【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の実施例1の機器監視システムの構成の概略を示すブロック図である。
【0010】
本実施例の機器監視システムは、ネットワークに接続された制御装置105、家電製品106及び適正動作監視装置107を有する。
【0011】
制御装置105は、家電製品106を制御するための制御情報を送信する装置である。これは、HEMSにおけるエネルギー制御装置、すなわち、家電製品106の電源のON/OFFのようなエネルギー制御のための制御情報を送信するものであってもよいが、さらに、エネルギー以外の項目の制御のための制御情報を送信してもよい。送信される制御情報のフォーマットについては後述する(
図5参照)。
【0012】
家電製品106は、例えば空調装置(エアコン)、テレビ受像機(TV)、冷蔵庫、パーソナルコンピュータ(PC)、電子レンジ又は照明器具といった、いわゆる家電製品である。家電製品106は、制御装置105による制御の対象であり、かつ、適正動作監視装置107による監視の対象である。
図1には一つの家電製品106のみを示すが、実際には複数の家電製品106がネットワークに接続され、制御装置105によって制御され、適正動作監視装置107によって監視されてもよい。
【0013】
また、本実施例では制御及び監視の対象の一例として家電製品106を示したが、本発明は家電製品を含むあらゆる電気機器に適用することができる。ここで、本発明を適用できる電気機器は、電気的に制御可能な機器であれば、電力以外のエネルギーを利用する機器(例えば電子制御された石油ヒータ等)であってもよい。家電製品106の構成及び動作の詳細については後述する。
【0014】
適正動作監視装置107は、家電製品106がこれから行おうとする動作が適正であるか否かを判定する。その構成及び動作の詳細については後述する。
【0015】
制御装置105、家電製品106及び適正動作監視装置107が接続されるネットワークは、例えば、レイヤ2スイッチ(L2SW)104及びホームルータ103を有するIP(Internet Protocol)ネットワークである。
【0016】
L2SW104は、複数のポート117を有し、OSI参照モデルの第2層(レイヤ2)のデータに基づいて、各ポート117が受信したデータを転送する。
図1の例では、複数のポート117のそれぞれがホームルータ103、制御装置105、家電製品106及び適正動作監視装置107に接続される。
図1には一つのL2SW104のみを示すが、実際には複数のL2SW104が使用されてもよい。
【0017】
ホームルータ103は、OSI参照モデルの第2層のデータに基づいて、受信したデータを転送する。ホームルータ103はインターネット102に接続される。インターネット102には、無線又は有線の通信チャネルを経由して、端末装置101が接続される。端末装置101は、例えば携帯電話又はタブレット端末のほか、一般的なPC等、インターネット102を経由して制御装置105に接続できる端末である限り、いかなるものであってもよい。端末装置101、制御装置105、家電製品106及び適正動作監視装置107の間でやり取りされる情報の流れについては後述する。
【0018】
ホームルータ103、L2SW104、制御装置105、家電製品106及び適正動作監視装置107には、電力測定装置/分電盤108を経由して、電源109から電力が供給される。電源109は、電力会社のほか、各家庭に設置された太陽光発電装置又は蓄電池等を含んでもよい。
【0019】
次に、本実施形態の機器監視システムを構成する各部のハードウェア構成を説明する。
【0020】
端末装置101、ホームルータ103、L2SW104及び電力測定装置/分電盤108のハードウェア構成は、従来のものと同様であってよいため、説明を省略する。また、制御装置105のハードウェア構成は、HEMSにおけるエネルギー制御装置と同様であってよいため、説明を省略する。
【0021】
図2は、本発明の実施例1の適正動作監視装置107のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0022】
