(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031112
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】太陽電池における2次元ドーピングパターンの形成方法。
(51)【国際特許分類】
H01L 31/068 20120101AFI20161114BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
H01L31/06 300
H01L31/04 440
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-535769(P2014-535769)
(86)(22)【出願日】2012年10月8日
(65)【公表番号】特表2014-532314(P2014-532314A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】US2012059238
(87)【国際公開番号】WO2013055627
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年7月6日
(31)【優先権主張番号】13/270,290
(32)【優先日】2011年10月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100136858
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100179903
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ダブリュー グラフ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ビー リオードン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ピー ティー ベイトマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ シー オルソン
【審査官】
濱田 聖司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/049950(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/019828(WO,A2)
【文献】
特表2010−519731(JP,A)
【文献】
特開2012−28742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差指型背面接触太陽電池を形成するための基板の処理方法であって、
複数の第1の開口を有する第1のマスクを介してn型ドーパントを注入し、対応する複数のn型ドープ領域を前記基板中に形成するステップと、
第2のマスクを介してp型ドーパントの第1の注入を行い、複数の第1のp型ドープ縞状領域を前記基板中に形成するステップであって、前記第2のマスクは複数の縞状開口を有し、前記縞状開口対間の間隔は、前記第1の開口の寸法よりも大きく、前記第2のマスクは、前記n型ドープ領域が前記p型の第1の注入によって注入されないように配置される、ステップと、
第3のマスクを介してp型ドーパントの第2の注入を行い、複数の第2のp型ドープ縞状領域を前記基板中に形成するステップであって、前記第3のマスクは、前記n型ドープ領域が前記p型の第2の注入によって注入されないように配置される、ステップと、
を含み、
前記第3のマスクおよび前記第2のマスクは単一のマスクを有し、前記p型ドーパントの第2の注入は、前記第2のマスクおよび前記基板を互いに相対的に90°回転させることにより行うことを特徴とする基板の処理方法。
【請求項2】
前記基板のp型ドーパントのブランケット注入を行うステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記n型注入は、前記p型ドーパントの第1および第2の注入後に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記n型ドープ領域はドーピング勾配を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ドーピング勾配は、前記第1のマスクと前記基板との距離を調節することにより形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記n型ドーパントおよび前記p型ドーパントはイオンビームを用いて注入され、前記ドーピング勾配は前記イオンビームのコリメーションを調節することにより形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記p型ドープ領域はドーピング勾配を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ドーピング勾配は前記第2のマスクと前記基板との距離を調節することにより形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記n型ドーパントおよび前記p型ドーパントはイオンビームを用いて注入され、前記ドーピング勾配は前記イオンビームのコリメーションを調整することにより形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
交差指型背面接触太陽電池を形成するための基板の処理方法であって、
マスクを介してp型ドーパントを注入するステップと、
前記p型ドーパントを注入するステップの後に、前記基板に対して前記マスクを90°回転させるステップと、
