(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031032
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ウエルドレスアルミニウム製HVACシステム
(51)【国際特許分類】
F24F 1/32 20110101AFI20161114BHJP
F16L 41/02 20060101ALI20161114BHJP
F25B 41/00 20060101ALI20161114BHJP
F16L 19/02 20060101ALI20161114BHJP
F16L 19/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
F24F1/32
F16L41/02
F25B41/00 H
F16L19/02
F16L19/00
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-524252(P2013-524252)
(86)(22)【出願日】2011年8月12日
(65)【公表番号】特表2014-504353(P2014-504353A)
(43)【公表日】2014年2月20日
(86)【国際出願番号】US2011047630
(87)【国際公開番号】WO2012021833
(87)【国際公開日】20120216
【審査請求日】2014年8月11日
(31)【優先権主張番号】61/373,754
(32)【優先日】2010年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/433,469
(32)【優先日】2011年1月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/420,146
(32)【優先日】2010年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/425,595
(32)【優先日】2010年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512279534
【氏名又は名称】ペターソン、バート
【氏名又は名称原語表記】PETTERSON, Bart
(73)【特許権者】
【識別番号】512279545
【氏名又は名称】シップマン、ジョン
【氏名又は名称原語表記】SHIPMAN, Jon
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(72)【発明者】
【氏名】ペターソン、バート
(72)【発明者】
【氏名】シップマン、ジョン
【審査官】
久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−232286(JP,A)
【文献】
実開平02−136891(JP,U)
【文献】
特表昭61−502006(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0108760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/32
F16L 19/00
F16L 19/02
F16L 41/02
F25B 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の冷却ユニットに冷媒の供給源を接続する複数片の管材と、
前記管材に取り付けられる複数のY形コネクターであって、3つのねじ付きのハブ開口を有するY形コネクターハブ、および、前記ねじ付きのハブ開口にそれぞれねじ込まれて前記Y形コネクターハブに対する前記管材の取り付けにあたって用いられる3つのハブコネクターを有するY形継ぎ手を備え、前記ハブコネクターの内面および外面に形成される誘電体層を有し、前記ハブコネクターの第1端にはウエルドレス圧入ジョイントを有し、前記ハブコネクターの第2端にはウエルドレスねじジョイントを有する複数のY形コネクターと、
内面および外面に誘電性の被覆層を有し、第1端および第2端にそれぞれウエルドレス圧入ジョイントを有し、2片の管材を相互に接続する複数の概略円筒形の中空管材コネクターとを備え、
前記Y形コネクターおよび前記中空管材コネクターは前記供給源から前記冷却ユニットに向けて特定量の冷媒を行き来させ、
前記ハブコネクター及び前記中空管材コネクターにそれぞれ設けられた前記ウエルドレス圧入ジョイントは、前記管材の一端の内側に配置され、前記管材の内側への変形を防止する管状インサートと、コネクターナットとを備え、前記ハブコネクターおよび前記中空管材コネクターは、前記管材の前記一端の外側を囲むコネクター本体を有し、前記コネクターナットは、前記コネクター本体にスライド可能に結合され、前記管状インサートおよび前記コネクター本体の間で前記管材の前記一端を加圧状態で保持し、前記誘電性の被覆層は前記管材および前記コネクター本体の間で電気的接触を防止するHVACシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記コネクター本体は、前記コネクター本体の外面から盛り上がる密閉用の隆起部を備え、前記隆起部は前記コネクターナットから前記管状インサートへの圧力を最大化するHVACシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