特許第6030757号(P6030757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6030757仮想環境と非仮想環境が混在するクラウドシステムにおける監視項目制御方法、管理計算機及び計算機システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030757
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】仮想環境と非仮想環境が混在するクラウドシステムにおける監視項目制御方法、管理計算機及び計算機システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/50 20060101AFI20161114BHJP
   G06F 9/46 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   G06F9/46 462Z
   G06F9/46 465Z
   G06F9/46 350
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-517935(P2015-517935)
(86)(22)【出願日】2013年5月20日
(86)【国際出願番号】JP2013063888
(87)【国際公開番号】WO2014188478
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 法子
(72)【発明者】
【氏名】永見 明久
(72)【発明者】
【氏名】大谷 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】寺山 充実
【審査官】 井上 宏一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−282420(JP,A)
【文献】 特開2007−272263(JP,A)
【文献】 特開2012− 88943(JP,A)
【文献】 特開2011− 18198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/46 −9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理計算機、
セルフサービスポータル並びに
物理計算機及びストレージ装置を有するクラウドインフラシステムが相互に接続される計算機システムであって、
前記管理計算機は、
前記物理計算機の識別子及び前記物理計算機をインフラ管理者が提供する利用形態が仮想環境か否かを示す仮想非仮想ステータスを含む仮想非仮想管理情報並びに
前記仮想非仮想ステータス及び該仮想非仮想ステータスに基づいて前記セルフサービスポータルで出力する監視項目を含むユーザ管理者監視項目管理情報を有し、
前記セルフサービスポータルから監視対象である物理計算機の指定を受信し、
前記仮想非仮想管理情報を参照して前記指定された物理計算機の利用形態が仮想か非仮想かを判定し、
前記ユーザ管理者監視項目管理情報を参照して前記指定された物理計算機で監視する監視項目を特定し、
該特定された監視項目を前記セルフサービスポータルへ送信し、
前記セルフサービスポータルは、
前記特定された監視項目を出力する
ことを特徴とする計算機システム。
【請求項2】
セルフサービスポータル並びに
物理計算機及びストレージ装置を有するクラウドインフラシステムと相互に接続される管理計算機であって、
前記物理計算機の識別子及び前記物理計算機をインフラ管理者が提供する利用形態が仮想環境か否かを示す仮想非仮想ステータスを含む仮想非仮想管理情報及び
前記仮想非仮想ステータス及びギア仮想非仮想ステータスに基づいて前記セルフサービスポータルで出力する監視項目を含むユーザ管理者監視項目管理情報を有し、
前記セルフサービスポータルから監視対象である物理計算機の指定を受信し、
前記仮想非仮想管理情報を参照して前記指定された物理計算機の利用形態が仮想か非仮想かを判定し、
前記ユーザ管理者監視項目管理情報を参照して前記指定された物理計算機で監視する監視項目を特定し、
該特定された監視項目を、前記指定された物理計算機の監視項目として出力する前記セルフサービスポータルへ送信する
ことを特徴とする管理計算機。
【請求項3】
セルフサービスポータル、
物理計算機及びストレージ装置を有するクラウドインフラシステム並びに
前記物理計算機の識別子及び前記物理計算機をインフラ管理者が提供する利用形態が仮想環境か否かを示す仮想非仮想ステータスを含む仮想非仮想管理情報並びに前記仮想非仮想ステータス及び該仮想非仮想ステータスに基づいて前記セルフサービスポータルで出力する監視項目を含むユーザ管理者監視項目管理情報を有する管理計算機が
相互に接続される計算機システムにおける監視項目制御方法であって、
前記セルフサービスポータルから前記管理計算機へ監視対象である物理計算機の指定を送信するステップ、
前記管理計算機が、前記仮想非仮想管理情報を参照して前記指定された物理計算機の利用形態が仮想か非仮想かを判定するステップ、
