(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、携帯装置の方位を決定するコンセプトに関する。本発明のいくつかの実施の形態は、Wi−Fi(登録商標)姿勢位置追跡のためのコンセプトに関する。
【0002】
最新のスマートフォンには、種々のセンサが備えられている。測位のため、通信衛星の受信機、GSM(登録商標:Grobal System for Mobile Communications)モジュール、および、無線LAN(Local Area Network)モジュールを用いることができる。これらに基づいて、歩行者ナビゲーションに対する新規で安価な取り組みを提案することができる。これは、タクシーを呼ぶことから、催し物の検索、都市および博物館の案内まで、歩行者のための新しいタイプの位置情報サービスを可能とする。
【0003】
ナビゲーションの第一の選択肢は、通常、全地球位測位網(GPS)である。しかしながら、都市および屋内の環境でGPSの精度および有効性が欠けていることは、広く知られている問題である。スマートフォンで広く用いられている補助GPS(A−GPS)を利用することで、最初のGPS位置の特定までの起動時間、および電力消費を削減することができる。しかし、信号が検出には弱すぎる場合、測位は失敗する。さらに、屋外では、装置の水平姿勢が電子コンパスを使うことで容易に検出できるが、屋内では、磁気擾乱がコンパス出力を信頼できないものとしてしまう。
【0004】
屋内環境における代替または補完的な解決策として、非特許文献1は、Wi−Fi(http://www.wi−fi.org/参照、Wi−Fiは、Wi−Fi Alliance(2003)の登録商標である)ネットワークにおける受信信号強度(RSS)に基づく測位アプローチを提案している。近年、公的および私的なアクセスポイントの数の増加により、Wi−Fi測位は歩行者ナビゲーションにおいてより魅力的なものとなってきており(非特許文献2)、すでに多くのスマートフォンに組み込まれている。
【0005】
歩行者の追跡において残されている課題のひとつは、人の向きを推定することである。歩行者は、非常にゆっくりと移動し、その位置を変えることなくいつでも方向を変えることができる。そのため、連続した位置から計算される歩行者の速度ベクトルの精度は、非常に低いものとなる。測位精度は、Wi−Fiと、非特許文献3、4に提案されている低コストのセンサを用いた推測航法と、を組み合わせることで改善することができる。歩行者用には、非特許文献5で分析されているように、推測航法を歩幅検出により改善することができる。しかしながら、姿勢の推定は、いまだ課題となっている。
【0006】
さらに、非特許文献6,7では、建物内の物体および人の位置の決定に特有の問題が検討されている。それによると、低コストのアプローチは、現在広く展開されている無線LAN次第である。
【0007】
Wi−Fi測位方法は、2つのグループに分けられる。第1のグループは、既知のWi−Fiアクセスポイントの位置および信号強度のデータベースを必要とし(例えば、非特許文献8,9参照)、第2のグループは、フィンガープリントと呼ばれるデータベースを必要とする(例えば、非特許文献10〜15参照)。
【0008】
フィンガープリンティング・データベースは、前もって取得されたRSS測定結果により作成される。そしてこれらは、これらが観測された位置の座標を用いて参照される。たとえば、1つのフィンガープリントは、ジオリファレンス位置、RSS値、および受信したアクセスポイントに関連する識別子を含んでいる。測位のため、フィンガープリンティングは、現在のRSS測定結果をデータベース内のフィンガープリントのエントリに関連づけることで行われる。そして、一番合致しているフィンガープリントを選択したのち、ユーザの位置を、例えばこれらの相関の結果により重み付けされたフィンガープリント位置の平均値により、計算することができる。フィンガープリンティングについてのさらなる詳細については、非特許文献16に記載がある。
【0009】
各々の環境は、特有の信号伝搬を示す。特定の位置におけるRSSは、経路損失(物体による遮蔽とマルチパス伝搬)に依存する。遮蔽物の密度が高いほど、異なるフィンガープリントの類似性が信号スペース内でより低下するため、Wi−Fi測位の精度がより高くなる。したがって、建造物の構造および備品によって、屋内Wi−Fi測位が良好に機能する。屋外、特に広い区画では、データベースの相関が曖昧なものとなる。
【0010】
意味のあるWi−Fi測位結果を得るために、実際には、少なくとも3つのアクセスポイントを観測する。都市環境におけるWi−Fi測位の長所は、社会基盤がすでに構築されていることである。既存の私的および公的なアクセスポイントを使うことも可能である。しかしその一方、測位は時間経過による気づかれない変化の影響を受けるし、利用可能なアクセスポイントの数は、場所によって異なっている。データベースの変化の分析が、非特許文献17に示されている。
【0011】
非特許部文献17,18に報告されているように、測定結果を修正してフィンガープリンティング・データベースを構築するために、さまざまな方法が使用される。
【0012】
図1は、フィンガープリンティング位置と、各位置において検出されたアクセスポイントの数と、を示す地理的地域を示す。測位のテストベッド(試験用プラットフォーム)として、フラウンホーファIISでは、ドイツのいくつかの主要都市の大都市圏(ベルリン、ハンブルグ、ニュルンベルグ、およびミュンヘンを含む)を用いている。
図1において、ニュルンベルグの都心部をカバーするデータベースの一部が示されている。仮にもサービスエリア内であれは、平均で、ひとつのフィンガープリントが21箇所のアクセスポイントを含んでいる。換言すると、
図1は、ニュルンベルグにおいて、フラウンホーファIIS製Awiloc(登録商標)のフィンガープリントティング・データベースから抽出され、openstreetmaps.orgのmap上で視覚化された例を示す。ここで、ドットが、拡大して示すように、フィンガープリント位置と各位置で検出されたアクセスポイントの量とを表す。