記Y形コネクターハブの前記ハブ開口は、異なるサイズのねじ付きのハブコネクターごとに異なるサイズを有するHVACシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記中空管材コネクターは前記第1端および前記第2端に異なるサイズのコネクター本体を有するHVACシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記コネクター本体は、前記コネクター本体に前記コネクターナットを押し付ける際に工具を補助する工具噛み合い用の隆起部を備えるHVACシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記Y形コネクターハブ、前記管状インサートおよび前記コネクター本体は鋼から形成され、前記管材はアルミニウムから形成されるHVACシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記管状インサートは、前記管材の前記一端から前記管材内に当該管状インサートが滑り入ることを防止する外向きの開口縁を備えるHVACシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記管材および前記コネクター本体は異なる金属から形成されるHVACシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記誘電体層は前記コネクター本体に形成された非導電性材料の層であるHVACシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のHVACシステムにおいて、
前記非導電性材料は電気泳動塗料であるHVACシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のHVACシステムにおいて、
前記誘電体層の膜厚は15〜25ミクロンであるHVACシステム。
【請求項12】
請求項9に記載のHVACシステムにおいて、
前記非導電性材料はプラスチックであるHVACシステム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2011年1月17日に出願された米国特許仮出願第61433469号、2010年12月21日に出願された米国特許仮出願第61425595号、2010年12月6日に出願された米国特許仮出願第61420146号、および、2010年8月13日に出願された米国特許仮出願第61373754号の利益を享受する。これら出願の開示事項は参考として本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
ここに開示され請求される発明概念は、広く、建築物のHVAC(暖房換気空調)に使用されるシステムを組み立てるシステムおよび方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウム配管およびコネクターの使用に基づき実現されるHVACシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
過去50年以上にわたって、銅管材を使用するHVAC設備の設置にあたって、通常の手順では機械手段(フレア銅管および真鍮継ぎ手)または蝋付けやはんだ付けが利用されてきた。よく知られるように、銅管材のフレア加工の信頼性は低く、現場では冷媒漏れの主要な原因となる。フレア加工が正しく実施されれば、フレア加工は堅実な手法である。問題は、滅多にフレア加工は正確に実施されることはなく、うまくいかないことが非常に多いことである。
【0004】
これまでのところ、銅管のはんだ付けが広く使われてきた。R12、R22、Rllおよび塩化メチルといった低圧の冷媒であれば、銅管のはんだ付けはうまくいった。とはいえ、はんだは振動および高温の領域ではよくなく、多くの漏れが発生した。設備の設置の観点からすれば、1つの利点として、はんだは非常に低温で溶融し、適用が簡単である上、低温では酸化が生じないことから内部に汚染が生じず管が比較的に清浄に保たれることが挙げられる。
【0005】
銅管の蝋付けが正しく実施されれば、相当な接続強度が確保されるので、銅管の蝋付けは現場での管材の接続方法としてよほど好ましい。そして、銅管の蝋付けは、このところ一般に見受けられる全ての新世代の高圧ガス(R502、R134A、R410A、R407A、410A、R407C)に対して相応しい。しかしながら、蝋付けの下側では概して摂氏900度程度の高温が伴う。信頼に足る結合にあたって適度に高いレベルのスキルが要求される。加えて、汚染は大きな課題である。近年、高温作業の許可証の導入にあたって健康および安全の面からさらに新たな問題が持ち上がっている。
【0006】
いまや、様々な状況下で作業の開始に先立って高温作業の許可証が要求される。いつ、どこで、蝋付けが実施されることができるかについて規制が負わせられる。こういった規制はコストの増加や遅れといった結果を生む。時間がかかり、不十分であって高温化する高温作業は全て禁止される。
【0007】
蝋付けが実施されると、管内で非常に多量の酸化が引き起こされる。空気中の不純物から黒煤が生成される。これらの黒煤は、蝋付けのあいだ、乾燥窒素のパージによって管材を通じて必死に除去されなければならない。窒素パージは、時間を浪費し、退屈で、高価で、滅多に実施されない。その結果、多くのシステムはひどく汚染された管材を使って作動し、その後の多種の問題の原因となる。汚染に起因する主要な不具合はコンプレッサーオイルの汚染であってコンプレッサーの故障に帰結する。また、システムの細い管で目詰まりを起こし、制御箱や弁の故障を引き起こす。
