特許第6030979号(P6030979)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6030979
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】シート搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/12 20060101AFI20161114BHJP
   B41J 13/22 20060101ALI20161114BHJP
   B41F 21/10 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   B65H5/12 A
   B41J13/22
   B41F21/10
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-61462(P2013-61462)
(22)【出願日】2013年3月25日
(65)【公開番号】特開2013-241266(P2013-241266A)
(43)【公開日】2013年12月5日
【審査請求日】2015年6月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-99556(P2012-99556)
(32)【優先日】2012年4月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000184735
【氏名又は名称】株式会社小森コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隼人
(72)【発明者】
【氏名】小川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 靖博
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−103753(JP,A)
【文献】 特開昭52−034802(JP,A)
【文献】 特開平11−157051(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0115426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/12
B41F 21/10
B41J 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するシート搬送装置において、
シートの端部を保持する第1保持装置を有しこのシートを搬送する第1搬送部と、
シートの端部を保持する第2保持装置を有しこのシートを搬送する第2搬送部と、
前記第1搬送部により搬送されるシートの後端を保持する第3保持装置を有し、前記第1搬送部からシートを受取る受取位置と前記第2搬送部へシートを受け渡す受渡位置との間を一定の周期で揺動する第3搬送部と、
前記第1搬送部を単独で駆動させる第1搬送部駆動部と、
シートの搬送方向長さに基づいて前記第1搬送部駆動部を制御する制御部と
を備えることを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記第1搬送部は、回転可能に支持された搬送胴であり、
第1搬送部駆動部は、単独駆動モータであり、
前記搬送胴の上流側に配置され、シートの先端を保持し当該シートの先端を前記搬送胴の前記第1保持装置へ受け渡す第4保持装置を有する第4搬送部と
を備え、
前記制御部は、
前記第3搬送部が前記受取位置に位置付けられるときに、前記搬送胴により搬送されるシートの後端が前記第3保持装置と対向し、シートを前記第3保持装置へ受け渡した後、前記第4搬送部の前記第4保持装置と前記第1搬送部の前記第1保持装置とが対向するように、シートの搬送方向長さに応じて前記単独駆動モータを制御して前記第1搬送部の回転速度を調整する
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、
シートの搬送方向長さが基準サイズよりも長い場合、前記第4搬送部からシートを受け取った後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げ、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを引き渡した後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げるように前記単独駆動モータを制御し、
シートの搬送方向長さが基準サイズよりも短い場合、前記第4搬送部からシートを受け取った後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げ、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを引き渡した後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げるように前記単独駆動モータを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを受け渡すとき及び前記第4搬送部から前記搬送胴がシートを受け取るときに、前記搬送胴の回転速度が基準速度となるように前記単独駆動モータを制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、シートの搬送方向長さが基準サイズの場合、前記搬送胴が基準速度で回転するように前記単独駆動モータを制御する
ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
シートの規格上の大きさに対する誤差を検知するシートサイズ誤差検知部を備え、
前記制御部は、前記シートサイズ誤差検知部から得た誤差データに基づき、前記第1搬送駆動部を制御する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載のシート搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを搬送するシート搬送装置の一例として、シートの片面および両面に印刷を行うことができる反転機構付枚葉輪転印刷機に設けられたシート反転ユニットにおけるシート搬送装置がある(例えば、特許文献1参照)。この反転ユニットは、隣接する印刷ユニットの間に配設されシートを選択的に反転させることができ、これによりシートに片面印刷および両面印刷をすることが可能となっている。
【0003】
この特許文献1の反転機構付枚葉輪転印刷機では、反転ユニットが渡胴(特許文献1の第4図における図番17)と圧胴(特許文献1の第4図における図番16)とからなり、両面印刷を行う場合、渡胴によりシートの先端部をつかんだ状態で搬送されるシートの後端部を圧胴によりつかみ、当該シートの後端部を先頭として搬送するとともに当該シートの表裏を反転させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平03−080108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらかかる特許文献1の反転機構付枚葉輪転印刷機では、シートのサイズを変更する場合、印刷装置を稼働させる前に圧胴を駆動させているギアの締結を断ち、圧胴のくわえ爪装置と渡胴に保持されたシートの後端部とが対向するように渡胴に対する圧胴の位相を変更した後、再度ギアを締結させるという作業を行なうため、作業者の負担や準備時間を要するという問題があった。
【0006】
