特許第6030809号(P6030809)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6030809
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】通信装置及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/28 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   H04L12/28 400
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-514773(P2016-514773)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(86)【国際出願番号】JP2015059198
【審査請求日】2016年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】長川 大介
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−021700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリアンブルと、ペイロードと、を含むフレームを送受信し、前記ペイロードは、宛先の装置を表す値を格納する宛先部、宛先の装置に送られるデータを格納するデータ部及び前記データ部の長さを表す値を格納するデータ長部を含む主部と、伝送エラーに起因する誤り検出を行うための誤り検出符号が格納される誤り検出符号部と、を各々が含む1つ又は複数のサブペイロードを有する、通信装置であって、
1つの装置から受信した受信フレームを、宛先が自装置ではない前記サブペイロードである中継サブペイロードと、宛先が自装置の前記サブペイロードである自装置宛てサブペイロードと、に分離するフレーム受信部と、
前記自装置宛てサブペイロード内の前記誤り検出符号に基づいて、前記自装置宛てサブペイロードの誤り検出を行う誤り検出部と、
前記中継サブペイロードを格納する中継サブペイロード格納部と、
他の装置と一斉に通信を開始する通信開始タイミングを通知する通信開始通知部と、
前記通信開始タイミングが通知されたときに送信フレームの送信中でない場合には、前記プリアンブルと、前記中継サブペイロードと、を含む送信フレームの他の装置への送信を開始し、送信フレームの送信中に前記中継サブペイロード格納部に前記中継サブペイロードが格納された場合には、前記中継サブペイロードの先頭に前記プリアンブルを付加しないで、前記中継サブペイロードを送信中の送信フレームの末尾に付加して送信を継続するフレーム送信部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
自装置が作成した前記主部を格納する送信データ格納部と、
前記主部に付加する前記誤り検出符号を生成する誤り検出符号生成部と、
を更に備え、
前記フレーム送信部は、
前記通信開始タイミングが通知されたときに送信フレームの送信中でない場合には、前記プリアンブルと、前記主部及び前記誤り検出符号部を含む1つ又は複数の自装置発行サブペイロードとを、自装置から遠い宛先の順に結合した送信フレームの他の装置への送信を開始し、送信フレームの送信中に前記送信データ格納部に前記自装置発行サブペイロードが格納された場合には、前記自装置発行サブペイロードを送信中の送信フレームの末尾に付加して送信を継続する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記フレーム送信部は、
送信フレームの送信中であるか否かを、送信中の前記サブペイロードの残りの長さに基づいて判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記フレーム送信部は、
送信フレームの送信中であるか否かを、送信中の前記サブペイロードの送信開始時刻と、送信中の前記サブペイロードの長さと、に基づいて判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記フレーム受信部は、
1つ又は複数の前記サブペイロードの各々の前記宛先部及び前記データ長部に基づいて、1つ又は複数の前記サブペイロードを、前記中継サブペイロードと、前記自装置宛てサブペイロードと、に分離する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項6】
プリアンブルと、ペイロードと、を含むフレームを送受信し、前記ペイロードは、宛先の装置を表す値を格納する宛先部、宛先の装置に送られるデータを格納するデータ部及び前記データ部の長さを表す値を格納するデータ長部を含む主部と、伝送エラーに起因する誤り検出を行うための誤り検出符号が格納される誤り検出符号部と、を各々が含む1つ又は複数のサブペイロードを有する、通信方法であって、
1つの装置から受信した受信フレームを、宛先が自装置ではない前記サブペイロードである中継サブペイロードと、宛先が自装置の前記サブペイロードである自装置宛てサブペイロードと、に分離するフレーム受信工程と、
前記自装置宛てサブペイロード内の前記誤り検出符号に基づいて、前記自装置宛てサブペイロードの誤り検出を行う誤り検出工程と、
前記中継サブペイロードを中継サブペイロード格納部に格納する中継サブペイロード格納工程と、
他の装置と一斉に通信を開始する通信開始タイミングを通知する通信開始通知工程と、
前記通信開始タイミングが通知されたときに送信フレームの送信中でない場合には、前記プリアンブルと、前記中継サブペイロードと、を含む送信フレームの他の装置への送信を開始し、送信フレームの送信中に前記中継サブペイロード格納部に前記中継サブペイロードが格納された場合には、前記中継サブペイロードの先頭に前記プリアンブルを付加しないで、前記中継サブペイロードを送信中の送信フレームの末尾に付加して送信を継続するフレーム送信工程と、
を備えることを特徴とする通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
FA(Factory Automation)ネットワークシステムでは、省配線のために、1つのマスタ装置と複数のスレーブ装置との間をデイジーチェーン(daisy chain)で接続することがある。デイジーチェーン接続されたシステムでは、隣接しない第1の装置と第2の装置との間の通信は、第1の装置と第2の装置との間に位置する装置が通信を中継することで実現される。
【0003】
マスタ装置及び複数のスレーブ装置は、同一周期で繰り返し通信を行う。マスタ装置は、複数のスレーブ装置宛てに指令データを送信する。複数のスレーブ装置は、マスタ装置宛てに応答データを送信する。これら指令データ及び応答データの通信時間が短いほどきめ細かく指令データ及び応答データをやり取りできるので、システムは制御精度を向上できる。
【0004】