碁盤状パターンであって、該碁盤状パターンの第1の部分は別の部分よりも少量ドープされる、碁盤状パターンを形成するために、前記マスクを90°回転させるステップの後に、前記マスクを介してp型ドーパントの第2の注入を行うステップと、
別のマスクを介してn型ドーパントを前記碁盤状パターンの前記第1の部分中に注入するステップと、
を含むことを特徴とする基板の処理方法。
【請求項11】
前記基板のp型ドーパントのブランケット注入を行うステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記n型注入は前記p型ドーパントの注入後に行う、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記n型ドープ領域はドーピング勾配を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記p型ドープ領域はドーピング勾配を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記碁盤状パターンは複数の縞状開口を有するマスクを用いて形成される、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記n型ドーパントは複数の円形開口を有するマスクを介して注入される、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
交差指型背面接触太陽電池であって、
p型ドープ碁盤状パターンであって、前記p型ドープ碁盤状パターンの第1の部分は、別の部分よりも少量ドープされる、p型ドープ碁盤状パターンと、
前記碁盤状パターンの前記第1の部分に位置する円形のn型ドープ領域と、
を備える、交差指型背面接触太陽電池。
【請求項18】
別の部分よりも多量にドープされた前記碁盤状パターンの第2の部分を更に備える、請求項17に記載の交差指型背面接触太陽電池。
【請求項19】
前記第1の部分および前記第2の部分のそれぞれは1/4の前記碁盤状パターンを含む、請求項18に記載の交差指型背面接触太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
イオン注入は、基板中に導電性を変更する不純物を導入する標準技術である。所望の不純物材料がイオン源中でイオン化され、イオンは加速されて所定のエネルギーのイオンビームを形成し、イオンビームは基板の表面に向けられる。ビーム中のエネルギー性イオンは、バルク基板中に浸透し、基板材料中の結晶格子中に組み込まれて所望の導電性領域を形成する。
【0002】
太陽電池は、自然資源を用いない無公害のイコールアクセスエネルギーを提供する。環境的な関心およびエネルギーコストの上昇により、シリコン基板で構成できる太陽電池は、世界的により重要になりつつある。高性能太陽電池の製造または作製コストの低減あるいは高性能太陽電池の効率改善は、太陽電池の実装に世界規模でよい影響を与えただろう。これは、このクリーンなエネルギー技術のより広い利用を可能にするだろう。
【0003】
太陽電池は、効率を改善するためにドーピングを必要としうる。ドーパントは、例えば、ヒ素、リンまたはホウ素でありうる。
図1は、交差指型背面接触(IBC)太陽電池の断面図である。IBC太陽電池においては、p−n接合は、太陽電池の裏面上にある。
図2に示すように、幾つかの実施形態においては、ドーピングパターンは、p型ドーパント領域
203に亘って分散された複数のn型ドーパント領域204を有する。
p型ドーパント領域203および
n型ドーパント領域204は適切にドーピングされている。このドーピングは、IBC太陽電池における接合が機能または増加された効率を有することを可能にしうる。
【0004】
典型的には、
図2に示されたドーパントパターンは、基板上に直接形成されたハードマスクを用いて作られる。例えば、マスク材料を基板全体に塗布することができる。次いで、ハードマスク材料はパターン化されて、nドープされるべき領域においてのみ除去される。続いて、露出された領域は、拡散法、イオン注入法または他の適切なドーピング法を用いてドープされうる。ドーピング処理が完了した後、ハードマスクは除去されうる。適切であれば、この処理は、追加のドープ領域パターンを形成するために繰り返すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハードマスク技術は、(マスク材料の形成、マスク材料のパターン化、ドーピング処理後のマスクの除去を含む)多くの処理ステップを要することに注意されたい。従って、ハードマスク法は時間およびコストがかかる。
【0006】
パターン化されたドープ領域の形成が、基板への材料の直接の塗布なしに行うことができれば有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
改善されたIBC太陽電池の埋め込み方法が開示される。第1のシャドーマスクを使用してn型ドーパントのパターン化された注入を行い、裏面領域を形成する。次いで、第2のマスクを用いてp型エミッタを同一表面上に形成する。第2のマスクは、n型埋め込み領域に配置され、p型エミッタを形成するように複数の向きで使用されうる。幾つかの実施形態において、p型ブランケット注入も行われる。幾つかの実施形態において、ドーピング勾配が形成される。本開示のより深い理解のために、添付の図面を参照し、ここに参照として組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】
図2のn型裏面領域を形成するために使用される代表的なマスクである。
【
図5A】
図2のp型エミッタの部分を形成するために使用される代表的なマスクである。
