(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載のフィルム状物の製造方法により得られたフィルム状物を、未延伸のままかあるいはさらに延伸する、位相差フィルム、偏光板保護フィルムまたは反射防止フィルムの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のフィルム状物に用いられるポリカーボネート樹脂は、前記環状アセタール系ジオール類(A)を含むジオール成分を溶融重合する際に、前記(A)成分中に残留するメタンスルホン酸イオンの含有量が8.0ppm以下のものを用いることを特徴とするものである。
【0013】
(環状アセタールジオール類)
本発明で用いられる環状アセタールジオール類は、前記(A)式で表される。具体的には、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ジエチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ジプロピル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。そして、特に、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(以下スピログリコールと略す)が好ましい。
【0014】
本発明においては、前記(A)成分中のメタンスルホン酸イオンの含有量が8.0ppm以下、好ましくは6.0ppm以下、さらに好ましくは3.0ppm以下のものを用いることを特徴とする。メタンスルホン酸イオンの含有量が8.0ppmを超える場合は、重合時の熱により環状アセタール骨格部分が加水分解され、三官能もしくは四官能の水酸基が生成し、重合中に架橋反応が起こるためゲル化が進行して問題となる。なお、ギ酸イオンや硫酸イオン等の陰イオン成分もゲル化に影響するため、これらの含有量も併せて10.0ppm以下、さらに8.0ppm以下とすることが好ましい。
【0015】
メタンスルホン酸イオンの含有量が上限以下となる前記(A)成分を得るための方法は特に制限されないが、洗浄、蒸留、再結晶などの精製方法を必要に応じて複数回繰り返したり、これらを組み合わせることにより達成できる。なかでも、前記(A)成分を溶媒に加熱溶解後、冷却して得られた再結晶を濾別し、次いでイオン交換水で洗浄する方法が特に有効である。
【0016】
ここで用いられる再結晶溶媒としては、前記(A)成分の溶解度が高温において十分に高く、且つ室温付近での溶解度が十分低いものであることが好ましく、さらにこの再結晶の操作によって樹脂の着色成分が除去されるものであればさらに好ましい。このような特性を持つ溶媒としては、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、芳香族炭化水素等が挙げられる。特に好ましい再結晶溶媒としてはアルコール類であり、さらに好ましくは炭素原子数が1〜10のアルコールである。また、上記の溶媒を2種以上、混合して用いることもできる。
【0017】
再結晶は公知の方法で実施することができ、原料(A)成分の純度等に応じて2回以上の多数回の再結晶を実施しても良い。再結晶で得られた結晶は、濾過し、洗浄する。洗浄する溶媒としては、イオン交換水、アルコール、エステル、ケトン、芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの中でも、イオン交換水はよりメタンスルホン酸イオンをはじめとする陰イオン成分を効率的に除去することができるため好ましい。その後、適当な方法で乾燥し、溶融重合の原料として用いる。
【0018】
再結晶工程中に吸着剤と接触させる工程を含ませることにより、さらにイオン不純物を低減することができる。すなわち、環状アセタール系ジオール類を溶媒に溶解後、吸着剤と接触させる。その方法としては、溶液中に吸着剤を添加し撹拌を行うバッチ法、カラム中に充填した吸着剤層に溶液を通す流通法のいずれによっても好適に実施される。
【0019】
吸着剤としては、活性炭、アルミナ、シリカ、ゼオライト、等が好適に使用されるが、活性炭が特に好ましい。吸着処理を行った溶液から濾過などの方法により吸着剤を完全に除去した後は、上述した通常の再結晶により環状アセタール系ジオール類の結晶が得られる。
【0020】
また、水洗浄工程を入れることにより、特にメタンスルホン酸イオン等の水溶性イオン不純物を低減することができる。すなわち、前記(A)成分をイオン交換水に接触させ、遠心分離機などで脱水させる方法がある。水洗浄は公知の方法で実施することができ、原料(A)成分の純度等に応じて2回以上の多数回の水洗浄や温水での洗浄を実施すると更にメタンスルホン酸イオン等のイオン不純物を低減することができる。
【0021】
(芳香族ジオール類)
本発明で用いられる芳香族ジオール類(B)は、前記(B)式で表される。
前記(B)式のR
5およびR
6は夫々独立して、水素原子、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基またはハロゲン原子を示す。かかる炭化水素基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。一方、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。mおよびnは、夫々独立して0〜4の整数を示す。
【0022】
またR
7およびR
8は夫々独立して、炭素原子数1〜10の芳香族基を含んでもよい炭化水素基を示す。かかる炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基、より好ましくはエチレン基である。
【0023】
pおよびqは、それぞれ−(R
7−O)−および−(O−R
8)−の繰り返しの数を表す。pおよびqは、夫々独立して、0〜20の整数、好ましくは0〜12の整数、さらに好ましくは0〜8の整数、特に好ましくは0〜4の整数、最も好ましくは0または1である。
【0024】
Wは前記(B1)式で表され、ここでR
9とR
10はそれぞれ、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数6〜12のアリール基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数7〜17のアラルキル基を表す。また、R
