(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
螺旋状の凹凸波型に形成された管壁を有する本体部と、本体部の両端に一体に形成され互いに嵌合して接続可能な形状に形成されたオス接続部とメス接続部とを有する波付合成樹脂管であって、
オス接続部と本体部の間、及びメス接続部と本体部の間には、それぞれリング状の凹凸波型に形成された移行部が設けられており、
波付合成樹脂管の管軸方向単位長さあたりの質量が、本体部における質量よりも、オス接続部およびメス接続部における質量が、10〜50%大きく、
前記移行部は円筒状の大径部と円筒状の小径部を有しており、大径部と小径部とが半径方向に隔たる距離が、本体部管壁の凹凸波型の深さと同程度とされた波付合成樹脂管。
【背景技術】
【0002】
大径部と小径部がリング状または螺旋状の凹凸状に形成された管壁を有する波付合成樹脂管は、地中に埋設されたり地上の屋内に配設されたりして、光ファイバーケーブルや電力ケーブルを収容保護するための保護管路として使用されている。
【0003】
これら保護管路は、複数の波付合成樹脂管を接続して敷設される。例えば、波付合成樹脂管は接続部材(管継手)によって接続される。特許文献1には、螺旋状の波付合成樹脂管の端部に、ワンタッチ接続が可能な接続部材をねじ込んで取り付けたのちに、接続部材のワンタッチ接続機能により、波付合成樹脂管同士を接続することが開示されている。
【0004】
また、波付合成樹脂管の両端に接続部を一体成形しておくと、管の接続・敷設作業が簡単になって便利である。特許文献2には、互いに接続可能な接続部が両端に一体形成された波付合成樹脂管が開示されており、接続部の一方に弾性変形可能なC字状のリング部材を設けて、他方の接続部先端の傾斜拡径面がこのリング部材を押し広げて接続部奥に向かって押し込まれ、リング部材を通過すると、リング部材と傾斜拡径面の後縁が互いにロックされて、接続部の接続がワンタッチで完了することが開示されている。また、特許文献3には、接続部が両端に一体形成された螺旋状波付合成樹脂管であって、接続部を挿入して軸周りに相対回転させることによって接続操作を完了できるような波付合成樹脂管が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、特許文献3に開示されたような、管本体部の両端に接続部が一体成形された螺旋状波付合成樹脂管について検討を進めた。そして、管本体部が螺旋状凹凸波付けされた管である場合には、以下のような課題があることを発見した。
管の本体部分が螺旋状波付管に形成されていると、接続部と本体部が連続している部分では、管の断面を周方向に均一にすることができない。すなわち、周方向の特定の位置では、螺旋状波付形状の大径部が接続部に連続し、周方向の別の位置では、螺旋状波付形状の小径部が接続部に連続し、周方向のさらに別の位置では、螺旋状波付形状の縦壁部分が接続部に連続する構造とならざるをえない。例えば、
図6には、従来技術における接続部と本体部が連続する部分の断面図であるが、本体部の螺旋状波付形状に起因して、図の上側と下側では断面形状が大きく異なっていることがわかる。
【0007】
そして、このように、接続部と本体部が連続する部分の断面が周方向に変化していると、接続部の強度や剛性が、周方向に変化してしまうことが判明した。接続部の強度や剛性が周方向に変化し、均一でないと、外力や圧力を受けた接続部がゆがんだ変形をして、連結された接続部のシール性を損なうおそれがある。また、管が埋設される姿勢(管軸周りの回転姿勢)によって、接続部の強度や剛性が変化してしまい、管の接続強度やシール性が不安定なものとなり、強度やシール性の試験や確認、管理に不備をきたすおそれもある。
【0008】
本発明の目的は、端部に接続部が一体に設けられた螺旋状波付合成樹脂管において、接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくして、管の接続部のシール性や強度を安定化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者は、鋭意検討の結果、接続部と螺旋状凹凸波型に形成された本体部との間に、
所定高さのリング状凹凸波型に形成された移行部を設け、オス接続部やメス接続部の単位長さあたり質量を本体部よりも大きくすると、上記目的を達成できることを知見し、本発明を完成させた。
