特許第6031395号(P6031395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031395
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】荷重センサを用いる乗員判定装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/015 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
   B60R21/015
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-71477(P2013-71477)
(22)【出願日】2013年3月29日
(65)【公開番号】特開2014-193705(P2014-193705A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】細川 俊夫
(72)【発明者】
【氏名】村松 雄介
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 幹人
【審査官】 三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−162196(JP,A)
【文献】 特開2003−240628(JP,A)
【文献】 特開2001−074541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/015
B60R 21/16 − 21/33
B60N 2/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の座席に着座する乗員の荷重を検出する荷重センサ(3)と、
信号としての荷重(W)を所定の荷重しきい値(Wth1〜Wth4)に基づいて分別し複数のクラス(C)として格納したものの一つとすることにより前記乗員の有無及び体格を判定する判定手段(4)と、
を備える荷重センサを用いる乗員判定装置において、
前記判定手段(4)は、
現状の前記クラスとその荷重大側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値以上の荷重がしきい値時間持続して入力するか、又は現状の前記クラスとその荷重小側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値より小さい荷重が前記しきい値時間持続して入力するときに、現状の前記クラスをそれに隣接する前記クラスにクラス遷移させ
前記クラス遷移する際のしきい値時間は、遷移する先のクラスが所定の基準のクラスから離れるにつれて、長くなるように設定されることを特徴とする荷重センサを備える乗員判定装置。
【請求項2】
前記基準のクラスは、乗員乗車時に初期判定されたクラスであることを特徴とする請求項1に記載の荷重センサを備える乗員判定装置。
【請求項3】
前記基準のクラスは、前記判定手段(4)に入力される車速センサ(5)からの車速信号が所定値に達したときのクラスであることを特徴とする請求項1に記載の荷重センサを備える乗員判定装置。
【請求項4】
車両の座席に着座する乗員の荷重を検出する荷重センサ(3)と、
信号としての荷重(W)を所定の荷重しきい値(Wth1〜Wth4)に基づいて分別し複数のクラス(C)として格納したものの一つとすることにより前記乗員の有無及び体格を判定する判定手段(4)と、
を備える荷重センサを用いる乗員判定装置において、
前記判定手段(4)は、
現状の前記クラスとその荷重大側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値以上の荷重がしきい値時間持続して入力するか、又は現状の前記クラスとその荷重小側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値より小さい荷重が前記しきい値時間持続して入力するときに、現状の前記クラスをそれに隣接する前記クラスにクラス遷移させ
前記クラス遷移する際、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth4)は、エアバッグを展開させないクラスからエアバッグを展開させるクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth2)よりも長い時間に設定され、エアバッグを展開させるクラス相互間のクラス遷移のためのしきい値時間(Tth3、Tth5、Tth6、Tth7)は、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth4)よりも長い時間に設定されることを特徴とする荷重センサを備える乗員判定装置。