9とR
10が結合して炭素環または複素環を形成しても良い。
【0025】
またR
11およびR
12は夫々独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基又は炭素原子数6〜12アリール基を表す。R
13は1〜9のアルキレン基である。aは0〜20の整数を表し、bは1〜500の整数を表す。
【0026】
具体的には、通常ポリカーボネート樹脂のジオール成分として使用されているものであればよく、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールE)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(ビスフェノールM)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンなどが挙げられる。これらは2種類以上併用して用いても良い。なかでもビスフェノールA、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、ビスフェノールZ、ビスフェノールC、ビスフェノールE、ビスフェノールM、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンが好ましく、特にビスフェノールA、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが好ましい。
【0027】
(脂肪族ジオール類)
本発明で用いられる脂肪族ジオール類は、前記(Ca)または(Cb)式で表され、脂肪族直鎖ジオール類や脂環式ジオール類が挙げられる。例えば脂肪族直鎖ジオール類としては、炭素原子数は20以下2以上であり、好ましくは10以下2以上、特に好ましくは6以下3以上である。この値が大きくなると、耐熱性が低くなったり、コストが高価だったりする。また、脂環式ジオール類としては、特に限定されないが、通常5員環構造又は6員環構造を含む化合物が用いられる。5員環構造、6員環構造を含むことにより耐熱性を高くすることができる。また、6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。脂環式ジオール類に含まれる炭素原子数は20以下4以上であり、好ましくは20以下5以上である。この値が大きくなるほど、合成が困難になったり、精製が困難になったり、コストが高価だったりする。炭素原子数が少なくなるほど、精製しやすく、入手しやすくなる。
【0028】
前記(Ca)式中、R
14は炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、または炭素原子数6〜20のシクロアルコキシレン基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでも良い。一方前記(Cb)式中、R
15は炭素原子数1〜20のアルキレン基、炭素原子数4〜20のシクロアルキレン基、炭素原子数6〜20のシクロアルコキシレン基、または直接結合であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでも良い。
【0029】
例えば前記(Ca)式に含まれる脂肪族ジオール類であるシクロヘキサンジメタノールとしては、下記(Ca1)式(式中、R
16は炭素原子数1〜12のアルキル基、水素原子を表す。)で表される種々の異性体を含有する。具体的には、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどがあげられる。
【0031】
また、前記(Ca)式に含まれる脂肪族ジオール類であるトリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロデカンジメタノールとしては、下記(Ca2)式(式中、rは0または1で表す。)で表される種々の異性体を含有する。
【0033】
前記(Ca)式に含まれる脂肪族ジオール類であるデカリンジメタノールとしては、下記(Ca3)式(式中、sは0または1で表す。)で表される種々の異性体を含有する。具体的には2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノールなどがあげられる。
【0035】
前記(Ca)式に含まれる脂肪族ジオール類であるノルボルナンジメタノールとしては、下記(Ca4)式で表される種々の異性体を含有する。具体的には、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノールなどが挙げられる。
【0037】
前記(Ca)式に含まれる脂肪族ジオール類であるアダマンタンジメタノールとしては、下記(Ca5)式で表される種々の異性体を含有する。具体的には、1,3−アダマンタンジメタノールなどが挙げられる。
【0039】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類である脂肪族鎖ジオール類として、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
【0040】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類であるシクロヘキサンジオールとしては、下記(Cb1)式(式中、R
17は炭素原子数1〜12のアルキル基、水素原子を表す。)で表される種々の異性体を含有する。具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオールなどがあげられる。
【0042】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類であるトリシクロデカンジオール、ペンタシクロデカンジオールとしては、下記(Cb2)式(式中、rは0または1で表す。)で表される種々の異性体を含有する。
【0044】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類であるデカリンジオールとしては、下記(Cb3)式(式中、sは0または1で表す。)で表される種々の異性体を含有する。具体的には2,6−デカリンジオール、1,5−デカリンジオール、2,3−デカリンジオールなどがあげられる。