【0013】
Wi−Fi測位は、受信可能なアクセスポイントの密度が十分に高いことから、都市部での位置特定によく用いられている。特に屋内においてWi−Fi測位は信頼できる位置特定結果を提供するが、屋内環境のための安価で信頼できる姿勢推定システムとはなっていない。建造物における強磁性材料は、磁石方位を不確実とするような大きい磁気擾乱を引き起こす。マイクロ・エレクトロメカニカル・システム(MEMS)に基づく慣性航法システム(INS)は、時間の経過に伴い、大きなドリフトエラーの影響を受けてしまう。この問題は、センサデータ融合(sensor data fusion)により、一部解決することができる(非特許文献19)。
特許文献1は、自動方向探知システムを示している。この自動方向探知システムは、方向探知アンテナ配列を備える。このアイテナ配列はラジオ受信機に接続され、音声出力信号を処理して、区画分けされた円形の視認円形表示装置のひとつの区画を選択的に光らせて、受信信号が到来した方向を示す。
特許文献2は、ラジオ方向探知システムを開示している。このシステムは、互いに所定の方向に配置される複数のアンテナを構成する固定アンテナ配列を備える。さらに、このシステムは、標本回路および保持回路を備え、少なくとも1つの電波によりそれぞれ対応するアンテナに誘起された電圧の大きさを表す信号を標本化して蓄える。これに加えて、このシステムは、信号プロセッサを備え、蓄えられた信号および各アンテナのアンテナ応答データを利用して、少なくともひとつの電波の波面の向きを決定する。
特許文献3は、アンテナ基本設計概念およびこれを用いた無線追尾装置を示している。このアンテナ構造は、基台と、複数のマイクロアンテナを備える。基台は、この基台の端部に隣接して設けられた複数のリフレクタを備える。複数のマイクロアンテナは、指定された地域内における無線通信信号を受信するために、対応する複数のリフレクタのそれぞれに隣接して、基台上に配置されている。この無線追尾機器は、アンテナ構造と、コンバータと、無線受信モジュールと、プロセッサと、を備える。コンバータは、受信した信号を処理するため、マイクロアンテナに結合される。無線受信モジュールは、受信した無線通信信号をディジタル信号に変換するため、コンバータに結合される。プロセッサは、ディジタルデータにより無線通信信号に対応する位置データを生成するため、無線受信モジュールに結合される。
特許文献4は、方向探知装置を示している。この方向探知装置は、無指向性受信素子と、方向性受信素子の配列と、配列内の2つの隣接するエレメントへの別別の接続に適した
2つのログ・ビデオ検出器と、無線周波数送信機の方位角データを含む信号を生成するための減算回路と、を備える。
特許文献5は、方向探知システムを開示している。このシステムは、共通の軸まわりに配置された1組の指向性アンテナと、各アンテナに結合され、アンテナに入射する信号から無線周波数信号を引き出す受信機と、受信機に結合され、無線周波数信号の少なくとも最大の者を選択して、後段の解析のための信号とするセレクタと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】US 4,219,821 A
【特許文献2】IE 912391 A1
【特許文献3】US 2007/0222685 A1
【特許文献4】EP 0002076 A1
【特許文献5】DE 2243041 A
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Bahl, P., Padmanabhan, V.: Radar: an in−building rf−based user location and tracking system. In: Proceedings on INFOCOM the 19th Annual Joint Conference of the IEEE Computer and Communications Societies, Tel Aviv, Israel (2000)
【非特許文献2】Meyer, S., Vaupel, T., Haimerl, S.: Wi−fi coverage and propagation for localization purposes in permanently changing urban areas. In: Proceedings on IADIS the international Conference Wireless Applications and Computing, Amsterdam, The Netherlands (2008)
【非特許文献3】Seitz, J., Vaupel, T., Meyer, S., Gutierrez Boronat, J., Thielecke, J.: A hidden markov model for pedestrian navigation, in: Proceedings on WPNC the 7th Workshop on Positioning, Navigation and Communication, Dresden, Germany (2010);
【非特許文献4】Seitz, J., Vaupel, T., Jahn, J., Meyer, S., Gutierrez Boronat, J., Thielecke, J. A hidden markov model for urban navigation based on fingerprinting and pedestrian dead reckoning, in: Proceedings on the 13th International Conference on Information Fusion, Edinburgh, United Kingdom (2010).
