(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットを回動可能に支持し、前記ヘッドボックスから案内手段を介して複数本の昇降コードを前記スラットの前後に振り分けて垂下し、前記ラダーコードの縦糸を保持手段を介して前記昇降コードに保持し、前記昇降コードを操作して前記スラットを昇降する横型ブラインドにおいて、
前記ラダーコードは前記ヘッドボックスから該ラダーコードの吊下げドラムの直径より狭い間隔で垂下し、前記案内手段は、前記スラットの前後方向のいずれか一方に垂下される第一の昇降コードを、前記ラダーコードの一方の縦糸と前後方向に揃う位置であって前記吊下げドラムの外周面から該吊下げドラムの中心側にオフセットして垂下し、他方に垂下される第二の昇降コードは前記吊下げドラムの外周面と同一若しくは前記外周面から径方向に外側で垂下するとともに、前記第一の昇降コードとの間隔を、前記スラットの回動を妨げない間隔とし、
前記案内手段は、
前記第一の昇降コードと前記ラダーコードの一方の縦糸とを前記前後方向に揃う位置に案内する第一の案内手段と、
前記第二の昇降コードと前記ラダーコードの他方の縦糸とを前後方向に隔てて案内する第二の案内手段とを備えた
ことを特徴とする横型ブラインド。
前記第一及び第二の案内ローラーを、前記昇降コードの巻取りドラム及び前記ラダーコードの吊下げドラムを回転可能に支持する支持部材に回転可能に支持したことを特徴とする請求項3記載の横型ブラインド。
前記第一の昇降コードを前記巻取りドラムから前記支持部材に設けた案内孔を経て、前記巻取りドラムの垂下位置と前記ヘッドボックスからの垂下位置を前後方向に入れ替えて垂下したことを特徴とする請求項4記載の横型ブラインド。
前記第一の案内ローラーから案内される前記第一の昇降コードと前記縦糸を、前記支持部材に設けた案内孔を介してヘッドボックス下方に案内し、前記案内孔に、前記第一の昇降コードと前記縦糸とを区画する仕切りを設けたことを特徴とする請求項5記載の横型ブラインド。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドは、ヘッドボックスから垂下されるラダーコードに多数段のスラットが支持され、ヘッドボックスから垂下される昇降コードの下端にボトムレールが吊下支持されている。
【0003】
そして、操作装置の操作によりラダーコードを介して各スラットが同位相で回動されるとともに、昇降コードを介してボトムレール及びスラットが昇降される。
このような横型ブラインドの一種類として、昇降コードを各スラットに挿通せず、ラダーコードの縦糸近傍に垂下してボトムレール及びスラットを昇降可能としたものがある。このような構成とすることにより、スラットが垂直方向に回動し易くなるとともに、各スラットに昇降コード挿通孔を設ける必要がないので、スラットを垂直方向に回動した場合の遮光性を向上させることが可能となる。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、昇降コードを各スラットに挿通せず、ラダーコードの縦糸に等間隔に複数設けられた案内環あるいは横糸間に昇降コードを挿通することにより、ボトムレール及びスラットの引き上げ時に、積層されて引き上げられるスラットの蛇行を防止するようにした構成が開示されている。
【0005】
図19(a)(b)に示すように、このような横型ブラインドでは複数本の昇降コード1がヘッドボックス2の長手方向に等間隔に垂下されるとともに、各昇降コード1はスラット3の前後、すなわち室内側と室外側に振り分けて吊下支持される。
【0006】
ヘッドボックス2から案内ローラー9を介して下方へ垂下される昇降コード1は、ヘッドボックス2から垂下されるラダーコード4の縦糸5から横型ブラインドの前後方向に所定の距離を隔てて垂下され、下方に向かって徐々にラダーコードの縦糸5に向かって収束するように吊下支持されている。
【0007】
そして、昇降コード1がラダーコード4の縦糸5から離間している位置では、上下2箇所に配設される案内リング6a,6bで昇降コード1と縦糸5との離間距離が所定間隔以内となるように設定されている。なお、案内リング6a,6bは例えば金属線をコイル状に形成したものであり、上方に位置する案内リング6aの径は、下方に位置する案内リング6bの径より大きく形成されて、昇降コード1と縦糸5との間隔の変化に対応している。