【0046】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類であるノルボルナンジオールとしては、下記(Cb4)式で表される種々の異性体を含有する。具体的には、2,3−ノルボルナンジオール、2,5−ノルボルナンジオールなどが挙げられる。
【0048】
前記(Cb)式に含まれる脂肪族ジオール類であるアダマンタンジオールとしては、下記(Cb5)式で表される種々の異性体を含有する。具体的には、1,3−アダマンタンジオールなどが挙げられる。
【0050】
また、前記(Cb)式に含まれるヘテロ原子を含む脂肪族ジオール類(環状ジオール類)は、3員環から10員環までの複素環式化合物からなるジオール化合物であって、ヘテロ原子としては、酸素、窒素、硫黄原子を含むジオール化合物である。なかでも、好ましいヘテロ原子は酸素原子である。
【0051】
本発明に係る酸素含有環状ジオール類としては、例えばイソソルビド等の縮合多環式エーテルジオール、1,4−アンヒドロエリスリトール等の環状エーテルジオール等のヘテロ環スピロ化合物、2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンー2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール等の環状アセタールジオールが挙げられる。
【0052】
また、本発明に係る窒素含有環状ジオール化合物としては、例えば3,4−ピロリジンジオール、3,4−ジメチルピペリジンジオール、N−エチル−3,4−ピペリジンジオール、N−エチル−3,5−ピペリジンジオール等のN−ヘテロ環状ジオールが挙げられる。
また、本発明に係る硫黄含有環状ジオール化合物としては、デオキシチオフルクトース等のS−ヘテロ環状ジオールが挙げられる。
【0053】
なお、上記例示化合物は、本発明に使用し得る脂肪族ジオール化合物の一例であって、何らこれらに限定されるものではない。これらの脂肪族ジオール類は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。これらの脂肪族ジオール類のうち、耐熱性、光学特性及び機械的性質の点より、特に1,4−シクロヘキサンジメタノールをはじめとする前記(Ca1)式で表される化合物、トリシクロデカンジメタノールをはじめとする前記(Ca2)式で表される化合物、2−(5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサンー2−イル)−2−メチルプロパン−1−オール等の環状アセタールジオール、イソソルビド、1,3-プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
【0054】
(組成比)
ポリカーボネート樹脂中の組成比は、前記(A)成分と、前記(B)または前記(Ca)または(Cb)成分のモル比(A/(B+Ca+Cb))が、10/90〜90/10である。好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは30/70〜70/30である。モル比は、日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し算出する。
【0055】
(ポリカーボネート樹脂の製造方法)
本発明のフィルム状物に用いるポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
【0056】
カーボネート前駆物質として炭酸ジエステルを用いるエステル交換反応は、不活性ガス雰囲気下所定割合のジオール成分を炭酸ジエステルと加熱しながら撹拌して、生成するアルコールまたはフェノール類を留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノール類の沸点などにより異なるが、通常120〜300℃の範囲である。反応はその初期から減圧にして生成するアルコールまたはフェノール類を留出させながら反応を完結させる。
【0057】
前記エステル交換反応に使用される炭酸ジエステルとしては、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基、アラルキル基等のエステルが挙げられる。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートの使用量は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、好ましくは0.97〜1.10モル、より好ましは1.00〜1.06モルである。
【0058】
また溶融重合法においては重合速度を速めるために、重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、含窒素化合物、金属化合物等が挙げられる。
【0059】
このような化合物としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの、有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコキシド等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独もしくは組み合わせて用いることができる。
【0060】
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、リチウム塩等が挙げられる。
【0061】
アルカリ土類金属化合物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、二酢酸マグネシウム、二酢酸カルシウム、二酢酸ストロンチウム、二酢酸バリウム等が挙げられる。
【0062】
含窒素化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル、アリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類が挙げられる。また、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。さらに、アンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基あるいは塩基性塩等が挙げられる。