【請求項5】
前記クラス遷移する際、エアバッグを展開させるクラスとエアバッグを展開させないクラスとの間のしきい値(Wth2)を跨ぐクラス遷移のしきい値時間(Tth2、Tth4)は、エアバッグを展開させるクラス相互間のクラス遷移のしきい値時間(Tth3、Tth5、Tth6、Tth7)よりも短い時間に設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の荷重センサを備える乗員判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の座席に設けた乗員判別用の荷重センサを用いエアバッグなどの対衝突用安全装置を制御するのに好適な乗員判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアバッグの展開制御においては、保護すべき乗員の体格などをあらかじめ認識しそれに基づいてエアバッグの展開モードを制御することが望ましい。そのため、従来から車両の座席(車両)に荷重センサを組み込み、その出力電圧を所定の荷重しきい値で分別することにより空席、大人着座、子供着座などを判定している。
【0003】
しかしながら、荷重センサの出力は、乗員の姿勢変化や乗員に作用する走行Gの変化などによって変動し、これらによる荷重センサの出力変動により、しきい値が固定されている場合には一時的に誤判定出力が発生する。
【0004】
このような問題を解決する技術としては、例えば特許文献1がある。特許文献1に開示された技術とは、車両の座席に作用する荷重を検出する荷重センサと、信号としての荷重を所定の荷重しきい値により多数のクラスの一つに分別することにより乗員の有無および体格を判定する判定手段とを備え、検出した荷重がクラスに所定のしきい値時間持続して存在する場合にクラス間の遷移である状態遷移が生じたものと判定し、かつ、少なくとも複数の状態遷移を決定するためのしきい値時間は異なる長さに設定されているというものである。
【0005】
ところで、乗員保護性能を向上させるために、乗員体格の切り分け数を増やし、エアバッグ制御を乗員の体格に応ずるように多段階化させる傾向がある。これに伴い、乗員判定装置においても、乗員のクラス分けの多段階化が求められている。
【0006】
特許文献1では、乗員状態を空席、子供、及び大人の3つの状態にクラス分けする実施例が示されている。そのクラス分けの際の荷重の条件としては、例えば子供のクラスが空席のクラスと大人のクラスとに挟まれている場合は、荷重Wが空席との荷重しきい値Wth2及び大人との荷重しきい値Wth1の間に入力されているか否かというものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3570629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1における大人のクラスを、さらに大人(体格小)と大人(体格大)のようにクラス分けを増加させた場合、次のような問題が生ずる。乗員姿勢等の要因で大人(体格大)を子供と誤判定したとき、荷重は姿勢を正すことにより増加する。その荷重が、大人(体格小)と大人(体格大)の間の荷重しきい値を跨いで変動すると、各クラスの荷重条件を満たさなくなる度毎にタイマがリセットされ、少なくとも大人(体格小)以上の荷重が入力されているにも関わらず、少なくとも大人(体格小)と判定できずに、子供の判定を維持してしまう。これにより、最低限のエアバッグ制御が出来なくなる。この問題を解消する為に、タイマをリセットさせず、各クラスの荷重条件を満たした累積時間を用いてクラス遷移させることも考えられる。しかしながら、その場合は、あるクラスの荷重条件を継続して満たした場合と比べ、クラス遷移が遅くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、乗車判定及び降車判定を除くクラス間遷移において、現クラスと隣接するクラスとの間の荷重しきい値以外の荷重しきい値を跨いで荷重が変動するときであっても確実に最低限のクラス遷移を実行し、乗員を最低限に保護すべくエアバッグ制御させる乗員判定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、車両の座席に着座する乗員の荷重を検出する荷重センサ(3)と、信号としての荷重(W)を所定の荷重しきい値(Wth1〜Wth4)に基づいて分別し複数のクラス(C)として格納したものの一つとすることにより前記乗員の有無及び体格を判定する判定手段(4)とを備える荷重センサを用いる乗員判定装置において、前記判定手段(4)は、現状の前記クラスとその荷重大側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値以上の荷重がしきい値時間持続して入力するか、又は現状の前記クラスとその荷重小側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値より小さい荷重が前記しきい値時間持続して入力するときに、現状の前記クラスをそれに隣接する前記クラスにクラス遷移させ、前記クラス遷移する際のしきい値時間は、遷移する先のクラスが所定の基準のクラスから離れるにつれて、長くなるように設定されることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、現状のクラスとその荷重大側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値以上の荷重がしきい値時間持続して入力するか、又は現状のクラスとその荷重小側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値より小さい荷重がしきい値時間持続して入力するときに、現状のクラスをそれに隣接するクラスにクラス遷移させる。そのため、荷重が隣接するクラスとの間の荷重しきい値以外の荷重しきい値を跨いで変動するときであっても確実に最低限のクラス遷移を実行し、乗員を最低限に保護すべくエアバッグ制御させることができるという優れた効果を奏する。
上記目的を達成するためになされた請求項4に記載の発明は、車両の座席に着座する乗員の荷重を検出する荷重センサ(3)と、信号としての荷重(W)を所定の荷重しきい値(Wth1〜Wth4)に基づいて分別し複数のクラス(C)として格納したものの一つとすることにより前記乗員の有無及び体格を判定する判定手段(4)と、を備える荷重センサを用いる乗員判定装置において、前記判定手段(4)は、現状の前記クラスとその荷重大側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値以上の荷重がしきい値時間持続して入力するか、又は現状の前記クラスとその荷重小側に隣接する前記クラスとの間の前記荷重しきい値より小さい荷重が前記しきい値時間持続して入力するときに、現状の前記クラスをそれに隣接する前記クラスにクラス遷移させ、前記クラス遷移する際、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth4)は、エアバッグを展開させないクラスからエアバッグを展開させるクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth2)よりも長い時間に設定され、エアバッグを展開させるクラス相互間のクラス遷移のためのしきい値時間(Tth3、Tth5、Tth6、Tth7)は、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間(Tth4)よりも長い時間に設定されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の乗員判定装置の荷重センサとエアバッグを座席とともに示す模式側面図である。
図2】本発明の乗員判定装置の概要を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施例を乗員判定装置のクラス分けとそれに関連する車両制御例とともに示す説明図である。
図4】本発明の乗員乗車時のクラス判定処理を示す流れ図である。
図5】本発明のクラスをCRS+幼児から子供に遷移させる処理を示す流れ図である。
図6】本発明のクラスを子供から大人(体格小)、又はCRS+幼児に遷移させる処理を示す流れ図である。
図7】本発明のクラスを大人(体格小)から大人(体格大)、又は子供に遷移させる処理を示す流れ図である。
図8】本発明のクラスを大人(体格大)から大人(体格小)に遷移させる処理を示す流れ図である。
図9】本発明の乗員降車時のクラス判定処理を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1及び図2に示すように、本発明の乗員判定装置は、車両の座席1と、座席1の着座部2下部と車体床面8との間の脚部に介設され着座部2に着座する乗員の重量を検出する荷重センサ3と、荷重センサ3の荷重信号を演算処理するA/Dコンバータ付属のマイコンからなる乗員判定ユニット4とを備える。
【0015】
荷重センサ3は、その圧縮力に応じて電気抵抗値が低下する導電粒子混入ゴム層と、このゴム層の両面に個別に密着された一対の電極からなる。座席1に人体(又は物体)が着座すると、両電極間の電気抵抗は、その重量の増大に応じて低下する。この両電極間には負荷抵抗を通じて所定の直流電圧が印加されるか、又は定電流が通電される。これにより生じた電圧降下値を、乗員判定ユニット4は、A/Dコンバータによりデジタル信号に変換して読み込むことにより座席1上の乗員の重量を検出する。なお、荷重センサ3は、シ−ト状に形成して着座部2の上部に埋設するようにしたものであってもよい。