通信時間を短縮する方法として、通信データを小さくする方法と、通信に必要なフレーム数を減らす方法と、が一般に行われている。通信に必要なフレーム数を減らす方法では、フレーム毎に必要であるデータを減らすことができるので、通信時間が短縮される。フレーム毎に必要であるデータは、フレームの開始を示すプリアンブル(Preamble)又はフレームの誤り検出及び訂正を行うために付加される符号であるフレームチェックシーケンス(Frame Check Sequence、FCS)が例示される。
【0005】
関連する技術として、下記の特許文献1には、マスターノードと複数の端末ノードとがデイジーチェーン接続された通信システムにおいて、各端末ノードは、マスターノードから送信された制御データを後段の下流ノードに中継転送する際には、自ノードに対するコマンドフィールドを削除して、二番目以降のコマンドフィールドを一つずつ前詰めにする形にしてから中継転送を行うことが記載されている(段落0029)。
【0006】
また、下記の特許文献2には、コントローラとアンプとがライン型に接続されたシステムにおいて、各アンプは、コントローラから複数のサーボアンプへの指令データ領域を含むフレームを上位のアンプから受信し、自アンプ宛て指令データ領域が取り除かれたフレームを下位のアンプに送信することが記載されている(段落0039から段落0040)。
【0007】
また、下記の特許文献3には、数値制御装置と複数のアンプとがデイジーチェーン接続されたシステムにおいて、各アンプは、送信開始コードを上流のアンプに送信し、自己のアンプデータに続いて下流のアンプから受信した下流のアンプのアンプデータを上流のアンプに送信する(段落0013)。そして、各アンプは、自己のアンプデータの送信完了までに下流のアンプのアンプデータを受信できない場合は、自己のアンプデータの送信後且つ下流のアンプからのアンプデータを受信するまでの間、アイドルタイムデータを上流のアンプに送信し、その後下流のアンプのアンプデータを上流のアンプに送信する(段落0028)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−21700号公報
【特許文献2】特開2011−160018号公報
【特許文献3】特開2008−135855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び2記載の技術によれば、フレームのサイズが小さくなるので、通信時間を短縮することができる。しかしながら、特許文献1及び2記載の技術では、各装置が、上流の装置から受信したフレームの中から自装置宛てのデータを取り除くので、フレームの内容及び長さが変わる。しかしながら、特許文献1及び2記載の技術では、上流の装置から受信したフレームの中から自装置宛てのデータを取り除いた後のフレームの誤り検出については考慮されていない。従って、特許文献1及び2記載の技術では、伝送エラーに起因するデータの誤りを検出することが出来ないので、正常な制御が出来なくなる可能性がある。
【0010】
また、特許文献3記載の技術では、アイドルタイムデータを送信するので、通信時間が長くなる。また、特許文献3記載の技術では、各アンプが、自己のアンプデータに続いてアイドルタイムデータ及び下流のアンプデータを送信する。しかしながら、特許文献3記載の技術では、自己のアンプデータ、アイドルタイムデータ及び下流のアンプデータの誤り検出については考慮されていない。従って、特許文献3記載の技術では、伝送エラーに起因するデータの誤りを検出することが出来ないので、正常な制御が出来なくなる可能性がある。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、通信時間を短縮するとともに、誤り検出を行うことができる通信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プリアンブルと、ペイロードと、を含むフレームを送受信し、ペイロードは、宛先の装置を表す値を格納する宛先部、宛先の装置に送られるデータを格納するデータ部及びデータ部の長さを表す値を格納するデータ長部を含む主部と、伝送エラーに起因する誤り検出を行うための誤り検出符号が格納される誤り検出符号部と、を各々が含む1つ又は複数のサブペイロードを有する、通信装置であって、1つの装置から受信したフレームを、宛先が自装置ではないサブペイロードである中継サブペイロードと、宛先が自装置のサブペイロードである自装置宛てサブペイロードと、に分離するフレーム受信部と、自装置宛てサブペイロード内の誤り検出符号に基づいて、自装置宛てサブペイロードの誤り検出を行う誤り検出部と、中継サブペイロードを格納する中継サブペイロード格納部と、他の装置と一斉に通信を開始する通信開始タイミングを通知する通信開始通知部と、通信開始タイミングが通知されたときにフレームの送信中でない場合には、プリアンブルと、中継サブペイロードと、を含むフレームの他の装置への送信を開始し、フレームの送信中に中継サブペイロード格納部に中継サブペイロードが格納された場合には、中継サブペイロードを送信中のフレームの末尾に付加して送信を継続するフレーム送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明にかかる通信装置は、通信時間を短縮するとともに、誤り検出を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかる通信システムの構成を示す図
図2】実施の形態1にかかる通信システムで送受信されるフレームを示す図
図3】実施の形態1にかかる通信システムで送受信されるサブペイロードを示す図
図4】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の構成を示す図
図5】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の受信時の処理を示すフローチャート
図6】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の送信時の処理を示すフローチャート
図7】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第1送信処理を示すフローチャート
図8】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第2送信処理を示すフローチャート
図9】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の送信時の処理を示すフローチャート
図10】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第3送信処理を示すフローチャート
図11】実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第4送信処理を示すフローチャート
図12】実施の形態1にかかる通信システムの通信動作を示すシーケンス図
