(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の製造プロセスにおいてパターンの微細化が進展するに伴い、ラッチアップが大きな問題となっている。ラッチアップとは、半導体集積回路装置内部にバイポーラ型の寄生トランジスタが形成され、該寄生トランジスタがサイリスタ構造になることから、サージ等のトリガによって該サイリスタがオンして過大な電流が流れ続ける現象をいう。この現象について
図12を用いて説明する。
【0003】
図12は、従来の半導体集積回路装置の断面構造を示す図である。P型基板Spの上にN型ウェルWn1とP型ウェルWp1が形成されている。N型ウェルWn1上のP型拡散領域Dpd1、Dps1、ポリシリコンPO1が、P型MOSトランジスタTp1のドレイン、ソース、ゲートをそれぞれ形成している。基板コンタクトDnn1は、P型MOSトランジスタTp1の基板電位を供給する。基板コンタクトDnn1とP型MOSトランジスタTp1のソースであるP型拡散領域Dps1は、電源電位VDDに接続されている。P型ウェルWp1上のN型拡散領域Dnd1、Dns1、ポリシリコンPO2が、N型MOSトランジスタTn1のドレイン、ソース、ゲートをそれぞれ形成している。基板コンタクトDpp1は、N型MOSトランジスタTn1の基板電位を供給する。基板コンタクトDpp1と、N型MOSトランジスタTn1のソースであるN型拡散領域Dns1は、接地電位VSSに接続されている。
【0004】
従来の半導体集積回路には、P型寄生バイポーラトランジスタBp1およびN型寄生バイポーラトランジスタBn1が発生している。しかしながら、基板コンタクトDnn1によってノードN2が電源電位VDDに保たれている。基板コンタクトDpp1によってノードN1が接地電位VSSに保たれている。さらに、P型寄生バイポーラトランジスタBp1およびN型寄生バイポーラトランジスタBn1のそれぞれが該バイポーラトランジスタのベースにつながっている。よって、バイポーラトランジスタがオンすることなく、N型ウェルWn1、P型ウェルWp1およびP型基板Spには、通常、電流は流れない。
【0005】
ところが、サージ、基板ノイズなどの外乱によって電流IがP型基板Sp内に強制的に流れた時、ノードN1に電流が流れる。ノードN1の電位が上昇し、N型寄生バイポーラトランジスタBn1がオンする。そして、ノードN2に電流が流れ、ノードN2の電位が低下する。すると、P型寄生バイポーラトランジスタBp1もオンし、ノードN1へ電流が流れ続ける。このような半導体集積回路内部に大電流が流れ続ける現象をラッチアップと呼び、ラッチアップはCMOS動作に必要な素子の破壊を招く恐れがある。
【0006】
ラッチアップを抑制する手段として、基板コンタクトをできるだけ多く確保することによってノードN1の電位上昇およびノードN2の電位低下を抑える方法がある。別の方法として、基板コンタクト領域とCMOSトランジスタの拡散領域の間隔dを小さくすることで、抵抗を小さくし、仮に電流が流れた場合でもノードN1の電位上昇およびノードN2の電位低下を小さくする方法がある。
【0007】
従来の半導体集積回路では、トランジスタ列に基板コンタクト領域をあらかじめ規則的に配置しておく。次に、トランジスタ列のうち、基板コンタクト領域が配置された以外の残りの領域に、半導体集積回路の動作に必要な回路素子を配置していく。基板コンタクト領域と動作に必要な回路素子が配置された以外の領域(以下、余白領域と表す)に、半導体集積回路の電源ノイズを抑制するデカップリング容量素子などの半導体集積回路の論理動作に寄与しない素子を配置する。別の方法としては、余白領域には、何も配置しない方法がある。このような半導体集積回路装置が一般的に知られている(特許文献1を参照)。
【0008】
また、余白領域にラッチアップを防止するための基板コンタクト領域を設ける半導体集積回路装置も知られている(特許文献2を参照)。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は第1の実施施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図で、
図2は
図1の半導体集積回路装置の余白領域にデカップリング容量素子を配置したレイアウトパターンの概略図である。また、
図3は本第1の実施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
【0018】