前記管理計算機が、前記ユーザ管理者監視項目管理情報を参照して前記指定された物理計算機で監視する監視項目を特定するステップ、
前記管理計算機から前記サービスポータルへ該特定された監視項目を送信するステップ及び前記特定された監視項目を出力するステップ
を含むことを特徴とする監視項目制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、スイッチ及びストレージから構成される計算機システム及び管理技術に関する。特に仮想と非仮想(物理)の混在環境における監視技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クラウドシステムを運用する上で、クラウドインフラシステムのインフラ管理者及び利用者に適切な監視情報を提供することは必須である。
インフラストラクチャをネットワーク経由で提供するIaaS(Infrastructure as a Service)の場合、リソースはインフラ管理者に提供されるリソースプールと、IaaS利用者(ユーザ管理者)に提供されるサービスリソースに分類できる。従来はエンドユーザに仮想計算機を提供する運用が一般的であったため、サービスリソースに仮想化環境を提供するのが一般的であった。
このような環境における監視技術として、例えば下記文献には、CPU使用率等の負荷状況を監視し、リソースプールから最適なリソースを割り当てる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-018198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クラウド環境において、性能が求められる業務を稼働させるために、仮想環境に加えて非仮想環境(物理環境、ベアメタルと同義)を提供するサービスが求められている。仮想環境を使用するユーザ管理者は提供されたクラウド環境上に仮想計算機を作成し、エンドユーザに提供する。また、非仮想環境を使用するユーザ管理者は、クラウド上で稼働させるOS環境を自らでデプロイし(ベアメタルデプロイ)、例えば仮想化基盤やDBサーバ等を構築する。両環境ではユースケースや利用目的が異なるため、監視すべき項目も異なってくる。
このようなクラウドシステムを提供する上で,仮想と非仮想混在環境を監視する技術が必要になってくる。
【0005】
従来のインフラ管理技術ではIPMI(Intelligent Platform Management Interface)を使用して監視を行っているが、当技術ではハイパバイザ、OSがサービスリソースに属するのかリソースプールに属するのかを判断することができないため、仮想/非仮想の情報を取得できない。そのため、インフラ管理者及びユーザ管理者が監視する項目を個別に管理できない。そのため、従来技術で個別に管理できるシステムを実現しようとすると、例えば、システム上取得できる全てのパラメータを取得し、システムに必要以上の負荷をかけたり、利用者毎で個別に監視項目を設定して管理工数が余計にかかったりするなど、管理コストが大きくかかってしまうという課題がる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
管理計算機は、イメージ管理またはサービスリソース登録作業と連携して、ハイパバイザ及びOSの属性がリソースプールに含まれるかサービスリソースに含まれるかを管理する。また、管理計算機は仮想環境用プロファイルと非仮想環境用プロファイルを管理し、仮想環境用プロファイルでは、ハイパバイザ稼働状況やメモリ容量、ファイルシステム空き容量、仮想マシンの使用状況を監視項目とし、ユーザ管理者が仮想計算機をデプロイできるのに必要な項目を取得できるようにする。また、非仮想環境用プロファイルでは、物理計算機(物理サーバ)の稼働状況、スペック等を監視項目とし、ユーザ管理者がベアメタルデプロイを行い、OSやハイパバイザを稼働するのに必要な項目を取得できるようにする。
上記属性がリソースプールの場合はユーザ管理者に仮想環境を提供していると判定し、上記仮想監視プロファイルを基に監視項目を設定し、ユーザ管理者向け監視情報に仮想環境向け項目を設定して、当該項目を管理計算機経由で取得する。また、上記属性がサービスリソースの場合はユーザ管理者に非仮想環境を提供していると判定し、上記非仮想監視プロファイルを基に監視項目を設定し、ユーザ管理者向け監視情報に非仮想環境向け項目を設定して、当該項目を管理計算機経由で取得する。
【発明の効果】
【0007】
仮想環境と非仮想環境が混在するクラウドシステムにおいて、ユーザ管理者及びインフラ管理者が最適な監視を行うことができ、管理コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】クラウドシステムの全体構成を示すブロック図
図2】管理計算機の構成を示すブロック図
図3】セルフサービスポータルの構成を示すブロック図
図4】仮想非仮想管理情報の一例を示す概念図
図5】インフラ監視項目管理情報の一例を示す概念図
図6】インフラ監視項目管理情報の一例を示す概念図
図7】ユーザ管理者監視項目管理情報の一例を示す概念図