図13】実施の形態1にかかる通信システムの通信動作を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態にかかる通信装置及び通信方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる通信システムの構成を示す図である。通信システム1は、制御装置M,S1,S2及びS3を含む。制御装置Mは、ケーブルC1を介して、制御装置S1に接続されている。制御装置S1は、ケーブルC2を介して、制御装置S2に接続されている。制御装置S2は、ケーブルC3を介して、制御装置S3に接続されている。つまり、制御装置M,S1,S2及びS3は、デイジーチェーン接続されている。
【0017】
制御装置M,S1,S2及びS3は、制御装置M側から制御装置S3へ向かう矢印15方向への通信を行う期間と、制御装置S3側から制御装置Mへ向かう矢印16方向への通信を行う期間と、を有する。実施の形態1では、矢印15方向を下流方向と称する場合があり、矢印16方向を上流方向と称する場合がある。
【0018】
制御装置M,S1,S2及びS3の送信開始タイミングは同期しており、制御装置M,S1,S2及びS3は、下流方向15への通信を行う期間で送信開始タイミングになったら、下流方向15への送信を一斉に開始する。一方、制御装置M,S1,S2及びS3は、上流方向16への通信を行う期間で送信開始タイミングになったら、上流方向16への送信を一斉に開始する。
【0019】
制御装置Mは、制御装置S1,S2及びS3を制御するマスタ制御装置である。制御装置Mは、プログラマブルコントローラ(JIS B 3502:2011、programmable controllers(PLC))が例示される。制御装置Mは、制御装置S1,S2及びS3と通信を行う通信部Maと、制御装置S1,S2及びS3を制御する制御演算を行う制御部Mbと、を含む。
【0020】
制御装置S1は、制御装置Mの制御下で動作するスレーブ制御装置である。制御装置S1は、サーボアンプが例示される。制御装置S1は、制御装置M,S2及びS3と通信を行う通信部S1aと、モータ11を駆動する駆動部S1bと、を含む。
【0021】
制御装置S2は、制御装置Mの制御下で動作するスレーブ制御装置である。制御装置S2は、サーボアンプが例示される。制御装置S2は、制御装置M,S1及びS3と通信を行う通信部S2aと、モータ12を駆動する駆動部S2bと、を含む。
【0022】
制御装置S3は、制御装置Mの制御下で動作するスレーブ制御装置である。制御装置S3は、サーボアンプが例示される。制御装置S3は、制御装置M,S1及びS2と通信を行う通信部S3aと、モータ13を駆動する駆動部S3bと、を含む。
【0023】
図2は、実施の形態1にかかる通信システムで送受信されるフレームを示す図である。フレーム20は、フレーム20の始まりを表す予め定められたパターンのビット列であるプリアンブル21と、データが格納されるペイロード22と、を含む。
【0024】
実施の形態1では、ペイロード22は、1つ又は複数のブロックで構成される。実施の形態1では、ペイロード22を構成する1つ又は複数のブロックの各々を、サブペイロード23と称する。
【0025】
図3は、実施の形態1にかかる通信システムで送受信されるサブペイロードを示す図である。サブペイロード23は、主部24と、伝送エラーに起因するサブペイロード23の誤り検出を行うための誤り検出符号が格納される誤り検出符号部25と、を含む。誤り検出符号は、チェックサム又は巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check、CRC)が例示される。なお、誤り検出符号は、誤り検出に加えて誤り訂正をも行うための誤り訂正符号であっても良い。誤り訂正符号は、巡回符号(Cyclic code)又は畳み込み符号(Convolutional code)が例示される。
【0026】
主部24は、宛先部26と、データ長部27と、データ部28と、を含む。宛先部26は、サブペイロード23の宛先の装置を表す値を格納する。データ部28は、宛先の装置に送られるデータを格納する。データ長部27は、データ部28の長さを表す値を格納する。サブペイロード23は、ある1つの装置を宛先とする信号の単位である。
【0027】
宛先部26、データ長部27及び誤り検出符号部25の各々は、固定長であり、データ部28は、可変長である。データ部28の長さは、データ長部27に格納されている。従って、通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、データ長部27を参照することにより、サブペイロード23の長さを得ることができる。
【0028】
再び図2を参照すると、ペイロード22は、1つ又は複数のサブペイロード23を含む。1つのペイロード22に含まれる1つ又は複数のサブペイロード23の各々の宛先は、同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0029】
図4は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の構成を示す図である。実施の形態1では、通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、同一の構成を有する。
【0030】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、1つの装置から受信したフレーム20を、宛先が自装置ではないサブペイロードである中継サブペイロード23と、宛先が自装置のサブペイロードである自装置宛てサブペイロード23と、に分離するフレーム受信部31を含む。
【0031】
フレーム受信部31は、1つ又は複数の中継サブペイロード23を中継サブペイロード格納部33に格納する。
【0032】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、自装置宛てサブペイロード23内の誤り検出符号に基づいて、自装置宛てサブペイロード23の誤り検出を行う誤り検出部32を含む。誤り検出部32は、誤り結果及び自装置宛てサブペイロード23内の主部24を、制御部Mb又は駆動部S1b,S2b若しくはS3bに送る。
【0033】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、中継サブペイロード23を格納する中継サブペイロード格納部33を含む。
【0034】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、他の装置と一斉に通信を開始する通信開始タイミングを通知する通信開始通知部34を含む。
【0035】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、プリアンブル21を格納するプリアンブル格納部35を含む。
