(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態の具体例の説明に入る前に、本発明の実施の形態の基本例を実施の形態1として説明する。
【0026】
〔実施の形態1〕
図1に枚葉輪転印刷機の概略的な構成を示す。同図において、9−1〜9−4は各色の印刷ユニットであり、この各色の印刷ユニット9−1〜9−4内に
図32に示したインキ供給装置が各個に設けられている。この例において、印刷機は、一般の4色刷りとされ、4つの印刷ユニット9を備えている。
【0027】
10はカラーカメラであり、
図2にその設置位置の要部を拡大して示すように、印刷ユニット9−1〜9−4によって印刷された印刷物の搬送経路の途中に設けられ、排紙部へ送られようとする印刷物の絵柄を背後から撮像する。このカラーカメラ10は、印刷物に印刷された絵柄の品質を検査する印刷品質検査装置のカメラとして設けられているが、この例では各色間の見当誤差量を検出するカメラとしても利用する。
【0028】
この印刷機では、各色の印刷ユニット9において、インキツボキー4−1〜4−nとインキツボローラ3との間よりインキツボ1内のインキ2をインキツボローラ3に供給し、このインキツボローラ3に供給されたインキをインキ移しローラ5の呼び出し動作によりインキローラ群6を介して刷版8へ供給する。この刷版8に供給されたインキが図示されていないゴム胴を介して印刷用紙に印刷される。この印刷された印刷用紙(印刷物)の余白部には見当測定用のマークが印刷される。この実施の形態1では、最も単純な例として、印刷物の余白部に見当測定用のマークが1つだけ印刷されるものとする。
図3Aに実施の形態1で用いる見当測定用のマークMPを示す。
【0029】
この見当測定用のマークMPは、第1のレジスタマーク群S1と第2のレジスタマーク群S2とから構成されている。第1のレジスタマーク群S1は、基準色を含む各色のレジスタマークP4〜P7からなる。第2のレジスタマーク群S2は、各色のレジスタマークP6〜P7と同数の基準色のレジスタマークP0〜P3からなる。
【0030】
第1のレジスタマーク群S1において、各色のレジスタマークP4〜P7は、印刷物の天地方向(Y方向)を配列方向とし、この配列方向(Y方向)に一列に予め定められた間隔aで印刷される。この例では、P4が「スミ」(基準色)のレジスタマーク、P5が「アイ」のレジスタマーク、P6が「アカ」のレジスタマーク、P7が「キ」のレジスタマークとされている。
【0031】
第2のレジスタマーク群S2において、レジスタマークP0〜P3は全て「スミ」(基準色)のレジスタマークとされ、第1のレジスタマーク群S1の配列方向(天地方向(Y方向))と直交する方向(左右方向(X方向))に予め定められた距離bだけ平行にずらした位置に、第1のレジスタマーク群S1の配列方向(天地方向(Y方向))と同方向に一列にレジスタマークP4〜P7の間隔aと同じ間隔で印刷される。レジスタマークP0〜P7は、その形状が正方形とされ、全て同じ大きさとされている。
【0032】
この実施の形態1における見当誤差量検出装置の要部の機能ブロック図を
図4に示す。この見当誤差量検出装置100は、
図1に示したカラーカメラ(印刷品質検査装置のカメラ)10から転送されてくる撮像画像を読み込む撮像画像読込部101と、撮像画像読込部101が読み込んだ撮像画像における見当測定用のマークMPを構成するレジスタマークP0〜P7の位置に基づいて印刷物に印刷された絵柄の各色間の見当誤差量を求める見当誤差量検出部102とを備えている。見当誤差量検出部102は、天地方向(Y方向)
の各色間の見当誤差量を求める第1の見当誤差量検出部102−1と、左右方向(X方向)の各色間の見当誤差量を求める第2の見当誤差量検出部102−2とを備えている。
【0033】
この見当誤差量検出装置100の概略的な動作について
図5に示すフローチャートを用いて説明する。この見当誤差量検出装置100において、撮像画像読込部101は、カラーカメラ(印刷品質検査装置のカメラ)10から転送されてくる撮像画像を読み込む(ステップS101)。このカラーカメラ10からの撮像画像には印刷物の余白部に印刷された見当測定用のマークMPも含まれている。
【0034】
撮像画像読込部101は、この読み込んだ撮像画像から見当測定用のマークMPの周辺のRGB値を取得し(ステップS102)、この取得した見当測定用のマークMPの周辺のRGB値を見当誤差量検出部102に送る。
【0035】
見当誤差量検出部102は、撮像画像読込部101から送られてきた見当測定用のマークMPの周辺のRGB値から、テンプレートマッチングおよびサブピクセル推定(例えば、非特許文献1参照)などの手法で、見当測定用のマークMPにおけるレジスタマークP0〜P7の位置を算出する(ステップS103)。そして、この算出した見当測定用のマークMPにおけるレジスタマークP0〜P7の位置から、レジスタマークP0〜P7のマーク間距離を算出する(ステップS104)。
【0036】
この場合、見当誤差量検出部102は、
図6に示すように、第1のレジスタマーク群S1の基準色のレジスタマークP4とその他の色のレジスタマークP5,P6,P7との間のマーク間距離P4−P5、P4−P6、P4−P7をY方向(天地方向(配列方向))の測定対象のマーク間距離として求め、第2のレジスタマーク群S2の基準色のレジスタマークP0とP1,P2,P3との間の距離P0−P1、P0−P2、P0−P3をY方向(天地方向(配列方向))の基準のマーク間距離として求める。
