(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
合成ポリマーが、ポリエステル類、ポリヒドロキシ酸類、ポリラクトン類、ポリエーテルエステル類、ポリカーボネート類、ポリジオキサン類、ポリ酸無水物類、ポリウレタン類、ポリエステル(エーテル)ウレタン類、ポリウレタンウレア、ポリアミド類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリアミノ酸類、ポリホスホネート類、ポリホスファゼン類及びそれらの組み合わせからなるリストから選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
溶媒が、酢酸、ベンゼン、シクロヘキサンギ酸、ニトロベンゼン、フェノール、1,4−ジオキサン、1,2,4−トリクロルベンゼン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水及びそれらの組み合わせからなるリストから選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御された粒子分布を有する粒子が中に存在する合成発泡体を調製する方法及び前記発泡体の使用ならびにそのような発泡体に関する。
【0002】
本発明の目的は、合成発泡体内の粒子分布の制御を可能にする、合成発泡体を調製する方法を提供することである。
【0003】
本発明者らは、合成ポリマーと粒子との混合物から溶媒を昇華によって除去する方法によってこの目的を達成し得ることを見いだした。一般に、合成発泡体は、まず、選択した合成ポリマーを適当な溶媒に溶解し、次いで適当な温度でかく拌することによって調製される。使用される適当な温度は、そのポリマーの分解温度よりも低く、0〜150℃の範囲である。一般に、使用される温度は10〜30℃の範囲である。次いで、粒子をポリマー−溶媒溶液に加え、得られた混合物を適当な期間、一般には約0.5時間かく拌するが、これは、状況に応じて異なることもある。そして、その混合物を、使用される溶媒の凍結点に依存する適当な温度で凍結乾燥させる。
【0004】
第一の態様において、本発明は、制御された粒子分布を有する粒子が中に存在する合成発泡体を調製する方法であって、
少なくとも一つの合成ポリマーを一つ以上の溶媒に溶解して溶液を形成する工程、
粒子を前記溶液と接触させてポリマー/粒子混合物を形成する工程、及び
ポリマー/粒子混合物を凍結させること、及びその後、
一つ以上の溶媒を昇華させて、前記粒子を含む合成発泡体を形成すること
によってポリマー/粒子混合物を凍結乾燥させる工程
を含む方法を提供する。
【0005】
凍結乾燥工程は、ポリマー/粒子混合物を凍結させ、溶媒を昇華させることを含む。凍結工程は、ポリマー/粒子混合物を凍結させるのに適当な温度で実施することができる。
【0006】
ひとたびポリマー/粒子混合物が凍結したならば、乾燥工程を実施することができる。乾燥工程中、凍結したポリマー/粒子混合物から溶媒が昇華するよう、圧力を下げ、温度を上げることができる。凍結工程と乾燥工程との組み合わせが、特定の粒子分布を有する合成発泡体を形成するポリマー/粒子混合物を生じさせる。いくつかの実施態様において、温度上昇は、部分的に、溶媒分子の昇華の潜熱から得ることができる。乾燥工程は、溶媒の90%まで、好ましくは95%までを昇華させることができる。凍結乾燥の全工程は約1時間〜24時間又はそれ以上続くことができる。一般に、凍結乾燥の全工程は、約15時間かけて夜通し実施される。
【0007】
好ましくは、凍結乾燥の前に、混合物を一つ以上の型に注ぐ。型は、ポリマー/粒子混合物が特定の形状に固化することを可能にする中空の形状又はキャストであることができる。型は、適当な形状及び/又はサイズであることができる。いくつかの実施態様においては、複数の型が一つのトレーの一部であってもよい。
【0008】