【0036】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、自装置の制御部Mb又は駆動部S1b,S2b若しくはS3bが作成した主部24を格納する送信データ格納部36を含む。
【0037】
制御部Mb又は駆動部S1b,S2b若しくはS3bは、1つ又は複数の主部24を送信データ格納部36に自装置から遠い宛先の順に格納すると好ましい。これにより、フレーム送信部38は、送信データ格納部36の先頭から順に読み出すだけで、自装置が他装置に宛てて発行する自装置発行サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に作成することができる。
【0038】
制御装置M,S1,S2及びS3が、自装置から遠い宛先の順に自装置発行サブペイロード23を結合したフレーム20を送信することにより、次の効果が得られる。
【0039】
仮に、制御装置Mが、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信するとしたならば、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を直ぐに行うことができない。つまり、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信するまで、中継サブペイロード23の送信を開始できないことになる。従って、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了が後ろにずれ込み、通信時間が長くなってしまう。
【0040】
一方、制御装置Mは、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。
【0041】
従って、制御装置S1は、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の制御装置S2への送信を行うことができる。これにより、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了を前倒しすることができ、通信時間を短縮することができる。
【0042】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、主部24に付加する誤り検出符号部25を生成する誤り検出符号生成部37を含む。誤り検出符号生成部37は、送信データ格納部36に主部24が格納されたら、格納された主部24を参照して、誤り検出符号部25を生成する。
【0043】
通信部Ma,S1a,S2a及びS3aは、通信開始タイミングが通知されたときにフレーム20の送信中でない場合には、プリアンブル21と、中継サブペイロード23と、を含むフレーム20の他の装置への送信を開始し、フレーム20の送信中に中継サブペイロード格納部33に中継サブペイロード23が格納された場合には、中継サブペイロード23を送信中のフレーム20の末尾に付加して送信を継続するフレーム送信部38を含む。
【0044】
図5は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の受信時の処理を示すフローチャートである。フレーム受信部31は、ステップS100において、受信したフレーム20のペイロード22内の1つ又は複数のサブペイロード23を、宛先が自装置である自装置宛てサブペイロード23と、宛先が自装置ではない中継サブペイロード23と、に分離する。
【0045】
フレーム受信部31は、1つ又は複数のサブペイロード23の各々の宛先部26を参照することにより、1つ又は複数のサブペイロード23の各々の宛先を得ることができる。また、フレーム受信部31は、1つ又は複数のサブペイロード23の各々のデータ長部27を参照することにより、1つ又は複数のサブペイロード23の各々の長さを得ることができる。
【0046】
従って、フレーム受信部31は、1つ又は複数のサブペイロード23の各々の宛先部26及びデータ長部27に基づいて、1つ又は複数のサブペイロード23を、自装置宛てサブペイロード23と、中継サブペイロード23と、に分離することができる。フレーム受信部31は、自装置宛てサブペイロード23を誤り検出部25に送り、中継サブペイロード23を中継サブペイロード格納部33に格納する。
【0047】
制御装置M,S1,S2及びS3が、自装置から遠い宛先の順に自装置発行サブペイロード23を結合したフレーム20を送信することにより、次の効果が得られる。
【0048】
仮に、制御装置Mが、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信するとしたならば、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を直ぐに行うことができない。つまり、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信するまで、中継サブペイロード23の送信を開始できないことになる。従って、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了が後ろにずれ込み、通信時間が長くなってしまう。
【0049】
一方、制御装置Mは、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。
【0050】
従って、制御装置S1は、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の制御装置S2への送信を行うことができる。これにより、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了を前倒しすることができ、通信時間を短縮することができる。
【0051】
誤り検出部32は、ステップS102において、自装置宛てサブペイロード23の誤り検出を行う。誤り検出部32は、誤り検出結果及び自装置宛てサブペイロード23内の主部24を、制御部Mb又は駆動部S1b、S2b若しくはS3bに送る。
【0052】
図6は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の送信時の処理を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、制御装置M,S1,S2及びS3の各々が、自装置が他装置に宛てて発行する自装置発行サブペイロード23を送信する場合の、制御装置M,S1,S2及びS3の通信部Ma,S1a,S2a及びS3aの送信時の処理を示す。
【0053】
フレーム送信部38は、通信開始通知部34から通信開始タイミングの通知を受けたときに、送信データ格納部36に主部24が格納されていたら、図6に示す処理を実行する。
【0054】
フレーム送信部38は、ステップS200において、フレーム20の送信中であるか否かを判定する。フレーム送信部38は、フレーム20の送信中ではないとステップS200で判定したら(No)、処理をステップS202に進め、フレーム20の送信中であると判定したら(Yes)、処理をステップS204に進める。