【0008】
このような構成により、操作装置の操作により駆動軸10を回転させると、ラダーコード支持ドラム7が回転されてラダーコード4を介してスラット3が回動されるとともに、昇降コード巻取りドラム8が回転されて昇降コード1が巻き取られ、あるいは巻戻されて、ボトムレール及びスラット3が昇降される。
【0009】
ヘッドボックス2の下方位置すなわち上段部分のスラット3の支持位置で、前後に振り分けられている昇降コード1の前後方向の間隔は、スラット3の前後幅より大きい間隔が確保されている。
【0010】
このため、スラット3を水平方向に保持したとき、スラット3の前後に振り分けられた昇降コード1で上段部分のスラット3が挟まれることはなく、挟まれることによるスラット3の変形が防止される。また、スラット3の回動操作時に、上段部分のスラット3が昇降コード1に接触してその回動が妨げられることもない。
【0011】
ラダーコード4の縦糸5は、その上部では案内リング6a,6bを介して昇降コード1に保持され、その下方ではラダーコードの各横糸間に挿通されて、縦糸5に保持されている。このような構成により、ボトムレール及びスラット3を引き上げたとき、ラダーコード4の縦糸5が昇降コード1近傍に保持されて、ラダーコード4及びスラット3のスラット長手方向及びスラット前後方向の蛇行が阻止される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図19に示すように、上記のような横型ブラインドでスラット3が全閉方向(スラットの凸面が室外側となる状態でほぼ垂直方向に回動される状態)あるいは逆全閉方向(スラットの凸面が室内側となる状態でほぼ垂直方向に回動される状態)に回動されると、ラダーコードの縦糸5の間隔が狭くなる。
【0014】
ところが、一方の縦糸5が案内リング6a,6bを介して昇降コード1に保持されているので、ラダーコード4の上部では縦糸5の間隔が十分に狭くならず、この結果スラット3が垂直方向に回動し難くなる。従って、上段部分のスラット3間からの光洩れが生じ、遮光性が低下する。
【0015】
また、
図20(a)(b)に示すように、スラット3を垂直方向に回動させると、縦糸5がスラットの前後に振り分けられている昇降コード1に引っ張られるため、スラット3が室内側に引っ張られる部分と、室外側に引っ張られる部分とが発生する。この結果、スラット3が前後方向に反った状態で吊下支持されるという問題点もある。
【0016】
この発明の目的は、昇降コードをスラットに挿通することなく、ラダーコードの縦糸に沿って垂下させる横型ブラインドにおいて、スラットを円滑に回動操作可能としながら、遮光性を向上させ得る横型ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1では、ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットを回動可能に支持し、前記ヘッドボックスから複数本の昇降コードを前記スラットの前後に振り分けて垂下し、前記ラダーコードの縦糸を保持手段を介して前記昇降コードに保持し、前記ヘッドボックスには最上段部のスラットの側方に位置する前記昇降コードの前後方向の間隔が前記スラットの前後幅を超える間隔となる位置に前記昇降コードを案内する案内手段を備え、前記昇降コードを操作して前記スラットを昇降する横型ブラインドにおいて、前記ラダーコードは前記ヘッドボックスから該ラダーコードの吊下げドラムの直径より狭い間隔で垂下し、前記案内手段は、前記スラットの前後方向のいずれか一方に垂下される第一の昇降コードを、前記ラダーコードの一方の縦糸と前後方向に揃う位置であって前記吊下げドラムの外周面から該吊下げドラムの中心側にオフセットして垂下し、他方に垂下される第二の昇降コードは前記吊下げドラムの外周面と同一若しくは前記外周面から径方向に外側で垂下するとともに、前記第一の昇降コードとの間隔を、前記スラットの回動を妨げない間隔とした。
前記案内手段は、前記第一の昇降コードと前記ラダーコードの一方の縦糸とを前記前後方向に揃う位置に案内する第一の案内手段と、前記第二の昇降コードと前記ラダーコードの他方の縦糸とを前後方向に隔てて案内する第二の案内手段とを備える構成とした。