本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、シートのサイズ変更に容易に対応できるシート搬送装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため請求項1の発明においては、シートを搬送するシート搬送装置において、シートの端部を保持する第1保持装置を有しこのシートを搬送する第1搬送部と、シートの端部を保持する第2保持装置を有しこのシートを搬送する第2搬送部と、前記第1搬送部により搬送されるシートの後端を保持する第3保持装置を有し、前記第1搬送部からシートを受取る受取位置と前記第2搬送部へシートを受け渡す受渡位置との間を一定の周期で揺動する第3搬送部と、前記第1搬送部を単独で駆動させる第1搬送部駆動部と、シートの搬送方向長さに基づいて前記第1搬送部駆動部を制御する制御部とを備えるようにする。
【0008】
また請求項2の発明においては、前記第1搬送部は、回転可能に支持された搬送胴であり、第1搬送部駆動部は、単独駆動モータであり、前記搬送胴の上流側に配置され、シートの先端を保持し当該シートの先端を前記搬送胴の前記第1保持装置へ受け渡す第4保持装置を有する第4搬送部とを備え、前記制御部は、前記第3搬送部が前記受取位置に位置付けられるときに、前記搬送胴により搬送されるシートの後端が前記第3保持装置と対向し、シートを前記第3保持装置へ受け渡した後、前記第4搬送部の前記第4保持装置と前記第1搬送部の前記第1保持装置とが対向するように、シートの搬送方向長さに応じて前記単独駆動モータを制御して前記第1搬送部の回転速度を調整することができる。
【0009】
さらに請求項3の発明において、前記制御部は、シートの搬送方向長さが基準サイズよりも長い場合、前記第4搬送部からシートを受け取った後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げ、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを引き渡した後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げるように前記単独駆動モータを制御し、シートの搬送方向長さが基準サイズよりも短い場合、前記第4搬送部からシートを受け取った後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げ、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを引き渡した後、前記搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げるように前記単独駆動モータを制御することができる。
【0010】
さらに請求項4の発明において、前記制御部は、前記搬送胴から前記第3搬送部へシートを受け渡すとき及び前記第4搬送部から前記搬送胴がシートを受け取るときに、前記搬送胴の回転速度が基準速度となるように前記単独駆動モータを制御することができる。
【0011】
さらに請求項5の発明において、前記制御部は、シートの搬送方向長さが基準サイズの場合、前記搬送胴が基準速度で回転するように前記単独駆動モータを制御することができる。
さらに請求項6の発明において、シートの規格上の大きさに対する誤差を検知するシートサイズ誤差検知部を備え、前記制御部は、前記シートサイズ誤差検知部から得た誤差データに基づき、前記第1搬送駆動部を制御することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、シートサイズが変更された場合でも、その変更されたシートの搬送方向長さに基づき第1搬送部駆動部を介して第1搬送部の駆動を制御することにより、シートサイズの変更されたシートの後端を一定の周期で揺動する第3搬送部の第3保持装置により保持することができる。
【0013】
また請求項2の発明によれば、搬送胴により搬送されるシートの後端を第3搬送部の第3保持装置で保持するときは、シートの後端と、一定の周期で揺動する第3搬送部の第3保持装置が受取位置で対向するように搬送胴の速度を調整することにより、シートサイズが変更された場合でも、搬送胴から第3搬送部へシートの後端を確実に受け渡すことができるとともに、シートが第3保持装置により保持された後、第4搬送部の第4保持装置と搬送胴の第1保持装置とが対向するように搬送胴の速度を調整することにより、第4搬送部から第1搬送部へ次の新たなシートの先端を確実に受け渡すことができる。
【0014】
さらに請求項3の発明によれば、シートの搬送方向長さが基準サイズよりも長い場合、第4搬送部からシートを受け取った後、搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げ、搬送胴から第3搬送部へシートを引き渡した後、搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げるように制御されるので、シートの搬送方向長さが長い場合であっても、第3搬送部の動きに搬送胴が追従しながら当該シートの後端を確実に保持した後、第4搬送部から搬送される次の新たなシートの先端を搬送胴により確実に保持することができる。また、シートの搬送方向長さが基準サイズよりも短い場合、第4搬送部からシートを受け取った後、搬送胴の回転速度を基準速度よりも下げ、搬送胴から第3搬送部へシートを引き渡した後、搬送胴の回転速度を基準速度よりも上げるように制御されるので、シートの搬送方向長さが短い場合であっても、第3搬送部の動きに搬送胴が追従しながら当該シートの後端を確実に保持した後、第4搬送部から搬送される次の新たなシートの先端を搬送胴により確実に保持することができる。
【0015】
さらに請求項4の発明によれば、搬送胴から第3搬送部へシートを受け渡すとき及び第4搬送部からシートを受け取るときに、単独駆動モータにより搬送胴を基準速度で回転させるので、シートの搬送方向長さに係わらず当該シートの受け取り及び受け渡しを確実に行なわせることができる。
【0016】
さらに請求項5の発明によれば、シートの搬送方向長さが基準サイズの場合、単独駆動モータにより搬送胴を終始一定の基準速度で回転させるので、基準サイズのシートの受け取り及び受け渡しを確実に行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施の形態におけるデジタル印刷装置の全体構成を示す側面図である。
図2】反転前倍胴に対向配置された状態の反転スイング装置を示す側面図である。
図3】反転前倍胴の周面構造を示す上面図である。
図4】デジタル印刷装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図5】デジタル印刷装置における両面印刷工程(1)を示す側面図である。
図6】デジタル印刷装置における両面印刷工程(2)を示す側面図である。
図7】デジタル印刷装置における両面印刷工程(3)を示す側面図である。
図8】デジタル印刷装置における両面印刷工程(4)を示す側面図である。
図9】反転前倍胴の速度制御シーケンスを示すグラフである。
図10】シートサイズが標準サイズの場合における反転前倍胴から反転スイング装置へシートをくわえ替えするときの様子を示す側面図である。
図11】デジタル印刷装置における両面印刷工程(5)を示す側面図である。
図12】シートサイズが標準サイズよりも長い場合における反転前倍胴から反転スイング装置へシートをくわえ替えするときの様子を示す側面図である。
図13】シートサイズが標準サイズよりも短い場合における反転前倍胴から反転スイング装置へシートをくわえ替えするときの様子を示す側面図である。
図14】第2の実施の形態において、シートサイズの誤差を考慮して反転前倍胴の速度を制御するための回路構成を示すブロック図である。
図15】第3の実施の形態において、実測値のシートサイズに応じて反転前倍胴の速度を制御するための回路構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
(1)第1の実施の形態
<デジタル印刷装置の構成>
図1に示すように、シート搬送装置としてのデジタル印刷装置1は、供給部としての給紙装置2、処理部としてのデジタル印刷ユニット3及び排出部としての排紙装置4を備える。
【0020】
