段は、接続済みのインタフェース手段を介して旋盤機械の制御装置により制御可能に構成されている。このことは、第2駆動手段の制御システムが数値制御型の旋盤機械の他の機能のように、第2制御装置により効率的に制御可能であるという利点を有する。この場合、旋盤機械の制御装置は特に、旋盤機械の数値コントローラ(NC)及び/又はプログラム可能な論理コントローラ(PLC)を備え、インタフェース手段は数値コントローラ及び/又は論理コントローラに接続されている。
【0026】
好ましくは、螺子旋回成形装置はインタフェース手段を更に備え、このインタフェース手段は電子制御装置に接続されるように構成され、好ましくは第2駆動手段は接続済みのインタフェース手段を介して電子制御装置によって制御されるように構成されている。
【0027】
好ましくは、螺子旋回成形装置は電子制御装置を更に備え、第2駆動手段は、電子制御装置によって制御されるように構成されている。この結果、別個に電子制御装置を備えることができる。このことは、本発明の螺子旋回成形装置が数値制御型の旋盤機械のために使用可能であることに加えて、機械的な旋盤機械や、又は、別個の制御装置を独立して制御可能な補助ユニットのインタフェース手段に接続する機能を有しない数値制御型の旋盤機械に使用可能となる利点を有する。好ましくは、螺子旋回成形装置の電子制御装置はインタフェース手段を備え、このインタフェース手段は旋盤機械の制御装置に接続されるように構成されている。旋盤機械の制御及び螺子旋回成形装置の制御は、制御装置が接続可能であるので、互いに好適に適合可能である。
【0028】
好ましくは、第2駆動手段は制御装置により制御されるように構成され、制御装置はユーザによる手動入力及び/又はCNCプログラムに含まれる制御指令に基づき、第2駆動手段を制御する。
【0029】
好ましくは、第2駆動手段は、第2回転軸線回りの旋回ヘッドの回転駆動のために、高精度の電気モータ、特に好ましくはサーボモータを備える。このことは、正確に調整可能な電気信号に基づいて第2駆動手段を駆動し、そして、旋回ヘッドの角度的な方向付けの調整を特に正確且つ効率的に実施するように好適に構成される。
【0030】
好ましくは、第2駆動手段はクランプ手段、特に自動制御可能なクランプ手段を備える。このクランプ手段は螺子旋回成形方法中、第2駆動手段によって方向付けられた第1回転軸線とスピンドル軸線との間の角度を固定するように構成されている。これは、旋回ヘッドにおける調整済みの傾斜角度の方向付けが実際の螺子旋回成形操作中、発生した切削力に起因して調整されるのを阻止するうえで固定することを好適に可能にする。
【0031】
好ましくは、第2駆動手段は角位置センサを備え、この角位置センサは第2回転軸線回りの回転に対する旋回ヘッドの方向付けの角位置を確証するように構成されている。好ましくは、角位置センサは第2駆動手段の調整のため、出力信号を送信するように構成され、この出力信号は第2駆動手段を制御する製造装置に確証された角位置を指示する。これは、旋回ヘッドの角度的方向付けが制御回路によりオープンループ方式で制御されるのみならず、閉じたループ方式でも制御可能であるので、大幅により正確な角度調整が好適に可能となる。
【0032】
好ましくは、第2駆動手段は、標準の方向付けから第1最大角の方向付けまで第2回転軸線回りの第1回転方向に旋回ヘッドを方向付け及び/又は標準の方向付けから第2最大角の方向付けまでの第2回転軸線回りの第1回転方向とは逆の第2回転方向に、特に好ましくは標準の方向付けに対しては+15°及び/又は−15°まで旋回ヘッドを方向付けするように構成されている。
【0033】
好ましくは、螺子旋回成形装置は、旋回ヘッドの標準の方向付けの状態で第1回転軸線が旋盤機械のスピンドル軸線と平行、特に同軸的に方向付けられるように旋盤機械に取付け可能である。
【0034】
好ましくは、第2駆動手段はギヤ機構を備える。このギヤ機構は好ましくは、ベベルギヤ機構、ウオームギヤ機構及び/又はスパーギヤ機構を含む。この構成に依存して、これは方向的な変換を可能にするギヤ機構の提供を可能にする。この結果、第2駆動手段が組み込まれたとき、自由度がより高くなり、コンパクトな要求により適合可能となる。
【0035】
本発明の第2の態様によれば、数値制御型の旋盤機械が提供され、この旋盤機械はワークピースを受け取り、そのスピンドル軸線回りにワークピースを回転駆動するワークスピンドルと、上述した第1の態様又は好適な実施形態の螺子旋回成形装置とを有する。好ましくは、旋盤機械は旋盤機械を数値制御する制御装置及び螺子旋回成形装置を備える。この場合、特に上述の利点が参照される、
【0036】
好ましくは、制御装置は、第2駆動手段を制御することにより、スピンドル軸線と第1回転軸線との間の角度を方向付けするように構成されている。この場合、以下に記載された方向付け又は調整が可能となることで特に利点となる。
【0037】