驚くことに、本発明者らは、本発明の方法を使用することにより、合成発泡体内の粒子の分布を制御することができることを見いだした。粒子は、発泡体の境界部に優先的に分布させることもできるし、発泡体全体に均一に分布させることもできるし、発泡体内で勾配として分布させることもできる。
【0009】
さらに、本発明者らは、ポリマー/粒子混合物の温度を高速で、一般には10秒以内に凍結点(結晶化温度)未満に下げるように凍結乾燥工程を実施することによって合成発泡体への粒子の均一な取り込みを達成し得ることを見いだした。
【0010】
これらの冷却速度は、使用される溶媒のタイプ及び凍結乾燥工程を使用して発泡体から溶媒を昇華させることが可能である速度に依存する。ポリマー/粒子混合物の温度が溶媒の凍結点(結晶化温度)よりも低くなると、溶媒は結晶化する。溶媒の昇華は、均一に分布した粒子を含む合成発泡体を生じさせる。
【0011】
したがって、本発明の方法のさらなる態様において、凍結乾燥工程は、
ポリマー/粒子混合物を60秒以内に凍結させること、及びその後、
一つ以上の溶媒を昇華させて、均一に分布した粒子を含む合成発泡体を形成すること
によってポリマー/粒子混合物を凍結乾燥させること
を含む。
【0012】
別の方法において、本発明者らは、凍結乾燥の前に予冷工程を実施することによって合成発泡体への粒子の均一な取り込みを達成し得ることをも見いだした。予冷工程は、ポリマー/粒子混合物を一つ以上の溶媒の凍結点から+5℃以内まで冷却するのに十分な期間実施され、一般に、約数秒〜数分を要する。
【0013】
したがって、本発明の方法のさらなる態様において、方法はさらに、凍結乾燥の前に、ポリマー/粒子混合物を一つ以上の溶媒の凍結点から+5℃以内の温度まで予冷する工程を含む。
【0014】
本発明者らはまた、ポリマー/粒子混合物の温度を一つ以上の溶媒の凍結点(広い凍結範囲)までゆっくり下げることによって、合成発泡体の底部及び側面に粒子層を達成し得ることを見いだした。一般に、ポリマー/粒子混合物は、60秒〜600秒の時間をかけて凍結される。しかし、材料のタイプ及び重量に依存して、凍結の時間は約1/100秒〜数時間の範囲であることもできる。一つ以上の溶媒の昇華は、発泡体内に一つ以上の粒子層を含む合成発泡体を生じさせる。一般に、粒子層は、型の冷却面、たとえば底部及び側面に形成する。
【0015】
本発明の方法のもう一つの態様において、凍結乾燥工程は、
ポリマー/粒子混合物を一つ以上の溶媒の凍結点まで60秒〜600秒以内に凍結させること、及びその後、
一つ以上の溶媒の昇華によってポリマー/粒子混合物を乾燥させて、一つ以上の粒子層を含む合成発泡体を形成すること
を含む。
【0016】
さらに、温度を下げる速度(遅いか速いかにかかわらず)及び方法の出発温度がすべて溶媒の凍結点に依存することがわかった。しかし、最終的な温度は重要でなく、発泡体が凍結しさえすればよい。
【0017】
本発明の方法は、単に温度プロファイルを変化させるだけで合成発泡体内の粒子分布を調整することができるため、好都合である。さらに、本発明者らは、使用される合成ポリマー材料の性質のために、粒子が発泡体に接着することを見いだした。これは、発泡体中に結合剤が不要であるという利点を有する。
【0018】
さらに、発泡体の底部もしくは側面の表面における、又は発泡体全体における特定の粒子分布が、様々な用途において好都合であることもある。たとえば、止血性である粒子の底部層を含む発泡体は、ほぼ瞬時に出血を止めるために使用することができる。あるいはまた、均一に分布した粒子を含む発泡体は、血液凝固及び血液吸収の両方に好都合に使用することができる。
【0019】
本発明の方法における使用に適した溶媒は、約0〜50℃の範囲に凍結点を有する極性溶媒である。そのような溶媒は、凍結乾燥によって除去することができる。そのような適当な溶媒としては、有機溶媒、たとえば酢酸、ベンゼン、シクロヘキサンギ酸、ニトロベンゼン、フェノール、1,4−ジオキサン、1,2,4−トリクロルベンゼン、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びそれらの組み合わせがある。好ましくは、使用される溶媒は1,4−ジオキサンである。
