【実施例】
【0011】
図1〜
図5はこの発明の実施例を示すものである。
図2において、1は内装用短尺コーナー材である。
この内装用短尺コーナー材1は、プラスチック製材料により形成する。
なお、より詳細に説明すると、内装用短尺コーナー材1をプラスチック製材料により形成する際には、例えば汎用ポリスチレン(「GPPS」)にゴムを加えて耐衝撃性を持たせた耐衝撃性ポリスチレン、つまり、HIPS樹脂製材料を使用する。
このとき、前記内装用短尺コーナー材1は、
図2及び
図3に示す如く、第1側面2と、この第1側面2に対して略直交する第2側面3とによって断面L字形状に形成する。
また、前記内装用短尺コーナー材1は、長さが1000〜1800mmの範囲の寸法からなり、例えば長さを1300mmの寸法とする。
そして、前記内装用短尺コーナー材1は、前記第1側面2と前記第2側面3とに複数個の孔部4を規則正しく形成する。
なお、複数個の孔部4は、前記内装用短尺コーナー材1を2つの壁面が交差して角部を形成する後述する出隅部分10に貼り付けた際に、内装用短尺コーナー材1の前記第1側面2及び前記第2側面3の内側内の空気を排出して密着性を向上させる機能がある一方、原材料の使用量の低減に寄与している。
更に、前記内装用短尺コーナー材1においては、前記第1側面2と前記第2側面3との夫々の開放側端部2x、3xの内側に長手方向に沿って、例えば幅寸法が10mmの両面テープ5を夫々貼り付ける。
【0012】
ここで、前記内装用短尺コーナー材1の断面L字形状について詳述する。
この内装用短尺コーナー材1は、
図3に示す如く、幅寸法を例えば27mmとした第1側面2と、この第1側面2に対して略直交、かつ、同様の幅寸法を有する第2側面3とによって断面L字形状に形成されている。
そして、前記内装用短尺コーナー材1を形成する際に、前記第1側面2と前記第2側面3とが接続する夫々の基端側端部2y、3yの厚みを、例えば0.7mmとする。
また、前記第1側面2及び前記第2側面3の夫々の開放側端部2x、3xの厚みは、前記基端側端部2y、3yから開放側端部2x、3xに向かって厚みが漸次減少するように、例えば0.5mmとする。
更に、前記内装用短尺コーナー材1の断面L字形状の角度は、例えば88〜89度とする。
この内装用短尺コーナー材1の断面L字形状の角度の設定は、2つの壁面が交差して角部を形成する出隅部分に前記内装用短尺コーナー材1を前記両面テープ5にて貼り付けた際に、この両面テープ5の厚みを勘案するとともに、内装用短尺コーナー材1の前記第1側面2及び前記第2側面3によって、出隅部分の角部の両側にある2つの壁面への密着性を向上させている。
【0013】
前記内装用短尺コーナー材1を使用する用施工方法においては、
図4に示す如く、第1工程A〜第4工程Dまでの4つの工程を備えている。
【0014】
詳述すれば、前記第1工程Aは、長さ2500mmの市販のコーナー材よりも短尺、例えば長さ1300mmに形成した前記内装用短尺コーナー材1を、小型の搬送用車両に横置き状態に積層し、この小型の搬送用車両によって所定の作業場所6(
図5参照。)まで搬送する工程である。
つまり、長さ1300mmの前記内装用短尺コーナー材1としたことにより、小型の搬送用車両の荷台部分に横置き状態に積層可能とし、搬送を容易として、車両の準備費用や燃費などを含めた搬送コストを低減することができるとともに、搬送効率を向上させている。
しかも、小型の搬送用車両による搬送のみでなく、所定の作業場所6での前記内装用短尺コーナー材1の搬送も容易となり、作業効率の向上にも寄与している。
【0015】
前記第2工程Bは、所定の作業場所6の床7側の幅木8と天井9との間において、2つの壁面が交差して角部を形成する出隅部分10に少なくとも2本、例えばの実施例においては2本の前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2を直線上にセットし、これらの第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2のオーバーラップ部分Gを切除する工程である。
つまり、長さ1300mmの前記内装用短尺コーナー材1を使用することによって、所定の作業場所6の床7側の幅木8と天井9との間の距離が一般的な日本家屋の2000〜2300mm程度である場合に、メジャーを使用しなくとも、つまりスケールによって採寸を行うことなく、容易に施工することができ、作業効率を向上させている。
【0016】
前記第3工程Cは、2本の前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の長手方向側の端部1−1a、1−2a、1−1b、1−2bを突き合わせる際に、
図1(a)及び(b)に示す如く、例えば上方の第2内装用短尺コーナー材1−2の下端部1−2bのオーバーラップ部分Gを切除して新たな端部1−2cに現出させたカット面11が、下方の第1内装用短尺コーナー材1−1の長手方向側の端部1−1aに対峙しないように反転させて接合する工程である。
つまり、上方の第2内装用短尺コーナー材1−2の下端部1−2bのオーバーラップ部分Gを切除して新たな端部1−2cに現出させたカット面11が、下方の第1内装用短尺コーナー材1−1の長手方向側の上端部1−1aに対峙しないように接合することによって、
図1(b)に示す如く、2本の前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の長手方向側の端部1−1a、1−2aを接合させ、この端部1−1a、1−2aにおける十分な密着性を確保して隙間の発生を防止している。
【0017】
前記第4工程Dは、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2を接合した後に、第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の表面に通常のパテ施工を含む内装仕上げを行う工程である。
つまり、
図1(b)に示す如く、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の長手方向側の端部1−1a、1−2aを接合する。
