特許第6031420号(P6031420)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6031420光酸発生剤を含む末端基を含むポリマー、前記ポリマーを含むフォトレジストおよびデバイスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6031420
(24)【登録日】2016年10月28日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】光酸発生剤を含む末端基を含むポリマー、前記ポリマーを含むフォトレジストおよびデバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/12 20060101AFI20161114BHJP
   C08F 2/38 20060101ALI20161114BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20161114BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20161114BHJP
【FI】
   C08F220/12
   C08F2/38
   G03F7/039 601
   G03F7/004 503A
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-169366(P2013-169366)
(22)【出願日】2013年8月19日
(65)【公開番号】特開2014-65896(P2014-65896A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2014年12月3日
(31)【優先権主張番号】61/695,767
(32)【優先日】2012年8月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ダブリュ.クレーマー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ジェイ.アローラ
【審査官】 中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0195310(US,A1)
【文献】 特表2000−515181(JP,A)
【文献】 特開2014−094932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00−246/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸脱保護性モノマー、塩基可溶性モノマー、ラクトン含有モノマー、光酸発生性モノマーまたは、これらの組み合わせと、式(I)
【化1】
(式(I)中、Zはy価のC1−20有機基であり、
Lはヘテロ原子または単結合であり、
およびAは、それぞれ独立して、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつ独立してC1−40アルキレン、C3−40シクロアルキレン、C6−40アリーレンまたはC7−40アラルキレンであり、並びにAは、硫黄との結合点に対してアルファにニトリル、エステルまたはアリール置換基を含み、
は、単結合、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−NR−C(=O)−NR−、−S(=O)−O−、−O−S(=O)−O−、−NR−S(=O)−または−S(=O)−NR−であり、Rは、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC6−10アリールであり、
はアニオン性基であり、
は非金属カチオンであり、並びに
yは1から6の整数である)
の連鎖移動剤との重合生成物を含むポリマー。
【請求項2】
式(I)の連鎖移動剤が、式(I−a)
【化2】
(式(I−a)中、
L、A、AおよびGは式(I)で規定された通りであり、並びに
は、置換されているかもしくは置換されていないC1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルである)
を有する、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
式(I)の連鎖移動剤が、式(I−b)または(I−c)
【化3】
(式(I−b)および(I−c)中、
L、AおよびGは式(I)で規定された通りであり、
は、置換されているかもしくは置換されていないC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、C6−10アリールまたはC7−10アラルキルであり、
、RおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり、
pは0から10の整数であり、
qは1から10の整数であり、並びに
rは0から4の整数である)
を有する、請求項2に記載のポリマー。
【請求項4】
が、式(II)
【化4】
(式(II)中、
はIまたはSであり、
各RおよびRは、独立して、置換されているかもしくは置換されておらず、かつ孤立電子対、C1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C7−20アラルキルまたはC7−20フルオロアラルキルであり、
がSの場合、RおよびRは互いに結合していないか、または単結合により互いに連結されており、XがIの場合、RまたはRの一方が孤立電子対であり、並びに
ArはC5−30芳香族含有基である。)
のカチオンである、請求項1から3のいずれか1項に記載のポリマー。
【請求項5】
前記酸脱保護性モノマーが、式(III)のモノマーを含み、
前記塩基可溶性モノマーが、式(IV)のモノマーまたは式(IVb)のモノマーを含み、
前記ラクトン含有モノマーが、式(V)のモノマーを含み、並びに
前記光酸発生性モノマーが、式(VI)のモノマーを含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載のポリマー
【化5】
(式(III)、(IV)、(IVb)、(V)、および(VI)中、
各Rは、独立して、H、F、CN、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルであり、
各Rは、独立して、C1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルであり、および各Rは、互いに結合していないか、または少なくとも1つのRが別のRに結合されて環式構造を形成しており、
は、エステルを含有するかまたはエステルを含有しないC1−20アルカン−ジイル、アルカン−トリイル、またはアルカン−テトライル、C3−20シクロアルカン−ジイル、シクロアルカン−トリイル、またはシクロアルカン−テトライル、C6−20アレーン−ジイル、アレーン−トリイル、またはアレーン−テトライルまたはC7−20アラルカン−ジイル、アラルカン−トリイル、またはアラルカン−テトライルであり、
Wは、−C(=O)−OH;−C(CFOH;−NH−SO−Y(Yは、FもしくはC1−4パーフルオロアルキルである);芳香族環に置換されたヒドロキシル基(該芳香族環はQまたはQの一部である);または、前述のいずれかの基とビニルエーテルとの付加物を含む塩基反応性基であり、
aは、1から3の整数であり、
Tは、単環式、多環式または縮合多環式のC4−20ラクトン含有基であり、
は、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC1−20アルキレン、C3−20シクロアルキレン、C6−20アリーレンまたはC7−20アラルキレン基であり、
Aは、エステルを含有するかまたはエステル含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC1−20アルキレン、C3−20シクロアルキレン、C6−20アリーレンまたはC7−20アラルキレンであり、
は、スルホネートを含むアニオン性部分、スルホンアミドのアニオンまたはスルホンイミドのアニオンであり、
は、式(II)のカチオンである)。
【請求項6】
前記式(III)の酸脱保護性モノマーが、
【化6】
または、前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせを含み、
は、H、F、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルであり;および/または、
前記式(IV)を有する塩基可溶性モノマーが、
【化7】