【0018】
請求項2では、前記第一の昇降コードと第二の昇降コードを、前記スラットの前後幅を超える間隔となる位置で垂下させる。
請求項3では、
第一の案内手段は、第一の案内ローラー
であり、第二の案内手段は、第二の案内ローラー
である。
【0019】
請求項4では、前記第一及び第二の案内ローラーを、前記昇降コードの巻取りドラム及び前記ラダーコードの吊下げドラムを回転可能に支持する支持部材に回転可能に支持した。
【0020】
請求項5では、前記第一の昇降コードを前記巻取りドラムから前記支持部材に設けた案内孔を経て、前記巻取りドラムの垂下位置と前記ヘッドボックスからの垂下位置を前後方向に入れ替えて垂下した。
【0021】
請求項6では、前記第一の案内ローラーから案内される前記第一の昇降コードと前記縦糸を、前記支持部材に設けた案内孔を介してヘッドボックス下方に案内し、前記案内孔に、前記第一の昇降コードと前記縦糸とを区画する仕切りを設けた。
【0022】
請求項7では、前記案内手段を、前記ヘッドボックスを取付面に固定するブラケットに設けた。
請求項8では、前記案内手段を、前記ヘッドボックスの外面に取着されるアダプターに設けた。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、昇降コードをスラットに挿通することなく、ラダーコードの縦糸に沿って垂下させる横型ブラインドにおいて、スラットを円滑に回動操作可能としながら、遮光性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。
図1、
図2及び
図9に示す横型ブラインドは、ヘッドボックス11からラダーコード12を介して多数段のスラット13が吊下支持され、ラダーコード12の下端にボトムレール14が取着されている。
【0026】
図3及び
図8に示すように、に示すように、前記ラダーコード12は、例えばヘッドボックス11から5本垂下され、各ラダーコード12の横糸15に多数段のスラット13が支持されている。また、スラット13の長手方向両端部近傍及び長手方向中央部を支持するラダーコード12の吊下位置において、前記ヘッドボックス11から3本の昇降コード16a〜16cがスラット13の前後に振り分けられて垂下されている。
【0027】
前記昇降コード16a〜16cは、前記スラット13の両側を支持する昇降コード16a,16cがスラット13の室外側でラダーコード12の縦糸17a近傍で垂下され、前記スラット13の中央を支持する昇降コード16bがスラット13の室内側でラダーコード12の縦糸17b近傍で垂下されている。
【0028】
そして、昇降コード16a,16cは上部5段のスラット13の後方において上下2箇所で案内リング28a,28bにより縦糸17aに保持され、上部5段のスラット13より下方位置では、昇降コード16a,16cがラダーコード12の横糸15に対し所定段数毎に左右方向に交互に挿通されている。
【0029】
同様に、昇降コード16bは上部5段のスラット13の前方において上下2箇所で案内リング28a,28bにより縦糸17bに保持され、上部5段のスラット13より下方位置では、昇降コード16bがラダーコード12の横糸15に対し所定段数毎に左右方向に交互に挿通されている。また、昇降コード16a〜16cの下端には前記ボトムレール14が取着されている。
【0030】
図1に示すように、前記ヘッドボックス11内において前記ラダーコード12の吊下げ位置には支持部材18a,18bが取着されている。
支持部材18aは、前記ラダーコード12を支持する吊下げドラム19と、前記昇降コード16a〜16cのいずれかを巻取り可能に支持する巻取りドラム20とを回転可能に支持している。支持部材18bは、前記ラダーコード12を支持する吊下げドラム19だけを回転可能に支持している。
【0031】
前記昇降コード16a〜16cの上端部は巻取りドラム20に取着され、巻取りドラム20の回転により巻取りドラム20に巻き取られ、あるいは巻戻される。そして、昇降コード16a〜16cが巻取りドラム20に巻き取られると、ボトムレール14及びスラット13が引き上げられ、昇降コード16a〜16cが巻取りドラム20から巻き戻されると、ボトムレール14及びスラット13が下降する。
