(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031336
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 9/12 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
H01G9/12 B
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-251014(P2012-251014)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2014-99532(P2014-99532A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米田 満
(72)【発明者】
【氏名】丸山 尚也
【審査官】
田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭48−066047(JP,U)
【文献】
特開昭63−285859(JP,A)
【文献】
特開平10−022180(JP,A)
【文献】
特開2012−023353(JP,A)
【文献】
特開2002−270174(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 9/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータを介して陽極箔と陰極箔とを重ね合わせて巻回し、電解液を含浸してなるコンデンサ素子と、
前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封口する封口体と、を備えたコンデンサであって、
前記外装ケースの底板の中央部は、前記外装ケースの筒軸方向に直交していると共に、薄肉部からなる圧力弁が形成されており、
前記外装ケースの外底面が、前記中央部より外周側に向かうほど、前記外装ケースの筒軸方向に関して前記開口部側に近づくように傾斜する外側傾斜面を有し、
前記外装ケースの内底面が、前記外側傾斜面に沿った内側傾斜面を有し、
前記中央部の最大厚さが、前記外側傾斜面における最小厚さよりも小さいことを特徴とするコンデンサ。
【請求項2】
前記外装ケースの外底面が、前記外側傾斜面より外周側に、前記外側傾斜面よりも傾斜が緩やかな環状面を有することを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ。
【請求項3】
前記環状面における厚さが、一定または外周側ほど厚くなっていることを特徴とする請求項2に記載のコンデンサ。
【請求項4】
前記圧力弁が、前記外底面に溝部を設けることで形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ。
【請求項5】
前記溝部が、前記底板の中央付近で複数の線状の溝部が交差または接する形状であることを特徴とする請求項4に記載のコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装ケースの内部に電解液を含有するコンデンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外装ケース内部に電解液を有するコンデンサとして、電解コンデンサと電気二重層コンデンサがある。
【0003】
電解コンデンサは、アルミニウム、タンタル、ニオブ等の弁金属(弁作用金属)を陽極に使用して、陽極酸化することで得られる酸化皮膜層を誘電体として利用し、この酸化皮膜層からの電気的な引き出しを、酸化皮膜層に接触している電解液によって行うコンデンサである。
電解コンデンサのコンデンサ素子は、酸化皮膜層が形成された陽極箔と陰極箔を、セパレータを介して巻回することによって得られる。電解コンデンサは、このようなコンデンサ素子が、電解液を含浸した状態で、アルミニウム等からなる有底円筒状の外装ケースに収納されたものである。
【0004】
電気二重層コンデンサは、電極(分極性電極)と電解液との界面において、極めて短い距離で電荷が配列される現象(電気二重層)を利用したコンデンサである。
電気二重層コンデンサのコンデンサ素子は、アルミニウム等の金属箔からなる集電体の上に分極性電極層が形成された陽極箔と陰極箔を、セパレータを介して巻回することによって得られる。電気二重層コンデンサは、このようなコンデンサ素子が、電解液を含浸した状態で、アルミニウム等からなる有底円筒状の外装ケースに収納されたものである。
【0005】
上記のような外装ケース内部に電解液を有するコンデンサは、過電圧や過リプル電流など異常ストレスが印加された場合や、寿命末期の場合などに、電解液が分解されてガスが発生して、外装ケースの内圧が上昇する。
このような内圧上昇によるコンデンサの破裂を防止するために、従来から、外装ケースの底板の中央部に薄肉部を形成して、底板の中央部を圧力弁としている(例えば特許文献1参照)。圧力弁は、内圧が許容範囲を超えたときに開口して、外装ケース内を外気に開放する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−307967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、