本実施形態の適正動作監視装置107は、相互に接続されたCPU201、LAN(Local Area Network)インターフェース202、適正判断部203、ユーザ設定適正指標テーブル204、制御情報格納部205及びログ/履歴保存メモリ206を有する。CPU201は、CPU201に接続されたメモリに格納されたプログラムに従って、必要に応じて適正動作監視装置107の各部を制御することによって、種々の機能を実現するプロセッサである。LANインターフェース202は、L2SW104のポート117に接続され、適正動作監視装置107と家電製品106等との通信を実現する。
【0023】
適正判断部203は、後述する適正判断処理を実行する(
図8参照)。適正判断部203は、専用の論理回路によって実現されてもよいし、CPU201によって実行されるプログラムを保持するメモリによって実現されてもよい。
【0024】
ユーザ設定適正指標テーブル204は、後述するように(
図7参照)、適正判断部203が適正判断処理を実行する際に参照する情報を含む。制御情報格納部205は、適正動作監視装置107が受信した制御情報を格納する。ログ/履歴保存メモリ206は、適正判断部203が実行した適正判断処理の結果のログ/履歴情報を保存する。
【0025】
適正判断部203、ユーザ設定適正指標テーブル204、制御情報格納部205及びログ/履歴保存メモリ206は、それぞれを保持する複数のメモリデバイスによって実現されてもよいし、それらの全てを保持する単一のメモリデバイスによって実現されてもよい。
【0026】
図3は、本発明の実施例1の家電製品106のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0027】
本実施形態の家電製品106は、相互に接続されたCPU301、LANインターフェース302、情報元判断/転送部303、家電製品制御部304、適正動作監視装置107のIPアドレス305及び制御情報格納部306を有する。CPU301は、CPU301に接続されたメモリに格納されたプログラムに従って、必要に応じて家電製品106の各部を制御することによって、種々の機能を実現するプロセッサである。LANインターフェース302は、L2SW104のポート117に接続され、家電製品106と適正動作監視装置107又は制御装置105等との通信を実現する。
【0028】
情報元判断/転送部303は、後述するように(
図6参照)、適正動作監視装置107のIPアドレス305を参照して、受信した制御情報の送信元を判断し、その結果に応じて制御情報を転送する。家電製品制御部304は、情報元判断/転送部303から転送された制御情報に従って家電製品106を制御する。情報元判断/転送部303及び家電製品制御部304は、それぞれ、専用の論理回路によって実現されてもよいし、CPU201によって実行されるプログラムを保持するメモリによって実現されてもよい。
【0029】
制御情報格納部306は、家電製品106が受信した制御情報を格納する。情報元判断/転送部303、家電製品制御部304、適正動作監視装置107のIPアドレス305及び制御情報格納部306は、それぞれを保持する複数のメモリデバイスによって実現されてもよいし、それらの全てを保持する単一のメモリデバイスによって実現されてもよい。
【0030】
図4は、本発明の実施例1の機器監視システムにおいて実行される適正動作監視処理のシーケンス図である。
【0031】
端末装置101は、インターネット102、ホームルータ103及びL2SW104を経由して制御装置105にアクセスしてリモートログインし(ステップ110)、L2SW104に接続された家電製品106に対して制御情報を送信するように制御装置105に指示する。制御装置105は、端末装置101からの指示に従って、家電製品106に対して制御情報を送信する(ステップ111)。送信される制御情報のフォーマットについては後述する(
図5参照)。
【0032】
家電製品106は、制御装置105から送信された制御情報をL2SW104に接続された適正動作監視装置107に送信する(ステップ112)。このときに家電製品106が実行する処理の詳細については後述する(
図6参照)。適正動作監視装置107は、受信した制御情報が予め設定された指標に適合しているか否かの判断(適性判断)を実行する(ステップ401)ことによって、制御装置105から送信された制御情報が適正なものかを判断する。ステップ401における適正判断の詳細については後述する(
図7及び
図8参照)。
【0033】