図1に示す通り、第1の方向に、回路素子が配置され、各トランジスタ列1a、1b、1c・・が形成されている。トランジスタ列1a、1b、1c・・が第2の方向に並んで配置され、半導体集積回路Riが形成されている。また、半導体集積回路Riのうち、基板コンタクト領域Rc1、Rc2、Rc3はそれぞれ第2の方向に延在しており、基板コンタクト領域Rc1、Rc2、Rc3に、第2の方向に並んで基板コンタクトが形成される。また、基板コンタクト領域Rc1、Rc2、Rc3は、本実施形態では、等間隔に規則的に配置されている。
図1において、基板コンタクト領域Rc1、Rc2、Rc3の間隔は2d(
図1に図示する)で、各基板コンタクト領域の第1の方向の間隔は、等間隔である。
【0019】
例えば、基板コンタクト領域Rc2のうち、トランジスタ列1a(以下、第1の基板領域)では、基板コンタクトDnn1、Dpp1が形成されており、第2の方向に隣接する
領域にも基板コンタクト(図示せず)が形成されている。第2の方向と逆の方向に隣接する領域には、基板コンタクトDpp2、Dnn2が形成されている。
【0020】
図1における基板コンタクト領域Rc1、Rc
3についても同様である。
【0021】
そして、半導体集積回路Riのうち、基板コンタクト領域Rc1、Rc2、Rc3以外の残りの領域は、半導体集積回路の動作に必要な回路素子配置領域Ra1〜Ra4と、動作に必要な回路素子配置領域以外の領域(以下、余白領域Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5と表す)とに分類される。
【0022】
動作に必要な回路素子配置領域Ra1〜Ra4には、論理動作に寄与するトランジスタ(図示せず)が配置される。そして、余白領域Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、Rb5には、半導体集積回路の電源ノイズを抑制するデカップリング容量素子、フィラーセル、リペア用トランジスタ、電位固定機能(以下、TIE機能と表す)を有するトランジスタ、あるいはアンテナダイオードなど、半導体集積回路の論理動作に寄与しない素子を配置するか、あるいは何も配置しなかったり、ダミーのトランジスタを配置したり、ゲートのみを配置したりしている。
【0023】
なお、上記の説明からも明らかなように、トランジスタ列には、トランジスタ以外の素子も並んでいる。
【0024】
次に、
図2、
図3を用いて、余白領域Rbの構成について詳細に説明する。
図2は、
図1のトランジスタ列1aおよびトランジスタ列1bの一部を示す図であり、
図3は、第1の実施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図2において、トランジスタ列1aは、N型ウェルWn1およびP型ウェルWp1を一対としている。N型ウェルWn1にはP型拡散領域が形成され、P型MOSトランジスタTp1が形成されている。また、P型ウェルWp1にはN型拡散領域が形成され、N型MOSトランジスタTn1が形成されている。P型MOSトランジスタTp1およびN型MOSトランジスタTn1はいずれも論理動作に寄与するトランジスタである。トランジスタ列1bも同様の構成である。
図2においては、点線で囲んで示している余白領域Rb1、Rb3〜Rb5に半導体集積回路の動作に寄与しないデカップリング容量として機能するトランジスタTnc、Tpcが形成されている。余白領域Rb2は空領域のままになっている。
【0025】
また、トランジスタ列1aにおける基板コンタクト領域Rc2のうち、N型ウェルWn1にはN型拡散領域が形成され、基板コンタクトDnn1を形成している。また、トランジスタ列1aにおける基板コンタクト領域Rc2のうち、P型ウェルWp1にはP型拡散領域が形成され、基板コンタクトDpp1を形成している。トランジスタ列1aにおいては、余白領域Rb1、Rb2、基板コンタクト領域Rc2以外の領域には、半導体集積回路の動作に必要な回路を形成するP型MOSトランジスタTp1またはN型MOSトランジスタTn1が配置されている。なお、1つのトランジスタ列内で、P型MOSトランジスタTp1およびN型MOSトランジスタTn1(論理動作に寄与するトランジス)のゲート電極がつながっている場合もあれば、トランジスタ列1b内に配置されているトランジスタTp1aおよびトランジスタTn1aのようにゲートがつながっていない場合もある。
【0026】
一般的には
図2に示すように、余白領域にはデカップリング容量として機能するトランジスタTncまたはTpcを配置しているが、第1の実施形態では、