図8】イメージ管理情報の一例を示す概念図
図9】監視パターン管理情報の一例を示す概念図
図10】サービス管理情報の一例を示す概念図
図11】仮想環境向け監視情報の一例を示す概念図
図12】非仮想環境向け監視情報の一例を示す概念図
図13】サービスリソースプール及びリソースプールの論理的な構成を示すブロック図
図14】クラウドシステムにおける全体の処理手順を示すフローチャート
図15】仮想環境と非仮想環境を管理する処理手順を示すフローチャート
図16】仮想環境と非仮想環境を管理する処理手順を示すフローチャート
図17】ユーザ管理者監視情報を表示する処理手順を示すフローチャート
図18】ユーザ管理者監視情報を取得する処理手順を示すフローチャート
図19】サービス管理情報の一例を示す概念図
図20】ユーザ管理者監視項目管理情報の一例を示す概念図
図21】インフラ管理者監視項目を設定する処理手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を、図を用いて説明する。なお、以下の実施例において、同一の構造部を持ち、同一の符号を付した部分は、原則として同一の動作を行うため、重複する説明を省略した。
【実施例1】
【0010】
図1は、クラウドシステムの構成図を示す。
本発明で対象とするクラウドサービスはユーザ管理者11向けのサービスであり、ユーザ管理者はクラウドインフラシステム700からハイパバイザやOSの入った環境(仮想環境)かベアメタル環境(非仮想環境)の提供を受ける。ユーザ管理者はセルフサービスポータル200経由で仮想環境の場合には仮想計算機200をデプロイし、非仮想環境の場合はOSの入った物理計算機500をデプロイし、インターネット800経由でエンドユーザ10に割り与える。
クラウドインフラシステムはクラウドサービスを提供するインフラストラクチャであり、物理計算機500、ネットワーク装置400、ストレージ装置300から構成される。物理計算機上には仮想サービスを構築するハイパバイザやOS600が稼働し、ハイパバイザ上には仮想計算機200が稼働する。クラウドインフラシステムはインフラ管理者12が管理計算機100を用いて監視やチューニングを実施する。
なお、クラウドインフラシステムは、物理計算機、ネットワーク接続装置及びストレージ装置の3種類の機器を1つの物理筐体に収めた垂直統合型システムの複数台からまとめて構成されるシステムとしても良い。
また、管理計算機100、セルフサービスポータル200及びクラウドインフラシステム700がそれぞれインターネット800を介して相互に接続されていても良い。
【0011】
図2は、管理計算機100の構成例を示す。管理計算機100はインフラ管理者がクラウドインフラシステムを管理するための構成情報やプログラムを格納するものである。
管理計算機100は、管理ネットワークに接続し管理情報を入出力するための管理用通信インタフェース110と、操作者が情報を入力するための例えばキーボードやマウスなどの入力用インタフェース120と、操作者に情報を出力するための例えば汎用ディスプレイなどの出力用インタフェース125と、各種計算を行うCPUに相当する演算処理装置180と、オペレーティングシステムやアプリケーションなどの基本ソフトウェアを保存するための磁気記憶装置170と、管理計算機100の稼働に必要なプログラムを蓄積する記憶空間であるプログラムメモリ1000が、通信バス190を介して互いに接続された構成である。すなわち、この例に示した管理計算機100のハードウェア構成は汎用計算機(PC)で実現し得るものである。
プログラムメモリ1000は磁気記憶装置や揮発性半導体メモリで実装したメモリ空間であり、管理計算機100の稼働に必要な基本プログラムや情報を保持する目的で利用される。プログラムメモリ1000が保持する制御プログラム及び制御情報は、仮想非仮想管理情報1001、インフラ監視項目管理情報1002、ユーザ管理者監視項目管理情報1003、イメージ管理情報1004、監視パターン管理情報1005、監視情報1006、仮想非仮想管理プログラム1010、物理サーバ監視プログラム1011、ストレージ監視プログラム1012、仮想化環境監視プログラム1014、監視項目管理プログラム1015、ベアメタルデプロイプログラム1016、仮想マシンデプロイプログラム1017、サーバ提供プログラム1018である。制御情報の詳細については後述する。
仮想非仮想管理プログラムは仮想環境か非仮想環境かを判定するプログラムである。物理サーバ監視プログラムは、物理サーバのシリアル番号や電源状態、CPU利用率やメモリ容量等を監視するプログラムである。ストレージ監視プログラムは、物理ディスクやRAIDグループの状態や論理ディスクの状態、ストレージポートの使用状況を監視するプログラムである。仮想化環境監視プログラムは、ハイパバイザレイヤにおけるインフラの監視を実施するものである。監視項目管理プログラムはサービスリソースが仮想か非仮想かを判定し、ユーザ管理者の監視項目を設定するプログラムである。ベアメタルデプロイプログラムはユーザ管理者からのデプロイ要求を基にベアメタルサーバに対してイメージを対応付けるプログラムである。仮想マシンデプロイプログラムはユーザ管理者からのデプロイ要求に基づいて、仮想マシンをデプロイするプログラムである。サーバ提供プログラムはセルフサービスポータルからのサービス開始要求を受けて、サーバをサービスリソースに登録するプログラムである。
