特許第6031137号(P6031137)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6031137無線通信システムにおける距離範囲拡大のための構成可能なランダム・アクセス・チャネル構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031137
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける距離範囲拡大のための構成可能なランダム・アクセス・チャネル構造
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20161114BHJP
【FI】
   H04W74/08
【請求項の数】54
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-19844(P2015-19844)
(22)【出願日】2015年2月4日
(62)【分割の表示】特願2013-76522(P2013-76522)の分割
【原出願日】2007年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-109701(P2015-109701A)
(43)【公開日】2015年6月11日
【審査請求日】2015年3月4日
(31)【優先権主張番号】60/919,080
(32)【優先日】2007年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315002955
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100127188
【弁理士】
【氏名又は名称】川守田 光紀
(72)【発明者】
【氏名】ジャミ,イクバル
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジョン,ア
(72)【発明者】
【氏名】タテシュ,サイド
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 Panasonic, NTT DoCoMo,Non-synchronized RACH preamble structure for high mobility UE,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #47bis R1-070188,2007年 1月15日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_47bis/Docs/R1-070188.zip
【文献】 Motorola,Non-Synchronized Random Access,3GPP TSG RAN1#47-bis R1-070042,2007年 1月15日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_47bis/Docs/R1-070042.zip
【文献】 LGE,RACH Sequence Extension Methods for Large Cell Deployment,3GPP TSG RAN1 LTE WG1 Meeting #46 R1-062306,2006年 8月28日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_46/Docs/R1-062306.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルにおけるユーザ機器において、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップであって、前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、基地局から前記ユーザ機器により受信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記セルにおけるユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ステップと、
前記ユーザ機器から、無線インタフェースを介して前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップを具備する方法。
【請求項2】
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップは、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを受信する前記基地局のセル半径がより大きいときには、前記プリアンブルのより多い回数の繰り返しを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成し、前記セル半径がより小さいときには、より少ない回数の繰り返しを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つのブロードキャスト・チャネルを介して、少なくとも1つの基地局から、繰り返しの選択された回数を示す情報を受信するステップを具備する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップは、前記プリアンブルの選択された回数の繰り返しと選択されたガードタイム間隔とに基づいて選択されたいくつかのサブフレームの間に、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップは、前記プリアンブルの選択された回数の繰り返しと、前記セル半径及び無線伝送周波数のうちの少なくとも一つに基いて選択されたガードタイム間隔とに基いて選択されたいくつかのサブフレームの間に、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、セル半径及び無線伝送周波数のうちの少なくとも一つに基いて選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記繰り返しの回数は、0、1又は2である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
セルにおけるユーザ機器において、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップであって、前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記セルにおけるユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ステップと、
前記ユーザ機器から、無線インタフェースを介して前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップとを具備し、
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップは、第1の長さを有する第1のサイクリック・プレフィックスと、第2の長さを有する第1のプリアンブルと、前記第1のプリアンブルの第1の回数の繰り返しとを含む第1のランダム・アクセス・チャネル・バースト生成するステップであって、前記ユーザ機器と時を同じくしてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記セルにおけるユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルの第1の回数の繰り返しを用いる、ステップを含み、
前記方法は、さらに、
前記ユーザ機器において、前記第1のランダム・アクセス・チャネル・バーストの後に使用するための第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップであって、前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストは、前記第1の長さを有する第2のサイクリック・プレフィックスと、前記第2の長さを有する第2のプリアンブルと、前記第2のプリアンブルの第2の回数の繰り返しとを含み、前記第2の回数は前記第1の回数とは異なり、前記ユーザ機器と時を同じくしてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記セルにおける他のユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルの第2の回数の繰り返しを用いる、ステップと、
前記第1のランダム・アクセス・チャネル・バースト及び前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストのうちの少なくとも一つを伝送するステップとを具備する方法。
【請求項9】
前記無線インタフェースを介して、前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップを具備する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記ステップは、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストに関する変形されたフォーマットを示すメッセージの受信に応じて実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