【非特許文献5】Jahn, J., Batzer, U., Seitz, J., Patino Studencka, L., Gutierrez Boronat, J.: Comparison and evaluation of acceleration based step length estimators for handheld devices. In: Proceedings on the 13th International Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation (IPIN), Zurich, Switzerland (2010)
【非特許文献6】Wallbaum, M.: Indoor geolocation using wireless local area networks. Ph.D. thesis, Department of Computer Science, RWTH Aachen University (2005) 17
【非特許文献7】Welch, G., Bishop, G.: An introduction to the kalman filter. University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC, USA (1995)
【非特許文献8】Skyhook Wireless: http://www.skyhookwireless.com
【非特許文献9】Schilit, B., LaMarca, A., Borriello, G., Griswold, W., McDonald, D., Lazowska, E., Balachandran, A., Hong, J., Iverson, V.: Challenge: Ubiquitous location−aware computing and the place lab initiative. In: Proceedings on the 1st ACM international workshop on Wireless mobile applications and services on WLAN hotspots, San Diego, CA, USA (2003)
【非特許文献10】Bahl, P., Padmanabhan, V.: Radar: an in−building rf−based user location and tracking system, in: Proceedings on INFOCOM the 19th Annual Joint Conference of the IEEE Computer and Communications Societies, Tel Aviv, Israel (2000);
【非特許文献11】Castro, P., Chiu, P., Kremenek, T., Muntz, R.: A probabilistic room location service for wireless networked environments, in: Proceedings on UBICOMP the 3rd International Conference on ubiquitous computing, Atlanta, GA, USA. Springer (2001);
【非特許文献12】Haeberlen, A., Flannery, E., Ladd, A., Rudys, A., Wallach, D., Kavraki, L.: Practical robust localization over large−scale 802.11 wireless networks, in: Proceedings on MobiCom the 10th annual international conference on mobile computing and networking, Philadelphia, PA, USA (2004);
【非特許文献13】Ibach, P., Hbner, T., Schweigert, M.: Magicmap−kooperative positionsbestimmung ber wlan, in: Proceedings on the Chaos Communication Congress, Berlin, Germany (2004);
【非特許文献14】Teuber, A., Eissfeller, B.: Wlan indoor positioning based on euclidean distances and fuzzy logic, In: Proceedings on WPNC the 3rd Workshop on Positioning, Navigation and Communication, Hannover, Germany (2006)
【非特許文献15】Youssef, M., Agrawala, A.: The horus location determination system, Wireless Networks 14(3), 357−374 (2008).
【非特許文献16】Bahl, P., Padmanabhan, V.: Radar: an in−building rf−based user location and tracking system, in: Proceedings on INFOCOM the 19th Annual Joint Conference of the IEEE Computer and Communications Societies, Tel Aviv, Israel (2000)
【非特許文献17】Meyer, S., Vaupel, T., Haimerl, S.: Wi−fi coverage and propagation for localization purposes in permanently changing urban areas. In: Proceedings on IADIS the international Conference Wireless Applications and Computing, Amsterdam, The Netherlands (2008).