【0037】
また、見当誤差量検出部102は、
図7に示すように、第2のレジスタマーク群S2の基準色のレジスタマークP0と第1のレジスタマーク群S1の基準色のレジスタマークP4との間のマーク間距離P0−P4をX方向(左右方向(配列方向と直交する方向))の基準のマーク間距離として求め、第2のレジスタマーク群S2の基準色のレジスタマークP1,P2,P3と第1のレジスタマーク群S1の他の色のレジスタマークP5,P6,P7との間のマーク間距離P1−P5、P2−P6、P3−P7をX方向(左右方向(配列方向と直交する方向))の測定対象のマーク間距離として求める(
図7参照)。
【0038】
そして、見当誤差量検出部102は、この求めたX方向およびY方向の測定対象のマーク間距離と基準のマーク間距離とから、「スミ」を基準とするその他の色のX方向およびY方向の見当誤差量(各色間の見当誤差量)を求める(ステップS105)。
【0039】
ここで、見当誤差量検出部102は、「スミ」を基準とする「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のY方向の見当誤差量Δy1,Δy2,Δy3を第1の見当誤差量検出部102−1で求め、「スミ」を基準とする「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のX方向の見当誤差量Δx1,Δx2,Δx3を第2の見当誤差量検出部102−2で求める。
【0040】
この場合、第1の見当誤差量検出部102−1は、
図8に示すように、測定対象のマーク間距離P4−P5と基準のマーク間距離P0−P1との差として、「スミ」を基準とする「アイ」のY方向の見当誤差量Δy1(Δy1=「P4−P5」−「P0−P1」)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P6と基準のマーク間距離P0−P2との差として、「スミ」を基準とする「アカ」のY方向の見当誤差量Δy2(Δy2=「P4−P6」−「P0−P2」)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P7と基準のマーク間距離P0−P3との差として、「スミ」を基準とする「キ」のY方向の見当誤差量Δy3(Δy3=「P4−P7」−「P0−P3」)を求める(
図10参照)。
【0041】
また、第2の見当誤差量検出部102−2は、
図9に示すように、測定対象のマーク間距離P1−P5と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アイ」のX方向の見当誤差量Δx1(Δx1=「P1−P5」−「P0−P4」)を求め、測定対象のマーク間距離P2−P6と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アカ」のX方向の見当誤差量Δx2(Δx2=「P2−P6」−「P0−P4」)を求め、測定対象のマーク間距離P3−P7と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「キ」のX方向の見当誤差量Δx3(Δx3=「P3−P7」−「P0−P4」)を求める(
図10参照)。
【0042】
この見当誤差量検出装置100では、カラーカメラ10として印刷品質検査装置のカメラを用いており、比較的解像度が低い。このため、レンズの色収差が大きく、見当測定用のマークMPを捉えた画像データでは、見当測定用のマークMPを構成する全てのレジスタマークP0〜P7の各辺がぼやける。
【0043】
このため、「アイ」,「アカ」,「キ」の各色のX方向の見当誤差量Δx1,Δx2,Δx3を求める場合、基準のマーク間距離P0−P4も測定対象のマーク間距離P1−P5,P2−P6,P3−P7と同様、レジスタマークの各辺がぼやけた状態で求められる。また、「アイ」,「アカ」,「キ」の各色のY方向の見当誤差量Δy1,Δy2,Δy3を求める場合、基準のマーク間距離P0−P1、P0−P2、P0−P3も測定対象のマーク間距離P4−P5,P4−P6,P4−P7と同様、レジスタマークの各辺がぼやけた状態で求められる。この場合、測定対象のマーク間距離に発生する誤差と同様の誤差が基準のマーク間距離にも発生し、互いの誤差を打ち消し合うことになることから、両者を比較する際の誤差量が小さくなる。これにより、X方向、Y方向ともに、各色間の見当誤差量を精度よく検出することができるようになる。
【0044】
なお、この実施の形態1において、X方向およびY方向の各色間の見当誤差量を求める場合、基準の色に対するその他の色の見当誤差量をその色と補色の関係にある画像データ(RGBの画像データ)を用いて求めるものとする。すなわち、「スミ」のレジスタマークに対する「アイ」のレジスタマークの位置の誤差量を求める場合には、Rの画像データの「スミ」 のレジスタマークに対する「シアン」のレジスタマークのズレ量を求める。また、「スミ」のレジスタマークに対する「アカ」のレジスタマークの位置の誤差量を求める場合には、Gの画像データの「スミ」 のレジスタマークに対する「アカ」のレジスタマークのズレ量を求める。また、「スミ」のレジスタマークに対する「キ」のレジスタマークの位置の誤差量を求める場合には、Bの画像データの「スミ」 のレジスタマークに対する「キ」のレジスタマークのズレ量を求める。
【0045】
