(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記位置決め解除手段には、前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを弾性的に復帰させる復帰手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記復帰手段は、前記操作コードが掛装されたエンドケースを前記位置決め解除手段に向かって移送可能とした操作棒を備えたことを特徴とする請求項2記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記キャップは前記板状部から突出する案内突起を備え、前記エンドケースは前記案内突起を挿入可能な案内孔を備えることを特徴とする請求項6記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記レールの両端部に前記操作部を取着し、前記操作部に前記エンドケースをそれぞれ保持し、前記レールの左端部に位置するエンドケースに掛装した操作コードを前記レールの右端から垂下し、前記レールの右端部に位置するエンドケースに掛装した操作コードを前記レールの左端から垂下したことを特徴とする請求項8又は9記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記係止片は係止突部を備え、前記エンドケースは前記係止突部に係合可能な保持面を備えることを特徴とする請求項5乃至11のいずれか1項に記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記係止片との係合が解除された前記エンドケースは、前記保持面の高さ位置が前記係止片と同じ高さ位置を維持された状態で、前記レールに沿って移動可能であることを特徴とする請求項12記載の日射遮蔽装置の操作装置。
前記エンドケースに、前記日射遮蔽材を回動操作する角度調節軸を挿通可能とした軸受孔を設けたことを特徴とする請求項3乃至15のいずれか1項に記載の日射遮蔽装置の操作装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のような縦型ブラインドでは、無端状の操作コードがハンガーレールの一端から垂下されている。このため、室内を移動する居住者等に操作コードが引っ掛かってその移動を妨げたり、操作コードに引っ掛かった移動物体あるいは操作装置が破損したりすることがあった。
【0009】
特許文献3には、カーテンレール内に引き回した引きひもを掛装するプーリーに、引きひもの緊張度合いを調節する調節装置を備えたプーリーケースが開示されている。このようなプーリーケースを備えたカーテンでは、カーテンレールから垂下される引きひもに居住者等が引っ掛かると、引きひもの緊張度調節範囲で居住者等の移動を許容可能である。
【0010】
しかし、引きひもの緊張度調節範囲は限られているので、居住者の移動の妨害等を確実に防止することができない。
【0011】
特許文献4に第二の実施形態として開示された縦型ブラインドでは、操作コードの一方の端部はハンガーレールの端部に位置決めされたプーリーに掛装されているので、ハンガーレールから垂下される操作コードに居住者等が引っ掛かると、居住者等の移動を妨げてしまう。
【0012】
また、ハンガーレールから垂下されるピッチ駆動コードに居住者等が引っ掛かると、マグネット付きリードランナーがマグネット受けから外れても、マグネット付きリードランナーとともに操作コードをハンガーレール内で周回させる状態となって、ピッチ駆動コードの移動が妨げられる。従って、居住者等の移動の妨害等を確実に防止することができない。
【0013】
この発明の目的は、レール内で引き回される操作コードで遮蔽材を移送する日射遮蔽装置において、居住者等の移動を操作コードで妨げないようにした日射遮蔽装置の操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、日射遮蔽装置の操作装置を提供する。日射遮蔽装置は、日射遮蔽材を移動可能に支持するレールと、前記レールに沿って周回可能なようにレールに支持される無端状の操作コードであって、レールに沿って互いに並行して延びる一対のコード部と、一対のコード部の第一端部同士の接続部分である第一の無端縁と、一対のコード部の第二端部同士の接続部分である第二の無端縁とを有し、前記レールの一端から前記第一の無端縁が垂下されるとともに、前記第二の無端縁がコード支持部を介して前記レール内に支持される、前記操作コードと、前記レール内を前記操作コードが周回することに伴い、前記レールに沿って移送される日射遮蔽材と、を備える。前記コード支持部は、前記第二の無端縁における前記一対のコード部の両方に作用する引っ張り力で前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを解除する位置決め解除手段と、前記第二の無端縁の位置決めが解除されたとき、少なくとも前記第一の無端縁が床面に達するまで前記第二の無端縁の移動を許容する案内部材と、を備える。
【0015】
本発明の一態様では、前記位置決め解除手段には、前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを弾性的に復帰させる復帰手段を設けた。
【0016】
本発明の一態様では、前記復帰手段は、前記操作コードが掛装されたエンドケースを前記位置決め解除手段に向かって移送可能とした操作棒を備えた。
【0017】
本発明の一態様では、前記位置決め解除手段は、前記レールに取着されて、前記コード支持部に設けられたエンドケースを弾性的に保持する係止手段を備えた。
【0018】