【0010】
本発明は、螺旋状の凹凸波型に形成された管壁を有する本体部と、本体部の両端に一体に形成され互いに嵌合して接続可能な形状に形成されたオス接続部とメス接続部とを有する波付合成樹脂管であって、オス接続部と本体部の間、及びメス接続部と本体部の間には、それぞれリング状の凹凸波型に形成された移行部が設けられており、波付合成樹脂管の管軸方向単位長さあたりの質量が、本体部における質量よりも、オス接続部およびメス接続部における質量が、10〜50%大き
く、前記移行部は円筒状の大径部と円筒状の小径部を有しており、大径部と小径部とが半径方向に隔たる距離が、本体部管壁の凹凸波型の深さと同程度とされた波付合成樹脂管である(第1発明)。
【0011】
本発明においては、移行部のリング状凹凸波型のピッチが、本体部の螺旋状凹凸波型のピッチよりも小さくされることが好ましい(第2発明)。また、本発明においては、管軸方向単位長さあたりの質量が、接続部における質量よりも、本体部における質量が小さくされることが好ましい(第3発明)。また、本発明においては、移行部は円筒状の大径部と円筒状の小径部を有しており、大径部と小径部とが半径方向に隔たる距離が、本体部管壁の凹凸波型の深さと同程度とされることが好ましい(第4発明)。
【発明の効果】
【0012】
本発明の波付合成樹脂管(第1発明)によれば、接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくして、管の接続部のシール性や強度を安定化できる。
また、移行部の大径部と小径部とが半径方向に隔たる距離が、本体部管壁の螺旋状凹凸波型の深さと同程度とされているので、管の内径寸法や外形寸法を実質的に変えることなく、より効果的に接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくすることができる。
【0013】
さらに、第2発明のように、移行部のリング状凹凸波型のピッチを相対的に小さくした場合には、移行部の管軸方向の寸法をコンパクトなものとしながら、効果的に接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくできるという効果が得られる。また、第3発明のようにすれば、より効果的に接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面を参照しながら、通信ケーブル用保護管路として使用される地中埋設管である波付合成樹脂管を例として、本発明の実施形態について説明する。本発明は以下に示す個別の実施形態に限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
【0017】
図1は、本発明の波付合成樹脂管を示す一部断面図である。
図1では、上側半分を断面図として示し、下側半分を外形図として示している(以下の図においても同様の一部断面図で示すことがある)。
波付合成樹脂管1は、螺旋状の凹凸波型に形成された管壁を有する本体部11の両端部に、互いに嵌合して接続可能な形状に成形されたオス接続部12とメス接続部13とが、合成樹脂により一体に成形された管部材である。そして、オス接続部12と本体部11の間には、移行部14が設けられ、同様に、メス接続部13と本体部11の間にも、移行部14が設けられている。
【0018】
波付合成樹脂管1は、全体の長さが例えば5m程度の長さを有する直線状に形成された管部材である。また、オス接続部12の本体部11に近い部分の外周には、シール部材4が取り付けられており、メス接続部13の内側には、ロック部材5が取り付けられている。
【0019】
本発明の波付合成樹脂管1は、複数の波付合成樹脂管1、1を直列状に並べて、互いに隣接する波付合成樹脂管1、1のオス接続部12とメス接続部13を挿入し接続することによって、一連の管路を形成し、光ファーバーケーブルや電力線を収蔵保護する保護管路として、地中に埋設するなどして使用できる。形成した管路を複数本束ねて使用することもできる。
【0020】
本体部11は、管の中心から外側に向かって突出するように設けられた大径部111と管中心に向かって凹入するように設けられた小径部112とが凹凸条をなすように交互に螺旋状に設けられた管壁によって形成された中空管状部分である。大径部111と小径部112は一定の外径と内径を有する略円筒状に設けられることが好ましい。この螺旋状凹凸波型によって、本体部11には、可撓性を持たせることが好ましい。