【非特許文献18】Vaupel, T., Seitz, J., Kiefer, F., Haimerl, S., Thielecke, J.: Wi−fi positioning: System considerations and device calibration, in: Proceedings on the 13th International Conference on Indoor Positioning and Indoor Navigation (IPIN), Zurich, Switzerland (2010)
【非特許文献19】Kraft, E.: A quaternion−based unscented kalman filter for orientation tracking. In: Proceedings on the 6th International Conference of Information Fusion, Cairns, Queensland, Australia (2003)
【非特許文献20】Welch, G., Bishop, G.: An introduction to the kalman filter, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC, USA (1995)
【発明を実施するための形態】
【0022】
同一または同等の要素、あるいは、同一または同等の機能性は、以下の記述では、同一または同等の参照番号で示す。
【0023】
以下の記述において、詳細の大半は、本発明の実施の形態のより包括的な説明を提供するために記載している。しかし、本発明がこれらの特定の詳細なしでも実施できることは、当業者にとって明らかである。その他の実施の形態中において、公知の構造および装置は、本発明の実施の形態が不明瞭になることを避けるために、詳細であるよりはむしろ、ブロック図形式で表している。加えて、以下に述べられている異なる実施の形態の特徴は、特に注記のない限り、互いに組み合わせることができる。
【0024】
図2は、本発明の実施の形態に係る携帯装置100のブロック図を示す。携帯装置100は、受信機102と、方位決定部104と、を備える。受信機102は、据置型送信機110からの信号108を受信する複数のアンテナ106−1〜106−nを有する。複数のアンテナ106−1〜106−nの各アンテナは、異なる受信方向を有するように配置されている。受信機102は、複数の検出信号強度を得るために、複数のアンテナ106−1〜106−nで受信した信号108の信号強度を検出する。方位決定部104は、複数の検出信号強度に基づいて、据置型送信機110に応じた携帯装置100の方位112を決定する。
【0025】
本発明のコンセプトによれば、据置型送信機110の信号108は、複数のアンテナ106−1〜106−nで受信される。複数のアンテナ106−1〜106−nは、異なる受信方向を有するように配置されているので、複数のアンテナ106−1〜106−nの各アンテナは、特徴的または異なる信号強度で信号108を受信し、その信号強度を携帯装置100の受信機102で測定または検出できる。これにより、送信機110に応じた携帯装置100の方位が、複数の検出信号強度に基づいて、方位決定部104により決定できる。
【0026】
実施の形態において、携帯装置100の受信機102は、n個までのアンテナ106−1〜06−nを有することができる。nは、2以上の自然数である(n≧2)。例えば、
図2に示すように、受信機102は、2つのアンテナ106−1および106−nを有することができる(n=2)。さらに、
図2において、携帯装置100の受信機102を、3つのアンテナ106−1〜106−nを有する構成とすることもできる(n=3)。
【0027】
図2に示すように、携帯装置100の方位112を、記載上、矢印で表すことにする。携帯装置100と据置型送信機110との間の関連方位は、
図2に示されるように、角度φ
trで表される。
【0028】
実施の形態において、複数のアンテナ106−1〜106−nは、受信方向が一平面内に並ぶように配置することができる。例えば、この一平面を、送信機110のアンテナの主送信方向に向けて並べるか、あるいは、平行となるように配置してもよい。
【0029】
さらに、この一平面を、携帯装置100の主表面と平行になるように配置してもよい。この主表面は、携帯装置100のユーザに向けて通常操作のために割り当てられている。例えば、携帯装置100は、携帯装置100の(現在の)方位を表示する表示部を備えることができる。この場合、ユーザは、携帯装置100を、通常は自身に対して表示が見えるように保持する。そこで、携帯装置100の主表面を、表示部を含む面としてもよく、表示部そのものとしてもよい。あるいは、この一平面を、例えばユーザが方位を決定するために携帯装置100を保持するときのような通常動作のとき、水平(重力ベクトルに対して垂直)またはほぼ水平となるように配置することもできる。
【0030】
さらに、方位決定部104は、携帯装置100の方位112が、携帯装置100の水平方位が地球の重力ベクトルに対して垂直になるように、携帯装置100の方位112を決定するように構成することができる。
【0031】
当然のことながら、複数のアンテナ106−1〜106−nを有する受信機102は、i個の据置型送信機からのi個の信号を受信する。iは、1と同じかそれ以上の自然数である(i≧1)。以下では、携帯装置100の機能を、少なくとも3つの据置型送信機のある環境における例により記述する。
【0032】
図3は、本発明の実施の形態に係る、少なくとも3つの据置型送信機110−1〜110−i(i=3)のある環境における、
図2に示す携帯装置100のブロック図である。複数のアンテナ106−1〜106−nを有する受信機102は、少なくとも3つの据置型送信機110−1〜110−i(i=3)から、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)を受信する構成となっている。受信機102は、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)の各信号の複数の信号強度を得るため、複数のアンテナ106−1〜106−nを用いて、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)の信号強度を検出する構成となっている。そのため、方位決定部104は、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)の各信号の複数の検出信号強度に基づいて、少なくとも3つの据置型送信機110−1〜110−i(i=3)に対する携帯装置100の方位112を決定する。