または、前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせを含み、
は、H、F、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルであり;および/または、
前記式(V)のラクトン含有モノマーが、
【化8】
または、前述のものの少なくとも1種を含む組み合わせを含み、
は、H、F、CN、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである、
請求項5に記載のポリマー。
【請求項7】
式(VI)中、
Aは、−[(C(RC(=O)O]−(C(R(CF−基、またはo−、m−もしくはp−置換−C−基であり、各R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、F、CN、C1−6フルオロアルキルまたはC1−6アルキルであり、cは、0または1であり、xは、1から10の整数であり、yおよびzは、独立して、0から10の整数であり、y+zの合計は少なくとも1である、請求項5に記載のポリマー。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のポリマーを含む、フォトレジスト組成物。
【請求項9】
(a)その表面上にパターン形成される1以上の層を有する基体、および(b)前記パターン形成される1以上の層上の請求項8に記載のフォトレジスト組成物の層を含む、コートされた基体。
【請求項10】
(a)基体上に請求項8に記載のフォトレジスト組成物の層を適用すること、
(b)前記フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様に露光し、および、
(c)前記露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ像を提供する
ことを含む、電子デバイスを形成する方法。
【請求項11】
前記放射線が極紫外線またはe−ビーム放射線である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
進歩した世代のマイクロリソグラフィー(すなわち、例えば、e−ビーム、X線および、13.4nmの波長で動作する極紫外線(EUV)リソグラフィー)についての設計ルールは、より小さい寸法、例えば、30nm以下に向かう傾向にある。進歩した世代のリソグラフィーに使用される、より狭い線幅およびより薄いレジスト膜は、一貫性の問題、例えば、ライン幅ラフネス(LWR)を生じさせ得る。解像能は、その重要性が増加し、フォトレジストの性能および有用性を制限する。過度のLWRは、例えば、トランジスタおよびゲート構造において、粗末なエッチングおよび線幅制御の欠如をもたらし、潜在的に最終的なデバイスにおける短絡およびシグナル遅延を引き起こし得る。
【0002】
フォトレジスト膜における保護された現像可能基の脱保護を触媒するための光酸発生剤(PAG)の不均一な分布は、LWRを増加させる場合があり、このために質の悪い解像能となる場合がある。PAGは、前記PAGとフォトレジストポリマーとの物理的な混合物を調製することにより、フォトレジスト配合内に包含され得る。スピンコーティングによるPAGの不均一な分布が、フォトレジスト膜において起こり、不均一な酸発生およびより大きいラインエッジラフネス(LER)をもたらす場合がある。または、前記PAGは、ポリマー骨格に結合され、前記配合物におけるその移動性を制限し得る。この戦略は、フォトレジスト膜におけるPAG分散を改善し、このため、パターン形成を改善し得るが、それでもなお、前記PAGは、前記両ポリマー鎖間において、二重に分布され(一部の鎖は、他の鎖より多くのPAGを含む場合がある)、ポリマー鎖内(PAG含有モノマーの反応比により、一部の鎖領域が、他の鎖領域より多くのPAGを含む場合がある。)に二重に分布される。したがって、より均一なPAG分散法が、望まれている。
【0003】
このため、組成物、分子量および多分散度の制御が、フォトレジスト膜におけるPAG分散を改善するのに有用である。アクリレートベースのEUVフォトレジストポリマーは、前記組成物の制御に役立つモノマーおよび開始剤の供給量を制御する、修飾されたフリーラジカル重合技術により合成されてもよいが、末端および連鎖移動反応が、重合中に異なる点で生じる異なる組成物をもたらし、比較的幅広い分布の分子量をもたらし得る。組成の変動が、フォトレジストの溶解性、鎖間にわたる幅広い組成分布および幅広い分子量分布に作用し、望ましくないためである。
【0004】
制御されたラジカル重合法が、2.0未満の多分散度を有する(メタ)アクリレート含有ポリマーを調製するのに使用され得る。制御されたラジカル重合の1つの方法は、分子量分布を制御するために、ジチオエステル連鎖移動剤(CTA)の使用を含む。Proc.of SPIE,2008,Vol.6923,pp.69232E−1−69232E−9に記載のように、可逆的付加開列移動(reversible addition fragmentation transfer:RAFT)重合技術が、193nmのリソグラフィー用のフォトレジストポリマーを生成するのに使用されてきた。精密で特異的な分子量が、CTAの量に基づいて得られ得る。前記CTAが鎖の停止剤であるため、CTAを使用して製造されるポリマーを末端基官能化することが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Proc.of SPIE,2008,Vol.6923,pp.69232E−1−69232E−9
【発明の概要】
【0006】
従来技術の上記または他の欠陥の1つ以上は、本発明に基づくポリマーにより克服され得る。本発明は、ポリマーを含み、前記ポリマーは、酸脱保護性モノマー、塩基可溶性モノマー、ラクトン含有モノマー、光酸発生性モノマーまたは、前述のモノマーの少なくとも1つを含む組み合わせを含む不飽和モノマーと、式(I)の連鎖移動剤との重合生成物を含む。
【化1】
式(I)中、Zは、y価のC1−20有機基であり、Lは、ヘテロ原子または単結合であり、AおよびAは、それぞれ独立して、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつ独立してC1−40アルキレン、C3−40シクロアルキレン、C6−40アリーレンまたはC7−40アラルキレンであり、Aは、硫黄との結合点に対してアルファにニトリル、エステルまたはアリール置換基を含み、Xは、単結合、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−NR−C(=O)−NR−、−S(=O)−O−、−O−S(=O)−O−、−NR−S(=O)−または−S(=O)−NRであり、Rは、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC6−10アリールであり、Yはアニオン性基であり、Gは金属カチオンまたは非金属カチオンであり、yは1から6の整数である。
【0007】
フォトレジスト組成物は、前記ポリマーを含む。
【0008】
コートされた基体は(a)その表面上にパターン形成される1以上の層を有する基体、および(b)前記パターン形成される1以上の層上の前記フォトレジスト組成物の層を含む。
【0009】
電子デバイスを形成する方法は(a)基体上に前記フォトレジスト組成物の層を適用し、(b)前記フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様に(pattern wise)露光し、および(c)前記露光されたフォトレジスト組成物層を現像して、レジストレリーフ像を提供することを含む。
【0010】
本発明の前述および他の目的、特徴および利点は、添付の図面とともに取り込まれる、下記の詳細な説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、RAFT重合により調製されたポリマーを使用して調製された典型的なフォトレジストについての、248nmでの露光における、厚み(オングストローム)に対する露光量(E、平方センチメートルあたりのミリジュール)のコントラストカーブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、可逆的付加開列移動(RAFT)制御重合反応用の連鎖移動剤(CTA)として使用するためのラジカル反応性末端、および光酸発生剤部分を有する新規な化合物と、不飽和モノマーとの重合生成物を含むポリマーが開示される。本明細書で規定するように、「不飽和モノマー」は、重合可能な二重結合または三重結合を有するこれらのモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、テトラフルオロエチレン、等、アセチレン、プロピンをはじめとするオレフィン、環式オレフィン、例えば、ノルボルネンに基づくもの、芳香族系不飽和化合物、例えば、スチレン、スチルベン、アルファ−ベータ不飽和化合物、例えば、(メタ)アクリレート(その親酸を含む)、クロトン酸エステル、マレイン酸およびフマル酸の誘導体、例えば、マレイン酸無水物等を含む。RAFT重合プロセスに適合した好ましい不飽和モノマーとしては、スチレンおよび(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに留意すべきことは、本明細書で使用されるように、「(メタ)アクリレート」の前記用語は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を含むことである。