【0016】
荷重センサ3としては、上記したものの他に、ロードセルとして歪みゲージ式、半導体式、磁歪式、静電容量式など多くの種類が存在する。それらの選択や採用は、それぞれの特性やコストに応じて適宜に行われる。但し、いずれのセンサもその出力はアナログであるから、A/Dコンバータは必須のものである。また、荷重センサ3の数は四個として図示したが、適宜に増減することができる。
【0017】
乗員判定ユニット4は、複数の荷重センサ3の荷重信号を加算して荷重Wにする。荷重Wは、荷重センサ3のアナログ信号が乗員判定ユニット4のA/Dコンバータによりデジタル信号に変換されたものである。なお、荷重Wは、荷重センサ3が検出した今回値すなわち瞬時値であってもよいし、直前の短期間の平均値として高周波ノイズ成分の除去を行ったものであってもよい。荷重Wは、図3に示すように、荷重しきい値Wth1から順次大きくなるように設定されるWth2、Wth3及びWth4に基づいて、「空席」、「CRS(チャイルドシート)+幼児」、「子供」、「大人(体格小)」及び「大人(体格大)」に分別され乗員判定ユニット4の記憶装置にクラスCとして格納される。そして、それらクラスC分けされた各状態信号の一つは、エアバッグ駆動ユニット6に伝送され、エアバッグ7を非展開、弱展開、中展開及び強展開の何れか一つのクラスCに対応した状態となるように制御させる。さらに、エアバッグ駆動ユニット6は、エアバッグ7の制御状態に応じて表示ランプの点灯状態を制御する。なお、クラスCは車格や車種に応じてその数を増減させてもよい。また、エアバッグ駆動ユニット6は、乗員判定ユニット4の機能を含めて一体として構成するものであってもよい。
【0018】
乗員判定ユニット4により実行されるこの実施例の判定処理を図4乃至図9に示す流れ図を参照して以下に説明する。
【0019】
最初に、タイマTm1乃至タイマTm8がリセットされる。このとき、クラスCは「空席」に設定される(S1)。荷重センサ3の荷重信号が読み込まれ変換されて荷重Wが生成される(S2)。クラスCが「空席」か否かが判定され(S3)、「空席」であれば、荷重Wが荷重しきい値Wth1以上か否かが演算される(S4)。荷重Wが荷重しきい値Wth1以上のときには、タイマTm1が計時され(S5)、タイマTm1の計時がそのしきい値時間Tth1に到達したか否かが演算される(S6)。荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいときには、タイマTm1がリセットされ(S10)、Iに戻ってステップS2からの流れを繰り返す。
【0020】
ステップS6で、タイマTm1の計時がそのしきい値時間Tth1に到達したときは、荷重Wが荷重しきい値Wth2以上か否かが演算される(S7)。また、タイマTm1の計時がそのしきい値時間Tth1に到達しないときは、Iに戻ってステップS2からの流れを繰り返す。
【0021】
ステップS7で、荷重Wが荷重しきい値Wth2以上のときは、荷重Wが荷重しきい値Wth3以上か否かが演算される(S8)。また、荷重Wが荷重しきい値Wth2より小さいとき、クラスCは「CRS+幼児」と判定されるとともに、タイマTm1がリセットされる(S11)。
【0022】
ステップS8で、荷重Wが荷重しきい値Wth3以上のときは、荷重Wが荷重しきい値Wth4以上か否かが演算される(S9)。また、荷重Wが荷重しきい値Wth3より小さいとき、クラスCは「子供」と判定されるとともに、タイマTm1がリセットされる(S12)。
【0023】
ステップS9で、荷重Wが荷重しきい値Wth4より小さいとき、クラスCは「大人(体格小)」と判定されるとともに、タイマTm1がリセットされる(S13)。また、荷重Wが荷重しきい値Wth4以上のとき、クラスCは「大人(体格大)」と判定されるとともに、タイマTm1がリセットされる(S14)。
【0024】
このように、乗員が乗車して着座部2に着座したとき、クラスCの状態を示す荷重Wは荷重しきい値Wth1、Wth2、Wth3及びWth4と比較演算して初期判定され、図3に示すような「CRS+幼児」、「子供」、「大人(体格小)」及び「大人(体格大)」のクラスCのうちの一つに分別される。
【0025】
ステップS3で、現状のクラスCが「空席」ではないときすなわち、「CRS+幼児」、「子供」、「大人(体格小)」、「大人(体格大)」のいずれかと判定しているときは、図5のIIに続く。図3に示すように、クラスCが「CRS+幼児」であるとき(S15)、荷重Wが荷重しきい値Wth2以上か否かが演算される(S16)。荷重Wが荷重しきい値Wth2以上のとき、タイマTm8はリセットされ(S17)、タイマTm2は計時される(S18)。そして、タイマTm2の計時がそのしきい値時間Tth2に到達したか否かが演算される(S19)。タイマTm2の計時がそのしきい値時間Tth2に到達したとき、クラスCは「子供」にクラス遷移されるとともに、タイマTm2がリセットされ(S20)、図4のIに戻る。タイマTm2の計時がそのしきい値時間Tth2に到達しないときも、図4のIに戻る。
