特許第6031128号(P6031128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031128
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】水処理装置及びサーバー装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/46 20060101AFI20161114BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20161114BHJP
   G08B 21/04 20060101ALI20161114BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20161114BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   C02F1/46 A
   G08B25/04 K
   G08B21/04
   H04M11/04
   H04Q9/00 311K
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-1628(P2015-1628)
(22)【出願日】2015年1月7日
(65)【公開番号】特開2016-123951(P2016-123951A)
(43)【公開日】2016年7月11日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】591201686
【氏名又は名称】株式会社日本トリム
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(72)【発明者】
【氏名】母利 健雄
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−170279(JP,A)
【文献】 特開2002−312464(JP,A)
【文献】 特開2007−278747(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3159193(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46 − 1/48
G08B 21/04
G08B 23/00 − 31/00
H04M 11/04
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を処理するための水処理部を備えた水処理装置であって、
前記水処理部への水の流れを検知して流水信号を出力する流水センサーと、
人体の動きを検知して人感信号を出力する人感センサーと、
装置外部の予め定められた通信機器と通信するための通信手段と、
前記流水信号及び前記人感信号に基づいて、前記通信手段を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、
予め定められた第1時間の間、連続して前記流水信号が入力されず、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して前記人感信号が入力されないときに、前記通信手段を介して前記通信機器に予め定められた第1情報を送信し、
前記第1時間の間に前記流水信号が入力された場合、
その流水信号が予め定められた第3時間の間、連続して入力され、かつ、予め定められた第4時間の間、連続して前記人感信号が入力されていないとき、前記通信手段を介して前記通信機器に予め定められた第2情報を送信することを特徴とする水処理装置。
【請求項2】
前記第3時間が前記第2時間よりも短い請求項1記載の水処理装置。
【請求項3】
前記第4時間が前記第3時間よりも短い請求項1又は2に記載の水処理装置。
【請求項4】
前記第1時間乃至前記第4時間は、居住者によって設定可能である請求項1乃至3のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項5】
前記第1時間乃至前記第4時間は、監督者又は通信システムの管理者によって設定可能である請求項1乃至3のいずれかに記載の水処理装置。
【請求項6】
請求項1記載の水処理装置と通信が可能に接続されたサーバー装置であって、
前記第1情報を受信したときに、予め定められた電子機器に、その旨の通知を行なうことを特徴とするサーバー装置。
【請求項7】
前記第2情報を受信したときに、予め定められた電子機器に、その旨の通知を行なう請求項6記載のサーバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を処理する水処理装置及びそれと接続されるサーバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理装置の一例として、水を電気分解して水素分子が溶け込んだ電解水素水(還元水)を生成できる電解水生成装置が知られている。電解水素水は、活性酸素の除去に適しているとして、酸化ストレスの低減が期待されている。
【0003】
近年、普段の生活の中で電解水素水を気軽に摂取できるように、家庭用の電解水生成装置が普及しつつある。このような背景の下、高齢者等の居住者の見守り機能を追加した電解水生成装置が提案されている。例えば、特許文献1には、電解水生成装置の内部に設けられた流水センサから出力される流水信号に基づいて、居住者の状態を監視し、監視者(例えば、居住者の家族や介護サービス提供会社等)に通知する見守りシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−170279号公報