なお、監視情報は1011,1012、1014から取得した監視情報を管理するものである。
図3は、セルフサービスポータル200の構成例を示す。セルフサービスポータル200はユーザ管理者が仮想計算機やベアメタルサーバのデプロイを実施するための構成情報やプログラムを格納する計算機である。実際にはユーザ管理者はネットワーク経由でセルフサービスポータルにアクセスし、ユーザ管理者が操作する計算機上にセルフサービスポータルの情報が表示される。
セルフサービスポータル200は、管理ネットワークに接続し管理情報を入出力するための管理用通信インタフェース210と、操作者が情報を入力するための例えばキーボードやマウスなどの入力用インタフェース220と、操作者に情報を出力するための例えば汎用ディスプレイなどの出力用インタフェース225と、各種計算を行うCPUに相当する演算処理装置280と、オペレーティングシステムやアプリケーションなどの基本ソフトウェアを保存するための磁気記憶装置270と、セルフサービスポータル200の稼働に必要なプログラムを蓄積する記憶空間であるプログラムメモリ2000が、通信バス290を介して互いに接続された構成である。すなわち、この例に示したセルフサービスポータル200のハードウェア構成は汎用計算機(PC)で実現し得るものである。
プログラムメモリ2000は磁気記憶装置や揮発性半導体メモリで実装したメモリ空間であり、管理計算機200の稼働に必要な基本プログラムや情報を保持する目的で利用される。プログラムメモリ2000が保持する制御プログラム及び制御情報は、サービス管理者情報2001、仮想環境向け監視情報2002、非仮想環境向け監視情報2003、サービス管理プログラム2010デプロイ指示プログラム2012、監視項目表示プログラム2012、監視プログラム2013、操作画面2014である。制御情報の詳細については後述する。
サービス管理プログラム2010はサーバをサービスリソースに登録し、ユーザ管理者に仮想または非仮想環境を提供するものである。監視プログラム2011は、サービスリソースに非仮想環境が提供される場合、ベアメタルデプロイ後、ユーザが導入するハイパバイザレイヤまたはOSレイヤの監視プログラムである。デプロイ指示プログラムはサービスプールに仮想化環境が提供されている場合は、仮想化サーバ、テンプレート、仮想マシンのCPUやディスク容量を指定して、管理計算機に対して仮想マシンデプロイ指示をするプログラムである。サービスプールに非仮想環境が提供されている場合は、イメージを指定して、ベアメタルデプロイ指示をするプログラムである。監視項目表示プログラムは管理計算機に監視情報表示要求をしたり、管理計算機から指定された監視項目を表示したりするプログラムである。監視プログラムはユーザ管理者側で導入するものであるのに対し、監視項目表示プログラムは管理計算機から取得したユーザ監視管理項目を基に表示する。図4は、管理計算機が格納する仮想非仮想管理情報1001の一構成例である。当管理情報は物理サーバ識別情報に記載された物理サーバとその上に導入されるハイパバイザまたはOS、さらにハイパバイザまたはOSがリソースプール、サービスリソースのどちらに含まれるかによって、仮想非仮想管理プログラム1010で判定される、仮想非仮想ステータスを管理するものである。
初期状態では物理サーバ識別情報と、工場出荷時にOSが導入されている場合はOS情報が記載され、他の項目は未割当またはNullと記録される。仮想化基盤及びOSの属性の付与方式並びに仮想非仮想ステータスの判定方式については後述する。
ここでは、物理サーバの単位で提供する例を示したが、物理サーバを論理的に分割したLPAR(Logical Partition)の単位で提供してもよい。この場合、物理サーバ識別情報10011のみでなくLPARの識別情報も管理する必要がある。
また、ブレードサーバ間のCPUを、バス等を介して接続して、接続された全てのCPUを一定の速度でメモリにアクセスすることを可能にするSMP(Symmetric Multi Processor)機能を使用し、複数ブレードサーバ単位で提供してもよい。この場合、物理サーバ識別情報10011のみでなく提供単位の識別情報も管理する必要がある。SMPが構成された物理サーバの仮想非仮想ステータスは全て同じである必要がある。
図5及び図6は、管理計算機が格納するインフラ監視項目管理情報1002の一構成例である。管理計算機内の物理サーバ監視プログラム、ストレージ監視プログラム、ネットワーク監視プログラム、仮想化環境監視プログラムを用いて監視できる項目からインフラ管理者が管理すべき項目を管理する。
監視対象10021には監視の対象となる項目、例えばサーバ、ストレージ等が記録され、種別10012にはカテゴリ、監視項目10013には監視項目が記録される。図6は仮想化ソフトウェアが稼働している場合にインフラ管理者が管理すべき項目の例を示す。
【0012】