図3に示すように、余白領域Rb1、Rb3、Rb5のうち、P型ウェルWp1またはP型ウェルWp2上には、デカップリング容量として機能しているトランジスタTnc1と、基板コンタクトDp1をペアとして配置している。また、余白領域Rb1、Rb3、Rb5のうち、N型ウェルWn1,Wn2上には、デカップリング容量として機能しているトランジスタTpc1と、基板コンタクトDn1をペアとして配置している。
【0027】
なお、余白領域Rb1、Rb3、Rb5以外の構成は
図2と同様であるため同じ符号を付して説明を省略する。
【0028】
つまり、第1の実施形態では、デカップリング容量として機能しているトランジスタTnc、Tpcを配置する代わりに、
図3に示すように、デカップリング容量として機能するトランジスタと基板コンタクトとのペアを配置しているので、基板コンタクトを配置するため半導体集積回路の面積を増大させることがなくラッチアップの抑制ができる。またデカップリング容量素子と基板コンタクト領域を混在することによって、デカップリング容量を大幅に損なうことなく基板コンタクト領域を多く確保でき、ラッチアップを抑制できる。
【0029】
なお、
図3を参照しながら説明した第1の実施形態では、余白領域Rb1と余白領域Rb3とでは、基板コンタクトDn1を形成する拡散領域の面積が異なっている。このように、必要な基板コンタクト領域を確保するために、適宜、基板コンタクトを形成する拡散領域の面積を調整することができる。基板コンタクトDp1についてもDn1と同様である。
【0030】
第1の実施形態では、例えば、
図3に示す通り、基板コンタクト領域Rc2のうち、トランジスタ列1b(以下、第1の基板領域)では、基板コンタクトDnn2、Dpp2が形成されている。第1の基板領域の第2の方向に隣接する領域には基板コンタクトDpp1が形成されている。第1の基板領域の第2の方向と逆の方向に隣接する領域には、基板コンタクトが形成されている(図示せず)。つまり、第1の基板コンタクト領域の第2の方向および第2の方向と反対の方向に隣接する領域には、基板コンタクト領域が配置されている。
【0031】
基板コンタクト領域Rc1、Rc3(
図1に示す)についても同様である。
【0032】
そして、
図3に示すようにトランジスタ列1bにおいて、余白領域Rb5には基板コンタクトDn1、Dp1が形成されているが、余白領域Rb5の第2の方向に隣接する領域には、基板コンタクト領域は配置されていない。余白領域Rb5の第2の方向と逆の方向に隣接する領域にも、基板コンタクト領域は配置されていない(図示せず)。例えば、
図3では、余白領域Rb5が第3の基板コンタクト領域となる。なお、余白領域Rb1、余白領域Rb3も基板コンタクト領域である。
【0033】
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態について
図4を参照しながら説明する。
図4は第2の実施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図4に示すレイアウトパターンと、
図3を参照しながら説明した第1の実施形態のレイアウトパターンとで異なる点は、余白領域Rb3だけである。よって、以下、余白領域Rb3の構成についてのみ説明し、その他の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図4に示す通り、余白領域Rb3のうち、P型ウェルWp2上には、デカップリング容量として機能するトランジスタTnc2のみが形成され、N型ウェルWn2上は、
図3と同様に、デカップリング容量として機能するトランジスタTpc1と基板コンタクトDn1のペアを配置している。なお、デカップリング容量として機能するトランジスタは、本実施形態ではCMOSトランジスタで構成されている。
【0035】
この構成によると、余白領域Rb1内のP型ウェルWp1上に形成された基板コンタクトDp1aは、P型ウェルWp2内の隣接するN型MOSトランジスタに対して、基板電位を供給し、またラッチアップ抑止力として作用する。従って、基板コンタクト領域Dp1aは、N型MOSトランジスタTnc1に対してだけでなく、余白領域Rb3内のN型MOSトランジスタTnc2に対しても有効である。よって、余白領域Rb3内には、P型拡散領域で形成された基板コンタクト領域を配置する必要は少なく、例えば、N型拡散領域で形成された基板コンタクトDn1だけを配置しておけばよい。
【0036】
このように、余白領域にN型ウェル側、P型ウェル側のどちらか一方にのみ基板コンタクト領域を配置するなど、各余白領域内の基板コンタクト領域をラッチアップ抑止力の点で必要十分な箇所にのみ配置することによって、余白領域を活用しながら、デカップリング容量を最大限に確保し、基板コンタクト領域を多く確保でき、ラッチアップを抑制できる。