【0021】
波付合成樹脂管1を形成する合成樹脂材料は、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂などの合成樹脂材料、特に、管の成形性に優れる熱可塑性樹脂で、ゴムや軟質合成樹脂と比較して硬質の樹脂が好ましく使用できる。本実施形態においては、波付合成樹脂管1は高密度ポリエチレン樹脂により形成されている。
【0022】
図2にはオス接続部付近の構造を、
図3にはメス接続部付近の構造を、それぞれ一部断面図で示す。
移行部14は、本体部11とオス接続部12の間、及び本体部11とメス接続部13の間に設けられた中空の管状部分である。移行部14では、管壁がリング状の凹凸波型に形成されている。すなわち、移行部14は、管の外側に位置する略円筒状の大径部141と管の内側に位置する略円筒状の小径部142とが、管軸方向に交互に並んで、大径部141と小径部142の間が、縦壁部分143で接続されて構成される、リング状の凹凸波型となっている。本実施形態においては、大径部141が2条、小径部142が2条設けられている。
【0023】
移行部14の管軸方向の長さは特に限定されないが、本体部11の螺旋状凹凸波型のピッチの1倍〜3倍程度の長さに設けられることが好ましい。
また、本実施形態においては、移行部14のリング状凹凸波型のピッチは、本体部11の螺旋状凹凸波型のピッチよりも小さく、好ましくは1/4〜3/4程度にされている。
【0024】
また、本実施形態においては、移行部14の大径部141と小径部142とが半径方向に隔たる距離は、本体部11管壁の螺旋状凹凸波型の深さと同程度とされている。換言すれば、移行部14の大径部141と本体部11の大径部111とは、半径方向に略同一の位置に配置され、移行部14の小径部142と本体部11の小径部112とは、半径方向に略同一の位置に配置されている。
【0025】
また、本実施形態においては、大径部141と小径部142は、ともに、管の軸と中心軸が一致する円筒状とされており、移行部14の管軸方向に沿う断面形状は、周方向に同一となっている。大径部141や小径部142の形状は、必ずしも完全な円筒状である必要はなく、略四角形状、略六角形状、略八角形状など、多角形状であっても良いが、略八角形状以上の多角形状であることが好ましく、円筒形状であることが特に好ましい。また、大径部141と小径部142は必ずしも同心に配置されている必要はないが、同心状に配置されていることが好ましい。
【0026】
オス接続部12とメス接続部13は、波付合成樹脂管1の両端に設けられ、管が接続される場合には、オス接続部12とメス接続部13とが互いに嵌合しあう。
図4には、本実施形態における、オス接続部12とメス接続部13の接続構造及び接続方法を示している。
【0027】
オス接続部12は、接続された際に、メス接続部13よりも管の内周側に位置する。オス接続部12には、小径円筒部121と、オス接続部の端部に設けられたテーパ部122、小径円筒部121から外側にリング状に突出して設けられた環状突出部123が設けられている。環状突出部123と移行部14の間の部分はシール取付部124とされている。シール取付部124には、後述するシール部材4が取り付けられており、オス接続部とメス接続部が接続された際に、両者の間をシールする。
【0028】
シール部材4はリング状に形成されたシール部材である。本実施形態においては、シール部材4は吸水膨張性を有する不織布素材によって構成されており、オス接続部12のシール取付部124の外周面に貼着一体化されている。適度なシール性が得られれば、シール部材4は、ゴム製のOリングや、リップを有する環状パッキンなどであっても良い。なお、シール性が要求されない場合には、シール材4はなくても良い。
【0029】
メス接続部13は、接続された際に、オス接続部よりも管の外周側に位置する。メス接続部13には、大径円筒部131と、ロック部132、シール部133が設けられている。管を接続した際に、メス接続部13がシール部材4と対向する部分は、メス接続部のシール部133とされ、円筒状に形成されている。すなわち、管が接続された際には、シール部材4が、オス接続部のシール取付部124とメス接続部のシール部133との間に挟持されて、シール性を発揮する。
【0030】