セルにサービスを提供する基地局において、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含む信号を受信するステップであって、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局からユーザ機器に送られたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有する、ステップと、
前記受信した信号に基づいて、前記信号を伝送した移動ユニットを検出するステップであって、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記セルにおけるユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ステップとを具備する方法。
【請求項12】
前記セル半径がより大きいときには、前記プリアンブルのより多い回数の繰り返しを選択し、前記セル半径がより小さいときには、より少ない回数の繰り返しを選択するステップ、又は、
無線伝送周波数がより高いときには、前記プリアンブルのより多い回数の繰り返しを選択し、前記無線伝送周波数がより低いときには、前記プリアンブルのより少ない回数の繰り返しを選択するステップ、
のうちの少なくとも1つを具備する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
無線インタフェースを介して、前記選択された回数の繰り返しをブロードキャストするステップを具備する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記信号を受信するステップは、指定の数のサブフレームの間、前記信号を探すステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記プリアンブルの前記選択された回数の繰り返しと、選択されたガードタイム間隔とに基いてサブフレームの数を選択するステップと、
前記セル半径及び前記無線伝送周波数のうちの少なくとも一つに基いてガードタイム間隔を選択するステップとを具備する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移動ユニットを検出するステップは、セル半径に基づいて決定されたオフセットだけ互いに対して遅延させられた複数の探索窓の間に、前記受信された信号に関連するエネルギーを蓄積するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記受信された信号に関連する前記エネルギーを蓄積するステップは、前記探索窓の各々に関連する選択された数の期間にわたって、前記受信された信号に関連するエネルギーを蓄積するステップを含み、前記期間の選択された数は、前記プリアンブルの繰り返しの選択された回数に1を加えた数に相当する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記移動ユニットを検出するステップは、前記選択された数の期間の間に蓄積された前記エネルギーを結合するステップを含み、
前記移動ユニットを検出するステップは、前記探索窓の1つに関連する前記選択された数の期間の間に蓄積された前記エネルギーが閾値を超えたときに、前記移動ユニットが検出されたことを判定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記プリアンブルの0、1又は2回の繰り返しを選択するステップを具備する、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記信号を伝送するために使用される無線伝送周波数に基いて、前記繰り返しの回数を選択するステップを具備する、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するよう構成されたユーザ機器であって、
前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、基地局から前記ユーザ機器により受信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、
前記ユーザ機器と同じセルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する他のユーザ機器のいずれもが、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ユーザ機器。
【請求項22】
前記プリアンブルの繰り返しの回数は、0、1又は2である、請求項21に記載のユーザ機器。
【請求項23】
サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するよう構成されたユーザ機器であって、
前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、
前記ユーザ機器と同じセルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する他のユーザ機器のいずれもが、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用い、
前記ユーザ機器は、さらに、
第1の長さを有する第1のサイクリック・プレフィックスと、第2の長さを有する前記プリアンブルと、前記プリアンブルの第1の回数の繰り返しとを含む第1のフォーマットを備える第1のランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成し、
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストに関する第2のフォーマットを示すメッセージを受信し、
前記メッセージの受信に応じて、第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するよう構成され、
前記ユーザ機器と同じセルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する他のユーザ機器のいずれもが、前記ユーザ機器と時を同じくして前記プリアンブルの前記第1の回数の繰り返しを用い、
前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストは、前記第1の長さを有する第2のサイクリック・プレフィックスと、前記第2の長さを有する第2のプリアンブルと、前記第2のプリアンブルの第2の回数の繰り返しとを含む前記第2のフォーマットを備え、前記第2の回数は前記第1の回数とは異なり、前記ユーザ機器と同じセルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する他のユーザ機器のいずれもが、前記第2のランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する前記ユーザ機器と時を同じくして前記プリアンブルの第2の回数の繰り返しを用いるユーザ機器。
【請求項24】
前記プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを有するシーケンスを生成するよう構成されたブロック繰り返し要素と、
前記シーケンスと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有するサイクリック・プレフィックスとを含む前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを形成するよう構成された加算器とをさらに備える、請求項21に記載のユーザ機器。
【請求項25】
前記ブロック繰り返し要素は、前記プリアンブルのブロックごとの繰り返しを実行することにより前記シーケンスを生成するよう構成される、請求項24に記載のユーザ機器。
【請求項26】
前記ユーザ機器は、前記ブロック繰り返し要素に提供されることができる一定振幅ゼロ自己相関シーケンスを含むプリアンブルを生成するよう構成される、請求項24に記載のユーザ機器。
【請求項27】
前記加算器は、前記シーケンスと、前記サイクリック・プレフィックスと、ガードタイム間隔とを含む前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを形成するよう構成される、請求項24に記載のユーザ機器。
【請求項28】
前記ユーザ機器は、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するよう構成される、請求項24に記載のユーザ機器。
【請求項29】
セルにおける展開のために構成可能な受信機であって、
プリアンブルと前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストから、受信したプリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有するサイクリック・プレフィックスを取り除くよう構成されたプリプロセッサと、