【0013】
前記CTAは、開列の際に、利用可能なラジカルと反応する硫黄含有部分(例えば、ジチオネートまたは類似の部分)に加えて、アニオン性部分および対応するカチオンを含む。好ましくは、前記カチオンは化学線に露光された際に、光分解的に酸性プロトンを発生可能なオニウムカチオン、例えば、ヨードニウムカチオンまたはスルホニウムカチオンである。また、好ましくは、前記化合物の硫黄含有部分は、架橋基により、前記アニオン性部分に結合される。本明細書に開示された前記CTA化合物は、光酸発生末端基を有する、狭い多分散度(PDI<2.0)のポリマーを調製するのに有用である。このようなポリマーは、ひいては、フォトレジストマトリクス内に十分に分散された光酸発生剤部分を有するフォトレジストを調製するのに使用され得る。
【0014】
本明細書で使用されるように、「ポリマー」は、2種以上の異なるモノマー単位を含むポリマーを含み、並びに2種のモノマー単位を有するコポリマー、3種のモノマー単位を有するターポリマー、4種のモノマー単位を有するテトラポリマー、5種のモノマー単位を有するペンタポリマー等を含む。本明細書で開示される前記コポリマーは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互コポリマーまたは、これらのモチーフの2つ以上を含む組み合わせでもよい、とも理解されるであろう。前記ポリマーは、組成勾配を有してもよい。好ましくは、前記コポリマーは、ランダムコポリマーであり、前記式により示される前記モノマーに、特定の順序はない。
【0015】
本明細書で使用されるように、「アリール」は、芳香族基であり、単環式、例えば、フェニル基;多環式、例えば、ビフェニル基;縮合多環式、例えば、ナフチル基でもよく、「アリール」は、炭素原子が6つ未満のもの、例えば、ピラゾール、チオフェン、オキサゾール、ピリジン等を含むヘテロ芳香族化合物を含む、全ての芳香族系構造体を含むと理解されるであろう。本明細書で使用されるように、「アルキル」基は、sp混成の炭素含有基であり、直鎖でも分岐鎖でもよく、特に断らない限り、シクロアルキルを含んでもよい。本明細書で使用されるように、「アラルキル」は、アリール部分とアルキル部分との両方を含む基を意味し、前記アリール基または前記アルキル基のいずれかが、隣接する基への結合点である。同様に、「アリーレン」、「アルキレン」、「シクロアルキレン」および「アラルキレン」基は、それぞれ、二価のアリール、アルキル、シクロアルキルおよびアラルキル基である。ここで留意すべきは、アラルキレン基は、前記アリール部分およびアルキル部分の両方に結合点を有することである。さらに、アリール、アリーレン、シクロアルキル、シクロアルキレン、アラルキルまたはアラルキレンの、1つ以上の(置換基ではない)構造原子は、1つ以上のヘテロ原子で置換されていてもよい。好ましいヘテロ原子としては、酸素、窒素、リン、硫黄およびケイ素が挙げられる。
【0016】
さらに「アニオン結合」は、有機連結基、例えば、アルキル、アリール、アルコキシ、ポリアルコキシ、エステル、カーボネート、アミド、尿素、スルホネート、サルフェート、スルホンイミド、スルホンアミド、アセタールもしくはケタールを含有する基、または、前記PAGのアニオンと前記RAFT部分の硫黄含有末端基との間の共有結合構造を形成する他の適切な基を意味する。また、本明細書で使用されるように、「置換」は、置換基、例えば、ハロゲン(すなわち、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、アミノ、チオール、カルボキシル、カルボキシレート、アミド、ニトリル、チオール、スルフィド、ジスルフィド、ニトロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C7−10アルキルアリール、C7−10アルキルアリールオキシまたは、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせを含むことも意味する。本明細書で前記式に関して開示された基または構造は、他に特定されないか、または得られた構造の所望の特性に有意な悪影響を与えないであろう限りは、そのように置換されることができると理解されるであろう。
【0017】
したがって、ポリマーは、不飽和モノマーおよび連鎖移動剤および場合によっては開始剤の重合生成物を含む。前記連鎖移動剤は、式(I)を有するRAFT化合物を含む。
【化2】
式(I)中、Zはy価のC1−20有機基である。好ましくは、Zは、C1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキル基である。典型的なこのような基としては、メチル、エチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ウンデシル、シクロヘキシル、ネオペンチル、フェニル、ベンジル、シクロヘキシレン、フェニレン、ナフチレンおよびキシリレンが挙げられる。好ましくは、yは、1から6の整数であり、好ましくは1から4である。yの値は、基Zについての利用可能な価数を上回らないと理解されるであろう。
【0018】
また、式(I)中、AおよびAは、それぞれ独立して、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、フッ素化されているかまたはフッ素化されていない基であり、かつ独立してC1−40アルキレン、C3−40シクロアルキレン、C6−40アリーレンまたはC7−40アラルキレンである。Aは、硫黄との結合点に対してアルファにニトリル、エステルまたはアリール置換基を含むラジカル安定化基を含んで、前記分子中でこの点に隣接して生じるラジカルの共鳴安定性提供することが理解されるであろう。好ましくは、Aは、硫黄との結合点に対してアルファにCN、C6−10アリールまたは、C1−10アルコールのエステルで置換されたC1−20アルキレン、C3−20シクロアルキレン、C6−20アリーレンまたはC7−20アラルキレンである。また、好ましくは、Aは、フッ素化されれいるかまたはフッ素化されておらず、かつC1−20アルキレン、C3−20シクロアルキレン、C6−20アリーレンまたはC7−20アラルキレンである。
【0019】
この明細書を通して使用される場合、「フルオロ」または「フッ素化」は、1つ以上のフッ素基が、関連する基に結合されることを意味する。例えば、この定義により特に断らない限り、「フルオロアルキル」は、モノフルオロアルキル、ジフルオロアルキル等、ならびに、アルキル基の実質的に全ての炭素原子がフッ素原子によって置換されているパーフルオロアルキルを包含する。同様に、「フルオロアリール」は、モノフルオロアリール、パーフルオロアリール等を意味する。この文脈における「実質的に全て」は、炭素に結合される全ての原子の90%以上、好ましくは95%以上、さらにより具体的には98%以上がフッ素原子であることを意味する。
【0020】
同じく式(I)中、Lは、ヘテロ原子または単結合である。本明細書で使用される場合、特に断らない限り、ヘテロ原子としては、二価または多価のヘテロ原子、例えば、O、N、P、S、Siが挙げられ、ヘテロ原子については、例えば、N、PおよびSiであり、満たされない原子価は、Rで置換され(例えば、NR、PR、PR、SR、SiR等)、Rは、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、C6−10アリールまたはC7−10アラルキルである。好ましくは、Xは、−C(=O)−O−または−O−C(=O)−である。
【0021】
式(I)における連結基Xとしては、単結合、−O−、−S−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−、−NR−C(=O)−、−NR−C(=O)−NR−、−S(=O)−O−、−O−S(=O)−O−、−NR−S(=O)−または−S(=O)−NRが挙げられ、Rは、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC6−10アリールである。好ましくは、Xは、単結合、−O−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−、−O−C(=O)−O−または−S(=O)−O−である。