給紙装置2には、複数のシートS1が積載された積載台21および、その積載台21の最上段のシートS1をフィーダボードFBへ搬送するサッカー装置23が設けられている。サッカー装置23は、第1吸23aおよび第2吸23bを備え、第1吸23aおよび第2吸23bが連続供給バルブ26および間欠供給バルブ27を介して負圧源25と接続されている。
【0021】
連続供給バルブ26と間欠供給バルブ27とは、共に第1吸23aおよび第2吸23bの負圧源25からの吸引を断接するものであるが、後述するように吸引を断接するタイミングがそれぞれ異なっているのである。
【0022】
フィーダボードFBのシート搬送方向先端側には、デジタル印刷ユニット3のフレーム3aに揺動自在に支持され、シートS1の一方の端部である先端(くわえ側端部)をくわえて保持する図示しないくわえ爪装置を備えたスイング装置31fが配設されている。スイング装置31fには給紙側渡し胴32が対向して配置され、その給紙側渡し胴32がフレーム3aに回転自在に支持されている。
【0023】
給紙側渡し胴32には、スイング装置31fのくわえ爪装置により受け渡されるシートS1の先端をくわえた状態で保持するくわえ爪装置32aが設けられている。なおデジタル印刷ユニット3では、スイング装置31fおよび給紙側渡胴32により上流側シート搬送装置を構成している。
【0024】
給紙側渡し胴32には、スイング装置31fよりもシート搬送方向下流側に第2搬送部としての印刷胴33(下流側搬送胴)が対接配置され、その印刷胴33がフレーム3aに回転自在に支持されている。印刷胴33は、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aからシートS1の先端を受け取って保持する第2保持装置としての印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cと、この印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cに対応して設けられシートS1を支持する支持面33d、33e、33fとを備え、本実施の形態においては、印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cと支持面33d、33e、33fとの組が設けられた3倍胴として構成されており、その直径も給紙側渡し胴32の3倍の直径を有している。ここで、シートS1を保持する印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cが円周方向に互いに120度位相をずらした状態で設けられている。
【0025】
印刷胴33の支持面33d、33e、33fには多数の複数の吸引用孔が形成されており、その複数の吸引用孔が負圧源と接続されている。この印刷胴33の給紙側渡し胴32との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、当該印刷胴33の周面に対向してインクジェットノズル部34が配置されている。
【0026】
インクジェットノズル部34には、互いに異なる色のインキがセットされた複数のインクジェットノズルヘッド34a〜34dが印刷胴33の周面に沿ってシート搬送方向に並設され、それぞれが印刷胴33の周面を指向している。インクジェットノズルヘッド34a〜34dは、印刷胴33の支持面33d、33e、33fに全面吸着されたシートS1との隙間が僅かな間隔となるよう印刷胴33に近接して配設されている。なお、印刷胴33、インクジェットノズル部34によりシート処理装置としてのシート印刷装置を構成している。
【0027】
印刷胴33のインクジェットノズル部34よりもシート搬送方向下流側には、印刷胴33に対向して配設され、シートS1に赤外線や紫外線などの光を照射して当該シートS1上に印刷されたインキを乾燥させる乾燥装置としてのインキ乾燥ランプ35が設けられている。ここで、乾燥とは熱エネルギーを与えてインキの水分を蒸発させることやインキを硬化させることを含むものであり、固化と言い換えることができる。
【0028】
印刷胴33には、インクジェットノズル部34よりもシート搬送方向下流側に、第1の排紙側渡し胴36が対接配置され、その第1の排紙側渡し胴36がフレーム3aに回転自在に支持されている。第1の排紙側渡し胴36には、印刷胴33により搬送されるシートS1の先端を印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cから受け取って保持するくわえ爪装置36aが設けられている。
【0029】
第1の排紙側渡し胴36の印刷胴33との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、第4搬送部としての第2の排紙側渡し胴37(上流側搬送胴)が第1の排紙側渡し胴36と対接配置され、その第2の排紙側渡し胴37がフレーム3aに回転自在に支持されている。第2の排紙側渡し胴37には、第1の排紙側渡し胴36により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持する第4保持装置としてのくわえ爪装置37aが設けられている。
【0030】
第2の排紙側渡し胴37の第1の排紙側渡し胴36との対接部分よりもシート搬送方向下流側には紙取胴38が対接配置され、その紙取胴38がフレーム3aに回転自在に支持されている。紙取胴38には、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持するくわえ爪装置38aが設けられている。
【0031】
紙取胴38の下方には、シートS1を搬送するベルトコンベア状のデリバリーベルト40が配設されている。デリバリーベルト40のシート搬送方向先端側には、デジタル印刷ユニット3によりデジタル印刷処理の施されたシートS1を積載する積載台41が設けられている。なお、紙取胴38、デリバリーベルト40、積載台41によりシート排出装置を構成し、紙取胴38およびデリバリーベルト40により搬送されるシートS1の経路がシート排出経路を構成する。
【0032】
第2の排紙側渡し胴37の紙取胴38との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、第1搬送部としての反転前倍胴39(搬送胴)が対接配置され、その反転前倍胴39がフレーム3aに回転自在に支持されている。反転前倍胴39は、第2の排紙側渡し胴37の2倍の直径を有する2倍胴であり、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を受け取って保持する第1保持装置としてのくわえ爪装置39aと当該くわえ爪装置39aに保持されたシートS1を支持する周面39bとが設けられている。
【0033】
反転前倍胴39の第2の排紙側渡し胴37との対接部分よりもシート搬送方向下流側には、シートS1の他方の端部としての後端(尻側端部)を受け取って保持する第3保持装置としてのくわえ爪装置31btを備えた第3搬送部としての反転スイング装置31bが対向して配置されている。なお、反転スイング装置31bはシートS1の表裏を反転させる反転部を構成する。
【0034】
図2に示されるように、フレーム3aに回動自在に支持された反転スイング軸201には、複数のスイングアーム202が軸方向に所定間隔をあけて複数個固定されており、当該スイングアーム202の先端にはそれぞれ爪軸203aを介してスイング爪203が回動自在に支持されている。
【0035】
反転スイング装置31bのスイング爪203と対向する位置には、爪台205が設けられており、当該爪台205とスイング爪203とによってシートS1を挟み付けて保持するくわえ爪装置31btが構成される。そして、くわえ爪装置31bt、スイングアーム202、反転スイング軸201により反転スイング装置31bが構成される。
【0036】
反転スイング装置31bは、反転スイング軸201の回動により図1に破線で示される反転前倍胴39からシートS1を受取る受取位置と図1に実線で示される印刷胴33にシートS1を受け渡す受渡位置との間で揺動可能に支持されている。
【0037】