ここで、前記セルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成している各ユーザ機器は、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用い、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、基地局から前記ユーザ機器に送信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、
前記プリプロセッサから信号を受信するよう構成された相関器とを備える、受信機。
【請求項30】
前記相関器は、周波数領域相関器である、請求項29に記載の受信機。
【請求項31】
前記繰り返しの回数は、0、1又は2である、請求項29に記載の受信機。
【請求項32】
前記周波数領域相関器は、受信したランダム・アクセス・チャネル・バーストに関するいくつかの隣接する探索窓を探索するよう構成され、
前記いくつかの隣接する探索窓は、前記プリアンブルの繰り返しの回数に1を加えた数に等しい、請求項29に記載の受信機。
【請求項33】
前記相関器は、前記サイクリックプレフィックスの前記所定の持続時間に対応する時間だけ、隣接する探索窓を遅延させる、請求項29に記載の受信機。
【請求項34】
前記相関器は、複数の走査において前記選択された数の隣接する探索窓を探索するよう構成され、
各走査は、異なる範囲に対応し、
各走査は、前記サイクリック・プレフィックスの前記所定の持続時間だけ、以前の走査から時間オフセットしている、請求項29に記載の受信機。
【請求項35】
前記隣接する探索窓において蓄積されたエネルギーを結合し、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストが検出されたかどうかを判定するために、前記蓄積されたエネルギーを閾値と比較するエネルギー検出器を備える、請求項29に記載の受信機。
【請求項36】
前記エネルギー検出器は、セル半径又は複数のセル半径の範囲に対応する選択された探索窓サイズへの出力に相関する前記周波数領域を制限する探索窓制限器を備える、請求項35に記載の受信機。
【請求項37】
前記エネルギー検出器は、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストの前記プリアンブルの繰り返しに対応する異なる出力に関連するエネルギーを合計するエネルギー結合器を備える、請求項35に記載の受信機。
【請求項38】
前記受信機は、基地局内に実装され、
前記基地局は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストに関するフォーマットを示す信号を、前記基地局によりサービス提供されるセル内の全てのユーザ機器にブロードキャストするよう構成され、
前記フォーマットは、前記受信されたプリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない前記所定の持続時間を有する前記サイクリック・プレフィックスを含み、前記セルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成している各ユーザ機器は、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、請求項29に記載の受信機。
【請求項39】
前記基地局は、フォーマットを示す信号をブロードキャストするよう構成され、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局から前記ユーザ機器の実際の距離に依存しない、請求項38に記載の受信機。
【請求項40】
セルにサービスを提供する基地局において、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを示す情報を含む信号を受信する手段と、
前記受信した信号に基づき、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送した移動ユニットを検出する手段とを備える装置であって、
前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局からユーザ機器に送信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、
前記セルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成する移動ユニットのいずれもが前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、装置。
【請求項41】
前記繰り返しの回数は、0、1又は2である、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
セルにサービスを提供する少なくとも1つの基地局から、ブロードキャスト・メッセージの中の繰り返しの回数を示す情報を受信し、
サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するよう構成されたユーザ機器であって、
前記セルにおける他のユーザ機器は、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを示す情報を受信し、
前記サイクリック・プレフィックスは、所定の持続時間を有し、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記サイクリック・プレフィックスの所定の持続時間に依存せず、
前記セルにおいてランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成している前記他のユーザ機器のいずれもが前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ユーザ機器。
【請求項43】
前記繰り返しの回数は、前記ユーザ機器からランダム・アクセス・チャネル・バーストを受信しようとする基地局のセル半径がより大きいときに前記プリアンブルのより多くの繰り返しの回数を含み、前記セル半径がより小さいときに前記プリアンブルのより少ない繰り返しの回数を含む、請求項42に記載のユーザ機器。
【請求項44】
前記ユーザ機器は、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しと、前記セル半径及び前記無線伝送周波数のうちの少なくとも一つに基いて決定されるガードタイム間隔とに基いて決定されたいくつかのサブフレームの間に、前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するようさらに構成される、請求項43に記載のユーザ機器。
【請求項45】
前記繰り返しの回数は、0、1又は2である、請求項43に記載のユーザ機器。
【請求項46】
サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するよう構成されたユーザ機器であって、
前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記ユーザ機器を含む前記セルにサービスを提供する基地局から前記ユーザ機器の実際の距離に依存せず、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局から前記ユーザ機器により受信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されている、ユーザ機器。
【請求項47】
基地局によりサービス提供されるセルにおける全てのユーザ機器へ、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットを示す信号をブロードキャストするよう構成された基地局であって、
前記ランダム・アクセス・チャネル・バーストの前記フォーマットは、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しを含み、
前記サイクリック・プレフィックスは、前記プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局から前記ユーザ機器に送信されたブロードキャスト・メッセージの中で示されており、
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記基地局から前記ユーザ機器の実際の距離に依存しない、基地局。
【請求項48】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項49】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項21に記載のユーザ機器。
【請求項50】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項29に記載の受信機。
【請求項51】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項40に記載の装置。
【請求項52】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項42に記載のユーザ機器。
【請求項53】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項46に記載のユーザ機器。