【0026】
ステップS16で、荷重Wが荷重しきい値Wth2より小さいとき、タイマTm2はリセットされ(S21)、荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいか否かが演算される(S22)。荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいとき、図9のVIへ続く。荷重Wが荷重しきい値Wth1以上のとき、タイマTm8はリセットされ(S23)、図4のIへ続く。
【0027】
ステップS15で、クラスCが「CRS+幼児」ではないときすなわち、「子供」、「大人(体格小)」、「大人(体格大)」のいずれかと判定しているときは、図6のIIIに続く。クラスCが「子供」であるとき(S24)、荷重Wが荷重しきい値Wth3以上か否かが演算される(S25)。荷重Wが荷重しきい値Wth3以上のとき、タイマTm4及びタイマTm8はリセットされ(S26)、タイマTm3は計時される(S27)。そして、タイマTm3の計時がそのしきい値時間Tth3に到達したか否かが演算される(S28)。タイマTm3の計時がそのしきい値時間Tth3に到達したとき、クラスCは「大人(体格小)」にクラス遷移されるとともに、タイマTm3がリセットされ(S29)、図4のIに戻る。タイマTm3の計時がそのしきい値時間Tth3に到達しないときも、図4のIに戻る。
【0028】
ステップS25で、荷重Wが荷重しきい値Wth3より小さいとき、タイマTm3はリセットされ(S30)、荷重Wが荷重しきい値Wth2より小さいか否かが演算される(S31)。荷重Wが荷重しきい値Wth2より小さいとき、タイマTm4は計時される(S32)。そして、タイマTm4の計時がそのしきい値時間Tth4に到達したか否かが演算される(S33)。タイマTm4の計時がそのしきい値時間Tth4に到達したとき、クラスCは「CRS+幼児」にクラス遷移されるとともに、タイマTm3、タイマTm4及びタイマTm8がリセットされ(S34)、図4のIへ続く。
【0029】
ステップS31で、荷重Wが荷重しきい値Wth2以上のとき、タイマTm4はリセットされ(S35)、図4のIへ続く。また、ステップS33で、タイマTm4の計時がそのしきい値時間Tth4に到達しないとき、荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいか否かが演算される(S36)。荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいとき、図9のVIへ続く。荷重Wが荷重しきい値Wth1以上のとき、タイマTm8はリセットされ(S37)、図4のIへ続く。
【0030】
ステップS24で、クラスCが「子供」ではないときすなわち、「大人(体格小)」、「大人(体格大)」のいずれかと判定しているときは、図7のIVに続く。クラスCが「大人(体格小)」であるとき(S38)、荷重Wが荷重しきい値Wth4以上か否かが演算される(S39)。荷重Wが荷重しきい値Wth4以上のとき、タイマTm6及びタイマTm8はリセットされ(S40)、タイマTm5は計時される(S41)。そして、タイマTm5の計時がそのしきい値時間Tth5に到達したか否かが演算される(S42)。タイマTm5の計時がそのしきい値時間Tth5に到達したとき、クラスCは「大人(体格大)」にクラス遷移されるとともに、タイマTm5がリセットされ(S43)、図4のIに戻る。タイマTm5の計時がそのしきい値時間Tth5に到達しないときも、図4のIに戻る。
【0031】
ステップS39で、荷重Wが荷重しきい値Wth4より小さいとき、タイマTm5はリセットされ(S44)、荷重Wが荷重しきい値Wth3より小さいか否かが演算される(S45)。荷重Wが荷重しきい値Wth3より小さいとき、タイマTm6は計時開始される(S46)。そして、タイマTm6の計時がそのしきい値時間Tth6に到達したか否かが演算される(S47)。タイマTm6の計時がそのしきい値時間Tth6に到達したとき、クラスCは「子供」にクラス遷移されるとともに、タイマTm5、タイマTm6及びタイマTm8がリセットされ(S48)、図4のIへ続く。
【0032】
ステップS45で、荷重Wが荷重しきい値Wth3以上のとき、タイマTm6はリセットされ(S49)、図4のIへ続く。また、ステップS47で、タイマTm6の計時がそのしきい値時間Tth6に到達しないとき、荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいか否かが演算される(S50)。荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいとき、図9のVIへ続く。荷重Wが荷重しきい値Wth1以上のとき、タイマTm8はリセットされ(S51)、図4のIへ続く。