なお、受渡位置において反転スイング装置31bは、印刷胴33の第1の排紙側渡し胴36との対接部分よりも印刷胴33の回転方向下流側かつ給紙側渡し胴32との対接部分よりも印刷胴33の回転方向上流側において印刷胴33に対向する。
【0038】
図3に示すように、フレーム3aに軸支された反転前倍胴39はその周面に円周方向に延びる溝状の凹部39bが軸方向に間隔をあけて複数形成されており、当該凹部39bは第2の排紙側渡胴37のくわえ爪装置37a及び反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向するように配置されている。ここで反転前倍胴39は、印刷胴33、第2の排紙側渡し胴37、反転スイング装置31b等とは別個に独立して単独駆動可能な駆動モータでなる第1搬送部駆動部としての単独駆動モータ254と接続されている。なお、反転前倍胴39、反転スイング装置31bおよび印刷胴33によりシート搬送装置を構成する。
【0039】
第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aは、紙取胴38のくわえ爪装置38aと反転前倍胴39のくわえ爪装置39aとに選択的にシートS1を受け渡すことが可能に駆動される。また、紙取胴38のくわえ爪装置38aは、第2の排紙側渡し胴37により搬送されるシートS1の先端を選択的に受け取ることが可能に駆動される。
【0040】
ここで、第1の排紙側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、反転前倍胴39、反転スイング装置31bにより搬送されるシートS1の経路がシート反転経路を構成する。シート反転経路は、印刷胴33からシートS1を受け取り、このシートを表裏反転させて当該印刷胴33へ受け渡す経路である。
【0041】
そして、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aと紙取胴38のくわえ爪装置38aとにより、シートS1の経路をシート反転経路とシート排出経路との間で選択的に切替えるシート搬送経路切替装置を構成する。
【0042】
<デジタル印刷装置の制御系の構成>
図4に示すように、デジタル印刷装置1は全体の印刷動作を統括制御するCPU(Central Processing Unit)構成でなる制御部251を備えている。制御部251には、シートS1のシートサイズを入力するシートサイズ入力部252、片面印刷モードまたは両面印刷モードを選択する印刷条件入力部としての片面・両面印刷条件入力部253が接続されている。
【0043】
また制御部251には、印刷胴33、第2の排紙側渡し胴37、反転スイング装置31b等とは別個に独立して反転前倍胴39を単独駆動する単独駆動モータ254が接続されている。
【0044】
<デジタル印刷装置の印刷動作>
このように構成されたデジタル印刷装置1の印刷動作について、片面印刷モードが選択された場合と、両面印刷モードが選択された場合に分けて説明する。
【0045】
図1に示されるように、作業者の片面・両面印刷条件入力部253(図4)の操作により片面印刷モードが選択されると、制御部251は連続供給バルブ26を作動させ、これにより第1吸23aおよび第2吸23bが積載台21のシートS1を吸着しフィーダボードFBへ搬送する。同時に制御部251は、片面印刷モードが選択されたので、単独モータ254を介して反転前倍胴39の回転を停止させることにより、無駄な電力消費を抑え、省エネルギー化を図る。
【0046】
連続供給バルブ26は、印刷胴33の1回転中に当該印刷胴33に設けられた印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cの数と同じ枚数のシートS1を供給するタイミング(第1の周期)、換言すると、印刷胴33における印刷胴くわえ爪装置33a乃至33cと、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aとが対向するタイミングごとにバルブが「開」して第1吸23aおよび第2吸23bの負圧源25からの吸引が行なわれるように制御される。このように、印刷胴33の全ての印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cがシートS1をくわえるように当該シートS1を供給することを連続給紙と呼ぶ。これにより、サッカー装置23はシートS1を連続給紙のタイミングでフィーダボードFBへ搬送する。
【0047】
フィーダボードFBにより搬送されるシートS1はその先端がスイング装置31fのくわえ爪装置によって保持された後に給紙側渡し胴32へ向かって揺動して搬送され、その給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aに当該シートS1の先端がくわえ替えされる。
【0048】
給紙側渡し胴32の回転に伴って搬送されるシートS1は、印刷胴33との対接部分において給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aから印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの何れかにその先端がくわえ替えされた後、印刷胴33の回転とともに搬送される。このときシートS1の全面は、印刷胴33における複数の吸引用孔を介して当該印刷胴33の支持面33d〜33fに吸着されて当該支持面33d〜33fに密着する。
【0049】
印刷胴33により搬送されるシートS1の表面には、インクジェットノズル部34のインクジェットノズルヘッド34a〜34dから微滴化されたインクが吐出されることによりデジタル印刷処理が施される。シートS1は印刷胴33の支持面33d〜33fに密着しているため、インクジェットノズルヘッド34a〜34dとの間の微小間隔が維持された状態で搬送される。この微小間隔が維持されることにより吐出されたインクがシートS1に高精度で着弾することができ、高品質な印刷を行うことができる。
【0050】
インクジェットノズル部34による印刷が行われたシートS1は、印刷胴33とインキ乾燥ランプ35との間を通過し、当該インキ乾燥ランプ35からの光が照射され、これによりシートS1のインキが乾燥する。その後シートS1は第1の排紙側渡し胴36へ搬送される。
【0051】
図5に示すように、印刷胴33と第1の排紙側渡し胴36との対接部分において印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cから第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aにシートS1の先端がくわえ替えされる。その後、図6に示すように、第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aに保持されたシートS1は、第1の排紙側渡し胴36と第2の排紙側渡し胴37との対接部分において、第1の排紙側渡し胴36のくわえ爪装置36aから第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aにその先端がくわえ替えされる。
【0052】
片面印刷モードの場合、第2の排紙側渡し胴37と紙取胴38との対接部分において、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aがシートS1の先端の保持を解除するとともに、紙取胴38のくわえ爪装置38aがシートS1の先端をくわえて保持し、くわえ替えが行なわれる。これによりシートS1は第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へくわえ替えされて搬送される。
【0053】
紙取胴38にくわえ替えされたシートS1は、デリバリーベルト40の上方に紙取胴38のくわえ爪装置38aが位置したタイミングで当該くわえ爪装置38aによる保持が解除され、デリバリーベルト40上に載せられる。
【0054】