【0037】
(第3の実施形態)
次に第3の実施形態について
図5を参照しながら説明する。
図5は第3の実施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図5に示すレイアウトパターンと、
図3を参照しながら説明した第1の実施形態のレイアウトパターンとで異なる点は、余白領域Rb3だけである。よって、以下、余白領域Rb3の構成についてのみ説明し、その他の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
図3を参照しながら説明した第1の実施形態は、基板コンタクトDp1、Dn1が、余白領域Rb3内に偏って配置されている。N型MOSトランジスタTnc1およびP型MOSトランジスタTpc1の領域が大きい場合に、基板コンタクトDpp2、Dnn2と、基板コンタクトDp1、Dn1との距離が広がり、ラッチアップ抑制効果が一部薄れてしまう。
【0039】
一方、第3の実施形態では
図5に示す通り、基板コンタクトDp3、Dn3を余白領域Rb3内中央に配置し、CMOSトランジスタは、2つのN型MOSトランジスタTnc3および2つのP型MOSトランジスタTpc3にそれぞれ分割配置している。
【0040】
図5では、余白領域Rb1、余白領域Rb3、余白領域Rb5は、基板コンタクト領域である。
【0041】
このように、余白領域内の基板コンタクトDp3またはDn3から、付近のCMOSトランジスタへのラッチアップ抑制効果を均等に作用させることによって、デカップリング容量を減少させることなく、ラッチアップを確実に抑制できる。
【0042】
(第4の実施形態)
次に第4の実施形態について
図6を参照しながら説明する。
図6は第4の実施形態の半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図6に示すレイアウトパターンと、
図3を参照しながら説明した第1の実施形態のレイアウトパターンとで異なる点は、余白領域Rb3だけである。よって、以下、余白領域Rb3の構成についてのみ説明し、その他の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図6に示す半導体集積回路装置においては、余白領域Rb3のP型ウェルWp2上にP型MOSトランジスタTpc4が、余白領域Rb3のN型ウェルWn2上にN型MOSトランジスタTnc4が形成されている。この構成では、P型MOSトランジスタTpc4および、N型MOSトランジスタTnc4はデカップリング容量の機能に加え、基板コンタクトとしての機能も兼ねている。
【0044】
図6では、余白領域Rb1、余白領域Rb5は、基板コンタクト領域である。
【0045】
よって、余白領域内にデカップリング容量と基板コンタクト各領域をより高密度に配置することができ、デカップリング容量を減少させることなく、よりラッチアップを確実に抑制できる。
【0046】
(第5の実施形態)
図7は第5の実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図7は、
図3における余白領域Rb1、Rb2、Rb3、Rb5を以下に変更したものである。よってその他の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
まずは、余白領域Rb1について説明する。余白領域Rb1に配置されたP型MOSトランジスタTpr,およびN型MOSトランジスタTnrは、リペア用トランジスタである。つまり、集積回路の動作不具合などが発生した場合の修正に備えた予備素子であって、通常は集積回路の論理動作には寄与しない。リペア用のトランジスタは、修正の必要がない場合は、電位固定されているか、または、フローティング状態になっている。
【0048】
次に、余白領域Rb2について説明する。上記実施形態では、余白領域Rb2は空領域であったが、
図7に示す通り、ゲート11のみを配置して、ダミーゲート配置領域として活用している。また、空スペースには、ゲートだけではなく、拡散上にゲートを配置させ、ダミーのトランジスタ(ダミートランジスタ)を配置してもよい。このダミートランジスタの構成はN型MOSトランジスタTn1または、P型MOSトランジスタTp1と同様であるが、フローティング状態で、半導体集積回路の論理動作には寄与しない点が異なる。
【0049】
次に、余白領域Rb3について説明する。余白領域Rb3内のP型MOSトランジスタTptおよびN型MOSトランジスタTntは、TIE機能を有するトランジスタ、すなわち、電源電位または接地電位と、集積回路内の他のノードとを間接的に接続する機能をもっている。このP型MOSトランジスタTptおよびN型MOSトランジスタTntは、半導体集積回路の論理動作には寄与しない。