【0033】
図3に示すように、携帯装置100の受信機102は、4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)を有することができる。この4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)は、4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)の受信方向が互いに直交するように配置することができる。さらに、この4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)は、4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)の受信方向を、すでに上述したように、一平面内に配置することができる。
【0034】
したがって、
図3に示す4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)を有する受信機102は、4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)を用いて、少なくとも3つの据置型送信機110−1〜110−i(i=3)から受信した少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)の信号強度を検出することができる。換言すれば、
図3に示す携帯装置100の受信機102は、据置型送信機110−1から受信した信号108−1の4つの信号強度と、据置型送信機110−2から受信した信号108−2の4つの信号強度と、据置型送信機110−3から受信した信号108−3の4つの信号強度と、を検出することができる。
【0035】
図3に示す少なくとも3つの送信機110−1〜110−i(i=3)は、Wi−Fiアクセスポイントのような送受信機とすることができる。これにより、複数のアンテナ106−1〜106−n(n=4)を有する受信機102は、Wi−Fiアクセスポイントとなる少なくとも3つの据置型送信機110−1〜110−i(i=3)から、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)を受信するように構成される。この実施の形態において、Wi−Fiとは、IEEE802.11a、802.11b、802.11c、802.11d、802.11e、802.11f、802.11g、802.11h、802.11i、802.11j、802.11n、およびこれに類するIEEE802.11仕様の無線ローカルエリアネットワークをいう。
【0036】
また、携帯装置100はさらに、少なくとも3つの信号108−1〜108−i(i=3)の各信号に対する複数の検出信号強度に基づいて、少なくとも3つのWi−Fiアクセスポイント10−1〜110−i(i=3)に対する携帯装置100の位置を決定する位置決定部114を備える。
【0037】
以下では、
図3に示す携帯装置100の実施例、すなわち、4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)を有する受信機102、方位決定部104、および位置決定部114を備える携帯装置100について説明する。すなわち、以下では、本発明のコンセプトによる室内での姿勢(方位または指向)および位置の推定のアプローチを提示する。ここでは、追加のセンサは使用せず、特別なアンテナ組立体106のみを使用する。当然ながら、以下の記述は、
図2に示す携帯装置100にも適用可能である。
【0038】
図4は、姿勢および位置の繰り返し推定プロセスを説明する図である。このプロセスでは、4つの指向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)を有するアンテナ組立体106のRSS測定値を用いる。RSS測定値は、水平に直交方向(受信方向)を向く4本の指向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)の組立体106を用いて、同時に取得される。したがって、時間tにおけるRSS測定値r
t(x,y,φ)は、組立体106の位置(x,y)および姿勢角度φに依存する。これら測定値を用いて、最初に、組立体106の姿勢が推定される。次に、標準的な無指向性Wi−Fiアンテナに対する対応するRSS値を計算する。さらに、上述の関連および/または先行技術で説明されているように、フィンガープリンティングを用いて位置が推定される。携帯装置100の位置を決定するためにWi−Fiフィンガープリンティングを選択する理由は、フィンガープリンティングはアクセスポイントに基づく方法よりも高い精度を実現できることが報告されており、アクセスポイントの場所は一般には公表されていないからである。
【0039】
送信機(アクセスポイント)110−1〜110−iまでの距離d、姿勢φで受信されたdB単位のRSS値P
Rx(d,φ)は、以下のように表すことができる。
【数1】
【0040】
1つのRSS値が、指向性アンテナ106−1〜106−nごとに得られる。PTx(d0)は、受信機102への距離d0で測定された参照信号強度である。次の項が経路損失で、ηは経路損失指数であり、GRx(φ)はアンテナ利得である。最後の減数は、信号108の経路上のk個の異なる遮蔽物を表す。この遮蔽物は、等しい減衰akをもつnk個の物体にグループ分けされる。マルチパス伝搬は考慮しない。
【0041】
図5aは、本発明の実機の形態に係る据置型送信機110に対する4つのアンテナ106−1〜106−nの方位φを説明する図である。さらに、
図5aは、アンテナ組立体106と、アンテナ組立体106の姿勢φに対して相対的に時計廻りにφ
2=90°回転した指向性アンテナ106−n(n=2)に使用される角度との概略を示す。1つのアンテナ106−nの入射角φ
iは、参照方向に対する送信機110と受信機の位置の間の角度φ
trから、アンテナ組立体106の姿勢φと、信号を受信する組立体106の指向性アンテナ106−nの回転角度φ
nと、を減算したものである。
【数2】
【0042】
図5bは、
図5aにφn∈[0° 90° 180° 270°]で示された4つのアンテナ106−1〜106−n(n=4)について、測定およびシミュレートされたアンテナ利得の極座標図を示す。この図において、実線は測定されたアンテナゲインを示し、点線はシミュレートされたアンテナ利得を示す。換言すると、アンテナ組立体106の例として、
