(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
[パチスロの機能フロー]
本発明の実施形態に係る遊技機について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、
図1を参照して、本実施形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るパチスロ1の機能フローを示す図である。
【0015】
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
【0016】
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
【0017】
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
【0018】
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
【0019】
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
【0020】
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
【0021】
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R及び上部装飾ユニット200L,200Rにより行う発光、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
【0022】
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
【0023】
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述の液晶表示装置5、後述のスピーカ9L,9R、後述の装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R及び上部装飾ユニット200L,200R)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
【0024】
[パチスロの全体構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、
図2を参照して、本実施形態に係るパチスロ1について説明する。
図2は、パチスロ1の正面図である。
【0025】
パチスロ1は、リール3L,3C,3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1a(
図3参照)と、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。各リール3L,3C,3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
【0026】
<ヒンジ>
図3は、パチスロ1のフロントドア2とキャビネット1aとの接続状態を説明する図である。
図3に示すように、フロントドア2は、キャビネット1aの左側の側壁と、ヒンジ300により開閉可能に取り付けられている。なお、
図3中に示すキャビネット1aは、ヒンジ300が取り付けられたキャビネット1aの左側の側壁が視認可能となる位置を切断面とした断面図である。
図4は、フロントドア2をキャビネット1aに閉じた状態のヒンジ300の斜視図である。
ヒンジ300は、フロントドア2に取り付けられるドア側部品310と、キャビネット1aに取り付けられるキャビネット側部品320と、を備え、ドア側部品310とキャビネット側部品320とは回動自在に連結されている。
【0027】
図5は、
図4中のFF’線におけるヒンジ300の断面図である。
ドア側部品310は、ドア側部品本体311と、ドア側部品本体311に固定されたドア側係合部材312と、を備える。
キャビネット側部品320は、キャビネット側部品本体321と、キャビネット側部品本体321に固定されたキャビネット側係合部材322と、を備える。
【0028】
ドア側係合部材312には、フロントドア2をキャビネット1aに閉じた状態(
図5中の円弧矢印C側)で、キャビネット側部品320側に略L字形状に屈曲するドア側係合部材先端部312aが形成されている。
キャビネット側係合部材322には、フロントドア2をキャビネット1aに閉じた状態(
図5中の円弧矢印C側)で、ドア側部品310側に略L字形状に屈曲するキャビネット側係合部材先端部322aが形成されている。
【0029】
ドア側係合部材先端部312aとキャビネット側係合部材先端部322aとは、フロントドア2をキャビネット1aに閉じた状態(
図5中の円弧矢印C側)において、キャビネット1aの前面方向(
図5中の矢印F側)に沿って重なる。
一方、ドア側係合部材先端部312aとキャビネット側係合部材先端部322aとは、フロントドア2がキャビネット1aから開いた状態(
図5中の円弧矢印O側)においては、キャビネット1aの前面方向(
図5中の矢印F側)に沿って重なった状態が解除される。
【0030】