好ましくは、旋盤機械が構成されたとき、制御装置は第1回転軸線の方向付けを調整するために、第2駆動手段を制御することによりスピンドル軸と第1回転軸線との間の角度を提供された理想螺子プロファイルに基づいて方向付けするように構成されている。本実施形態は旋盤機械が構成されたとき、上述の利点とともに前記調整を自動化して実施可能とする。
【0038】
好ましくは、ワークピースが処理されたとき、切削工具の摩耗に起因して発生する螺子誤差を補償するため、制御装置は第2駆動手段を制御することにより、スピンドル軸線と第1回転軸線との間の角度を適合させるように構成されている。これは、手動では不可能であるμm範囲の切削工具の磨耗を補償可能とするので、正確さのレベルの更なる改善が大幅に達成できる利点を有する。特に、このような正確さの改善は医療技術にて使用される要素の螺子にとって大きな利点である。
【0039】
好ましくは、第1ワークピースに螺子を形成した後、同一の螺子プロファイル及び同一の螺子ピッチで第2ワークピースに螺子を形成する前に、制御装置は第1及び第2ワークピースの呼び径間の差に基づいて第2駆動手段を制御することにより、スピンドル軸線と第1回転軸線との間の角度を調整するように構成されている。
【0040】
好ましくは、第1ワークピースに螺子を形成した後、同一の呼び径を有する第2ワークピースに同一の螺子プロファイルを有する螺子を形成する前に、制御装置は第1及び第2ワークピースにおける螺子の螺子ピッチ間の差に基づいて第2駆動手段を制御することにより、スピンドル軸線と第1回転軸線との間の角度を調整するように構成されている。このことは、ワークピースの処理間での自動制御による傾斜角の調整がピッチにおける差の1つのパラメータのみに関して調整可能であるので、医療技術においても、その螺子プロファイル及び呼び径が同一であるものの、螺子ピッチが異なる螺子部分の通常のグループでも特に簡単且つ極端に正確、そして、高い時間効率でもって交互に製造できる利点を有する。
【発明の効果】
【0041】
要約すれば、本発明は、特に異なるワークピースが交互に処理されるとき、医療技術にて要求される高度な正確さを維持又はより改善した状態で、医療用ワークピースの螺子旋回成形を著しく効率的且つ簡単にできる旋盤機械のための螺子旋回成形装置及び該螺子旋回成形装置を有する旋盤機械を好適に提供可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の一実施形態に係る螺子旋回成形装置の概略斜視図である。
図2図1の螺子旋回成形装置の概略断面図である。
図3図1の螺子旋回成形装置の一部の概略断面図である。
図4A】旋回ヘッドの前面図である。
図4B】旋回ヘッドの断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る螺子旋回成形装置が取付けられた数値制御型の旋盤機械の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
添付図面を参照して本発明の好適な一実施形態を以下に説明する。しかしながら、本発明はその一実施形態に制約されるものではない。本発明は特許請求の範囲によって規定される。図面中、同一又は同様な一実施形態の特徴には同一の参照符号が付されている。
【0044】
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る螺子旋回成形装置1の概略図である。螺子旋回成形装置1はその保持構造の保持部10aを介して旋盤機械に取付け可能である。保持構造は、駆動ハウジング部10b及び旋回ヘッド保持部10cを更に含む。旋回ヘッド保持部10c上に旋回ヘッド12が保持され、この旋回ヘッド12は回転軸線F1回りに回転可能に支持され、に回転軸線F1の回りを高速で駆動されて、螺子を形成する切削運動を生起する。
【0045】
回転軸線F1は、螺子旋回成形装置1の前面側にて、旋回ヘッド12の丸い開口13を貫通して軸線方向に延び、螺子を成形するために旋盤機械のスピンドルと対向する。開口13の内縁には複数の切削工具12a〜12fが周方向に一様に配置されている。
【0046】
図2は、図1における螺子旋回成形装置1の断面を概略的に示す。旋回ヘッド12は中空の円錐部11を備え、この円錐部11の狭い方の端に前記開口13が配置されている。回転軸線の回りに旋回ヘッドを駆動するため、例えば欧州特許公開第1985397号公報(EP1985397 A2)に教示されているようなコンパクトなダイレクト駆動部14が本発明の第1駆動手段として備えられている。しかしながら、本発明は、第1駆動手段を実現するうえで、特に有利となるコンパクトなダイレクト駆動部に制約されるものではなく、他の好適な実施形態の場合、ギヤ機構を含む間接的な駆動部を介しても駆動可能である。
【0047】
