(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031320
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】駐車場システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20161114BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20161114BHJP
【FI】
G07B15/00 N
G07B15/00 501
G06Q50/10
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-223138(P2012-223138)
(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公開番号】特開2014-75081(P2014-75081A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智
(72)【発明者】
【氏名】金森 崇
【審査官】
永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5951432(JP,B2)
【文献】
特開2012−133814(JP,A)
【文献】
特開平10−031797(JP,A)
【文献】
特開2003−132379(JP,A)
【文献】
特開2010−27027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の車室に駐車した車両を認識し、認識した車両の情報を記録する駐車判断装置を備え、
前記駐車判断装置は、前記車室から車両が出庫した後に当該車室に車両が再入庫した場合に、再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報との比較結果が一定の割合以上で一致しているか否かと、前記車室から車両が出庫した後の時間情報とに基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断することを特徴とする駐車場システム。
【請求項2】
前記駐車判断装置は、前記車室に駐車した車両を認識する情報として、車番プレートのプレート情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の駐車場システム。
【請求項3】
前記駐車判断装置は、前記駐車判断装置による再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報との比較結果が一定の割合以上で一致した場合に、継続駐車として取り扱うことを特徴とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項4】
前記駐車判断装置は、前記駐車判断装置による再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報との比較結果が一定の割合以下で一致する場合は、新規駐車として取り扱うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場システム。
【請求項5】
前記駐車判断装置により継続駐車として取り扱った旨または新規駐車として取り扱った旨を報知する報知手段を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項6】
前記報知手段は、駐車場に設置される精算機または前記車室に設置される端末装置の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の駐車場システム。
【請求項7】
前記駐車判断装置は、再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報とに基づく継続駐車または新規駐車の判断結果を修正する入力部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【請求項8】
前記駐車判断装置は、駐車場に設置される精算機または前記車室に設置される端末装置の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の駐車場システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場システムに係り、特に、一時的に車両を出庫させて再入庫させた場合でも、継続駐車として取り扱うことを可能とした駐車場システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、時間貸し駐車場に設置される駐車場システムとしては、例えば、駐車場の車室ごとに、車両検出器、ロック板などを設置するとともに、車両の駐車料金の算出、表示、精算などを行う精算機を設置し、車両検出器により駐車車両を検出して一定時間経過するとロック板を上昇させて退出を阻止するとともに駐車時間の計測を始め、精算機により駐車料金が精算されるとロック板が下降して退出を許可するようにしたものがある。
【0003】
また、その他の駐車場システムとして、近年、車両の車番プレートのプレート情報を読み取り、この読み取ったプレート情報に基づいて駐車管理を行うようにした技術が開発されている。
【0004】