本発明の一態様では、前記コード支持部は、前記レールの端部に取着されるキャップと、前記操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持されるエンドケースとを備え、前記位置決め解除手段は、前記キャップに設けられて、前記エンドケースを弾性的に保持する係止片を備えた。
【0019】
本発明の一態様では、前記キャップは前記レールの端部を覆う板状部を備え、前記係止片が前記板状部から突出している。
【0020】
本発明の一態様では、前記キャップは前記板状部から突出する案内突起を備え、前記エンドケースは前記案内突起を挿入可能な案内孔を備える。
【0021】
本発明の一態様では、前記コード支持部は、前記レールの端部に取着した操作部と、前記操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持されるエンドケースとを備え、前記位置決め解除手段は、前記操作部に設けられて、前記エンドケースを弾性的に保持する係止片を備えた。
【0022】
本発明の一態様では、前記操作部には、前記操作コードを前記レールの端部から下方へ案内する案内ローラーを設けた。
【0023】
本発明の一態様では、前記レールの両端部に前記操作部を取着し、前記操作部に前記エンドケースをそれぞれ保持し、前記レールの左端部に位置するエンドケースに掛装した操作コードを前記レールの右端から垂下し、前記レールの右端部に位置するエンドケースに掛装した操作コードを前記レールの左端から垂下した。
【0024】
本発明の一態様では、前記コード支持部は、前記レールの長手方向中間部に取着されるセパレートストッパと、前記レールの右端部から垂下される操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持される第一のエンドケースと、前記レールの左端部から垂下される操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持される第二のエンドケースとを備え、前記位置決め解除手段は、前記セパレートストッパに設けられて、前記第一及び第二のエンドケースを弾性的に保持する係止片を備えた。
【0025】
本発明の一態様では、前記係止片は係止突部を備え、前記エンドケースは前記係止突部に係合可能な保持面を備える。
【0026】
本発明の一態様では、前記係止片との係合が解除された前記エンドケースは、前記保持面の高さ位置が前記係止片と同じ高さ位置を維持された状態で、前記レールに沿って移動可能である。
【0027】
本発明の一態様では、前記エンドケースには、前記操作コードが掛装される案内ローラーを設けた。
【0028】
本発明の一態様では、前記エンドケースを、前記レール内で移動可能に支持した。
【0029】
本発明の一態様では、前記エンドケースに、前記日射遮蔽材を回動操作する角度調節軸を挿通可能とした軸受孔を設けた。
【0030】
本発明の一態様では、前記位置決め解除手段は、前記操作コードを掛装したエンドケースに設けられて、該エンドケースを前記レールに弾性的に保持する係止手段を備えた。
【0031】
本発明の一態様では、
前記係止手段は前記エンドケースに設けられた弾性片であり、同弾性片は、前記レールの端部又は前記レールに形成された係止孔に係合する。
【0032】
本発明の一態様では、前記位置決め解除手段は、前記操作コードが掛装される案内部を、前記レールに弾性的に保持した。
【0033】
本発明の一態様では、前記コード支持部を、前記レールに対し移動可能に外嵌した。
【0034】
本発明の一態様では、前記案内部材に、前記日射遮蔽材の端部を吊下支持する吊下部を設けた。
【0035】
本発明の一態様では、前記位置決め解除手段は、前記
日射遮蔽材の移送操作時に前記操作コードに作用する引っ張り力を超える引っ張り力で前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを解除するように構成される。
【0036】
本発明はまた、日射遮蔽装置のコード支持部を提供する。日射遮蔽装置は、日射遮蔽材を移動可能に支持するレールと、前記レール内を周回可能なようにレールに支持される無端状の操作コードであって、レールに沿って互いに並行して延びる一対のコード部と、一対のコード部の第一端部同士の接続部分である第一の無端縁と、一対のコード部の第二端部同士の接続部分である第二の無端縁とを有し、前記レールの一端から前記第一の無端縁が垂下されるとともに、前記第二の無端縁がコード支持部を介して前記レール内に支持される、前記操作コードと、前記レール内を前記操作コードが周回することに伴い、前記レールに沿って移送される日射遮蔽材と、を備える。前記コード支持部は、前記第二の無端縁における前記一対のコード部の双方に同方向の引張り力が作用したとき、前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを解除する位置決め解除手段を備える。
【0037】
本発明はさらに、日射遮蔽装置のレールの長手方向中間部に取着されるコード支持部を提供す
る。前記コード支持部に支持される操作コードは、前記レールに沿って周回可能なようにレールに支持される無端状の操作コードであって、前記レールに沿って互いに並行して延びる一対のコード部と、前記一対のコード部の第一端部同士の接続部分である第一の無端縁と、前記一対のコード部の第二端部同士の接続部分である第二の無端縁とを有し、前記レールの一端から前記第一の無端縁が垂下されるとともに、前記第二の無端縁が前記コード支持部を介して前記レール内に支持されるものである。前記操作コードは、第一の操作コードと第二の操作コードとを備える。同コード支持部は、前記レールの右端部から垂下される
第一の操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持される第一のエンドケースと、前記レールの左端部から垂下される