ステップ401の判断の結果が適正であれば、適正動作監視装置107は、家電製品106に適性判断結果を送信する(ステップ113)。ここで送信される適正判断結果は、適正動作監視装置107が受信した制御情報の内容を含む。一方、ステップ401の判断の結果が不適正であれば、適正動作監視装置107は、ステップ113を実行せず、L2SW104に対してシャットダウン命令送信する(ステップ114)。シャットダウン命令を受信したL2SW104は、制御装置105が接続されているポート117をシャットダウンし、制御装置105とそれ以外との通信を全て遮断する。さらに、適正動作監視装置107は、端末装置101に適性判断結果を送信する(ステップ115)。この適正判断結果は、端末装置101によって指示された家電製品106の制御が不適正であると判断されたことを示す情報を含む。
【0034】
制御装置105が不適正な制御情報を送信する原因として、家電製品106の正当なユーザが誤った操作を行おうとしたことのほか、正当なユーザ以外のものが制御装置105に不正にアクセスして操作を行おうとしたこと、又は、制御装置105がウィルス感染等によって暴走したこと等があり得る。このように、制御装置105自体に問題がある可能性もあるため、上記のように、制御情報が不適正であると判断された場合に、制御装置105が接続されたポート117をシャットダウンすることによって、それ以降の制御装置105からの制御情報から家電製品106が保護される。
【0035】
制御情報が不適正である場合、適正判断結果が端末装置101に送信されるため、端末装置101のユーザは、不適正な操作が行われようとしたことをすぐに知ることができる。ユーザは、不適正な制御情報の原因を特定し、それが解消されたことを確認した場合に、ポート117のシャットダウンを解除することができる。
【0036】
適正動作監視装置107のメモリは、制御装置105の識別情報(例えばIPアドレス又はMACアドレス等)、又は、制御装置105が接続されたL2SW104のポート117の識別情報を保持し、ステップ114においてその識別情報をL2SW104に送信してもよい。さらに、適正動作監視装置107のメモリ(例えばユーザ設定適正指標テーブル204)は、家電製品106を管理するユーザが使用する端末装置101の識別情報(例えばIPアドレス、電話番号又は電子メールアドレス等)を保持し、ステップ115においてその識別情報を宛先として適正判断結果を送信してもよい。これによって、不正なユーザが家電製品106を操作しようとした場合であっても、正当な管理者に適正判断結果が送信される。
【0037】
あるいは、適正動作監視装置107が受信する制御情報が、制御装置105が接続されたL2SW104のポート117の識別情報及び制御情報の送信元の端末装置101の識別情報を含んでもよい。その例については
図5を参照して後述する。
【0038】
図5は、本発明の実施例1の機器監視システムにおいて送受信される制御情報のフォーマットの説明図である。
【0039】
制御情報は、IPヘッダ501、操作パラメータ部502及びユーザ設定部503からなる。IPヘッダ501は、制御情報の送信元である家電製品106又は制御装置105を識別する。本実施形態では、家電製品106等を識別する情報としてIPアドレスが使用される例を示す。例えば、ステップ111において送信される制御情報のIPヘッダ501は、送信元である制御装置105のIPアドレスを含み、ステップ112において送信される制御情報のIPヘッダ501は、送信元である家電製品106のIPアドレスを含む。ただし、制御情報の送信元を識別する情報として、IPアドレス以外の情報(例えばMAC(Media Access Control)アドレス等)が使用されてもよい。
【0040】
操作パラメータ部502は家電製品106の制御の操作内容を識別する。ユーザ設定部503は家電製品106の制御の設定値を識別する。
【0041】
ステップ113において送信される適正判断結果(すなわち制御情報)のフォーマットも、
図5に示したものと同様であってよい。ただし、そのIPヘッダ501は、送信元である適正動作監視装置107のIPアドレス305を含む。
【0042】
なお、ステップ111において送信される制御情報は、さらに、家電製品106の制御を指示した端末装置101の識別情報(例えばIPアドレス、電話番号又は電子メールアドレス等)を含んでもよく、ステップ112において送信される制御情報は、さらに、上記の端末装置101の識別情報、及び、制御装置105の識別情報を含んでもよい。その場合、適正動作監視装置107は、受信した制御情報に含まれる端末装置101の識別情報を用いて適正判断結果を送信し(ステップ115)、受信した制御情報に含まれる制御装置105の識別情報を指定したシャットダウン命令をL2SW104に送信する(ステップ114)ことができる。