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に示された電解水生成装置では、流水信号のみに基づいて、居住者の状態を監視しているため、正常な居住者が意図的に上記見守りシステムが想定していない通水量で電解水生成装置を使用した場合、監視者に誤った通知を行なうおそれがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、居住者の見守り機能を備え、監視者への誤った通知を抑制できる水処理装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、水を処理するための水処理部を備えた水処理装置であって、前記水処理部への水の流れを検知して流水信号を出力する流水センサーと、人体の動きを検知して人感信号を出力する人感センサーと、装置外部の予め定められた通信機器と通信するための通信手段と、前記流水信号及び前記人感信号に基づいて、前記通信手段を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、予め定められた第1時間の間、連続して前記流水信号が入力されず、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して前記人感信号が入力されないときに、前記通信手段を介して前記通信機器に予め定められた第1情報を送信することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る前記水処理装置において、前記制御手段は、前記第1時間の間に前記流水信号が入力された場合、その流水信号が予め定められた第3時間の間、連続して入力され、かつ、予め定められた第4時間の間、連続して前記人感信号が入力されていないとき、前記通信手段を介して前記通信機器に予め定められた第2情報を送信することが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記水処理装置において、前記通信手段は、インターネットを介して前記通信機器に接続可能であることが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記水処理装置において、前記通信機器は、インターネットに接続されたサーバー装置を含むことが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記水処理装置において、前記人感センサーは、水処理装置の前面に設けられていることが望ましい。
【0012】
本発明は、前記水処理装置と通信が可能に接続されたサーバー装置であって、前記第1情報を受信したときに、予め定められた電子機器に、その旨の通知を行なうことを特徴とする。
【0013】
本発明は、前記水処理装置と通信が可能に接続されたサーバー装置であって、前記第1情報を受信したときに、予め定められた電子機器に、その旨の通知を行なうとともに、前記第2情報を受信したときに、予め定められた電子機器に、その旨の通知を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水処理装置は、水処理部への水の流れを検知する流水センサーと、人体の動きを検知する人感センサーと、装置外部と通信するための通信手段と、通信手段を制御する制御手段とを有する。流水センサーから出力される流水信号及び人感センサーから出力される人感信号は、制御手段に入力される。これにより、制御手段は、入力された流水信号及び人感信号に基づいて、通信手段を制御して、予め定められた通信機器と通信することができる。
【0015】
すなわち、制御手段は、予め定められた第1時間の間、連続して流水信号が入力されず、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して人感信号が入力されないときに、通信手段を介して通信機器に予め定められた第1情報を送信する。これにより、本発明の水処理装置によれば、水処理装置の稼働状況と居住者の動きとを総合的に判断して、居住者の状態を監視できるようになり、監視者への誤った通知を抑制可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の水処理装置を用いた見守りシステムの概略構成を示すブロック図である。
図2図1の制御手段の処理手順を示すフローチャートである。
図3図1のサーバー装置の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の水処理装置を用いた通信システム100の構成を示している。
【0018】
通信システム100は、通信機能を有する水処理装置1と、水処理装置1の外部に設けられた通信機器110とを有している。
【0019】
水処理装置1は、監視対象の居住者の宅内に設置される。水処理装置1は、無線又は有線にて通信機器110に接続される。
【0020】
通信機器110は、上記居住者の宅外に設置又は監視者によって携帯される。本実施形態では、通信機器110として、例えば、インターネット105を介して相互に接続されているサーバー装置111及び電子機器112が適用されている。水処理装置1と電子機器112との通信にインターネット105を利用することにより、安価に通信システム100を構築できる。