デリバリーベルト40上に載せられたシートS1は当該デリバリーベルト40の走行とともに搬送され、表面にデジタル印刷処理の施されたシートS1が積載台41上に排出される。
【0055】
この片面印刷モードにおいては、シートS1は全てシート排出経路に切り替えられ、シートS1は反転前倍胴39および反転スイング装置31bには搬送されない。さらに、片面印刷モードにおいては、反転前倍胴39は回転せず停止しており、当該反転前倍胴39の上流側および下流側に設けられている第2の排紙側渡し胴37および反転スイング装置31bは動作しているが、反転前倍胴39の凹部39bが第2の排紙側渡胴37のくわえ爪装置37a及び反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向しているため、これらくわえ爪装置37a、31btが反転前倍胴39と干渉することがない。
【0056】
一方、シートS1に対して両面印刷を行う場合は、作業者が片面・両面印刷条件入力部253を操作して両面印刷モードを選択するとともに、シートサイズ入力部252にシートS1の搬送方向長さを入力する。このように準備したのち印刷を開始させると、制御部251は間欠供給バルブ27を作動し、第1吸23aおよび第2吸23bにより積載台21のシートS1を吸着しフィーダボードFBへ搬送する。
【0057】
間欠供給バルブ27は、連続給紙のタイミングに対して1枚おきのタイミングでシートS1を供給するタイミング(第1の周期の2倍の周期となる第2の周期)、換言すると、印刷胴33における印刷胴くわえ爪装置33a乃至33cと、給紙側渡し胴32のくわえ爪装置32aとが対向するタイミングで、バルブが「開」、「閉」、「開」、「閉」、…、となるように制御される。このように、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a、33b、33cが一つおきにシートS1をくわえるように当該シートS1を供給することを間欠給紙と呼ぶ。これにより、サッカー装置23はシートS1を間欠給紙のタイミングで1枚おきに間欠的に吸着しフィーダボードFBへ搬送する。
【0058】
サッカー装置23によりフィーダボードFBへ送り出されたシートS1は、片面印刷モードの場合と同様にスイング装置31fおよび給紙側渡し胴32を介して印刷胴33に受け渡されるが、シートS1は間欠給紙のタイミングで送り出されているため、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cは一つおきに給紙側渡し胴32から搬送される新規なシートS1を受取る。
【0059】
その後、シートS1はインクジェットノズル部34に搬送され、その一方の面(表面)に表面用の印刷が施される。ここで、制御装置251は、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの一つおきに保持された新規なシートS1に対して印刷を施し、シートS1を保持していない印刷胴くわえ爪装置33a〜33cに対応する支持面33d〜33fに対して印刷を行なわないようにインクジェットノズル部34の各インクジェットノズルヘッド34a〜34dを制御する。
【0060】
両面印刷モードの場合には、インクジェットノズル部34により表面に印刷が施されたシートS1は、第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へ受け渡されずに、反転前倍胴39に受け渡される。
【0061】
このように両面印刷モードの場合であって、表面に印刷が施されているが他方の面(裏面)にはデジタル印刷処理されていない場合には、制御装置251の制御により、第2の排紙側渡し胴37と紙取胴38との対接部分において第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aの爪は開かずに閉じたままの状態、すなわちシートS1の先端を保持した状態が維持されるとともに、紙取胴38のくわえ爪装置38aの爪は閉じずに開いた状態が維持される。
【0062】
これによりシートS1は第2の排紙側渡し胴37から紙取胴38へくわえ替えされることなく反転前倍胴39へ搬送される。第2の排紙側渡し胴37と反転前倍胴39との対接部分において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aの爪を閉じてシートS1の先端を保持させるとともに、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aの爪を開いてシートS1の先端の保持を解除させ、図7に示すように、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aから反転前倍胴39のくわえ爪装置39aにシートS1の先端がくわえ替えされる。
【0063】
このとき、反転前倍胴39の周面には、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aと対向する位置に溝条の凹部39b(図3)が形成されているため、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aが凹部39bの溝を通過することになり、反転前倍胴39の周面を傷付けることがない。
【0064】
図8に示すように、反転前倍胴39の回転とともに搬送されるシートS1は、反転前倍胴39の回転とともに搬送され、反転スイング装置31bが実線で示される受渡位置から破線で示される受取位置へ揺動し、シートS1の後端を当該反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btにより保持すると同時に、反転前倍胴39のくわえ爪装置39aによるシートS1の先端に対する保持を解除する。これにより、シートS1は反転前倍胴39から反転スイング装置31bにくわえ替えされる。
【0065】
なお、反転前倍胴39の周面には、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向する位置に溝条の凹部39b(図3)が形成されているため、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btが凹部39bの溝を通過することになり、反転前倍胴39の周面を傷付けることがない。
【0066】
ここで、反転前倍胴39が第2の排紙側渡し胴37からシートS1を受取り、反転スイング装置31bへシートS1を受け渡す動作における反転前倍胴39の駆動制御について具体的に説明する。シートサイズ入力部252に入力された搬送方向長さが基準サイズ(中間紙)の場合、制御部251は反転前倍胴39を基準速度で回転させるように単独駆動モータ254を制御する。ここで基準速度とは、反転前倍胴39が印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37の周速と同じ周速で回転する回転速度であり、反転前倍胴39は、基準速度で回転しているときは印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37との周速差が無い状態で回転しているのである。
【0067】
ここで、制御部251による反転前倍胴39の回転速度の制御を図9に基づいて説明する。図9はデジタル印刷装置1が定常速度で運転されているとき、すなわちデジタル印刷装置1の印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37が一定の速度で回転しているときの反転前倍胴39の回転速度を示したもので、横軸は時間或いはデジタル印刷装置1の位相を示しており、縦軸は反転前倍胴39の回転速度を示している。
【0068】