【0022】
式(I)におけるYは、アニオン性基であり、スルホネート、サルフェート、スルホンアミドアニオンまたはスルホンイミドアニオンの基が挙げられる。好ましくは、Yは、スルホネート(−SO)、スルホンアミドのアニオン(−SO(N)R’、ここでR’はC1−10アルキルまたはC6−20アリールである)または、スルホンイミドのアニオンをはじめとするアニオン性基である。Yがスルホンイミドアニオンである場合、前記スルホンイミドは、一般構造 −SO(N)−SO−R”を有する非対称のスルホンイミドであることができ、ここでR”は、直鎖または分岐鎖のC1−10フルオロアルキル基である。好ましくは、R”基は、C1−4パーフルオロアルキル基であり、全てがフッ素化された対応するアルカンスルホン酸、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸またはパーフルオロブタンスルホン酸から誘導される。
【0023】
また、式(I)中、Gは、金属カチオンまたは非金属カチオンである。好ましくは、本明細書で使用されるように、Gは、金属カチオンまたは非金属カチオンであり得る、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、アルキルアンモニウムカチオン、アルキル芳香族系アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、ホスホニウムカチオンまたはカルボニウムカチオンである。好ましい非金属カチオンとしては、オニウムカチオン、例えば、スルホニウム、オキソニウムまたはヨードニウムに基づくものが挙げられる。前記オニウムカチオンは、化学線に対する感度を向上するためのアリールまたはフッ素化されたアリールの発色団を含み得る。好ましいカチオンとしては、スルホニウムカチオンおよびヨードニウムカチオンが挙げられる。
【0024】
好ましくは、前記カチオンGは、式(II)を有するオニウムカチオンである。
【化3】
前記式(II)中、Xは、IまたはSであり、各RおよびRは、独立して、置換されているかまたは非置換であり、かつC1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C7−20アラルキルまたはC7−20フルオロアラルキルである。XがSの場合、RおよびRは、互いに結合していないか、または、単結合により互いに連結されており、XがIの場合RまたはRの一方は孤立電子対であり、およびArはC5−30芳香族含有基である。好ましくは、RおよびRは、独立して、C3−20シクロアルキルまたはC6−20アリールである。
【0025】
好ましいカチオンGは式(II−a)または(II−b)を有する。
【化4】
式中、Xは、IまたはSであり;R、R、R10およびR11は、それぞれ独立して、ヒドロキシ、ニトリル、ハロゲン、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C1−10アルコキシ、C1−10フルオロアルコキシ、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C6−20アリールオキシ、またはC6−20フルオロアリールオキシであり;uは2または3の整数であり;XがIの場合、uは2であり、XがSの場合、uは3であり;rは0から5の整数であり;sおよびtはそれぞれ独立して0から4の整数である。
【0026】
RAFT化合物として使用するのに好ましい化合物は、式(I−a)を有する。
【化5】
式(I−a)中、L、A、AおよびGは、式(I)で規定された通りであり、Zは、置換されているかもしくは置換されていないC1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルである。
【0027】
また、好ましくは、前記RAFT化合物は、式(I−b)または(I−c)を有する。
【化6】
式(I−b)および(I−c)中、L、AおよびGは、式(I)で規定された通りであり、Zは、置換されているかもしくは置換されていないC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、C6−10アリールまたはC7−10アラルキルであり、R、RおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり、pは0から10の整数であり、qは1から10の整数であり、rは0から4の整数である。好ましくは、RおよびRの少なくとも1つはフッ素を含む。
【0028】
有用なRAFT化合物としては、式(I−b−1)を有するものが挙げられる。
【化7】
式(I−b−1)中、L、AおよびGは、式(I―b)で規定された通りであり、Zは、置換されているかもしくは置換されていないC1−10アルキル、C3−10シクロアルキル、C6−10アリールまたはC7−10アラルキルであり、RはH、F、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルであり、pは1から10の整数であり、qは1から10の整数である。
【0029】
または、前記RAFT化合物としては、式(I−d)を有するものが挙げられる。
【化8】
式(I−d)中、Z、L、AおよびGは、式(I−a)で規定された通りであり、各Rは、独立して、H、CN、C1−10アルキル、C6−10アリールまたは−C(=O)−ORであり、Rは、C1−10アルキルまたはC3−10シクロアルキルであり、ただし少なくとも1つのRは、Hでない。Aは、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつC1−10アルキレン、C3−10シクロアルキレン、C6−10アリーレンまたはC7−10アラルキレンである。好ましくは、1つのRは、CN、Cアリールまたは−C(=O)−ORであり、RはC1−3アルキルである。残りのRは、HまたはC1−3アルキルであり、Aは、C1−10アルキレン、C3−10シクロアルキレン、C6−10アリーレンまたはC7−10アラルキレンである。
【0030】
典型的なRAFT化合物はとしては、式(I−d−1)から(I−d−6)から選択されるものが挙げられる。
【化9】
式(I−d−1)から(I−d−6)中、Gは、式(I)で規定された通りであり、Rは、CN、Cアリールまたは−C(=O)−ORであり、Rは、C1−3アルキルである。
【0031】
前記ポリマーは、式(I)の化合物と不飽和モノマーとの重合生成物である。前記不飽和モノマーとしては、酸に不安定な保護基、例えば、第三級環式もしくは非環式アルキルエステル、ケタール、アセタールおよびベンジルエステルを有し、塩基可溶性官能基、例えば、フェノール基またはカルボン酸基をマスキングする、酸脱保護性モノマー;塩基可溶性官能基、例えば、フェノール性基、カルボン酸基またはヘキサフルオロイソプロパノール基を有する塩基可溶性モノマー;ラクトン含有モノマー;光酸発生性モノマーまたは、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。
【0032】
好ましくは、前記ポリマーは、前記式(I)のRAFT化合物に加えて、式(III)を含む酸脱保護性モノマー、式(IV)を含む塩基可溶性モノマー、式(V)を含むラクトン含有モノマー、式(VI)を含む光酸発生性モノマーまたは、前述の不飽和モノマーの少なくとも1つを含む組み合わせを含む不飽和モノマーの重合生成物である。
【化10】
式中、各Rは、独立して、H、F、CN、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルである。好ましくは、Rは、独立して、H、C1−4アルキルまたはC1−4フルオロアルキルである。典型的な基Rとしては、H、−CHおよび−CFが挙げられる。
【0033】
式(III)中、各Rは、独立して、C1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルであり、各Rは、互いに結合していないか、または、少なくとも1つのRが別のRに結合されて環式構造を形成している。式(III)の典型的な酸脱保護性モノマーとしては、
【化11】
または、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。Rは、H、F、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである。
【0034】