【0021】
水処理装置1は、3G(第3世代)又は4G(第4世代)等と称される移動通信システムの規格に準拠する無線通信を用いてサーバー装置111と通信する。このような移動通信システムの一部を用いることにより、居住者の宅内に新たな通信線を配設する必要がないため、通信システム100を安価かつ容易に構築できる。
【0022】
サーバー装置111は、インターネット105を介して電子機器112と接続され、相互に通信可能である。サーバー装置111やインターネット105を経由することなく、水処理装置1と電子機器112とが通信する形態であってもよい。この場合、水処理装置1と電子機器112とを含むローカルネットワークが構築される。
【0023】
サーバー装置111には、水処理装置1ごとに水処理装置1を使用する居住者に関する情報が予め登録されている。そして、サーバー装置111には、水処理装置1から送信された情報が逐次蓄積される。水処理装置1からサーバー装置111に送信される情報には、居住者の水処理装置の稼働状況と居住者の動きに関する情報とが含まれる。従って、サーバー装置111に蓄積されている情報を監視することにより、居住者の状態を監視することができる。
【0024】
電子機器112には、上記3G又は4G等の移動通信システムの規格に準拠するスマートフォンやタブレット型の携帯情報処理端末113の他、パーソナルコンピュータ114等の通信機能を備えた各種の情報処理端末が適用可能である。このような電子機器112は、無線又は有線にてインターネット105に接続されうる。
【0025】
電子機器112は、監視対象である居住者の監視者によって所有又は使用等される。サーバー装置111には、居住者によって使用される水処理装置1に関する情報とその監視者が所有等する電子機器112に関する情報とが関連づけて登録されている。サーバー装置111は、水処理装置1から送信される情報に応じて、電子機器112に通知を行ない、監視者に居住者の異変を通知する。
【0026】
水処理装置1は、水を処理するための水処理部2を備える。水の処理としては、例えば、水道水等の原水の浄化処理や、水を電気分解して水素ガスが溶け込んだ電解水素水を生成する処理等が挙げられる。原水には、一般的には水道水が利用されるが、その他、例えば、井戸水、地下水等を用いることができる。
【0027】
図1では、水処理装置1の具体例として上記電解水素水を生成する電解水生成装置11が示され、水処理部2の具体例として水を電気分解する電解槽4が示されている。電解槽4の上流又は下流に水を浄化する浄水カートリッジ(図示せず)が設けられていてもよい。また、電解槽4に替えて浄水カートリッジが設けられていてもよい。この場合、水処理装置1は、浄水器として機能する。
【0028】
電解槽4は、その内部に電解室40を有している。電解室40の内部には、陽極給電体41及び陰極給電体42が互いに対向して配置されている。陽極給電体41と陰極給電体42との間には隔膜43が配設されている。隔膜43は、電解室40を陽極給電体41側の陽極室40aと陰極給電体42側の陰極室40bとに区分する。
【0029】
電解室40の陽極室40a及び陰極室40bの両方に水が供給され、陽極給電体41及び陰極給電体42に直流電圧が印加されることにより、電解室40内で水の電気分解が生ずる。
【0030】
隔膜43は、電気分解で生じたイオンを通過させる。これにより、隔膜43を介して陽極給電体41と、陰極給電体42とが電気的に接続される。電解室40内で水が電気分解されることにより、陰極室40bで電解還元水が得られ、陽極室40aで電解酸性水が得られる。
【0031】
陰極室40bでは、電気分解によって水素ガスが発生し、陰極室40b内の水に溶け込む。従って、陰極室40bで得られた電解還元水は、電解水素水とも称され、活性酸素の除去に有効とされる。
【0032】
陰極室40bで得られた電解還元水及び陽極室40aで得られた電解酸性水は、流路切替弁5を介して水栓部に供給され、吐出される。流路切替弁5は、陰極室40bで得られた電解還元水の流路と、陽極室40aで得られた電解酸性水の流路とを分離しながら、接続先を切り替え可能に構成されている。
【0033】
水処理装置1は、水処理部2への水の流れを検知する流水センサー6と、人体の動きを検知する人感センサー7と、装置外部と通信するための通信手段8と、通信手段8を制御する制御手段9とを有する。
【0034】
流水センサー6は、定期的に水の流れを検知して、流水信号を出力する。流水センサー6には、例えば、流量を検知する流量センサーを用いることができる。
【0035】
人感センサー7は、定期的に人体の動きを検知して人感信号を出力する。人感センサー7は、例えば、赤外線を検知する赤外線検知部を有し、人体から放射された赤外線又は人体によって反射された赤外線を検知することにより、非接触で人体を検知する。後者の場合、赤外線を照射する赤外線照射部を有する。人感センサー7は、人体によって反射された超音波を検知する形態であってもよい。
【0036】
人感センサー7は、水処理装置1の前面に設けられているのが望ましい。人感センサー7が水処理装置1の前面に設けられているとは、人体の検知範囲が水処理装置1の正面側に分布するように、人感センサー7が配設されていることを意味している。このような人感センサー7は、キッチン内で水処理装置1の正面を移動する居住者を検知し易く、居住者の状態を適切に監視可能である。水処理部2と水栓部とが別体に構成されている水処理装置1にあっては、検知範囲が水栓部の正面側に分布するように、人感センサー7が設けられていてもよい。