第二の操作コードが掛装されるとともに、前記レールに移動可能に支持される第二のエンドケースと、前記レールの長手方向中間部に設けられて、前記第一及び第二のエンドケースを弾性的に保持する係止片と
を備える。前記係止片は、前記第二の無端縁における前記一対のコード部の両方に作用する引っ張り力で前記第二の無端縁の前記レールに対する位置決めを解除する。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、レール内で引き回される操作コードで遮蔽材を移送する日射遮蔽装置において、居住者等の移動を操作コードで妨げないようにすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態を図面に従って説明する。この実施形態は、スラットをハンガーレールの一端側から他端側に向かって引き出し、あるいは他端側から一端側に向かって畳み込む片開き型の縦型ブラインドを示す。
【0041】
図1〜
図4に示す縦型ブラインドは、ハンガーレール1内に多数のランナー2が移動可能に支持され、各ランナー2に設けられるフック3からスラット4がそれぞれ吊下支持されている。
【0042】
前記ハンガーレール1の右端には操作部5が取着され、その操作部5から前記スラット4を角度調節するための操作棒6が垂下されている。そして、操作棒6を回転操作すると、操作部5内のギヤボックスを介してハンガーレール1内に回転可能に支持された角度調節軸が回転され、各ランナー2内のウォーム機構を介して前記フック3が回動される。従って、操作棒6の回転操作により、各スラット4が同位相で回動されるになっている。
【0043】
前記スラット4は、前記操作部5から垂下される無端状の操作コード7の操作により、ハンガーレール1に沿って引き出し及び畳み込み操作可能となっている。前記操作コード7は、ハンガーレール1に沿って互いに並行して延びる一対のコード部と、一対のコード部の第一端部同士の接続部分である第一の無端縁と、一対のコード部の第二端部同士の接続部分である第二の無端縁とを有している。一方の無端縁(第一の無端縁)が前記操作部から垂下され、
図3及び
図4に示すように、一対のコード部がその第一の無端縁から、前記操作部5に支持された案内ローラー8を経てハンガーレール1内の前後両側部に案内される。そして、他方の無端縁(第二の無端縁)がハンガーレール1の左端に取着されるコード支持部9に掛装されている。
【0044】
そして、操作部5から垂下される操作コード7を操作すると、ハンガーレール1内で前後に位置する操作コード7の一対のコード部が互いに逆方向に移動するようになっている。
【0045】
前記ランナー2のうち、前記操作部5に最も近いランナーは先頭ランナー2aであり、その先頭ランナー2aに、前記ハンガーレール1内で操作コード7の一対のコード部のうち前方に位置するコード部が接続されている。
【0046】
従って、前方のコード部が
図4に示す矢印A方向に移動すると、先頭ランナー2aが矢印A方向に移動し、矢印B方向に移動すると先頭ランナー2aが矢印B方向に移動する。
【0047】
前記各ランナー2,2aはスペーサー10で連結され、そのスペーサー10で設定された各ランナー2,2aの最大離間距離は等間隔に設定されている。前記ハンガーレール1の最も左端側に位置するランナー2はエンドスペーサー10aで前記コード支持部9との最大離間距離が設定されている。エンドスペーサー10aで設定される最大離間距離は、他のスペーサー10の半分に設定されている。
【0048】
このような構成により、操作コード7の操作に基づいて先頭ランナー2aが矢印A方向に移動すると、後続のランナー2が同方向に順次引き出され、スラット4がハンガーレールの右端に向かって引き出される。
【0049】
また、先頭ランナー2aが矢印B方向に移動すると、先頭ランナー2aにより後続のランナー2が同方向に順次押し戻され、スラット4がハンガーレールの左端に向かって畳み込まれる。
【0050】
次に、前記コード支持部9の具体的構成を
図5及び
図6に従って説明する。コード支持部9は、ハンガーレール1の端部に嵌合可能としたキャップ11と、そのキャップ11に取着されるエンドケース12とで構成される。前記キャップ11とエンドケース12はともに弾性を有する合成樹脂で形成される。
【0051】
前記キャップ11は、前記ハンガーレール1の端部を覆う板状部15を備え、前記ハンガーレール1に対向する側面の上部及び下部に、ハンガーレール1への嵌合位置を案内する上部案内片16と下部案内片17が設けられている。
【0052】
前記板状部15の前後両側部には、前記案内片16,17と同方向に突出する一対の係止片(復帰手段又は復帰部材)18a,18bが形成され、その係止片18a,18bの先端部には互いに対向する方向に山形に突出する係止突部19がそれぞれ形成されている。
【0053】
前記上部案内片16の中央部には、キャップ11を前記ハンガーレール1に固定するためのネジ孔104が形成されている。また、上部案内片16の下方には、キャップ11から水平方向に延びる四角軸状の案内突起105が形成されている。また、前記案内突起105の前後両側には、前記エンドスペーサー10aの後記案内ローラー25に掛装される操作コード7を案内するガイド部106が形成されている。
【0054】
案内部材としての前記エンドケース12には、前記キャップ11の係止片18a,18b間に嵌挿可能とした嵌合部20及び嵌合片21が形成されている。嵌合部20には前記係止片18aの係止突部19に係合する段差部(保持面)22が形成され、嵌合片21には前記係止片18bの係止突部19に係合する保持面102が形成されている。前記嵌合部20には、前記角度調節軸を回転可能に且つ軸方向に相対移動可能に支持する軸受孔23が形成されている。
【0055】
前記嵌合部20及び嵌合片21の下方には、前記操作コード7を挿通可能とする筒状部24が形成され、その筒状部24内に