式(IV)中、Qは、エステルを含有しているまたはエステルを含有していないC1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルである。Wは、−C(=O)−OH;−C(CFOH;−NH−SO−Yを含む塩基反応性基であり、Yは、FまたはC1−4パーフルオロアルキル;芳香族系−OH;または、前述のいずれかと、ビニルエーテルまたは三級アルキルオキシカルボニル基、例えば、t−ブチルオキシカルボニルとの付加物である。同じく式(IV)中、aは、1から3の整数である。
【0035】
式(IV)の典型的な塩基可溶性モノマーとしては、
【化12】
または、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられ、Rは、H、F、CN、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである。
【0036】
前記式(V)のラクトン含有モノマーにおいて、Tは、単環式、多環式または縮合多環式のC4−20ラクトン含有基である。
【0037】
前記式(V)の典型的なラクトン含有モノマーとしては、
【化13】
または、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられ、Rは、H、F、CN、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである。
【0038】
前記式(VI)の任意成分の光酸発生性モノマーにおいて、Qは、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキル基である。Aは、エステルを含有するかまたはエステルを含有せず、かつフッ素化されているかまたはフッ素化されておらず、かつC1−20アルキル、C3−20シクロアルキル、C6−20アリールまたはC7−20アラルキルである。Yは、スルホネートを含むアニオン性部分、スルホンアミドのアニオンまたはスルホンイミドのアニオンである。Gは、スルホニウムカチオンまたはヨードニウムカチオンであり、好ましくは、式(II)のカチオンである。
【0039】
好ましくは、式(VI)中、Aは、−[(C(RC(=O)O]−(C(R(CF基、またはo−、m−もしくはp−置換−C基である。各R、RおよびRは、それぞれ独立して、H、F、CN、C1−6フルオロアルキルまたはC1−6アルキルである。cは、0または1であり、xは、1から10の整数であり、yおよびzは、独立して、0から10の整数であり、y+zの合計は、少なくとも1である。
【0040】
式(IV)の典型的な光酸発生性モノマーとしては、
【化14】
または、前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。各Rは、独立して、H、F、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである。kは、0から4の整数であり、lは、0から3の整数であり、Gは、式(II)のカチオンである。好ましくは、Gは、式(III)または(IV)のカチオンである。
【0041】
式(IV)の特定の典型的な光酸発生性モノマーとしては、下記式を有するものが挙げられる。
【化15】
前記式中、Rは、H、F、CN、C1−6アルキルまたはC1−6フルオロアルキルである。
【0042】
前記ポリマーを製造する方法は、前記不飽和モノマーの1種以上を、前記式(I)の化合物の存在下、および、場合によって開始剤の存在下において重合することを含む。前述の不飽和モノマーに加えて、RAFT条件下でこれらの不飽和モノマーと共重合可能なモノマーが、前記ポリマーの調製に有用であり得ることに、留意すべきである。
【0043】
開始剤は、前記重合を開始するのに使用され得る。適切な開始剤は、当該分野において有用な任意のラジカル開始剤、例えば、ペルオキシ開始剤、ジアゾ開始剤等を含み得る。例えば、ペルオキシ開始剤、例えば、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−ブチルペルオキシ 2−エチルヘキサノエート、(tert−ブチルペルオクトエート)、tert−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシイソブチレート、ジアゾ開始剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)等である。好ましい開始剤としては、DuPontから商品名VAZOで販売されるもの、例えば、VAZO52、VAZO67、VAZO88、およびWakoからのV−601開始剤が挙げられる。または、前記重合は、(例えば、約120℃より高い、より好ましくは約150℃より高い)熱開始反応により行われてもよい。好ましくは、1つ以上の成分モノマーがスチレン系の場合、熱開始反応が使用され得る。
【0044】
したがって、前記ポリマーは、脱気された溶媒中で、前記連鎖移動剤の存在下で、前述の可逆的付加開列移動(RAFT)方法を使用して、ラジカルでまたは熱で開始されるモノマーの重合によって調製され得る。前記重合は、前記連鎖移動剤を含む反応混合物へのモノマーおよび/または開始剤のバッチ添加によって、前記反応混合物への前記モノマーおよび/または開始剤および/または連鎖移動剤の1つ以上の別々の供給の計測された添加によって、または、前記反応物質を一緒にするための任意の他の適切な方法によって、バッチ式で行われてもよい。前記反応混合物への各ブロックのためのモノマーの逐次的な添加によって、ブロックコポリマーが生成され得ること、または、供給の時間とともに、モノマー比率および/または組成を徐々に変化させることにより、段階的な組成を有するポリマーが形成され得ることが理解されるであろう。前記RAFT法により調製可能な、全てのこのようなポリマーが、本明細書において企図される。
【0045】
前記ポリマーは、1,000から100,000g/モル、好ましくは1,500から50,000g/モル、より好ましくは2,000から25,000g/モル、および、さらにより好ましくは3,000から15,000g/モルの重量平均分子量(Mw)を有し得る。前記ポリマーは、500から100,000g/モル、好ましくは1,000から50,000g/モル、より好ましくは1,500から25,000g/モル、および、さらにより好ましくは2,000から15,000g/モルの数平均分子量(Mn)も有し得る。分子量は、任意の適切な方法、例えば、約1ml/分の流量で、万能補正曲線によりポリスチレン標準で較正された架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して、測定され得る。前記ポリマーの多分散度(Mw/Mn;PDIと省略)は、好ましくは2.0未満、より好ましくは1.8未満であるか、または等しく、より好ましくは1.6未満であるか、または等しく、より好ましくは1.5未満であるか、または等しい。
【0046】
フォトレジスト組成物は、前述のように、ポリマー結合PAGを有する前記コポリマーを含む。前記フォトレジストは、前記PAG化合物およびポリマーに加えて、例えば、光崩壊性塩基および界面活性剤を含む添加剤を含んでもよい。他の添加剤、例えば、溶解速度抑制剤、増感剤、さらなるPAG等も含まれてもよい。前記フォトレジスト組成物は、分注およびコーティングのために、溶媒に溶解される。
【0047】
前記フォトレジストは光崩壊性塩基を含む。ベース材料の含有物、好ましくは、光分解性カチオンのカルボン酸塩は、前記酸分解性基からの酸の中和についてのメカニズムを提供し、光発生酸の拡散を制限し、これにより、フォトレジストにおける改善されたコントラストを提供する。
【0048】
光崩壊性塩基としては、光分解性カチオン、好ましくは、PAGの調製にも有用で、弱酸(pKa>2)、例えば、C1−20カルボン酸のアニオンと対をなすものが挙げられる。典型的なこのようなカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、コハク酸、シクロヘキシルカルボン酸、安息香酸、サリチル酸および他のこのようなカルボン酸が挙げられる。光崩壊性塩基としては、下記化学構造のカチオン/アニオン対が挙げられ、前記カチオンは、トリフェニルスルホニウムまたは下記の1つである。
【化16】
前記化学構造中、Rは、独立して、H、C1−20アルキル、C6−20アリールまたはC6−20アルキルアリールであり、前記アニオンは、
【化17】
である。Rは、独立して、H、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C6−20アリールまたはC6−20アルキルアリールである。他の光崩壊性塩基としては、非イオン性の光分解発色団、例えば、2−ニトロベンジル基およびベンゾイン基に基づくものが挙げられる。典型的な光塩基発生剤は、オルト−ニトロベンジルカルバメートである。