【0043】
図6は、本発明の実施例1の家電製品106が制御情報を受信したときに情報元判断/転送部303が実行する転送処理のフローチャートである。
【0044】
家電製品106が制御情報を受信すると(ステップ601)、情報元判断/転送部303は、受信した制御情報のIPヘッダ501から送信元IPアドレスを取得し(ステップ602)、そのIPアドレスが適正動作監視装置107のIPアドレス305と同一であるか否かを判定する(ステップ603)。
【0045】
取得した送信元IPアドレスが適正動作監視装置107のIPアドレス305と同一でない場合、家電製品106が受信した制御情報は、適正動作監視装置107から送信されたものでない(例えば
図4のステップ111において送信されたものである)ため、情報元判断/転送部303は、受信した制御情報のIPヘッダ501に含まれる送信元IPアドレスを家電製品106のIPアドレスに変更して、その制御情報を適正動作監視装置107に送信する(ステップ604)。
【0046】
取得した送信元IPアドレスが適正動作監視装置107のIPアドレス305と同一である場合、家電製品106が受信した制御情報は、適正動作監視装置107から送信されたものである(例えば
図4のステップ113において送信された適正判断結果である)ため、情報元判断/転送部303は、受信した制御情報を家電製品制御部304に送る(ステップ605)。
【0047】
図7は、本発明の実施例1の適正動作監視装置107が適性判断処理を実行する際に参照するユーザ設定適正指標テーブル204の説明図である。
【0048】
ユーザ設定適正指標テーブル204は、適性判断処理を実行するための要素として、監視対象の家電製品106の種別を示す家電製品701、家電製品のIPアドレス702、操作パラメータ703及びユーザ設定情報704を含む。
【0049】
家電製品701は、監視対象の家電製品106の名称であり、種別を示す情報を含んでもよい。
図1には一つの家電製品106のみを示しているが、
図7には、複数のリモート制御可能な家電製品106が存在し、それらがユーザ設定適正指標テーブル204に登録される例を示す。家電製品のIPアドレス702は、各家電製品106を識別するIPアドレスであり、適正動作監視装置107が受信した制御情報の送信元の家電製品106を判別するために使用される。
【0050】
操作パラメータ703は、適正か否かの判断の対象となる制御情報の項目を示し、ユーザ設定情報704は制御情報が適正か否かを判断する指標を示す。
【0051】
各家電製品106のユーザは、各家電製品106を使用することに起因する消費電力の抑制、危険性の抑制又は利便性・快適性の確保等を目的として、各家電製品106に対する操作の項目及びその操作に起因する動作が適正であるか否かを判断する指標を決定し、それらを操作パラメータ703及びユーザ設定情報704として設定することができる。
【0052】
例えば、
図7に示すユーザ設定適正指標テーブル204には、冷蔵庫の操作パラメータ703として「温度調整」及び「電源ON/OFF」が登録され、それらに対応するユーザ設定情報704として、それぞれ「0〜5」及び「NG」が登録されている。この場合、冷蔵庫の温度を0度から5度までの範囲内に設定する制御情報は適正であり、冷蔵庫の温度を0度から5度までの範囲外に設定する制御情報及び冷蔵庫の電源をON又はOFFする制御情報は不適正であることを意味する。
【0053】
図8は、本発明の実施例1の適正動作監視装置107が実行する適性判断処理のフローチャートである。
【0054】
適正動作監視装置107が制御情報を受信すると(ステップ801)、適正判断部203は、制御情報のIPヘッダ501から送信元のIPアドレスを取得する(ステップ802)。次に、適正動作監視装置107は、取得したIPアドレスがユーザ設定適正指標テーブル204の家電製品のIPアドレス702に登録されているか否かを判定する(ステップ803)。
【0055】