このような駐車場システムとして、従来、例えば、駐車場内に駐車する車両を撮影した映像を基にその車両番号を認識し、該認識された車両番号を含む駐車情報を記憶しておき、認識された車両番号に基づいて当該車両が過去に不正退出したことがあるか否かを判定する不正退出判定手段と、この判定された結果を外部に送受信する通信手段とを備えるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−228744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術においては、車番プレートのプレート情報に基づいて車両の駐車管理を行うことができるのであるが、例えば、荷物の積み卸しなどを行うために、一時的に車両を車室から出庫させた場合に、出庫から一定時間経過してしまうと、精算機に記録されている駐車車室や駐車時間などの駐車情報がリセットされてしまい、荷物の積み卸しが完了した再び車両を車室に入庫させた場合に、新たな駐車として、駐車時間などの計測が開始されてしまうという問題を有している。このように再入庫の際に、新規駐車として処理されてしまうと、一時的に出庫した情報が、故意でなくても不正利用として登録されてしまい、利用者にとって極めて使い勝手が悪いものであった。
【0007】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、一時的に車両を出庫させて再入庫させた場合でも、継続駐車として取り扱うことができ、使い勝手を著しく向上させることのできる駐車場システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る駐車場システムは、駐車場の車室に駐車した車両を認識し、認識した車両の情報を記録する駐車判断装置を備え、
前記駐車判断装置は、前記車室から車両が出庫した後に当該車室に車両が再入庫した場合に、再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報との比較結果
が一定の割合以上で一致しているか否かと、前記車室から車両が出庫した後の時間情報とに基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記駐車判断装置は、前記車室に駐車した車両を認識する情報として、車番プレートのプレート情報を取得することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記駐車判断装置は、前記駐車判断装置による再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報との比較結果が一定の割合以上で一致した場合に、継続駐車として取り扱うことを特徴とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2において、前記駐車判断装置は、前記駐車判断装置による再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報との比較結果が一定の割合以下で一致する場合は、新規駐車として取り扱うことを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項において、前記駐車判断装置により継続駐車として取り扱った旨または新規駐車として取り扱った旨を報知する報知手段を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5において、前記報知手段は、駐車場に設置される精算機または前記車室に設置される端末装置の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項
7に係る発明は、請求項1から請求項
6のいずれか一項において、前記駐車判断装置は、
再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報とに基づく継続駐車または新規駐車の判断結果を修正する入力部を備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項
8に係る発明は、請求項1から請求項
7のいずれか一項において、前記駐車判断装置は、駐車場に設置される精算機または前記車室に設置される
端末装置の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、車両が出庫した後に当該車室に車両が再入庫した場合に、再入庫後の車両の情報と出庫前の車両の情報との比較結果
が一定の割合以上で一致しているか否かと、車室から車両が出庫した後の時間情報とに基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断するようにしているので、一時的に車両を出庫させて再入庫させた場合でも、継続駐車として取り扱うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。特に、駐車判断装置により、車両が出庫した後の時間情報に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断するようにしているので、時間情報に基づいて確実に継続駐車であるか新規駐車であるかを判断することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、駐車判断装置により、駐車判断装置による再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報との比較結果が一定の割合以上で一致した場合に、継続駐車として取り扱うようにしているので、確実に継続駐車であるか新規駐車であるかを判断することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、駐車判断装置により、駐車判断装置による再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報との比較結果が一定の割合以下で一致する場合は、新規駐車として取り扱うようにしているので、確実に継続駐車であるか新規駐車であるかを判断することができる。