【0008】
加えて、銅管の製造にあたって温室効果ガスすなわち二酸化炭素の過剰な生成も懸念される。これは銅の費用に積み上げられ、銅以外のアルミニウムといった管材に適したシステムはさらに望ましいものとして受け止められる。
【0009】
世界中のHVACシステムは銅管を使用して形成され銅管は真鍮製または銅製のフィッティング(配管接続部品)に嵌め込まれる。これらシステムの1つはVRF空調システムと呼ばれる。アルミニウムは格段に安い材料であって、アルミニウムの製造では銅の製造に比べて主要な温室効果ガスである二酸化炭素の発生は格段に少ない。したがって、アルミニウムの管材に基づくHVACシステムの形成に対して経済的にも環境的にも高い動機付けが存在する。過去にこうしたシステムが使用されてこなかった理由は、漏れなくアルミニウム管を相互に接続するフィッティングが手に入らなかったからであり、アルミニウム以外の金属から形成されるコネクターはアルミニウム管材と非アルミニウムフィッティングとの間で電気腐食を誘引したからである。現場ではアルミニウムは蝋付けされることはできず溶接されることはできない。
【0010】
建造物内や処理工場環境でねじ不良の主な原因は電気腐食である。電気腐食は、炭素鋼管が直接に真鍮の弁に結合されたり銅管に変遷したりする場所で引き起こされる。こういった場合には、2つの金属の間で電位にマイクロボルトの差が生じ、この電位差が金属の間に微小な電流を流す。その結果、炭素鋼管の反応を促し「低不活性化」される炭素鋼管の劣化を加速させる。
【0011】
要するに、極めて小さい直流電気回路が形成され、鋼管は陽極として働き、真鍮フィッティングまたは銅管は陰極として働く。そして、水分はか細い配線として働く。最も簡単に言えば、非常に弱い電池が形成される。アルミニウム管材とともに真鍮、銅または鋼が用いられると、同様な結果すなわち急速な腐食に行き着く
【0012】
「電気」腐食は相互に接触すると同時に水分に接触する2つの異なる金属の間で引き起こされる。「電気」腐食は多少そのときの腐食条件に応じて概して鋼管に破壊的な化学作用を及ぼす。電気腐食は、電解液すなわち典型的には水の存在下であって導電路が存在する2つの異なる金属の電気的反応として定義される。電気腐食は、最終段階では、異なる金属が接するねじといった部位で−極端に微小な漏れが形成され−沈殿物の蓄積の度合いに応じて視覚的に確認されることができる。しかしながら、その時点では、損傷はかなり進んでおり交換が要求される。
【0013】
空調システムの世界市場は過去10年で急速に立ち上がり、拡大し続けるように見える。いまのところ、一般に使用される中で最も先進の空調システムはVRVシステムすなわち可変冷媒流量システムである。
【0014】
銅管の配管網は、建造物周りで据え付けられ、HVACコアから必要な区域の関連する冷却コイル(「エア・ハンドラー」)に冷媒を供給する。銅管は冷媒の供給源から使用される地点まで延びることから、銅管はだんだんに小さい管に分岐していく。1つの管から2つの管への分岐、すなわち、一方は1つのファンコイルに行き着き、他方は他のファンコイル群に延び続ける分岐は従来技術に係るレフネットと呼ばれるY形ジョイントで達成される。従来技術に係るレフネット継ぎ手は、多数の部品の溶接で形成され、個々のY形ジョイントごとに多数の溶接が要求される。これまでのところ、溶接以外で漏れ防止の結合を確保する術は見当たらない。溶接は窒素環境下で実施されなければならない。溶接が多ければ、燃焼の危険があり、溶接の実現にあたって訓練された高給の人材が要求される。レフネットジョイントの1つのタイプでは流入側の管は合流点で2つの流出側の管に分岐する。個々の管の径は、特定のレフネットジョイントに対する要求に合致するように段階的に縮小していく。こうした構成の実現にあたって、1つの方法として、サイズの縮小する管が用いられ、当該システムに取り付けられる管のサイズに合致した径の区域で管は切り落とされる。
【0015】
部品が嵌め合わせられる際に、管の径は決定され、部品の正しい径の区域が溶接される。これは煩わしい作業である。特に、溶接の領域では金属の酸化を防止するために窒素パージが実施される必要があるからである。したがって、管に対する管材部品の接続は込み入っており、結果として、費用がかかり、間違いやすく、燃焼の危険があり、完了までに過剰に長い時間がかかり、構築にあたって専門の高給の技術者が必要とされる。
【0016】
レフネットジョイントを除き、HVACシステムは少なくとも他の2つのタイプの継ぎ手を必要とする。1つのタイプは2つの銅管を結合する。もう1つのタイプは真鍮フィッティングにフレア管フィッティングの反対側の内ねじでフレア銅管を結合する。アルミニウム管材に基づくHVACシステムでは漏れが起きない程度にきつい結合が要求される。同時に、そうしたHVACシステムではフィッティングで電気腐食は防止される必要がある。仮にこれが達成されれば、著しくコストの低減が実現され、環境的に好ましい解決方法が達成され、より速くより安く企画は築き上げられることができる。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、銅管材よりもむしろアルミニウム管材に基づくHVACシステムを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、溶接せずに仕事現場で組み立てられ、HVACシステムのサイズ仕様および圧力仕様に合わせられることができるレフネットジョイントアセンブリの1タイプを提供することを目的とする。この現場での組み立ては確実にシステムを密閉するように意図されるので、冷媒ガスは漏れることはなく、全ての溶接工程は省略されることができる。溶接工程が省略されることでアセンブリの燃焼の危険性は著しく減少する。こういったシステムは、従来技術で要求された高度な熟練工の雇用なしで組み立てられることができ、組み立ての作業時間を大いに短縮することができる。