図8(a)に示すように、従来のコンデンサ90では、外装ケース92の底板全体が、外装ケースの筒軸方向に直交する平坦状であって、底板に作用する内圧の方向が一定であるため、内圧が上昇すると、
図8(b)に示すように、底板全体が外側に膨張するように変形する。そのため、圧力弁93の膨張時および開口時の底板の変形高さが高くなる。
【0008】
コンデンサ素子91は、外装ケース92の底板に押し付けられて固定されているため、底板全体が変形すると、固定力が無くなってしまい、外装ケース92内でコンデンサ素子91がガタつく原因となる。その結果、製品内の接続部で断線などを引き起こす恐れがある。
【0009】
そこで、本発明は、圧力弁の膨張時および開口時の底板の変形高さを低減するとともに、底板全体が変形するのを防止できるコンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、セパレータを介して陽極箔と陰極箔とを重ね合わせて巻回し、電解液を含浸してなるコンデンサ素子と、前記コンデンサ素子を収納する有底円筒状の外装ケースと、前記外装ケースの開口部を封口する封口体と、を備えたコンデンサであって、前記外装ケースの底板の中央部は、前記外装ケースの筒軸方向に直交していると共に、薄肉部からなる圧力弁が形成されており、前記外装ケースの外底面が、前記中央部より外周側に向かうほど、前記外装ケースの筒軸方向に関して前記開口部側に近づくように傾斜する外側傾斜面を有し、前記外装ケースの内底面が、前記外側傾斜面に沿った内側傾斜面を有
し、前記中央部の最大厚さが、前記外側傾斜面における最小厚さよりも小さいことを特徴とする。
【0011】
この構成によると、外装ケースの底板は、圧力弁が形成された中央部の外周側に、中央部に対して傾斜する外側傾斜面と内側傾斜面からなる傾斜部を有する。底板の中央部と傾斜部に作用する内圧の方向は異なるため、内圧上昇に伴う外装ケースの底板の変形を、底板全体ではなく、底板の中央部のみとすることができる。したがって、圧力弁の膨張時および開口時の底板の変形高さを低減できる。
また、底板の中央部の最大厚さが、外側傾斜面における最小厚さよりも小さいため、内圧上昇時に外側傾斜面の部分が変形しにくくなる。したがって、圧力弁の膨張時および開口時の底板の変形高さをより確実に低減できる。
【0012】
本発明のコンデンサは、前記外装ケースの外底面が、前記外側傾斜面より外周側に、前記外側傾斜面よりも傾斜が緩やかな環状面を有することが好ましい。
【0013】
この構成によると、外装ケースの底板は、外側傾斜面の外周側に環状面を有するため、外側傾斜面が底板の外周端まで延びている場合に比べて、外側傾斜面の径方向長さが短くなる。したがって、内圧上昇時に外側傾斜面の部分が変形しにくくなるため、圧力弁の膨張時および開口時の底板の変形高さをより確実に低減できる。
また、環状面が外側傾斜面よりも傾斜が緩やかであることにより、底板の高さを抑えることができると共に、外装ケースの容積を大きくできる。
なお、「外側傾斜面よりも傾斜が緩やか」とは、中央部に対する傾斜角度が外側傾斜面よりも小さいことを示しており、中央部と平行な場合を含む。
【0014】
本発明のコンデンサは、前記環状面における厚さが、一定または外周側ほど厚くなっていることが好ましい。
【0015】
この構成によると、環状面の外周端における厚みを厚くできるため、外装ケースの底板の外周部の強度を大きくできる。
【0016】
本発明のコンデンサは、前記圧力弁が、前記外底面に溝部を設けることで形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成によると、圧力弁は、外底面に溝部を設けることで形成されているため、内底面に溝部を設けて圧力弁を形成する場合に比べて、圧力弁を形成しやすい。
【0020】
本発明のコンデンサは、前記溝部が、前記底板の中央付近で複数の線状の溝部が交差または接する形状であることが好ましい。
【0021】
この構成によると、圧力弁の薄肉部は、外装ケースの底板の中央で交差する十字状に形成されているため、圧力弁開口時の底板の変形高さのバラツキを低減できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のコンデンサによると、外装ケースの底板は、圧力弁が形成された中央部よりも外周側の部分が、中央部に対して傾斜しているため、内圧上昇に伴う外装ケースの底板の変形を、底板全体ではなく、底板の中央部のみとすることができ、圧力弁の膨張時および開口時の底板の変形高さを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態に係るコンデンサの断面図である。
【
図3】
図1のコンデンサを外装ケースの底板側から見た図である。
【
図5】圧力弁が膨張したときのコンデンサの断面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態の外装ケースを底板側から見た図である。
【