【0033】
ステップS38で、クラスCが「大人(体格小)」ではないときすなわち、「大人(体格大)」と判定しているときは、図8のVに続く。荷重Wが荷重しきい値Wth4より小さいか否かが演算される(S52)。荷重Wが荷重しきい値Wth4より小さいとき、タイマTm7は計時される(S53)。そして、タイマTm7の計時がそのしきい値時間Tth7に到達したか否かが演算される(S54)。タイマTm7の計時がそのしきい値時間Tth7に到達したとき、クラスCは「大人(体格小)」にクラス遷移されるとともに、タイマTm7及びタイマTm8がリセットされ(S55)、図4のIに戻る。ステップS52で、荷重Wが荷重しきい値Wth4以上のとき、タイマTm7がリセットされて(S56)、図4のIに戻る。またステップS54で、タイマTm7の計時がそのしきい値時間Tth7に到達しないとき、荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいか否かが演算される(S57)。荷重Wが荷重しきい値Wth1より小さいとき、図9のVIへ続く。荷重Wが荷重しきい値Wth1以上のとき、タイマTm8はリセットされ(S58)、図4のIへ続く。
【0034】
図5乃至図8におけるVIから続いた図9のVIにおいて、タイマTm8が計時され(S59)、タイマTm8の計時がそのしきい値時間Tth8に到達したか否かが演算される(S60)。タイマTm8の計時がそのしきい値時間Tth8に到達したとき、クラスCは「空席」にクラス遷移されて乗員が降車した状態と判定するとともに、タイマTm8がリセットされ(S61)、図4のIへ続く。また、タイマTm8の計時がそのしきい値時間Tth8に到達しないときも、図4のIへ続く。
【0035】
上述の説明において、しきい値時間Tth1は、「空席」のクラスCを「CRS+幼児」、「子供」、「大人(体格小)」又は「大人(体格大)」のいずれかのクラスCに初期判定するときのタイマTm1のしきい値時間であり、人員の乗車時に素早くクラス分けを行う必要があることから、例えば3秒というように、下記記載のクラス遷移時のしきい値時間より比較的短い時間に設定される。
【0036】
しきい値時間Tth2は、クラスCを「CRS+幼児」から「子供」へクラス遷移させるときのタイマTm2のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0037】
しきい値時間Tth3は、クラスCを「子供」から「大人(体格小)」へクラス遷移させるときのタイマTm3のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0038】
しきい値時間Tth4は、クラスCを「子供」から「CRS+幼児」へクラス遷移させるときのタイマTm4のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0039】
しきい値時間Tth5は、クラスCを「大人(体格小)」から「大人(体格大)」へクラス遷移させるときのタイマTm5のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0040】
しきい値時間Tth6は、クラスCを「大人(体格小)」から「子供」へクラス遷移させるときのタイマTm6のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0041】
しきい値時間Tth7は、クラスCを「大人(体格大)」から「大人(体格小)」へクラス遷移させるときのタイマTm7のしきい値時間であり、クラス遷移に対する信頼性や判定の安定性を求めることから、例えば20〜30秒というように、人員の乗車時のクラス分け判定時のしきい値時間Tth1より比較的長い時間に設定される。
【0042】
しきい値時間Tth8は、「CRS+幼児」、「子供」、「大人(体格小)」又は「大人(体格大)」のクラスCを「空席」と判定するときのタイマTm8のしきい値時間であり、乗員の乗り換え時に、素早く一旦「空席」と判定し、その後「空席」状態から初期判定させる為、例えば2秒というように、上記記載のクラス遷移時のしきい値時間より比較的短い時間に設定される。
【0043】
(第1変形態様)