ユーザ設定適正指標テーブル204に該当するIPアドレスが登録されていない場合、その制御情報を送信した家電製品106は、適正動作監視装置107による監視の対象ではない。このため、適正動作監視装置107は、端末装置101に適性判断結果を送信する(ステップ806)。一方、ユーザ設定適正指標テーブル204に該当するIPアドレスが登録されている場合、適正判断部203は、制御情報に含まれる操作パラメータ部502及びユーザ設定部503の内容を取得し(ステップ804)、それらを該当するIPアドレスに対応する操作パラメータ703及びユーザ設定情報704の内容と比較して、制御情報が適正であるか否かを判断する(ステップ805)。
【0056】
例えば、家電製品106が冷蔵庫であり、その識別情報(本実施例ではIPアドレス)が「192.168.100.4」であり、その冷蔵庫から温度を0度から5度までの範囲内に設定する制御情報が送信された場合には、当該制御情報が適正であると判断され、電源をON又はOFFする制御情報が送信された場合には、当該制御情報が不適正であると判断される(
図7参照)。
【0057】
ステップ805において制御情報が適正であると判断した場合、適正動作監視装置107は、家電製品106に適性判断結果を送信する(ステップ807)。これは、
図4のステップ113に相当する。具体的には、適正動作監視装置107は、受信した制御情報のIPヘッダ501に含まれる送信元IPアドレスを適正動作監視装置107のIPアドレスに変更して、変更後の制御情報を、受信した制御情報の送信元である家電製品106に送信する。
【0058】
ステップ805において制御情報が不適正であると判断した場合、適正動作監視装置107は、端末装置101に適性判断結果を送信する(ステップ806)。これは、
図4のステップ115に相当する。なお、
図4を参照して説明したように、適正動作監視装置107は、制御情報が不適正であると判断した場合、さらにポート117のシャットダウン命令をL2SW104に送信する(ステップ114)。
【0059】
以上の実施例1では、家電製品106が制御装置105から送信された制御情報を受信する例を示したが、それ以外の方法で家電製品106が制御される場合にも本発明を適用することができる。例えば、端末装置101が
図5に示すような制御情報を家電製品106に直接送信してもよい。その場合も、家電製品106は受信した制御情報を適正動作監視装置107に送信する。あるいは、家電製品106の本体のボタン等の入力部(図示省略)又は家電製品106専用のリモートコントロール装置(図示省略)等を用いて家電製品106が操作された(言い換えると、入力装置又はリモートコントロール装置から制御情報が入力された)場合、家電製品106は、行われた操作を示す制御情報(
図5参照)を適正動作監視装置107に送信する。いずれの場合も、家電製品106は、適正動作監視装置107から受信した適正判断結果(ステップ113)に従って動作する。
【0060】
以上の本発明の実施例1によれば、家電製品106(すなわち制御される側の電気機器)とそれを制御する装置類(制御する側、実施例1では制御装置105)と、からなるシステムにおいて、それらとは別の第三者的な視点を持った装置又はシステム(実施例1では適正動作監視装置107)が、その制御内容が適正かどうかを判断する。また、その適正判断結果が不適正である場合、適正動作監視装置107は、制御装置105に接続されたLANポートをシャットダウンしつつ、リモートにいるユーザに対してその不適正な内容をメールなどの通信手段によって通知する。
【0061】
これによって、例えばHEMS技術を利用して端末装置101からインターネット102を経由した制御が行われる場合において、インターネット102のセキュリティ脅威に関係なく、制御装置105からの制御情報が正常かどうかを判断して、家電製品106が適正な動作を行うことが可能となる。
【0062】
また、本実施例は、HEMSに限らず、ホームネットワークシステムなどのリモートで家電製品106の制御を行うシステムであれば適用可能であり、さらに応用することで、たとえば、インターネットにおけるリモート制御に拘らず、子供又は老人などが家電製品を誤って操作して、家電製品が暴走してしまうのを防止させるシステムなどさまざまな場面に応用することができる。
【実施例2】
【0063】
以下、本発明の実施例2を、図面を使用して説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例2の機器監視システムの各部は、