【0032】
前記吊下げドラム19の外周面には弾性を備えた金属線をコイル状に折り曲げて形成された吊下げリング21が嵌着され、その吊下げリング21の両端にラダーコード12の縦糸17a,17bの上端部が取着されている。
【0033】
そして、吊下げドラム19が回転されると、吊下げリング21が一体に回転して、ラダーコード12を介してスラット13が回動される。また、スラット13が垂直方向まで回動されると、吊下げドラム19が吊下げリング21に対し空回りして、スラット13の同方向へのそれ以上の回動が阻止されるようになっている。
【0034】
前記吊下げドラム19及び巻取りドラム20の中心には、前記ヘッドボックス11のほぼ全長に亘って配設される駆動軸22が相対回転不能に挿通されている。前記ヘッドボックス11の一端には操作装置23が配設され、前記駆動軸22の端部は操作装置23の出力軸に嵌着されている。
【0035】
前記操作装置23には、前記ヘッドボックス11の前面に露出するプーリーケース24が設けられ、そのプーリーケース24内に回転可能に支持されるプーリーに無端状の操作コード25が掛装されている。そして、操作コード25の操作により、プーリー及び操作装置23内のギヤ機構を介して前記駆動軸22が回転されるようになっている。
【0036】
図4に示すように、前記支持部材18aの底面には前記ラダーコード12及び昇降コード16a〜16cのいずれかをヘッドボックス11の下方に案内する案内孔26が前記ヘッドボックス11の前後方向の中心、すなわち前記吊下げドラム19及び巻取りドラム20の中心に対し、前後方向に線対称状に設けられている。
【0037】
前記各案内孔26の上方には、案内ローラー27a,27bがそれぞれ回転可能に支持されている。各案内ローラー27a,27bの回転軸心は、ヘッドボックス11の長手方向に沿う方向である。そして、各案内ローラー27a,27bは各案内孔26の上方に位置し、且つ前記吊下げドラム19及び巻取りドラム20中心に対し線対称状となる位置に支持されている。
【0038】
前記各ラダーコード12の縦糸17a,17bは、ヘッドボックス11内の各支持部材18a,18bにおいて、吊下げリング21から吊下げドラム19を経て案内ローラー27a,27bの内側に案内された後、ヘッドボックス11の下方に案内される。
【0039】
図6(a)(b)に示すように、案内ローラー27a,27bの間隔は、吊下げドラム19の直径より狭い間隔で配設されている。すると、ラダーコード12の縦糸17a,17bの間隔は、吊下げドラム19の直径より狭い間隔に絞られた後に、ヘッドボックス11の下方へ案内されている。このため、スラット13が垂直方向に回動されるとき、縦糸17a,17bの間隔が案内ローラー27a,27bで絞られているので、ヘッドボックス11直下に位置する最上段部のスラット13が垂直方向に近い角度まで回動され易くなっている。
【0040】
図5及び
図6(a)に示すように、前記巻取りドラム20から下方へ垂下される昇降コード16a〜16cのうち、スラット13の両端部に垂下される昇降コード16a,16cは、巻取りドラム20から縦糸17aと同様に案内ローラー27bの内側を経て下方へ垂下されている。
【0041】
図5及び
図6(b)に示すように、前記巻取りドラム20から下方へ垂下される昇降コード16a〜16cのうち、スラット13の中央部に垂下される昇降コード16bは、巻取りドラム20から案内ローラー27aの外側すなわち室内側を経て下方へ垂下されている。
【0042】
従って、案内ローラー27a,27bを経てヘッドボックス11の下方へ案内される昇降コード16a,16cと昇降コード16bとの間隔Gは、昇降コード16a,16cと昇降コード16bをともに案内ローラー27a,27bの外側を経て下方へ案内する場合に比して狭くなる。
【0043】
また、間隔Gはスラット13の前後幅より若干大きくなるように設定され、スラット13を水平方向に回動したときにも、最上段部のスラット13が昇降コード16a,16cと昇降コード16bとの間で挟まれないようになっている。
【0044】