メス接続部のロック部132は、メス接続部の外周側に向けリング状に張り出すように設けられている。ロック部132の内側には、後述するロック部材5が配置されている。ロック部材5はロック部132によって、管軸方向の動きを規制されており、管が接続された際には、ロック部材5とオス接続部のテーパ部122端縁が係合して、オスメス接続部の離脱を阻止する。
【0031】
本実施形態においては、ロック部材5は、台形断面を有する、略Cの字状の(すなわち周方向の一部が開かれた)リング状の部材である。ロック部材5の内周面側はテーパ面とされている。ロック部材5は合成樹脂などによって形成され、所定の弾力性を有している。ロック部材5は、メス接続部のロック部132の内側に配置されていて、管が接続される際には、オス接続部のテーパ部122によって拡径されてテーパ部122の通過を許容する。テーパ部122がロック部材5を通過すると、ロック部材5はその弾力によって、元の大きさに縮径し、この状態となると、テーパ部122が戻ろうとしてもロック部材5はそれを許容せず、管の接続状態がロックされる。ロック部材は、本実施形態のものに限られず、複数の舌状片を有するリング状部材などの他の形態のロック部材であってもよい。
【0032】
また、本実施形態においては、波付合成樹脂管1は、管軸方向単位長さあたりの質量が、接続部(すなわちオス接続部12、メス接続部13)における質量よりも、本体部11における質量が小さくなるように形成されている。好ましくは、本体部11における質量よりも、接続部12,13における質量が、10〜50%程度大きくなるようにされる。なお、管軸方向単位長さあたりの質量は、接続部と本体部の間で同じ程度であっても良い。
【0033】
図4には、本実施形態におけるオス接続部とメス接続部の接続構造及び接続方法を示す。本実施形態の波付合成樹脂管1、1を接続する際には、まず、管軸方向に沿って、一方の管のオス接続部12と他方の管のメス接続部が対向するように管を整列させる(
図4(a))。そして、オス接続部12とメス接続部13とが嵌合するように、ロック部材5とテーパ部122が係合するまで挿入する(
図4(b))。以上の操作により、オス接続部12とメス接続部13は接続された状態で互いに離脱しないようにロックされ、さらにシール部材4により、オス接続部12とメス接続部13の間がシールされ、波付合成樹脂管1、1の接続がワンタッチで完了する。
【0034】
このような操作を繰り返すことによって、複数本の波付合成樹脂管1、1を連続して接続し、長い管路を形成することができる。
【0035】
本発明の波付合成樹脂管1は以下のようにして、波付合成樹脂管を製造するための公知の方法、いわゆる連続ブロー成形方法により製造できる。すなわち、金型の内面が管の外周面に対応する形状に形成された、キャタピラー状に連結された一対の金型により連続成形金型を構成し、連続成形金型を移動させながら、金型内に樹脂の押し出し成形機から溶融樹脂をチューブ状に押し出して、半溶融状態の樹脂チューブ内に高圧の空気を吹き込むことによって、または同時に金型側から空気を吸引することによって、半溶融状態にある樹脂チューブを金型内面に押し付けることにより、所定の外周面形状を有する不定長の波型合成樹脂管が製造できる。本発明の波付合成樹脂管を製造するためには、キャタピラー状に連結された一連の金型の一部を、オス接続部やメス接続部および移行部に対応する形状の金型として、該接続部、移行部が管の本体部と一体に成形された波付合成樹脂管を連続的に製造し、両端部に接続部が配置されるよう、所定位置で切断すればよい。
本製造方法によれば、定尺の波付合成樹脂管が効率的に製造できる。
【0036】
なお、上記実施形態のように、管軸方向単位長さあたりの質量が、接続部12,13における質量よりも、本体部11における質量が小さくなるように形成する場合には、上記連続ブロー成形において、樹脂の押出速度と連続成形金型の移動速度を調整すればよい。例えば、樹脂押出速度を一定に保ったままで、接続部が形成されるタイミングにあわせて金型の移動速度を遅くしたり、あるいは、金型の移動速度を一定に保ったままで、接続部が形成されるタイミングにあわせて樹脂の押出速度を高めたりすれば、接続部12,13における質量よりも、本体部11における質量が小さくなるようにできる。そして、接続部12,13の肉厚よりも本体部11の肉厚が相対的に小さく(薄く)することができる。製造工程の安定性の観点からは、前者のように金型の移動速度を調整することが特に好ましい。