【
図5B】
図5Aのマスクを用いた注入後の基板の注入領域を示している。
【
図6】
図5Aのマスクを用いた2回の注入後の基板の注入領域を示している。
【
図7】n型およびp型領域を含む基板の注入領域を示している。
【
図8】太陽電池の製造処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで、このシステムの実施形態について、太陽電池に関連して説明する。しかしながら、このシステムの実施形態は、例えば半導体ウェーハまたはフラットパネルとも使用できる。注入機は、例えばビームラインまたはプラズマドーピングイオン注入機でありうる。よって、本発明は、以下に説明する特定の実施形態に限定されない。
【0010】
図3は、マスクを介した注入の断面図である。基板100における特定のイオン注入パターンを所望の場合、マスク104を使用しうる。このマスク104は、シャドーマスクまたは近接マスクでありうる。マスク104は、イオンビーム101のパス中に基板100の正面に離間されて配置される。基板100は、基板100を保持する静電または物理力を使用できるプラテン102上に載置されうる。マスク104は、基板100内の所望の注入パターンに対応する開口105を有する。開口105は、縞状、ドット状または別の形状でありうる。イオンビーム101からのドーパント原子は、マスク104中の開口105を通過しうる。こうして、注入領域103のみが基板内に形成される。注入領域103は、例えば
図2のIBC太陽電池内のn型裏面領域204に対応しうる。
【0011】
図4は、
図2の
n型ドーパント領域204を形成するために使用できるマスク104を表している。マスク104の使用により、代わりのハードマスクベースの方法に比べて処理ステップを除去することができる。マスク材料の形成、マスク材料のパターン化、およびドーピング処理後のマスクの除去を含む処理ステップを除去できる。ここで実施形態に開示したように、太陽電池の別の領域を注入するために後の注入を用いることができる。
【0012】
太陽電池に採用される特定のドーピングパターンに依存して、単一のシャドーマスクを用いて、
図2に示したようなp型
ドーパント領域203を形成することは困難または不可能である。従って、従来の製造処理においては、上述のように、ハードマスクのような別の技術が使用されてp型
ドーパント領域203が形成される。これは、イオン注入法、拡散法、またはハードマスクまたは別のマスク技術を用いた別のドーピング法を使用できる。
【0013】
p型
ドーパント領域203を、1以上のシャドーマスクの繰り返し使用により形成できれば有利である。
図5Aは、これらのエミッタ領域を形成するために使用しう
るマスク300を示しており、
図5Bは、基板上に得られた注入領域を示している。
マスク300の1回の使用により、基板上に注入縞パターン310が形成される。この注入後に
、マスク300および基板は、互いに90°相対的に回転される。これは、マスク300を回転、基板を回転、またはこれらの回転の組み合わせにより行うことができる。幾つかの実施形態において、同一のマスク300を両注入のために使用される。別の実施形態においては、マスク300とは異なる第2のマスクが使用される。複数のマスクを介した注入は、基板周囲の真空を壊すことなく繋げる、または行うことができる。
【0014】
図6は、回転されたマスクを用いて第2の注入が行われた後の基板上に得られた注入パターンを示している。得られたパターンは碁盤状パターンであり、4つの別タイプの領域311、312、313および314を規定している。領域311は、両注入の間マスク300によって被覆され、ドープされなかった領域として規定される。領域312は、両注入の間イオンビームに晒された領域として規定される。領域313は、第1の注入の間のみに注入された領域として規定され、領域314は、第2の注入の間のみ注入された領域として規定される。
【0015】
幾つかの実施形態において、イオン種、ドーズ量、ドーズエネルギーおよび注入時間は、第1および第2の注入に対して同一である。この実施形態において、領域313および314は、同一のドーズ量を受け、同じ様にドープされる。このシナリオでは、領域312は領域313および314の2倍のドーパント濃度を有している。マスク300は第1および第2の注入の間、n型裏面領域204が完全に領域311内にあるように配置され、その結果、
図7に示された注入パターンとなる。
【0016】
この注入パターンは、
図2に示されたものに近づいて行くことに注意されたい。こうして、この注入パターンを形成するために、
図8に示された1組のステップを使用できるが、別のステップ順序も可能である。
【0017】
まず、ステップ
S400において、100μmから1000μmの範囲の径を有する複数の円形の開口を有し、n型
ドーパント領域204に対応するマスクを、リンまたは別のV族元素または分子等のn型ドーパントの注入の間にシャドーマスクとして用いる。幾つかの実施形態において、この注入は、ドーパントの活性化後に1×10
19から5×10
19cm
−3の範囲のn型ドーパント濃度を与えるために、以下の動作パラメータ、すなわち10keVのイオンエネルギーを有するリンイオンの注入、2×10
15cm
−2のイオンドーズ量で行われる。
【0018】
次に、ステップ410に示すように、縞状パターンを有する複数の開口を有する第2のマスクを使用して、ホウ素または別のIII族元素または分子等のp型ドーパントの第1の注入を行う。この第2のマスク中の各開口間の間隔は、n型注入領域が第2のマスクの開口間に合うように、第1のマスクの開口の寸法よりも大きいことが好ましい。この間隔は、500μmから2000μmの範囲としうる。第2のマスクは、第2のマスクがn型注入領域を被覆するように基板に配置される。ステップ420に示されるように、第2のマスクが配置されると、p型ドーパントの第1の注入が行われる。p型ドーパントの第1の注入は、以下の条件、すなわち10kVのイオンエネルギーを有するホウ素イオン、イオン1×10