【0049】
代替的にまたは追加的に、他の添加剤は、非光崩壊性塩基、例えば、ヒドロキシド、カルボキシレート、アミン、イミンおよびアミドに基づくものであるクエンチャー(quencher)を含んでもよい。好ましくは、このようなクエンチャーとしては、C1−30の有機アミン、イミンまたはアミドが挙げられ、強塩基(例えば、ヒドロキシドまたはアルコキシド)もしくは弱塩基(例えば、カルボキシレート)のC1−30四級アンモニウム塩であり得る。典型的なクエンチャーとしては、アミン、例えば、トレーガー塩基、ヒンダードアミン、例えば、ジアザビシクロウンデセン(DBU)またはジアザビシクロノネン(DBM)または、四級アルキルアンモニウム塩、例えば、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)またはテトラブチルアンモニウム乳酸塩を含むイオン性クエンチャーが挙げられる。
【0050】
界面活性剤としては、フッ素化されているかまたはフッ素化されていない界面活性剤が挙げられ、好ましくは、非イオン性である。典型的なフッ素化非イオン性界面活性剤としては、パーフルオロC界面活性剤、例えば、3M Corporationから入手できる、FC−4430およびFC−4432界面活性剤;および、フルオロジオール、例えば、OmnovaからのPOLYFOX PF−636、PF6320、PF−656およびPF−6520のフルオロ界面活性剤が挙げられる。
【0051】
前記フォトレジストは、さらに、フォトレジストに使用される前記成分を溶解、分注およびコーティングするのに一般的に適した溶媒を含む。典型的な溶媒としては、アニソール、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパノールおよび1−エトキシ−2−プロパノールを含むアルコール、n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネートを含むエステル、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンを含むケトン、ならびに、前述の溶媒の少なくとも1つを含む組み合わせが挙げられる。
【0052】
本明細書に開示される前記フォトレジスト組成物は、前記ポリマーを、固形分総重量に基づいて、50から99重量%、具体的には55から95重量%、より具体的には60から90重量%および、さらにより具体的には65から90の量で含んでもよい。フォトレジストにおける成分のこの文脈において使用される「ポリマー」は、本明細書に開示された前記ポリマーのみ、または、前記ポリマーとフォトレジストに有用な別のポリマーとの組み合わせを意味し得ることが理解されるであろう。前記光崩壊性塩基は、固形分総重量に基づいて、0.01から5重量%、具体的には0.1から4重量%、およびさらにより具体的には0.2から3重量%の量で、前記フォトレジストに存在してもよい。界面活性剤は、固形分総重量に基づいて、0.01から5重量%、具体的には0.1から4重量%、およびさらにより具体的には0.2から3重量%の量で含まれてもよい。クエンチャーは、固形分総重量に基づいて、例えば、0.03から5重量%の比較的少量で含まれてもよい。他の添加剤は、固形分総重量に基づいて、30重量%未満であるか、または等しく、具体的には、20%未満であるか、または等しく、より具体的には、10%未満であるか、または等しい量で含まれてもよい。前記フォトレジスト組成物についての総固形分含量は、固形分および溶媒の総重量に基づいて、0.5から50重量%、具体的には1から45重量%、より具体的には2から40重量%および、さらにより具体的には5から35重量%であってもよい。前記固形分は、コポリマー、光崩壊性塩基、クエンチャー、界面活性剤、任意の追加のPAGおよび任意の選択的な添加剤を含み、溶媒を除くと理解されるであろう。
【0053】
本明細書に記載のように、PAG末端基を有する前記ポリマーを含む前記フォトレジストは、前記フォトレジストを含む層を提供するのに使用されてもよい。コートされた基体は、ポリマー結合PAGを含む前記フォトレジストから形成されてもよい。このようなコートされた基体は、(a)その表面上にパターン形成される1以上の層を有する基体;および(b)前記パターン形成される1以上の層上の前記ポリマー結合PAGを含む前記フォトレジスト組成物の層を含む。
【0054】
基体は、任意の寸法および形状でもよく、好ましくは、フォトリソグラフィーに有用なものであり、例えば、シリコン、二酸化シリコン、シリコン−オン−インシュレータ(SOI)、ストレインドシリコン、ガリウムヒ素、窒化シリコン、オキシ窒化シリコン、窒化チタン、窒化タンタル、極薄ゲート酸化膜、例えば、酸化ハフニウムでコートされたものを含むコートされた基体、チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、それらの合金およびそれらの組み合わせでコートされたものを含む金属または金属コートされた基体である。好ましくは、本明細書において、前記基体表面は、例えば、1つ以上のゲートレベル層を含むパターン形成される限界寸法層、または、半導体製造用の前記基体上の他の限界寸法層を含む。このような基体は、好ましくは、シリコン、SOI、ストレインドシリコンおよび他のこのような基体材料を含んでもよく、例えば、直径20cm、30cmもしくはそれより長い寸法、または、ウエハー製造に有用な他の寸法を有する円形ウエハーとして形成されてもよい。
【0055】
さらに、電子デバイスを形成する方法は、(a)PAG末端基を有する前記ポリマーを含むフォトレジスト組成物の層を基体の表面上に適用すること、(b)前記フォトレジスト組成物層を活性化放射線にパターン様露光し、および(c)前記露光されたフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフ像を提供すること含む。
【0056】
適用は、スピンコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ドクターブレーディング等を含む任意の適切な方法により、達成され得る。前記フォトレジスト層の適用は、好ましくは、コーティングトラックを使用して、溶媒中の前記フォトレジストをスピンコートすることにより達成される。前記フォトレジストは、回転中のウエハー上に分配される。分配中に、前記ウエハーは、4,000rpm以下、好ましくは約500から3,000rpm、および、より好ましくは1,000から2,500rpmの速度で回転させてもよい。前記コートされたウエハーは、溶媒を除去するために回転され、この膜から残った溶媒および自由体積を除去し、均一な密度にするために、ホットプレート上でベークされる。
【0057】
次いで、パターン様露光は、露光ツール、例えば、ステッパーを使用して行われる。前記膜は、パターンマスクを通して照射され、これにより、パターン露光される。前記方法では、好ましくは、極紫外線(EUV)またはe−ビーム放射線を含む高解像を可能な波長での活性化放射線を生じる進歩した露光ツールを使用する。前記活性化放射線を使用する露光は、露光領域における前記PAGを分解し、酸および分解副生成物を生じさせ、さらに、次いで、前記酸は、前記ポリマーにおいて化学変化をもたらす(酸感受性基を脱ブロック化して、塩基可溶性基を生じさせる、または、前記露光領域における架橋反応を触媒する)と理解される。このような露光ルーツの解像能は、30nm未満でもよい。
【0058】
次いで、前記露光されたフォトレジスト層の現像は、前記膜の露光された部分を選択的に除去可能な適切な現像剤で、前記露光された層を処理すること(前記フォトレジストは、ポジ型である)、または前記膜の露光されていない部分を除去すること(前記フォトレジストが、前記露光領域において架橋可能である、すなわち、ネガ型)により達成される。好ましくは、前記フォトレジストは、酸感受性(脱保護性)基を有するポリマーに基づくポジ型であり、前記現像剤は、好ましくは、金属イオンフリーのテトラアルキルアンモニウム水酸化物溶液、例えば、0.26Nの水性テトラメチルアンモニウム水酸化物である。パターンは、現像により形成する。
【0059】
前記フォトレジストは、1つ以上のこのようなパターン形成処理に使用される場合、電子デバイスおよび光電子デバイス、例えば、メモリデバイス、プロセッサチップ(CPU)、グラフィックチップおよび他のこのようなデバイスを製造するのに使用されてもよい。
【実施例】
【0060】