【請求項54】
前記プリアンブルのいくつかの繰り返しは、前記セルのセル半径及び前記基地局の無線伝送周波数に基づき、前記基地局により選択される、請求項47に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プロセッサ・ベースのシステムに関し、より詳細には、プロセッサ・ベースのシステムにおけるバス・トランザクションを調停することに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
無線通信システムは、通常、各基地局または各アクセス・ポイントに関連する地理的区域(つまり、セル)内の移動ユニットに無線接続を提供するための1つまたは複数の基地局またはアクセス・ポイントを含む。移動ユニットと基地局は、無線通信リンク、つまり、無線インタフェースを介して変調された無線周波数信号を伝送することによって、通信する。この無線インタフェースは、基地局から移動ユニットに情報を伝送するためのダウンリンク(または順方向リンク)チャネルと、移動ユニットから基地局に情報を伝送するためのアップリンク(または逆方向リンク)チャネルとを含む。これらのアップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルは、通常、データ・チャネル、ランダム・アクセス・チャネル、ブロードキャスト・チャネル、ページング・チャネル、制御チャネルなどに分けられる。これらのアップリンク・チャネルおよびダウンリンク・チャネルは、共有であることも、専用であることも可能である。
【0003】
移動ユニットは、RACH(ランダム・アクセス・チャネル)の1つまたは複数のチャネル上でメッセージを伝送することによって、基地局との通信を開始することができる。アップリンク・ランダム・アクセス・メッセージは、非同期型であり、したがって、基地局のカバレッジ・エリア内の任意の移動ユニットによって、同期されたダウンリンク・タイミングに基づいていつでも伝送されることが可能である。したがって、基地局における受信機は、これらのランダム・アクセス・チャネルを絶えず監視し、これらのランダム・アクセス・チャネル上で受信された信号に、移動ユニットによって伝送されたランダム・アクセス・メッセージの中の所定のシンボル系列(ときとして、RACHプリアンブルと呼ばれる)がないか探さなければならない。この探索プロセスを実行可能にするのに、ランダム・アクセス・メッセージのフォーマットが、標準化されなければならない。例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunication Services)LTE(Long Term Evolution)システムにおける従来のランダム・アクセス・メッセージは、1.08MHz帯域幅において1ミリ秒のTTI(伝送時間間隔)中にサブフレームの中で伝送される。ランダム・アクセス・メッセージ・サブフレームは、0.8ミリ秒のプリアンブルと、このプリアンブルの中のシンボル系列の一部分のコピーを含む102.6マイクロ秒のサイクリック・プレフィックスとに分割される。伝送時間間隔における残りの97.4マイクロ秒は、異なるランダム・アクセス・メッセージ間、または共有されるデータ・チャネル間のシンボル間干渉を減らす、または防止するガードタイムとして確保される。
【0004】
基地局のカバレッジ・エリアは、サイクリック・プレフィックスおよびガードタイムの持続時間と関係する。例えば、約0.1ミリ秒という従来のガードタイムは、約15キロメートルを伝わる信号の往復遅延に相当する。このため、ガードタイムのために約0.1ミリ秒を含むランダム・アクセス・チャネル・メッセージ・フォーマットは、約15キロメートルまでの半径を有するカバレッジ・エリアまたはセル・サイズに関するシンボル間干渉を減らす、または防止するのに適当である。同様に、サイクリック・プレフィックスの持続時間は、カバレッジ・エリアのサイズ、および伝搬チャネル遅延拡散と関係する。例えば、約0.1ミリ秒のサイクリック・プレフィックスは、約15キロメートルまでの半径を有するカバレッジ・エリアに適している。15キロメートルという距離範囲は、従来の無線通信システムに関して十分である可能性があるものの、UMST LTEなどの、提案される無線通信システムの基地局距離範囲は、少なくとも100キロメートルに拡大するものと見込まれる。基地局によってサポートされるランダム・アクセス・チャネルの距離範囲を拡大する提案は、伝送時間間隔を2ミリ秒に増加させることを含む。
【0005】
図1は、ランダム・アクセス・メッセージ100の提案される変形を示す。この提案において、拡大された伝送時間間隔は、0.8ミリ秒のRACHプリアンブル105を含む。CP(サイクリック・プレフィックス)110の長さは、所望されるカバレッジ・エリアに比例して増加する。例えば、0.1ミリ秒のサイクリック・プレフィックス長が追加されるごとに、15キロメートルのカバレッジが追加されることになる。また、ガードタイム115も、サイクリック・プレフィックス長と同一の割合で増加する。このため、0.8ミリ秒のRACHプリアンブルで、ガードタイムとサイクリック・プレフィックスに利用可能な時間は、2ミリ秒−0.8ミリ秒=1.2ミリ秒である。このRACH距離範囲拡大提案は、RACHプリアンブル検出の受信側の複雑さを低減しようと試みる。しかし、この距離範囲は、その場合、より長いサイクリック・プレフィックスを伝送するのに要求されるオーバヘッドの増加という犠牲を払って、拡大される。
【0006】
図2は、1つの従来のRACH受信機200を概念的に示す。受信機200は、ランダム・アクセス・チャネルの2ミリ秒の伝送時間間隔内に受信される信号を監視する。移動ユニットが、受信機200に非常に近い場合、サブフレームは、サブフレーム205によって示されるとおり、伝送時間間隔の始まりのすぐ近くで始まることが可能である。しかし、移動ユニットが、基地局のカバレッジ・エリアの縁端近くにある場合、サブフレームは、サブフレーム210によって示されるとおり、伝送時間間隔において非常に遅くに始まることが可能である。従来のプリアンブル検出スキームが、この距離範囲拡大シナリオにおいて、開始基準時間を拡大されたサイクリック・プレフィックスの終わりに移すことによって、例えば、図2に示されるとおり、90キロメートルのカバレッジ・エリアに関して0.6ミリ秒だけ高速フーリエ変換データ収集窓を移すことによって、使用されることが可能である。次に、蓄積されたデータが、約0.6ミリ秒の遅延にわたってピークを探すように処理されることが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Ericsson, E-UTRA Scalability of Random Access Preamble with cyclic prefix, 3GPP TSG-RAN WG1 LTE Ad-Hoc R1-061870, 2006年6月27日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述した問題の1つまたは複数の問題の影響に対処することに向けられる。以下に、本発明のいくつかの態様の基本的な理解をもたらすために、本発明の簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の網羅的な概説ではない。この概要は、本発明の重要な要素、もしくは不可欠な要素を特定することも、本発明の範囲を線引きすることも意図していない。この概要の唯一の目的は、後段で説明されるより詳細な説明の前置きとして、いくつかの概念を簡略化された形態で提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態においては、セルにおけるユーザ機器において、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、プリアンブルのいくつかの繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するステップであって、サイクリック・プレフィックスは、プリアンブルのいくつかの繰り返しに依存しない所定の持続時間を有し、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成するセルにおけるユーザ機器のいずれもがプリアンブルのいくつかの繰り返しを用いる、ステップと、ユーザ機器から、無線インタフェースを介してランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するステップを具備する方法を提供する。
【0010】
本発明は、同様の符号が同様の要素を識別する、添付の図面と併せて解釈される、以下の説明を参照して理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ランダム・アクセス・メッセージの提案される変形を示す図である。
図2】1つの従来のRACH受信機を概念的に示す図である。
図3】本発明による無線通信システムの1つの例示的な実施形態を概念的に示す図である。
図4A】本発明による、距離範囲および/または伝送周波数帯域に応じて基地局によって選択されることが可能である、例示的なランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットを概念的に示す図である。