【0037】
本実施形態の波付合成樹脂管1の有する作用及び効果について説明する。
波付合成樹脂管1において、オス接続部12と本体部11の間、及びメス接続部13と本体部11の間には、それぞれリング状の凹凸波型に形成された移行部14,14が設けられている。そのため、オス接続部12と移行部14の部分、及び、メス接続部13と移行部14の部分では、断面が周方向にわたってほぼ一定断面となる。また、移行部14はリング状の凹凸波型に形成されているため、接続部よりも強度や剛性を高めやすい。したがって、本体部11が螺旋状に凹凸波付されたものであり、断面形状を周方向にわたって同じにできないものであっても、その影響はリング状の凹凸波型に形成された移行部14、14によって緩和され、オス接続部12やメス接続部13に及びにくくなる。
【0038】
従って、移行部14が設けられた波付合成樹脂管1によれば、端部に接続部12,13が一体に設けられた螺旋状波付合成樹脂管において、接続部の強度や剛性の周方向の変化を小さくできる。そして、管の接続部のシール性や強度を安定化することができる。
【0039】
そして、本実施形態の波付合成樹脂管1のように、移行部14のリング状凹凸波型のピッチが、本体部11の螺旋状凹凸波型のピッチよりも小さくされている場合には、接続部12,13の強度や剛性の周方向の変化を小さくしながら、さらに、移行部14を管軸方向に短く形成することができる。
【0040】
また、本実施形態の波付合成樹脂管1のように、管軸方向単位長さあたりの質量が、接続部12,13における質量よりも、本体部11における質量が小さくされた場合には、より効果的に、接続部12,13の強度や剛性の周方向の変化を小さくできる。
【0041】
また、本実施形態の波付合成樹脂管1のように、移行部14は、円筒状の大径部141と円筒状の小径部142を有しており、大径部141と小径部142とが半径方向に隔たる距離が、本体部管壁の凹凸波型の深さと同程度とされていると、移行部14の剛性や強度が効果的に高められて、より効果的に、接続部12,13の強度や剛性の周方向の変化を小さくできる。また、このようにすれば、管の有効内径や管の外径を変えることなく、管の性能を向上できる。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施することもできる。
【0043】
図5には、本発明の第2実施形態の波付合成樹脂管2を一部断面図で示す。
本実施形態の波付合成樹脂管2においては、移行部24として、リング状の凹凸波型が大径部と小径部とがそれぞれ3条ずつ設けられている、リング状の凹凸波型の条数は多い方が、より効果的に、接続部22,23の強度や剛性の周方向の変化を小さくできる。
【0044】
また、本実施形態のように、移行部24の断面形状は、大径部や小径部の断面が円弧状となるように構成しても良い。このようにすれば、移行部における肉厚が安定しやすくなって好ましい。
【0045】
なお、本実施形態においては、オス接続部22やメス接続部23として、特許文献3に開示があるような、挿入して回転させることにより互いにロックするような接続部が適用されている。即ち、オス接続部22の小径円筒部221からは突出部222が半径方向外側に突出形成されており、メス接続部23の大径円筒部231からは凹入部232が半径方向内側に凹入して形成されている。
【0046】
そして、オス接続部22やメス接続部23の接続にあたっては、突出部222と凹入部232とが互いに干渉しないような回転姿勢で、メス接続部23の大径円筒部231の内側にオス接続部22の小径円筒部221を挿入し、所定の位置まで挿入したら、オス接続部22とメス接続部23を相対回転させて、突出部222と凹入部232とが管軸方向に並ぶようにして、接続状態をロックできる。そして、ウレタンゴムにより形成されたシール部材4’により、オス接続部22やメス接続部23の間のシール性を確保できる。
【0047】
このように、オス接続部やメス接続部の具体的形状や、シール材の具体的形状・配置などは、公知の技術を利用しても良い。同様に、接続部のロック機構の有無やその具体的構成も、公知の技術から適宜選択可能である。
【0048】
上記実施形態においては、地中埋設管について具体的実施形態を説明したが、本発明は、他の用途の合成樹脂管にも応用できる。