図9において、t0は第2の排紙側渡胴37からシートS1の先端をくわえ替えする受取り時点、t1は反転前倍胴39の回転速度の第1調整開始時点、t2は反転前倍胴39の回転速度の第1調整終了時点、t3は反転スイング装置31bへシートS1の後端をくわえ替えする受渡し時点を、t4は反転前倍胴39の回転速度の第2調整開始時点、t5は反転前倍胴39の回転速度の第2調整終了時点、t6は再び第2の排紙側渡胴37からシートS1の先端をくわえ替えする受取り時点である。ここで、時点とは時間或いはデジタル印刷装置1の位相を示しており、時点を位相で表した場合は受取り時点t6と受取り時点t0とは同一時点となる。また、第1調整開始時点t1から第1調整終了時点t2までの区間を第1速度調整領域、第2調整開始時点t4から第2調整終了時点t5までの区間を第2速度調整領域と定義する。
【0069】
シートS1の搬送方向長さが基準サイズ(中間紙)の場合、デジタル印刷装置1が定常速度で運転されているときには、図9の太線で示されるように、受取り時点t0から受取り時点t6まで速度変化させずに一定の速度v0で回転させる。換言すると反転前倍胴39は終始基準速度で回転されるのである。反転前倍胴39は印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37の周速と同じ周速で回転しているので、デジタル印刷装置1が定常速度で運転されているときには印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37が一定速度で回転しているため一定の速度v0で回転することになるが、デジタル印刷装置1が定常速度で運転されていないときには印刷胴33や第2の排紙側渡し胴37の周速と同じ周速で回転するのである。
【0070】
これにより、受取り時点t0において、図2に示すように、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aと反転前倍胴39のくわえ爪装置39aとが対向して基準サイズ(中間紙)のシートS1の先端がくわえ替えられ、当該反転前倍胴39の周面39bにシートS1が巻き付けられた状態で搬送される。
【0071】
その後、受渡し時点t3において、図10に示すように、一定の速度v0で回転される反転前倍胴39に搬送された基準サイズ(中間紙)のシートS1の後端が、反転スイング装置31bが受取位置に位置付けられる一定周期のタイミングで当該反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向する。
【0072】
反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btがシートS1の後端をくわえると共に反転前倍胴39のくわえ爪装置39aがシートS1の先端を開放することにより、当該シートS1が反転前倍胴39から反転スイング装置31bにくわえ替えられる。その後、図11に示されるように、反転スイング装置31bは受取位置から受渡位置へ揺動し、表裏反転した状態のシートS1を印刷胴33へ受け渡す。
【0073】
以上のように、シートS1が基準サイズ(中間紙)の場合は反転前倍胴39は制御部251により単独駆動モータ254を介して基準速度で回転動作するように制御されるだけであり、基準速度に対する速度の増減が行われることはない。
【0074】
次に、図12に示すように、シートS1の搬送方向長さが基準サイズよりも長い場合の制御について説明する。ここでは搬送方向長さがデジタル印刷機1で印刷可能な最大の搬送方向長さを有するシート(最大紙)S1aの場合を説明する。制御部251は、図9の実線で示されるように、反転前倍胴39を受取り時点t0、受渡し時点t3、受取り時点t6においては、基準サイズ(中間紙)のシートS1の場合と同じ基準速度(速度v0)で回転させるが、第1速度調整領域においては第1調整開始時点t1から基準速度に対して徐々に増速させて第1調整終了時点t2で基準速度に戻るように速度調整し、そして第2速度調整領域においては第2調整開始時点t4から基準速度に対して徐々に減速させて第2調整終了時点t5で基準速度に戻るように速度調整する。なお、制御部251は、受取り時点t0から第1調整開始時点t1の間、第1調整終了時点t2から第2調整開始時点t4の間、第2調整終了時点t5から受取り時点t6の間においては反転前倍胴39を基準速度(速度v0)で回転させる。
【0075】
このように制御することにより、反転前倍胴39は受取り時点t0および受渡し時点t3においては、当該反転前倍胴39を基準速度で回転し、第2の排紙側渡し胴37からのシートS1の受取りおよび反転スイング装置31bへのシートS1の受渡し動作を行なうため、シートS1aのくわえ替えを確実に行なうことができる。
【0076】
そして、反転前倍胴39から反転スイング装置31bへくわえ替えを行う際、シートS1aが基準サイズよりも長いサイズの最大紙である場合、反転前倍胴39の回転速度を一定の速度v0(基準速度)のまま回転させると、受渡し時点t3において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは図12の破線位置に位置付けられる。この場合、受取位置に位置付けられた反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btにシートS1aの後端が未だ到達しておらず、当該くわえ爪装置31btによりシートS1aの後端をくわえることができない。
【0077】
しかし、制御部251は、第1速度調整領域で反転前倍胴39を基準速度に対して増速させて、デジタル印刷機1の位相に対して反転前倍胴39の位相を進めるので、受渡し時点t3において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは図12の実線位置に位置付けられ、シートS1aの後端が受取位置に位置付けられた反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向する。
【0078】
これにより反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btがシートS1aの後端をくわえることができ、それと同時に反転前倍胴39のくわえ爪装置39aがシートS1aの先端を開放することにより、当該シートS1aが反転前倍胴39から反転スイング装置31bにくわえ替えられる。その後、図11に示されるように、反転スイング装置31bは受取位置から受渡位置へ揺動し、表裏反転状態のシートS1aを印刷胴33へ受け渡す。
【0079】
受渡し時点t3のタイミングで反転前倍胴39から反転スイング装置31bへシートS1a(最大紙)の後端がくわえ替えされた後、制御部251は速度v0(基準速度)で反転前倍胴39を回転させるが、第2速度調整領域において反転前倍胴39を基準速度に対して減速させて、デジタル印刷機1の位相に対して位相が進められた反転前倍胴39の位相を遅らせるので、受取り時点t6において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは、図2に示されるように、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aと対向する。これにより、シートS1aの先端は第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aから反転前倍胴39のくわえ爪装置39aにくわえ替えされる。
【0080】
このように制御部251は、シートS1a(最大紙)のくわえ替えを行う受取り時点t0、受渡し時点t3および受取り時点t6に影響することのない第1速度調整領域及び第2速度調整領域で反転前倍胴39の回転速度の増減を行い反転前倍胴39のデジタル印刷機1に対する位相を調整する。
【0081】
これにより制御部251は、基準サイズよりも長い搬送方向長さのシートS1aであっても、反転前倍胴39の回転速度を増減調整することにより第2の排紙側渡し胴37から反転前倍胴39へシートS1aの先端を確実にくわえ替えして受け取らせることができると共に、反転前倍胴39から反転スイング装置31bへシートS1aの後端を確実にくわえ替えして受け渡すことができる。
【0082】