【0020】
請求項5に係る発明によれば、駐車判断装置により継続駐車として取り扱った旨または新規駐車として取り扱った旨を報知する報知手段を備えるようにしているので、報知手段により、利用者が自己の車両が継続駐車であるか新規駐車であるかを確認することができる。
請求項6に係る発明によれば、報知手段を、駐車場に設置される精算機または車室に設置される端末装置の少なくとも一方に設けるようにしているので、精算機または端末装置により継続駐車または新規駐車の判断結果を報知することができる。
【0021】
請求項
7に係る発明によれば、駐車判断装置に、駐車判断装置による再入庫後の
車両の情報と出庫前の
車両の情報とに基づく継続駐車または新規駐車の判断結果を修正する入力部を設けるようにしているので、入力部により判断結果の修正を行うことができる。
【0022】
請求項
8に係る発明によれば、駐車判断装置を、駐車場に設置される精算機または車室に設置される端末装置の少なくとも一方に設けるようにしているので、精算機または端末装置により継続駐車または新規駐車の判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係る駐車場システムの実施形態を示す概略構成図である。
【
図2】本発明に係る駐車場システムの実施形態における制御構成を示す概略構成図である。
【
図3】本発明に係る駐車場システムの実施形態における駐車判断を示す説明図である。
【
図4】本発明に係る駐車場システムの実施形態における他の駐車判断を示す説明図である。
【
図5】本発明に係る駐車場システムの実施形態における入場動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明に係る駐車場システムの実施形態における駐車判断動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は本発明に係る駐車場システムの第1実施形態を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態の駐車場システムにおける駐車場は、車両1を駐車させるための複数の車室2を備えており、各車室2には、端末装置3がそれぞれ設置されている。また、各車室2には、車両1が入出庫したことを検出するための車両センサ4が設置されている。さらに、駐車場には、駐車場利用者が駐車料金の精算を行うための精算機5が設置されており、本実施形態においては、精算機5には、駐車判断装置6が内蔵されている。なお、本実施形態においては、車両検出装置として車両センサ4を用いたが、車両検出装置はこれに限定されるものではない。
【0027】
次に、本発明の制御構成について、
図2を参照して説明する。
【0028】
端末装置3には、端末装置3の各種制御を行う端末制御部7が設けられており、端末装置3には、精算機5との間で通信を行う端末通信部8が設けられている。また、端末装置3には、車室2に駐車する車両1の車番プレートを撮影するためのカメラ9が設置されており、端末装置3には、カメラ9により撮影された撮影画像を取得する画像取得部10が設けられている。また、端末装置3には、車室2に駐車した車両1の駐車状態を表示する報知手段としての端末表示部11が設けられており、端末装置3には、入力部としての端末入力部12が設けられている。
【0029】
また、車両センサ4による車両1の検出信号は、端末装置3に送られるように構成されており、画像取得部10は、車両センサ4による車両1の検出信号が端末装置3に送られた場合に、カメラ9の撮影画像を取得して、端末通信部8を介して精算機5に送るように構成されている。
【0030】
また、精算機5には、精算などの各種処理を行う精算制御部13が設けられており、精算機5には、端末装置3との間で通信を行う精算通信部14が設けられている。また、精算機5には、駐車料金の精算処理を行うための精算部15が設けられており、精算機5には、駐車場の利用者が車室番号などを入力して精算処理を行うための精算入力部16が設けられている。精算機5には、精算時に所定の表示を行う精算表示部23が設けられており、精算機5には、駐車料金の未納情報を格納するための料金未納管理データベース17が設けられている。
【0031】
そして、精算機5には、端末装置3から端末通信部8および精算通信部14を介して車両センサ4による車両1の入出庫情報が送られるように構成されている。精算部15は、端末装置3から端末通信部8および精算通信部14を介して車両1の入庫情報が送られた場合に、該当する車室2の駐車時間の計数を行い、利用者が精算入力部16により車室番号を入力して精算処理を行う場合に、駐車時間に応じた精算処理を行うように構成されている。また、精算機5は、駐車料金の精算を行わないで車両1が出庫した場合に、料金未納管理データベース17に後述する車両1のプレート情報、車室番号や駐車時間などの駐車情報とともに料金未納情報を格納するように構成されている。
【0032】
また、駐車判断装置6には、各種制御を行う駐車判断制御部18が設けられている。また、駐車判断装置6には、画像処理部19が設けられており、この画像処理部19は、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートのプレート情報をテキストデータ化するように構成されている。駐車判断装置6には、画像処理部19によりテキストデータ化されたプレート情報を格納するプレート情報データベース20が設けられており、プレート情報データベース20には、テキストデータ化されたプレート情報は、陸運支局コード、車種コード、用途コード、一連番号に分類して格納されるように構成されている。