乗員の姿勢変化によりクラス遷移する際のしきい値時間Tth2〜Tth7は、しきい値時間Tth1によって初期判定されたクラスを基準にすると、遷移する先のクラスが基準のクラスから離れるにつれて、長くなるように設定される。例えば、基準のクラスが「CRS+幼児」であるとき、「子供」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth2より、「大人(体格小)」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth3は長く設定される。そして、「大人(体格大)」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth5は、「大人(体格小)」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth3より長く設定される。
【0044】
(第2変形態様)
乗員の姿勢変化によりクラス遷移する際のしきい値時間Tth2〜Tth7は、乗員判定ユニット4に入力される車速センサ5からの車速信号が所定値に達したときのクラスを基準にすると、遷移する先のクラスが前記基準のクラスから離れるにつれて、長くなるように設定される。
【0045】
(第3変形態様)
乗員の姿勢変化によりクラス遷移する際、エアバッグ7を展開させるクラスである「子供」とエアバッグ7を展開させないクラスである「CRS+幼児」との間のしきい値Wth2を跨ぐクラス遷移のしきい値時間Tth2、Tth4は、エアバッグ7を展開させるクラスである「子供」、「大人(体格小)」、「大人(体格大)」相互間のクラス遷移のしきい値時間Tth3、Tth5、Tth6、Tth7よりも短い時間に設定されている。
【0046】
(第4変形態様)
乗員の姿勢変化によりクラス遷移する際、エアバッグ7を展開させるクラスである「子供」からエアバッグ7を展開させないクラスである「CRS+幼児」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth4は、エアバッグ7を展開させないクラスである「CRS+幼児」からエアバッグ7を展開させるクラスである「子供」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth2よりも長い時間に設定され、エアバッグ7を展開させるクラスである「子供」、「大人(体格小)」、「大人(体格大)」相互間のクラス遷移のためのしきい値時間Tth3、Tth5、Tth6、Tth7は、エアバッグ7を展開させるクラスである「子供」からエアバッグ7を展開させないクラスである「CRS+幼児」へのクラス遷移のためのしきい値時間Tth4よりも長い時間に設定されている。
【0047】
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態の荷重センサを用いる乗員判定装置によれば、「空席」からの乗車判定、及び「空席」への降車判定を除いたクラス遷移において、現状のクラスとその荷重大側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値以上の荷重Wがしきい値時間持続して入力するか、又は現状の前記クラスとその荷重小側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値より小さい荷重Wがしきい値時間持続して入力するときに、現状のクラスをそれに隣接するクラスにクラス遷移させる。
【0048】
そのため、荷重が、現状のクラスとその荷重大側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値、及びその荷重小側に隣接するクラスとの間の荷重しきい値以外の荷重しきい値を跨いで変動するときであってもクラス遷移を確実かつ高信頼性で実行でき、乗員を最低限に保護すべくエアバッグ制御させることができるという優れた効果を奏する。
【0049】
図3に示したように、例えば体格が大人(体格小)に近い子供が座席前端に腰掛け、「CRS+幼児」と判定された後、腰をずらして座席に深く着座した際、計測している荷重が増加し、Wth3を跨いで変動することが考えられる。その場合、「子供」へのクラス遷移の荷重の条件をWth2以上かつWth3未満とすると、荷重がWth3以上になる度毎にタイマTm2がリセットされ、少なくとも「子供」以上の荷重が入力されているにも関わらず、「子供」へクラス遷移させることができない。これに対し、本発明によれば、荷重の条件をWth2以上としているので、確実に「子供」へクラス遷移させることができ、子供の体格に適したエアバッグ制御、つまりエアバッグ展開を供することができる。このケースにおいて、体格が子供に近い大人(体格小)だった場合でも、「CRS+幼児」の判定から確実に「子供」へクラス遷移させることができ、少なくとも最低限のエアバッグ展開を供することができる。また、このケースにおいて、体格が大人(体格大)で、座席前端に腰掛け、「CRS+幼児」と判定された後、腰をずらして座席に深く着座した際、荷重がWth4以上に増加し、維持することが考えられる。その際でも、「CRS+幼児」→「子供」→「大人(体格小)」→「大人(体格大)」とクラス遷移することができ、適切なエアバッグ制御を供することができる。