図4及び
図5に示すように、操作コード7が掛装される一対の案内ローラー25が回転可能に支持されている。
【0056】
そして、案内ローラー25に操作コード7を掛装した状態でエンドケース12の嵌合部20及び嵌合片21を係止片18a,18b間に挿入すると、係止片18a,18bが拡開されながら嵌合部20及び嵌合片21と相対移動し、やがて係止突部19が段差部22及び嵌合片21の保持面102に弾性的に係合する。すると、エンドケース12がキャップ11に保持される。
【0057】
前記嵌合片21と嵌合部20との間には、前記エンドスペーサー10aを保持するスペーサー保持部103が形成されている。前記エンドケース12の下面の前後両側には、下方に突出する脚部101が形成されている。前記嵌合部20には、前記軸受孔23の側方に、前記案内突起105を嵌挿可能とした四角孔(案内孔)108が形成されている。
【0058】
前記エンドケース12をキャップ11に取着するには、下部案内片17を筒状部24の下面と脚部101に沿わせながら、案内突起105を四角孔108に嵌挿する。そして、係止片18a,18bの係止突部19を保持面102及び段差部22に嵌合すると、エンドケース12がキャップ11に弾性的に保持される。
【0059】
このような構成により、エンドケース12は下部案内片17と案内突起105により安定して支持される。また、下部案内片17を筒状部24の下面と脚部101に沿わせながら案内できるので、さらに安定して案内される。
【0060】
また、エンドケース12がキャップ11から離脱した後に、案内突起105と下部案内片17により、エンドケース12をキャップ11に保持する状態に復帰させることが容易となる。
【0061】
エンドケース12を保持する保持力は、通常のスラット引き出し操作あるいは畳み込み操作時に操作コード7に作用する引っ張り力に基づいて、ローラー25に作用する引張り力P(
図4参照)では、エンドケース12がキャップ11から外れないような保持力が確保されている。また、前記引張り力Pを超える力が操作コード7の一対のコード部の双方からエンドケース12に作用すると、キャップ11の係止片18a,18bとエンドケース12の嵌合部20及び嵌合片21との係合が外れ、エンドケース12がキャップ11から離脱するようになっている。キャップ11の係止片18a,18b及びエンドケース12は、位置決め解除手段又は位置決め解除機構として機能する。
【0062】
前記エンドケース12の筒状部24は、
図5に示すように、前記ハンガーレール1の底辺26と、ハンガーレール1の内側面から突出されるリブ27との間に挿通されている。従って、エンドケース12とキャップ11との係合が外れると、エンドケース12はハンガーレール1内を移動可能である。なおエンドケース12の移動時、エンドケース12の嵌合部20及び嵌合片21(詳細には、段差部22及び保持面102)の高さ位置は、キャップ11の係止片18a,18b(詳細には、係止突部19)と同じ高さ位置を維持される。すなわち、エンドケース12がキャップ11に係合された状態とキャップ11から離脱した状態とのいずれにおいても、エンドケース12のキャップ11に対する高さ方向の位置関係は変化しない。
【0063】
このように構成されたコード支持部9をハンガーレール1に取着するには、ハンガーレール1の左端において、操作コード7の無端縁をエンドケース12の案内ローラー25に掛装し、そのエンドケース12をハンガーレール1の左端に取着したキャップ11に取着する。
【0064】
すると、操作コード7の他方の無端縁がハンガーレール1の左端に支持され、ハンガーレール1の右端から垂下される操作コード7を操作すると、ハンガーレール1内で操作コード7が移動する。
【0065】
図12に示すように、ハンガーレール1から垂下される操作コード7の無端縁は、床面Fから高さHで吊下支持されて、操作の利便性が図られるとともに、床面Fとの接触による操作コード7の汚損が防止されている。
【0066】
次に、上記のように構成された縦型ブラインドの作用を説明する。
【0067】
ハンガーレール1から垂下される操作コード7の操作に基づいて、ハンガーレール1内で操作コード7が矢印A方向に移動すると、先頭ランナー2aが同方向に移動して、スラット4がハンガーレール1の右端側に向かって引き出される。
【0068】
操作コード7の操作に基づいて、ハンガーレール1内で操作コード7が矢印B方向に移動すると、先頭ランナー2aが同方向に移動して、スラット4がハンガーレール1の左端側に向かって畳み込まれる。また、操作棒6を回転操作すると、各スラット4が同位相で回動される。
【0069】
ハンガーレール1の右端から垂下される操作コード7に居住者等の移動物体が引っ掛かると、ハンガーレール1内の前後で引き回される操作コード7における一対のコード部にはともにハンガーレール1の右端側に向かって引っ張り力が作用し、エンドケース12には通常操作時より大きい力となって作用する。
【0070】
すると、
図7に示すように、エンドケース12がキャップ11から外れて、ハンガーレール1の右端側に移動する。この結果、ハンガーレール1の右端から垂下される操作コード7の長さが長くなり、居住者等の移動が許容される。
【0071】
このとき、
図13に示すように、エンドケース12の最大移動距離Lは、先頭ランナー2aと各ランナー2がハンガーレール1の右端側で操作部5とエンドケース12との間に畳み込まれた状態でのハンガーレール1の左端とエンドケース12との距離となる。
【0072】
この最大移動距離Lは、
図12に示す操作コード7の無端縁の床面Fからの高さより充分に長く、エンドケース12が最大移動距離Lを移動すると、操作部5から垂下される操作コード7の無端縁は床面F上で弛んだ状態となる。従って、操作コード7に居住者等の移動物体が引っ掛かったとき、操作コード7の無端縁が床面Fに達するまで引き出され、引っ掛かりが容易に解除される。