【0033】
さらに、駐車判断装置6には、駐車判断部21が設けられており、駐車判断部21は、精算処理を行っていない車両1が車室2から出庫したことを車両センサ4により検出して、その出庫情報が端末装置3から精算機5を介して送られた場合に、時間情報として一定の待機時間が経過する間に、当該車室2に車両1が再入庫したら、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して、その比較結果に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断するように構成されている。この場合に、本実施形態においては、駐車判断部21は、テキストデータ化されたプレート情報を認識することができない場合は、そのまま「不明」として取り扱うようになっている。
【0034】
すなわち、
図3に示すように、駐車判断部21は、出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報とを比較した場合に、完全に一致した場合、および、例えば、一連番号のうち1桁のみが不明であり、その他のプレート情報が一致するような場合で、両者が90%以上の割合で一致する場合には、同一の車両1として認識し、同一の車両1が再入庫したとして継続駐車として判断する。この場合には、駐車判断装置6から端末装置3に判断結果を送信し、端末装置3の端末表示部11に、継続駐車である旨を表示させるように構成されている。なお、
図3においては、プレート情報が不明の場合に「?」で示している。
【0035】
また、出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報とを比較した場合に、例えば、車種コードの一桁と、一連番号の1桁が不明であり、その他のプレート情報が一致するような場合で、両者が80%以上90%未満の割合で一致する場合には、同一の車両1である可能性はあるものの異なる車両1とする「あいまい」な状態であると認識して、異なる車両1が入庫したとして新規駐車として判断する。この場合には、駐車判断装置6から端末装置3に判断結果を送信し、端末装置3の端末表示部11に、新規駐車である旨を表示させるとともに、比較的高い割合で一致していることから、継続駐車である可能性もあるので、継続駐車の可能性がある旨も表示させるように構成されている。
【0036】
また、出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報とを比較した場合に、例えば、再入庫した車両1のプレート情報のすべてが不明であるような場合で、両者が80%未満の割合で一致する場合には、異なる車両1として認識して、異なる車両1が入庫したとして新規駐車として判断する。この場合には、駐車判断装置6から端末装置3に判断結果を送信し、端末装置3の端末表示部11に、新規駐車である旨を表示させるように構成されている。
【0037】
この場合に、本実施形態においては、出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報とが90%以上の割合で一致する場合に継続駐車として判断し、両者が80%以上90%未満の割合で一致する場合に継続駐車の可能性があるものの新規駐車として判断し、両者が80%未満の割合で一致する場合に新規駐車として判断するようにしているが、この出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報との一致する割合は、カメラ9により画像の解像度や画像処理部19による画像処理性能などに応じて、任意に設定することができるものである。
【0038】
また、本実施形態においては、端末装置3の端末入力部12が駐車判断装置6の入力部としても機能するように構成されており、利用者が端末表示部11の表示を視認して、例えば、継続駐車であるにもかかわらず、新規駐車であるとして表示されたような場合や新規駐車であるにもかかわらず継続駐車として表示されたような場合には、利用者は、端末入力部12を操作して、出庫した車両1のプレート情報、出庫日時、車室番号および入庫した車両1のプレート情報、入庫日時、車室番号を精算表示部23に表示させ、これらの情報を確認した上で、継続駐車であるか、あるいは、新規駐車であるかを入力して修正することができるように構成されている。
【0039】
なお、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して、その比較結果に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断する際に、例えば、プレート情報の認識のしやすさに応じて重み付けを行い、この重み付けした結果のプレート情報に基づいて、継続駐車であるか新規駐車であるかを判断するようにしてもよい。また、プレート情報のうち、一連番号は文字が大きく認識しやすいことから、出庫した車両1のプレート情報の一連番号と再入庫した車両1のプレート情報の一連番号が、例えば、90%以上など一定以上の割合で一致した場合には、同一の車両1であると判断するようにしてもよい。
【0040】
なお、プレート情報が不明の場合に、その他のプレート情報に基づいて新規駐車であるか継続駐車であるかを判断するようにしてもよいし、必ず、新規駐車と判断するようにしてもよい。さらに、プレート情報が不明の場合は、設定により判断方法を変更できるようにしてもよい。