図5bには、特殊な、小型のアンテナ組立体106の極座標図が、アンテナ利得の近似の結果と共に示されている。本発明のコンセプトによるアンテナ組立体106は、4つの双極子アンテナ106−1〜106−n(n=4)および移相器を基礎としている。組立体106の指向性利得G
Rx(φ)に近似させるために、極方程式を用いることができる。
【数3】
【0043】
Aは等方性部分であり、Bはアンテナ106−1〜106−nのダイポール部分である。例えば、A=1およびB=0なら無指向性アンテナ、A=0およびB=1ならダイポール・アンテナとなる。以下に例示する実験で用いたアンテナ組立体106では、A=0.44、B=0.34が最適である。
【0044】
アンテナ組立体106の姿勢φを推定するために、指向性アンテナ106−1〜106−nにより取得されたRSS値の差が、拡張カルマンフィルタ(EKF)内で使用される。EKFの解説は、非特許文献20に記載されている。式(1)の絶対値に代えてこの差を用いることの主な利点は、参照信号強度、経路損失、および直線経路上の物体による減衰を、無視することができることである。
【数4】
【0045】
別の有益な効果は、RSS値の差を用いることで、感度が向上することである。測定可能な範囲は、17dB(
図5b)から34dBに増加する。このことは、1dBのサンプル間隔のあるいはその倍数のRSS値を出力する商業的なWi−Fiカードとして、重要である。
【0046】
提示された姿勢推定の時間更新において、姿勢の予測推定値(a priori estimate)
【数5】
を計算する。このとき、2つの時間ステップ間において、変化はないと仮定する。共分散の予測推定値は、このとき、単純に、最後のステップからの更新(a posteriori)共分散に、プロセス雑音共分散を加えたものとなる。
【数6】
【0047】
ランダム変数w
kは、正規確率分布p(w)∝N(0,Q)で仮定されたプロセス雑音を表す。カルマンゲインKkは、以下で演算できる。
【数7】
【0048】
ここで、R
kは測定雑音共分散マトリックスであり、H
kは測定値の状態に関する。RSS差を用いることで、差のそれぞれの対の相関を、R
k内で考慮する必要がある。h
kは非線形関数であり、姿勢の予測値におけるh
kの導関数のヤコビ行列を演算することで線形化される。非線形測定式h
k(φ)は、6つの可能なRSS差から成り立つ。ベクトルv
kは、p(v)∝N(0,R)で仮定される測定雑音を表す。
【数8】
【0049】
最後に、測定の更新において、更新された状態
【数9】
および共分散P
kは、測定ベクトルz
k内の測定されたRSSの差を用いて計算される。
【数10】
【0050】
提示されたEKFにおいて、1つの反復ステップは、検出されたアクセスポイント110−1〜110−iの各々に対して、測定されたr
tの各々を用いて実行される。そうして、1以上の反復ステップが、時間ステップごとに実行される。実際のところ、これは、1つのステップにおいて検出されたすべてのアクセスポイント110−1〜110−iを使用するより、良好な成績を示した。
【0051】
通常、フィンガープリンティング・データベースは、無指向性Wi−Fiアンテナ106−1〜106−nを用いて取得される。それゆえ、一般的あるいは公知のフィンガープリンティング・データベースを用いることができるように、仮想無指向性アンテナに対する等価r
tベクトルを演算することができる。アクセスポイントiに対するr
t,iは、4つの指向性アンテナのすべての結果に対して、推定された姿勢φを用いて、次のように計算される。
【数11】
【0052】
最後に、位置[x,y]が、上述の関連および/または先行技術で説明されているように、フィンガープリンティングを用いて計算される。
【0053】
以下に、本発明のコンセプトに係る姿勢および位置推定のシミュレーション結果を、標準的なWi−Fi測位シミュレーション結果と比較する。そして、携帯装置100の性能を評価し、測定されたRSS値がデータベースエントリからずれた場合の測位誤差を分析する。シミュレーションのために、1mの間隔の標準グリッドを有するデータベースを用いる。
【0054】
図6aおよび
図6bに、グリッドのサイズおよび4つのアクセスポイント110−1〜110−4の位置を示す。さらに、4つの追加のアクセスポイントが、シミュレーションされた部屋の端部から10m離れて配置されている。無指向性アンテナ(G
Rx(φ)=0)に対してではなく、各グリッド位置および各アクセスポイント110−1〜110−iに対して、フィンガープリンティング・データベースを構築するために、式(1)にしたがって、P
Rx(d)を計算する。
【0055】
ひとつのシミュレーション経路は、
図6aおよび
図6bで示すように、45個のRSS測定値r
t(w,y,φ)に分割される。このシミュレーション経路は、位置[5,5]で始まり、灰色の矢印に沿って[5,25]まで行く。角では、人が博物館で異なる物体に目を向けていることをシミュレーションするために、姿勢が90°回転している。最後に、この経路は、開始位置で終わる。RSS測定値をシミュレーションするために、データベースのエントリに、2つの方法で摂動を与える。第1に、各アクセスポイント110−1〜110−iのRSS変動を、データベースのエントリにランダム雑音を加えることにより生成する。
【数12】
【0056】
これらのRSS変動v
0は、すべてアンテナ106−1〜106−n(n=4)に同様の影響を及ぼす。したがって、これらのRSS変動v
0を、無指向性RSS変動という。現実には、これは、環境の変化を意味する。RSS変動は局所的であるが、測定値間の局所相関についてはこれでと説明できない。
【0057】
第2に、方向性RSS変動を、4方向φ
dからのランダム雑音でシミュレートする。4方向(受信方向)としたのは、単純のためである。方向性RSS変動は、小さな環境変動によって生じ、信号伝搬路のごく一部に影響を及ぼす。無指向性アンテナに対し、これらの4方向の変動を付加的に重畳する。
【数13】
【0058】
各方向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)に対して、RSS変動を、方向性雑音を加えて計算し、式(3)を用いてモデル化する。
【数14】
【0059】
図6aに、無指向性アンテナを用いる標準的Wi−Fi測位について行ったひとつのシミュレーションの結果(丸)を、参照経路および参照姿勢(灰色の矢印)と共に示す。