【0055】
フレーム送信部38は、フレーム20の送信中であるか否かを、送信中のサブペイロード23の残りの長さに基づいて判定することとしても良い。フレーム送信部38は、主部24を送信データ格納部36から、誤り検出符号部25を誤り検出符号生成部37から、夫々読み取って、自装置発行サブペイロード23を作成する。フレーム送信部38が自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間をT0とする。フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の残りの長さを予め判っている通信速度で除した送信残り時間T1が処理時間T0より大きければ、フレーム20の送信中であると判定することができる。これにより、フレーム送信部38は、自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間を考慮して、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0056】
また、フレーム送信部38は、フレーム20の送信中であるか否かを、送信中のサブペイロード23の送信開始時刻と、送信中のサブペイロード23の長さと、に基づいて判定することとしても良い。フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の長さを通信速度で除した送信時間T2を、送信中のサブペイロード23の送信開始時刻T3に加えた送信終了予定時刻T4が、現在時刻に処理時間T0を加えた時刻より後であれば、フレーム20の送信中であると判定することができる。これにより、フレーム送信部38は、自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間を考慮して、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0057】
フレーム送信部38は、ステップS202において、第1送信処理サブルーチンを実行する。
【0058】
図7は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第1送信処理を示すフローチャートである。
【0059】
フレーム送信部38は、ステップS210において、プリアンブル21をプリアンブル格納部35から読み出す。
【0060】
フレーム送信部38は、ステップS212において、1つ又は複数の主部24を送信データ格納部36から、1つ又は複数の誤り検出符号部25を誤り検出符号生成部37から、自装置から遠い宛先の順に夫々読み出して、1つ又は複数の自装置発行サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に作成する。
【0061】
なお、制御部Mb又は駆動部S1b,S2b若しくはS3bが、1つ又は複数の主部24を送信データ格納部36に自装置から遠い宛先の順に格納すると好ましい。これにより、フレーム送信部38は、送信データ格納部36の先頭から順に読み出すだけで、自装置が他装置に宛てて発行する自装置発行サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に作成することができる。
【0062】
制御装置M,S1,S2及びS3が、自装置から遠い宛先の順に自装置発行サブペイロード23を結合したフレーム20を送信することにより、次の効果が得られる。
【0063】
仮に、制御装置Mが、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信するとしたならば、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を直ぐに行うことができない。つまり、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信するまで、中継サブペイロード23の送信を開始できないことになる。従って、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了が後ろにずれ込み、通信時間が長くなってしまう。
【0064】
一方、制御装置Mは、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。
【0065】
従って、制御装置S1は、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の制御装置S2への送信を行うことができる。これにより、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了を前倒しすることができ、通信時間を短縮することができる。
【0066】
フレーム送信部38は、ステップS214において、プリアンブル21並びに1つ又は複数の自装置発行サブペイロード23を、自装置から遠い宛先の順に結合したフレーム20を送信する。
【0067】
再び図6を参照すると、フレーム送信部38は、ステップS204において、第2送信処理サブルーチンを実行する。
【0068】
図8は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第2送信処理を示すフローチャートである。
【0069】
フレーム送信部38は、ステップS220において、1つ又は複数の主部24を送信データ格納部36から、1つ又は複数の誤り検出符号部25を誤り検出符号生成部37から、自装置から遠い宛先の順に夫々読み出して、1つ又は複数の自装置発行サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に作成する。
【0070】
フレーム送信部38は、ステップS222において、送信中のフレーム20の末尾に、1つ又は複数の自装置発行サブペイロード23を、自装置から遠い宛先の順に付加し、送信を継続する。これにより、送信中のフレーム20が長くなる。
【0071】
図9は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の送信時の処理を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、制御装置M,S1,S2及びS3の各々が、中継サブペイロード23を転送する場合の、制御装置M,S1,S2及びS3の通信部Ma,S1a,S2a及びS3aの送信時の処理を示す。
【0072】
フレーム送信部38は、通信開始通知部34から通信開始タイミングの通知を受けたときに、中継サブペイロード格納部33に1つ又は複数の中継サブペイロード23が格納されていたら、図9に示す処理を実行する。
【0073】