【0041】
また、出庫した車両1のプレート情報と、再入庫した車両1のプレート情報とを比較した場合に、例えば、再入庫した車両1のプレート情報を認識することはできたが、出庫した車両1のプレート情報とは異なった場合、すなわち、プレート情報を誤読した場合には、例えば、
図4に示すように、プレート情報が完全一致した場合にのみ継続駐車として判断し、1つでもプレート情報が異なった場合には、新規駐車として判断するようにしてもよい。これは、プレート情報が1つでも異なった場合は、実際に1つのプレート情報が異なる他の車両が再入庫した可能性があるためである。
【0042】
さらに、精算機5は、中央管理システム22と通信可能とされており、中央管理システム22には、駐車判断装置6による継続駐車であるか新規駐車であるかの判断結果が送られるようになっており、中央管理システム22は、精算機5を介して遠隔操作により、継続駐車であるか新規駐車であるかの判断結果を修正することができるように構成されている。
【0043】
なお、前述の継続駐車あるいは新規駐車の修正を行う場合、例えば、中央管理システム22に、継続駐車であるか新規駐車であるかの情報を送信しておき、利用者が、精算機5あるいは端末装置3を介して中央管理システム22のオペレータを呼び出して、オペレータによる遠隔操作により、継続駐車あるいは新規駐車の修正を行うようにしてもよい。
【0044】
次に、本実施形態の入場動作について、
図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0045】
本実施形態においては、まず、車両センサ4により、駐車場の車室2の車両1が入庫したことを検出したら(ST1)、画像取得部10により、カメラ9による撮影画像を取得し(ST2)、この取得した撮影画像を駐車判断装置6に送る。
【0046】
そして、駐車判断装置6の画像処理部19により、端末装置3から送られる撮影画像を画像処理して車番プレートのプレート情報をテキストデータ化し、駐車判断部21により、プレート情報を、陸運支局コードと、車種コードと、用途コードと、一連番号とに分類してプレート情報データベース20に記録する(ST3)。
【0047】
一方、端末装置3は、車両センサ4により車両1の入庫を検出したら、入庫情報を精算機5に送り、精算機5の精算部15により、駐車時間の計数が開始される。
【0048】
利用者が精算する場合は、精算機5の精算入力部16により駐車した車室番号を入力することにより、精算部15により、駐車時間に応じた駐車料金を精算することにより、精算処理が完了する。
【0049】
次に、本実施形態の駐車判断動作について、
図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0050】
まず、車両センサ4により車両1の出庫が検出されたら(ST10)、精算処理が完了しているか否か判断し(ST11)、精算処理が完了している場合は(ST11:YES)、プレート情報データベース20に記録されたプレート情報を削除する(ST20)。
【0051】
一方、精算処理が完了していない場合は(ST11:NO)、未納情報を料金未納管理データベース17に記録し(ST12)、一定の待機時間内に車両1が再入庫するか否か監視する(ST13)。そして、待機時間内に車両1が入庫しない場合は(ST14:NO)、不正駐車であるとして、不正駐車情報を料金未納管理データベース17の料金未納情報に登録するとともに中央管理システム22に送信する(ST21)。
【0052】
そして、待機時間内に車両1が入庫した場合には(ST14:YES)、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して(ST15)、その比較結果に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断し(ST16)、その判断結果を端末表示部11に表示させる(ST17)。そして、新規駐車と判断した場合には(ST18:YES)、料金未納管理データベース17の料金未納情報はそのままとし(ST22)、継続駐車と判断した場合は(ST18:NO)、料金未納管理データベース17の料金未納情報を削除する(ST19)。
【0053】
以上述べたように、本実施形態においては、駐車判断装置6により、出庫した車両1のプレート情報と再入庫した車両1のプレート情報とを比較して、その比較結果に基づいて継続駐車であるか新規駐車であるかを判断するようにしているので、一時的に車両1を出庫させて再入庫させた場合でも、継続駐車として取り扱うことができ、使い勝手を著しく向上させることができる。
【0054】
なお、前記実施形態においては、駐車判断装置6を精算機5に内蔵した場合について説明したが、駐車判断装置6を端末装置3に内蔵させるようにしてもよい。さらに、駐車判断装置6を精算機5や端末装置3と独立して設置するようにしてもよい。また、前記実施形態においては、報知手段としての端末表示部11を端末装置3に設けるようにしたが、報知手段を精算機5に設置するようにしてもよい。
【0055】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 車両
2 車室
3 端末装置
4 車両センサ
5 精算機
6 駐車判断装置
7 端末制御部
8 端末通信部
9 カメラ
10 画像取得部
11 端末表示部
12 端末入力部
13 精算制御部
14 精算通信部
15 精算部
16 精算入力部
17 料金未納管理データベース
18 駐車判断制御部
19 画像処理部
20 プレート情報データベース
21 駐車判断部
22 中央管理システム
23 精算表示部