【0019】
さらに、本発明は、接合部で漏れを防止しつつ2つのアルミニウム管を相互に接続し電流の流通および腐食を阻止するコネクターを提供することを目的とする。
【0020】
さらに、本発明は、ねじ付きのフィッティングにアルミニウム管を接続し電流の流通および腐食を阻止するコネクターを提供することを目的とする。
【0021】
開示の技術は、加熱なしで、冷媒の供給といった用途で利用される高圧の管材の結合を実現する。加えて、開示の技術は、屋外用途を相当に超えて壊れない接続を確保しつつ、銅、鋼およびアルミニウムといった異なる種類の金属のジョイントおよび管材を用いたシステムの構築を実現する。開示の技術はUL207にETLリストを加える。UL207は、実際に使用されるいかなるものよりも相当に高い3000psiの圧力テストに耐えうることをわれわれの構成部品に要求する。
【0022】
開示の技術に係るシステムは、熟練した蝋付け作業員の必要性、窒素パージの必要性、高温作業の許可証の必要性および冷媒の供給に用いられる銅管材の必要性をなくす。開示の技術は、誘電体の被覆膜で覆われるフィッティングのおかげで高価な銅管材の使用の必要性をなくすことができる。こうした被覆膜は、管材の電解に起因する腐食を防止し、アルミニウム管材および銅管材の結合を実現し、真鍮フィッティングおよび鋼フィッティングの使用を実現する。高圧の冷媒配管でのアルミニウムの使用の実現はHVACの歴史上初めてのことであって、アルミニウム管材は完全に銅に置き換わることができる。
【0023】
開示の技術で構築されるHVACシステムではCAD(コンピューター支援設計)が使用されて本システムの仕様が作られる。比較的に少ない選択範囲でフィッティングおよび工具は選択され、これらフィッティングおよび工具が使用されて、現場で本システムの多管接続は、溶接せず、蝋付けせず、はんだ付けせずに形成される。本システムの一部は従来技術のレフネットジョイントを置き換え、これはY形コネクターまたは3方向コネクターと呼ばれる。3方向コネクターの製作に用いられることができる工具および部品のアセンブリは管材の他の接続にも利用されることができる。3方向コネクターは鋼ハブであって3つの鋼コネクターがねじ込まれる。個々の鋼コネクターは1つのねじ付き端と1つの圧入端とを備える。コネクターは誘電体層で覆われ部品相互の間で電気的接触は防止される。鋼ハブにねじ付き開口を形成することで、鋼製の圧入−ねじコネクターが組み立てられ3方向コネクターを形成する。ここで、3方向コネクターは完全にガス漏れを防止し高圧に耐えることができる。限られた数のハブ、圧入−ねじコネクターおよび圧入コネクター、そして、プレス工具およびロックリングで、大いに減少した目録の部品から、システムは現場で溶接せずに構築されることができる。
【0024】
本システムの他の構成部品は、溶接せずに、蝋付けせずに、はんだ付けせずに、異なるタイプの金属管を結合する際に用いられる誘電体コネクターである。例えば、銅管および鋼フィッティングが結合される場合には、金属の組み合わせに応じてはんだの影響で通電が形成され、管の腐食や不具合を誘引することから、電気的な分離が必要とされる。鋼に接触するアルミニウムや、アルミニウムに接触する銅にも同じことが言える。コネクターは複数のタイプに分類されてもよい。ただし、どのタイプも、押し込みに基づき管材を保持する第1端を有する。コネクターの第2端は第1端の鏡像であってもよく、ねじ付きであってもよく、フレアナットの均等物であってもよい。コネクターは概略円筒形であって、好ましくは鋼から形成され、コネクターの内面および外面は誘電体被覆膜で覆われる。コネクター本体は少なくとも2つの環状の工具用隆起部で囲まれる。工具用隆起部は概略コネクター本体の中央位置でコネクター本体を取り囲む。工具用隆起部の片側にはコネクター本体の第1端で第1フランジが形成され、コネクター本体の他側にはコネクター本体の第2端で第2フランジが形成される。各フランジは密閉用の隆起部で取り囲まれる。そして、各フランジはコネクター本体を貫通する内面を有する。その内面には、コネクター本体に挿入される管の端部に突き当てられる隆起部が形成される。コネクター本体の内面には第1端に第1隆起部が形成され第2端に第2隆起部が形成される。コネクター本体の内面および外面は誘電体材料すなわち誘電体プラスチックまたはその他の非導電性材料で覆われる。そうした非導電性材料は電気めっき法でコネクター本体の内面および外面にめっき成膜される。鋼を覆う誘電体材料によれば、異なる種類の金属の管材は鋼コネクターに結合されることができる。したがって、真鍮、銅およびアルミニウムの管材の組み合わせは陰極腐食を引き起こさずに鋼コネクターに結合されることができる。誘電体材料の厚みは典型的には15〜20ミクロンである。