図2に戻って、フロントドア2は、遊技に関する情報を表示する表示部21と、表示部21の下方(
図2におけるB側)に設けられ遊技者の操作を受け付ける操作部を設ける腰部22と、腰部22の下方に設けられ遊技媒体の払い出しを受け付ける受け皿部23とを備える。
【0031】
フロントドア2の表示部21は、図柄表示領域21L,21C,21Rを含む表示画面5aを備える液晶表示装置5を備える。液晶表示装置5は、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。
【0032】
また、表示部21は、液晶表示装置5の周囲に配置され発光する装飾用パネル70、装飾部材としてのサイド装飾ユニット75L,75R及び上部装飾ユニット200L,200Rを備える。また、表示部21は、上部装飾ユニット200L,200Rに対する遊技者の動作を感知する反射型センサユニット100L,100Rを備える。
【0033】
装飾用パネル70は、液晶表示装置5の上側(
図2におけるT側)に配置されている。
サイド装飾ユニット75Lは、液晶表示装置5の左側(
図2におけるL側)に配置されている。
サイド装飾ユニット75Rは、液晶表示装置5の右側(
図2におけるR側)に配置されている。
上部装飾ユニット200Lは、液晶表示装置5の上側(
図2におけるT側)であって、装飾用パネル70の左側(
図2におけるL側)に配置されている。
上部装飾ユニット200Rは、液晶表示装置5の上側(
図2におけるT側)であって、装飾用パネル70の右側(
図2におけるR側)に配置されている。
反射型センサユニット100Lは、装飾用パネル70の上側(
図2におけるT側)であって、上部装飾ユニット200Lの右側(
図2におけるR側)に配置されている。
反射型センサユニット100Rは、装飾用パネル70の上側(
図2におけるT側)であって、上部装飾ユニット200Rの左側(
図2におけるL側)に配置されている。
装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R、上部装飾ユニット200L,200R及び反射型センサユニット100L,100Rの詳細は、後述する。
【0034】
図柄表示領域21L,21C,21Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L,3C,3Rを透過することが可能な構成を備えている。
【0035】
つまり、図柄表示領域21L,21C,21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。パチスロ1では、図柄表示領域21L,21C,21Rを含めた表示画面5aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
【0036】
図柄表示領域21L,21C,21Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、リール3L,3C,3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L,21C,21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
【0037】
フロントドア2の腰部22は、遊技者による操作の対象となる各種装置(メダル投入口10、ベットボタン11、精算ボタン12、スタートレバー6、ストップボタン7L,7C,7R)が設けられている。
【0038】
メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
【0039】
ベットボタン11は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン12は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
【0040】
スタートレバー6は、全てのリール3L,3C,3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L,7C,7Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L,3C,3Rの回転を停止するために設けられる。
【0041】
フロントドア2の受け皿部23は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するスピーカ9L,9Rと、スピーカ9L,9Rの間に設けられパチスロ1から排出されるメダルを外部に導くメダル払出口15と、メダル払出口15から排出されるメダルを受けるメダル受皿16と、を備える。
【0042】
[パチスロが備える回路の構成]
次に、
図6から
図8を参照して、本実施形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
【0043】
<主制御回路>
図6は、主に本実施形態における主制御回路71の構成を示すブロック図である。
【0044】
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
【0045】