図7】本発明の他の実施形態のコンデンサの断面図である。
【
図8】従来のコンデンサの断面図であって、(a)は底板が変形する前の状態を示し、(b)は圧力弁が膨張した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態は、電解コンデンサに本発明を適用した一例である。
図1に示すように、本実施形態の電解コンデンサ1は、コンデンサ素子4と、コンデンサ素子4を収納する外装ケース2と、外装ケース2の開口部を封口する封口体3とで構成される。
【0025】
図2に示すように、コンデンサ素子4は、陽極箔5と陰極箔6との間に、電解紙からなるセパレータ7を介在させて巻回し、巻き終わり部分に巻止めテープ9(
図1参照)を貼り付けることで作製されている。陽極箔5は、両面に酸化皮膜層を有するアルミニウム箔である。また、陽極箔5および陰極箔6にはそれぞれリードタブ8が接続されている。コンデンサ素子4は、図示しない電解液が含浸された状態で、外装ケース2に収納される。
【0026】
外装ケース2は、有底円筒状であって、例えばアルミニウム等の金属で形成されている。外装ケース2の開口部には封口体3が配置され、外装ケース2の開口端部は、カーリング加工により封口体3に食い込んでいる。この封口体3に設けられた一対の端子10に、コンデンサ素子4のリードタブ8が接続される。コンデンサ素子4は、外装ケース2の底板11に押し付けられた状態で固定されている。
【0027】
図1に示すように、外装ケース2の底板11は全体として外側に膨らんだ凸形状となっている。底板11の中央部11aは、外装ケース2の筒軸方向に直交している。なお、
図1は、
図3のI−I線断面図である。
【0028】
図3および
図4に示すように、中央部11aの外表面には、十字状の溝部13が形成されている。溝部13により形成された薄肉部によって圧力弁12が構成されている。十字状の溝部13は、外装ケース2の中央で交差しており、外装ケース2の中央から外周側端部までの長さが全て同じである。
【0029】
中央部11aの外表面と内表面は平行であって、中央部11aの最大厚さD1(中央部11aのうち溝部13以外の部分の厚さ)は略均一である(
図4参照)。
【0030】
また、底板11の外表面(外底面)は、中央部11aより外周側に、中央部11aから径方向に離れるほど外装ケース2の筒軸方向に関して開口部側に向かうように傾斜する外側傾斜面14を有する。また、底板11の内表面(内底面)は、外側傾斜面14に沿った環状の内側傾斜面15を有する。外側傾斜面14と内側傾斜面15によって、傾斜部11bが構成される。
【0031】
また、底板11の外表面は、外側傾斜面14の外周側に、中央部11aと平行な環状面16を有する。また、内側傾斜面15は、底板11の内表面の外周端まで延びている。そのため、環状面16における底板11の厚さは、外周側ほど厚くなっている。
【0032】
また、内側傾斜面15は、傾斜部11bの厚さが中央部11aから径方向に離れるほど厚くなるように、外側傾斜面14に対して若干傾斜している。傾斜部11bの最小厚さD2は、中央部11aの最大厚さD1よりも大きい(
図4参照)。なお、傾斜部11bの最小厚さD2とは、傾斜部11bの内周端における外側傾斜面14に垂直な方向の厚さである。
【0033】
外側傾斜面14および内側傾斜面15の中央部11aに対する傾斜角度は、3〜10°が好ましい。また、中央部11aの径は、底板11の径の30〜60%が好ましい。
【0034】
本実施形態によると、外装ケース2の底板11は、圧力弁12が形成された中央部11aの外周側に、中央部11aに対して傾斜する傾斜部11bを有する。中央部11aと傾斜部11bに作用する内圧の方向は異なるため、
図5に示すように、内圧上昇に伴う外装ケース2の底板11の変形を、底板11全体ではなく、底板11の中央部11aのみとすることができる。したがって、圧力弁12の膨張時および開口時の底板11の変形高さを低減できる。
【0035】
また、本実施形態では、底板11は、外側傾斜面14の外周側に環状面16を有するため、外側傾斜面14が底板11の外周端まで延びている場合に比べて、外側傾斜面14の径方向長さが短くなる。したがって、内圧上昇時に傾斜部11bが変形しにくくなるため、圧力弁12の膨張時および開口時の底板11の変形高さをより確実に低減できる。
また、環状面16が外側傾斜面14よりも傾斜が緩やかであることにより、底板11の高さを抑えることができると共に、外装ケース2の容積を大きくできる。
【0036】
また、本実施形態では、環状面16における厚さが、外周側ほど厚くなっており、環状面16の外周端における厚みが厚いため、外装ケース2の底板11の外周部の強度を大きくできる。
【0037】
また、本実施形態では、圧力弁12は、底板11の外表面に溝部13を設けることで形成されているため、底板11の内表面に溝部を設けて圧力弁を形成する場合に比べて、圧力弁を形成しやすい。
【0038】
また、本実施形態では、底板11の中央部11aの最大厚さが、傾斜部11bの最小厚さよりも小さいため、内圧上昇時に傾斜部11bが変形しにくくなる。したがって、圧力弁12の膨張時および開口時の底板11の変形高さをより確実に低減できる。
【0039】