【0073】
また、操作コード7と居住者等との引っ掛かりを解除した後、再度エンドケース12をハンガーレール1に沿って移動させてキャップ11に保持すれば、操作コード7の操作によりスラット4を移送し得る状態に復帰する。
【0074】
上記のように構成された縦型ブラインドの操作装置では、次に示す効果を得ることができる。
【0075】
(1)ハンガーレール1から垂下される操作コード7に居住者等が引っ掛かると、エンドケース12がキャップ11から離脱して、ハンガーレール1から垂下される操作コード7の長さを長くすることができる。従って、居住者等の移動を直ちに妨げることはない。
【0076】
(2)エンドケース12の最大移動距離Lを、操作コード7の無端縁の床面Fからの高さHより大きく設定することにより、居住者等への操作コード7の引っ掛かりを容易に解除することができる。
【0077】
(3)エンドケース12がキャップ11から外れた後は、エンドケース12をキャップ11に再度弾性的に嵌着して、操作コード7でスラット4を移送し得る状態に容易に復帰させることができる。
【0078】
(第二の実施形態)
図8及び
図9は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、ハンガーレールの両端部に操作コードを垂下し、各操作コードの操作により、スラットをハンガーレールの右端側及び左端側へのいずれにも引き出し可能とし、かつ畳み込み可能としたものである。第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明する。
【0079】
図8及び
図9に示すように、ハンガーレール1の左右両端部には操作部31a,31bがそれぞれ取着され、その操作部31a,31bから操作棒6がそれぞれ垂下されている。そして、いずれの操作棒6を操作しても、各ランナー2,2a,2bから垂下されるスラットを同位相で回動操作可能である。
【0080】
前記操作部31a,31bから無端状の操作コード32a,32bがそれぞれ垂下されている。操作コード32aは、操作部31a内の案内ローラー33を経てハンガーレール1内に案内され、その他方の無端縁が前記操作部31bに保持されるエンドケース34の案内ローラー35に掛装されている。そして、ハンガーレール1内で最も右端側に位置する先頭ランナー2aがハンガーレール1内を引き回される操作コード32aの前方又は後方のコード部のうちの一方に取着されている。
【0081】
前記エンドケース34は操作部31bに対し、第一の実施形態のエンドケース12とキャップ11と同様な構成により、弾性的に保持されている。
【0082】
操作コード32bは、操作部31b内の案内ローラー36を経てハンガーレール1内に案内され、その他方の無端縁が前記操作部31aに保持されるエンドケース37の案内ローラー38に掛装されている。そして、ハンガーレール1内で最も左端側に位置する先頭ランナー2bがハンガーレール1内を引き回される操作コード32bの前方又は後方のコード部のうちの一方に取着されている。
【0083】
前記エンドケース37は操作部31aに対し、第一の実施形態のエンドケース12とキャップ11と同様な構成により、弾性的に保持される。
【0084】
次に、上記のように構成された縦型ブラインドの作用を説明する。
【0085】
ハンガーレール1の右端に垂下される操作コード32aを操作すると、先頭ランナー2bが移動して、スラットがハンガーレール1の右端側に引き出され、あるいはハンガーレール1の左端側に畳み込まれる。
【0086】
ハンガーレール1の左端に垂下される操作コード32bを操作すると、先頭ランナー2aが移動して、スラットがハンガーレール1の左端側に引き出され、あるいはハンガーレール1の右端側に畳み込まれる。
【0087】
ハンガーレール1から垂下される操作コード32aに居住者等が引っ掛かると、操作部31bからエンドケース34が離脱して、ハンガーレール1から垂下される操作コード32aの長さが長くなる。
【0088】
また、ハンガーレール1から垂下される操作コード32bに居住者等が引っ掛かると、操作部31aからエンドケース37が離脱して、操作コード32bのハンガーレール1から垂下される長さが長くなる。
【0089】
上記のように構成された縦型ブラインドの操作装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
【0090】
(1)ハンガーレール1の両端から垂下される操作コード32a,32bのいずれに居住者等が引っ掛かっても、その移動を直ちに妨げることはない。
【0091】
(2)操作部31a,31bと一体に係止片を設けたので、部品点数の増大を抑えて量産に好適であるとともに、小型化を図ることができる。
【0092】
(第三の実施形態)
図10及び
図11は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、スラットをハンガーレールの両端部から長手方向中央部に畳み込み、長手方向中央部から両端部に向かって引き出すセパレート型の縦型ブラインドを示す。先頭ランナーをハンガーレールの両端側に設ければ、スラットをハンガーレールの両端部から中央部に向かって移送する仕様とすることもできる。
【0093】
ハンガーレール1の両端部には、操作部41a,41が取着され、その操作部41a,41bから無端状の操作コード42a,42bがそれぞれ垂下されている。
【0094】
前記操作コード42aは、操作部41a内の案内ローラー43を経てハンガーレール1内に案内され、その他方の無端縁がハンガーレール1の長手方向中央部に保持されるエンドケース44の案内ローラー45に掛装されている。
【0095】