また、この実施の形態1では、見当測定用のマークMPを構成するレジスタマークP0〜P7の形状を正方形としたが、長方形としたり(
図11,12参照)、ひし形としたり(
図13参照)、円形(
図14参照)としたりしてもよい。なお、
図11においては、レジスタマークP0〜P7の形状を天地方向(Y方向)に長い縦長の長方形とし、
図12においては、レジスタマークP0〜P7の形状を左右方向(X方向)に長い横長の長方形としている。
【0046】
また、この実施の形態1では、第1のレジスタマーク群S1におけるレジスタマークP4〜P7および第2のレジスタマーク群S2におけるレジスタマークP0〜P3の配列方向(Y方向)の間隔を一定値aとしたが、例えば
図3Bに示すように、レジスタマークP4(P0)とP5(P1)との間隔をc(c>a)、レジスタマークP5(P1)とP7(P3)との間隔をd(d>c)とするなど、配列方向(Y方向)の間隔を変えるようにしてもよい。
【0047】
また、この実施の形態1では、見当測定用のマークMPにおける第1のレジスタマーク群S1および第2のレジスタマーク群S2の配列方向(レジスタマークP0〜P3、P4〜P7の配列方向)を天地方向(Y方向)としたが、
図15に示すように、左右方向(X方向)としてもよい。また、第2のレジスタマーク群S2における各色のレジスタマークP4〜P7の配列の順序も、この例に限られるものでないことは言うまでもない。これらの点については、後述する実施の形態2,3でも同じである。
【0048】
実施の形態1(基本例)では、1つの見当測定用のマークMPから各色間の見当誤差量を求めるものとしたが、実際には複数の見当測定用のマークMPから各色間の見当誤差量を求めるようにする。また、各色間の見当誤差量は、天地方向や左右方向だけではなく、ヒネリ方向についても求める。また、求めた各色間の見当誤差量に基づいて、各色の印刷ユニット内の版胴の回転位相や左右方向の位置などを調整する。以下、本発明の実施の形態の具体例1を実施の形態2とし、具体例2を実施の形態3として説明する。
【0049】
〔実施の形態2〕
図16に、本発明の実施の形態2に係る装置として、複数の見当測定用のマークMPから各色間の見当誤差量を求め、この求めた各色間の見当誤差量に基づいて、各色の印刷ユニット内の版胴の回転位相や左右方向の位置などを調整するインライン自動版見当制御装置の要部の機能ブロック図を示す。
【0050】
なお、この実施の形態2では、見当測定用のマークMPを2つとし、
図17に示すように、印刷物11の左側(操作側)の余白部に第1の見当測定用のマークMP1を、右側(原動側)の余白部に第2の見当測定用のマークMP2を印刷するものとする。この見当測定用のマークMP1,MP2の構成は、
図3Aに示した見当測定用のマークMPの構成と同じであるので、その説明は省略する。
【0051】
このインライン自動版見当制御装置200は、
図1に示したカラーカメラ(印刷品質検査装置のカメラ)10から転送されてくる撮像画像を読み込む撮像画像読込部201と、撮像画像読込部201が読み込んだ撮像画像における見当測定用のマークMP1,MP2を構成するレジスタマークP0〜P7の位置に基づいて印刷物11に印刷された絵柄の各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)を求める見当誤差量検出部202と、見当誤差量検出部202が求めた各色間の見当誤差量を表示する見当誤差量表示部203と、見当誤差量検出部202が求めた各色間の見当誤差量に基づいて各色の印刷ユニット9における版胴の回転位相や左右方向の位置、印刷用紙を搬送する渡し胴(図示せず)のヒネリ方向の位置を調整する見当誤差量調整部204とを備えている。
【0052】
このインライン自動版見当制御装置200の概略的な動作について
図18に示すフローチャートを用いて説明する。このインライン自動版見当制御装置200において、撮像画像読込部201は、カラーカメラ(印刷品質検査装置のカメラ)10から転送されてくる撮像画像を読み込む(ステップS201)。このカラーカメラ10からの撮像画像には印刷物11の余白部に印刷された見当測定用のマークMP1,MP2も含まれている。
【0053】
撮像画像読込部201は、この読み込んだ撮像画像から見当測定用のマークMP1,MP2の周辺のRGB値を取得し(ステップS202)、この取得した見当測定用のマークMP1,MP2の周辺のRGB値を見当誤差量検出部202に送る。
【0054】
見当誤差量検出部202は、撮像画像読込部201から送られてきた見当測定用のマークMP1,MP2の周辺のRGB値から、前述したテンプレートマッチングおよびサブピクセル推定などの手法で、見当測定用のマークMP1,MP2におけるレジスタマークP0〜P7の位置を算出する(ステップS203)。
【0055】
そして、見当誤差量検出部202は、この算出した見当測定用のマークMP1,MP2におけるレジスタマークP0〜P7の位置から、見当測定用のマークMP1,MP2のそれぞれについて、実施の形態1と同様にして、
図10に示した組み合わせのマーク間距離(基準のマーク間距離/測定対象のマーク間距離)を算出する(ステップS204)。
【0056】
そして、見当誤差量検出部202は、見当測定用のマークMP1,MP2のそれぞれについて、その求めたマーク間距離(基準のマーク間距離/測定対象のマーク間距離)から、実施の形態1と同様にして、「スミ」を基準とする「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のX方向の見当誤差量Δx1,Δx2,Δx3およびY方向の見当誤差量Δy1,Δy2,Δy3を求める(ステップS205)。