また、ラダーコード16a,16cは巻取りドラム20の外周面より巻取りドラム20の中心側にオフセットした位置から垂下され、ラダーコード16bは巻取りドラム20の外周面から径方向外側にオフセットされた位置から垂下されている。
【0045】
さらに、ラダーコード12の縦糸17a,17bは、吊下げドラム19の外周面より巻取りドラム20の中心側にオフセットした位置から垂下されている。
上記のように昇降コード16a〜16cを案内することにより、巻取りドラム20の回転に基づいて各昇降コード16a〜16cが同時に巻き取られ、あるいは巻戻されて、ボトムレール14及びスラット13が昇降される。
【0046】
次に、上記のように構成された横型ブラインドの作用を説明する。
操作コード25の操作により、駆動軸22がスラット引き上げ方向に回転されると、吊下げドラム19が回転されて、ラダーコード12を介してスラット13が全閉方向に回動される。また、巻取りドラム20が回転されて昇降コード16a〜16cが巻き上げられ、ボトムレール14及びスラット13が引き上げられる。
【0047】
一方、操作コード25の操作により、駆動軸22がスラット下降方向に回転されると、吊下げドラム19が回転されて、ラダーコード12を介してスラット13が逆全閉方向に回動される。また、巻取りドラム20が回転されて昇降コード16a〜16cが巻き戻され、ボトムレール14及びスラット13が下降する。
【0048】
また、スラット13が所望高さまで引き上げられ、あるいは下降された後、操作コード25を逆方向に操作して駆動軸22を逆方向に回転させれば、吊下げドラム19が回転されて、スラット13を所望角度に回動操作可能である。
【0049】
図7(a)に示すように、スラット13が逆全閉方向に回動されると、ヘッドボックス11の両側の支持部材18aから吊下支持される昇降コード16a,16cは案内ローラー27bの内側に案内されているので、昇降コード16a,16cはラダーコード12の縦糸17aに近接して垂下される。
【0050】
従って、縦糸17aが縦糸17bから離れる方向に引っ張られることはないので、ヘッドボックス11直下に位置する最上段部のスラット13が垂直方向に近い角度まで回動される。
【0051】
また、スラット13が全閉方向に回動されるときにも、同様に縦糸17aが縦糸17bから離れる方向に引っ張られることはないので、ヘッドボックス11直下に位置する最上段部のスラット13が垂直方向に近い角度まで回動される。
【0052】
図7(b)に示すように、スラット13の長手方向中央部で垂下される昇降コード16bは、案内ローラー27aの外側を経て下方に垂下されるため、スラット13を全閉方向あるいは逆全閉方向に回動させたとき、縦糸17bが案内リング28a,28bを介して縦糸17aから離れる方向に引っ張られる。
【0053】
しかし、ヘッドボックス11の直下では昇降コード16a,16cと昇降コード16bとの間隔が上記間隔Gに保持されて、従来例より狭くなっているので、従来例で発生したスラット13の長手方向の反りは生じにくい。
【0054】
上記のように構成された横型ブラインドでは、次に示す効果を得ることができる。
(1)昇降コード16a〜16cはスラット13に挿通されず、ヘッドボックス11からスラット13の室内側と室外側に振り分けて垂下されるので、スラット13を垂直方向及び水平方向まで回動させ易い。従って、スラット13の全閉時及び逆全閉時の遮光性能を向上させることができる。
(2)ラダーコード12の縦糸17a,17bは、支持部材18a,18bに設けた案内ローラー27a,27bでスラット13の前後幅より狭い間隔に絞られて垂下されている。すると、ラダーコード12の吊下げドラム19の直径に関わらず、スラット13の全閉時及び逆全閉時に縦糸17a,17bの間隔を狭くすることができるので、スラット13を垂直方向及び水平方向まで回動させ易い。従って、スラット13の全閉時及び逆全閉時の遮光性能を向上させることができる。
(3)スラット13の後方に垂下される昇降コード16a,16cは、巻取りドラム20から案内ローラー27bの内側を経て縦糸17aとともに下方へ垂下されるので、スラット13の全閉時及び逆全閉時に縦糸17aが昇降コード16a,16cにより案内リング28a,28bを介して室外側へ引っ張られることはない。すると、スラット13の全閉時及び逆全閉時に、ヘッドボックス11の直下での縦糸17a,17bの間隔の増大を防止して、最上段部のスラット13を垂直方向及び水平方向まで回動させ易い。従って、スラット13の全閉時及び逆全閉時の遮光性能を向上させることができる。