そして、ハンガーレール1内を引き回される操作コード42aの前方又は後方のコード部のうちの一方がハンガーレール1内で最も右端側に位置する先頭ランナー2aに取着されている。
【0096】
前記エンドケース44は、ハンガーレール1の長手方向中央部に固定されたセパレートストッパ46に対し、第一の実施形態のエンドケース12及びキャップ11と同様な構成により、弾性的に保持されている。セパレートストッパ46は、その中央部に形成されたネジ孔107に螺入されるネジでハンガーレール1に固定されている。
【0097】
操作コード42bは、操作部41b内の案内ローラー47を経てハンガーレール1内に案内され、その他方の無端縁が前記セパレートストッパ46に保持されるエンドケース48の案内ローラー49に掛装されている。そして、ハンガーレール1内を引き回される操作コード42bの前方又は後方のコード部のうちの一方がハンガーレール1内で最も左端側に位置する先頭ランナー2bに取着されている。
【0098】
前記エンドケース48は、前記セパレートストッパ46に対し、第一の実施形態のエンドケース12及びキャップ11と同様な構成により、弾性的に保持されている。
【0099】
スラットを回動操作する角度調節軸を、セパレートストッパ46に2本支持して、セパレートストッパ46の両側に吊下支持されるスラットをハンガーレール1の両端部に垂下される操作棒でそれぞれ独立して回動操作可能としてもよい。
【0100】
図10及び
図11でスラットを回動操作する操作棒は図示していないが、ハンガーレール1の両端部にそれぞれ吊下支持され、その操作棒を操作してスラットの移送が可能である。また、エンドケース44,48はハンガーレール1に沿って移送可能であり、操作棒を操作してエンドケース44,48をハンガーストッパ46に向かって押圧すると、エンドケース44,48がハンガーストッパ46に保持される状態に容易に復帰する。
【0101】
次に、上記のように構成された縦型ブラインドの作用を説明する。
【0102】
ハンガーレール1の右端に垂下される操作コード42aを操作すると、先頭ランナー2aが移動して、スラットがハンガーレール1の右端に向かって引き出され、あるいはハンガーレール1の長手方向中央部に畳み込まれる。
【0103】
ハンガーレール1の左端に垂下される操作コード42bを操作すると、先頭ランナー2bが移動して、スラットがハンガーレール1の左端に向かって引き出され、あるいはハンガーレール1の長手方向中央部に畳み込まれる。
【0104】
ハンガーレール1から垂下される操作コード42aに居住者等が引っ掛かって、ハンガーレール1の前後に引き回される操作コード42aの一対のコード部に同方向の引張り力が作用すると、セパレートストッパ46からエンドケース44が離脱して矢印C方向に移動し、ハンガーレール1から垂下される操作コード42aの長さが長くなる。
【0105】
また、ハンガーレール1から垂下される操作コード42bに居住者等が引っ掛かると、セパレートストッパ46からエンドケース48が離脱して矢印D方向に移動し、ハンガーレール1から垂下される操作コード42bの長さが長くなる。
【0106】
操作コード42a,42bが長くなる長さは、操作コード42a,42bの無端縁と床面との距離より大きく設定されているので、居住者等の移動を阻害しない。
【0107】
上記のように構成された縦型ブラインドの操作装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
【0108】
(1)ハンガーレール1の両端から垂下される操作コード42a,42bで、ハンガーレール1の左右に位置する複数のスラットを独立して操作可能としたセパレート型の縦型ブラインドにおいて、操作コード42a,42bのいずれに居住者等が引っ掛かっても、その移動を直ちに妨げることはない。
【0109】
(2)操作棒を操作してエンドケース44,48をセパレートストッパ46に保持させる状態に容易に復帰させることができる。操作棒をエンドケース44,48の近傍で垂下させると、復帰作業がさらに容易である。
【0110】
(3)セパレートストッパ46に角度調節軸の軸受けと係止片とを一体に設けたので、不品点数が増加せず、量産に好適であるとともに小型化を図ることができる。
【0111】
(4)セパレートストッパ46をハンガーレール1内で移動可能に挿入したので、セパレートストッパ46の両側にエンドケース44,46を組み付けて、ハンガーレール1の中央部に移動させることにより、セパレートストッパ及びエンドケース44,46の組み立てが容易である。
【0112】
(第四の実施形態)
図14及び
図15は、第四の実施形態を示す。この実施形態は、操作コードの操作により、ハンガーレールの両端部から長手方向中央部に向かってスラットを引き出し、ハンガーレールの長手方向中央部から両端部に向かってスラットを畳み込む両開き型の縦型ブラインドにこの発明を具体化したものである。第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して説明する。
【0113】
図14に示すように、ハンガーレール1の中間部には先頭ランナー2c,2dが移動可能に支持され、先頭ランナー2cと操作部5との間及び先頭ランナー2dとキャップ11との間には多数のランナー2が移動可能に支持されている。
【0114】
ハンガーレール1内を周回可能に引き回される操作コード7は、例えばハンガーレール1内で前方に配設されるコード部に先頭ランナー2cが接続され、後方に配設されるコード部に先頭ランナー2dが接続される。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0115】
このような縦型ブラインドでは、操作コード7を一方へ操作すると、先頭ランナー2cがハンガーレール1の右端に向かって移動するとともに、先頭ランナー2dがハンガーレール1の左端に向かって移動して、スラット4がハンガーレール1の両端部に向かって畳み込まれる。