【0057】
そして、見当誤差量検出部202は、見当測定用のマークMP1から求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のX方向およびY方向の見当誤差量(Δx1〜Δx3、Δy1〜Δy3)と見当測定用のマークMP2から求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のX方向およびY方向の見当誤差量(Δx1〜Δx3、Δy1〜Δy3)とから、印刷物全体としての各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)を算出し(ステップS206)、この算出した各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)を見当誤差量表示部203および見当誤差量調整部204へ送る。
【0058】
見当誤差量表示部203は、見当誤差量検出部202から送られてきた各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)を表示する(ステップS207)。
【0059】
見当誤差量調整部204は、見当誤差量検出部202から送られてきた各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)に基づいて、各色の印刷ユニットにおける版胴の回転位相や左右方向の位置、印刷用紙を搬送する渡し胴のヒネリ方向の位置を調整する(ステップS208)。
【0060】
〔実施の形態3〕
図19に、本発明の実施の形態3に係る装置として、印刷品質検査装置と見当誤差量検出装置とを組み合わせた印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300の要部のブロック図を示す。この実施の形態3でも、実施の形態2と同様、
図17に示されるように、印刷物11の左側(操作側)の余白部に第1の見当測定用のマークMP1を、右側(原動側)の余白部に第2の見当測定用のマークMP2を印刷するものとする。
【0061】
この印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300は、CPU21と、RAM22と、ROM23と、入力装置24と、表示器25と、出力装置26(フレキシブル・ディスクドライブ、プリンタ等)と、カメラ(カラーカメラ)27と、原動モータ28と、原動モータドライバ29と、原動モータ用ロータリエンコーダ30と、印刷機の回転位相検出用カウンタ31と、D/A変換器32と、メモリ33と、入出力インターフェース(I/O、I/F)34−1〜34−6とを備えており、インターフェース34−6を介して1色目用の見当調整装置400−1〜4色目用の見当調整装置400−4に接続されている。なお、
図19において、カメラ27は
図1に示されたカラーカメラ(印刷品質検査装置のカメラ)10であり、ここでは符号を変えて示している。
【0062】
CPU21は、入出力インターフェイス34−1〜34−6を介して与えられる各種入力情報を得て、RAM22やメモリ33にアクセスしながら、ROM23格納されたプログラムに従って動作する。ROM23には、印刷品質検査プログラムおよび各色間の見当誤差量を求める見当誤差量検出プログラムが格納されている。
【0063】
なお、
図19において、1色目用の見当調整装置400−1は、1色目(スミ)の版胴の天地方向見当調整装置40−1と、1色目(スミ)の版胴の左右方向見当調整装置41−1とを備えている。また、2色目用の見当調整装置400−2は、2色目(アイ)の版胴の天地方向見当調整装置40−2と、2色目(アイ)の版胴の左右方向見当調整装置41−2と、2色目(アイ)前の渡し胴のヒネリ方向見当調整装置42−1とを備えている。3色目用の見当調整装置400−3、4色目用の見当調整装置400−4も、2色目用の見当調整装置400−2と同様、天地方向見当調整装置40−3,40−4、左右方向見当調整装置41−3,41−4およびヒネリ方向見当調整装置42−2,42−3を備えている。
【0064】
図20〜
図22に印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300におけるメモリ33の内部構成を分割して示す。メモリ33にはメモリM1〜M27が設けられる。M1は印刷機の回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用のメモリ、M2はカメラの撮像タイミング記憶用のメモリ、M3は撮像データ記憶用のメモリ、M4はカウント値Y記憶用のメモリ、M5はカウント値X記憶用のメモリ、M6は基準画像データ記憶用のメモリ、M7は|撮像データ(X,Y)−基準画像データ(X,Y)|記憶用のメモリ、M8は印刷品質判断用許容値記憶用のメモリである。
【0065】
M9は印刷物の左右方向の画素数記憶用のメモリ、M10は印刷物の天地方向の画素数記憶用のメモリ、M11は左側の各レジスタマークの位置記憶用のメモリ、M12は左側の天地方向の基準のマーク間距離記憶用のメモリ、M13は左側の天地方向の測定対象のマーク間距離記憶用のメモリ、M14は左側のその他の色の天地方向の見当誤差量記憶用のメモリ、M15は左側の左右方向の基準のマーク間距離記憶用のメモリ、M16は左側の左右方向の測定対象のマーク間距離記憶用のメモリ、M17は左側のその他の色の左右方向の見当誤差量記憶用のメモリである。