【0063】
金属化合物としては亜鉛アルミニウム化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等が挙げられる。これらの化合物は1種または2種以上併用してもよい。
【0064】
これらの重合触媒の使用量は、ジオール成分1モルに対し好ましくは1×10
−9〜1×10
−2当量、好ましくは1×10
−8〜1×10
−5当量、より好ましくは1×10
−7〜1×10
−3当量の範囲で選ばれる。
【0065】
溶融重縮合反応は、従来知られているように不活性ガス雰囲気下および減圧下で加熱しながら攪拌して生成するモノヒドロキシ化合物を留出させることで行なわれる。
反応温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後期には系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成するモノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて反応を完結させる。必要に応じて末端停止剤、酸化防止剤等を加えてもよい。
【0066】
また、反応後期に触媒失活剤を添加することもできる。使用する触媒失活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が好ましい。更にドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホン酸の塩類、パラトルエンスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の塩類が好ましい。
【0067】
またスルホン酸のエステルとして、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パラトルエンスルホン酸フェニル等も好ましく用いられる。
【0068】
その中でも、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩が最も好ましく使用される。これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物より選ばれた少なくとも1種の重合触媒を用いた場合、その触媒1モル当たり好ましくは0.5〜50モルの割合で、より好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5モルの割合で使用することができる。
【0069】
また、用途や必要に応じて熱安定剤、可塑剤、光安定剤、重合金属不活性化剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、離型剤等の添加剤を配合することができる。
【0070】
(比粘度:η
SP)
本発明のフィルム状物に用いるポリカーボネート樹脂の比粘度(η
SP)としては、0.20未満であると強度等が低下し1.50を超えると成形加工特性が低下するようになるので、0.20〜1.50の範囲が好ましく、0.23〜1.20の範囲がより好ましく、0.25〜1.00の範囲がさらに好ましい。また、成形性等が維持される範囲内で、比粘度が上記範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合することも可能である。例えば、比粘度が1.50を超える高分子量のポリカーボネート樹脂を少量配合することも可能である。この場合、比粘度の異なるポリカーボネート樹脂体を混合したポリカーボネート樹脂混合物の比粘度が上記範囲であればよい。
【0071】
本発明でいう比粘度は、20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(η
SP)=(t−t
0)/t
0
[t
0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
【0072】
なお、本発明のポリカーボネート樹脂の比粘度を測定する場合は、次の要領で行うことができる。すなわち、ポリカーボネート樹脂をその20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。かかる固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から20℃における比粘度をオストワルド粘度計を用いて求める。
【0073】
<フィルム状物>
本発明のフィルム状物について説明する。本発明におけるフィルム状物は、所謂フィルムに限定されず、シート状であっても板状であってもよく、特に光学用途に好適に用いられる。具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスクの保護フィルム、拡散フィルム等の用途が挙げられ、なかでも位相差フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
【0074】
フィルム状物の製造方法としては、例えば、溶液キャスト法、溶融押出法、熱プレス法、カレンダー法等公知の方法を挙げることが出来る。なかでも、溶液キャスト法、溶融押出法が好ましく、特に生産性の点から溶融押出法が好ましい。
【0075】
溶融押出法においては、Tダイを用いて樹脂を押出し、冷却ロールに送る方法が好ましく用いられる。このときの温度はポリカーボネート樹脂の分子量、Tg、溶融流動特性等から決められるが、180〜350℃の範囲であり、200℃〜320℃の範囲がより好ましい。180℃より低いと粘度が高くなりポリマーの配向、応力歪みが残りやすく好ましくない。また、350℃より高いと熱劣化、着色、Tダイからのダイライン(筋)等の問題が起きやすい。
【0076】