図6aに示すように、測位結果は、経路の廻りに分布している。
図6bに、4本の指向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)を有し、σ
o=1dB,σ
d=1dBの組立体106を用いた、新たな姿勢および位置の追跡の結果(黒い矢印)を示す。
【0060】
確率論的なRSS変動を加えたより一般な結果を得るために、経路の処理を、同じσ
oまたはσ
dの値を用いて20回繰り返すことができる。σ
oおよびσ
dの影響を別々に検討し、他のパラメータは零に設定する。
【0061】
図7aに、種々のσ
o値に対する姿勢推定結果を示し、
図7cに、種々のσ
d値に対する姿勢推定結果を示す。対応する測位結果を
図7bおよび
図7dに示し、比較のために、標準的Wi−Fi測位の結果を共に示す。
【0062】
種々のσ
oに対して、測位結果はほぼ同じであり、姿勢誤差は非常に小さい。姿勢誤差は、σ
oが大きいと増加する。その理由は、送受信機の位置φ
trとの角度計算の誤差が、測位誤差の増加と共に増加するからである。
【0063】
一方、
図7cおよび
図7dに示す方向性RSS変動σ
dについては、姿勢推定誤差が大きい。とはいえ、すべての誤差の95%以上は30°以下である。したがって、方向性RSS変動は、姿勢推定により大きな影響をもつ。
【0064】
一方、新規のアプローチを用いる場合の測位誤差は、標準的なフィンガープリンティングのほぼ半分である。その理由は、方向性アンテナ106−1〜106−nで測定されたRSS値が方向性雑音による同等の影響を受けているわけではないので、式(11)から得られる仮想的な無指向性RSS値が、より正確だからである。そして、EKFは、測定値をフィルタし、良好な姿勢候補を推定する。したがって、姿勢および位置の推定のために提示されたアプローチは、方向性RSS変動により強固である。
【0065】
以下では、本発明のコンセプトに係る携帯装置100を用いた姿勢および位置推定の実験結果を説明する。すなわち、独創的なコンセプトの実データを用いた証明について説明する。データは、ニュルンベルグの“Museum Industriekultur”で収集した。上述したシミュレーションから得られた結果を、実験的な設定で得られた結果と比較する。RSS測定値を、無指向性アンテナと指向性アンテナを用い、博物館の特別展示用の部屋の45地点で収集した。
【0066】
図3、
図4および
図5aに示す4本の方向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)を有する特製アンテナ組立体はまだWi−Fi送信用になっていないので、市販の方向性アンテナ(WiMo Antennen und Elektronik GmbH製PA−2408Aパッチアンテナ:2.4GHz wavelanアンテナ8dbi、http//www.wimo.com)を使用した。各測定位置において、このアンテナを手動で回転させた。最初に、フィンガープリンティング・データベース用のデータを、無指向性アンテナを用いたそれぞれの位置で収集した。次に、RSS測定を、
図8aおよび
図8bに示すように、経路上の33か所の位置で、両方のアンテナで実行した。ここでは、標準的なWi−Fiアンテナ測位に対する無指向性測定値を使用した。
図8aに、標準的なWi−Fiフィンガープリンティングを用いた測位結果を示す。試験の設定があまり遮蔽物のない単一の部屋であり、Wi−Fi測位には困難な場所であるため、測位誤差は、シミュレーションによる得られた
図6aよりも大きい。方向性アンテナ106−1〜106−nのRSS測定値を用いて、EKFによる姿勢推定をテストした。1回の行動の姿勢推定結果を
図8bに示す。また、対応する姿勢および測位誤差を、
図9aおよび
図9bにそれぞれ示す。ここで、
図9aは、EKFを用いた2つの測定行動に対する絶対姿勢誤差(実線)および平均絶対姿勢誤差(点線)を度で示す。
図9bは、標準的なWi−Fi測位を用いた場合の対応する測位誤差(実線)および平均測位誤差(点線)を示す。
【0067】
ここで留意すべきことは、姿勢および位置の推定が別々に行われたことである。姿勢推定のため、推定された位置の代わりに参照位置を用いてφ
trを計算した。このため、
図8bで姿勢を表す矢印は、参照位置のものである。
【0068】
実験的な設定を用いたこの最初のテストにおいて、絶対姿勢誤差は50°より小さく、平均値は20°より小さかった。これは、博物館の来館者が展示物を容易に見つけるのに十分に有望である。Wi−Fi測位の誤差は、平均誤差2.3mという屋内環境に典型的なものである。
【0069】
本発明の実施の形態は、屋内環境でのWi−Fi測位の技術水準を拡張するものである。RSS測定値は、特定のアンテナ組立体106の4本の方向性アンテナ106−1〜106−nを用いて、同時に取得される。強固な姿勢推定のため、拡張カルマンフィルタを用いることができる。測位のため、標準的なWi−Fiフィンガープリンティングを、既存のフィンガープリンティング・データベースで用いることができる。
【0070】
シミュレーション結果は、新規なアプローチを用いて、測位の正確さが方向性RSS変動の存在下で改善されることを実証している。これは、位置追跡におけるより高い強固性に導く。大きなRSS変動があっても、絶対姿勢誤差の平均値は10°より小さく、測位誤差は5mより小さかった。博物館内でのテストは、本発明に係るコンセプトの実現可能性を裏付けた。このケースでは、絶対姿勢誤差の平均は20°以下であった。
【0071】
屋内環境における姿勢と位置追跡のために提示されたアプローチは、電子博物館案内の自動化に向けたものである。さらに、本発明に係るアプローチは、歩行者ナビゲーションに対する既存の移動モデルおよび確率論的コンセプトを組み合わせることができ、例えば隠れマルコフモデルを用いて、姿勢および位置追跡の精度を高めることができる。
【0072】
本発明の実施の形態は、屋内環境における歩行者ナビゲーションへのアプローチを提供する。それは、処理能力が低く低コストのセンサを用いた携帯プラットフォームに向けたものである。そこで、4本の水平に配置された指向性アンテナ106−1〜106−n(n=4)を用いて、範囲内の送信機(アクセスポイント)110−1〜110−iのWi−Fi信号強度を収集する。姿勢推定のために拡張カルマンフィルタを用い、位置追跡のためにWi−Fiフィンガープリンティングを用いることができる。このアプローチを用いて、例えば博物館のような屋内環境において、携帯装置100の姿勢を推定することができ、位置を追跡することができる。これは、拡張現実によって視界内の展示物に付加的な情報を提供する電子ガイドの使用を可能にする。