【0066】
M18はその他の色のヒネリ方向の見当誤差量記憶用のメモリ、M19はその他の色の天地方向の見当誤差量記憶用のメモリ、M20はその他の色の左右方向の見当誤差量記憶用のメモリ、M21は右側の各レジスタマークの位置記憶用のメモリ、M22は右側の天地方向の基準のマーク間距離記憶用のメモリ、M23は右側の天地方向の測定対象のマーク間距離記憶用のメモリ、M24は右側のその他の色の天地方向の見当誤差量記憶用のメモリ、M25は右側の左右方向の基準のマーク間距離記憶用のメモリ、M26は右側の左右方向の測定対象のマーク間距離記憶用のメモリ、M27は右側のその他の色の左右方向の見当誤差量記憶用のメモリである。
【0067】
図23〜
図28は印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300のCPU21が実行する処理動作の概略を示すフローチャートである。CPU21は、このフローチャートに沿って、印刷品質検査プログラムに従う処理動作を行い、次に見当誤差量検出プログラムに従う処理動作を行う。
【0068】
なお、以下の処理動作において、印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300のCPU21は、演算により求めた各種データのメモリMへの書き込みやメモリMからの各種データの読み込みなどを必要に応じて行うが、ここでは説明が煩雑となることを避けるために、メモリMへのリードライト動作の説明を省略する場合もある。
【0069】
〔印刷品質検査プログラムに従う処理動作〕
CPU21は、先ず、D/A変換器32を介して原動モータドライバ29に駆動指令を出力し、印刷を開始する。次に、CPU21は、印刷品質検査プログラムに従う処理動作として、先ず、印刷機の回転位相検出用カウンタ31からカウント値を読み込んでメモリM1に現在の印刷機の回転位相検出用カウンタ31のカウント値として記憶し(ステップS301)、メモリM2に設定されているカメラの撮像タイミングを読み込む(ステップS302)。そして、読み込んだ現在の印刷機の回転位相検出用カウンタ31のカウント値と、設定されているカメラの撮像タイミングとを比較する(ステップS303)。
【0070】
CPU21は、ステップS301〜S303の処理動作を繰り返し、現在の印刷機の回転位相検出用カウンタ31のカウント値と設定されているカメラの撮像タイミングとが一致すると(ステップS303のYES)、カメラ27に撮像指令を出力する(ステップS304)。これにより、カメラ27が各色の絵柄が印刷された印刷物11の絵柄全体を含む領域を撮像する。
【0071】
カメラ27による印刷物11の撮像後、CPU21は、カメラ27から転送されてくる撮像画像を読み込み、この読み込んだ撮像画像をメモリM3に記憶させる(ステップS305)。このカメラ27からの撮像画像には印刷物11の余白部に印刷された見当測定用のマークMP1,MP2も含まれている。
【0072】
次に、CPU21は、メモリM4にカウント値Yとして1を書き込み(ステップS306)、またメモリM5にカウント値Xとして1を書き込み(
図24:ステップS307)、メモリM3から(X,Y)の位置の撮像データ(撮像データ(X,Y))を読み込む(ステップS308)。
【0073】
そして、CPU21は、印刷品質検査用の画像として基準画像が記憶されているメモリM6から、(X,Y)の位置の基準画像データ(基準画像データ(X,Y))を読み込み(ステップS309)、|撮像データ(X,Y)−基準画像データ(X,Y)|を演算する(ステップS310)。そして、メモリM8に設定されている印刷品質判断用許容値を読み込み(ステップS311)、ステップS310で演算した|撮像データ(X,Y)−基準画像データ(X,Y)|とステップS311で読み込んだ印刷品質判断用許容値とを比較する(
図25:ステップS312)。
【0074】
ここで、CPU21は、|撮像データ(X,Y)−基準画像データ(X,Y)|≦印刷品質判断用許容値であれば(ステップS312のYES)、ステップS308で読み込んだ撮像データ(X,Y)は所要の印刷品質を満たしていると判断し、メモリM5中のカウント値Xに1を加算し(ステップS313)、メモリM9に設定されている印刷物の左右方向の画素数wを読み込み(ステップS314)、カウント値Xが印刷物の左右方向の画素数wを超えるまで(ステップS315のYES)、ステップS308〜S315の処理動作を繰り返す。
【0075】
CPU21は、このステップS308〜S315の処理動作の繰り返し中、カウント値Xが印刷物の左右方向の画素数wを超えると(ステップS315のYES)、メモリM4中のカウント値Yに1を加算し(ステップS316)、メモリM10に設定されている印刷物の天地方向の画素数hを読み込み(ステップS317)、カウント値Yが印刷物の天地方向の画素数hを超えるまで(ステップS318のYES)、ステップS307〜S318の処理動作を繰り返す。
【0076】
そして、CPU21は、カウント値Yが印刷物の天地方向の画素数hを超えると(ステップS318のYES)、メモリM3に記憶されている撮像画像の撮像画像データ(X,Y)の全てが所要の印刷品質を満たしていると判断し、次の見当誤差量検出プログラムに従う処理動作に移行する。