図5及び図6は、管理計算機の監視プログラムが監視できる全ての監視項目を管理するものであるが、監視結果は監視情報1006に格納される。実施例1では、インフラ監視項目管理情報に記録された全ての監視データが監視情報1006に格納されるものとする。
図7は管理計算機が格納するユーザ管理者監視項目管理情報1003の一構成例である。本構成情報はユーザ管理者が管理すべき項目とインフラ監視項目との対応関係を管理するものである。該当インフラ監視項目管理情報は図5及び図6のインフラ監視項目情報から取得する。本管理情報は仮想非仮想ステータス10032を管理することで、インフラ管理者がユーザ管理者に適切な情報を提供する。
図7では、仮想非仮想ステータスについて、監視項目管理プログラムが仮想非仮想管理情報を基に、監視対象のサーバが仮想か非仮想を判定する。仮想の場合は、ユーザ管理者がエンドユーザに仮想計算機を作成するために必要な項目を監視項目として設定する必要がある。仮想化環境が使用できるかどうかの情報、ハイパバイザの構成情報、使用状況が必要となる。また、仮想計算機をデプロイする上で、使用可能なテンプレート情報や仮想マシンの使用状況が必要となる。
ここで、インフラ監視項目とユーザ管理者監視項目の違いについて説明する。図6はインフラ管理者が仮想化環境を監視するためのものであるため、例えばハイパバイザと対応するハードウェア情報まで管理するが、ユーザ管理者は仮想化レイヤのみを見ればよい。また、稼働情報はハイパバイザが稼働しているかどうかの情報で、ユーザ管理者は図6におけるインフラの詳細な稼働情報を知る必要はなく、例えばハイパバイザ、ファイルシステムが接続状態である場合サービス稼働中であることを通知すればよいので、「稼働中」と表示し、どちらか一方でも使用できない場合はサービス停止中であることを通知すればよいので、「停止中」と表示する。また、非仮想の場合は、ユーザ管理者がエンドユーザに物理計算機をデプロイする上で必要な項目を監視項目として設定する必要がある。ユーザ管理者はベアメタルデプロイを実施するために、CPUコア数やディスク容量等の物理計算機のスペックや、デプロイ時に用いるイメージの情報を取得する。なお、非仮想環境における使用状況に関しては、ユーザ管理者が独自に導入する監視ツールで取得するため、図5図6のインフラ監視項目管理情報からは取得しない。
【0013】
図8は管理計算機が格納するイメージ管理情報の一構成例である。ユーザ管理者がベアメタルデプロイをする際、管理計算機でイメージを管理するイメージを用いて実施する場合に保持する管理情報である。物理サーバ識別情報10041に登録されたサーバはイメージ識別情報10042に記録されたイメージを用いてベアメタルデプロイを実施したことを示すものである。
【0014】
図9は管理計算機が格納する監視パターン管理情報の一構成例である。サーバに対して図7のどの監視項目管理識別情報が対応付けられているかを管理するものである。
なお、10051と10052の対応関係はサービス管理情報でも取得できるので、ここでは10052と10053のみを管理するものでもよい。
【0015】
図10はセルフサービスポータルが格納するサービス管理情報の一構成例である。セルフサービスポータルはサーバがどのユーザ管理者に提供されているかを管理するため、サーバ識別情報20011に登録されたサーバと提供ユーザ20013に登録されたユーザの情報を対応付けて格納する。また、サーバ識別情報とサーバインフラ識別情報20012を対応付けて管理することで、インフラ側のどのサーバを提供しているかを管理する。なお、ユーザ管理者はインフラ情報を知る必要はないので、操作画面2014にサーバインフラ識別情報20012を表示しなくてもよい。
【0016】
図11はセルフサービスポータルが格納する仮想環境向け監視情報である。図7の監視項目管理情報を基に監視項目表示プログラムが表示するもので,ユーザ管理者に仮想環境を提供している場合に表示する。ユーザ管理者はセルフサービスポータルの操作画面2014経由で監視情報を閲覧することができる。
サーバ識別情報20021にはユーザ管理者に貸し出し中のサーバが表示され、そのサーバに関連する、稼働状態20022、使用状況20023(CPU利用率20025、ファイルシステム空き容量20026)、仮想計算機情報20024(仮想計算機識別情報20027、メモリ容量20028、仮想ディスク容量20029)の監視結果が表示される。サーバ識別情報20021は、管理計算機のインフラ監視項目のシリアル番号等と一対一対応のものであるが、ユーザ管理者に分かりやすいように、例えば「Server1」等とセルフサービスのサービス管理プログラムが付与してもよい。また、使用可能テンプレート識別情報20020のテンプレート情報はテンプレートライブラリ等を作成して格納されていてもよい。
これを基にユーザ管理者は仮想マシンをデプロイあるいは運用を実施することが可能となる。
【0017】
図12はセルフサービスポータルが格納する非仮想環境向け監視情報である。図7の監視項目管理情報を基に監視項目表示プログラムが表示するもので,ユーザ管理者に非仮想環境を提供している場合に表示する。ユーザ管理者はセルフサービスポータルの操作画面2014経由で監視情報を閲覧することができる。