【0116】
また、操作コード7を他方へ操作すると、先頭ランナー2c,2dがハンガーレール1の長手方向中央部に向かって移動して、スラット4がハンガーレール1の長手方向中央部に向かって引き出される。
【0117】
操作部5から垂下される操作コード7に居住者等の移動物体が引っ掛かると、ハンガーレール1内の前後で引き回される両方のコード部にはともにハンガーレール1の右端側に向かって引っ張り力が作用する。エンドケース12には通常操作時より大きい力となって作用する。
【0118】
すると、
図15に示すように、エンドケース12がキャップ11から外れて、ハンガーレール1の右端側に移動する。この結果、ハンガーレール1の右端から垂下される操作コード7の長さが長くなり、居住者等の移動が許容される。
【0119】
このとき、エンドケース12の最大移動距離Lは、先頭ランナー2cと操作部5との間の各ランナー2と先頭ランナー2c,2dとがハンガーレール1の右端側に畳み込まれるまでの距離となる。
【0120】
この最大移動距離Lは、
図14に示す操作コード7の無端縁の床面Fからの高さより充分に長く、エンドケース12が最大移動距離Lを移動すると、
図15に示すように、操作部5から垂下される操作コード7の無端縁は床面F上で弛んだ状態となる。従って、操作コード7に居住者等の移動物体が引っ掛かったとき、操作コード7の無端縁が床面Fに達するまで引き出され、引っ掛かりが容易に解除される。
【0121】
上記のように構成された縦型ブラインドの操作装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
【0122】
(1)ハンガーレール1から垂下される一本の操作コード7で、スラット4をハンガーレール1の両端部に同時に畳み込み、ハンガーレール1の長手方向中間部に向かって引き出す両開き型の縦型ブラインドにおいて、操作コード7に居住者等が引っ掛かっても、その移動を妨げることはない。
【0123】
(第五の実施形態)
図16〜
図18は、第五の実施形態を示す。この実施形態は、ハンガーレールの端部で操作コードを周回可能に支持するエンドケースの別例を示す。
【0124】
図16及び
図17に示すように、操作コード7が掛装されるエンドケース51は、その上部に弾性片52が形成され、その弾性片52の先端部に形成された突起53がハンガーレール1の上面に形成された係止孔54に係合している。弾性片52は、エンドケース51をハンガーレール1に弾性的に保持する係止手段又は係止部材である。
【0125】
エンドケース51の下部には、操作コード7を半円弧状に反転させる案内溝55が形成され、その案内溝55に操作コード7が掛装されている。
【0126】
このような構成により、通常時には突起53と係止孔54との係合により、エンドケース51がハンガーレール1の端部に保持される。そして、操作コード7が案内溝55に沿って反転されながら移動する。
【0127】
操作コード7に居住者などが引っ掛かって、エンドケース51に掛装される操作コード7の一対のコード部の双方に大きな引張り力が作用すると、弾性片52の突起53と係止孔54との係合が外れ、
図18に示すように、ハンガーレール1内を摺動しながら移動する。
【0128】
このような構成により、常にはハンガーレール1の端部に保持されるエンドケース51の前後両方に引張り力が作用したとき、エンドケース51を操作コード7による引っ張り方向に移動させることができる。
【0129】
上記のように構成された操作装置では、次に示す効果を得ることができる。
【0130】
(1)エンドケース51の設置位置は、係止孔54を設ける位置で決定することができるため、ハンガーレール1の端部から離れた位置やハンガーレール1の中央部に設定することもできる。
【0131】
(2)ハンガーレール1の端部キャップは必ずしも必要ではなく、省略して部品点数を削減することができる。
【0132】
なお、係止孔54を設けず、弾性片52の突起53をハンガーレール1の端部に係止させる構成としてもよい。
【0133】
(第六の実施形態)
図19及び
図20は、第六の実施形態を示す。この実施形態は、エンドケース61をキャップ11に保持する手段として磁石62a,62bを使用したものである。
【0134】
互いに対向するエンドケース61の端面とキャップ11の端面には、互いに吸着しあう磁石62a,62bが取着されている。操作コード7を案内する案内溝55は、第五の実施形態と同様である。
【0135】
このような構成により、通常時には磁石62a,62bの吸着により、エンドケース61がハンガーレール1の端部に保持される。そして、操作コード7が案内溝55に沿って反転されながら移動する。
【0136】
操作コード7に居住者等が引っ掛かって、エンドケース61に掛装される操作コード7の一対のコード部の双方に大きな引張り力が作用すると、磁石62a,62bの吸着が外れ、
図20に示すように、ハンガーレール1内を摺動しながら移動する。
【0137】
従って、常にはハンガーレール1の端部に保持されるエンドケース61に大きな引張り力が作用したとき、エンドケース61を操作コード7による引っ張り方向に移動させることができる。
【0138】
ハンガーレール1から垂下される操作コード7の一対のコード部の両方がハンガーレール1から引き出される長さは、操作コード7の無端縁と床面との距離より大きく設定されているので、居住者等の移動を阻害しない。
【0139】
また、操作コード7と居住者等との引っ掛かりが解除された後は、エンドケース61の磁石62aをキャップ11の磁石62bに吸着させれば、ハンガーレール1内で操作コードを周回させ得る状態に容易に復帰させることができる。
【0140】
(第七の実施形態)
図21〜