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
【0046】
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。
【0047】
図7は、乱数発生器36の構成を示すブロック図である。
乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数値(例えば、0〜65535)を発生する。具体的には、乱数発生器36は、一定の規則に従って発生する重複しない16個の乱数列を生成する乱数列生成回路36aを備える。乱数列生成回路36aの16個の乱数列は、外部端子CK1の入力クロックにより同時に更新される。
【0048】
乱数発生器36は、外部端子CK0の入力クロックにより更新される乱数列選択カウンタにより、乱数列生成回路36aが生成した16個の乱数列から1つの2バイトの乱数値を乱数値0レジスタ及び乱数値1レジスタに格納する。乱数発生器36は、乱数値0レジスタ及び乱数値1レジスタに格納した2バイトの乱数値を、上位と下位に分けて1バイトずつ読み出し、読み出した2つの1バイトデータを所定の漸化式により合成し、2バイトデータに戻し乱数値取込レジスタに格納する。メインCPU31は、乱数値取込レジスタに格納された乱数値に基づいて、内部当籤役を決定する。
【0049】
乱数列生成回路36aの乱数列を更新する外部端子CK1の入力クロックと、乱数列選択カウンタを更新する外部端子CK0の入力クロックとは非同期であるので、1周期毎に不偏の乱数を生成することができる。
【0050】
(スイッチ等)
図6に戻って、マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
【0051】
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
【0052】
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びメダル払出装置(以降、ホッパーと称する)40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
【0053】
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
【0054】
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
【0055】
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
【0056】
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
【0057】
<副制御回路>
図8は、本実施形態における副制御回路72の構成を示すブロック図である。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
【0058】
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラム(図示せず)に従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
【0059】
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスク(図示せず)や、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク(図示せず)、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R及び上部装飾ユニット200L,200Rによる光の出力を制御する光制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
【0060】
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関する光演出データを記憶する記憶領域等が含まれている。
【0061】
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R、装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R、上部装飾ユニット200L,200R及び反射型センサユニット100L,100Rが接続されている。
【0062】
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
【0063】
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定された光演出データに従って、装飾用パネル70、サイド装飾ユニット75L,75R及び上部装飾ユニット200L,200Rの点灯又は消灯による発光態様を調整する制御を行う。
【0064】
さらに、サブCPU81は、演出内容に基づき、反射型センサユニット100L,100Rにより、上部装飾ユニット200L,200Rに対する遊技者の動作を感知する制御を行う。
【0065】
[反射型センサユニット]
次に、