サーバ識別情報20031にはユーザ管理者に貸し出し中のサーバが表示され、そのサーバに関連する、稼働状態20032、使用イメージ20033、スペック20024(CPUコア数20035、メモリ容量20036、ディスク容量20037、ディスク種別20038)の監視結果が表示される。サーバ識別情報20031は、管理計算機のインフラ監視項目のシリアル番号等と一対一対応のものであるが、ユーザ管理者に分かりやすいように、例えば「Server1」等とセルフサービスのサービス管理プログラムが付与してもよい。
使用可能イメージ識別情報20039のイメージ情報はイメージライブラリ等を作成して格納されていてもよい。
これを基にユーザ管理者はベアメタルデプロイを実施することが可能となる。
図13は、インフラ管理者とユーザ管理者の監視体系と、サービスリソース及びリソースプールの論理的な構成の例を示す。ユーザ管理者はセルフサービスポータル経由でサービスリソースの環境に仮想計算機または物理計算機のデプロイを実施する。また、セルフサービスポータル経由でサービスリソースの監視を実施する。インフラ管理者は管理計算機経由でリソースプールの監視を実施する。
リソースプールはインフラ管理者向けに用意されるもので、クラウドインフラシステム導入時、例えば工場出荷時に、導入されているものである。それに対して、サービスリソースはユーザ管理者向けに提供されるもので、例えば、ユーザ管理者から要求があった時に登録されるものとする。
物理計算機「A_01」はリソースプールに属するが、まだユーザ管理者に提供されていない。また、「A_02」はインフラ管理者の管理対象となる以前から、例えば工場出荷時から「Hypervisor A」が導入されており、リソースプールに「A_02」及び「Hypervisor B」が含まれる。よって、ユーザ管理者Aにはサービスリソースに含まれる仮想化されたハイパバイザ環境が提供される。「B_02」はインフラ管理者向けにOSは導入されておらず、ベアメタルサーバとしてサービスリソースに提供される。よって、ユーザ管理者Bにはサービスリソースに含まれるベアメタルサーバが提供される。「B_02」上の「Hypervisor A」はユーザ管理者が導入したものであるため、サービスリソースに含まれる。
図14は、本発明の全体の流れをフローチャートで示したものである。具体的には,図15及び図16で仮想非仮想管理情報(図4)を作成し(STEP1)、次に図4を基に、図17で仮想か非仮想を判定してユーザ管理者がセルフサービスポータル経由で監視する監視情報(図11及び図12)を作成し(STEP2)、さらに図18でその監視項目を出力する(STEP3)。
図15から図18において、物理サーバを指定する例で示しているが、指定する単位はサービスリソースを提供する単位とし、LPAR、SMPを構成する場合は、それぞれLPAR、SMP構成単位を指定するものとする。
図15から図16は仮想非仮想管理に関するフローチャートを示す。図15図16ではクラウドインフラシステム導入後に仮想非仮想ステータスを付与して運用する例を示すが、例えば、物理サーバの製造番号や管理用IPアドレスで仮想非仮想ステータスを管理する等、導入前に予め仮想非仮想ステータスを設定しておく運用でもよい。
【0018】
図15はイメージ管理と連携した仮想と非仮想管理を表現するフローチャートを示す。管理計算機における物理サーバ監視プログラムや仮想化環境監視プログラムを用いると、物理サーバの情報や、その上で稼働するOSの情報は取得できるため、仮想非仮想管理情報における物理サーバ識別情報10011と仮想化基盤/OSの種別10014は取得されていることを前提とし、属性10015や仮想非仮想ステータス10013を取得する方式を示す。なお、インフラ管理者の管理対象となる全物理サーバが物理サーバ識別情報に登録されているとする。
【0019】
インフラ管理者は仮想非仮想管理プログラムに対して仮想非仮想管理情報の更新を指示する(ステップs101)。仮想非仮想管理プログラムは仮想非仮想管理情報に登録された全サーバを指定し以下を繰り返す(ステップs102)。仮想非仮想管理プログラムは仮想化基盤/OSの種別に割当があるかどうか判定する(ステップs103)。仮想化基盤/OSの種別が「未割当」かどうか判定し(ステップs104)、Noの場合、仮想非仮想管理プログラムは当該サーバをイメージ管理情報にあるかどうか検索する(ステップs105)。検索した結果(ステップs107)、当該サーバ識別情報が存在しない場合、仮想非仮想管理プログラムは当該サーバの仮想非仮想管理情報の属性を「リソースプール」と記録し、さらに仮想非仮想ステータスを「仮想」と記録する(ステップs108)。ステップs107の判定結果でイメージ管理情報に登録サーバが存在する場合、仮想非仮想管理プログラムは当該サーバの仮想非仮想管理情報の属性を「サービスリソース」と記録し、さらに仮想非仮想ステータスを「非仮想」と記録する(ステップs109)。
ステップs104の判定結果がYesの場合、仮想非仮想管理プログラムは仮想非仮想管理表の仮想非仮想ステータスを「非仮想」と記録する(ステップs106)。