【0037】
流水センサー6から出力される流水信号及び人感センサー7から出力される人感信号は、制御手段9に入力される。制御手段9は、時間を計数する機能を有する。
【0038】
制御手段9は、自ら計数した時間、流水センサー6から入力された流水信号及び人感センサー7から入力された流水信号に基づいて、居住者の状態が正常であるか否かを判断し、その結果に応じた処理を実行する。制御手段9は、居住者の状態に異変が生じていると判断した場合、通信手段8を制御して、サーバー装置111等の通信機器110と通信する。
【0039】
本実施形態では、通信手段8は、3G又は4G等の移動通信システムの規格に準拠する無線通信によって基地局(図示せず)等を介してサーバー装置111に接続されている。このような移動通信システムの一部を用いることにより、居住者の宅内に新たな通信線等を配設する必要がないため、通信システム100を安価かつ容易に構築できる。
【0040】
通信手段8は、光ファイバー、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等による有線通信でインターネット105を介してサーバー装置111と接続されていてもよい。この場合、通信手段8とインターネット105との間には、モデム及び無線又は有線のルーター等が介在していてもよい。
【0041】
通信手段8が通信可能な通信機器110は、予め定められている。本実施形態では、通信手段8が通信可能な通信機器110として、サーバー装置111が設定されている。サーバー装置111のIPアドレス等は、例えば、メモリ10に記憶されている。制御手段9は、メモリ10を参照して通信手段8を制御し、サーバー装置111と通信する。
【0042】
図2は、水処理装置1の制御手段9の処理手順を示している。制御手段9は、まず計数する時間をリセットし(S1)、時間の計数を開始する(S2)。
【0043】
そして、予め定められた第1時間の間、連続して流水センサー6から流水信号が入力されず(S3においてY)、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して人感センサー7から人感信号が入力されないとき(S4においてY)、制御手段9は、居住者の状態に何らかの異変が生じている可能性があると判断できる。このとき、制御手段9は、通信手段8を介してサーバー装置111に接続し(S5)、サーバー装置111と通信する。
【0044】
上記第1時間は、水処理装置1の使用頻度に応じて設定されうる。通常、水処理装置1は、毎日1度は使用されると考えられるので、第1時間は、例えば24時間程度に設定されるのが望ましい。第1時間は、居住者、監視者又は通信システムの管理者によって適宜設定できるように構成されていてもよい。
【0045】
一方、上記第2時間は、監視対象とされる居住者の生活状況に応じて設定されうる。第2時間は、第1時間よりも短く設定されるのが望ましく、例えば、数時間程度が適切であると考えられる。留守の多い居住者や動きの少ない高齢者の場合、第2時間は比較的長く設定される。第2時間は、居住者、監視者又は通信システムの管理者によって適宜設定できるように構成されていてもよい。
【0046】
S5でサーバー装置111に接続した制御手段9は、サーバー装置111に第1情報を送信する(S6)。第1情報は、予め定められており、例えば、メモリ10に格納されている。第1情報は、水処理装置1が第1時間連続して使用されておらず、かつ居住者の動きが第2時間検知されなかった旨を通信システムの管理者等に通知するための情報である。従って、サーバー装置111が第1情報を受信することにより、サーバー装置111には、水処理装置1ごとに第1情報が蓄積される。管理者は、サーバー装置111に蓄積されている第1情報を管理することにより、居住者に何らかの異変が生じた可能性があることを知得できる。
【0047】
一方、制御手段9は、第2時間が経過する前に人感信号の入力を受けた場合(S4においてN)、居住者の状態には、大きな異変が認められない(水処理装置1とは別の手段によって水分を摂取していた)と推定できる。従って、この場合はS1に戻って、引き続き居住者の監視を継続する。
【0048】
本実施形態では、水処理装置1の稼働状況と居住者の動きを総合的に判断して、居住者の状態を監視できる。このため、居住者の異変に対する誤った判断を抑制可能になる。
【0049】
図2のS7乃至S12に示されるように、本実施形態では、第1時間が経過する前に、流水センサー6から流水信号が入力された場合にあっても(S3においてN)、制御手段9は、入力された流水信号及び人感信号に基づいて、居住者の状態を監視する。
【0050】
すなわち、制御手段9は、第1時間の間に流水信号が入力された場合(S3においてN)、計数する時間をリセットし(S7)、時間の計数を開始する(S8)。
【0051】
そして、流水信号が予め定められた第3時間の間、流水センサー6から連続して入力され(S9においてY)、かつ、予め定められた第4時間の間、人感センサー7から連続して人感信号が入力されていないとき(S10においてY)、制御手段9は、水処理装置1が通水状態のまま、居住者から放置されていると判断できる。このとき、制御手段9は、通信手段8を介してサーバー装置111に接続し(S11)、サーバー装置111と通信する。
【0052】