図9を参照して、反射型センサユニット100Rの構成について説明する。
図9は、
図2中のAA’軸上の反射型センサユニット100R及び上部装飾ユニット200Rの断面図である。
【0066】
以下、反射型センサユニット100Rの構成について説明する。なお、反射型センサユニット100Lは、反射型センサユニット100Rと同一の構成が左右対称に配置されたものなので、説明を省略する。
反射型センサユニット100Rは、上部装飾ユニット200Rに近接して設けられ、この上部装飾ユニット200Rに対する遊技者の動作を検知する反射型センサ110と、反射型センサ110を支持しフロントドア2に固定する支持部材120と、反射型センサ110の前面に配置されたフィルタ130と、を備える。
【0067】
反射型センサ110は、特定の周波数の光を発光面111aから発光する発光部としての発光素子111と、物体により反射した発光素子111からの特定の周波数の光を受光面112aにおいて検出する受光部としての受光素子112と、を有する。
【0068】
支持部材120は、反射型センサ110の発光面111a及び受光面112aがフィルタ130に対面し、かつ、フィルタ130に対して光の入射角が45度よりも大きくなる位置で反射型センサ110を支持する。
また、支持部材120には、基端が発光面111aを囲って発光素子111に当接し、発光素子111の発光方向に沿って延びて、先端がフィルタ130に当接する筒部121が形成されている。このように、筒部121を形成したことで、発光素子111から発光された光は、全てフィルタ130を透過する。すなわち、筒部121は、発光素子111から発光された光が、フィルタ130を透過する前に反射型センサユニット100R内に拡散し、受光素子112で検出されるのを防止する。
【0069】
フィルタ130は、フロントドア2の表面に配置され、特定の周波数を含む特定周波数域の光のみを透過し、特定周波数域外の光を反射する。すなわち、フィルタ130は、発光素子111から発光された特定の周波数の光を裏面から表面に透過し、物体に反射した当該光を表面から裏面に透過し、特定周波数域外の光は透過せずに反射する。
【0070】
次に、
図10を参照して、反射型センサユニット100Rの動作について説明する。
図10は、反射型センサユニット100Rの動作を説明する図である。
【0071】
サブCPU81(
図8参照)は、演出内容に基づき、例えば、液晶表示装置5(
図2参照)において、遊技者に上部装飾ユニット200Rに触れることを促す映像を表示するとともに、反射型センサ110に発光素子111から特定の周波数の光Rを発光させる。
そして、遊技者が上部装飾ユニット200Rに手Hをかざすと、この手Hに光Rが反射して、反射光RRが受光素子112に入射する。これにより、サブCPU81は、受光素子112により反射光RRを検出し、遊技者が上部装飾ユニット200Rに触れたと判断し、例えば、次の演出の制御を行う。
【0072】
[上部装飾ユニット]
次に、
図11を参照して、上部装飾ユニット200Lの構成について説明する。
図11(a)は、上部装飾ユニット200Lの正面図である。
図11(b)は、(a)中のBB’線における上部装飾ユニット200Lの断面図である。
【0073】
以下、上部装飾ユニット200Lの構成について説明する。なお、上部装飾ユニット200Rは、上部装飾ユニット200Lと同一の構成が左右対称に配置されたものなので、説明を省略する。
上部装飾ユニット200Lは、光を発光する発光部220と、発光部220の前面側(
図11(a)中の矢印F側)に設けられた上部装飾部材210と、を備える。
【0074】
上部装飾部材210は、模様やキャラクタの絵柄が印刷されたフィルム211と、フィルム211の印刷面側に形成された樹脂層213と、樹脂層213から延設する延設部215と、を備える。
【0075】
フィルム211は、印刷面側が凹形状となる立体的な装飾形状が形成されている。また、フィルム211は、その端部に装飾形状から突出するフィルム端部212が形成されている。
【0076】
樹脂層213は、光を拡散する拡散材を含む樹脂により、フィルム211の形状に沿って所定の厚さで形成されている。また、樹脂層213は、その端部にフィルム端部212に沿って樹脂層端部214が形成されている。
【0077】
延設部215は、透過性部材により形成されている。また、延設部215は、その端部に樹脂層端部214と接合する延設部端部216が形成されている。
このように、フィルム端部212、樹脂層端部214及び延設部端部216を形成することで、フィルム211及び樹脂層213を立体的な装飾形状に形成した場合でも、これらを前面側(
図11(a)中の矢印F側)に突出させて配置させる延設部215と確実に接合できる。
【0078】
発光部220は、サブCPU81(
図8参照)と接続された基板221と、基板221の上部装飾部材210側(
図11(a)中の矢印F側)に配置された複数のLED222と、を備える。サブCPU81は、演出内容に基づき、複数のLED222の発光又は消灯を制御する。
【0079】
次に、上部装飾部材210の成形方法を説明する。
まず、
図12を参照して、フィルム211と樹脂層213とによる立体的な装飾形状を形成する方法を説明する。