【0020】
イメージ管理と連携する場合、例えば非仮想環境のベアメタルデプロイ処理と連携して、物理計算機に対してイメージが指定されたタイミングで、仮想非仮想管理情報の仮想化基盤/OSの情報を更新してもよい。
図16は、クラウドインフラシステムに新たに物理計算機が加えられた場合の、サービスリソース登録時に仮想/非仮想ステータスを更新するフローチャートを示す。新しい物理計算機の仮想非仮想管理情報1001の仮想非仮想ステータスはデフォルトで「未割当」と記録されており、物理環境または非仮想環境がサービスリソースに登録された時に「仮想」、または「非仮想」の情報が記録されるものとする。
ユーザ管理者はセルフサービスポータル経由でサービス開始要求をする。これを受け、セルフサービスポータルのサービス管理プログラム2010は管理計算機に対してサービス開始要求をする(ステップs201)。セルフサービスの操作画面に例えば、性能が求められるOSを稼働させる、仮想マシンを作成して提供する、等のユースケースを表示してユーザ管理者に選択させてもよい。サービス開始要求を受け取った、管理計算機の仮想非仮想管理プログラムは要求された計算機が仮想化非仮想かを判定する(ステップs202)。判定結果が「仮想」の場合(ステップs203Yes)、仮想非仮想管理プログラムは仮想非仮想管理表の仮想非仮想ステータスが「未割当」かつ仮想化基盤/OS種別が割り当てられている(「未割当」でない)計算機を検索し(ステップs204)、当該サーバの仮想非仮想ステータスを「仮想」に更新する(ステップs205)。さらに、属性を「リソースプール」に更新する(ステップs206)。ステップs203でNoの場合、仮想非仮想管理プログラムは仮想非仮想管理表の仮想非仮想ステータスが「未割当」かつ仮想化基盤/OS種別が「未割当」の計算機を検索し(ステップs207)、当該サーバの仮想非仮想ステータスを「非仮想」に更新する(ステップs208)。サーバ提供プログラム1018は、当該計算機をセルフサービスポータルに公開する(ステップs210)。ステップs210を受けて、セルフサービスポータルのサービス管理プログラムはサービス管理情報を更新する(ステップs210)。
【0021】
図17はユーザ管理者向けの監視情報である図11および図12を作成するフローチャートを示す。ここでは、図7の表示項目から監視情報として取得すべき監視項目を決定して図11および図12の表を作成する。セルフサービスポータルでは、ユーザ管理者に貸し出すサーバが仮想か非仮想かは管理しないので、管理計算機から仮想/非仮想の情報を取得する。当処理は図15に示したサービスリソース登録処理と連続して実施してもよい。
【0022】
セルフサービスポータルの監視項目表示プログラムは、サーバを指定し、管理計算機に対して監視情報作成要求をする(ステップs301)。要求を受け取った管理計算機の監視項目管理プログラムはサーバを指定する(ステップs302)。仮想非仮想管理プログラムは仮想非仮想ステータスを判定する(ステップs303)。仮想であると判断された場合(ステップs304のYes)、仮想非仮想管理プログラムはユーザ管理者監視項目管理情報の仮想/非仮想ステータスが「仮想」であるパターンの表示項目を参照して表示項目を指定し、セルフサービスポータルに仮想環境向け監視情報を指示する(ステップs305)。これを受けたセルフサービスポータルの監視項目表示プログラムは仮想環境向け監視項目を表示して、仮想環境向け監視情報を作成する(ステップs307)。非仮想であると判断された場合(ステップs304のNo)、仮想非仮想管理プログラムはユーザ管理者監視項目管理情報の仮想/非仮想ステータスが「非仮想」であるパターンの表示項目を参照して表示項目を指定し、セルフサービスポータルに非仮想環境向け監視項目を指示する(ステップs306)。これを受けたセルフサービスポータルの監視項目表示プログラムは非仮想環境向け監視項目を表示して、仮想環境向け監視情報を作成する(ステップs308)。
ステップs305及びステップs306終了後、監視項目管理プログラムはユーザ管理者監視パターン管理情報を更新する。
これにより、仮想や非仮想の場合において、ユーザ管理者は適切な情報を監視することが可能となる。
【0023】
図18図17で作成した表に、仮想環境におけるユーザ管理者監視情報を取得して出力するフローチャートである。
当処理は図16に示したサービスリソース登録処理と連続して実施してもよい。
【0024】
セルフサービスポータルの監視項目表示プログラムは、サーバ及び監視項目を指定し、管理計算機に対して管理項目取得を要求する(ステップs401)。要求を受け取った管理計算機の監視項目管理プログラムはサーバを指定し、監視パターン管理情報を参照する(ステップs402)。監視項目管理プログラムはユーザ管理者監視項目管理情報の当該パターンを参照し、表示項目からステップs401で指定された項目を指定し、対応する該当インフラ監視項目を指定する(ステップs403)。監視項目管理プログラムは、ユーザ管理者監視項目管理情報を参照し、監視情報1006に記録された管理計算機の監視プログラム1011、1012、1014で取得した情報を用いて表示項目の値を算出する(ステップs404)。監視項目管理プログラムは算出値をセルフサービスポータルに送信する(ステップs405)。算出値を受信したセルフサービスポータルの監視項目表示プログラムは取得結果を監視情報に更新し、出力する(ステップs406)。