【0020】
驚くことに、本発明者らは、非混和性である溶媒を使用することにより、構造において特定の階層を有する合成発泡体を、本発明の方法を使用して創製し得ることを見いだした。特に水を、適当な溶媒として、少なくとも一つの有機溶媒と組み合わせて使用して、そのような非混和性溶液を形成することもできる。
【0021】
好ましくは、ポリマーは、合成生分解性ポリマーであり、親水性である。適当なポリマーは、ポリエステル類、ポリヒドロキシ酸類、ポリラクトン類、ポリエーテルエステル類、ポリカーボネート類、ポリジオキサン類、ポリ酸無水物類、ポリウレタン類、ポリエステル(エーテル)ウレタン類、ポリウレタンウレア、ポリアミド類、ポリエステルアミド類、ポリオルトエステル類、ポリアミノ酸類、ポリホスホネート類、ポリホスファゼン類及びそれらの組み合わせからなるリストから選択することができる。ポリマーはまた、上記ポリマーのコポリマー、混合物、複合体、架橋物及びブレンドから選択することもできる。
【0022】
好ましくは、ポリマーは、非晶質セグメント及び結晶質セグメントを含み、少なくとも前記非晶質セグメントが親水性セグメントを含む相分離ポリウレタンである。そのようなポリウレタンポリマーはWO−A−2004/062704に記載されている。
【0023】
本発明の発泡体の一つの態様において、合成ポリマーは、式(I)
【化1】
(式中、Rは、一つ以上の脂肪族ポリエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリエーテル類、ポリ酸無水物類及び/又はポリカーボネート類から選択されるポリマー又はコポリマーであり、少なくとも一つのRは親水性セグメントを含み、R’、R''及びR'''は、独立して、場合によってはC
1〜C
10アルキル基又は保護されたS、N、PもしくはO部分で置換されているC
1〜C
10アルキル基で置換されている、及び/又はアルキレン鎖中にS、N、PもしくはOを含むC
2〜C
8アルキレンであり、Z
1〜Z
4は、独立して、アミド、尿素又はウレタンであり、Q
1及びQ
2は、独立して、尿素、ウレタン、アミド、カーボネート、エステル又は無水物であり、nは5〜500の整数であり、p及びqは、独立して、0又は1である)
の相分離生分解性ポリウレタンを含む。
【0024】
式(I)のポリウレタンの軟質セグメントは一般にRによって表され、式(I)の残り部分は一般にポリウレタンの硬質セグメントを表す。式(I)のポリウレタンの、硬質セグメント及び軟質セグメントへの分離が
図1に概略的に示されている。
【0025】
Z
1〜Z
4は、互いに異なることもできるが、好ましくは、同じであるように選択される。より好ましくは、Z
1〜Z
4はすべてウレタン部分であり、そのような場合、ポリウレタンは、式(II)
【化2】
(式中、Q
1、Q
2、R、R’、R''、R'''、p、q及びnは、式(I)に関して上述したように定義される)
によって表すことができる。
【0026】
Q
1及びQ
2は、互いに独立して、尿素、ウレタン、アミド、カーボネート、エステル及び無水物からなる群から選択される。好ましくは、Q
1及びQ
2は、独立して、ウレタン、カーボネート及びエステルから選択される。Q
1及びQ
2は、異なる種類の部分であるように選択されることもできるが、好ましくは同じである。
【0027】
好ましくは、式(I)及び(II)中、q=1である。したがって、ポリウレタンは、結晶質ドメインを容易に形成して相分離ポリウレタンを生じさせるのに十分な長さの硬質セグメントを有する。q及びpがいずれも1であるならば、この目的のためにさらに望ましい長さが得られる。
【0028】