図4B】本発明によるランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するための送信機の1つの例示的な実施形態を概念的に示す図である。
図4C】本発明による、1つの例示的なランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットのためのサイクリック・プレフィックスの生成を概念的に示す図である。
図5】本発明による受信機の1つの例示的な実施形態を概念的に示す図である。
図6図6A及び6Bは、本発明による、2つのランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットに関するランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスを概念的に示す図である。
図7】本発明による、図4に示されるランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットのためのAWGNチャネルに関する理論上の検出性能を示す図である。
図8】本発明による、基地局アンテナ高30m、90m、および90mに関してノードBとユーザ機器の間の距離に応じて、要求されるE/Nを示す図である。
図9】本発明による、基地局アンテナ高30m、90m、および90mに関してノードBとユーザ機器の間の距離に応じて、要求されるE/Nを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、様々な変形形態および代替形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態が、例として、図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、特定の実施形態の本明細書の説明は、開示される特定の形態に本発明を限定することは意図しておらず、それどころか、意図されるのは、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内に入るすべての変形形態、均等形態、および代替形態を範囲に含むことであることを理解されたい。
【0013】
本発明の例示的な実施形態が、以下に説明される。簡明のため、実際の実施形態のすべての特徴は、本明細書で説明されない。いずれのそのような実際の実施形態の開発においても、実施形態ごとに異なる、システム関連の制約およびビジネス関連の制約の遵守などの、開発者の特定の目標を達するように、多数の実施形態特有の決定が行われるべきことが、当然、認識されよう。さらに、そのような開発の取り組みは、複雑で、時間がかかる可能性があるが、それでも、本開示を利用する当業者には、日常的な作業であることが認識されよう。
【0014】
本発明のいくつかの部分、および対応する詳細な説明は、ソフトウェア、あるいはコンピュータ・メモリ内のデータ・ビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号表現の点で提示される。これらの説明および表現は、当業者が、自らの作業の内容を他の当業者に効果的に伝える説明および表現である。本明細書で使用され、さらに一般的に使用されるアルゴリズムという用語は、所望される結果につながる自己矛盾のない一連のステップであると考えられる。これらのステップは、物理的量の物理的操作を要求するステップである。通常、ただし、必然的にではなく、これらの量は、格納され、転送され、組み合わされ、比較され、さらにそれ以外で操作されることが可能な光信号、電気信号、または磁気信号の形態をとる。ときとして、主に一般的な用法の理由で、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、項、数などと呼ぶことが好都合であることが分かっている。
【0015】
しかし、これら、および類似する用語のすべては、適切な物理的量に関連付けられるべきであり、これらの量に付けられた便利なラベルに過ぎないことに留意されたい。特に明記しない限り、または説明から明白なとおり、「処理すること」または「算出すること」または「計算すること」または「決定すること」または「表示すること」などの用語は、コンピュータ・システムのレジスタおよびメモリの内部の物理的、電子的な量として表されるデータを操作し、コンピュータ・システム・メモリもしくはコンピュータ・システム・レジスタ、あるいは他のそのような情報記憶デバイス、情報伝送デバイス、または情報表示デバイスの内部の物理的量として同様に表される他のデータに変換する、コンピュータ・システム、または類似した電子コンピューティング・デバイスの動作およびプロセスを指す。
【0016】
また、本発明のソフトウェアによって実施される態様は、通常、何らかの形態のプログラム記憶媒体上に符号化される、または何らかのタイプの伝送媒体を介して実施されることに留意されたい。このプログラム記憶媒体は、磁気型(例えば、フロッピー(登録商標)・ディスクまたはハードドライブ)または光学型(例えば、コンパクト・ディスク読み取り専用メモリ、つまり、「CD ROM」)であることが可能であり、さらに読み取り専用型であっても、ランダム・アクセス型であってもよい。同様に、伝送媒体は、より対線、同軸ケーブル、光ファイバ、または当技術分野で知られている他の何らかの適切な伝送媒体であることが可能である。本発明は、いずれの所与の実施形態の、これらの態様によっても限定されない。
【0017】
次に、本発明を、添付の図面を参照して説明する。様々な構造、システム、およびデバイスが、説明のみを目的とし、当業者によく知られた詳細で本発明を不明瞭にしないように図面に概略で示されている。それでも、添付の図面は、本発明の例示的な実施例を示し、説明するように含められている。本明細書で使用される語および句は、当業者による、それらの語および句の理解と合致する意味を有するように理解され、解釈されなければならない。用語または句の特殊な定義、例えば、当業者によって理解される通常の慣習的な意味とは異なる定義が、本明細書の用語または句の一貫した使用によって暗示されることは全く意図されていない。或る用語、または或る句が、特殊な意味、例えば、当業者によって理解される以外の意味を有するものとされる限りにおいて、そのような特殊な定義は、その用語、またはその句に関する、その特殊な定義を直接に、明確に与える定義の仕方で本明細書において明示される。
【0018】
図3は、無線通信システム300の1つの例示的な実施形態を概念的に示す。例示される実施形態において、無線通信システム300は、1つまたは複数の移動ユニット310に無線接続を提供するための基地局305(1〜3)を含む。インデックス(1〜3)は、基地局305をひとまとめに参照する場合、省かれることが可能である。基地局305は、OFDM(直交周波数分割多重化)を含め、様々な標準および/またはプロトコルに従って無線接続を提供することができる。しかし、無線通信システム300の代替の実施形態は、異なる標準および/またはプロトコルに従って動作する基地局305を含んでもよいことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。さらに、移動ユニット310に無線接続を提供するための技術は、当技術分野で知られており、簡明のため、本発明と関係のある無線接続を提供する態様だけが、本明細書で説明される。
【0019】
基地局305は、様々な距離範囲にわたって、さらに/または様々な周波数帯域を使用して、無線接続を提供するように構成されることが可能である。例示される実施形態では、基地局305(1)は、1つまたは複数の選択された周波数帯域で、例えば、450MHzまたは900MHzのキャリア周波数で約45キロメートルの距離範囲にわたって無線接続を提供するように構成される。基地局305(2)は、基地局305(1)と同一の周波数帯域を使用して、約75キロメートルの距離範囲にわたって無線接続を提供するように構成される。基地局305(3)は、異なる周波数帯域セットにおいて、例えば、2.1GHzまたは2.6GHzのキャリア周波数で、約45キロメートルの距離範囲にわたって無線接続を提供するように構成される。前述した基地局305の構成は、例示的であるものとされ、本発明を限定することは意図していないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。
【0020】
移動ユニット310は、1つまたは複数のRACH(ランダム・アクセス・チャネル)上でメッセージを伝送することによって、基地局305との通信を開始することができる。移動ユニット310によって伝送されるランダム・アクセス・チャネルのフォーマットは、基地局305の1つまたは複数に関連する半径または距離範囲に基づいて、選択されることが可能である。例示される実施形態では、移動ユニット310は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのデフォルトのフォーマットを最初に選択する。例えば、移動ユニット310は、1.08MHz帯域幅において1ミリ秒のTTI(伝送時間間隔)中にサブフレームの中で、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを生成して、伝送するように構成されることが可能である。このランダム・アクセス・メッセージ・サブフレームは、0.8ミリ秒のプリアンブルと、このプリアンブルの中のシンボル系列の一部分のコピーを含む102.6マイクロ秒のサイクリック・プレフィックスとに分割される。伝送時間間隔における残りの97.4マイクロ秒は、異なるランダム・アクセス・メッセージ間のシンボル間干渉を減らす、または防止するガードタイムとして確保される。この特定のフォーマットは、1つまたは複数の選択された周波数帯域で、例えば、450MHzまたは900MHzのキャリア周波数で、約15キロメートルの距離範囲にわたって無線接続を提供するように構成された基地局(図示せず)との通信に適している可能性がある。