【0025】
アルミニウム管材に対して鋼コネクターが使用されると、鋼コネクターおよび硬い管状インサートの間にアルミニウム管材の端部を挟み、コネクター本体に向かって押し込まれる鋼コネクターナットから圧力を印加することで、ガス漏れに対して確実に密閉が確保される。コネクターの中央に位置する工具噛み合い用の隆起部は工具用隆起部であってプレス工具の顎片に噛み合う。コネクター、コネクターナットおよび管状インサートは亜鉛めっきされることができる。
【0026】
開示の技術は、コネクター本体にコネクターナットを押し込むプレス工具を備える。押し込みには大きな力が要求される。なぜなら、コネクター本体にコネクターナットを押し込む動作は鋼の管状インサートとコネクター本体の内側との間に管材の端部を挟み込むからである。プレス工具は上側のクランプ本体と下側のクランプ本体とを備える。2つのクランプ本体は位置決め用のロッドを用いて相互に取り付けられる。2つのクランプ本体は相互に接近したり離れたりするように構成される。ロッド上のばねは2つのクランプ本体を相互に押し離す。下側のクランプ本体には液圧管が取り付けられ、作動時に液圧の力で2つのクランプ本体は相互に押し近づけられる。
【0027】
2つのロッドの各々の下方に液圧シリンダーが配置される。2つのロッドはシリンダーの内部でピストンを形成する。作動液は2つのシリンダーに流入する。作動液は下側のクランプ本体の底部に向かってピストンを動かす。
【0028】
上側および下側のクランプ本体それぞれは上面、底面、外向き面、対向面、左側面および右側面を有する。個々のクランプ本体は概略円筒形の通路を区画する。通路は外向き面から対向面まで延びる。この通路は部分円筒形であって、そのサイズは、加工される管材およびフィッティングのサイズに応じて変わる。
【0029】
個々のクランプ本体では、半円の断面形状の通路に、半円の断面形状の切除部が形成される。切除部は顎片の挿入にあたって使用される位置決めを形成する。顎片は半円筒形であって、突出する内面隆起部または工具噛み合い用の隆起部を有する。工具噛み合い用の隆起部はコネクターの対応する隆起部に一致する。各顎片の隆起部はコネクター上の隆起部に押し当てられ、フィッティングに管は押し込まれる。フィッティングに対するアルミニウム管または銅管の結合にあたって、管状インサートと呼ばれるインナーロックカラーが用いられる。インナーロックカラーはインナーロックカラーそのものとフィッティングの壁との間に管を挟む。アウターロックカラーは同時にフィッティングの外側に押し付けられる。
【0030】
開示に係るプレス工具の第2実施形態は相互に軸回りで移動するように取り付けられる2つの片を備える。個々の片の形状は六角形といった多角形であって、六角形の個々の側面には、特定のサイズのコネクターに形成される密閉用の隆起部に噛み合う大きさに形成された顎が形成される。個々の顎はコネクターのサイズごとに合わせられ、2片は相対的に軸回りで回転する。回転に応じて2片で異なるサイズのコネクターが保持されることができ、そういったコネクターには異なるサイズの端部を有するものも含まれる。こうした装置の一例として、六角形であって、6つの側面の4〜6の側面に異なるサイズの顎を有するものが挙げられる。
【0031】
これら実施形態の各々では液圧手段の働きで2片は相互に押し近づけられる。液圧手段は足踏みペダルあってもよく液圧モーターであってもよい。このタイプの装置は前述のタイプのもので扱われるコネクターよりも小さいサイズのコネクターを扱うことができる。また、このタイプの装置は、異なるサイズの端部を有するコネクター、すなわち、異なる径の管材を接続するアダプターを扱うこともできる。
【0032】
第2実施形態に係るプレス工具では第1実施形態と同様に2片はロッドで結合される。ロッドに巻かれるばねで2片は押し離される。ロッドは液圧シリンダーのピストンであって、作動時に2片を相互に押し近づけ、アウターロックカラー、インナーロックカラーおよびコネクターのフランジの間に管の端部を固定する。コネクターの一側は1つの管の端部に固定され、その後、コネクターはひっくり返され、他の管の端部がコネクターの他側に固定される。ロックピンは当該回転プレスの2片を相互に取り付ける。2片を用いて管材との噛み合いにコネクターを押し込む際にロックピンは2片の調整された位置関係を保持する。
【0033】
本発明は、冷蔵(冷凍)システムを構築するために管材を相互に結合する方法であって、以下の工程を有する。
【0034】
第1工程は、第2管材に結合される第1管材の一端に管状インサートを挿入する工程である。
【0035】
次工程は、第1管材の端部にロックナットを配置し、短い距離にわたって第1管材の端部に向かってロックナットをスライドさせる工程である。
【0036】
次工程は、管材の端部の一部に、当該管材の端部の外面に、ロック用調製流体を適用する工程である。
【0037】
次工程は、コネクター本体のコネクターフランジに管材の端部を入れ込む工程である。このとき、前述のように、コネクターは、鋼で形成され、概略円筒形の管状コネクター本体である。管材は、コネクターの内部の隆起部に受け止められるように配置される。
【0038】
次工程は、2片プレスに第1管材、および、第1管材上のロックリングとともに管状インサートを配置する工程である。このとき、2片プレスは、ロックナットの外端に引っかかる第1顎片と、コネクター上の工具噛み合い用の隆起部の1つに引っかかる第2顎片とを備える。
【0039】
