(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、演出図柄表示装置104で複数の図柄の変動表示を行うパチンコ機1に適用している。
(遊技機の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、矩形状の枠本体2と、枠本体2の前側に開閉可能に配設された前枠3と、前枠3の前側上部に開閉可能に配設された前扉4と、前扉4の下方に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
【0011】
前枠4の前側には、遊技盤100(
図2参照)が配設さている。
前扉4は、前枠4に配設された遊技盤102の前側に対応する位置に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、を有している。
装飾部4bは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bの上部には、装飾部4bの内部に配設されたスピーカ(
図3参照)が出力する音声を通過させるための複数の音抜孔4cが設けられている。
【0012】
受皿ユニット5は、遊技球(貸し球、払出球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された入力ボタン(入力手段)5bと、を有している。
入力ボタン5bは、遊技者による回転操作及び押し込み操作が可能となるように構成されている。入力ボタン5bは、回転操作及び押し込み操作に応じて、操作信号を演出制御装置150(
図3参照)に出力する。
【0013】
(遊技盤面の構成)
まず、パチンコ機1における遊技盤100の遊技盤面102の構成を説明する。
図2は、パチンコ機における遊技盤面の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図2に示すように、遊技盤面102の略中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。
演出図柄表示装置104は、それぞれにおいて独立して演出図柄Z1,Z2(
図19参照)の変動表示及び停止表示を行うことが可能な4つの領域R1,R2,R3,R4(
図19参照)を有している。
【0014】
第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれでは、第1の演出図柄Z1の変動表示及び停止表示が行われる。第1の演出図柄Z1は、数字及び図柄を含んで構成されている。そして、第1の演出図柄Z1の変動表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、複数種類の第1の演出図柄Z1をスクロールさせた状態で表示することをいう。また、第1の演出図柄Z1の停止表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、演出図柄Z1を停止させた状態で表示することをいう。
第4の領域R4では、第2の演出図柄Z2の変動表示及び停止表示が行われる。第2の演出図柄Z2は、カラーバーから構成されている。そして、第2の演出図柄Z2の変動表示とは、カラーバーが表す色を順次変化させた状態の表示をいう。また、第2の演出図柄Z2の停止表示とは、カラーバーが所定の色を表している状態の表示をいう。
【0015】
そして、演出図柄表示装置104では、第1から第4の領域R1,R2,R3,R4で停止表示された演出図柄Z1,Z2の組み合わせによって、当たり抽選(特賞抽選)の結果を表示する。
演出図柄表示装置104の左側には、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機1内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。
【0016】
演出図柄表示装置104の下方には、始動入賞装置111が設けられている。始動入賞装置111は、第一始動入賞口111aと、第一始動入賞口111aの下側に設けられた第二始動入賞口111bとを有している。第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。第二始動入賞口111bは、入賞確率を変更することが可能な電動役物(いわゆる電動チューリップ)である。第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄による抽選に当選した場合に、所定パターンで開放状態となって遊技球が入賞可能な状態となる。
第一始動入賞口111aに入賞した遊技球は、第一始動入賞口スイッチ131a(
図3参照)により検出され、当たり抽選の契機を与える。また、第二始動入賞口111bに入賞した遊技球は、第二始動入賞口スイッチ131b(
図3参照)により検出され、当たり抽選の契機を与える。
【0017】
始動入賞装置111の右側には、2つの特別図柄表示装置107a,107bが設けられている。各特別図柄表示装置107a,107bは、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。各特別図柄表示装置107a,107bは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置107a,107bは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を表示する。特別図柄表示装置107aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を表示する。また、特別図柄表示装置107bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を表示する。ここで、各特別図柄表示装置107a,107bにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態(当たり)」という。特賞状態とは、賞球を払い出す等、遊技者に対して所定の遊技価値を付与する有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置107a,107bにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1,Z2の表示とは、互いに対応付けられている。
【0018】
特別図柄表示装置107a,107bの右側には、普通図柄表示装置106が設けられている。普通図柄表示装置106は、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成されている。普通図柄表示装置106は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置106は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を表示する。
【0019】
特別図柄表示装置107a,107bの上側には、遊技状態表示装置109が設けられている。遊技状態表示装置109は、LED等によって構成されている。遊技状態表示部109には、連続して特別図柄及び演出図柄Z1,Z2の変動表示を行うことが可能な回数(いわゆる、保留数)、特賞状態のラウンド数、時短状態の生起等が表示される。
始動入賞装置111の下方には、大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球が入賞可能な状態となる。
【0020】
大入賞口115に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ132(
図3参照)により検出され、賞球を払い出す契機を与える。
大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
演出図柄表示装置104の上方には、電動役物130が配設されている。電動役物130には、モータ(図示せず)及びランプ(図示せず)が配設されている。そして、電動役物130は、作動状態となった際、モータにより所定パターンで揺動するとともに、ランプにより所定パターンで発光する。
遊技盤面102においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
【0021】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図3は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、第一始動入賞口スイッチ131aと、第二始動入賞口スイッチ131bと、大入賞口スイッチ132と、各種入賞口スイッチ133と、を備えている。
【0022】
第一始動入賞口スイッチ131aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に送信する。第二始動入賞口スイッチ131bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に送信する。大入賞口スイッチ132は、大入賞口115への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に送信する。各種入賞口スイッチ133は、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置210に送信する。
【0023】
また、パチンコ機1は、制御部として、主制御装置210と、演出制御装置150と、表示制御装置151と、ランプ制御装置152と、効果音制御装置153と、役物制御装置157と、を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置210及び演出制御装置150は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置210から演出制御装置150への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
【0024】
主制御装置210は、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数値を取得(抽選)する。そして、主制御装置210は、取得した各種乱数値に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置210は、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、遊技状態表示装置109、賞球払出制御装置156、大入賞口ソレノイド158等を直接制御(ポート出力制御)する。
主制御装置210は、CPU220と、ROM230と、RAM240と、入力ポート250と、出力ポート255とを備える。
【0025】
入力ポート250は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、大入賞口スイッチ132及び各種入賞口スイッチ133のそれぞれから出力された検出信号をCPU220に出力する。
出力ポート255は、演出制御装置150、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、遊技状態表示装置109、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド158のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート255は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ500に出力する。
【0026】
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、演出制御装置150を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、状態指定コマンド、変動時間指定コマンド、図柄停止指定コマンド、演出開始指定コマンド等がある。
【0027】
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM240は、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報を記憶する領域が設けられている。ここで、始動情報とは、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報(例えば、当たり決定乱数値、当たり種別決定乱数値、変動時間決定乱数値等)をいう。
【0028】
また、主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。
演出制御装置150は、主制御装置210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