フレーム送信部38は、ステップS230において、フレーム20の送信中であるか否かを判定する。フレーム送信部38は、フレーム20の送信中ではないとステップS230で判定したら(No)、処理をステップS232に進め、フレーム20の送信中であると判定したら(Yes)、処理をステップS234に進める。
【0074】
フレーム送信部38は、ステップS232において、第3送信処理サブルーチンを実行する。
【0075】
図10は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第3送信処理を示すフローチャートである。
【0076】
フレーム送信部38は、ステップS240において、プリアンブル21をプリアンブル格納部35から読み出す。
【0077】
フレーム送信部38は、ステップS242において、1つ又は複数の中継サブペイロード23を中継サブペイロード格納部33から読み出す。
【0078】
フレーム送信部38は、ステップS244において、プリアンブル21並びに1つ又は複数の中継サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に結合したフレーム20を送信する。
【0079】
再び図9を参照すると、フレーム送信部38は、ステップS234において、第4送信処理サブルーチンを実行する。
【0080】
図11は、実施の形態1にかかる制御装置の通信部の第4送信処理を示すフローチャートである。
【0081】
フレーム送信部38は、ステップS250において、1つ又は複数の中継サブペイロード23を中継サブペイロード格納部33から読み出す。
【0082】
フレーム送信部38は、ステップS252において、送信中のフレーム20の末尾に、1つ又は複数の中継サブペイロード23を自装置から遠い宛先の順に付加し、送信を継続する。これにより、送信中のフレーム20が長くなる。
【0083】
図12は、実施の形態1にかかる通信システムの通信動作を示すシーケンス図である。図12に示すシーケンス図は、下流方向15への通信を行う期間における通信システム1の動作を示す。
【0084】
制御装置M,S1,S2及びS3は、タイミングt0において、下流方向15への通信を一斉に開始する。
【0085】
制御装置Mは、タイミングt0において、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を含むフレーム20の制御装置S1への送信を開始する。
【0086】
制御装置Mは、制御装置Mから遠い宛先の順、つまり制御装置S3、制御装置S2及び制御装置S1の順に、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。
【0087】
制御装置S1は、タイミングt0において、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置S2への送信を開始する。
【0088】
制御装置S2は、タイミングt0において、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置S3への送信を開始する。
【0089】
制御装置S1は、タイミングt1において、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23の送信を終了するが、この時点で、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の主部24の受信を開始している。従って、制御装置S1は、送信中のフレーム20の末尾に、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を付加し、送信中のフレーム20を長くして、送信を継続する。
【0090】
制御装置S1は、タイミングt2において、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を終了するが、この時点で、制御装置Mが発行し制御装置S2を宛先とするサブペイロード23の主部24の受信を開始している。従って、制御装置S1は、送信中のフレーム20の末尾に、制御装置Mが発行し制御装置S2を宛先とする中継サブペイロード23を付加し、送信中のフレーム20を長くして、送信を継続する。
【0091】
制御装置S2は、タイミングt3において、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23の送信を終了するが、この時点で、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の主部24の受信を終了していない。従って、制御装置S2は、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の主部24の受信を終了するまで、通信を行わない。制御装置S2は、通信を行わない間、ローレベル又はハイレベルの信号を制御装置S3に送信することとしても良い。
【0092】
制御装置S2は、タイミングt4において、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の主部24の受信を開始する。従って、制御装置S2は、タイミングt5において、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を含むフレーム20の送信を開始する。
【0093】
上記したように、実施の形態1によれば、制御装置S1は、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23と、制御装置Mが発行し制御装置S2を宛先とする中継サブペイロード23と、を含む1つのフレーム20を送信することができる。つまり、制御装置S1は、送信するフレーム20の数を減らすことができる。即ち、制御装置S1は、プリアンブルの数を減らすことができる。従って、制御装置S1は、プリアンブルを減らした分だけ、通信時間を短縮することができる。
【0094】
また、実施の形態1によれば、制御装置Mが、制御装置Mから遠い宛先の順、つまり制御装置S3、制御装置S2及び制御装置S1の順に、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信することにより、次の効果が得られる。
【0095】
仮に、制御装置Mが、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信するとしたならば、制御装置S1は、タイミングt1において、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を行うことができない。つまり、制御装置S1は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信するまで、中継サブペイロード23の送信を開始できないことになる。従って、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了が後ろにずれ込み、通信時間が長くなってしまう。