図12(a)は、金型251と金型252との間に、にフィルム211のみが配置されている状態を示す図である。
図12(b)は、金型251と金型252との間に、樹脂層213が形成された状態を示す図である。
【0080】
図12(a)に示すように、金型251に形成された凹状の立体的な装飾形状に沿って、フィルム211を配置する。金型252には、金型251に形成された凹状の装飾形状に沿った形状が凸状に形成されている。この金型252を金型251から隙間213aを設けて配置する。このとき、フィルム211は、その印刷面が金型252側に向けて配置する。そして、矢印Iから隙間213aに拡散材を含む溶融した樹脂を注入する。
これにより、
図12(b)に示すように、フィルム211の印刷面を保護するように、樹脂層213がフィルム211の形状に沿って所定の厚さで形成される。
【0081】
次に、
図13を参照して、装飾形状に形成したフィルム211及び樹脂層213に接合する延設部215を形成する方法を説明する。
図13(a)は、金型253と金型254との間に、装飾形状に形成したフィルム211及び樹脂層213が配置されている状態を示す図である。
図13(b)は、金型253と金型254との間に、延設部215が形成された状態を示す図である。
【0082】
図13(a)に示すように、金型253に形成された凹状の立体的な装飾形状に沿って、装飾形状に形成したフィルム211及び樹脂層213を配置する。金型253には、凹状の立体的な装飾形状と一体的に、延設部215の外形形状が形成されている。また、金型254には、金型251に形成された凹状の装飾形状に沿った凸状の形状と一体的に、延設部215の内形形状が形成されている。この金型254を金型253から隙間215aを設けて配置する。そして、矢印Iから隙間215aに透過性部材である溶融した樹脂を注入する。
これにより、
図13(b)に示すように、装飾形状に形成したフィルム211及び樹脂層213に接合する延設部215が所定の厚さで形成される。
【0083】
[サイド装飾ユニット]
次に、
図14を参照して、サイド装飾ユニット75Lの構成について説明する。
図14は、
図2中のCC’軸上のサイド装飾ユニット75Lの断面図である。
【0084】
以下、サイド装飾ユニット75Lの構成について説明する。なお、サイド装飾ユニット75Rは、サイド装飾ユニット75Lと同一の構成が左右対称に配置されたものなので、説明を省略する。
【0085】
サイド装飾ユニット75Lは、光を発光する発光部77と、発光部77の前面側(
図14中の矢印F側)に設けられたサイド装飾部材76と、を備える。
サイド装飾部材76は、表面において段差が形成され、この段差の下面に装飾面76aを有する。また、サイド装飾部材76は、装飾面76aに塗料で塗装された塗料層76bと、この塗料層76b表面に透明の保護材で形成された保護層76cと、を有する。
【0086】
発光部77は、サブCPU81(
図8参照)と接続された基板78と、基板78のサイド装飾部材76側(
図14中の矢印F側)に配置された複数のLED79と、を備える。サブCPU81は、演出内容に基づき、複数のLED79の発光又は消灯を制御する。
【0087】
次に、
図15を参照して、サイド装飾部材76を形成する方法を説明する。
図15は、サイド装飾部材76を形成する方法を説明する図である。
【0088】
サイド装飾部材76は、塗料層76b及び保護層76cを形成する前に、段差の上面である装飾面76a以外の部分に、塗料や保護材の塗装を阻害する塗装治具500を取り付けてから、ノズルNから塗料や保護材を装飾面76aに吹き付けて、塗料層76b及び保護層76cを形成する。
【0089】
ここで、塗装治具500の形状について説明する。
図16は、
図15中丸Dで囲った部分を拡大した図である。
塗装治具500には、サイド装飾部材76の段差側の端部に、段差から突出するように延設された延設部材510が形成されている。さらに、延設部材510の先端には、サイド装飾部材76側に突出する尖端部511が形成されている。
【0090】
[装飾用パネル]
次に、
図17を参照して、装飾用パネル70の構成について説明する。
図17は、
図2中のEE’軸上の装飾用パネル70の断面図である。
【0091】
装飾用パネル70は、所定間隔を空けて重なるように配置された4枚のアクリルパネル710a,710b,710c,710dと、これらのアクリルパネル710a〜710dの上部側縁の近傍に配置された装飾用パネル発光部720と、アクリルパネル710a〜710dを支持する枠部730と、を備える。
【0092】
アクリルパネル710a〜710dは、それぞれ上辺が下辺に比べて大きい略台形形状に形成され、表面には装飾用パネル発光部720からの光に応じて、正面側から視認可能となる特殊加工により付された装飾400(
図18参照)を有する。
【0093】
装飾400について、アクリルパネル710dを例に説明する。なお、アクリルパネル710a〜710cもアクリルパネル710dと同様の装飾400が付されている。
図18は、アクリルパネル710dに付された装飾400を示す図である。