ポリウレタンの相分離性を高めるために、Rは、非晶質セグメントと結晶質セグメントとの混合物として選択することができる。このために、Rは、好ましくは、少なくとも一つの結晶質ポリエステル、ポリエーテルエステル又はポリ酸無水物セグメントと、少なくとも一つの非晶質脂肪族ポリエステル、ポリエーテル、ポリ酸無水物及び/又はポリカーボネートセグメントとの混合物である。これは、qが0と選択される場合に特に望ましいといえる。理由は、そのような場合、ウレタン部分は、結晶質ドメインを形成するには小さすぎ、相分離が起こらない両相の混合物を生じさせることがあるからである。
【0029】
本発明にしたがって、非晶質セグメントは、式(I)のポリウレタンの−R−部分に含まれる。R’、R''及びR'''単位を含む式(I)のポリマーの残り部分が結晶質セグメントを表す。結晶質セグメントは常に硬質セグメントであるが、非晶質セグメントは少なくとも一つ以上の軟質セグメントを含む。式(I)中のRは軟質セグメントを含むが、式1の残り部分は一般に硬質セグメントを含む。軟質セグメントは一般に、本発明のポリウレタンにおいて非晶質である。硬質セグメントは、結晶化する傾向を有するが、完全に結晶化されない場合、非晶質になることもある。
【0030】
Rは、少なくとも一つの親水性セグメントがRの少なくとも一つの非晶質セグメント中に配されている、脂肪族ポリエステル類、ポリエーテルエステル類、ポリエーテル類、ポリ酸無水物類、ポリカーボネート類及びそれらの組み合わせから選択されるポリマー又はコポリマーである。好ましくは、Rはポリエーテルエステルである。Rは、たとえば、ポリエチレングリコールが親水性セグメントとしてポリエーテルエステル中に配されている、DLラクチド及びε−カプロラクトンに基づくポリエーテルエステルであることができる。
【0031】
Rは親水性セグメントを含み、そのような親水性セグメントは、大変適当には、エーテルセグメント、たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリブチレングリコールのようなポリエーテル化合物から誘導可能なポリエーテルセグメントであることができる。また、Rに含まれる親水性セグメントは、ポリペプチド、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)又はポリ(ヒドロキシメチルメタクリレート)から誘導されることもできる。親水性セグメントは好ましくはポリエーテルである。
【0032】
基R’、R''、R'''それぞれは、C
2〜C
8アルキレン部分、好ましくはC
3〜C
6アルキレン部分である。アルキレン部分は、C
1〜C
10アルキル基又は保護されたS、N、PもしくはO部分で置換されているC
1〜C
10アルキル基で置換されている、及び/又はアルキレン鎖中にS、N、PもしくはOを含むことができる。好ましくは、アルキレン部分は、非置換である(C
nH
2n)又は置換されている。R’、R''、R'''は、すべて異なるアルキレン部分であるように選択されることもできるが、同じであることもできる。
【0033】
好ましくは、R’は、非置換のC
4アルキレン(C
4H
8)又は非置換のC
6アルキレン(C
6H
12)である。R’は、式O=C=N−R’−N=C=Oのジイソシアネート、たとえばアルカンジイソシアネート、好ましくは1,4−ブタンジイソシアネート(BDI)又は1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)から誘導されることができる。
【0034】
好ましくは、R''は、非置換のC
4アルキレン(C
4H
8)又は非置換のC
3アルキレン(C
3H
6)である。R''は、式HO−R''−OHのジオール、たとえば1,4−ブタンジオール(BDO)又は1,3−プロパンジオール(PDO)から誘導されることができる。
【0035】
好ましくは、R'''は、非置換のC
4アルキレン(C
4H
8)又は非置換のC
6アルキレン(C
6H