演出制御装置150のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置150のRAMには、主制御装置210から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。
【0029】
演出制御装置150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御装置151、ランプ制御装置152及び効果音制御装置153、役物制御装置157それぞれを制御する。
演出制御装置150は、主制御装置210から受信した制御コマンドに基づいて、実行する演出を決定する。そして、演出制御装置150は、決定した演出に応じた演出制御コマンドを生成して、生成した演出制御コマンドを送信することによって、表示制御装置151、ランプ制御装置152、効果音制御装置153及び役物制御装置157それぞれを制御する。
【0030】
表示制御装置151は、CPU、ROM、RAM、画像処理用VDP(Video Display Processor)、入力ポート及び出力ポートを備えている。
表示制御装置151のROMには、演出表示を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御装置151のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
【0031】
表示制御装置151のCPUは、演出制御装置150から演出制御コマンド(以下、表示制御コマンドとする)を受信することに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該表示制御コマンドが指定する画像データをROMから読み出して、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力指示にしたがって、出力ポートを介して演出図柄表示装置104に画像データを出力する。
ランプ制御装置152は、ランプ154の点灯、点滅等を制御する。ランプ制御装置152は、演出制御装置150から演出制御コマンドを受信することに応じて、該演出制御コマンドが指示するランプ演出に対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいてランプ154の点灯、点滅、消灯等を行う。
【0032】
効果音制御装置153は、スピーカ155からの効果音の出力を制御する。効果音制御装置153は、演出制御装置150から演出制御コマンドを受信することに応じて、該演出制御コマンドが指示する効果音演出に対応する音響データをROMから読み出してスピーカ155に出力する。
役物制御装置157は、電動役物130の作動を制御する。役物制御装置157は、演出制御装置150から演出制御コマンドを受信することに応じて、該役物制御コマンドが指示する電動役物130の作動パターンに対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいて電動役物130を作動させる。
【0033】
(当たり抽選について)
次に、当たり抽選について説明する。
図4は、当たりの種別を示す図である。
図4に示すように、パチンコ機1では、当たり(特賞状態)の種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」及び「小当たり」の4つが規定されている。
【0034】
「通常大当たり」に当選した場合には、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を「通常当たり図柄」で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を「通常当たり図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において「通常当たり図柄」を停止表示させる場合、例えば、第1から第3の領域R1,R2,R3において、「2,2,2」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで第1の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域において、「青色」で第2の演出図柄Z2を停止表示させる。
【0035】
また、「通常大当たり」に当選した場合には、当たり時におけるラウンド数が15回となり、当たり後の100回の抽選において時短状態となる。さらに、「通常大当たり」に当選した場合には、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
ここで、低確率状態とは、当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる遊技状態をいう。また、確率変動状態とは、当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる遊技状態をいう。また、時短状態とは、特別図柄及び演出図柄Z1,Z2の変動時間が短縮する遊技状態をいう。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)になるとともに、第二始動入賞口111bの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。
【0036】
「確変1大当たり」に当選した場合には、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を「確変1図柄」で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を「確変1図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において「確変1図柄」を停止表示させる場合、例えば、第1から第3の領域R1,R2,R3において、「1,1,1」等の奇数の同一の数字が揃う組み合わせで第1の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域において、「青色」で第2の演出図柄Z2を停止表示させる。
【0037】
また、「確変1大当たり」に当選した場合には、当たり時におけるラウンド数が15回となり、当たり後において時短状態となる。さらに、「確変1大当たり」に当選した場合には、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
「確変2大当たり」に当選した場合には、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を「確変2図柄」で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を「確変2図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において「確変2図柄」を停止表示させる場合、例えば、第1から第3の領域R1,R2,R3において、「1,3、5」等の規則性のある不揃いの組み合わせで第1の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域において、「青色」で第2の演出図柄Z2を停止表示させる。
【0038】
また、「確変2大当たり」に当選した場合には、当たり時におけるラウンド数が2回となり、1回のラウンドの期間(大入賞口115の開放時間)が「通常大当たり」と比較して短く(数ms程度)設定される。「確変2大当たり」に当選した場合には、当たり後において時短状態とはならずに、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
「小当たり」に当選した場合には、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を「小当たり図柄」で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を「小当たり図柄」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において「小当たり図柄」を停止表示させる場合、例えば、第1から第3の領域R1,R2,R3において、「1,3、5」等の規則性のある不揃いの組み合わせで第1の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域において、「赤色」で第2の演出図柄Z2を停止表示させる。
【0039】
また、「小当たり」に当選した場合には、当たり時におけるラウンド数が2回となり、1回のラウンドの期間が「通常大当たり」と比較して短く(数ms程度)設定される。「小当たり」に当選した場合には、当たり後において時短状態とはならずに、当たり終了後の遊技状態が、当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
ここで、各ラウンドにおける大入賞口115の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)が経過するか、所定数(例えば10個等)の遊技球が入賞するまで継続する。また、当たり時における大入賞口115の開放動作は、特賞状態の種別に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。
【0040】
さらに、「はずれ」の場合には、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を「はずれ図柄」で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2を「はずれ」で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において「はずれ図柄」を停止表示させる場合、例えば、第1から第3の領域R1,R2,R3において、「1,1、2」等の規則性のない不揃いの組み合わせで第1の演出図柄Z1を停止表示させるとともに、第4の領域において、「青色」で第2の演出図柄Z2を停止表示させる。
【0041】
(制御コマンドについて)
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドにつて説明する。
図5は、主制御装置から演出制御装置に出力される制御コマンドの構成を示す図である。
図5に示すように、制御コマンドは、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)とから構成されている。
【0042】
主制御装置210は、制御コマンドを送信する際に、ストローブ信号(DUSTB)を演出制御装置150に送信する。そして、主制御装置210は、ストローブ信号の1つ目の立ち上がりを契機として、モードデータを送信し、次いで、ストローブ信号の2つ目の立ち上がりを契機として、イベントデータを送信する。そして、演出制御装置150は、ストローブ信号の受信に応じて割込処理を発生させ、該割込処理によって制御コマンドをRAMに格納する。
【0043】
図4に示すように、主制御装置210が送信する制御コマンドとして、状態指定コマンド、変動時間指定コマンド、図柄停止指定コマンド、演出開始指定コマンド等がある。
状態指定コマンドは、当たり抽選の結果(当たりの場合は当たり種別)を指定するコマンドである。具体的には、状態指定コマンドは、当たり抽選の結果として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」のうちいずれかを指定する。
【0044】
変動時間指定コマンドは、演出図柄Z1,Z2の変動表示の時間(変動時間)を指定するコマンドである。本実施形態では、変動時間として、n種類(n=68)の変動時間(例えば、2[s]、30[s]、120[s]等)が設定されている。そして、変動時間指定コマンドは、n種類の変動時間のうちいずれかの変動時間を指定する。
状態指定コマンド及び変動時間指定コマンドは、演出図柄Z1,Z2の変動表示の開始時に送信される。この際、まず、状態指定コマンドが送信されて、その後、変動時間指定コマンドが送信される。ここで、演出図柄Z1,Z2の変動表示の開始時は、特別図柄の変動表示の開始時と略一致している。
【0045】
図柄停止指定コマンドは、演出図柄Z1,Z2の停止表示を指定するためのコマンドである。図柄停止指定コマンドは、演出図柄Z1,Z2の停止表示時に送信される。ここで、演出図柄Z1,Z2の停止表示時は、特別図柄の停止表示時と略一致している。
演出開始指定コマンドは、当たり(通常大当たり、確変1大当たり)時の演出開始を指定するためのコマンドである。演出開始指定コマンドは、当たり開始時に出力される。
【0046】
(遊技制御処理)
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図6のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