15cm
−2のドーズ量を用いることができ、ドーパントの活性化後に2×10
18cm
−3から10×10
18cm
−3のドーパント濃度となる。
【0019】
次に、ステップ430に示されるように、マスクおよび基板は、互いに90°回転され、n型注入領域がマスクにより依然として被覆されるように配置される。上述のように、このステップのために別のマスクも使用できる。ステップ440において、p型ドーパントの第2の注入が行われ、動作パラメータおよび得られたドーズ量は、第1のp型イオン注入と同じとなりうる。
【0020】
また、n型注入(ステップ400)は、p型注入(ステップ420、440)の後または間に行うことができることに注意されたい。この一連の処理およびシャドーマスクの使用により、IBC太陽電池を形成するのにコストおよび時間のかかる処理を避けることができる。これらのステップは、1または複数のイオン注入機を用いて行うことができる。1つのイオン注入機のみが使用される場合、太陽電池の周囲の真空を壊すことなく連続的に行うことができる。
【0021】
図8に示された一連の処理は、領域311中に最小レベルのp型ドーパント領域を形成するために、p型ドーパントのブランケット注入で補うことができる。このブランケット注入は、
図8に示された一連の処理内の任意の時点で行われうる。p型ドーパントのブランケット注入は、以下の条件、すなわち10kVのイオンエネルギーを有するホウ素イオン、2×10
14から1×10
15cm
−2の範囲のイオンドーズ量を使用して、ドーパント活性化後のドーパント濃度を1×10
18から5×10
18cm
−3にしうる。n型
ドーパント領域204におけるドーパント濃度がブランケットp型ドーパント濃度を超えるように、特定の条件が選択されなければならない。
【0022】
この追加のブランケット注入は有益となりうる。例えば、このブランケット注入は、基板の全表面が(n型またはp型に)ドープされるのを保証し、少数キャリアの再結合を低減する役割を果たす。これは、太陽電池の効率を改善する。
【0023】
また、ここで説明した方法においては、均一なp
型ドーパント領域はブランケット注入され、n型
ドーパント領域はカウンタードープされることが好ましい。規定上、この方法は、エミッタ中に空間変動ドーピングプロファイルを生成する。これは、幾つかの理由により有益である。まず、領域312において局所的に高ドーピング濃度を実現でき、エミッタへの低抵抗オーミック接合を可能にする。第2に、領域312および313において低ドーパント濃度が実現され、再結合を低減して太陽電池の効率を改善する。最後に、領域311においてより低いドーパント濃度が実現され、エミッタとBSFとの間の短絡の可能性を有益に低減することができる。領域311における低ドーピング濃度は、BSF領域204のカウンタードーピングの必要な注入ドーズ量の低減も可能にする。
【0024】
以上の図は、基板の部分または領域が注入されると、その部分内の全ての位置は同一のドーズ量を受けることを示している。これは、イオンビームがコリメーション上の厳しい精度要件を有するようにするか、あるいはシャドーマスクを基板に接近させることによりなされうる。
【0025】
しかしながら、別の実施形態においては、
n型ドーパント領域204、およびエミッタ領域311、312、313および314のためにドーパント勾配を有することが有利になりうる。全てのイオンビームは、空間電荷効果またはビームブローアップ等により固有の角度ばらつきを有している。この角度ばらつき、または非コリメーションは、注入または非注入領域との間の遷移が、図に示されたように急峻ではなくなることを意味している。
【0026】
図9は、基板中のドーズ濃度と開口位置との関係のグラフを示している。グラフ上にイオンビームが通過する開口401を有するマスク400がある。開口直下の領域402は、完全なドーズのイオンが注入されうる。しかし、開口401に隣接する領域403も、ある量のイオンに晒される。領域403の形状および寸法は、イオンビームのコリメーションに依存しうる。よって、マスク400と基板との間の距離を変更すること、またはイオンビームのコリメーションを調整することにより、
図7の全注入領域に対してドーピング勾配を形成することができる。さらに、基板に対するイオンビームの入社角度を変更することにより、開口の片側のみの上の隣接領域403の形状を変更することができる。この勾配は、さらにp−n接合の急峻性を低減しうる。
【0027】
本開示は、n型領域は円形であるのに対して、p型領域は碁盤状に形成されることを仮定しているが、本開示はこの実施形態に限定されない。例えば、円形注入領域はp型とし、碁盤状パターンはn型ドーパントとすることができる。
【0028】
本開示は、ここで説明した特定の実施形態によって範囲が限定されない。実際、ここで説明した開示に加えて、本開示の別の様々な実施形態および本開示への変更は、上述の説明および添付の図面から当業者には明らかであろう。よって、このような別の実施形態および変更は、本開示の範囲内にあることを意図している。さらに、本開示は、特定目的のための特定環境における特定実装に関してここで説明したが、当業者は、その有用性はそれに限定されず、本開示は多くの目的のための多くの環境に有益に実装されうることを理解されよう。よって、以下に記載された特許請求の範囲は、ここで説明した本開示の広さおよび精神を考慮して解されるべきである。