(4)スラット13の室内側に垂下される昇降コード16bは、案内ローラー27aの外側すなわち室内側を経て下方へ垂下されて、昇降コード16a,16cとの間隔はスラット13の前後幅より大きい間隔Gが確保されている。従って、スラット13を水平方向としたとき、最上段部のスラット13が昇降コード16a,16cと昇降コード16bとに挟まれることはない。
(5)スラット13の全閉時及び逆全閉時に、縦糸17aが昇降コード16a,16cで室外側へ引っ張られることはない。従って、スラット13の全閉時及び逆全閉時に、スラット13での前後方向の反りの発生を抑制することができる。
(第二の実施形態)
図10は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、前記支持部材18aの案内孔26に、その案内孔26を左右に分割する仕切り31を設けたものである。そして、ラダーコード12の縦糸17aと昇降コード16a,16cが仕切り31の左右にそれぞれ挿通されている。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0055】
このような構成により、スラット13の昇降操作時に、昇降コード16a,16cとラダーコード12の縦糸17aとの摩擦による操作力の増大及び昇降コード16a,16cと縦糸17aの磨耗を防止することができる。
(第三の実施形態)
図11は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、前記支持部材18aに昇降コード16a,16cを挿通する案内孔32とラダーコード12の縦糸17aを挿通する案内孔33とを独立して設けたものである。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0056】
このような構成により、スラット13の昇降操作時に、昇降コード16a,16cとラダーコード12の縦糸17aとの摩擦による操作力の増大及び昇降コード16a,16cと縦糸17aの磨耗を防止することができる。
(第四の実施形態)
図12〜
図15は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、前記昇降コードを支持部材18aに設けた案内ローラー27a,27bとは別の案内手段で下方へ案内して、第一の実施形態と同様の効果を得るようにしたものである。ヘッドボックスからラダーコードを介して吊下支持されるスラットの構成は、第一の実施形態と同様である。
【0057】
図12は、ヘッドボックス11を取付面に固定するブラケット34に案内ローラー35を設け、昇降コード16a,16cを巻取りドラム20から案内ローラー35を経てラダーコードの縦糸17a近傍に垂下する構成としたものである。
【0058】
図13(a)(b)は、ヘッドボックス11の底辺の下方の外面に設けたアダプター36,37を介して昇降コード16a〜16cを下方へ垂下するようにしたものである。
図13(a)に示すように、昇降コード16bはヘッドボックス11内の巻取りドラム20から支持部材18aの前後方向ほぼ中央部に設けられた案内ローラー41を経て、アダプター36に案内され、そのアダプター36から下方へ垂下されている。そして、昇降コード16bはラダーコードの縦糸から室内側に若干離れた位置に垂下される。
【0059】
図13(b)に示すように、昇降コード16a,16cはヘッドボックス11内の巻取りドラム20から案内ローラー41を経て、アダプター37に案内され、そのアダプター37から下方へ垂下されている。そして、昇降コード16a,16cはラダーコードの室外側の縦糸に近接して垂下される。
【0060】
図14(a)(b)は、ヘッドボックス11の底辺の下方に設けたアダプター38を介して昇降コード16a,16cを下方へ垂下するようにしたものである。
図14(a)に示すように、昇降コード16bはヘッドボックス11内の巻取りドラム20からそのまま下方へ垂下されている。そして、昇降コード16bはラダーコードの縦糸から室内側に若干離れた位置に垂下される。