図6は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
【0047】
ステップS100では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という)、当たり種別決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【0048】
次いで、ステップS102に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、変動時間決定乱数等)を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップS104に移行する。
ステップS104では、入力ポート250を介して、各スイッチ131a,131b,132,133からの検出信号を入力する入力処理を実行し、ステップS106に移行する。
ステップS106では、始動情報を更新する始動情報更新処理を実行し、ステップS108に移行する。
【0049】
始動情報更新処理では、ステップS104の入力処理の処理結果に基づいて、始動入賞口スイッチ131a,131bから検出信号を入力したか否かを判定する。そして、始動入賞口スイッチ131a,131bから検出信号を入力したと判定した場合には、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶更新処理を実行する。
ここで、本実施形態では、RAM240の始動情報記憶領域において、始動情報を4つまで記憶可能に設定されている。
【0050】
始動情報の記憶更新処理では、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定する。そして、始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合には、当たり決定乱数値、当たり種別決定乱数値、変動時間決定乱数値等を対応の乱数カウンタから取得(抽選)し、取得した各乱数値(始動情報)を、RAM240の始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する。
【0051】
一方、始動情報の記憶数(以下、始動情報記憶数とする)が「4」以上であると判定した場合には、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS108では、当たり判定処理を実行し、ステップS110に移行する。
ステップS110では、大入賞口115を所定パターンで開放させる当たり処理を実行し、ステップS112に移行する。
当たり処理では、大入賞口115を所定パターンで開放させるように、制御信号を大入賞口ソレノイド158に対して送信する。
【0052】
また、当たり処理では、当たり(通常大当たり、確変1大当たり)時の演出開始を指定
する演出開始指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して演出開始指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
ステップS112では、賞球払出制御装置156に対して賞球の払い出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
【0053】
ステップS114では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ500に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
ステップS116では、出力ポート255を介して、RAM240に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ポート出力処理では、制御コマンドが、演出制御装置150に対して出力される。この際、演出制御装置150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、その後、モードデータ及びイベントデータからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド158、遊技状態表示装置109等へも制御信号が出力される。
【0054】
次に、ステップS108の当たり判定処理を説明する。
図7は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
当たり判定処理では、ステップS108において実行されると、
図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1,Z2が変動中か否かを判定し、演出図柄Z1,Z2が変動中でないと判定した場合(No)は、ステップS202に移行する。一方、演出図柄Z1,Z2が変動中であると判定した場合(Yes)は、ステップS214に移行する。
【0055】
ステップS202では、始動情報記憶数が「1」以上であるか否かを判定し、始動情報記憶数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS204に移行する。一方、始動情報記憶数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS204では、RAM240の始動情報記憶領域から当たり決定乱数値を読み出し、ステップS206に移行する。
【0056】
ステップS206では、ステップS204で読み出した当たり決定乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定し、読み出した当たり決定乱数値が当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS208に移行する。一方、ステップS204で読み出した当たり決定乱数値が当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS212に移行する。
ここで、ROM230には、当たり決定乱数値と当たり値との対応を登録した当たり決定テーブルが格納されている。そして、当たり決定テーブルに基づいて、読み出した当たり決定乱数値が当たり値と一致しているか否かを判定する。これにより、「当たり」、「はずれ」の別が決定される。
【0057】
さらに、「はずれ」であることが決定された場合には、「はずれ」に対応する状態指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して状態指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
ステップS208では、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行し、ステップS210に移行する。
ここで、ROM230には、当たり種別決定乱数値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、当たり種別決定処理では、始動情報の当たり種別決定乱数値を読み出し、該当たり種別決定乱数値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。
【0058】
さらに、読み出した当たり種別番号に対応する状態指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して状態指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
ステップS210では、演出図柄Z1,Z2の変動時間を決定する当たり時変動時間決定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、ROM230には、当たり種別、現在の始動情報記憶数、現在の遊技状態等の組み合わせごとに設定された当たり時用変動時間決定テーブルが格納されている。各当たり時用変動時間決定テーブルには、変動時間決定乱数値と変動時間番号との対応が登録されている。
【0059】
そして、当たり時変動時間決定処理では、まず、ステップS210で決定された当たり種別番号、現在の始動情報記憶数、現在の遊技状態に対応する当たり時用変動時間決定テーブルを読み出す。そして、始動情報の変動時間決定乱数値を読み出し、該変動時間決定乱数値に対応する変動時間番号を当たり時用変動時間決定テーブルから読み出す。これにより、演出図柄Z1,Z2の変動時間が決定される。
さらに、読み出した変動時間番号に対応する変動時間指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動時間指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0060】
一方、ステップS212では、演出図柄Z1,Z2の変動時間を決定するはずれ時変動時間決定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、ROM230には、現在の始動情報記憶数、現在の遊技状態等の組み合わせごとに設定されたはずれ時用変動時間決定テーブルが格納されている。各はずれ時用変動時間決定テーブルには、変動時間決定乱数値と変動時間番号との対応が登録されている。
【0061】
そして、はずれ時変動時間決定処理では、まず、現在の始動情報記憶数、現在の遊技状態に対応するはずれ時用変動時間決定テーブルを読み出す。そして、始動情報の変動時間決定乱数値を読み出し、該変動時間決定乱数値に対応する変動時間番号をはずれ時用変動時間決定テーブルから読み出す。これにより、演出図柄Z1,Z2の変動時間が決定される。
さらに、読み出した変動時間番号に対応する変動時間指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動時間指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0062】
一方、ステップS214では、演出図柄Z1,Z2の変動時間が経過したか否かを判定し、変動時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS216に移行する。一方、演出図柄Z1,Z2の変動時間が経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、変動時間とは、ステップS210,S212で決定された変動時間である。
ステップS216では、図柄停止指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
これにより、ステップS116のポート出力処理では、出力ポート255を介して図柄停止指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0063】
(演出制御処理)
次に、演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図8のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
【0064】
図8は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図8に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、状態指定コマンドを受信する状態指定コマンド受信処理を実行し、ステップS302に移行する。
ステップS302では、変動時間指定コマンドを受信する変動時間指定コマンド受信処理を実行し、ステップS304に移行する。
【0065】
ステップS304では、図柄停止指定コマンドを受信する図柄停止指定コマンド受信処理を実行し、ステップS306に移行する。
図柄停止指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄停止指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置150は、図柄停止指定コマンドを受信したと判定した場合には、演出図柄Z1,Z2の停止表示を指示する表示制御コマンド(以下、図柄停止指定表示制御コマンドとする)を、表示制御装置151に送信する。
【0066】
そして、表示制御装置151は、図柄停止指定表示制御コマンド受信すると、演出図柄表示装置104において、演出図柄Z1,Z2の停止表示を行う。この際、表示制御装置151は、後述する停止図柄指定表示制御コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Z1,Z2の停止表示を行う。
ステップS306では、演出開始指定コマンドを受信する演出開始指定コマンド受信処理を実行し、ステップS308に移行する。
【0067】