本発明を、下記実施例によりさらに説明する。以下で使用される全ての化合物および試薬は、手順が提供される場合を除き、市販品を使用する。トリフェニルスルホニウム 1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタン−1−スルホネート(TPS F2 PAGモノマー)を、Central Glassからの市販品を入手した。
【0061】
構造的な特徴決定を、いずれもVarianからの、INOVA500 NMR分光計(H用に500MHzで動作、および、13C用に125MHzで動作)または、INOVA400−MR NMR分光計(H用に400MHzで動作、および、19F用に376MHzで動作)での、核磁気共鳴(NMR)分光分析により行った。ポリマー組成物を、NOE抑制技術(すなわち、Cr(アセチルアセトネート)および2秒のパルス遅延)を使用して、125MHzでの定量13C NMRにより測定した。分子量(Mw)および多分散度(PD)を、1mg/mlのサンプル濃度を使用して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびポリスチレン標準で調整された万能補正曲線による架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムにより測定し、1ml/分の流量で、0.2重量%の硝酸リチウムを含むテトラヒドロフランにより溶出した。
【0062】
PAG−官能化連鎖移動剤CTA1の合成を、下記手順に基づいて、スキーム1で説明されるように行った(本明細書で使用されるように、「TPS」は、「トリフェニルスルホニウム」を示すことに留意のこと。)。
【0063】
【化18】
【0064】
4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸(0.550g、1.97mmol)を、不活性雰囲気下において、20mLのバイアルに移し、2gの無水THFに溶解した。得られた赤色の溶液に、KH(0.158g、3.94mmol)を、5分間にわたって少量ずつ添加した)。前記添加後、バブリングを停止し、過剰のKHが、前記アニオンの暗赤色溶液に残留した。
【0065】
蒸留された3,3,4,4−テトラフルオロブタンスルトン(0.451g、2.17mmol)を、20mLのバイアルに添加した。4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸カリウム溶液を、前記スルトンを含む前記バイアルにフリットによりろ過し、混合物を、室温で2時間攪拌し、前記溶液をグローブボックスから取り出す時点で、粗製物をヘキサン(おおよそ10g)で洗浄した。粗製物の底相を、赤色オイルとして分離した。上部の薄いピンク色のヘキサン溶液を捨て、前記赤色の油状粗製物を、THFに再溶解し、ヘキサンで2回抽出した。前記得られた2回抽出オイルを、さらに精製することなく、つぎの工程に使用した。
【0066】
つぎの(メタセシス)工程において、前記赤色オイルを、CHCl(5mL)に溶解し、臭化トリフェニルスルホニウムの水溶液(0.743g、2.166mmol、5mLの脱イオン水に溶解)を添加した。前記二相性の混合物を、勢いよく振とうして、前記相を混ぜ合わせ、前記混合物を、室温でオーバーナイト攪拌した。前記水層は、最初はピンク色であったが、時間経過とともに無色になった。18時間後、前記水層を除去し、前記有機相をDI水で2回洗浄した。次いで、前記有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去して、粘稠の赤色オイルを得た(1.27g、収率86%)。前記生成物質を、Hおよび19F NMR分光法により分析した。
H NMR(400MHz CDCl):δ7.91(d,J=8.5Hz,2H),7.66−7.78(m,15H),7.55(t,J=7.5Hz,1H),7.37(t,J=7.4Hz,2H),4.4(t,J=6.6Hz,2H),2.40−2.85(m,6H),1.9(s,3H)。
19F NMR(CDCl):−112.3(m,2F),−118.3(m,2F)。
【0067】
ポリマー(ポリマー実施例1)を、下記の方法に基づき、スキーム2に示すように、PAG末端基化合物CTA1を使用して調製した。
【化19】
【0068】
2−フェニル−2−プロピルメタクリレート(PPMA;1.50g、7.34mmol)、アルファ−(ガンマブチロラクトン)メタクリレート(a−GBLMA、1.82g、10.7mmol)、3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(di−HFAMA、1.41g、2.83mmol)およびトリフェニルスルホニウム 1,1−ジフルオロ−2−(メタクリロイルオキシ)エタン−1−スルホネート(TPS−F2MA、0.832g、1.69mmol)を、不活性雰囲気下において、20mLのバイアルに移して、モノマー混合物を提供した。8.3gの溶媒混合物を、2:1(v/v)の比において、CHCN:無水テトラヒドロフラン(THF)を組み合わせることにより調製した。前記溶媒混合物の約半分を、前記モノマーに添加して、前記モノマーを完全に溶解した。前記得られたモノマー溶液を、オーブン乾燥させた中性アルミナのプラグを通して直接新たなバイアルにろ過し、続けて、残りの溶媒で前記プラグを洗浄した。
【0069】
次いで、CTA1溶液(0.991g、0.661mmol、無水THFにおける50重量%溶液)を、前記バイアルに添加、溶解して、赤色の均一な溶液を提供した。2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN;0.660mL、0.132mmol、トルエン中0.2M)を添加し、前記バイアルのふたをし、60℃で72時間加熱した。前記溶液を、室温に冷却し、100mLの90:10(v/v)メチルtert−ブチルエーテル/イソプロパノール(MTBE:iPrOH)に2回沈殿させた。前記沈殿したポリマーを、ろ過により収集し、沈殿と沈殿との間で、6mLのTHFに再度溶解した。2回目の沈殿後に、前記固体状のポリマーを、真空ろ過により収集し、45℃での真空オーブンでオーバーナイト乾燥させて、ピンク色の固形物として、前記ポリマーを得た。
13C NMR(100MHz、アセトン−d)組成 それぞれ25:42:12:21モル%比のPPMA/a−GBLMA/di−HFAMA/TPS−F2 PAG、Mn=6600g/モル、Mw=7600g/モル、PDI=1.15。
【0070】
第2のポリマー(ポリマー実施例2)を、下記手順に基づき、スキーム3に基づいて、PAGモノマーを使用せず、CTA1を使用して調製した。
【0071】
【化20】
【0072】
2−フェニル−2−プロピルメタクリレート(PPMA;1,50g、7.34mmol)、アルファ−(ガンマブチロラクトン)メタクリレート(a−GBLMA、1.87g、11.0mmol)および3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシルメタクリレート(di−HFAMA、1.28g、2.56mmol)を、不活性雰囲気下において、20mLのバイアルに移した。7.0gの溶媒混合物を、2:1(v/v)の比において、CHCN:THFを組み合わせることにより調製した。前記溶媒混合物の約半分を、前記モノマーに添加して、前記モノマーを完全に溶解した。前記モノマー溶液を、オーブン乾燥させた中性アルミナのプラグを通して直接新たなバイアル内にろ過し、続けて、前記アルミナを通して残りの溶媒を通過させた。
【0073】
CTA1溶液(0.903g、0.602mmol、無水THFにおける50重量%溶液)を、前記バイアルに移し、赤色の均一な溶液を形成した。2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN;0.603mL、0.121mmol、トルエンにおける0.2M)の溶液を添加し、前記バイアルのふたをし、60℃で72時間加熱した。前記溶液を、室温に冷却し、100mLの90:10(v/v)メチルtert−ブチルエーテル/イソプロパノール(MTBE:iPrOH)内に2回沈殿させた。前記沈殿したポリマーを、ろ過により収集し、沈殿と沈殿との間で、6mLのTHFに再度溶解した。2回目の沈殿後に、前記固体状のポリマーを、真空ろ過により収集し、45℃での真空オーブンでオーバーナイト乾燥させて、ピンク色の固形物として、前記ポリマーを得た。
13C NMR(100MHz、アセトン−d)組成 それぞれ25:42:12:21モル%比のPPMA/a−GBLMA/di−HFAMA、Mn=7200g/モル、Mw=8600g/モル、PDI=1.20。
【0074】
フェニルジベンゾチオフェニウム(PDBT)カチオンを有する、第2のPAG官能化連鎖移動剤(CTA2)を、下記手順に基づいて、スキーム4で説明されるように調製した。
【0075】