装飾400は、キャラクタの形状をした装飾の外形に沿った一定範囲に縁部410が形成され、縁部410の内側に内側部420が形成されている。内側部420は、縁部410と比して加工を抑えた低加工領域である。
【0094】
図17に戻って、装飾用パネル発光部720は、サブCPU81(
図8参照)と接続されたLED基板721と、LED基板721において、それぞれ複数のLEDが整列されたLED列722a,722b,722c,722dと、を備える。
図19は、装飾用パネル発光部720のLEDと4枚のアクリルパネル710a〜710dとの位置関係を説明する図である。
LED列722aは、アクリルパネル710aの上部側縁に沿って、複数のLEDが整列され、アクリルパネル710aの上部側縁を照射する。
LED列722bは、アクリルパネル710bの上部側縁に沿って、複数のLEDが整列され、アクリルパネル710bの上部側縁を照射する。
LED列722cは、アクリルパネル710cの上部側縁に沿って、複数のLEDが整列され、アクリルパネル710cの上部側縁を照射する。
LED列722dは、アクリルパネル710dの上部側縁に沿って、複数のLEDが整列され、アクリルパネル710dの上部側縁を照射する。
【0095】
また、装飾用パネル70には、アクリルパネル710a〜710dとLED基板721(
図17参照)との間に、LED列722a〜722dの各LEDより高さが高い突状部740が設けられている。
突状部740は、所定間隔を空けて、LED列722a〜722dを跨いで、各列のLEDの間に設けられている。
【0096】
図20は、枠部730の機能を説明する図である。
枠部730は、例えば、アクリルパネル710aの端部を囲むように形成され、アクリルパネル710aを収容する。なお、アクリルパネル710b〜710dについては、アクリルパネル710aと同様の構成であるので、説明を省略する。
図20に示すように、アクリルパネル710aの上部側縁において発光されたLED列722aの各LEDの光は、アクリルパネル710aの内部を通過し、枠部730により反射し、アクリルパネル710aの略中央部分に集まる。なお、この場合、アクリルパネル710a及び枠部730の側辺は、上辺に対して略45度の角度で形成されていることが好ましい。
【0097】
次に、
図21及び
図22を参照して、装飾用パネル70の動作について説明する。
図21は、アクリルパネル710a〜710dに付された装飾400の一例を示す図である。(a)は、アクリルパネル710dに付された装飾400の一例を示す図である。(b)は、アクリルパネル710cに付された装飾400の一例を示す図である。(c)は、アクリルパネル710bに付された装飾400の一例を示す図である。(d)は、アクリルパネル710aに付された装飾400の一例を示す図である。
【0098】
図17に示すように、アクリルパネル710a〜710dは、前面側(
図17中矢印F側)から奥側(
図17中矢印B側)に向かって、アクリルパネル710a、710b、710c、710dの順で配置されている。
図21に戻って、アクリルパネル710a〜710dには、同じキャラクタの形状をした装飾が付されている。そして、この同じキャラクタの装飾は、最も奥側に配置されたアクリルパネル710dでは最も小さく付され、次に配置されたアクリルパネル710cではアクリルパネル710dよりも大きく付され、次に配置されたアクリルパネル710bではアクリルパネル710cよりも大きく付され、最も前面側に配置されたアクリルパネル710aでは最も大きく付されている。
【0099】
図22は、LED列722a〜722dの各LEDを発光するタイミングの一例を示す図である。
図22では、縦軸は、上から下に向けて、アクリルパネル710dを照射するLED列722dの発光するタイミング、アクリルパネル710cを照射するLED列722cの発光するタイミング、アクリルパネル710bを照射するLED列722bの発光するタイミング、アクリルパネル710aを照射するLED列722aの発光するタイミングを順に示している。また、横軸は、時間経過tを示している。
また、
図22中、ドットパターンの大きさは、LEDの輝度の大きさを示している。すなわち、ドットパターンの大きさが大きいほどLEDがより明るく発光し、アクリルパネルの装飾がより濃く表示される。また、ドットパターンが無い部分は、LEDが消灯していることを示している。
【0100】
図21に示すように装飾が付されたアクリルパネル710a〜710dを、
図22に示すタイミングでLED列722a〜722dの各LEDを発光することで、装飾のキャラクタが奥側から前面側に向かって、徐々に大きくなる表示をすることができる。
【0101】
[本実施形態の作用効果]
〈検知装置〉
本実施形態のパチスロ1によれば、反射型センサ110は、物体により反射した発光素子111からの特定の周波数の光を受光素子112が検出する。特定の周波数の光を透過するフィルタ130は、反射型センサ110の受光素子112の前面に設けた。反射型センサ110は、このフィルタ130への光の入射角が45度よりも大きくなるように設けた。反射型センサ110の発光素子111の発光方向に沿って延びる筒部121は、基端を発光素子111に当接させ、先端をフィルタ130に当接させた。
【0102】