図1等に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0064】
図9は、本発明の実施例2の機器監視システムの構成の概略を示すブロック図である。
【0065】
実施例2の機器監視システムの構成は、制御装置105の代わりに、インターネット102に接続された管理サーバ901を有することと、L2SW104及び適正動作監視装置107の代わりにL2SWと一体化された適正動作監視装置902を有することと、を除いて、実施例1の機器監視システムの構成と同様である。
【0066】
実施例1では、家電製品106が接続されているものと同一のL2SW104に接続された制御装置105が家電製品106に制御情報を送信したが、実施例2では、管理サーバ901が、端末装置101からの指示に従って家電製品106に制御情報を送信する。
【0067】
適正動作監視装置902は、複数のポート903等のL2SWに必要とされるハードウェア、及び、そのハードウェアを制御してL2SWとしての機能を実現するためのソフトウェアが追加されていることを除いて、実施例1の適正動作監視装置107(
図2、
図7等参照)と同様であるため、その構成についての詳細な説明は省略する。
【0068】
図10は、本発明の実施例2の機器監視システムにおいて実行される適正動作監視処理のシーケンス図である。
【0069】
図10に示すステップ110〜113及び115は、端末装置101がインターネット102を介して管理サーバ901にリモートログインすること(ステップ110)、管理サーバ901からの制御情報がインターネット102、ホームルータ103及び適正動作監視装置902を経由して家電製品106に到達すること(ステップ111)、及び、家電製品106又は端末装置101と適正動作監視装置902との情報の送受信がL2SW104を経由せずに行われること(ステップ112、113、115)を除いて、実施例1のステップ110〜113及び115と同様である。
【0070】
図10のステップ401における適正判断処理は、実施例1において実行されるものと同様である(
図8参照)。適正判断処理の結果が不適正である場合、適正動作監視装置902は、制御装置に接続されたポートのシャットダウン命令をL2SWに送信する(ステップ114)代わりに、家電製品106に接続された適正動作監視装置902自身のポート903をシャットダウンする(ステップ116)。
【0071】
以上の本発明の実施例2によれば、実施例1と同様の効果に加えて、次の効果が得られる。すなわち、実施例1では適正判断処理の結果が不適正である場合に、適正動作監視装置107がL2SW104と連携してポート117をシャットダウンする必要があるが、実施例2では、適正動作監視装置902が、家電製品106に接続されている自身のポート903をシャットダウンすることで、家電製品106と外部との通信を遮断することが可能となる。これによって、実施例1において制御装置105に接続されたポート117をシャットダウンした場合と同様の効果が得られる。
【0072】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0073】
例えば、
図1に示す機器監視システムのL2SW104及び適正動作監視装置107を、
図9に示す適正動作監視装置902によって置き換えることができる。この場合、適正動作監視装置902のいずれかのポート903に制御装置105が接続される。そして、適正動作監視装置902は、適正判断処理(ステップ401)を行って制御情報が不適正であると判断した場合、制御装置105に接続されたポート903をシャットダウンする。
【0074】
あるいは、
図9に示す機器監視システムの適正動作監視装置902を、
図1に示すL2SW104及び適正動作監視装置107によって置き換えることができる。この場合、適正動作監視装置107は、適正判断処理(ステップ401)を行って制御情報が不適正であると判断した場合、家電製品106に接続されたポート117のシャットダウン命令をL2SW104に送信する。
【0075】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0076】
また、図面には、実施形態を説明するために必要と考えられる制御線及び情報線を示しており、必ずしも、本発明が適用された実際の製品に含まれる全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。