【0096】
一方、実施の形態1によれば、制御装置Mは、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。
【0097】
従って、実施の形態1によれば、制御装置S1は、タイミングt1で、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の制御装置S2への送信を行うことができる。これにより、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了を前倒しすることができ、通信時間を短縮することができる。
【0098】
また仮に、制御装置Mが、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信するとしたならば、制御装置S2は、タイミングt4において、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の送信を行うことができない。つまり、制御装置S2は、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信するまで、中継サブペイロード23の送信を開始できないことになる。従って、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了が後ろにずれ込み、通信時間が長くなってしまう。
【0099】
一方、実施の形態1によれば、制御装置Mは、制御装置S3を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S1を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、を順に結合したフレーム20を、制御装置S1へ送信する。そして、制御装置S1は、制御装置S2を宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23と、制御装置S2を宛先とする中継サブペイロード23と、を含むフレーム20を制御装置S2に送信する。
【0100】
従って、実施の形態1によれば、制御装置S2は、タイミングt4で、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、制御装置Mが発行し制御装置S3を宛先とする中継サブペイロード23の制御装置S3への送信を行うことができる。これにより、制御装置M,S1,S2及びS3の通信の終了を前倒しすることができ、通信時間を短縮することができる。
【0101】
また、実施の形態1によれば、制御装置M,S1,S2及びS3が、自装置発行サブペイロード23内に誤り検出符号部25を付加することで、次の効果が得られる。
【0102】
制御装置S1及びS2は、自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の送信中に、他装置から中継サブペイロード23を受信したら、送信中のフレーム20の末尾に、中継サブペイロード23を付加する。つまり、フレーム20の内容及び長さは、動的に変化する。
【0103】
一般に、伝送エラーに起因する誤りを検出するために、フレーム作成時に、フレームチェックシーケンスがフレームの末尾に付加される。しかしながら、ある装置がフレームの末尾まで受信する前に、自局からのフレーム送信を完了してしまうので、受信フレームのフレームチェックシーケンスに誤りがあっても、それを通知することができない。
【0104】
一方、実施の形態1によれば、制御装置M,S1,S2及びS3が、自装置発行サブペイロード23内に誤り検出符号部25を付加するので、宛先の装置は、誤り検出符号部25を参照して、自装置宛てサブペイロード23の誤りを検出することができる。
【0105】
フレーム送信部38は、フレーム20の送信中であるか否かを、送信中のサブペイロード23の残りの長さに基づいて判定することとしても良い。フレーム送信部38は、主部24を送信データ格納部36から、誤り検出符号部25を誤り検出符号生成部37から、夫々読み取って、自装置発行サブペイロード23を作成する。フレーム送信部38が自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間をT0とする。フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の残りの長さを予め判っている通信速度で除した送信残り時間T1が処理時間T0より大きければ、フレーム20の送信中であると判定することができる。これにより、フレーム送信部38は、自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間を考慮して、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0106】
また、フレーム送信部38は、フレーム20の送信中であるか否かを、送信中のサブペイロード23の送信開始時刻と、送信中のサブペイロード23の長さと、に基づいて判定することとしても良い。フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の長さを通信速度で除した送信時間T2を、送信中のサブペイロード23の送信開始時刻T3に加えた送信終了予定時刻T4が、現在時刻に処理時間T0を加えた時刻より後であれば、フレーム20の送信中であると判定することができる。これにより、フレーム送信部38は、自装置発行サブペイロード23の作成に要する処理時間を考慮して、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0107】
また、実施の形態1によれば、フレーム送信部38は、フレーム20の送信中か否かを、送信中のサブペイロード23の残りの長さ又は送信中のサブペイロード23の送信開始時刻と送信中のサブペイロード23の長さと、に基づいて判定することができる。
【0108】
フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の残りの長さを通信速度で除した送信残り時間T1が自装置発行サブペイロード23の作成処理時間T0より大きければ、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0109】
また、フレーム送信部38は、送信中のサブペイロード23の長さを通信速度で除した送信時間T2を、送信中のサブペイロード23の送信開始時刻T3に加えた送信終了予定時刻T4が、現在時刻に処理時間T0を加えた時刻より後であれば、フレーム20の送信中であると判定することができる。
【0110】
これにより、フレーム送信部38は、自装置発行サブペイロード23の作成処理時間を考慮して、サブペイロード23を送信中のフレーム20の末尾に付加するか否かを好適に判定することができる。
【0111】
図13は、実施の形態1にかかる通信システムの通信動作を示すシーケンス図である。図13に示すシーケンス図は、上流方向16への通信を行う期間における通信システム1の動作を示す。