次工程は、液圧を発生しプレスの2片を相互に押し付け合い、コネクターフランジに対してロックナットを被せる工程である。このとき、管材の一端は管状インサートおよびコネクターフランジの内面の間に挟まれる。液圧の発生にあたって足踏みプレスまたは他の液圧プレス手段が用いられればよい。足踏みプレスは供給電力のない仕事現場でも使用されることができ、したがって、足踏みプレスはなかでも強みを有する。
【0040】
次工程は、第2管材に対してこれらの工程を繰り返し、コネクターに2つの管材を結合する工程である。誘電体材料で被覆された鋼コネクターを用いることで、異なる種類の金属は相互に結合されることができる。例えば、真鍮管、銅管およびアルミニウム管のいかなる組み合わせでもコネクターに結合されることができ、しかも、管材やコネクターの陰極腐食は引き起こされない。こうした材料の使用に関する順応性の結果、冷蔵(冷凍)システムおよびHVACシステムでアルミニウム管材が用いられることができる。こういったことは以前ではあり得ず、当該産業に大変革を起こすはずである。アルミニウムは銅よりも低価格であって、本方法はHVACシステムでジョイントの溶接の必要性を排除する。コストの低減は当該技術の採用の広まりを加速させるであろう。
【0041】
本方法は、亜鉛めっきされた管状インサートおよびロックナットを使用する工程をさらに備えることができる。このとき、亜鉛めっきの膜厚は概ね8ミクロン程度である。
【0042】
要約書は、公衆、特に特許または法律用語または専門用語に不慣れで当該技術に関する科学者、工学者および実務者に大雑把な閲覧ですぐさま本出願の技術的開示事項の本質を理解させることを目的とする。要約書は、本願の発明概念を定義することを意図するものではなく、いかなる場合でも発明概念の外縁を限定することを意図するものでもない。発明概念は請求項で評価される。
【0043】
ここに開示され請求される発明概念に関する他の特徴事項および利点は、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、以下の詳細な説明から頗る明らかであろう。以下の詳細な説明には、単純に本発明概念の実施にあたって予想される最良の形態の実例として、本発明概念に関して好適な実施形態が詳述される。後ほど十分に理解されるように、本発明概念は、本発明概念から離脱することなく様々な点で変形されることができる。したがって、好適な実施形態の図面および詳述は単なる例示であって限定的にみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図2】管状コネクターおよびコネクターナットを示す分解斜視図である。
【
図3】開示されるハブコネクターの一部切断図である。
【
図4】開示される管状コネクターの一部切断図である。
【
図5】異なる材料から形成されてもよく、あるいは、異なるサイズを有してもよい2つの管材とともに本システムのジョイントを示す図である。
【
図7】従来のレフネットジョイントを示す図である。
【
図8】開示されるフレアナット継ぎ手の断面図である。
【
図9】開示されるフレアナット継ぎ手の断面図である。
【
図10】管材の端部および管状インサートを示す図である。
【
図11】管材の端部および管状コネクターを示す図である。
【
図12】コネクター本体上を滑り動くコネクターナットを示す図である。
【
図13】管材の端部に形成されるジョイントを示す図である。
【
図14】2つの管材を結合する管状コネクターを示す図である。
【
図15】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図16】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図17】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図18】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図19】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図20】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図21】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【
図22】ジョイントを形成する開示の工具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ここに開示される発明概念には様々な変形例および代替構成が可能であるものの、特定の具体化された実施形態が図面に示され、以下に詳述される。ただし、開示される特定の形態に発明概念を限定する意図はないことが理解されるべきである。反対に、個々に開示され請求される発明概念は全ての変形例、代替構成、および、請求項に記載の発明概念の本質および広がりの範囲内で均等物に及ぶものである。
【0046】
図1は開示の技術を利用した冷媒システムを示す概念図である。