【0050】
四個の荷重センサ3で着座部2に加わる荷重を全て検出する場合に対し、荷重センサ3の数を削減したときには、荷重センサが配置されていない部分に荷重が偏った際、その部分の荷重は荷重センサでは検出できないので、荷重センサの荷重総和は、偏りが無い場合と比べて減少する。よって、荷重センサ3の数を削減したときには、着座部に加わる荷重を全て検出するときに比べて荷重変動が大きくなり、クラス遷移が発生する頻度が増加するので、本発明の効果はより大きく表れる。
【0051】
また、クラス遷移する際のしきい値時間は、乗員乗車時に初期判定されたクラスを基準にすると、遷移する先のクラスCが基準のクラスCから離れるにつれて、長くなるように設定される。すなわち、乗員の乗車時は、車両は停止しており、走行Gが乗員に加わることは無い為、その際の初期判定は信頼性が高い。この初期判定のクラスから離れるにつれて、しきい値時間を長くすることで、信頼性の高い基準のクラスよりも離れたクラスにクラス遷移しにくく、また基準のクラス以外に遷移したときは、基準のクラスに戻り易くなる。これにより、乗員姿勢変化や乗員に加わる走行Gなどによる誤判定が生じにくく、仮に誤判定が生じたとしても、すみやかに信頼性の高い基準のクラスに遷移させることができ、エアバッグを効果的に制御することができる。
【0052】
また、クラス遷移する際のしきい値時間は、乗員判定ユニット(判定手段)4に入力される車速センサ5からの車速信号が所定値に達したときのクラスを基準とし、遷移する先のクラスが基準のクラスから離れるにつれて、長くなるように設定される。上述したように乗車時の初期判定の信頼性は高いが、所定の車速で走行している際の判定は、停車時に乗員がドアを開けた状態で座席の端に座るといった姿勢をとることが無いので、さらに信頼性が高くなる。そのため、所定の車速で走行している際のクラスを基準のクラスとすれば、上述の様に基準のクラスよりも離れたクラスにクラス遷移しにくく、また基準のクラス以外に遷移したときは、基準のクラスに戻り易くなる。これにより、乗員姿勢変化や乗員に加わる走行Gなどによる誤判定が生じにくく、仮に誤判定が生じたとしても、すみやかに信頼性の高い基準のクラスに遷移させることができ、エアバッグを効果的に制御することができる。
【0053】
また、クラス遷移する際、エアバッグを展開させるクラスとエアバッグを展開させないクラスとの間のしきい値Wth2を跨ぐクラス遷移のしきい値時間Tth2、Tth4は、エアバッグを展開させるクラス相互間のクラス遷移のしきい値時間Tth3、Tth5、Tth6、Tth7よりも短い時間に設定される。そのため、エアバッグ7展開を必要とするクラス、またエアバッグ7非展開を必要とするクラスへのクラス遷移が速く行われるので、エアバッグを効果的に制御することができる。
【0054】
また、クラス遷移する際、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間Tth4は、エアバッグを展開させないクラスからエアバッグを展開させるクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間Tth2よりも長い時間に設定され、エアバッグを展開させるクラス相互間のクラス遷移のためのしきい値時間Tth3、Tth5、Tth6、Tth7は、エアバッグを展開させるクラスからエアバッグを展開させないクラスへのクラス遷移のためのしきい値時間Tth4よりも長い時間に設定される。荷重センサで検出する荷重は、本来の荷重に対し、乗員の姿勢変化や乗員に加わる走行G等により減少する場合が殆どであり、本来の荷重より大きく検出されることは稀である。そのため、信頼性の高いクラス遷移を早く実施し、かつエアバッグ展開を必要とするクラスへのクラス遷移が速く行われるので、エアバッグを効果的に制御することができる。
【0055】
なお、本発明は、当業者の知識に基づいて様々な変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものを含む。また、前記変更等を加えた実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りいずれも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0056】
1 座席
2 着座部
3 荷重センサ
4 乗員判定ユニット(判定手段)
5 車速センサ
7 エアバッグ
C クラス
Wth1、Wth2、Wth3、Wth4 荷重しきい値
Tth2、Tth3、Tth4、Tth5、Tth6、Tth7 しきい値時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9