演出開始指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から演出開始指定コマンドを受信したか否かを判定する。そして、演出制御装置150は、演出開始指定コマンドを受信したと判定した場合には、実行する当たり演出表示を決定する。そして、演出制御装置150は、決定した当たり演出表示に対応する表示制御コマンドを、表示制御装置151に送信する。
【0068】
そして、表示制御装置151は、表示指定表示制御コマンド受信すると、演出図柄表示装置104において、該表示指定表示制御コマンドが指定する当たり演出表示を開始する。
ステップS308では、演出設定画面を表示するための演出設定画面表示処理を実行し、ステップS310に移行する。
ステップS310では、演出設定を行うための演出設定処理を実行し、ステップS312に移行する。
ステップS312では、演出設定を初期化するための演出設定クリア処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0069】
次に、ステップS300の状態指定コマンド受信処理を説明する。
図9は、状態指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。
状態指定コマンド受信処理は、ステップS300において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、状態指定コマンドを受信したか否かを判定し、状態指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS402に移行する。一方、状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS402では、状態指定フラグを設定する状態指定フラグ設定処理を実行し、ステップS404に移行する。
【0070】
ここで、演出制御装置150のRAMには、当たり抽選の結果(当たりの場合には当たり種別)に応じた状態指定フラグを設定する領域が設けられている。
そして、状態指定フラグ設定処理では、演出制御装置150は、受信した状態指定コマンドが指定する抽選結果(「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」のうちいずれか)に対応する状態指定フラグをRAMの所定領域に設定する。なお、設定された状態指定フラグは、新たに状態指定フラグが設定されるまで維持される。
【0071】
ステップS404では、停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定する停止図柄決定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、演出制御装置150のROMには、当たり抽選の結果(「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」)ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、後述する停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。
【0072】
そして、停止図柄決定処理では、演出制御装置150は、まず、停止図柄決定乱数値を対応の乱数カウンタから取得する。
また、演出制御装置150は、ステップS402の状態指定フラグ設定処理で設定した状態指定フラグが示す抽選結果に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。
そして、演出制御装置150は、読み出した停止図柄決定テーブルから、取得した停止図柄決定乱数値に対応する停止図柄番号を読み出す。
【0073】
さらに、演出制御装置150は、読み出した停止図柄番号に対応する表示制御コマンド(以下、停止図柄指定表示制御コマンドとする)を、表示制御装置151に送信する。
そして、表示制御装置151は、停止図柄指定表示制御コマンド受信すると、該停止図柄指定表示制御コマンドが指定する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを、停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせをとして設定する。
【0074】
次に、ステップS302の変動時間指定コマンド受信処理を説明する。
図10は、変動時間指定コマンド受信処理を示すフローチャートである。
変動時間指定コマンド受信処理は、ステップS302において実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、変動時間指定コマンドを受信したか否かを判定し、変動時間指定コマンドを受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS502に移行する。一方、変動時間指定コマンドを受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0075】
ステップS502では、演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行し、ステップS504に移行する。
演出制御装置150のROMには、当たり抽選の結果(「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」)と変動時間との組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。各変動パターン決定テーブルには、後述する変動パターン決定乱数値と変動パターン番号との対応が登録されている。
【0076】
ここで、演出制御装置150のROMには、初期状態の各変動パターン決定テーブルが格納されている。演出制御装置150のRAMには、各変動パターン決定テーブルを記憶することが可能な参照テーブル記憶領域を有している。そして、演出制御装置150は、パチンコ機1の電源投入時に、まず、初期状態の各変動パターン決定テーブルをROMから読み出して、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶する。RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている各変動パターン決定テーブルの設定は、後述するステップS310の演出設定処理によって変更される。そして、変動パターン決定処理では、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている各変動パターン決定テーブルに基づいて、演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定する。
【0077】
具体的には、変動パターン決定処理では、演出制御装置150は、まず、変動パターン決定乱数値を対応の乱数カウンタから取得する。
また、演出制御装置150は、ステップS402の状態指定フラグ設定処理で設定した状態指定フラグが示す抽選結果及び受信した変動時間指定コマンドが指定する変動時間の組み合わせに対応する変動パターン決定テーブルをRAMの参照テーブル記憶領域から読み出す。
【0078】
そして、演出制御装置150は、読み出した変動パターン決定テーブルから、取得した変動パターン決定乱数値に対応する変動パターン番号を読み出す。
さらに、演出制御装置150は、読み出した変動パターン番号に対応する表示制御コマンド(以下、変動パターン指定表示制御コマンドとする)を、表示制御装置151に送信する。
そして、表示制御装置151は、変動パターン指定表示制御コマンド受信すると、演出図柄表示装置104において、該変動パターン指定表示制御コマンドが指定する変動パターンによる演出図柄Z1,Z2の変動表示を開始する。
【0079】
本実施形態では、変動時間指定コマンドが、リーチ演出を実行することを示す変動時間(以下、リーチ変動時間)を指定する場合、リーチ演出に係る変動パターン決定テーブルに基づいて、リーチ演出に係る変動パターン(変動パターン番号)が決定される。
リーチ演出に係る変動パターンとは、演出図柄Z1がリーチ状態を形成するとともに、リーチ演出画像が表示される変動パターンをいう。ここで、リーチ状態とは、複数の表示領域R1,R2,R3のうち二以上の表示領域において、特賞状態を生起させる組み合わせに含まれる演出図柄Z1(本実施形態では、同一種類の演出図柄Z1)を仮停止表示させるとともに、表示領域R4において、演出図柄Z2を変動表示させる状態をいう。なお、リーチ演出では、リーチ状態を形成する演出図柄Z1,Z2を縮小表示するとともに、リーチ演出画像を表示しても構わない。
【0080】
本実施形態では、リーチ演出に係る変動パターン決定テーブルにおいて、リーチ演出A、リーチ演出B、リーチ演出C及びリーチ演出Dが登録されている。そして、変動時間指定コマンドがリーチ変動時間を指定する場合、リーチ演出に係る変動パターン決定テーブルに基づいて、リーチ演出A、リーチ演出B、リーチ演出C及びリーチ演出Dのうちいずれか一のリーチ演出が決定される。リーチ演出A、リーチ演出B、リーチ演出C及びリーチ演出Dは、変動時間(演出時間)が互いに同一に形成されている。これにより、後述するリーチA,B,C,Dについて実行状況の変更を行うにあたって、演出時間の調整が不要となり、制御負担の増加を抑制することが可能となる。また、リーチ演出A、リーチ演出B、リーチ演出C及びリーチ演出Dのそれぞれには、期待値が設定されている。期待値とは、当該演出が実行された場合に当たり(特賞状態)となる確率の高さを示す値である。
【0081】
ステップS504では、予告演出を表示するか否かを決定する予告演出決定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
予告演出とは、演出図柄Z1,Z2の変動表示に対応して行われる、当該変動表示に係る当たり抽選の結果を予告する演出である。予告演出は、複数の予告演出カテゴリに分類されている。
本実施形態では、予告演出カテゴリとして、予告演出カテゴリA、予告演出カテゴリB、予告演出カテゴリC及び予告演出カテゴリDが設定されている。予告演出カテゴリA、予告演出カテゴリB、予告演出カテゴリC及び予告演出カテゴリDのそれぞれには、期待度が設定されている。期待値とは、当該演出が実行された場合に当たり(特賞状態)となる確率の高さを示す値である。
【0082】
演出制御装置150のROMには、当たり抽選の結果(「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」)、変動パターン等の組み合わせごとに設定された予告演出実行抽選テーブルが格納されている。各予告演出実行抽選テーブルには、予告演出決定乱数値と予告演出抽選の当たり値との対応が登録されている。
予告演出決定処理では、演出制御装置150は、まず、予告演出を実行するか否かを決定するための予告演出決定乱数値を対応の乱数カウンタから取得する。
【0083】
また、演出制御装置150は、ステップS402の状態指定フラグ設定処理で設定した状態指定フラグが示す抽選結果とステップS502の変動パターン決定処理で決定した変動パターンとの組み合わせに対応する予告演出実行抽選テーブルを読み出す。
そして、演出制御装置150は、読み出した予告演出実行抽選テーブル及び予告演出決定乱数値に基づいて予告演出を実行するか否かを判定する。
また、演出制御装置150は、予告演出を実行すると判定した場合には、予告演出カテゴリを決定する。
演出制御装置150のROMには、当たり抽選の結果(「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」)と変動パターンとの組み合わせごとに設定された予告演出カテゴリ決定テーブルが格納されている。各予告演出カテゴリ決定テーブルには、予告演出決定乱数値と予告演出カテゴリとの対応が登録されている。
【0084】
ここで、演出制御装置150のROMには、初期状態の各予告演出カテゴリ決定テーブルが格納されている。演出制御装置150のRAMには、各予告演出カテゴリ決定テーブルを記憶することが可能な参照テーブル記憶領域を有している。そして、演出制御装置150は、パチンコ機1の電源投入時に、まず、初期状態の各予告演出カテゴリ決定テーブルをROMから読み出して、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶する。RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている各予告演出カテゴリ決定テーブルの設定は、後述するステップS310の演出設定処理によって変更される。そして、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている各予告演出カテゴリ決定テーブルに基づいて、予告演出カテゴリを決定する。
【0085】
