(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。端末装置は、表示画面に対するスクロール操作が検出された場合、表示画面に格子状に定められた領域に含まれる基準位置からの距離を、領域の輪郭の部分毎に算出し、基準位置から遠い部分ほど移動開始が遅く基準位置の移動方向に移動するよう、領域を表示画面上で移動させる。
【0013】
これにより、端末装置及び表示プログラムは、表示画面に格子状に定められた領域毎に表示された画像を、表示画面のスクロール操作に応じて移動させる場合、その移動の速さをユーザに容易に認識させることができる。
【0014】
図1には、端末装置の構成例が、ブロック図により示されている。端末装置100は、検出部110と、記憶部120と、制御部130と、画像処理部140と、表示部150とを備える。
【0015】
検出部110は、表示部150の表示画面を透明な部材で覆うように備えられる。検出部110は、表示画面に対する操作、例えば、表示画面に格子状に定められた領域(パネル)に対する操作を検出する。検出部110は、領域に対する操作を、例えば、ユーザの指と表示画面との接触に基づいて検出する。検出部110は、操作に応じた信号を、制御部130に出力する。領域に対する操作には、例えば、領域を表示画面上で移動(スクロール)させるための操作(以下、「スクロール操作」という。)がある。
【0016】
記憶部120は、制御部130を動作させるためのプログラムを記憶する。また、記憶部120は、表示画面に格子状に定められた領域に表示される画像(例えば、写真画像)を示す情報を記憶する。
【0017】
制御部130は、例えば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部130は、記憶部120に記憶されたプログラムに基づいて動作してもよい。制御部130には、操作に応じた信号が、検出部110から入力される。以下では、操作に応じた信号は、一例として、スクロール操作に応じた信号であるものとして説明を続ける。
【0018】
制御部130は、操作に応じた信号が入力された場合、表示画面に格子状に定められた領域に含まれる基準位置からの距離を、その領域の輪郭の部分毎に算出する。以下、基準位置は、領域の輪郭が変形していない状態では、その領域の中心に定められているものとして説明を続ける。制御部130は、基準位置から遠い輪郭の部分ほど移動開始が遅く基準位置の移動方向に移動するよう、その領域を表示画面上で移動させるように、画像処理部140を制御する。
【0019】
制御部130は、領域の輪郭の部分毎に算出された基準位置からの距離が所定閾値(上限値)以上とならないように、領域の輪郭を変形させる。領域の輪郭が変形された結果、その領域と他の領域とは、一部が重なってもよい。変形の詳細については、
図5、
図6、
図8及び
図9を用いて後述する。
【0020】
画像処理部140は、表示画面に格子状に定められた領域を表す画像と、各種の画像(例えば、時刻を示す画像、文字列を示す画像、写真画像)とを、制御部130による制御に基づいて生成する。また、画像処理部140は、アイコン画像を、制御部130による制御に基づいて生成してもよい。画像処理部140は、表示画面に格子状に定められた領域を表す画像を示す情報を、表示部150に出力する。また、画像処理部140は、生成した画像を示す情報を、表示画面に格子状に定められた領域毎に、表示部150に出力する。
【0021】
表示部150は、画像処理部140により生成された領域を表す画像を、表示画面に表示する。また、表示部150は、画像処理部140により生成された各種の画像を、その領域毎に表示画面に表示する。
【0022】
次に、領域の輪郭の変形例について説明する。領域の輪郭については、例えば、輪郭の数百箇所の部分毎に、当該部分と基準位置との距離が算出されてもよい。以下では、説明を簡便にするために、領域の輪郭は、輪郭の16箇所の部分毎に、当該部分と基準位置との距離が算出されるものとして説明を続ける。なお、各図において、基準位置を示す黒丸印と、領域の輪郭の部分を示す白丸印と、距離を示す矢印とは、いずれも説明のため図に描かれた印であり、表示部150の表示画面には表示されないものとする。
【0023】
図2には、第1領域の形状の例が示されている。第1領域200の輪郭は、部分220−1〜220−16の位置により定まるものとする。第1領域200が表示画面上を移動していない初期状態では、第1基準位置210は、第1領域200の中心に定められている。第1基準位置210からの距離は、当該部分毎に、制御部130により算出される。
【0024】