そして、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の表面、つまり、前記第1側面2及び前記第2側面3の外側面に通常のパテ施工を含む内装仕上げを行う。
このとき、内装仕上げとしては、上述したパテ施工のみでなく、クロス張りなども含まれるため、「内装クロス仕上げ」と換言することもできる。
このため、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の端部1−1a、1−2aを接合した後に、第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の表面である前記第1側面2及び前記第2側面3の外側面に内装仕上げを行うため、従来の施工と何ら遜色なく完成させることができ、不具合が全くないものである。
【0018】
これにより、前記内装用短尺コーナー材1を使用する用施工方法において、上述した第1工程A〜第4工程Dまでの4つの工程を行うことによって、作業時間を短縮することができる。
【0019】
次に、
図4の前記内装用短尺コーナー材1、この実施例においては、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2による施工方法の4つの第1工程A〜第4工程Dまでの作業工程に沿って、作用を詳細に説明する。
【0020】
先ず、前記第1工程Aにおいては、
図4に示す如く、長さ2500mmの市販のコーナー材よりも短尺、例えば長さ1300mmに形成した前記内装用短尺コーナー材1を、小型の搬送用車両に横置き状態に積層する。
そして、この小型の搬送用車両によって所定の作業場所6まで搬送する。
【0021】
また、前記第2工程Bにおいては、所定の作業場所6の床7側の幅木8と天井9との間に、2つの壁面が交差して角部を形成する出隅部分10に少なくとも2本、例えばの実施例においては2本の前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2を直線上にセットする。
このとき、
図5に示す如く、上述した所定の作業場所6の床7と天井9との間の距離L1から、幅木8の高さ寸法L2を引いた床7側の幅木8と天井9との間の距離L3を対象とする。
この距離L3は、一般的な日本家屋の2000〜2300mm程度である。
そして、所定の作業場所6の床7側の幅木8と天井9との間の距離L3において、
図1(a)に示す如く、長さ1300mmの2本の第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2を直線上にセットするものである。
また、セット後は、メジャーを使用することなく、前記第2内装用短尺コーナー材1−2の下端部1−2bのオーバーラップ部分Gを切除する。
【0022】
更に、前記第3工程Cにおいては、2本の前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の長手方向側の端部1−1a、1−2a、1−1b、1−2bを突き合わせる際に、
図1(a)及び(b)に示す如く、例えば上方の第2内装用短尺コーナー材1−2の下端部1−2bのオーバーラップ部分Gを切除して新たな端部1−2cに現出させたカット面11が、下方の第1内装用短尺コーナー材1−1の長手方向側の端部1−1aに対峙しないように反転させて接合する。
このとき、上方の第2内装用短尺コーナー材1−2の下端部1−2bのオーバーラップ部分Gを切除して新たな端部1−2cに現出させたカット面11が、下方の第1内装用短尺コーナー材1−1の長手方向側の上端部1−1aに対峙しないように接合している。
【0023】
更にまた、前記第4工程Dにおいては、
図1(b)に示す如く、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の長手方向側の端部1−1a、1−2aを接合した後に、第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2の表面である前記第1側面2及び前記第2側面3の外側面に通常のパテ施工を含む内装仕上げを行う。
このとき、前記第1、第2内装用短尺コーナー材1−1、1−2に形成した複数個の前記孔部4内にパテが入り込むようにパテ施工を行い、その後にクロス張りも行って内装仕上げを行う。
【0024】
なお、この発明は上述実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
【0025】
例えば、この発明の実施例においては、前記内装用短尺コーナー材の長さを1300mmの寸法として説明したが、長さを1000〜1800mmの範囲の寸法とする特別構成とすることも可能である。
すなわち、所定の作業場所の床側の幅木と天井との間の距離が一般的な日本家屋の2000〜2300mm程度であるため、2本の第1、第2内装用短尺コーナー材のみでなく、
図6に示す如く、3本の第1〜第3内装用短尺コーナー材21−1、21−2、21−3を使用することが可能である。
このとき、第1、第2内装用短尺コーナー材21−1、21−2の端面を接続して切除は行わず、第2内装用短尺コーナー材21−2に対して第3内装用短尺コーナー材21−3のオーバーラップ部分Gを削除する。
さすれば、前記第2工程Bにおいて、メジャーを使用しなくとも、容易に施工することができ、作業効率を向上させることができる。
【0026】
また、この発明の実施例においては、前記内装用短尺コーナー材を形成する際に、幅寸法を例えば27mmとした第1側面と、この第1側面に対して略直交、かつ、同様の幅寸法を有する第2側面とによって断面L字形状に形成する構成としたが、第1側面と第2側面との幅寸法を相違させる形状とすることが可能である。
さすれば、密着性を確保する必要がある側に幅寸法の大なる側面を位置させることによって、前記内装用短尺コーナー材を取り付けた際の十分な密着性を確保することができ、その後の通常のパテ施工を含む内装仕上げの作業を行う前記第4工程を円滑に行うことができる。
また、一方の側面の幅寸法を全て変更する構成のみでなく、中間部位などの少なくとも一部の幅寸法を変更することも可能である。
更に、前記内装用短尺コーナー材を取り付けた際の密着性を上昇させる際に、この内装用短尺コーナー材の断面L字形状の角度を、全て一律とせず、部分的に変更する構成とすることも可能である。