上記第3時間は、水処理装置1の用途等に応じて設定されうる。例えば、水処理装置1が料理用の給水に用いられる場合、水処理装置1への通水が長時間にわたって継続されることは少ないと考えられる。このため、第3時間は、上記第2時間よりも短く設定されるのが望ましく、例えば、1時間程度が適当であると考えられる。第3時間は、居住者、監視者又は通信システムの管理者によって適宜設定できるように構成されていてもよい。
【0053】
一方、上記第4時間もまた、水処理装置1の用途等に応じて設定されうる。水処理装置1が料理用の給水に用いられる場合、居住者は、水処理装置1の周辺で調理を行なっていると考えられる。このため、第4時間は、第3時間よりも短く設定されるのが望ましく、例えば、数十分程度が適当であると考えられる。第4時間は、居住者、監視者又は通信システムの管理者によって適宜設定できるように構成されていてもよい。
【0054】
S11でサーバー装置111に接続した制御手段9は、サーバー装置111に第2情報を送信する(S12)。第2情報は、予め定められており、例えば、メモリ10に格納されている。第2情報は、第3時間の間、水処理装置1への通水が継続され、かつ、居住者の動きが第4時間検知されなかった旨を通信システムの管理者等に通知するための情報である。従って、サーバー装置111が第2情報を受信することにより、サーバー装置111には、水処理装置1ごとに第2情報が蓄積される。サーバー装置111に蓄積されている第2情報を管理することにより、管理者は、居住者に何らかの異変が生じた可能性があることを知得できる。この場合の異変には、水処理装置1への通水に生じた居住者の体調の急変に加え、居住者が水処理装置1への止水を怠ったことも含まれる。
【0055】
一方、制御手段9は、第4時間が経過する前に人感信号の入力を受けた場合(S10においてN)、居住者の状態には、大きな異変が認められない(居住者は意図的に水処理装置1を稼働させていた)と推定できる。従って、この場合はS1に戻って、引き続き居住者の監視を継続する。
【0056】
上記S7乃至S12の処理を実行することにより、居住者の状態をより詳細に監視することが可能となる。
【0057】
図3は、サーバー装置111の処理手順を示している。サーバー装置111は、上記S6において制御手段9から送信された第1情報を受信すると(S21においてY)、電子機器112に第1情報を受信した旨を通知する(S22)。上記居住者の監視者である電子機器112の所有者は、電子機器112を介して上記通知を受け、居住者に何らかの異変が生じた可能性があることを知得できる。
【0058】
サーバー装置111は、第1情報を受信しない場合であっても(S21においてN)、上記S12において制御手段9から送信された第2情報を受信すると(S23においてY)、電子機器112に第2情報を受信した旨を通知する(S24)。上記電子機器112の所有者は、電子機器112を介して上記通知を受け、居住者に何らかの異変が生じた可能性があることを知得できる。
【0059】
サーバー装置111は、第2情報を受信しない場合(S23においてN)、居住者に大きな異変が生じていないと判断し、電子機器112に対して第1情報及び第2情報を通知することなく、S21に戻る。
【0060】
以上のような構成を有する本実施形態の水処理装置1によれば、制御手段9は、予め定められた第1時間の間、連続して流水信号が入力されず、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して人感信号が入力されないときに、通信手段8を介して通信機器110に予め定められた第1情報を送信する。これにより、水処理装置1の稼働状況と居住者の動きを総合的に判断して、居住者の状態を監視できるようになり、監視者への誤った通知を抑制可能になる。そして、生活に密着した水回りに設置される水処理装置1(電解水整水器)を用いて、居住者の見守りサービスを容易に行うことが可能となる。
【0061】
以上、本発明の水処理装置1が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。すなわち、水処理装置1は、少なくとも、水を処理するための水処理部2を備え、水処理部2への水の流れを検知して流水信号を出力する流水センサー6と、人体の動きを検知して人感信号を出力する人感センサー7と、装置外部の予め定められた通信機器110と通信するための通信手段8と、流水信号及び人感信号に基づいて、通信手段8を制御する制御手段9とを有し、制御手段9は、予め定められた第1時間の間、連続して流水信号が入力されず、かつ、予め定められた第2時間の間、連続して人感信号が入力されないときに、通信手段8を介して通信機器110に予め定められた第1情報を送信するように構成されていればよい。
【0062】
また、制御手段9は、流水センサー6にて水の流れが検知された時刻及び人感センサー7によって人体の動きが検知された時刻をメモリ10に記憶して、定期的に上記時刻をサーバー装置111に送信するように構成されていてもよい。監視者は、サーバー装置111に蓄積された上記時刻を参照することにより、監視者は、居住者の行動をより詳細に知ることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 水処理装置
2 水処理部
6 流水センサー
7 人感センサー
8 通信手段
9 制御手段
105 インターネット
110 通信機器
111 サーバー装置
112 電子機器
図1
図2
図3