具体的には、演出制御装置150は、ステップS402の状態指定フラグ設定処理で設定した状態指定フラグが示す抽選結果及びステップS502の変動パターン決定処理で決定した変動パターンの組み合わせに対応する予告演出カテゴリ決定テーブルをRAMの参照テーブル記憶領域から読み出す。
そして、演出制御装置150は、読み出した予告演出カテゴリ決定テーブル及び予告演出決定乱数値に基づいて、予告演出カテゴリを決定する。
【0086】
また、演出制御装置150は、予告演出カテゴリを決定した後、当該予告演出カテゴリに属する予告演出のうちから、実行する予告演出を決定する。
さらに、演出制御装置150は、決定した予告演出に対応する表示制御コマンド(以下、予告演出指定表示制御コマンドとする)を、表示制御装置151に送信する。
そして、表示制御装置151は、予告演出指定表示制御コマンド受信すると、演出図柄表示装置104において、該予告演出指定表示制御コマンドが指定する予告演出を開始する。
【0087】
次に、ステップS308の演出設定画面表示処理を説明する。
図11は、演出設定変更許可処理を示すフローチャートである。
図12は、メニュー画面の一例を示す図である。
図13は、予告設定画面の一例を示す図である。
図14は、リーチ設定画面の一例を示す図である。
演出設定変更許可処理は、ステップS308において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、演出設定画面の表示条件を満たしている否かを判定し、表示条件を満たしていると判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行する。一方、表示条件を満たしていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0088】
本実施形態では、演出制御装置150は、客待ち状態である場合に、演出設定画面の表示条件を満たすものと判定する。客待ち状態は、演出図柄Z1,Z2の変動表示が行われていない状態が所定時間(例えば、30[s])継続したときに開始し、新たに演出図柄Z1,Z2の変動表示が開始されるまで継続する(ただし、特賞状態を除く)。
なお、演出制御装置150は、入力ボタン5bが所定時間(例えば、3[s])継続して押し込まれる操作(いわゆる、長押し)が行われた場合に、演出設定画面の表示条件を満たすものと判定してもよい。
演出設定画面とは、演出の設定を行うための画面である。本実施形態では、演出設定画面として、後述するメニュー画面G1、予告設定画面G2、リーチ設定画面G3を有している。
【0089】
ステップS602では、メニュー画面G1を表示するメニュー画面表示処理を実行し、ステップS604に移行する。
以下、演出設定画面表示処理では、演出制御装置150は、入力ボタン5bの操作等に応じた表示制御コマンドを、表示制御装置151に送信する。そして、表示制御装置151は、演出図柄表示装置104において、表示制御コマンドに応じた表示を実行する。
メニュー画面表示処理では、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において、メニュー画面G1を表示する。
【0090】
図12に示すように、メニュー画面G1では、予告選択画面G2に移行するための選択対象表示物H1と、リーチ設定画面G3に移行するための選択対象表示物H2と、設定を確定するための選択対象表示物H3と、が表示される。また、メニュー画面G1では、いずれかの選択対象表示物H1,H2,H3を選択するための選択表示物C1が表示される。さらに、メニュー画面G1では、入力ボタン5bの操作方法を示す操作方法画像C2が表示される。
【0091】
メニュー画面G1では、入力ボタン5bが回転操作されること応じて、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H1,H2,H3を選択することが可能となっている。
図12では、選択表示物C1により選択対象表示物H1が選択されている状態を示している。
ステップS604では、予告設定が決定されたか否かを判定し、予告設定が決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS606に移行する。一方、予告設定が決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS618に移行する。
【0092】
演出制御装置150は、メニュー画面G1において選択表示物C1により選択対象表示物H1が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、予告設定が決定されたと判定する。
ステップS606では、予告設定画面G2を表示する予告設定画面表示処理を実行し、ステップS608に移行する。
予告設定画面表示処理では、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において、予告設定画面G2を表示する。
【0093】
図13に示すように、予告設定画面G2では、予告演出カテゴリAを設定するための選択対象表示物H4と、予告演出カテゴリBを設定するための選択対象表示物H5と、予告演出カテゴリCを設定するための選択対象表示物H6と、予告演出カテゴリDを設定するための選択対象表示物H7と、メニュー画面G1に移行するための選択対象表示物H8と、が表示される。また、予告設定画面G2では、選択対象表示物H4,H5,H6,H7,H8を選択するための選択表示物C1が表示される。さらに、予告設定画面G2では、入力ボタン5bの操作方法を示す操作方法画像C2が表示される。
【0094】
また、予告設定画面G2では、各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値の設定を示す期待値メータ画像Mが表示される。各期待値メータ画像Mでは、9個の枠のうち点灯されている枠の個数によって、期待値の設定を示している。
予告設定画面G2では、入力ボタン5bが回転操作されること応じて、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H4,H5,H6,H7,H8を選択することが可能となっている。
図13では、選択表示物C1により選択対象表示物H5が選択されている状態を示している。
【0095】
ステップS608では、いずれかの予告演出カテゴリA,B,C,Dが決定されたか否かを判定し、いずれかの予告演出カテゴリA,B,C,Dが決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS610に移行する。一方、いずれかの予告演出カテゴリA,B,C,Dが決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS616に移行する。
演出制御装置150は、予告設定画面G2において、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H4,H5,H6,H7が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、当該選択対象表示物H4,H5,H6,H7に係る予告演出カテゴリA,B,C,Dが決定されたと判定する。
【0096】
ステップS610では、ステップS608で決定された予告演出カテゴリA,B,C,Dについて期待値を設定する期待値設定処理を実行し、ステップS612に移行する。
期待値設定処理では、演出制御装置150は、ステップS608で決定された予告演出カテゴリA,B,C,Dについて、期待値を設定することが可能な期待値設定可能状態とする。
期待値設定可能状態では、演出制御制装置150は、入力ボタン5bが回転操作されることに応じて、当該予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値メータ画像Mが示す期待値を増減する。
【0097】
また、期待値設定可能状態では、演出制御装置150は、期待値メータ画像Mが示す期待値が変更されることに対応して、変更後の期待値を当該予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値としてRAMの期待値記憶領域に記憶する。
本実施形態では、各予告演出カテゴリA,B,C,Dについて、設定することが可能な期待値が予め定められている。例えば、
図13に示すように、予告演出カテゴリAの期待値は、100%、72%、60%、48%、35%、25%、18%、10%、5%及び0%のうちいずれかの値に設定することが可能となっている。また、予告演出カテゴリCの期待値は、100%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%及び0%のうちいずれかの値に設定することが可能となっている。
【0098】
本実施形態では、各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値は、上限値と下限値の間において、複数段階で設定することが可能となっている。そして、各段階の変化(増減)に応じて変化(増減)する期待値の範囲が予め設定されている。すなわち、各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値メータ画像Mでは、複数の枠が設定されている。そして、期待値メータ画像Mの1つの枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が予め設定されている。
【0099】
この際、各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値メータ画像Mにおいて、各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、複数の枠で互いに異なるように設定しても構わない。また、各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値メータ画像Mにおいて、各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、複数の枠で互いに同一となるように設定しても構わない。
【0100】
また、期待値メータMの各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、予告演出カテゴリA,B,C,Dで互いに異なるように設定しても構わない。
さらに、各予告演出カテゴリA,B,C,Dについて、設定することが可能な期待値の上限及び下限のうち少なくとも一方を限定する構成としても構わない。例えば、予告演出カテゴリAの期待値は、100%から60%の間において設定することが可能とする。一方、予告演出カテゴリBの期待値は、40%から0%の間において設定することが可能とする。一方、予告演出カテゴリCの期待値は、20%から5%の間において設定することが可能とする。
【0101】
ここで、本実施形態では、初期状態で期待値が高く設定されている予告演出カテゴリについては、期待値メータMにおいて、複数の枠のうち高い期待値に対応する枠が、低い期待値に対応する枠と比較して、当該枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が狭く設定されている。これによって、初期状態で期待値が高く設定されている予告演出カテゴリについては、設定可能な期待値の範囲のうち、高い期待値に対応する部分について、期待値の設定を細かく行うことが可能となる。
【0102】
一方、初期状態で期待値が低く設定されている予告演出カテゴリについては、期待値メータMにおいて、複数の枠のうち低い期待値に対応する枠が、高い期待値に対応する枠と比較して、当該枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が狭く設定されている。これによって、初期状態で期待値が低く設定されている予告演出カテゴリについては、設定可能な期待値の範囲のうち、低い期待値に対応する部分について、期待値の設定を細かく行うことが可能となる。
【0103】
具体的には、初期状態の予告演出カテゴリ決定テーブルにおいて、予告演出カテゴリBの期待値は、予告演出カテゴリAの期待値より高く設定されている。そして、
図13に示すように、予告演出カテゴリBの期待値メータMでは、期待値78%以上に対応する3つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、上の枠から順に、6%、6%、10%に設定されている。また、予告演出カテゴリBの期待値メータMでは、期待値45%以下に対応する3つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、下の枠から順に、19%、17%、13%に設定されている。一方、予告演出カテゴリAの期待値メータMでは、期待値25%以下に対応する4つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、下の枠から順に、5%、5%、8%、7%に設定されている。また、予告演出カテゴリAの期待値メータMでは、期待値35%以上に対応する4つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、上の枠から順に、28%、12%、12%、13%に設定されている。