【0077】
なお、この品質検査プログラムに従う処理動作中、|撮像データ(X,Y)−基準画像データ(X,Y)|≦印刷品質判断用許容値ではないと判断されると(ステップS312のNO)、CPU21は、NG信号を出力のうえ(ステップS319)、直ちに、見当誤差量検出プログラムに従う処理動作に移行する。
【0078】
〔見当誤差量検出プログラムに従う処理動作〕
〔左側の見当測定用マークMP1からのその他の色の見当誤差量の算出〕
CPU21は、見当誤差量検出プログラムに従う処理動作に移行すると、前述したテンプレートマッチングおよびサブピクセル推定などの手法で、メモリM3に記憶されている撮像画像における左側の見当測定用のマークMP1の各レジスタマークP0〜P7の位置を求める(
図26:ステップS320)。
【0079】
そして、CPU21は、ステップS320で求めた左側の見当測定用のマークMP1におけるレジスタマークP0〜P7の位置から、左側の見当測定用のマークMP1における天地方向(Y方向)の基準のマーク間距離P0−P1、P0−P2、P0−P3を求める(ステップS321)。また、左側の見当測定用のマークMP1における天地方向(Y方向)の測定対象のマーク間距離P4−P5、P4−P6、P4−P7を求める(ステップS322)。
【0080】
そして、CPU21は、左側の見当測定用のマークMP1における、測定対象のマーク間距離P4−P5と基準のマーク間距離P0−P1との差として、「スミ」を基準とする「アイ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1(Δy1L)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P6と基準のマーク間距離P0−P2との差として、「スミ」を基準とする「アカ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy2(Δy2L)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P7と基準のマーク間距離P0−P3との差として、「スミ」を基準とする「キ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy3(Δy3L)を求める(ステップS323)。
【0081】
次に、CPU21は、ステップS320で求めた左側の見当測定用のマークMP1におけるレジスタマークP0〜P7の位置から、左側の見当測定用のマークMP1における左右方向(X方向)の基準のマーク間距離P0−P4を求める(ステップS324)。また、左側の見当測定用のマークMP1における左右方向(X方向)の測定対象のマーク間距離P1−P5、P2−P6、P3−P7を求める(ステップS325)。
【0082】
そして、CPU21は、左側の見当測定用のマークMP1における、測定対象のマーク間距離P1−P5と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アイ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1(Δx1L)を求め、測定対象のマーク間距離P2−P6と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アカ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx2(Δx2L)を求め、測定対象のマーク間距離P3−P7と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「キ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx3(Δx3L)を求める(ステップS326)。
【0083】
〔右側の見当測定用マークMP2からのその他の色の見当誤差量の算出〕
次に、CPU21は、左側の見当測定用マークMP1の場合と同様にして、テンプレートマッチングおよびサブピクセル推定などの手法で、メモリM3に記憶されている撮像画像における右側の見当測定用のマークMP2の各レジスタマークP0〜P7の位置を求める(
図27:ステップS327)。
【0084】
そして、CPU21は、ステップS327で求めた右側の見当測定用のマークMP2におけるレジスタマークP0〜P7の位置から、右側の見当測定用のマークMP2における天地方向(Y方向)の基準のマーク間距離P0−P1、P0−P2、P0−P3を求める(ステップS328)。また、右側の見当測定用のマークMP2における天地方向(Y方向)の測定対象のマーク間距離P4−P5、P4−P6、P4−P7を求める(ステップS329)。
【0085】
そして、CPU21は、右側の見当測定用のマークMP2における、測定対象のマーク間距離P4−P5と基準のマーク間距離P0−P1との差として、「スミ」を基準とする「アイ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1(Δy1R)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P6と基準のマーク間距離P0−P2との差として、「スミ」を基準とする「アカ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy2(Δy2R)を求め、測定対象のマーク間距離P4−P7と基準のマーク間距離P0−P3との差として、「スミ」を基準とする「キ」の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy3(Δy3R)を求める(ステップS330)。