また本発明で用いられるポリカーボネート樹脂は、有機溶媒に対する溶解性が良好なので、溶液キャスト法も適用することが出来る。溶液キャスト法の場合は、溶媒としては塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ジオキソラン、ジオキサン等が好適に用いられる。溶液キャスト法で獲られるフィルム状物中の残留溶媒量は2重量%以下であることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。2重量%を超えると残留溶媒が多いとフィルム状物のガラス転移温度の低下が著しくなり耐熱性の点で好ましくない。
【0077】
本発明のフィルム状物の厚みは、未延伸では30〜
10000μmの範囲が好ましく、より好ましくは40〜10000μmの範囲である。かかるフィルム状物をさらに延伸して例えば位相差フィルムとする場合には、光学フィルムの所望の位相差値、厚みを勘案して上記範囲内で適宜決めればよい。
【0078】
(光弾性定数)
本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数の絶対値は、40×10
−12Pa
−1以下、より好ましくは35×10
−12Pa
−1以下、さらに好ましくは30×10
−12Pa
−1以下である。絶対値が40×10
−12Pa
−1を超えると、成形時の残留応力によって生じる複屈折が大きくなりやすい。光弾性定数は未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
【0079】
(ゲル数)
本発明のフィルム状物中のゲル数は、好ましくは100個/m
2以下、より好ましくは50個/m
2以下、さらに好ましくは30個/m
2以下であり、ゲル数は少ないほど好ましい。フィルム状物中のゲル数が100個/m
2を超えると、延伸時にフィルム破断が多発したり、製膜時のフィルターライフが短くなるため問題である。また光学用途の場合、フィルム品質を悪くするため問題である。なお、本発明のフィルム状物のゲル数とは、(株)キーエンス製 カラー3Dレーザー顕微鏡 VK−9700を用いて、フィルム状物1m
2中に存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有する欠点の数を厚み50μmに換算した値である。なお、ゲルは蛍光顕微鏡で光ることから、ごみとの識別も可能である。
【実施例】
【0080】
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」とは「重量部」を意味する。実施例において使用した使用樹脂及び評価方法は以下のとおりである。
【0081】
1.陰イオンの分析
SPGモノマー5gを50mlの純水に懸濁し、70℃の温水バスで2時間加熱し、超音波装置で30分間処理、マイクロフィルターでろ過したろ液をイオンクロマトグラフィー(DIONEX社 DX−320)を用いて、以下の条件でギ酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硫酸イオンを定量した。
カラム: AS17, 溶離液: KOH水溶液, オーブン温度: 35℃, 流速: 1.5ml/min, グラジエント条件: 溶離液濃度 0mM(0min)→1mM(4min)→1mM(7min)→12mM(14min)→35mM(18min)→35mM(22min)
【0082】
2.比粘度測定
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(η
SP)=(t−t
0)/t
0
[t
0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
【0083】
3.光弾性定数測定
未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
【0084】
4.ゲル数
厚さ50μmのフィルム状物をカラー3Dレーザ顕微鏡を用いて、500mm×300mmに存在する長軸の直径が300μm以上の干渉縞を有するゲル数をフィルム状物1m
2中に換算して求めた。
【0085】
[実施例1]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販の3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン(以下SPGという)150部をメタノール10リットルに温度60℃で完全に溶解させた後、室温まで冷却しスピログリコールを再結晶させた。結晶を濾別し、結晶とほぼ同体積のイオン交換水で2回リンスした後、真空乾燥機で60℃で乾燥させ結晶128部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は2.6ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは1.9ppmであった。上記精製SPG86.97部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下“BPA”と略す)27.95部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10
−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0086】
<フィルムの製造>
次に、(株)テクノベル製15φ二軸押出混練機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート樹脂をフィルム成形することにより厚さ50μmの透明な押出しフィルムを得て、光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
【0087】
[実施例2]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販のSPG150部をメタノール10リットルに温度60℃で完全に溶解させた後、室温まで冷却しスピログリコールを再結晶させた。結晶を濾別し、結晶とほぼ同体積のイオン交換水で2回リンスした後、真空乾燥機で60℃で乾燥させ結晶128部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は2.6ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは1.9ppmであった。上記精製SPG85.12部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)45.36部、ジフェニルカーボネート89.29部、および触媒として炭酸水素ナトリウム5.2×10