【0050】
次に、余白領域Rb5について説明する。余白領域Rb5内のP型拡散領域DpdとN型拡散領域Dndは、アンテナダイオードである。アンテナダイオードは、配線層に過剰に帯電した電荷が集積回路の素子へダメージを与えないよう、配線層から接続して、電荷を逃す機能をもち、同じく、集積回路の論理動作には寄与しない。余白領域Rb5内のN型MOSトランジスタTnc1は、デカップリング容量素子であり、同じく、集積回路の論理動作には寄与しない。
【0051】
このように、デカップリング容量素子のみならず、リペア用トランジスタ、TIE機能を有するトランジスタ、あるいはアンテナダイオードといった、集積回路の論理動作には寄与しない素子のいずれかまたはそれらの組み合わせであれば、余白領域を活用しながら、論理動作には寄与しない各素子の機能をそれぞれ大幅に損なうことなく、基板コンタクト領域を多く確保でき、ラッチアップを抑制できる。
【0052】
図7では、余白領域Rb1、余白領域Rb3、余白領域Rb5は、基板コンタクト領域である。
【0053】
(第6の実施形態)
上述した実施形態では、基板コンタクト領域Rc2には、基板コンタクトDnn1、Dpp1、Dnn2、Dpp2だけが形成されているが、第6の実施形態では、基板コンタクト領域Rc2に基板コンタクト以外の、論理動作に寄与しない素子を配置した実施形態である。なお、
図3の構成と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図9は、第6の実施形態に係る半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図9は、
図3における基板コンタクトDnn1、基板コンタクトDpp1が形成されている領域を、
図3の余白領域領Rb1に置き代えた例である。
【0055】
つまり、基板コンタクト領域Rc2は、基板コンタクトDn1の左隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTpc1を配置している。基板コンタクトDp1の左隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTnc1を配置している。
【0056】
図10は、第6の実施形態に係る半導体集積回路装置の別のレイアウトパターンの概略図である。
図10は、
図3における基板コンタクトDnn2、基板コンタクトDpp2が形成されている領域を、
図5の余白領域Rb5に置き代えた例である。
【0057】
つまり、基板コンタクト領域Rc2は、基板コンタクトDn1の右隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTpc1を配置している。基板コンタクトDp1
の左隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTnc1を配置している。
【0058】
図11は、第6の実施形態に係る半導体集積回路装置の別のレイアウトパターンの概略図である。
図11は、
図3における基板コンタクトDnn2、基板コンタクトDpp2が形成されている領域を、
図5の余白領域Rb3に置き代えた例である。
【0059】
つまり、基板コンタクト領域Rc2は、基板コンタクトDn3の両隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTpc3を配置している。基板コンタクトDp3
の両隣に、デカップリング容量
として機能しているトランジスタTnc3を配置している。
【0060】
つまり、基板コンタクト領域Rc2は、基板コンタクト以外に、動作に関与しないトランジスタを混在させても良い。
【0061】
基板コンタクト領域Rc2に、動作に関与しない素子として、
図7のRb1に示すような、リペア用トランジスタを配置してもよい。
図7のRb5に示すような、アンテナダイオードDndを配置してもよい。
【0062】
なお、本実施形態では、基板コンタクト領域Rc2には基板コンタクトが並んでいたが、1つおきに配置したり、一部、間引いたりしてもよい。例えば、
図8は、本実施形態の基板コンタクトの別の配置例を示す半導体集積回路装置のレイアウトパターンの概略図である。
図8に示すように、必ずしも、全トランジスタ列に基板コンタクトを敷き詰める必要はない。
【0063】
なお、本実施形態では、トランジスタは全てMOSトランジスタで説明したが、それに限定されるものではない。