【0086】
次に、CPU21は、ステップS327で求めた右側の見当測定用のマークMP2におけるレジスタマークP0〜P7の位置から、右側の見当測定用のマークMP2における左右方向(X方向)の基準のマーク間距離P0−P4を求める(ステップS331)。また、右側の見当測定用のマークMP2における左右方向(X方向)の測定対象のマーク間距離P1−P5、P2−P6、P3−P7を求める(ステップS332)。
【0087】
そして、CPU21は、右側の見当測定用のマークMP2における、測定対象のマーク間距離P1−P5と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アイ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1(Δx1R)を求め、測定対象のマーク間距離P2−P6と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「アカ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx2(Δx2R)を求め、測定対象のマーク間距離P3−P7と基準のマーク間距離P0−P4との差として、「スミ」を基準とする「キ」の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx3(Δx3R)を求める(ステップS333)。
【0088】
〔印刷物全体としての各色間の見当誤差量(天地方向/左右方向/ヒネリ方向の見当誤差量)の算出〕
次に、CPU21は、左側の見当測定用のマークMP1における「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1L,Δy2L,Δy3Lから右側の見当測定用のマークMP2における「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1R,Δy2R,Δy3Rを減算し(Δy1L−Δy1R、Δy2L−Δy2R、Δy3L−Δy3R)、求めた減算値から「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のヒネリ方向の見当誤差量Δz1,Δz2,Δz3を求める(
図28:ステップS334)。
【0089】
また、CPU21は、左側の見当測定用のマークMP1における「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1L,Δy2L,Δy3LおよびステップS334で求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のヒネリ方向の見当誤差量Δz1,Δz2,Δz3より、印刷物全体としての「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1,Δy2,Δy3を求める(ステップS335)。
【0090】
また、CPU21は、左側の見当測定用のマークMP1における「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1L,Δx2L,Δx3Lに右側の見当測定用のマークMP2における「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1R,Δx2R,Δx3Rを加算して合計値を求め、求めた合計値を2で除算して、印刷物全体としての「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1,Δx2,Δx3を求める(ステップS336)。
【0091】
そして、CPU21は、ステップS335で求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の天地方向(Y方向)の見当誤差量Δy1,Δy2,Δy3を、「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の版胴の天地方向見当調整装置40に送信する(ステップS337)。
【0092】
また、CPU21は、ステップS336で求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の左右方向(X方向)の見当誤差量Δx1,Δx2,Δx3を、「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の版胴の左右方向見当調整装置41に送信する(ステップS338)。
【0093】
また、CPU21は、ステップS334で求めた「アイ」、「アカ」、「キ」の各色のヒネリ方向の見当誤差量Δz1,Δz2,Δz3を、「アイ」、「アカ」、「キ」の各色の前の渡し胴のヒネリ方向見当調整装置42に送信する(ステップS339)。
【0094】
図29に、天地方向見当調整装置40、左右方向見当調整装置41、ヒネリ方向見当調整装置42の要部のブロック図を示す。