一方、図13に示すように、シートS1の搬送方向長さが基準サイズよりも短い場合の制御について説明する。ここでは搬送方向長さがデジタル印刷機1で印刷可能な最小の搬送方向長さを有するシート(最小紙)S1bの場合を説明する。制御部251は、図9の破線で示されるように、反転前倍胴39を受取り時点t0、受渡し時点t3、受取り時点t6においては、基準サイズ(中間紙)のシートS1の場合と同じ基準速度(速度v0)で回転させるが、第1速度調整領域においては第1調整開始時点t1から基準速度に対して徐々に減速させて第1調整終了時点t2で基準速度に戻るように速度調整し、そして第2速度調整領域においては第2調整開始時点t4から基準速度に対して徐々に増速させて第2調整終了時点t5で基準速度に戻るように速度調整する。なお、制御部251は、受取り時点t0から第1調整開始時点t1の間、第1調整終了時点t2から第2調整開始時点t4の間、第2調整終了時点t5から受取り時点t6の間においては反転前倍胴39を基準速度(速度v0)で回転させる。
【0083】
このように制御することにより、反転前倍胴39は受取り時点t0および受渡し時点t3においては、当該反転前倍胴39を基準速度で回転して受取りおよび受渡し動作を行なうため、シートS1aのくわえ替えを確実に行なうことができる。
【0084】
そして、反転前倍胴39から反転スイング装置31bへくわえ替えを行う際、シートS1bが基準サイズよりも短いサイズの最小紙である場合、反転前倍胴39の回転速度を一定の速度v0(基準速度)のまま回転させると、受渡し時点t3において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは図13の破線位置に位置付けられる。この場合、受取位置に位置付けられた反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btをシートS1bの後端が既に通り過ぎているため、当該スイング爪203によりシートS1bの後端をくわえることができない。
【0085】
しかし、制御部251は、第1速度調整領域で反転前倍胴39を基準速度に対して減速させて、デジタル印刷機1の位相に対して反転前倍胴39の位相を遅らせるので、受渡し時点t3において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは図13の実線位置に位置付けられ、シートS1bの後端が受取位置に位置付けられた反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btと対向する。
【0086】
これにより反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btがシートS1bの後端をくわえることができ、それと同時に反転前倍胴39のくわえ爪装置39aがシートS1bの先端を開放することにより、当該シートS1bが反転前倍胴39から反転スイング装置31bにくわえ替えられる。その後、図11に示されるように、反転スイング装置31bは受取位置から受渡位置へ揺動し、表裏反転した状態のシートS1bを印刷胴33へ受け渡す。
【0087】
受渡し時点t3のタイミングで反転前倍胴39から反転スイング装置31bへシートS1b(最小紙)の後端をくわえ替えした後、制御部251は速度v0(基準速度)で反転前倍胴39を回転させるが、第2速度調整領域において反転前倍胴39を基準速度に対して増速させて、デジタル印刷機1の位相に対して位相が遅れた反転前倍胴39の位相を進めるので、受取り時点t6において反転前倍胴39のくわえ爪装置39aは、図2に示されるように、第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aと対向する。これにより、シートS1aの先端は第2の排紙側渡し胴37のくわえ爪装置37aから反転前倍胴39のくわえ爪装置39aにくわえ替えされる。
【0088】
このように制御部251は、シートS1b(最小紙)のくわえ替えを行う受取り時点t0、受渡し時点t3および受取り時点t6に影響することのない第1速度調整領域及び第2速度調整領域で反転前倍胴39の回転速度の増減を行い反転前倍胴39のデジタル印刷機1に対する位相を調整する。
【0089】
これにより制御部251は、基準サイズよりも短い搬送方向長さのシートS1bであっても、反転前倍胴39の回転速度を増減調整することにより第2の排紙側渡し胴37から反転前倍胴39へシートS1bの先端を確実にくわえ替えして受け取らせることができると共に、反転前倍胴39から反転スイング装置31bへシートS1bの後端を確実にくわえ替えして受け渡すことができる。
【0090】
図11に示すように、反転スイング装置31bの破線で示す受取位置から実線で示す受渡位置への揺動によりシートS1(S1、S1aまたはS1b)はその後端を先頭にして印刷胴33に向けて搬送され、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cの何れかに表裏反転状態のシートS1の後端がくわえ替えされる。
【0091】
ここで、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cは給紙側渡し胴32から搬送される新規なシートS1を一つおきに保持しているのであるが、反転スイング装置31bは新規なシートS1を保持しない印刷胴くわえ爪装置33a〜33cと対向するタイミングで受渡位置へ位置付けられ、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btからシートS1の後端を印刷胴くわえ爪装置33a〜33cへ受け渡す。これにより、印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cには、給紙側渡し胴32から受け渡された新規なシートS1と反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1とが交互に保持され、インクジェットノズル部34へ搬送される。
【0092】
このとき反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1は、インクジェットノズル部34により既にデジタル印刷処理の施された表面(デジタル印刷処理済みの面)が印刷胴33の支持面33d、33e、33fと対接し、シートS1の裏面(デジタル印刷未処理の面)が露出した状態で、シートS1の後端が印刷胴33の印刷胴くわえ爪装置33a〜33cにより保持された状態のまま搬送され、インクジェットノズル部34によりシートS1の裏面にデジタル印刷処理が施される。
【0093】
ここで、制御部251は、反転スイング装置31bのくわえ爪装置31btから受け渡された表裏反転状態のシートS1に対しては裏面用の印刷を施し、印刷胴33のくわえ爪装置33a〜33cのひとつおきに保持された新規なシートS1に対しては表面用の印刷を施すようにインクジェットノズル部34の各インクジェットノズルヘッド34a〜34dを制御する。これにより、インクジェットノズルヘッド34a〜34dは、印刷胴33に交互に保持された新規なシートS1と表裏反転状態のシートS1に対応して表面用の印刷と裏面用の印刷を交互に行うことになる。
【0094】
その後、裏面に裏面用の印刷が施されたシートS1は、片面印刷モードの場合と同様に、第1の排出側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、紙取胴38を順次介してデリバリーベルト40から排紙装置4の積載台41へ排出される。
【0095】
このようにデジタル印刷装置1の制御部251は、基準サイズ(中間紙)よりもシート搬送方向長さが長いシートS1aやシート搬送方向長さが短いシートS1bであっても、シート搬送方向長さに基づいて単独駆動モータ254を制御して反転前倍胴39の回転速度を増減調整することにより、第2の排紙側渡し胴37から反転前倍胴39へのシートS1の先端の受け取り、および反転前倍胴39から反転スイング装置31bへのシートS1の後端の受け渡しを確実に行うことができ、シートサイズの変更に伴う機械的調整が不要になり、作業者の負担が軽減されると共に、準備作業が無くなり生産性が向上する。