図3には、第2領域の形状の例が示されている。第2領域300の輪郭は、部分320−1〜320−16の位置により定まるものとする。第2領域300が表示画面上を移動していない初期状態では、第2基準位置310は、第2領域300の中心に定められている。第2基準位置310からの距離は、当該部分毎に、制御部130により算出される。
【0025】
図4には、各領域の表示例が示されている。表示部150の表示画面には、複数の領域が、格子状に表示される。これら複数の領域には、各種の画像が、それぞれ表示されていてもよい。これら複数の領域の一つとして、第1領域200は、表示部150の表示画面に表示される。同様に、第2領域300は、表示部150の表示画面に表示される。スクロール操作が検出された場合、各領域は、輪郭を変形させながら、表示画面上を同じ方向に移動(スクロール)する。
【0026】
図5には、変形された第1領域の第1例が示されている。第1基準位置210は、操作に応じた信号に基づく移動方向に、操作に応じた信号に基づく移動速度で、初期状態での表示画面上の位置(
図4を参照)から移動したとする。
図5では、部分220−4〜220−14から離れる方向に第1基準位置210が移動したため、部分220−4〜220−14は、第1基準位置210の移動方向に、未だ移動していない。一方、部分220−1〜220−3、220−15及び220−16に近づく方向に第1基準位置210が移動したため、部分220−1〜220−3、220−15及び220−16は、第1基準位置210の移動方向に移動している。この結果、第1領域200は、変形される。ここで、第1基準位置210からの距離が遠い部分ほど、移動開始が遅く移動している。
【0027】
図6には、変形された第2領域の第1例が示されている。第2基準位置310は、操作に応じた信号に基づく移動方向に、操作に応じた信号に基づく移動速度で、初期状態での表示画面上の位置(
図4を参照)から移動したとする。
図6では、部分320−4〜320−14から離れる方向に第2基準位置310が移動したため、部分320−4〜320−14は、第2基準位置310の移動方向に、未だ移動していない。一方、部分320−1〜320−3、320−15及び320−16に近づく方向に第2基準位置310が移動したため、部分320−1〜320−3、320−15及び320−16は、第2基準位置310の移動方向に移動している。この結果、第2領域300は、変形される。ここで、第2基準位置310からの距離が遠い部分ほど、移動開始が遅く移動している。
【0028】
図7には、第1例(
図5及び
図6を参照)に示すように変形された各領域の表示例が示されている。
図4に示された各領域の表示例に対して、
図7では、各領域は、輪郭を変形させながら、表示画面上を同じ方向に移動(スクロール)している。第1例(
図5を参照)に示すように変形された第1領域200は、第1基準位置210(
図5を参照)の移動方向に移動した状態で、表示部150の表示画面に表示される。同様に、第1例(
図6を参照)に示すように変形された第2領域300は、第2基準位置310(
図6を参照)の移動方向に移動した状態で、表示部150の表示画面に表示される。
【0029】
図8には、変形された第1領域の第2例が示されている。第1基準位置210は、操作に応じた信号に基づく移動方向に、操作に応じた信号に基づく移動速度で、変形された第1領域200の第1例での表示画面上の位置(
図7を参照)から移動したとする。
図8では、部分220−4〜220−14から離れる方向に第1基準位置210が移動し、部分220−4〜220−14も、第1基準位置210の移動方向に移動している。一方、部分220−1〜220−3、220−15及び220−16に近づく方向に第1基準位置210が移動し、部分220−1〜220−3、220−15及び220−16も、第1基準位置210の移動方向に移動している。ここで、第1基準位置210からの距離が遠い部分ほど、移動開始が遅く移動している。この結果、第1領域200は、当該部分毎に算出された距離が閾値以上とならない範囲で、更に変形される。
【0030】
図9には、変形された第2領域の第2例が示されている。第2基準位置310は、操作に応じた信号に基づく移動方向に、操作に応じた信号に基づく移動速度で、変形された第2領域300の第1例での表示画面上の位置(
図7を参照)から移動したとする。
図9では、部分320−4〜320−14から離れる方向に第2基準位置310が移動し、部分320−4〜320−14も、第2基準位置310の移動方向に移動している。一方、部分320−1〜320−3、320−15及び320−16に近づく方向に第2基準位置310が移動し、部分320−1〜320−3、320−15及び320−16も、第2基準位置310の移動方向に移動している。ここで、第2基準位置310からの距離が遠い部分ほど、移動開始が遅く移動している。この結果、第2領域300は、当該部分毎に算出された距離が閾値以上とならない範囲で、更に変形される。