駆動ハウジング部10b内には駆動スペース10dが備えられ、この駆動スペース10d内に第2駆動手段が備えられている。この第2駆動手段は、本発明での旋盤機械のスピンドルに対する旋回ヘッド12、即ち、回転軸線F1の傾斜角を自動的に調整可能とするために、第2回転軸線F2の回りに旋回ヘッド12を回転させるように構成されている。本実施形態において、例えば回転軸線F1,F2は直交して設けられ、更に共通の交点Pにて交差する。この交点は切削工具12a〜12fの配列面内にて開口13の中央に配置されている。切削工具12a〜12fの方向付けは回転軸線F1,F2の交点P、即ち、径方向内側に向けられている。このことは図3に最も良く示されている。図3図1の螺子旋回成形装置1における角度付きヘッド部分の他の概略断面図である。
【0048】
図4A及び図4Bのそれぞれは螺子の旋回成形の作動中、旋回ヘッドの一部である前面及び断面の概略図である。この場合、例えば3つの切削工具12a〜12cのみが備えられ、これらの1つのみ(この場合、切削工具12a)がワークピースWの切削を実施し、この際、ワークピースは切削工具間にて、回転軸線F1,F2が交差する軸方向点Pに対して僅かにオフセットして開口13内に挿入されている。
【0049】
切削運動を生起するため、に矢印RSはスピンドル軸線S回りの旋盤回転運動(旋盤機械の図示しないスピンドルによって駆動される)を明確に示し、矢印R1は旋回ヘッド12の回転運動を明確に示す。例えば、この場合、これらの回転方向は同一であるが、RS及びR1は互いに反対方向であってもよい。上述したように、切削運動は回転軸線F1回りの回転運動R1によって生起され、スピンドル軸線回りの回転運動RSは、ワークピースWがスピンドル軸線Sの方向に旋回ヘッド12に対して同時に移動されたとき、螺子を作り出す。この場合、スピンドル軸線の方向でのスピンドルと旋回ヘッド12との間の相対移動、特に相対的な送り速度が重要であるものの、スピンドルが保持されているか、そして、旋回ヘッド12、即ち、螺子旋回成形装置1が移動されているか、又は、スピンドル自体が移動されているかは重要ではない。
【0050】
図5は、数値制御型の旋盤機械100を概略的に示し、この旋盤機械は本発明における好適な一実施形態に係る螺子旋回成形装置1を備えている。旋盤機械100はワークスピンドル101を備え、このワークスピンドルはワークピースWを保持し、そのスピンドル軸線の回りにワークピースが回転するようにワークピースを駆動する。更にまた、旋盤機械100は制御装置102を備え、この制御装置は数値制御部102a(NC)及びプログラム可能な論理制御部(PLC)を有する。制御部102は接続部105aを介してスピンドル101を数値制御する。
【0051】
付け加えて、送り運動を生起するために、線形軸のスライド部材103が備えられ、線形軸はZ方向(例えば、スピンドル軸線と平行)に移動可能に支持されている。スライド部材10の送り運動は接続部105bを介して製造装置102によって制御される。螺子旋回成形装置1はスライド部材103に取付けられ、それ故、スピンドル101に対してスライド部材を介してスピンドル軸線の方向に移動可能である。代替又は付加的に、螺子旋回成形装置に対してスピンドルを移動させるスピンドル可動台を設けることも勿論可能である。
【0052】
旋回ヘッド12をより正確に説明にするため、螺子旋回成形装置は旋回ヘッド12に付け加えて、切削運動(即ち、高速、例えば毎分約1500〜3000回転)を生起するために第1回転軸線F1回りに旋回ヘッド12を駆動する第1駆動手段14(例えば、ダイレクト駆動部又はギヤ機構を含む間接的な駆動部を含む)と、旋回ヘッド12の傾斜角を調整するために第2回転軸線F2回りに旋回ヘッド12を回転させる第2駆動手段15とを含む。高速な駆動部14に対して、第2駆動手段はかなり低速回転なものとして構成され、好ましくは、正確に制御可能なサーボモータと、このサーボモータを調整するための位置センサ(例えば、増分センサ)とを含む。
【0053】
本実施形態によれば、螺子旋回成形装置1は、制御装置102により接続部2を介して制御可能インタフェース手段16と、インタフェース手段104と、接続部105cとを備え、これにより、螺子旋回成形装置1及び特に駆動手段14,15は旋盤機械100の制御装置102を介してオープンループで制御可能であるか、駆動手段15の場合には好ましくは、閉じたループでも制御可能である。これは、制御装置へのユーザによる手動入力及び/又は例えば、NCプログラムのような制御データにより実施可能である。
【0054】
結論として、本発明は、旋盤機械のための螺子旋回成形装置及び螺子旋回成形装置を備えた旋盤機械を好適に提供することができ、これら螺子旋回成形装置及び旋盤機械は、より効果的且つ簡単にして医療用ワークピースの螺子の成形を可能にするとともに、特に、異なるワークピースが交互に処理されるとき、医療技術にて要求される高度な正確さを維持又は改善することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5