【0104】
ここで、全ての予告演出カテゴリA,B,C,Dについて、期待値が100%に設定された場合には、「はずれ」時に実行される予告演出カテゴリが存在しない状態となる。そこで、本実施形態では、一の予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値が設定されることに応じて、他の予告演出カテゴリA,B,C,Dについて設定することが可能な期待値の範囲が限定される(期待値メータMにより設定することが可能な期待値の範囲が限定される)ようになっている。
【0105】
ここで、予告演出カテゴリとして、予告演出カテゴリA,B,C,Dの他に、予告設定画面で期待値を設定することができない予告演出カテゴリEを設定しておいても構わない。そして、予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値の設定に応じて、予告演出カテゴリEの期待値を設定する。これにより、全ての予告演出カテゴリA,B,C,Dについて、期待値が100%に設定された場合には、「はずれ」時には予告演出カテゴリEが実行される。
【0106】
ステップS612では、当該予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値の設定が完了したか否かを判定し、期待値の設定が完了したと判定した場合(Yes)は、ステップS614に移行する。一方、期待値の設定が完了していないと判定した場合(No)は、ステップS610に移行する。
演出制御装置150は、期待値設定可能状態において、再度、入力ボタン5bが押し込み操作された場合に、当該予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値の設定が完了したと判定する。
【0107】
ステップS614では、当該予告演出カテゴリA,B,C,Dについての期待値設定可能状態を解除する解除処理を実行し、ステップS616に移行する。
期待値設定可能状態が解除されることによって、入力ボタン5bが回転操作されること応じて、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H4,H5,H6,H7,H8を選択することが可能となる。
【0108】
ステップS616では、戻るが決定されたか否かを判定し、戻るが決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行する。一方、戻るが決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS608に移行する。
演出制御装置150は、予告設定画面G2において選択表示物C1により選択対象表示物H8が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、戻るが決定されたと判定する。
【0109】
一方、ステップS618では、リーチ設定が決定されたか否かを判定し、リーチ設定が決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS620に移行する。一方、リーチ設定が決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS632に移行する。
演出制御装置150は、メニュー画面G1において、選択表示物C1により選択対象表示物H2が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、リーチ設定が決定されたと判定する。
ステップS620では、リーチ設定画面G3を表示するリーチ設定画面表示処理を実行し、ステップS622に移行する。
リーチ設定画面表示処理では、演出制御装置150は、演出図柄表示装置104において、リーチ設定画面G3を表示する。
【0110】
図14に示すように、リーチ設定画面G3では、リーチ演出Aを設定するための選択対象表示物H9と、リーチ演出Bを設定するための選択対象表示物H10と、リーチ演出Cを設定するための選択対象表示物H11と、リーチ演出Dを設定するための選択対象表示物H12と、メニュー画面G1に移行するための選択対象表示物H13と、が表示される。また、リーチ設定画面G3では、選択対象表示物H9,H10,H11,H12,H13を選択するための選択表示物C1が表示される。さらに、リーチ設定画面G3では、入力ボタン5bの操作方法を示す操作方法画像C2が表示される。
【0111】
また、リーチ設定画面G3では、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値の設定を示す期待値メータ画像Mが表示される。各期待値メータ画像Mでは、9個の枠のうち塗り潰されている枠の個数によって、期待値の設定を示している。
リーチ設定画面G3では、入力ボタン5bが回転操作されること応じて、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H9,H10,H11,H12,H13を選択することが可能となっている。
図14では、選択表示物C1により選択対象表示物H10が選択されている状態を示している。
【0112】
ステップS622では、いずれかのリーチ演出A,B,C,Dが決定されたか否かを判定し、いずれかのリーチ演出A,B,C,Dが決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS624に移行する。一方、いずれかのリーチ演出A,B,C,Dが決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS630に移行する。
演出制御装置150は、リーチ設定画面G3において、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H9,H10,H11,H12が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、当該選択対象表示物H9,H10,H11,H12に係るリーチ演出A,B,C,Dが決定されたと判定する。
【0113】
ステップS624では、ステップS622で決定されたリーチ演出A,B,C,Dについて期待値を設定する期待値設定処理を実行し、ステップS626に移行する。
期待値設定処理では、演出制御装置150は、ステップS624で決定されたリーチ演出A,B,C,Dについて、期待値を設定することが可能な期待値設定可能状態とする。
期待値設定可能状態では、演出制御制装置150は、入力ボタン5bが回転操作されることに応じて、当該リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値メータ画像Mが示す期待値を増減する。
【0114】
また、期待値設定可能状態では、演出制御装置150は、期待値メータ画像Mが示す期待値が変更されることに対応して、変更後の期待値を当該リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値としてRAMの期待値記憶領域に記憶する。
本実施形態では、各リーチ演出A,B,C,Dについて、設定することが可能な期待値が予め定められている。例えば、
図14に示すように、リーチ演出Aの期待値は、100%、72%、60%、48%、35%、25%、18%、10%、5%及び0%のうちいずれかの値に設定することが可能となっている。また、リーチ演出Cの期待値は、100%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%及び0%のうちいずれかの値に設定することが可能となっている。
【0115】
本実施形態では、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値は、上限値と下限値の間において、複数段階で設定することが可能となっている。そして、各段階の変化(増減)に応じて変化(増減)する期待値の範囲が予め設定されている。すなわち、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値メータ画像Mでは、複数の枠が設定されている。そして、期待値メータ画像Mの1つの枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が予め設定されている。
【0116】
この際、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値メータ画像Mにおいて、各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、複数の枠で互いに異なるように設定しても構わない。また、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値メータ画像Mにおいて、各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、複数の枠で互いに同一となるように設定しても構わない。
【0117】
また、期待値メータMの各枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲を、リーチ演出A,B,C,Dで互いに異なるように設定しても構わない。
さらに、各リーチ演出A,B,C,Dについて、設定することが可能な期待値の上限及び下限のうち少なくとも一方を限定する構成としても構わない。例えば、リーチ演出Aの期待値は、100%から60%の間において設定することが可能とする。一方、リーチ演出Bの期待値は、40%から0%の間において設定することが可能とする。一方、リーチ演出Cの期待値は、20%から5%の間において設定することが可能とする。
【0118】
ここで、本実施形態では、初期状態で期待値が高く設定されているリーチ演出については、期待値メータMにおいて、複数の枠のうち高い期待値に対応する枠が、低い期待値に対応する枠と比較して、当該枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が狭く設定されている。これによって、初期状態で期待値が高く設定されているリーチ演出については、設定可能な期待値の範囲のうち、高い期待値に対応する部分について、期待値の設定を細かく行うことが可能となる。
【0119】
一方、初期状態で期待値が低く設定されているリーチ演出については、期待値メータMにおいて、複数の枠のうち低い期待値に対応する枠が、高い期待値に対応する枠と比較して、当該枠の点灯又は消灯に応じて増減される期待値の範囲が狭く設定されている。これによって、初期状態で期待値が低く設定されているリーチ演出については、設定可能な期待値の範囲のうち、低い期待値に対応する部分について、期待値の設定を細かく行うことが可能となる。
【0120】
具体的には、初期状態の変動パターン決定テーブルにおいて、リーチ演出Bの期待値は、リーチ演出Aの期待値より高く設定されている。そして、
図14に示すように、リーチ演出Bの期待値メータMでは、期待値78%以上に対応する3つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、上の枠から順に、6%、6%、10%に設定されている。また、リーチ演出Bの期待値メータMでは、期待値45%以下に対応する3つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、下の枠から順に、19%、17%、13%に設定されている。一方、リーチ演出Aの期待値メータMでは、期待値25%以下に対応する4つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、下の枠から順に、5%、5%、8%、7%に設定されている。また、リーチ演出Aの期待値メータMでは、期待値35%以上に対応する4つの枠では、各枠に対応する期待値の範囲が、上の枠から順に、28%、12%、12%、13%に設定されている。
【0121】
ここで、全てのリーチ演出A,B,C,Dについて、期待値が100%に設定された場合には、「はずれ」時に実行されるリーチ演出が存在しない状態となる。そこで、本実施形態では、一のリーチ演出A,B,C,Dの期待値が設定されることに応じて、他のリーチ演出A,B,C,Dについて設定することが可能な期待値の範囲が限定される(期待値メータMにより設定することが可能な期待値の範囲が限定される)ようになっている。
【0122】
ここで、リーチ演出として、リーチ演出A,B,C,Dの他に、リーチ設定画面で期待値を設定することができないリーチ演出Eを設定しておいても構わない。そして、リーチ演出A,B,C,Dの期待値の設定に応じて、リーチ演出Eの期待値を設定する。これにより、全てのリーチ演出A,B,C,Dについて、期待値が100%に設定された場合には、「はずれ」時にはリーチ演出Eが実行される。