−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、20℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Pa以下とした。合計6時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の4倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0088】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
【0089】
[実施例3]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
実施例1と同様に再結晶を実施した後、結晶とほぼ同体積のイオン交換水で3回リンスした以外は同様の操作を行い、精製SPG123部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は2.3ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは1.6ppmであった。上記精製SPG49.7部、イソソルビド(以下ISSという)35.8部を用いた以外は実施例1と同様の操作を実施した。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0090】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
【0091】
[実施例4]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
実施例1と同様に再結晶を実施した後、結晶とほぼ同体積のイオン交換水で1回リンスした以外は同様の操作を行い、精製SPG123部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は5.3ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは4.2ppmであった。上記精製SPG85.12部を用いた以外は実施例1と同様の操作を実施した。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0092】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
【0093】
[比較例1]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販のSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は13.2ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは12.1ppmであった。このSPG86.97部を用いて、実施例1と全く同様の操作を行い、重合反応を実施した該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0094】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数を測定した。結果を表1に示す。
【0095】
[比較例2]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販のSPG150部をメタノール10リットルに温度60℃で完全に溶解させた後、室温まで冷却しスピログリコールを再結晶させた。結晶を濾別し、結晶とほぼ同体積のメタノールで1回リンスした後、真空乾燥機で60℃で乾燥させ結晶128部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は9.2ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは8.2ppmであった。このSPG86.97部を用いて、実施例1と全く同様の操作を行い、重合反応を実施した。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0096】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
【0097】
[比較例3]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
市販のSPG150部をメタノール10リットルに温度60℃で完全に溶解させた後、室温まで冷却しスピログリコールを再結晶させた。結晶を濾別し、結晶とほぼ同体積のメタノールで1回リンスした後、真空乾燥機で60℃で乾燥させ結晶128部を得た。このSPGのメタンスルホン酸イオン、ギ酸イオン、硫酸イオンの陰イオン成分の合計は9.2ppmであった。またメタンスルホン酸イオンは8.2ppmであった。このSPG49.7部を用いて、実施例3と全く同様の操作を行い、重合反応を実施した。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0098】
<フィルムの製造>
次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
【0099】
[比較例4]
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、BPA1775部及びナトリウムハイドロサルファイト3.5部を溶解し、塩化メチレン7925部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール52.6部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度を測定し、表1に記載した。
【0100】
<フィルムの製造>
得られたポリカーボネート樹脂を15φ二軸押し出し混練機によりペレット化した。次に実施例1と同様にしてフィルムを作成し、フィルムの光弾性定数、ゲル数測定した。結果を表1に示す。
【0101】
【表1】