このように、フィルタ130を特定の周波数の光を透過可能とし、反射型センサ110をこのフィルタ130への光の入射角が45度よりも大きくなるように設けた。これにより、反射型センサ110の受光素子112が検出する光の入射角度を限定できるとともに、入射する光の周波数を適宜特定することが可能となる。よって、遊技者の動作を検知するセンサの誤動作の可能性を低減できる。
【0103】
また、遊技者の動作を検知するためのセンサは、遊技機のフロントドアに設けられる。ところが、遊技機のフロントドアには、液晶やランプ等の表示装置、装飾部材が多数を設けられているため、センサを設けることができる箇所が限られてしまっていた。
【0104】
本発明によれば、発光素子111からフィルタ130に当接する筒部121を設けたので、発光素子111からの光は、筒部121内部を通過し拡散することなく、光を透過するフィルタ130を照射する。これにより、発光素子111からの光がフィルタ130に反射されることを防止できる。よって、フィルタ130を発光素子111に対して垂直に設置する必要がなくなり、センサの設置スペースを薄型化することが可能となる。
【0105】
〈装飾部材の成形方法〉
本実施形態によれば、光を発光する発光部(例えば、発光部220)の前面に設けられる装飾部材(例えば、上部装飾部材210)の成形方法であって、前記発光部側の面が印刷面とされるフィルム(例えば、フィルム211)を前記印刷面側が凹形状となる装飾形状に形成した後、前記印刷面側に光を拡散する拡散材を含む樹脂層(例えば、樹脂層213)を形成し、さらに、前記樹脂層から延設する透過部材からなる延設部(例えば、延設部215)を形成する装飾部材の成形方法を構成できる。
【0106】
例えば、特開2004−181667号公報には、フィルムの片面に模様等を印刷してから立体化したインサートパーツの印刷面側に溶融合成樹脂を射出して該インサートパーツと射出樹脂とを一体化するインサート成形方法が記載されている。
このインサート成形方法によれば、模様等が印刷されたフィルムを立体化できる。
【0107】
しかしながら、前記インサート成形方法では、立体的な装飾部材を拡大するには、フィルムを立体化したインサートパーツも拡大する必要がある。ところが、インサートパーツの拡大にともない、インサートパーツの印刷面に射出された樹脂に斑が発生する可能性が高くなる。
【0108】
そこで、本実施形態の装飾部材の成形方法によれば、フィルム211を印刷面側が凹形状となる装飾形状に形成した後、印刷面側に光を拡散する拡散材を含む樹脂層213を形成し、さらに、樹脂層213から延設する透過部材からなる延設部215を形成する。
【0109】
このように、装飾形状にしたフィルム211に樹脂層213を形成し、さらに、樹脂層213から延設する透過部材からなる延設部215を形成するので、段階的に装飾部材を成形できる。よって、樹脂に斑が発生する可能性を抑え、品質の高い装飾部材を成形できる。
また、装飾部材を段階的に成形することで、フィルム211と樹脂層213から成るパーツと、透過部材から成るパートとで、装飾部材を形成できるので、多様性に富んだ装飾部材を成形できる。さらに、模様と形状に特徴を持たせるフィルム211と樹脂層213から成るパーツを最小限に抑え、形状のみに特徴を持たせるパーツは透過部材で形成するので、装飾部材を廉価に成形できる。
【0110】
〈装飾部材の保護層の成形方法〉
本実施形態によれば、装飾部材(例えば、サイド装飾部材76)の表面を保護する保護層の形成方法であって、前記装飾部材の表面において、塗料で塗装された部分(例えば、塗料層76b)に保護材を塗装することで前記保護層(例えば、保護層76c)を形成する装飾面(例えば、装飾面76a)を段差の下面とし、前記段差の上面に、前記保護材の塗装を阻害する塗装治具(例えば、塗装治具500)を配置し、前記塗装治具の前記段差側の端部に形成され、前記段差から突出するように延設された延設部材(例えば、延設部材510)を設けた状態で、前記装飾面に対して前記保護材を塗装することを特徴とする保護層の形成方法を構成できる。
【0111】
例えば、特開2006−349918号公報には、銀鏡塗装の上に透明なクリア塗装を施した遊技機部品が記載されている。
この遊技機部品によれば、銀鏡塗装を保護できる。
【0112】
ところで、遊技機の装飾部材において、塗装を塗り分けるとき、装飾部材に段差を設け、この段差の下面に所定の塗料で塗装する場合がある。従来、この場合、所定の塗料で塗装しない段差の上面には、所定の塗料が付着しないように、段差の際まで塗装治具を配置する。そして、所定の塗料で塗装した後、保護材を塗装治具に接する範囲まで塗装する。
【0113】
しかしながら、塗装治具に接する範囲まで保護材を塗装すると、塗装治具を外したときに、塗装治具と接する保護材の縁に損傷を与える場合があり、保護材の縁が滑らかに仕上がらない場合があった。また、従来の塗装治具は、段差の縁までしか設けられていないので、段差の縁まで塗装をすると、塗装治具に保護材が直接当たり、保護材の表面が塗装治具の下端や段差の縁より高い位置まで到達してしまい、塗装治具を外したときに、段差の縁より上に保護材が突出してしまい、保護材の縁が滑らかになり難かった。
【0114】