【0123】
ステップS626では、当該リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値の設定が完了したか否かを判定し、期待値の設定が完了したと判定した場合(Yes)は、ステップS628に移行する。一方、期待値の設定が完了していないと判定した場合(No)は、ステップS624に移行する。
演出制御装置150は、期待値設定可能状態において、再度、入力ボタン5bが押し込み操作された場合に、当該リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値の設定が完了したと判定する。
【0124】
ステップS628では、当該リーチ演出A,B,C,Dについての期待値設定可能状態を解除する解除処理を実行し、ステップS630に移行する。
期待値設定可能状態が解除されることによって、入力ボタン5bが回転操作されること応じて、選択表示物C1により、いずれかの選択対象表示物H9,H10,H11,H12,H13を選択することが可能となる。
【0125】
ステップS630では、戻るが決定されたか否かを判定し、戻るが決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行する。一方、戻るが決定されていないと判定した場合(No)は、ステップS622に移行する。
演出制御装置150は、リーチ設定画面G3において、選択表示物C1により選択対象表示物H13が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、戻るが決定されたと判定する。
【0126】
一方、ステップS632では、確定が決定されたか否かを判定し、確定が決定されたと判定した場合(Yes)は、ステップS634に移行する。一方、確定が決定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出制御装置150は、メニュー画面G1において、選択表示物C1により選択対象表示物H3が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、確定が決定されたと判定する。
【0127】
ステップS634では、入力確定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出制御装置150のRAMには、入力が完了したことを示す確定フラグを設定する領域が設けられている。
そして、入力確定処理では、演出制御装置150は、確定フラグをRAMの所定領域に設定する。
これによって、演出設定画面による演出の設定の変更の指示が完了する。
【0128】
次に、ステップS310の演出設定処理を説明する。
図15は、演出設定処理を示すフローチャートである。
演出設定処理は、ステップS310において実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS700に移行する。
ステップS700では、RAMの所定領域において確定フラグが設定されているか否かを判定し、確定フラグが設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS702に移行する。一方、確定フラグが設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0129】
ステップS702では、予告演出カテゴリA,B,C,D及びリーチ演出A,B,C,Dのうちいずれかに係る期待値の変更があるか否かを判定し、期待値の変更があると判定した場合(Yes)は、ステップS704に移行する。一方、期待値の変更がないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている予告演出カテゴリ決定テーブルに基づく各予告演出カテゴリA,B,C,Dの期待値と、RAMの期待値記憶領域に記憶されている各予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値とを比較して、いずれかの予告演出カテゴリA,B,C,Dに係る期待値の変更があるか否かを判定する。
【0130】
また、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている変動パターン決定テーブルに基づく各リーチ演出A,B,C,Dの期待値と、RAMの期待値記憶領域に記憶されている各リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値とを比較して、いずれかのリーチ演出A,B,C,Dに係る期待値の変更があるか否かを判定する。
ステップS704では、期待値の設定を変更する設定変更処理を実行し、ステップS706に移行する。
【0131】
設定変更処理では、演出制御装置150は、RAMの期待値記憶領域に記憶されている期待値に基づいて、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されている予告演出カテゴリ決定テーブル、変動パターン決定テーブルの設定を変更する。
予告演出カテゴリ決定テーブルの設定を変更する処理及び変動パターン決定テーブルの設定を変更する処理は、同様の処理である。したがって、以下、変動パターン決定テーブルの設定を変更する処理について説明し、予告演出カテゴリ決定テーブルの設定を変更する処理については説明を省略する。
すなわち、演出制御装置150は、RAMの期待値記憶領域に記憶されている各リーチ演出A,B,C,Dに係る期待値に基づいて、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されているリーチ演出に係る変動パターン決定テーブルの設定を変更する。
【0132】
具体的には、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶されているリーチ演出に係る変動パターン決定テーブルに設定されている各リーチ演出A,B,C,D(変動パターン番号)に対応する変動パターン決定乱数値を変更する。これによって、変動パターン決定処理(演出抽選)に基づいて、各リーチ演出A,B,C,Dが決定される確率が変更される。
この際、演出制御装置150は、「当たり」時に選択されるリーチ演出に係る変動パターン決定テーブル(以下、当たり時テーブルとする)及び「はずれ」時に選択されるリーチ演出に係る変動パターン決定テーブル(以下、はずれ時テーブルとする)の両方の設定を変更することによって、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値を変更する。
【0133】
以下、設定変更処理を、RAMの参照テーブル記憶領域に初期状態の当たり時テーブル及びはずれ時テーブルが記憶されている状態で、リーチ演出Aの期待値が25%に設定された場合を例にして説明する。
図16は、リーチ演出に係る変動パターン決定テーブルが選択される確率を示す図である。
図17は、初期状態のリーチ演出に係る変動パターン決定テーブルにおける変動パターン決定乱数値の設定状態を示す図である。
図16に示すように、本実施形態では、「はずれ」時に、変動時間としてリーチ変動時間が指定される確率(はずれ時テーブルが選択される確率)は、1/100となっている。一方、「当たり」時に、変動時間としてリーチ変動時間が指定される確率(当たり時テーブルが選択される確率)は、1/500となっている。
【0134】
図17に示すように、初期状態のはずれ時テーブルでは、リーチ演出Aに対応して5個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Bに対応して15個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Cに対応して30個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Dに対応して50個の変動パターン決定乱数値が設定されている。一方、初期状態の当たり時テーブルでは、リーチ演出Aに対応して50個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Bに対応して30個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Cに対応して15個の変動パターン決定乱数値が設定され、リーチ演出Dに対応して5個の変動パターン決定乱数値が設定されている。なお、各変動パターン決定テーブルにおいて登録されている変動パターン決定乱数値の総数は、100個(「0」から「99」まで)とする。また、変動パターンを決定する際に用いる乱数カウンタは、「0」から「99」までの値のうちいずれかの値をカウントする。
【0135】
まず、リーチ演出Aの期待値kを算出する方法について説明する。なお、以下に示す期待値kを算出する方法は、他の演出についても同様である。
リーチ演出Aの期待値kを算出するためには、演出図柄Z1,Z2の単位変動表示回数x(例えば、10000回)あたりにおける、リーチ演出Aが表示されて「はずれ」となる回数(以下、単位はずれ回数aとする)及びリーチAが表示されて「当たり」となる回数(以下、単位当たり回数bとする)を算出する。
【0136】
そして、リーチ演出Aの期待値kは、単位はずれ回数a及び単位当たり回数bに基づいて、下記式(1)によって算出される。
k(%)=b/(a+b)×100 ・・・(1)
上記方法に基づいて、初期状態のリーチ演出Aの期待値kを算出する。
また、はずれ時テーブル(「はずれ」時)においてリーチ演出Aが決定される確率(以下、はずれ時確率αとする)は、はずれ時テーブルにおけるリーチ演出Aに対応して設定されている変動パターン決定乱数値の数(以下、はずれ時個数pとする)及びはずれ時テーブルにおける変動パターン決定乱数値の総数(以下、はずれ時総数qとする)に基づいて、下記式(2)によって算出される。
α=p/q ・・・(2)
【0137】
また、当たり時テーブル(「当たり」時)においてリーチ演出Aが決定される確率(以下、当たり時確率βとする)は、当たり時テーブルにおけるリーチ演出Aに対応して設定されている変動パターン決定乱数値の数(以下、当たり時個数rとする)及び当たり時テーブルにおける変動パターン決定乱数値の総数(以下、当たり時総数sとする)に基づいて、下記式(3)によって算出される。
β=r/s ・・・(3)
図17より、リーチ演出Aについて、はずれ時個数p=50、当たり時個数p=5となっている。また、はずれ時総数q=当たり時総数s=100となっている。
したがって、初期状態のリーチ演出Aについて、はずれ時確率α=50/100、当たり時確率β=5/100となる。
【0138】
ここで、「はずれ」時において、1回の演出図柄Z1,Z2の変動表示あたりに、リーチ演出Aが決定される確率(以下、はずれ時出現率cとする)は、はずれ時テーブルが選択される確率yに基づいて、下記(4)式により算出される。
また、「当たり」時において、1回の演出図柄Z1,Z2の変動表示あたりに、リーチ演出Aが決定される確率(以下、当たり時出現率dとする)は、当たり時テーブルが選択される確率zに基づいて、下記(5)式により算出される。
c=α×y ・・・(4)
d=β×z ・・・(5)
【0139】
図16より、はずれ時テーブルが選択される確率yは、1/100、当たり時テーブルが選択される確率zは、1/500となっている。
したがって、初期状態のリーチ演出Aについて、はずれ時出現率c=1/200、当たり時出現率d=1/10000となる。
さらに、単位はずれ回数aは、単位変動表示回数xに基づいて、下記(6)式により算出される。また、単位当たり回数bは、単位変動表示回数xに基づいて、下記(7)式により算出される。
a=c×x ・・・(6)
b=d×x ・・・(7)
【0140】
したがって、単位変動表示回数x=10000とした場合、初期状態のリーチ演出Aについて、単位はずれ回数a=50、単位当たり回数b=1となる。
これを、上記式(1)に代入すると、初期状態のリーチ演出Aの期待値k=1.9607・・・となる。ここで、小数点第1位で四捨五入して、初期状態のリーチ演出Aの期待値k=2%とする。
【0141】
次に、リーチ演出Aの期待値kを、2%から25%に変更する。
上記式(1)に基づいて、期待値k=25、単位当たり回数b=1として、単位はずれ回数aの値を算出すると、単位はずれ回数a=3となる(単位変動表示回数x=10000とする)。
また、上記(6)式において、単位はずれ回数a=3、単位変動表示回数x=10000を代入すると、はずれ時出現率c=3/10000となる。また、上記(7)式に基づいて、単位当たり回数b=1、単位変動表示回数x=10000を代入すると、当たり時出現率d=1/10000となる。
【0142】
また、上記(4)式において、はずれ時出現率c=3/10000、はずれ時テーブルが選択される確率y=1/100を代入すると、はずれ時確率α=3/100となる。また、上記(5)式において、当たり時出現率d=1/10000、当たり時テーブルが選択される確率z=1/500を代入すると、当たり時確率β=5/100となる。