【0061】
図14(b)に示すように、昇降コード16a,16cはヘッドボックス11内の巻取りドラム20からヘッドボックス11の底辺の下方に設けたアダプター38に案内され、そのアダプター38から下方へ垂下されている。そして、昇降コード16a,16cはラダーコードの室外側の縦糸に近接して垂下される。
【0062】
図15(a)(b)は、ヘッドボックス11の上方に設けられた第一のアダプター39と、ヘッドボックス11の底辺の一側下方に設けた第二のアダプター40を介して昇降コード16a,16cを下方へ垂下するようにしたものである。
【0063】
図15(a)に示すように、昇降コード16bはヘッドボックス11内の巻取りドラム20からそのまま下方へ垂下されている。そして、昇降コード16bはラダーコードの縦糸から室内側に若干離れた位置に垂下される。
【0064】
図15(b)に示すように、昇降コード16a,16cはヘッドボックス11内の巻取りドラム20からヘッドボックス11の上方に設けられた第一のアダプター39を経てヘッドボックス11の室外側を下方へ案内される。
【0065】
そして、昇降コード16a,16cはヘッドボックス11の底辺一側に設けられた第二のアダプター40に案内され、その第二のアダプター40から下方へ垂下されている。そして、昇降コード16a,16cはラダーコードの室外側の縦糸に近接して垂下される。
【0066】
上記のように昇降コード16a〜16cを案内して、ラダーコードの一方の縦糸に近接する位置と、他方の縦糸から若干離れた位置に垂下すれば、第一の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第五の実施形態)
図16〜
図18は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、室外側に垂下される昇降コード16a,16cをラダーコード12の縦糸17aから若干離れた位置に垂下し、昇降コード16bを縦糸17b近傍に垂下する構成としたものである。その他の構成は第一の実施形態と同様である。
【0067】
図16及び
図17(a)に示すように、昇降コード16a,16cは、巻取りドラム20から案内ローラー27bの室外側を経て下方へ垂下されて、ラダーコード12の縦糸17aから若干離れた位置に垂下される。
【0068】
図16及び
図17(b)に示すように、昇降コード16bは、巻取りドラム20から案内ローラー27aの室内側を経て下方へ垂下され、縦糸17b近傍に垂下されている。昇降コード16bは、案内ローラー27aの下方に位置する案内孔26のヘッドボックス11の前後方向中央側端縁を経て下方へ案内される状態となる。そして、最上段部のスラット13が吊下支持される位置で昇降コード16a,16cと昇降コード16cの間隔が、スラット13の前後幅より大きい間隔となるように、案内孔26の端縁の位置が設定されている。
【0069】
このような構成により、昇降コード16a〜16cのうち室内側に垂下される昇降コード16bが、ヘッドボックス11の直下でラダーコード12の縦糸17b近傍に垂下されるので、第一の実施形態と同様な効果を得ることができる。また、スラット13を水平方向としたとき、最上段部のスラット13が昇降コード16a,16cと昇降コード16bとに挟まれることもない。
【0070】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・スラットの前後に振り分けて垂下される昇降コードは、2本あるいは4本以上であってもよい。
・案内ローラー27a,27bは、ラダーコードの縦糸17a,17bの間隔を、スラットの前後幅と同等の間隔で案内してもよい。
・駆動軸をモーターで駆動する電動横型ブラインドに実施することもできる。
・第一の実施形態において、昇降コード16a,16cと昇降コード16bとの間隔は、必ずしもスラット13の前後幅を超える必要はない。スラット13の曲げ強度、昇降コードとスラット端縁との摩擦の大きさ、ラダーコードによるスラットを回動させる駆動力、昇降コードのスラット長手方向における間隔を調整することにより、スラットを円滑に回動させ、且つスラットの変形を防止するようにしてもよい。