【0112】
制御装置S1,S2及びS3は、タイミングt10において、上流方向16への通信を一斉に開始する。
【0113】
制御装置S1は、タイミングt10において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置Mへの送信を開始する。
【0114】
制御装置S2は、タイミングt10において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置S1への送信を開始する。
【0115】
制御装置S3は、タイミングt10において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置S2への送信を開始する。
【0116】
制御装置S1は、タイミングt11において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23の送信を終了するが、この時点で、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23の主部24の受信を開始している。従って、制御装置S1は、送信中のフレーム20の末尾に、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を付加し、送信中のフレーム20を長くして、送信を継続する。
【0117】
制御装置S2は、タイミングt12において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の制御装置S1への送信を終了する。
【0118】
制御装置S1は、タイミングt13において、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23と、を含むフレーム20の制御装置Mへの送信を終了する。
【0119】
制御装置S2は、タイミングt14において、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23の受信を開始する。そして、制御装置S2は、タイミングt15において、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を含む新たなフレーム20の制御装置S1への送信を開始する。
【0120】
制御装置S1は、タイミングt16において、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23の受信を開始する。そして、制御装置S1は、タイミングt17において、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を含む新たなフレーム20の制御装置Mへの送信を開始する。
【0121】
上記したように、実施の形態1によれば、次の効果が得られる。
【0122】
一般に、通信の物理層には、最大フレーム長が規定されている。そのため、仮に、制御装置S1が、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23と、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23と、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23と、を1つのフレーム20にしたならば、フレーム20の長さが最大フレーム長を超えてしまう可能性がある。
【0123】
一方、実施の形態1によれば、制御装置S1は、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の送信中に、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を受信したら、送信中のフレーム20の末尾に、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を付加し、送信中のフレーム20を長くして、送信を継続する。
【0124】
他方、制御装置S1は、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を送信中に、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を含むフレーム20を受信したとしても、送信中のフレーム20のフレーム長が最大フレーム長を超えてしまう場合、送信中のフレーム20を長くしないで、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を含む新たなフレーム20を制御装置Mに送信する。
【0125】
従って、実施の形態1によれば、制御装置S1は、制御装置Mを宛先とする自装置発行サブペイロード23を含むフレーム20の末尾に、制御装置S2が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を付加することによる、プリアンブル分の通信時間の短縮と、制御装置S3が発行し制御装置Mを宛先とする中継サブペイロード23を新たなフレーム20とすることによる、最大フレーム長を超えてしまうことを抑制すること、との両立を図ることができる。
【0126】
また、実施の形態1によれば、制御装置S1は、タイミングt13からタイミングt17までの間、特許文献3記載の技術のようなアイドルタイムデータの送信を行わない。従って、制御装置S1は、アイドルタイムデータを作成する構成が不要になるという効果を奏する。
【0127】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【符号の説明】
【0128】
1 通信システム、M,S1,S2,S3 制御装置、Ma,S1a,S2a,S3a 通信部、31 フレーム受信部、32 誤り検出部、33 中継サブペイロード格納部、34 通信開始通知部、35 プリアンブル格納部、36 送信データ格納部、37 誤り検出符号生成部、38 フレーム送信部。
【要約】
1つの装置から受信したフレームを、宛先が自装置ではない中継サブペイロードと、宛先が自装置の自装置宛てサブペイロードと、に分離するフレーム受信部と、自装置宛てサブペイロード内の誤り検出符号に基づいて、誤り検出を行う誤り検出部と、中継サブペイロードを格納する中継サブペイロード格納部と、他の装置と一斉に通信を開始する通信開始タイミングを通知する通信開始通知部と、通信開始タイミングが通知されたときにフレームの送信中でない場合には、プリアンブルと、中継サブペイロードと、を含むフレームの他の装置への送信を開始し、フレームの送信中に中継サブペイロード格納部に中継サブペイロードが格納された場合には、中継サブペイロードを送信中のフレームの末尾に付加して送信を継続するフレーム送信部と、を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13