【0096】
またデジタル印刷装置1は、給紙側渡し胴32、印刷胴33、第1の排紙側渡し胴36、第2の排紙側渡し胴37、反転前倍胴39及び反転スイング装置31bへ順次シートS1をくわえ爪装置によりくわえ替えしながら受け渡すので、シートS1の表面及び裏面に対する当該シートS1の搬送方向や幅方向に対する高い見当精度を得ることができると共に、高い表裏見当精度を得ることができ、シートS1に対する印刷品質を向上させることができる。
【0097】
(2)第2の実施の形態
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態におけるデジタル印刷装置1の制御系の構成が異なる以外は同一であるため、ここでは第2の実施の形態におけるデジタル印刷装置200の制御系の構成についてのみ説明する。
【0098】
<第2の実施の形態におけるデジタル印刷装置の制御系の構成>
また図4との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、デジタル印刷装置200は、全体の印刷動作を統括制御するCPU構成でなる制御部251を備え、当該制御部251には、シートS1のシートサイズを規格で入力する入力手段を有するシートサイズ入力部252、印刷胴33の近傍に配置された光電センサ等でなりシートサイズ入力部252で入力された規格に対して実際に印刷するシートの大きさ(搬送方向長さ)の誤差を検知するシートサイズ誤差検知部255、片面印刷モードまたは両面印刷モードを選択する片面・両面印刷条件入力部253が接続されている。
【0099】
また制御部251には、印刷胴33、第2の排紙側渡し胴37、反転スイング装置31b等とは別個に独立して反転前倍胴39を単独駆動するための第1搬送部駆動部としての単独駆動モータ254が接続されており、シートサイズ入力部252、シートサイズ誤差検知部255および片面・両面印刷条件入力部253からの入力結果に応じて単独駆動モータ254を制御するように構成されている。ここで、第1の実施の形態と異なる点は、シートサイズ入力部252がシートサイズを規格で入力することと、シートサイズ誤差検知部255が設けられていることである。
【0100】
<第2の実施の形態における反転前倍胴の回転速度調整動作>
デジタル印刷装置200の制御部251は、シートサイズ入力部252に入力されたシートS1のシート規格(中間紙、最大紙又は最小紙)に基づき、シートS1が基準サイズ(中間紙)のシートS1、搬送方向長さが長いシートS1a(最大紙)、または搬送方向長さが短いシートS1b(最小紙)であることを認識する。
【0101】
そして、シートサイズ誤差検知部255は、ロット単位で供給されるシートS1(中間紙)、シートS1a(最大紙)、またはシートS1b(最小紙)の最初の1枚に対し、規格上の大きさ(寸法)に対する誤差を検知し、その誤差データを制御部251へ送出する。制御部251は、シートS1(中間紙)、シートS1a(最大紙)、またはシートS1b(最小紙)の規格上の大きさ(寸法)に加えて、シートサイズ誤差検知部255から得た誤差データに基づき、単独駆動モータ254を制御することにより反転前倍胴39の回転速度を増減調整する。これにより、第2の排紙側渡し胴37からシートS1aの先端を確実にくわえ替えして受け取ることができると共に、反転スイング装置31bへシートS1aの後端を確実にくわえ替えして受け渡すことができる。
【0102】
(3)第3の実施の形態
第3の実施の形態においては、第1、第2の実施の形態におけるデジタル印刷装置1、200の制御系の構成が異なる以外は同一であるため、ここでは第3の実施の形態におけるデジタル印刷装置300の制御系の構成についてのみ説明する。
【0103】
<第3の実施の形態におけるデジタル印刷装置の制御系の構成>
また図4との対応部分に同一符号を付した図15に示すように、デジタル印刷装置300は、全体の印刷動作を統括制御するCPU構成でなる制御部251を備え、当該制御部251には、印刷胴33の近傍に配置された光電センサ等でなりシートの搬送方向長さを検出するシートサイズ検知部256、片面印刷モードまたは両面印刷モードを選択する片面・両面印刷条件入力部253が接続されている。
【0104】
また制御部251には、印刷胴33、第2の排紙側渡し胴37、反転スイング装置31b等とは別個に独立して反転前倍胴39を単独駆動するための第1搬送部駆動部としての単独駆動モータ254(図15)が接続されており、シートサイズ検知部256および片面・両面印刷条件入力部253からの入力結果に応じて単独駆動モータ254を制御するように構成されている。ここで、第1の実施の形態と異なる点は、シートの搬送方向長さを検出するシートサイズ検知部256が設けられていることである。
【0105】
<第3の実施の形態における反転前倍胴の回転速度調整動作>
デジタル印刷装置300の制御部251は、シートサイズ検知部256により、シートS1の1枚ごとの搬送方向長さ(寸法)をそれぞれ検出する。
【0106】
そして制御部251は、シートサイズ検知部256により検出された実際のシートの実寸法の測定データに基づいて単独駆動モータ254を制御することにより反転前倍胴39の回転速度を増減調整する。これにより、第2の排紙側渡し胴37からシートS1aの先端を確実にくわえ替えして受け取ることができると共に、反転スイング装置31bへシートS1aの後端を確実にくわえ替えして受け渡すことができる。
【0107】
(4)他の実施の形態
なお、上述した実施の形態においては、本願発明のシート搬送装置をシート処理装置としてのデジタル印刷装置1に適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他のシート処理装置としてのオフセット印刷処理装置、検査処理装置、箔転写処理装置、型押し処理装置等に適用するようにしても良い。
【0108】
また、上述した実施の形態においては、シートS1(中間紙)を基準サイズとして、それよりもシート搬送方向に長いサイズのシートS1a及び短いサイズのシートS1bを搬送する場合に反転前倍胴39の回転速度を増減調整するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送方向長さが最大のシートS1aを基準サイズとして、それよりもシート搬送方向に短いシートを搬送する場合に反転前倍胴39の回転速度を調整するようにしたり、搬送方向長さが最小のシートS1bを基準サイズとして、それよりもシート搬送方向に長いシートを搬送する場合に反転前倍胴39の回転速度を調整するようにしてもよい。
【0109】
さらに、上述した実施の形態においては、3倍胴でなる印刷胴33を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、2倍胴、4倍胴、6倍胴等でなる印刷胴を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1、200、300…デジタル印刷装置、2…シートフィーダ、3…デジタル印刷ユニット、4…シートデリバリ、21…積載台、23…シートサッカー、25…負圧源、26…連続供給バルブ、27…間欠供給バルブ、31b…反転スイング装置(第3搬送部)、31f…スイング装置、32…給紙側渡し胴、33…印刷胴(第2搬送部)、34…インクジェットノズル部、35…インキ乾燥ランプ、36…第1の排紙側渡し胴、37…第2の排紙側渡し胴(第4搬送部)、38…紙取胴、39…反転前倍胴(第1搬送部)、41…デリバリーパイル、FB…フィーダボード、DB…デリバリーベルト、S1…シート、201…反転スイング軸、202…スイングアーム、203…スイング爪、205…爪台、251…制御部、252…シートサイズ入力部、253…片面・両面印刷条件入力部、254…単独駆動モータ(第1搬送部駆動部)、255…シートサイズ誤差検知部、256…シートサイズ検知部。
図1
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