【化21】
【0076】
4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸(1.00g、3.58mmol)を、不活性雰囲気下において、20mLのバイアルに移し、4gの無水THFに溶解した。この赤色の溶液に、KH(0.287g、7.16mmol)を、5分間にわたって少量ずつ添加した。前記KHの添加中に、前記溶液の赤色が、暗くなった。
【0077】
蒸留された3,3,4,4−テトラフルオロブタンスルトン(0.820g、3.94mmol)を、第2の20mLのバイアルに添加した。前記RAFT化合物のカリウム塩を含む赤色溶液を、前記スルトンを含む前記バイアルにフリットによりろ過し、この混合物を、周囲温度で2時間攪拌した。粗製物をヘキサン(おおよそ10g)で抽出した。前記粗製物を、赤色オイルとして分離した。薄いピンク色のヘキサン溶液を捨て、赤色の油状残渣を、THFに再溶解し、ヘキサンで2回抽出した。
【0078】
次いで、前記赤色オイルを、CHCl(10mL)に溶解し、臭化フェニルジベンゾチオフェニウム(PDBTBr;1.34g、3.94mmol、30mLの脱イオン水に溶解)の水溶液を添加した。この組み合わせ物を、勢いよく振とうし、前記混合物を、周囲温度で12時間攪拌した。前記水層は、最初はピンク色であったが、無色になった。
【0079】
前記水層を除去し、前記有機層をDI水(2×30mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。前記溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去して、粘稠の赤色オイルとして、PAG官能化連鎖移動剤(CTA2)を得た。収量:2.24g(83.7%)。前記生成物質を、Hおよび19F NMR分光法により分析した。
H NMR(400MHz CDCl):δ8.16(dd,J=8.0Hz,J=26Hz,4H),7.80−7.90(m,4H),7.47−7.68(m,8H),7.35−7.40(m,2H),4.41(t,J=6.6Hz,2H),2.36−2.87(m,6H),1.91(s,3H)。
19F NMR(CDCl):−112.3(m,2F),−118.3(m,2F)。
【0080】
PDBTカチオンを有するPAG官能化CTA(CTA2)を含む第3のポリマー(ポリマー実施例3)を、下記の手順に基づき、スキーム5に示すように調製した。
【0081】
【化22】
【0082】
全てのモノマー(PPMA:2.00g、9.79mmol;di−HFAMA:1.70g、3.41mmol;a−GBLMA:2.50g、14.7mmol)を、不活性雰囲気下において、20mLのバイアルに移した。第2の20mLのバイアルを、2:1(v/v)CHCN:THFの(40%固体混合物を提供するのに十分な)9.3gの溶媒混合物で満たした。前記溶媒混合物の約半分を、前記モノマーに添加して、前記モノマーを溶解した。前記モノマー溶液を、オーブン乾燥させた中性アルミナのプラグ(〜2cm)を通して直接新たなバイアル内にろ過した。前記アルミナプラグを、残りの溶媒混合物で溶出し、前記溶出物を、前記バイアルに収集した。CTA2の溶液(1.32g、0.881mmol、無水THFにおける50重量%溶液)を、モノマーを含むバイアルに移して、赤色の均一な溶液を生成した。2,2’−アゾビス(メチル 2−メチルプロピオネート)(V601開始剤、Wakoから入手、0.0406mL、0.176mol)の溶液を、前記モノマー溶液に添加し、前記バイアルのふたをし、攪拌しながら60℃に26時間加熱した。一定分量の粗製物H NMR分光分析に基づいて、変換は適切であると考えられた。前記ポリマーを、90mLのジイソプロピルエーテル(iPrO)内に沈殿させ、ろ過し、真空下において40℃でオーバーナイト乾燥させて、5.9gのポリマーを得た。前記ポリマーを、GPCにより分析した:Mn=6300g/モル、Mw=7100g/モル、PDI=1.12。
【0083】
ポリマー実施例3を、さらに、下記のように、ジチオエステルRAFT末端基を取り除くための条件下において処理した。前記ポリマー(5.9g、0.931mmol)、V601開始剤(2.14g、9.31mmol)および過酸化ラウロイル(0.742g、1.86mmol)を、不活性雰囲気下において、100mLの丸底フラスコ内で混合した。15gの無水CHCNを、攪拌しながら添加、加熱して、全ての固形物を完全に溶解した。前記フラスコを、勢いよく攪拌しながら、80℃で2.5時間、加熱して還流した。その後、色が薄いオレンジ色に変化し、前記フラスコを、加熱から外し、RTに冷却した。硫黄を含まないポリマーを、150mLのi−PrO内に沈殿させ、オフホワイト色の固形物を、前記薄いピンク色の溶液から、ろ過により収集した。前記収集したポリマーを、ジエチルエーテル(2×10mL)で洗浄して、白色の固形物を得た。前記固形物を、N下および40℃での真空下において乾燥させて、4.5gのポリマーを得た。
GPC分析:Mn=7100g/モル、Mw=8300g/モル、PDI=1.18。
13C NMR積分からの相対モノマー比:PPMA;32%、a−GBLMA:57%、di−HFA:11%。
【0084】
配合実施例を調製して、248nm(DUV)および13.4nm(EUV)の波長での、Eデータ(平方センチメートルあたりのミリジュール、mJ/cm)を得た。
ポジ型フォトレジスト組成物を、下記の方法において調製した。ポリマー実施例3の溶液(2−ヒドロキシメチルイソブチレートにおける、2.492gの10重量%溶液)を、メチル2−ヒドロキシイソブチレートにおける、0.112gのジアミノシクロヘキサンジアセテート(「DACHDA」)の0.5重量%溶液、メチル2−ヒドロキシイソブチレートにおける、0.05gのPOLYFOX656の0.5重量%溶液、および、7.346gのメチル2−ヒドロキシイソブチレートと混合した。前記サンプルを、0.2umのPTFEフィルタによりろ過し、(Dow Electronic Materialsから入手できる、予め60nmのAR9(商標)反射防止コーティングでコートされた)200mmシリコンウエハー上に50nmの膜厚みにスピンコートし、110℃で90秒間ベークした。248nmでのコントラストカーブを、0.8NAを有するCanon ES2スキャナを使用して取得した。前記レジストを、オープンフレーム設定を使用して、248nmの放射線の増加する線量に対して露光した。露光後、100℃で60秒間露光後ベークして(「PEB」)、0.26Nの水性テトラメチルアンモニウム水酸化物溶液により現像した。各露光領域において、厚みを測定し、除去するための前記線量(E)を得るために、対線量でプロットした。
【0085】
13.5nmの光源を使用するコントラスカーブ測定値を、LithoTech JapanからのEUV ES−9000露光ツールを使用して取得した。前記レジストを、オープンフレーム設定を使用して、EUV放射線の増加する線量に対して露光し、100℃で60秒間露光後ベークし(「PEB」)、そして0.26Nの水性テトラメチルアンモニウム水酸化物溶液により現像した。各露光領域において厚みを測定し、除去するための線量(E)を得るために、対線量でプロットした。
【0086】
未露光膜厚み損失を、0.26Nの水性テトラメチルアンモニウム水酸化物現像溶液との60秒接触の前後に、基体上にコートされたフォトレジスト膜の厚み損失を測定することにより得た。未露光膜厚み損失(UFTL)(単位nm)とともに、248nmおよびEUV波長でのフォトスピードを以下の表に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
前記表において、RAFT剤CTA2を使用して調製された、狭い多分散度のポリマー実施例3により作製された配合物(FEx)は、248nm露光での許容可能なフォトスピードEおよびEUV Eを有する。図1は、FExについての248nm(DUV)において得られるコントラストカーブを示す。
【0089】
本明細書に開示された全ての範囲は、端点を含んでおり、前記端点は、互いに独立して組み合わせ可能である。「任意の」または「場合によって」は、続けて記載された出来事または状況が起こってもよいし、起こらなくてもよいことを意味し、前記記載は、前記出来事が起こる例と、前記出来事が起こらない例とを含む。本明細書で使用される「組み合わせ」は、混合、混合物、合金または反応生成物を含んでいる。全ての参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。さらに、留意すべきことは、本明細書における「第1の」、「第2の」等の用語は、順序、数量または重要性のいずれも表さず、むしろ、1つの要素をもう1つとから区別するのに使用される。
図1