【0031】
図10には、第2例(
図8及び
図9を参照)に示すように変形された各領域の表示例が示されている。
図7に示された各領域の表示例に対して、
図10では、各領域は、輪郭を更に変形させながら、表示画面上を同じ方向に移動(スクロール)している。第2例(
図8を参照)に示すように更に変形された第1領域200は、第1基準位置210(
図8を参照)の移動方向に更に移動した状態で、表示部150の表示画面に表示される。同様に、第2例(
図9を参照)に示すように更に変形された第2領域300は、第2基準位置310(
図9を参照)の移動方向に更に移動した状態で、表示部150の表示画面に表示される。
【0032】
次に、端末装置の動作手順例を説明する。
図11は、端末装置の動作手順例を示すフローチャートである。この動作手順は、所定の周期で実行されてもよい。
【0033】
(ステップS1)制御部130(
図1を参照)は、操作に応じた信号が入力されたか否か、すなわち、スクロール操作を検出部110が検出したか否かを判定する。操作に応じた信号が入力された場合(ステップS1:Yes)、制御部130は、ステップS2に処理を進める。一方、操作に応じた信号が入力されていない場合(ステップS1:No)、制御部130は、操作に応じた信号に基づく処理を終了する。
【0034】
(ステップS2)制御部130は、領域の輪郭の部分(例えば、
図2に示す部分220−1〜220−16の当該部分)毎に、基準位置(例えば、
図2に示す第1基準位置210)からの距離を算出する。なお、算出された距離を示す情報は、記憶部120(
図1を参照)に記憶されてもよい。
【0035】
(ステップS3)制御部130は、基準位置から遠い部分ほど移動開始が遅く当該基準位置の移動方向に移動するよう、領域を移動させるように、画像処理部140を制御する。そして、制御部130は、ステップS1に処理を戻す。
【0036】
以上のように、端末装置100(
図1を参照)は、表示画面に格子状に定められた領域を表示する表示部150と、前記領域を前記表示画面上で移動させるための操作を検出する検出部110と、前記操作が検出された場合、前記領域に含まれる基準位置からの距離を、前記領域の輪郭の部分毎に算出し、前記基準位置から遠い前記部分ほど移動開始が遅く前記基準位置の移動方向に移動するよう、前記領域を前記表示画面上で移動させる制御部130と、を備える。
【0037】
また、表示プログラムは、コンピュータに、表示画面に格子状に定められた領域を表示する手順と、前記領域を前記表示画面上で移動させるための操作を検出する手順と、前記操作が検出された場合、前記領域に含まれる基準位置からの距離を、前記領域の輪郭の部分毎に算出し、前記基準位置から遠い前記部分ほど移動開始が遅く前記基準位置の移動方向に移動するよう、前記領域を前記表示画面上で移動させる手順と、を実行させる。
【0038】
この構成により、制御部130は、前記操作が検出された場合、前記領域に含まれる基準位置からの距離を、前記領域の輪郭の部分毎に算出し、前記基準位置から遠い前記部分ほど移動開始が遅く前記基準位置の移動方向に移動するよう、前記領域を前記表示画面上で移動させる。これにより、端末装置及び表示プログラムは、表示画面に格子状に定められた領域毎に表示された画像を、表示画面のスクロール操作に応じて移動させる場合、その移動の速さをユーザに容易に認識させることができる。また、端末装置及び表示プログラムは、表示画面に格子状に定められた領域毎に表示された画像を、表示画面のスクロール操作に応じて移動させる場合、その移動の向きをユーザに容易に認識させることができる。
【0039】
また、制御部130は、前記基準位置(例えば、
図2に示す第1基準位置210)としての前記領域の中心からの距離を、前記部分(例えば、
図2に示す部分220−1〜220−16の当該部分)毎に算出してもよい。
また、制御部130は、前記部分毎に算出された前記距離が閾値以上とならないように、領域の輪郭を変形させてもよい。
【0040】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0041】
なお、上記に説明した端末装置を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、実行処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
【0042】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0043】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。