図1には管材34の繋がりも示される。管材34はフィッティングでコネクター12に接続される。コネクター12は圧入−圧入コネクターと呼ばれるタイプのものであればよい。圧入−圧入コネクターではコネクターの両端に圧入嵌めが用いられる。当該システムは圧入−ねじコネクターも備える。圧入−ねじコネクターでは、コネクターの一端は管材に圧力で結合され、コネクターの他端はねじでフィッティングに結合される。圧入−ねじコネクター28を使用するものとしてY形コネクター26が示される。これらのフィッティングは、さらに詳細に図面に現れることを待って以下に論じられる。システム全体は、溶接なしで現場で組み立てられるように構成された部品で作り上げられる。全てのフィッティングは、協働で、非常に高圧を保持することができ、異なる金属材料を使用するシステムを形成する。フィッティングおよび管材の各々は、腐食防止高圧ジョイント内で相互に接続されるように構成され、溶接の必要性なしに仕事現場で組み立てられるように構成される。
【0047】
図2は本発明に係る圧入−圧入コネクター36を示す。圧入−圧入コネクター36の端部にはそれぞれコネクターナット16が示される。一般的にはコネクターナット16は被覆されていない鋼の環状体である。個々のコネクターナット16は圧入−圧入コネクター36に結合される。コネクターナット16はコネクター本体の第1端18および第2端20にそれぞれ押し嵌められる。コネクター本体は、好ましくは、誘電体被覆膜24で覆われる内側および外側を有する鋼のフィッティングである。誘電体被覆膜24は、放電および管材からの腐食からコネクターを絶縁する。この特徴は、アルミニウムの管材が鋼のフィッティングに接続されたり、ときには銅の管材や真鍮のフィッティングで置き換えられたり、といった具合に、システム内で異なる材料の使用を許容する。圧入−圧入コネクター36はコネクターの両端に工具噛み合い用の隆起部22を備える。コネクターはコネクターの両端にさらに密閉用の隆起部38を備える。圧入−圧入コネクター36はシステムの要求に応じて異なるサイズに形成されることができる。開示の技術を利用した一般的なHVACシステムは数千のY形コネクター26および圧入−圧入コネクター36と多数の圧入−ねじコネクター28を備える。
【0048】
図3は圧入−ねじコネクター28を示す。圧入−ねじコネクター28の一端は圧入−圧入コネクター36と同一である。圧入−ねじコネクター28は第2端20にねじ部40を備える。圧入−ねじコネクター28にはコネクター本体13が含まれる。コネクター本体13は好ましくは鋼から形成され、この断面図に見受けられるように誘電体層24で被覆される。コネクター本体13はコネクターナット16を貫通して延び、コネクターナット16の外側で視認されることができる。コネクター本体13に管材34が取り付けられる。銅を含む様々なタイプの管材34が利用されることができるものの、開示の技術のシステムで大事な技術的貢献は高圧の冷媒の流通にあたってアルミニウムの管材が用いられることができることである。ジョイントの完成にあたってハブコネクターのねじ部の内側にシールおよびOリング(オーリング)が存在する。
【0049】
図4には圧入−圧入継ぎ手36が示される。圧入−圧入継ぎ手36はコネクター本体13並びにその第1端28および第2端20にコネクター12を備える。コネクター12で結合される2つの管材34が示される。個々の管材34は管材34の端部で管状インサート14を囲む。管状インサート14は開口縁42を有する。開口縁42は、管材34の一端から管材34内に管状インサート14が滑り入ることを防止し、管材34の一端に管状インサート14を配置する。
【0050】
図4にはコネクターナット16が示される。コネクターナット16は、コネクター本体13の第1端18および第2端20を囲み相対回転するように配置され、正しい位置に管材34の端部を固定する。コネクター本体13の各端はジョイントの形成にあたって使用される工具噛み合い用の隆起部22を有する。工具噛み合い用の隆起部22によれば、加圧工具はコネクター本体13に対してコネクターナット16を着座させる圧力を加えることができる。
図4はさらに誘電体層24を示す。誘電体層24はコネクター本体13の内側および外側を被覆する。誘電体層24は好ましくはおおよそ10〜24ミクロンの膜厚の層である。その層は電着で形成される。誘電体層24に用いられる適切な材料は電気泳動塗料であることが見出されたものの、それに類似する特性を有する他の材料も適切である。
【0051】
図5はコネクター12を示す。コネクター12は腐食防止高圧ジョイントで管材34を相互に結合する。この図面では工具噛み合い用の隆起部22を備える圧入−圧入コネクター36の両端にコネクターナット16が観察され、コネクター本体13の一部がコネクターナット16から外側に延びる。
図5に示されるようなフィッティングでは一方の管材はアルミニウムであって他方の管材は銅であってよく、その他の材料が電気腐食の問題なしに相互に固定されてもよい。
【0052】
図6は開示の技術のY形コネクター26を示す。Y形コネクター26は好ましくは鋼であって、誘電体被覆または誘電体層で被覆されてもよい。Y形コネクター26には好ましくは3つのねじ付き開口が形成される。それらねじ付き開口には3つの圧入−ねじコネクター28が挿入され固定されてもよい。Y形コネクターの一般的な使い方は流出側の管材の直径を流入側の管材のそれよりも縮小することにある。こうしたことは冷媒システムの工学計算で決定される。
図6のY形コネクター26は
図7に示されるレフネットジョイント(冷媒分岐キット)44に対比されることができる。従来のレフネットジョイントでは1つの流入側の管が合流点に進入し2つの流出側の管が合流点から延びる。個々の管は段階的に縮小する管径を有し、したがって、作業者は、必要な直径の区域を選択し、その位置で管材を切断し、管材を接続し、適正な直径の管材に接続されるジョイントに溶接することができる。前述のように、従来のレフネットジョイント44の使用では、複数段階の溶接工程や窒素パージ、圧力検査、その他の時間を費やし高額な工程が要求される。