そこで、本実施形態の本実施形態によれば、サイド装飾部材76の表面において、塗料で塗装された塗料層76bに保護材を塗装することで保護層76cを形成する装飾面76aを段差の下面とし、段差の上面に、保護材の塗装を阻害する塗装治具500を配置する。そして、塗装治具500の段差側の端部に形成され、段差から突出するように延設された延設部材510を設けた状態で、装飾面76aに対して保護材を塗装する。
【0115】
このように、延設部材510を段差から突出させた状態で、保護材を塗装することで、保護材の縁が塗装治具500と接しない為、段差の縁より上に保護材が突出せず、保護材の縁を滑らかに仕上げることができる。なお、保護材は、塗装された直後においては液状なので、表面張力により延設部材510と段差の下面との間に回り込み、段差の上面との際まで塗装される。
【0116】
〈LEDパネルの印刷加工〉
本実施形態によれば、透明な複数のアクリルパネル710a,710b,710c,710dの端部に、それぞれ設けられたLEDからの光に応じて、特殊加工により付された装飾400が正面側から視認可能になる装飾用パネル70であって、複数のアクリルパネル710a,710b,710c,710dは、所定間隔を空けて重なるように配置され、装飾400の外形に沿って一定範囲を縁部410とし、装飾400の外形の内側を内側部420とし、内側部420を縁部410と比して加工を抑えた低加工領域とした。
【0117】
これにより、内側部420を縁部410と比して加工を抑えた低加工領域としたので、装飾400が視認可能でない状態で、アクリルパネルの透過性が低下するのを防止できる。よって、例えば、後方に配置されたアクリルパネルの装飾400を視認可能の状態としたときに、前方のアクリルパネルの装飾400を視認可能でない状態とすることで、後方のアクリルパネルの装飾400を前方のアクリルパネルを介して、視認できる。
【0118】
〈LEDパネルの接触防止部材〉
本実施形態によれば、透明なアクリルパネル710a,710b,710c,710dの端部に設けられたLEDからの光に応じて、特殊加工により付された装飾400が正面側から視認可能になる装飾用パネル70であって、アクリルパネル710a〜710dとLEDが設けられるLED基板721との間に、LEDより高さが高い突状部740を設けた。
【0119】
これにより、アクリルパネル710a〜710dとLEDが設けられるLED基板721との間に、LEDより高さが高い突状部740を設けたので、例えば、運搬時にアクリルパネル710a〜710dが動いたとしても、アクリルパネル710a〜710dは突状部740によりLEDと接触するのを防止できる。
【0120】
〈アクリルパネル保持構造〉
本実施形態によれば、透明なアクリルパネル710a,710b,710c,710dの端部に設けられたLEDからの光に応じて、特殊加工により付された装飾400が正面側から視認可能になる装飾用パネル70であって、アクリルパネル710a〜710dは、アクリルパネル710a〜710dの端部を囲むように形成された枠部730に収容した。
【0121】
これにより、アクリルパネル710a〜710dをその端部を囲むように形成された枠部730に収容したので、一方の端部から入射した光が、他方の端部から外部に漏れることを防止できる。
【0122】
また、LEDは、アクリルパネル710a〜710dの上端部に設けられ、アクリルパネルの左右端部は、LEDからの光を中心方向に屈折させるように上端部に対して所定の角度を有して形成した。
これにより、例えば、略中央部に装飾400を付した場合に、左右側に配置されたLEDの光を左右端部で屈折させることで、略中央部に集めることができる。
【0123】
〈ヒンジ隙間こじ開け対策〉
本実施形態によれば、フロントドア2とキャビネット1aとを連結するヒンジ構造であって、フロントドア2が閉まっている状態でキャビネット1a前面方向へのフロントドア2の移動を規制するドア側係合部材先端部312a及びキャビネット側係合部材先端部322aを備えた。
【0124】
これにより、キャビネット1a前面方向へのフロントドア2の移動を規制できるので、キャビネット1aとフロントドア2との間の隙間を広げられるのを防止できる。また、ヒンジ部分にドア側係合部材先端部312a及びキャビネット側係合部材先端部322aを設けることで、キャビネット1aとフロントドア2との間からキャビネット1a内部への侵入経路を複雑化できる。よって、例えば、棒状のものをキャビネット1aとフロントドア2との間からキャビネット1a内部へ差し込み、キャビネット1a内部の制御盤等に細工する違法行為を防止できる。
【0125】
〈乱数生成方法〉
本実施形態によれば、
乱数抽籤処理において、一定の規則に従って発生する重複しない乱数列を16分割した乱数列生成回路36aを略同時に更新し、その中から1つの乱数列発生回路を選択して乱数値を生成した。
これにより、乱数抽籤の結果に偏りが発生することを防止できる。
【0126】
以上、実施形態について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。また、本発明は、本実施形態のようなパチスロの他、パチンコ遊技機、ストップボタンを備えないスロットマシン等の他の遊技機にも適用できる。