【0025】
なお、各計算処理は、集積回路化などして、それを行う処理部としてハードウェアで実現する事もできる。これについては以下の実施例についても同様である。
【実施例2】
【0026】
実施例2は、サービスリソースとして仮想化環境を提供する際、複数のファイルシステムやホストを提供する例を示す。ユーザ管理者は使用用途に応じて、ボリュームやホストを選択したり、クラスタ内の負荷分散設定を変更したりするものとする。
図19は実施例2におけるサービス管理情報2001を示す。実施例1では図10に示すように、サーバ単位で貸し出していたのに対し、実施例2はクラスタやディスクの単位で貸し出す例を示す。
図20は実施例2におけるユーザ管理者監視項目管理情報1003を示す。該当インフラ監視項目は図5及び図6のインフラ監視項目情報から取得する。
ユーザ管理者は決められたホストやディスクを使用するのではなく、複数の中から選択を行うため、図7に加え、インフラ管理者はディスク情報やクラスタ情報も提供することになる。ユーザ管理者はこれら情報を基に、使用するディスクを選択したり、クラスタ内で負荷分散させる際の閾値を設定したりする。
ユーザ管理者監視情報表示処理において、実施例1(図7における仮想環境パターン1)を適用するか、実施例2(図20における仮想環境パターン2)を適用するかは、サービス管理情報でユーザ管理者に対応付けられたコンポーネントから判断してもよい。例えば図10のようにサーバのみが提供されている場合は、仮想環境パターン1を提供し、図19のようにディスクやクラスタまで提供されている場合は仮想環境パターン2を提供する。
【実施例3】
【0027】
実施例1ではインフラ管理者はインフラ監視項目管理情報に登録された全ての項目が取得され、監視情報1006に格納される例を示したが、監視パラメータを取得するのにはシステムに負荷がかかる。また、監視項目が多いとそれだけインフラ管理者の管理工数がかかるという課題がある。
これら考慮し、実施例3では各管理者に必要十分な項目を表示する例を示す。以下の処理を定期的に実施し、インフラ管理者、ユーザ管理者には重複した値を見せない運用とする。なお、インフラ管理者はハードウェアに障害が発生した場合、復旧する必要があるので、インフラ監視項目管理情報1001の種別における稼働情報及びハードウェア情報はユーザ管理者が監視しているかどうかに関わらず取得するものとする。
図21は、インフラ管理者監視項目を設定する処理のフローチャートである。本処理は一定間隔ごとに行ってもよいし、図9の監視パターン管理情報が更新されたタイミングで実施してもよい。サービスリソースを提供している単位で指定し、構成によって、物理サーバ、LPAR又はSMP構成単位で指定する。
管理計算機の監視項目管理プログラムは監視パターン管理情報1005を参照して指定された識別情報の監視項目管理識別情報を指定する(ステップs501)。監視項目管理プログラムはユーザ管理者監視項目管理情報を参照し、当該監視項目管理識別情報に対応する該当インフラ監視項目を指定する(ステップs502)。監視項目管理プログラムは指定された監視項目のうち、種別が「稼働情報」及び「ハードウェア情報」に属する監視項目を除いたものを指定して、監視情報1006から削除する項目と判定する(ステップs503)。監視項目管理プログラムは、監視情報1006から指定された監視項目を削除する(ステップs504)。1011〜1014の監視プログラムはこの監視情報の監視項目に記録された情報のみを取得する。
実施例1と実施例3の運用切り替えは、例えば、セルフサービスポータルの課金システムと連携してもよい。例えば、課金システムと連携して、実施例1の場合はインフラ管理者が全項目を監視する、より信頼性の高い、高価格なシステムとして提供してもよい。
また、以上に記載した実施例では、管理計算機やセルフサービスポータルなどがメモリ上に有するプログラムを実行するという形で説明したが、上記処理を実現するプログラムを、管理計算機やセルフサービスポータルに導入するという形をとってもよい。さらに、このプログラムは、あらかじめ計算機内の記憶装置や外部記憶装置に格納されていても良いし、着脱可能な記憶媒体や通信媒体(有線、無線、光などのネットワーク、又はそのネットワーク上の搬送波やデジタル信号)を介して、必要なときに外部記憶装置に導入されても良い。
【符号の説明】
【0028】
100:管理計算機、200:セルフサービスポータル、700:クラウドインフラシステム、1001:仮想非仮想管理情報、1002:インフラ監視項目管理情報、1003:ユーザ管理者監視項目管理情報、1004:イメージ管理情報、1005:監視パターン管理情報、1006:監視情報、2001:サービス管理情報、2002:仮想環境向け監視情報、2003:非仮想環境向け監視情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図21