12)である。R’は、式O=C=N−R'''−N=C=Oのジイソシアネート、たとえばアルカンジイソシアネート、好ましくは1,4−ブタンジイソシアネート(BDI)又は1,6−ヘキサンジイソシアネート(HDI)から誘導されることができる。
【0036】
式(I)の相分離生分解性ポリウレタン類を調製する方法は当技術分野において公知であり、たとえばWO−A−2004/062704に記載されている。
【0037】
本明細書の中で使用される「生分解性」とは、ポリマーが、一般には生細胞もしくは生物又はそれらの系の一部による、加水分解を含む生化学的作用を受け、化学的又は生化学的産物へと分解及び崩壊する能力をいう。
【0038】
ポリマーを溶媒中に溶解して、約2〜10重量%のポリマー濃度を有する溶液を形成することができる。
【0039】
本発明者らはまた、使用される粒子の粒径が合成発泡体内のそれらの分布に影響することを見いだした。本発明の方法における超微粒子の使用が、発泡体全体を通して良好な粒子分布を生じさせ、粒子凝集を最小化する。しかし、より大きな粒径の粒子の使用は、発泡体中の粒子の凝固又は凝集の可能性を増すおそれがあるため、あまり望まれない。発泡体中の粒子の凝固は、発泡体が脆くなる結果を招き得るもので、発泡体を使用に不適当なものにするであろう。
【0040】
粒子は好ましくは固体である。使用される適当な固体粒子は不溶性かつ親水性であり、有機、無機又は両方の混合物であることができる。粒径は、一般には1〜1000μm、好ましくは1〜150μm、より好ましくは15〜120μmである。粒子は適当な形状であることができ、好ましくは略球形である。
【0041】
粒子は、抗凝固剤、抗菌剤、抗真菌剤、防腐剤又は他の適当な薬物であることができる。好ましくは、粒子は、粒径約20〜30μmの滑らかな粒子又は粒径約60〜115μmの粗い粒子であることができる。
【0042】
驚くことに、本発明者らは、溶媒よりも軽い粒子を本発明の方法に使用した場合でさえ、粒子は、予想されるように一番上に上昇するのではなく、発泡体の下部に層を形成することを見いだした。
【0043】
本発明者らはまた、部分的に凍結したポリマー/粒子混合物をそのポリマー/粒子混合物の凍結点のすぐ上まで加熱したのち、再び凍結させるならば、十分に分散した粒子分布の合成発泡体を得ることができることを見いだした。凍結したポリマー/粒子混合物から溶媒を昇華させると、均一に分布した粒子を有する合成発泡体が得られる。好ましくは、粒径は小さく、約1〜150μmである。この実施態様において、方法は、溶媒の凍結温度に依存しない。
【0044】
本発明の方法のもう一つの実施態様において、凍結乾燥工程は、
少なくとも一度、ポリマー/粒子混合物を凍結させて、部分的に凍結したポリマー/粒子混合物を形成し、少なくとも一度、温度を一つ以上の溶媒の凍結点よりも上げて、部分的に凍結したポリマー/粒子混合物を融解させ、温度を下げてポリマー/粒子混合物を再び凍結させること、及びその後、
一つ以上の溶媒の昇華によってポリマー/粒子混合物を乾燥させて、均一に分布した粒子を含む合成発泡体を形成すること
を含む。
【0045】
製造される発泡体の気孔率は、一般には約85〜99%、好ましくは92〜98%、より好ましくは95〜98%である。
【0046】
本発明の方法にしたがって調製される発泡体の適当な形状としては、長方形、円柱形、立方形、板状、フレーク状又は円錐形があるが、これらに限定されない。
【0047】
本発明の方法によって調製される合成発泡体は、外科処置又は他の外傷、たとえば口腔外科もしくは歯科手術(たとえば抜歯)、及び鼻出血;整形外科手術;血管外科手術;神経外科手術;肺外科手術;ならびに大きな腹部器官の外科手術において出血を止めるための止血スポンジとしての使用に適し得る。合成発泡体のさらなる用途は、組織癒着の防止及び/又は組織再生の補助のための用途、ヒト又は動物の体の他の洞腔の腔を充填するための用途ならびに薬物送達媒体としての用途であってもよい。