図29では、見当調整装置43として、天地方向見当調整装置40、左右方向見当調整装置41、ヒネリ方向見当調整装置42を代表させている。
【0095】
見当調整装置43は、CPU43Aと、RAM43Bと、ROM43Cと、見当調整用モータ43Dと、見当調整用モータドライバ43Eと、見当調整用モータ43Dに付設されたポテンショメータ(見当調整用モータ用ポテンショメータ)43Fと、A/D変換器43Gと、現在の見当調整装置の位置記憶用のメモリ43Hと、目標とする見当調整装置の位置記憶用のメモリ43Iと、ポテンショメータの出力値記憶用のメモリ43Jと、見当誤差量記憶用のメモリ43Kと、入出力インタフェース(I/O,I/F)43L,43Mとを備えており、インタフェース43Lを介して印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300と接続されている。
【0096】
なお、この見当調整装置43は、上述したように、天地方向見当調整装置40と、左右方向見当調整装置41と、ヒネリ方向見当調整装置42とを代表しており、これらの見当調整装置は同様の構成とされているので、ここでは天地方向の見当誤差量、左右方向の見当誤差量、ヒネリ方向の見当誤差量を1つの見当誤差量とみなし、1つの見当調整装置43で代表して説明する。
【0097】
CPU43Aは、印刷品質検査及び見当誤差量検出装置300より、見当誤差量が送られてくると(
図30:ステップS401のYES)、その送られてきた見当誤差量をメモリ43Kに記憶する(ステップS402)。
【0098】
そして、A/D変換器43Gを介して、見当調整用モータ用ポテンショメータ43Fより、現在の出力値を読み込み、メモリ43Jに記憶させる(ステップS403)。
【0099】
そして、メモリ43Jより見当調整用モータ用ポテンショメータ43Fの現在の出力値を読み出し、この読み出した出力値より現在の見当調整装置の位置を演算し、メモリ43Hに記憶させる(ステップS404)。
【0100】
そして、メモリ43Kより見当誤差量を読み出し(ステップS405)、メモリ43H中の現在の見当調整装置の位置に見当誤差量を加算し、目標とする見当調整装置の位置を演算し、メモリ43Iに記憶させる(ステップS406)。
【0101】
そして、メモリ43H中の現在の見当調整装置の位置を読み出し(ステップS407)、メモリ43I中の目標とする見当調整装置の位置と比較し(ステップS408)、目標とする見当調整装置の位置と現在の見当調整装置の位置が一致していなければ(ステップS408のNO)、目標とする見当調整装置の位置と現在の見当調整装置の位置との大小関係を確認する(
図31:ステップS409)。
【0102】
ここで、現在の見当調整装置の位置が目標とする見当調整装置の位置よりも小さければ(ステップS409のYES)、見当調整用モータドライバ43Eに正転指令を送り(ステップS410)、現在の見当調整装置の位置が目標とする見当調整装置の位置よりも大きければ(ステップS409のNO)、見当調整用モータドライバ43Eに逆転指令を送る(ステップS411)。
【0103】
そして、A/D変換器43Gを介して、見当調整用モータ用ポテンショメータ43Fより、現在の出力値を読み込み(ステップS412)、この読み込んだ出力値より現在の見当調整装置の位置を演算し(ステップS413)、メモリ43Iから目標とする見当調整装置の位置を読み出し(ステップS414)、現在の見当調整装置の位置と目標とする見当調整装置の位置とが一致するまで(ステップS415のYES)、ステップS412〜S415の処理動作を繰り返す。
【0104】
そして、現在の見当調整装置の位置と目標とする見当調整装置の位置とが一致すれば(ステップS415のYES)、見当調整用モータドライバ43Eに停止指令を出力し、見当調整用モータ43Dの回転を停止させる(ステップS416)。
【0105】
なお、上述した実施の形態1〜3では、撮像装置として印刷品質検査装置のカメラを利用するようにしたが、必ずしも印刷品質検査装置のカメラを用いなくてもよい。例えば、専用のカメラを使用し、印刷物の絵柄全体ではなく、見当測定用のマークを含む狭い領域のみを撮像するようにしてもよい。また、必ずしも広角で撮像するカメラを用いなくてもよく、高解像度のカメラを用いてもよい。また、インラインではなく、オフラインで見当測定用のマークを含む領域を撮像するものとしてもよい。
【0106】
〔実施の形態の拡張〕
以上、実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の技術思想の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【解決手段】見当測定用のマーク(MP)を第1のレジスタマーク群(S1)と第2のレジスタマーク群(S2)とから構成する。第1のレジスタマーク群(S1)は基準色を含む各色のレジスタマーク(P4〜P7)からなり、第2のレジスタマーク群(S2)は各色のレジスタマーク(P4〜P7)と同数の基準色のレジスタマーク(P0〜P3)からなる。各色のレジスタマーク(P4〜P7)は、印刷物の天地方向および左右方向の何れか一方を配列方向とし、この配列方向に一列に間隔aで印刷する。基準色のレジスタマーク(P0〜P3)は、第1のレジスタマーク群(S1)の配列方向と直交する方向に距離bだけ平行にずらした位置に、第1のレジスタマーク群(S1)の配列方向と同方向に一列に各色のレジスタマーク(P4〜P7)の間隔aと同じ間隔で印刷する。