【0073】
本発明に係る実施の形態は、無線通信網と指向性アンテナ106−1〜106−nの信号強度測定値を用いて、方位と位置の同時推定を作り出す。
【0074】
本発明に係る実施の形態は、信号強度に基づいて、方位と位置の推定を作り出す。
【0075】
いくつかの実施の形態では、無線通信網の複数の送信機110−1〜110−iからの信号108−1〜108−iの信号強度を、受信機102の複数の指向性アンテナ106−1〜106−nを用いて、可能な限り同時に(あるいは、同時期に)測定する。これとは別に、それぞれの送信機の信号を、指向性アンテナを用いる複数の受信機により記録(または受信)することができる。これとともに、受信機の方位および位置を、同時に推定する。付随的情報項目として、いくつかの据置型通信相手の位置、双方向特性および指向性アンテナの配置が、この推定方法を支援し、その品質を改善する。
【0076】
本発明に係るいくつかの実施の形態は、無線ローカルエリアネットワークの測位(WLAN測位)で利用することができる。
【0077】
本発明のさらなる実施の形態は、携帯装置の操作の方法を提供する。この方法は、据置型送信機からの信号を、各アンテナが異なる受信方向を向いて配置された複数のアンテナを有する受信機で受信するステップと、複数の検出信号強度を得るために、各アンテナで受信した信号の信号強度を検出するステップと、複数の検出信号強度に基づいて、携帯装置の据置型送信機に対する方位を決定するステップと、を有する。
【0078】
当然ながら、携帯装置100の方位を決定する上述のコンセプトは、据置型装置の据置型送信機および/または携帯送信機に対する方位の決定にも利用することができる。
【0079】
したがって、本発明のさらなる実施の形態は、受信機および方位決定部からなる据置型装置を提供する。受信機は、送信機(例えば、据置型送信機および/または携帯型送信機)からの信号を受信する複数のアンテナを有する。複数のアンテナの各アンテナは、複数の検出信号強度を得るために、受信した信号の信号強度を検出するように配置されている。方位決定部は、複数の検出信号強度に基づいて、送信機に応じて据置型装置の方位を決定する。
【0080】
いくつかの態様を装置として記載したが、明らかに、これらの態様を対応する方法の記述、すなわちブロックまたは装置が方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する記述で表現することができる。同様に、方法ステップとして記述された態様もまた、対応するブロックまたは項目、あるいは対応する装置の特徴の記述で表現することができる。
【0081】
実現要求によっては、本発明の実施の形態を、ハードウェアまたはソフトアェアで実現することもできる。この実現は、電子的に読み取り可能な制御信号であって、プログラム可能なコンピュータシステムと協働して(または協働できて)対応する方法を実行する制御信号を記憶するディジタル記憶媒体、例えばフレキシブルディスク、DVD、ブルーレイ(登録商標)、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、あるいはフラッシュメモリを用いることで行われる。
【0082】
本発明に係るいくつかの実施の形態は、電子的に読み込み可能であって、プログラム可能なコンピュータシステムと協働して、ここに記述した方法のひとつを実行する電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータ担体を含む。
【0083】
一般に、本発明の実施の形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実現され、そのプログラムコードは、そのコンピュータプログラム製品がコンピュータ上で稼働するときに、方法のひとつを実行するように作動する。プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能な担体に蓄えられる。
【0084】
他の実施の形態は、ここに記述した方法のひとつを実行するための、機械読み取り可能な担体に蓄えられるコンピュータプログラムを含む。
【0085】
換言すると、本発明の方法の実施の形態はコンピュータプログラムであり、このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼働するときに、ここに記述した方法のひとつを実行するためのプログラムコードを有する。
【0086】
本発明の方法のさらなる実施の形態は、データ単体(またはディジタル記憶媒体、またはコンピュータ読み取り可能な媒体)であり、このデータ単体に記録された、ここに騎士月した方法のひとつを実行するコンピュータプログラムを含む。
【0087】
本発明の方法のさらなる実施の形態は、ここに記述した方法のひとつを実行するコンピュータプログラムを表現するデータストリームまたは一連の信号である。このデータストリームまたは一連の信号は、例えば、インターネットを経由するようなデータ通信接続を介して転送されるように構成される。
【0088】
さらなる実施の形態は、ここに記述した方法のひとつ実行するように構成された、または適合された処理手段、例えばコンピュータ、またはプログラム可能な論理デバイスを含む。
【0089】
さらなる実施の形態は、ここに記述した方法のひとつを実行するコンピュータプログラムを格納したコンピュータを含む。
【0090】
いくつかの実施の形態では、ここに記述した方法のいくつかまたはすべてを実行するプログラム可能な論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いてもよい。いくつかの実施の形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイが、ここに記述した方法のひとつを実行するため、マイクロプロセッサと協働してもよい。一般的に、本発明の方法は、望ましくは、どのようなハードウェア装置でも実施される。
【0091】
上述した実施の形態は、単に、本発明の本質を説明するものである。ここで詳細に記述した構成および詳細の変更および変形は、他の当業者にとって明らかであると理解される。したがって、ここで意図しているのは、添付の特許請求の範囲のみにより限定され、ここで示した実施の形態の記載および説明によって提示した特定の詳細により限定されるものではないことである。