さらに、上記(2)式において、はずれ時確率α=3/100、はずれ時総数q=100を代入すると、はずれ時個数p=3となる。また、上記(3)式において、当たり時確率β=5/100、当たり時総数s=100を代入すると、当たり時個数r=5となる。
【0143】
すなわち、はずれ時テーブルにおいて、リーチ演出Aに対応して設定される変動パターン決定乱数値の数(はずれ時個数p)が、初期状態の30個から3個に変化する。
したがって、この変化した分の27個の変動パターン決定乱数値を、はずれ時テーブルにおける他のリーチ演出B,C,Dに振り分ける。
なお、当たり時テーブルにおいて、リーチ演出Aに対応して設定される変動パターン決定乱数値の数(当たり時個数r)は、5個のままとなる(b=1を代入したため)。
したがって、この変化した分の27個の変動パターン決定乱数値を、はずれ時テーブルにおける他のリーチ演出B,C,Dに振り分ける。
【0144】
この際、変更前(本実施形態では初期状態)のはずれ時テーブルにおいて、各リーチ演出B,C,Dに対応して設定されていた変動パターン決定乱数値の数(はずれ時個数p)に比例するように、変化した分の27個の変動パターン決定乱数値を、各リーチ演出B,C,Dに振り分ける。なお、変化した分の27個の変動パターン決定乱数値を、各リーチ演出B,C,Dに均等に振り分けても構わない。また、変化した分の27個の変動パターン決定乱数値を、リーチ演出B,C,Dのうちいずれか一のリーチ演出に振り分けても構わない。
【0145】
そして、変動パターン決定乱数値の振分が完了したはずれ時テーブルを、新たなはずれ時テーブルとして、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶する。
以上により、変動パターン決定テーブルの設定を変更する処理が完了する。
なお、リーチ演出Aに対応して設定される変動パターン決定乱数値の数(当たり時個数r)を変化させて期待値kを変更する場合には、当たり時テーブルにおいて、リーチ演出Aに対応して設定される変動パターン決定乱数値の数の変化した分を、他のリーチ演出B,C,Dに振り分ける。
【0146】
変更前(本実施形態では初期状態)の当たり時テーブルにおいて、各リーチ演出B,C,Dに対応して設定されていた変動パターン決定乱数値の数(当たり時個数p)に比例するように、変化した分の変動パターン決定乱数値を、各リーチ演出B,C,Dに振り分ける。なお、各リーチ演出B,C,Dに対応して設定されていた期待値kに比例するように、変化した分の変動パターン決定乱数値を、各リーチ演出B,C,Dに振り分けても構わない。また、変化した分の変動パターン決定乱数値を、各リーチ演出B,C,Dに均等に振り分けても構わない。さらに、変化した分の変動パターン決定乱数値を、リーチ演出B,C,Dのうちいずれか一のリーチ演出に振り分けても構わない。
【0147】
また、リーチ演出Aの期待値kが0%に設定された場合には、当たり時テーブルにおいて、リーチ演出Aに対応する変動パターン決定乱数値の数を0個とする。そして、変更前の当たり時テーブルにおいてリーチ演出Aに対応して設定されていた変動パターン決定乱数値を、他のリーチ演出B,C,Dに振り分ける。この際、変動パターン決定乱数値を振り分ける方法は、上述の通りである。
【0148】
また、リーチ演出Aの期待値kが100%に設定された場合には、はずれ時テーブルにおいて、リーチ演出Aに対応する変動パターン決定乱数値の数を0個とする。そして、変更前のはずれ時テーブルにおいてリーチ演出Aに対応して設定されていた変動パターン決定乱数値を、他のリーチ演出B,C,Dに振り分ける。この際、変動パターン決定乱数値を振り分ける方法は、上述の通りである。
【0149】
さらに、複数のリーチ演出A,B,C,Dについて期待値kの変更があった場合には、所定の順序で、各リーチ演出A,B,C,Dの期待値kの変更を行う。この際、先に変更が完了したリーチ演出(例えば、リーチ演出A)については、後のリーチ演出(リーチ演出B,C,D)の期待値kの変更に応じて設定が変更されることはない。
ステップS706では、RAMの所定領域に設定されている確定フラグを消去して、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0150】
次に、ステップS312の演出設定クリア処理を説明する。
図18は、演出設定クリア処理を示すフローチャートである。
演出設定クリア処理は、ステップS312において実行されると、
図18に示すように、まず、ステップS800に移行する。
ステップS800では、演出設定の初期化条件を満たしている否かを判定し、初期化条件を満たしていると判定した場合(Yes)は、ステップS802に移行する。一方、初期化条件を満たしていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0151】
本実施形態では、演出制御装置150は、入力ボタン5bが所定時間(例えば、3[s])継続して押し込まれる操作(いわゆる、長押し)が行われた場合に、演出設定の初期化条件を満たすものと判定する。
なお、演出制御装置150は、客待ち状態が開始した場合又は客待ち状態が所定時間(例えば、60[s])継続した場合に、演出設定の初期化条件を満たすものと判定してもよい。
【0152】
また、演出制御装置150は、客待ち状態が開始し、かつ、発射ハンドル6が操作されていない場合に、演出設定の初期化条件を満たすものと判定してもよい。
また、パチンコ機1において所定の初期化ボタンを設けても構わない。この場合、演出制御装置150は、初期化ボタンが押された場合に、演出設定の初期化条件を満たすものと判定する。
【0153】
また、メニュー画面G1において、初期化を指示するための選択対象表示物を設けても構わない。この場合、演出制御装置150は、選択表示物C1により、初期化を指示するための選択対象表示物が選択されている状態で、入力ボタン5bが押し込み操作されたことに応じて、演出設定の初期化条件を満たすものと判定する。
さらに、演出制御装置150は、ステップS632において確定が決定されたと判定された場合に、演出設定の初期化条件を満たすものと判定してもよい。
【0154】
ステップS802では、演出設定の初期化処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
初期化処理では、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域における各変動パターン決定テーブルの記憶を消去する。そして、ROMから初期状態の各変動パターン決定テーブルを読み出して、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶する。
また、演出制御装置150は、演出制御装置150は、RAMの参照テーブル記憶領域における各予告演出カテゴリ決定テーブルの記憶を消去する。そして、ROMから初期状態の各予告演出カテゴリ決定テーブルを読み出して、RAMの参照テーブル記憶領域に記憶する。
【0155】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
図19は、演出図柄表示装置における演出図柄の変動表示の一例を示す図である。
図20は、演出図柄表示装置における演出図柄の停止表示の一例を示す図である。
演出制御装置150は、変動時間指定コマンドを受信した場合、演出図柄Z1,Z2の変動パターンを決定する。
この際、演出制御装置150は、変動時間指定コマンドがリーチ変動時間を指定する場合、リーチ演出に係る変動パターン決定テーブルに基づいて、リーチ演出A,B,C,Dのうちいずれかのリーチ演出を決定する。
【0156】
そして、演出制御装置150は、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定表示制御コマンドを、表示制御装置151に送信する。
これによって、
図19に示すように、演出図柄表示装置104において、変動パターン指定表示制御コマンドが指示する変動パターンによる演出図柄Z1,Z2の変動表示が開始される。
【0157】
また、演出制御装置150は、状態指定コマンドを受信した場合、状態指定コマンドが指示する当たり抽選の結果に応じて、停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせを決定する。
そして、演出制御装置150は、決定した停止表示する演出図柄Z1,Z2の組み合わせに対応する停止図柄指定表示制御コマンドを、表示制御装置151に送信する。
【0158】
さらに、演出制御装置150は、図柄停止指定コマンドを受信した場合、演出図柄Z1,Z2の停止表示を指示する図柄停止指定表示制御コマンドを、表示制御装置151に送信する。
これによって、
図20に示すように、演出図柄表示装置104において、停止図柄指定表示制御コマンドが指示する組み合わせによる演出図柄Z1,Z2の停止表示が行われる。
特に、演出制御装置150は、客待ち状態である場合に、演出設定画面を表示する。
【0159】
そして、遊技者は、演出設定画面において、入力ボタン5bを操作することによって、リーチ演出及び予告演出カテゴリそれぞれの実行状況(期待値)の変更に係る指示を入力することができる。
さらに、演出制御装置150は、入力ボタン5bにより入力された演出(リーチ演出、予告演出カテゴリ)の実行状況の変更に係る指示に応じて、当該演出の実行状況を変更する。
したがって、パチンコ機1によれば、演出の出現状況を遊技者の希望に沿うように変化させることができ、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0160】
この際、演出制御装置150は、入力ボタン5bにより実行状況の変更に係る指示が入力された演出について、演出抽選(変動パターンの決定処理)に用いるテーブル(変動パターン決定テーブル)に設定されている各演出(リーチ演出A,B,C,D)に対応する乱数値(変動パターン決定乱数値)を変更する。すなわち、演出抽選に基づいて、変更に係る指示が入力された演出が決定される確率を変更する。
したがって、パチンコ機1によれば、より適切に、演出の出現状況を遊技者の希望に沿うように変化させることが可能となる。
【0161】
また、テーブルの設定を変更することにより、予め多くのテーブルを用意する必要がなくなり、データ容量の増加を抑制しつつ、演出の出現状況を遊技者の希望に沿うように変化させることが可能となる。
さらに、演出制御装置150は、入力ボタン5bにより実行状況の変更に係る指示が入力された演出について、当該演出の期待値を変更する。
これにより、さらに、遊技の興趣を向上することが可能となる。
【0162】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、設定の変更を行うことができる演出が、リーチ演出及び予告演出カテゴリとなっている。しかしながら、設定の変更を行うことができる演出は、効果音による演出、役物による演出(電動役物130等)、他の表示による演出等、適宜、変更することが可能である。
【0163】
また、上記実施形態においては、演出設定画面において、リーチ演出及び予告演出カテゴリの期待値を設定することが可能に構成されている。しかしながら、演出設定画面において、各演出の出現率を設定することが可能に構成しても構わない。すなわち、実行状況の変更として、出現率を変更する構成としても構わない。
また、上記実施形態においては、演出制御装置150は、入力ボタン5bにより実行状況の変更に係る指示が入力された演出について、演出抽選に用いるテーブルに設定されている各演出に対応する乱数値を変更する。しかしながら、演出設定画面において実行情況を変更することが可能な組み合わせのそれぞれに対応するテーブルを予め用意しておいても構わない。
【0164】
さらに、上記実施形態では、パチンコ機1の演出設定画面において、リーチ演出A,B,C,D及び予告演出カテゴリA,B,C,D,E,F,G,Hのそれぞれの期待値を設定するように構成されている。しかしながら、パチンコ機1の演出設定画面において、遊技者が予め取得した演出設定用のパスワードを入力することによって、リーチ演出A,B,C,D及び予告演出カテゴリA,B,C,D,E,F,G,Hのそれぞれの期待値を設定する構成としても構わない。具体的には、遊技者は、予め、携帯通信端末により所定のサーバーコンピュータにアクセスして、演出の態様を設定するとともに、設定された演出の態様に対応するパスワードを取得する。そして、遊技者は、取得したパスワードをパチンコ機1に入力することによって、演出の態様を、予め設定した内容に変更する。
また、上記実施形態においては、本発明をパチンコ機1に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他のアミューズメントゲーム機等の遊技機にも適用可能である。