また、本実施形態では、圧力弁12の薄肉部は、底板11の中央で交差する十字状に形成されているため、圧力弁開口時の底板11の変形高さのバラツキを低減できる。
【実施例】
【0040】
次に、本発明の効果について実施例と比較例を用いて説明する。
【0041】
実施例として、上述の実施形態で説明した外装ケース2を使用した。また、従来例として、
図8(a)に示す外装ケース92を使用した。この外装ケース92は、底板全体が平坦状であって、底板の外表面の中央部に、上記実施形態の外装ケース2と同様に、十字状の溝部94が形成されている。この溝部94を設けることで形成された薄肉部が、圧力弁93を構成している。
【0042】
実施例および従来例の外装ケース2、92について、内圧の急激な上昇に伴って圧力弁12、93が開口したときの底板の変形高さを調べるために、油圧試験機を用いて、外装ケース2、92の内側から圧力をかけて、オイル吐出量1〜1.5cc/秒で徐々に圧力を上昇させて圧力弁開口時の圧力(作動圧)と底板の変形高さを測定した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1からわかるように、実施例では、従来例と比較して、作動圧は同等を維持しながら、底板の急激な変形により圧力弁が開口したときの底板の変形高さを低減できる。
【0045】
次に、実施例および従来例の外装ケース2、92について、内圧の緩やかな上昇に伴って圧力弁12、93が開口したときの底板の変形高さを調べるために、実施例および従来例の外装ケース2、92を用いて、定格:450V、560μF、サイズ:φ35×50L(mm)の電解コンデンサを作製し、リプル電流を1000時間印加した後、底板の変形高さを測定した。その結果を表2に示す。なお、リプル電流を1000時間印加した時点で、実施例および従来例とも圧力弁は膨張している。
【0046】
【表2】
【0047】
表2からわかるように、実施例では、従来例と比較して、底板の緩やかな変形により圧力弁が膨張したときの底板の変形高さを低減できる。
【0048】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲内で様々な変更が可能である。
【0049】
上記実施形態では、圧力弁12は、十字状の溝部13によって形成されているが、圧力弁12を形成するための溝部の形状は、底板11の中央部11aに配置されていれば、十字状でなくてもよい。底板の中央付近で複数の線状の溝部が交差または接する形状であることが好ましい。例えば
図6(a)〜(c)に示す外装ケース102〜302の圧力弁112〜311のように、逆Y字状、K字状、逆ψ字状の溝部113〜313であってもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、内側傾斜面15は、傾斜部11bの厚さが中央部11aから離れるほど大きくなるように、外側傾斜面14に対して若干傾斜しているが、内側傾斜面15の傾斜角度はこれに限定されるものではない。
【0051】
例えば
図7(a)に示す外装ケース402のように、内側傾斜面415の傾斜角度が、上記実施形態の内側傾斜面15よりも急峻で、傾斜部411bの厚さが上記実施形態の傾斜部11bよりも大きくなっていてもよい。
【0052】
また例えば、
図7(b)に示す外装ケース502のように、外側傾斜面14と内側傾斜面515がほぼ平行であって、傾斜部511bの厚さD22が略均一であってもよい。この傾斜部511bの厚さD22は、中央部11aの最大厚さD1よりも大きい。
【0053】
また、上記実施形態では、内側傾斜面15は、底板11の内表面の外周端まで延びているが、例えば
図7(a)および
図7(b)に示す外装ケース402、502のように、内側傾斜面415、515の外周側に、内側傾斜面415、515と傾斜角度の異なる環状面417、517が形成されていてもよい。なお、
図7(a)に示す環状面417は、内側傾斜面415よりも傾斜が緩やかであって、環状面16とほぼ平行である。また、
図7(b)に示す環状面517は、内側傾斜面515よりも傾斜が急峻である。
【0054】
上記実施形態では、環状面16における厚さが、外周側ほど厚くなっているが、例えば
図7(a)に示すように、環状面16における厚さがほぼ一定であってもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、外側傾斜面14の外周側に環状面16を設けているが、環状面16を設けずに、外側傾斜面14が、底板11の外周端まで延びていてもよい。
【0056】
また、上記実施形態は、電解コンデンサに本発明を適用した一例であるが、本発明は、電気二重層コンデンサにも適用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 電解コンデンサ(コンデンサ)
2、102、202、302、402、502 外装ケース
3 封口体
4 コンデンサ素子
5 陽極箔
6 陰極箔
7 セパレータ
11 底板
11a 中央部
11b、411b、511b 傾斜部
12、112、212、312 圧力弁
13、113、213、313 溝部
14 外側傾斜面
15、415、515 内側傾斜面
16 環状面