【0021】
移動ユニット310が、基地局305(1)の距離範囲内で移動する場合、ユニット310は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストに関する変形されたフォーマットを示すブロードキャスト・メッセージを、基地局305(1)から受信することが可能である。例示される実施形態では、基地局305(1)の距離範囲は、約45キロメートルの拡大された距離範囲である。したがって、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットは、プリアンブルが1回、繰り返されるように、すなわち、プリアンブルが、ランダム・アクセス・チャネル・バーストの中で2回、伝送されるように、変形されることが可能である。一実施形態では、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットは、ランダム・アクセス・チャネル・バーストが複数のサブフレームを占めるように変形されることも可能である。移動ユニット310が、基地局305(2)の距離範囲内で移動する場合、ユニット310は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストに関する変形されたフォーマットを示すブロードキャスト・メッセージを、基地局305(2)から受信することが可能である。例示される実施形態では、基地局305(2)の範囲は、約75キロメートルの拡大された距離範囲である。したがって、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットは、プリアンブルが2回、繰り返されるように変形されることが可能である。ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットは、ランダム・アクセス・チャネル・バーストが3つのサブフレームを占めるように変形されることも可能である。
【0022】
移動ユニット310によって伝送されるランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットは、基地局305によって使用される周波数に基づいて、変形されることも可能である。例示される実施形態では、移動ユニット310は、基地局305(1)によってサービス提供される区域から基地局305(3)によってサービス提供される区域に移動することが可能である。基地局305(1、3)は、ほぼ同一の距離範囲を有するものの、基地局305(3)は、基地局305(1)と比べて、より高いキャリア周波数範囲で伝送する。より低いキャリア周波数(450MHzまたは900MHzなどの)に関する伝搬条件は、より高いキャリア周波数(2.1GHzまたは2.6GHzなどの)に関する伝搬条件と比べて、相当に良好である可能性がある。したがって、基地局305(3)は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットが、プリアンブルが2回以上、繰り返されるように変形されてもよいことを示すブロードキャスト・メッセージを伝送することが可能である。このブロードキャスト・メッセージは、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのフォーマットが、ランダム・アクセス・チャネル・バーストが3つ以上のサブフレームを占めるように変形されてもよいことを示すことも可能である。
【0023】
また、サイクリック・プレフィックスおよび/またはガードタイム間隔の持続時間が、変形されることも可能である。一実施形態では、サイクリック・プレフィックスの持続時間は、基地局305によって使用される様々なフォーマットに関して同一のままであることが可能であり、さらにガードタイム間隔は、サイクリック・プレフィックスまたはプリアンブルによって使用されていないサブフレーム(または複数のサブフレーム)の部分を占めることが可能である。代替の実施形態では、サイクリック・プレフィックスとガード期間の間で他の分割が、構想されることが可能である。すなわち、一事例では、プリアンブルに割り当てられていないサブフレームの1.2ミリ秒の部分が、図2に示されるとおり、RACHカバレッジが90キロメートルに拡大されるように、サイクリック・プレフィックスとガードタイムに均等に割り当てられることが可能である。代替として、プリアンブルに割り当てられていないサブフレームの1.2ミリ秒の部分は、サイクリック・プレフィックス長とガードタイムの間で不均等に配分されることも可能である。サイクリック・プレフィックスとガードタイムへの割り当てられる時間の、この不均等な配分は、サイクリック・プレフィックス長が、0.667ミリ秒以上である場合、カバレッジを100キロメートルに拡大することが可能である。しかし、プリアンブルが、セル縁端近くの移動ユニットによって伝送される事例において、サイクリック・プレフィックス割り当てとガードタイム割り当てが不均等である場合、シンボル間干渉が生じる可能性がある。さらに、拡大されたセルの縁端近くの移動ユニット、例えば、基地局から90キロメートルまたは100キロメートルも離れている移動ユニットから受信される信号強度は、非常に低い可能性があり、このことは、ランダム・アクセス・チャネル・メッセージのプリアンブルを検出する尤度を低くする可能性がある。
【0024】
図4Aは、距離範囲および/または伝送周波数帯域に応じて基地局によって選択されることが可能である、例示的なランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットを概念的に示す。フォーマット400は、CP(サイクリック・プレフィックス)と、Zadoff−Chu系列を使用して形成されたプリアンブルと、GT(ガードタイム)間隔とを含む。フォーマット400は、単一の1ミリ秒サブフレームの中で伝送される。一実施形態では、フォーマット400は、約15キロメートルの距離範囲を有する基地局に向けられたランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するのに使用されることが可能である。フォーマット405は、CP(サイクリック・プレフィックス)と、Zadoff−Chu系列を使用して形成されたプリアンブルと、このプリアンブルの1回の繰り返しと、GT(ガードタイム)間隔とを含む。フォーマット405は、2つのサブフレームの中で伝送される。フォーマット405におけるガードタイム間隔は、フォーマット400において使用されるガードタイム間隔より長いが、サイクリック・プレフィックスは、同一の長さを有する。一実施形態では、フォーマット405は、約45キロメートルの距離範囲を有する基地局に向けられたランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するのに使用されることが可能である。
【0025】
3つのサブフレームが、フォーマット410、415でランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するのに使用される。フォーマット410は、CP(サイクリック・プレフィックス)と、Zadoff−Chu系列を使用して形成されたプリアンブルと、このプリアンブルの2回の繰り返しと、GT(ガードタイム)間隔とを含む。フォーマット410におけるガードタイム間隔は、フォーマット405で使用されるガードタイム間隔より長いが、サイクリック・プレフィックスは、同一の長さを有する。一実施形態では、フォーマット410は、約75キロメートルの距離範囲を有する基地局に向けられたランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するのに使用されることが可能である。フォーマット415は、CP(サイクリック・プレフィックス)と、Zadoff−Chu系列を使用して形成されたプリアンブルと、このプリアンブルの1回の繰り返しと、GT(ガードタイム)間隔とを含む。フォーマット415におけるガードタイム間隔は、フォーマット410で使用されるガードタイム間隔より長いが、サイクリック・プレフィックスは、同一の長さを有する。少なくとも一つには、比較的長いガードタイム間隔のために、フォーマット415は、約200キロメートルの距離範囲を有する基地局に向けられたランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するのに使用されることが可能である。テーブル1は、ランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマット400、405、410、415を定義するのに使用されるパラメータの例示的な値をリストアップする。
【0026】
【表1】