【0053】
図8および
図9は開示の技術に係る2つのタイプのコネクター12を示す。これらコネクター12はフレアナットとしての使用に適する。
図8に示されるコネクター12ではコネクター12の内面および外面が誘電体被覆膜24で覆われる。こうした特定のコネクターでは概略円錐形のフレア座面46が形成され、当該フレア座面46に管材34のフレア端48が嵌め込まれる。フレア座面46は誘電体被覆膜24で覆われることから、コネクター12には真鍮や鋼といったいかなる材料も用いられることができ、管材34は銅やアルミニウムといった異なる材料から形成されることができる。この例では真鍮の雄片50がコネクター12のねじ付きの内部にねじ込まれることができる。真鍮の雄片50は真鍮のフレアナットの従来技術部分に均等である。
【0054】
図9は他の形態に係るコネクター12を示す。このコネクター12は従来のフレアナットと同様な機能を果たす。この実施形態では管材34はフレア端48を有しない。その代わりに管材34はフレアではない端部を有し、前述したようにコネクターナット16、管状インサート14およびコネクターの第1端18で定位置に固定される。このコネクター12は工具噛み合い用の隆起部22を有する。前述したコネクターと同様に、コネクター本体13ではその内面および外面は誘電体被覆膜24で覆われることができる。
【0055】
図10〜
図15には2つの管材34が相互に結合される手順が示される。
図10では管材34は軸線に直交する平面で切断される。リーマーで管材34の内面は滑らかに仕上げられる。そして、管材34の端部に管状インサート14は挿入される。
図11は管材34の端部に緩く嵌め合わせられたコネクター12を示す。コネクター12の端部には管状インサート14が挿入される。こうした緩い嵌め合いではコネクター12の第1端18の縁はマーカー52でマーキングされる。コネクター12が最大限に管材34の端部に嵌め合わせられると、このマーキングによってコネクター12の正しい位置は特定される。
【0056】
図11に示されるようにマーキングがなされると、コネクター12は外される。コネクターナット16が管材34上を滑って動かされる。管材34上に管状のコネクターナット16が設置されると、コネクター12が再び管材34の端部の定位置に滑り動かされ戻される。少量のロックタイト封止剤が何よりも最初に管材34の端部に適用され、コネクター12の内側に対する管材34の気密性が確保される。少量の潤滑剤もコネクター12の密閉用の隆起部38に適用される。管材34の端部にコネクター12が設置された状態で、コネクターナット16は、工具噛み合い用の隆起部22の側面に接触するまで、あるいは、接触する寸前まで、コネクター12の密閉用の隆起部38に押し当てられる。好ましくは、誘電体被覆膜24は層内に潤滑剤を内蔵する。ただし、潤滑剤は別途適用されてもよい。こうして
図13に示される位置が確立される。この位置ではコネクター本体13の第1端18に管材34は取り付けられ、コネクター本体13の一部はコネクターナット16の向こう側まで延びる。同様な工程はコネクター12の第2端20でも利用され、
図14に示されるように、2つの管材34はコネクター12に結合される。
図15には開示の技術に係る加圧工具が示される。この加圧工具はコネクターの一端に向かってコネクターナットを押し付ける。加圧工具は相互に離れて配置される第1片および第2片を有する。第1片および第2片は液圧の作用で相互に接近する。
図15に示される加圧工具56は第1片58および第2片60を備える。第1片58および第2片60はそれぞれ顎片受け62を有する。顎片受け62は概略半円の断面の溝であって、第1顎片64および第2顎片66が嵌め合わせられる輪郭を有する。第1顎片64および第2顎片66が顎片受け62に定位置で設置されると、管材34および管状インサート14に嵌め合わせられたコネクター12は顎片に受け止められることができ、コネクターナット16はコネクター本体13の密閉用の隆起部38に向かって押し込まれる。液圧用の取り付け部品68および液圧管70を通じて液圧は供給されることができる。液圧管70はポンプ(図示されず)に繋がる。コネクター12の一端側でコネクターナット16が押し込まれると、もう1つの管材34は圧入−圧入コネクターの他端側に押し込まれることができる。
【0057】
図16は異なるタイプの加圧工具を示す。加圧工具には符号72が付される。加圧工具72は第1片58および第2片60を有する。加圧工具72はさらに内臓の顎片74を備える。第1片58は第2片60回りで移動するように構成される。内蔵の顎片74は様々に異なるサイズのコネクター12に対応可能に構成される。こうした加圧工具72によれば、異なるサイズの管材を結合するコネクターに管材は押し込まれることができ、異なるサイズの管材の間でアダプターの機能は提供されることができる。
【0058】
特定の具体的な実施形態が図面に示され開示書で詳述される一方で、ここに開示される発明概念はこれらに限定されるものではなく請求項の範囲内で様々な形態で実現され得ることが明確に理解されなければならない。以上の記述から、請求項で規定されるように開示事項の本質および範囲から逸脱しない様々な変更がなされることは明らかであろう。