【0027】
図4Bは、ランダム・アクセス・チャネル・バーストを伝送するための送信機420の1つの例示的な実施形態を概念的に示す。例示される実施形態では、長さPの基本CAZAC(Constant Amplitude Zero Auto Correlation)系列425が、生成される。長さPのZadoff−Chu系列c(n)が、以下のとおり、生成される。
【0028】
【数1】
pに関して様々な値を選択することにより、様々なルートZadoff−Chu系列425が、生成されることが可能である。系列425の数は、素数Pに関して(P−1)である。直交Zadoff−Chu系列425が、ルートZadoff−Chu系列の各系列の巡回シフト操作によって生成されることが可能である。系列425は、S/Pコンバータ430によって直列ストリームから並列ストリームに変換され、さらにフーリエ変換要素435を使用して、長さNDFTのDFT(離散フーリエ変換)によって周波数領域に変換されることが可能である。この周波数領域信号が、マッパ440を使用して、信号周波数帯域全体の範囲内のRACHリソースにマップされる。例えば、1.08MHz帯域幅が、1.25MHzシステム帯域幅のなかからRACH伝送のために使用されることが可能である。使用されないサブキャリアは、0に設定される。この周波数領域信号は、逆変換器445を使用して、サイズNFFTのIFFT(逆高速フーリエ変換)によって時間領域に再び変換される。IFFTの出力は、P/Sコンバータ450によって並直列変換される。この信号が、ブロック繰り返し要素455における構成された繰り返しファクタRPFによってブロックごとに繰り返されて、長さ(NFFT×RPF)の繰り返される系列が生成される。次に、CPサンプルおよびGTが、加算器460によって加えられて、1つまたは複数のアクセス・スロットの中で伝送されることが可能な出力信号465が形成される。
【0029】
図4Cは、1つの例示的なランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットに関するCP(サイクリック・プレフィックス)の生成を概念的に示す。例示される実施形態では、例示的なランダム・アクセス・チャネル・バースト470は、長さNFFTのプリアンブル475の2つのコピーを含む。サイクリック・プレフィックスは、NCPという長さ有し、GT(ガードタイム間隔)は、NGTという長さを有する。この場合、サイクリック・プレフィックスは、プリアンブル475の1つのコピーの終わりからNCP個のシンボルを選択し、次に、これらのシンボルを使用してサイクリック・プレフィックスを形成することによって、形成されることが可能である。
【0030】
図5は、受信機500の1つの例示的な実施形態を概念的に示す。例示される実施形態では、受信機500は、基地局(図示せず)の一部分である。しかし、本発明は、基地局において実施される受信機500には限定されないことが、本開示を利用する当業者には認識されよう。代替の実施形態では、受信機500は、無線インタフェースを介して1つまたは複数の移動ユニットに無線接続を提供するのに使用される任意のデバイスにおいて実施されることが可能である。例示的なデバイスには、アクセス・ポイント、アクセス・サービング・ネットワーク、アクセス・ネットワーク、および基地局ルータが含まれるが、以上には限定されない。受信機500は、蓄積された信号エネルギーを処理し、さらに/または解析して、移動ユニットによってもたらされたメッセージを検出するのに使用される複数の処理スレッドを実行することができる。受信機500における、これらの処理スレッドは、受信された信号エネルギーのいくつかの部分を解析するように独立に、さらに/または同時に機能することが可能であり、すなわち、これらの処理スレッドは、並行に動作することが可能である。これらの処理スレッドは、複数のスレッドをサポートする、中央処理装置などの単一の物理的プロセッサにおいて、または複数の物理的プロセッサにおいて実行されることが可能であることが、本開示を利用する当業者には認識されよう。
【0031】
例示される実施形態では、受信機500が、移動ユニットによって伝送されたランダム・アクセス・チャネル・バーストを含む信号を受信する。受信機500は、この受信された信号からサイクリック・プレフィックスを取り除くことができるプリプロセッサ505を含む。また、プリプロセッサ505は、処理されたプリアンブルを周波数領域相関器において互いに関係付けることに先立って、RACHバーストから選択された長さの信号の一部分(またはいくつかの部分)を選択し、取り込むこともできる。この部分の長さは、プリアンブルに対応する信号の部分の高速フーリエ変換のサンプル数NFFTに対応するように選択されることが可能である。例えば、FFTサイズは、プリアンブル長に、目標探索窓サイズに関する往復遅延を足したものに相当することが可能である。次に、この前処理された信号が、周波数領域において複数の基準信号513を使用してプリアンブルを処理するように構成された周波数領域相関器510に伝送されることが可能である。これらの基準信号513は、RACHバーストのプリアンブルの中で見られることが可能である様々なRACH系列に対応することが可能である。周波数領域相関器510は、複数の基準信号513のそれぞれに関する周波数領域相関出力のセットをもたらすことが可能である。
【0032】
図5に示される周波数領域相関器510の実施形態は、往復遅延の推定に基づいて選択された探索窓サイズで動作する逐次サーチャを含む。一実施形態では、14.61キロメートルの増分の逐次探索が、使用される。第1回の走査において、探索は、0キロメートルから14.61キロメートルまでの距離に対応するRTD(往復遅延)に関して行われる。第2回の走査において、探索は、14.61〜29.22キロメートルに関して行われる。この逐次探索は、GTに対応するRTDまで行われる。周波数領域相関器510は、前処理されたプリアンブルを時間領域から周波数領域に変換し、周波数領域信号の並列ストリームを含むFFT出力をもたらすためのFFT(高速フーリエ変換器)515も含む。このFFT出力が、RACHに対応する、このFFT出力からの周波数領域信号の1つまたは複数の並列ストリームを選択し、RACHセレクタ出力をもたらすために、RACHセレクタ520に送られることが可能である。次に、この信号は、このRACHセレクタ出力に、基準信号の1つまたは複数を掛けて、それらの様々な基準信号に対応する乗算信号の並列ストリームを含む乗算器出力をもたらすために、乗算器525に伝送される。次に、IDFT(逆フーリエ変換器)530を使用して、乗算器出力が周波数領域から符号領域に変換され、基準信号に関する周波数領域相関出力がもたらされることが可能である。
【0033】
エネルギー検出器535を使用して、これらの周波数領域相関出力に関連するエネルギーをエネルギー閾値と比較することによって、RACHバースト系列が検出されることが可能である。例えば、これらの周波数領域相関出力は、RACHバーストの中の1つまたは複数のプリアンブルに対応することが可能な信号の一部分に関連するエネルギーに相当することが可能である。したがって、エネルギー検出器535は、これらの周波数領域相関出力のそれぞれに関連するエネルギーを加算する、または合計することが可能である。これらの出力が、プリアンブルに対応する場合、これらの出力におけるエネルギーの合計は、選択された閾値を超えるはずである。例示される実施形態では、エネルギー検出器535は、これらの周波数領域相関出力を、選択された探索窓サイズに制限して、制限された出力をもたらすための探索窓制限器540を含む。例えば、探索窓サイズは、セル半径、または或る範囲のセル半径に対応するように選択されることが可能である。エネルギー検出器535は、制限された出力のエネルギーを算出するためのエネルギー・モジュール545、およびRACHバーストの中のプリアンブルの繰り返しに対応することが可能な、様々な出力に関連するエネルギーを合計するためのエネルギー結合器550を含むことも可能である。エネルギー検出器535は、このエネルギー値をエネルギー閾値と比較するための閾値モジュール555を含むことも可能である。
【0034】
図6Aおよび図6Bは、2つのランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットに関するランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスを概念的に示す。図6Aは、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルとを含むランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットに関するランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスを示す。例示されるランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスでは、受信機が、0キロメートルから約15キロメートルまでのセル半径の範囲に対応する探索窓にわたって、受信された信号が探索される第1回の走査を行う。第1回の走査の探索窓は、サイクリック・プレフィックスの持続時間に相当する時間だけ遅延させられ、この事例では、Zadoff−Chu系列であるプリアンブルの持続時間に相当する時間にわたって延長される。次に、受信機は、約15キロメートルから約30キロメートルまでのセル半径の範囲に対応する探索窓にわたって、受信された信号が探索される第2回の走査を行うことが可能である。第2回の走査に関する探索窓は、サイクリック・プレフィックスの持続時間の2倍に相当する時間だけ遅延させられ、プリアンブルの持続時間に相当する時間にわたって延長される。第3回の走査は、約30キロメートルから約45キロメートルまでのセル半径の範囲に対応する探索窓にわたって探索する。第3回の走査に関する探索窓は、サイクリック・プレフィックスの持続時間の3倍に相当する時間だけ遅延させられ、プリアンブルの持続時間に相当する時間にわたって延長される。3回の走査が、図6Aに示されているものの、本発明は、この回数の走査に限定されず、代替の実施形態では、任意の回数の走査が実行されることが可能であることが、本開示を利用する当業者には認識されよう。
【0035】
図6Bは、サイクリック・プレフィックスと、プリアンブルと、このプリアンブルの1回の繰り返しとを含むランダム・アクセス・チャネル・バースト・フォーマットに関するランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスを示す。例示されるランダム・アクセス・チャネル・バースト検出シーケンスでは、受信機が、0キロメートルから約15キロメートルまでのセル半径の範囲に対応する2つのほぼ隣接する、もしくは近接した探索窓にわたって、受信された信号が探索される第1回の走査を行う。第1回の走査に関する第1の探索窓は、サイクリック・プレフィックスの持続時間に相当する時間だけ遅延させられ、第1回の走査に関する第2の探索窓は、サイクリック・プレフィックスの持続時間に、第1の探索窓の持続時間を足した時間だけ遅延させられる。受信機は、第1の探索時間窓および第2の探索時間窓の間にエネルギーを蓄積する。プリアンブルの中の系列と、プリアンブルの繰り返しの中の系列は同一であるので、第1の探索窓および第2の探索窓の間に蓄積されたエネルギーは、強め合うように加算される。次に、受信機は、第1の探索窓の間に検出されたエネルギーと、第2の探索窓の間に検出されたエネルギーとを結合して、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのプリアンブルが検出されているか否かを判定することができる。
【0036】
受信機は、15キロメートルから約30キロメートルまでに及ぶセル半径に対応するほぼ隣接する、もしくは近接した2つの探索窓、および約30キロメートルから約45キロメートルまでに及ぶセル半径に対応するほぼ隣接する、もしくは近接した2つの探索窓にわたって、受信された信号が探索される第2回の走査、および第3回の走査を行うこともできる。各回の走査に関する第1の探索窓は、それぞれ、サイクリック・プレフィックスの持続時間の2倍、および3倍に相当する時間だけ遅延させられる。各回の走査に関する第2の探索窓は、それぞれ、サイクリック・プレフィックスの持続時間の2倍、および3倍に相当する時間に、第1の探索窓の持続時間を足した時間だけ遅延させられる。受信機は、各回の走査に関して第1の探索窓、および第2の探索窓の間のエネルギーを蓄積し、第1の探索窓の間に検出されたエネルギーと、第2の探索窓の間に検出されたエネルギーとを結合する。いずれかの回の走査の第1の探索窓、および第2の探索窓における蓄積されたエネルギーが、閾値を超えた場合、受信機は、ランダム・アクセス・チャネル・バーストのプリアンブルが検出されていると判定する。
【0037】
前述した4つのプリアンブル・フォーマットに関する検出性能が、解析されている。AWGNチャネルに関する理論上の検出性能が、図7に示される。シグネチャの数は、64であり、探索窓サイズは、セルに関する最大RTD(往復遅延)に対応する。誤り検出確率は、すべてのシグネチャに関してPFA=0.1%であるものと想定され、遅延仮説全体が、採用される。図7に示されるとおり、不検出確率P=0.1%で、検出性能は、RPFを1から2に増加することによって、2.3dBだけ向上し、RPFを3にさらに増加することによって、1.3dBだけ向上する。テーブル2は、静的チャネルおよびTUチャネルに関して、すべてのRACHフォーマットに関する要求されるE/N0の要約を示す。TUチャネルに関して、5.5dBのマージンが加えられて、要求されるE/N0が得られることが可能である。
【0038】
【表2】
【0039】
リンク・バジェット解析が、拡張されたCOST−231 Okumura−Hata都市近郊パスロス・モデルを使用して実行されることが可能である。Okumura−Hataモデルにおいて、パスロスは、以下のとおり、モデル化される。
PL=46.3+33.9logf−13.82logh−a(h
+(44.9−6.55logh)logd+C
ただし、
a(h)=(1.1logf−0.7)h−(1.56logf−0.8)
MHz単位のキャリア周波数
メートル単位のノードBアンテナ高
メートル単位のUEアンテナ高
d キロメートル単位のノードBとUEの間の距離
C 定数ファクタ 中規模の都市、および都市近郊区域に関してC=0dBであり、大都市圏に関してC=3dBである。
リンク・バジェット解析において使用されるシステム・パラメータが、テーブルBに示される。
【0040】
【表3】
【0041】
このパスロス・モデルを使用して、アンテナ・コネクタにおけるE/Nが、以下のとおり、獲得される。
/N=PL−Pnoise−IoT+Pmax−Pother+GNB+GUE
ただし、PLは、伝播ロスを表し、Pnoiseは、等価の雑音電力を表し、IoTは、干渉と熱雑音の比(interference over thermal)であり、Pmaxは、UE最大送信電力であり、Potherは、その他のロスであり、さらにGNBおよびGUEは、ノードBアンテナ利得およびUEアンテナ利得を表す。−174dBm/Hzの熱雑音PSD、および5dBのアップリンク雑音指数に関して、合計実効雑音PSDは、−169dBm/Hzである。1.08MHzのRACH帯域幅に関する雑音電力は、−108.7dBmとして得られる。IoT、および他のロスの値は、無視できるほど小さいものと想定される。図8および図9は、基地局アンテナ高30メートル、90メートル、および90メートルに関して、E/N対ノードBとUEの間の距離を示す。図8は、キャリア周波数2.1GHzに関する。2.1GHzのキャリア周波数の場合、90メートルのアンテナ高に関して、RACHフォーマット1で12キロメートルまでの半径を範囲に含み、RACHフォーマット2で14キロメートルまでの半径を範囲に含むことが可能である。PFA要件を緩和することにより、または良好なチャネル条件において、カバレッジは、さらに拡大されることが可能である。キャリア周波数900MHzに関するE/Nが、図9に示される。フォーマット1に関するカバレッジ、およびフォーマット2に関するカバレッジは、それぞれ、30キロメートル、および38キロメートルである。これらの所見に基づき、広いセル運用のためにプリアンブル長を拡張することは、必ずしも必要ではない。
【0042】
本明細書で説明される柔軟なRACH構造は、距離範囲拡大のために使用されることが可能である。この提案される構造は、固定長のCP、ならびに構成可能な数のサブフレーム、およびプリアンブル繰り返しファクタを使用する。提案される構造は、拡張されたRACHに関するCPオーバヘッドを小さくし、より大きい探索窓サイズを可能にする。サブフレームの数、および繰り返しファクタを構成することにより、多種多様な展開シナリオに関するRACH構造を選択することができる。また、セル・ベースのRACH構造構成を使用して、同一のセル内の移動ユニットが、同一のRACH構造で構成されることが可能であるように、構成が単純化されることも可能である。本明細書で説明される柔軟なRACH構造は、最小のCP(サイクリック・プレフィックス)オーバヘッドでRACH構造の伝送を許すことができる。このことは、最大セル・サイズを大幅に増加させる。例えば、2サブフレームRACH構造に関する可能なセル・サイズは、同一の検出性能を有しながら、30キロメートルではなく、45キロメートルに拡大される。このスキームは、事業者が、無線条件および展開シナリオに応じて、RACH構造を最適に構成することを許す。いくつかの展開シナリオでは、中継器が、広いセル運用のために使用されることが可能である。また、リモート無線ヘッドを使用する展開シナリオも存在する。これらのシナリオでは、RACH構造は、大きいRTDを扱うように、より長いGTを要求するが、プリアンブル延長は要求しない。そのような事例では、プリアンブル繰り返しなしの、より長いRACH構造が、使用されることが可能である。
【0043】
以上に開示される特定の実施形態は、本発明が、本明細書の教示を利用する当業者には明白な、異なるが、均等の仕方で変形され、実施されることが可能であるので、単に例示的である。さらに、本明細書に示される構成または設計の詳細に対する限定は、添付の特許請求の範囲に記載される以外、全く意図されていない。したがって、以上に開示される特定の実施形態は、変更または変形されてもよく、すべてのそのような変種が、本発明の範囲に含まれると考えられることは、明白である。したがって、本明細書で求められる保護は、添付の特許請求の範囲に記載される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9