図25は、第七の実施形態を示す。この実施形態は、この出願の発明をカーテンの操作装置に具体化したものである。
【0141】
図21に示すカーテンの操作装置は、カーテンレール71の一端に第一のコード支持部72が設けられ、他端に第二のコード支持部73が設けられている。カーテンレール71内には無端状の操作コード7が周回可能に引き回され、その操作コード7の一方の無端縁は第二のコード支持部73から垂下されるとともに、錘74が掛装されてカーテンレール71内の操作コードが緊張されている。
【0142】
図21は、両開きのカーテンの右側のカーテン生地を移送する先頭ランナー76及びランナー76のみを示し、左側のカーテン生地を移送する先頭ランナー及びランナーの図示を省略している。左側のカーテン生地の左端部のカーテンフックが吊下部79に吊下支持される。
【0143】
操作コード7の他方の無端縁は、
図22に示すように、前記第一のコード支持部72内に回転可能に支持された滑車75に掛装されている。
【0144】
そして、第二のコード支持部73から垂下される操作コード7を操作すると、カーテンレール71内で操作コード7が周回する。すると、先頭ランナー76及び後続のランナー77等がカーテンレール71に沿って移動して、各ランナーに吊下支持されるカーテン生地がカーテンレール71の両端部から中央部に向かって引き出され、あるいはカーテンレール71の両端部に向かって畳み込まれる。
【0145】
前記第一のコード支持部72は、カーテンレール71に外嵌可能とした筒状に形成され、その上面に弾性片78が形成されている。そして、常には弾性片78がカーテンレール71の端縁に弾性的に係合して、滑車75に掛装される操作コード7の引張り力に抗して位置決めされている。
【0146】
カーテンレール71から垂下される操作コード7の一対のコード部の両方がカーテンレール71から引き出される長さは、操作コード7の無端縁と床面との距離より大きく設定されているので、居住者等の移動を阻害しない。
【0147】
前記第一のコード支持部72には、カーテン生地の一方の端部を吊下支持する吊下部79が形成されている。
【0148】
このような構成により、通常操作時には第一のコード支持部72がカーテンレール71の端部に保持されて、操作コード7が滑車75で反転されながら移動する。
【0149】
操作コード7に居住者等が引っ掛かって、エンドケース61に掛装される操作コード7の一対のコード部の双方に大きな引張り力が作用すると、弾性片78とカーテンレール71の端縁との係合が外れ、
図25に示すように、案内部材として機能する第一のコード支持部72がカーテンレール71の外面に沿って移動する。
【0150】
従って、常にはハンガーレール1の端部に保持される第一のコード支持部72に引張り力が作用したとき、第一のコード支持部72を操作コード7による引っ張り方向に移動させることができる。
【0151】
また、第一のコード支持部72とともに、カーテン生地の端部を吊下支持する吊下部79を移動させることができるので、第一のコード支持部72を容易に移動させることができる。
【0152】
上記のように構成された操作装置では、次に示す効果を得ることができる。
【0153】
(1)反操作側のカーテン端部をともに移動させるので、カーテン生地がフェイルセーフ動作の妨げになることはない。
【0154】
(第八の実施形態)
図26〜
図30は、第八の実施形態を示す。この実施形態は、この出願の発明を天窓用カーテンの操作装置に具体化したものである。
【0155】
図26に示す天窓用カーテンの操作装置は、カーテン生地の左右にカーテンレール86がそれぞれ設けられている。一対ずつの案内滑車81,82,83と端部滑車84とで、無端状の操作コード7がカーテンレール86に沿って周回可能に引き回され、操作コード7の一方の無端縁が案内滑車83から下方へ垂下されている。
図26は、カーテン生地85を矢印E方向に引き出し、矢印F方向に畳み込む片開き仕様の天窓用カーテンを示す。
【0156】
そして端部滑車84と案内滑車81との間と、案内滑車82,83との間に、
図27に示すようなカーテンレール86が配設され、そのカーテンレール86に移動可能に支持された多数のランナー92にカーテン生地85の両端部が等間隔に支持されている。
図26では、案内滑車82,82間のランナーは図示していない。
【0157】
そして、操作コード7の操作によりカーテン生地85が矢印E方向に引き出され、あるいは矢印F方向に畳み込まれる。
【0158】
また、案内滑車82,83の間の操作コード7の一方のコード部と、案内滑車81と端部滑車84との間の操作コード7の一方のコード部とには、先頭ランナー92aが先頭ランナー固定部87a,87bで固定されている。
【0159】
操作コード7が掛装される案内部(又は案内部材)としての前記端部滑車84は、
図27及び
図28に示すように、カーテンレール86の端部に取着されるキャップ88に弾性的に保持されている。具体的には、
図29に示すように、キャップ88の下辺に端部滑車84の支軸89を保持可能とした保持孔90が設けられ、その保持孔90は操作コード7による引張り方向に向かって開口されている。
【0160】
そして、その開口部の幅は、前記支軸89の直径より僅かに狭い幅に形成されて、操作コード7の一対のコード部のどちらか一方に作用する通常の操作中では支軸89が保持孔90に保持されるようになっている。
【0161】
また、案内滑車83から垂下される操作コード7に居住者等が引っ掛かって、通常の引張り力を超える引張り力が支軸89に作用すると、
図30に示すように、支軸89が保持孔90から外れ、端部滑車84がカーテンレール86に沿って移動するようになっている。
【0162】
前記支軸89の下端部には、カーテン生地の端部を吊下支持する吊下部91が取着されている。
【0163】
このような構成により、通常操作時には端部滑車84がカーテンレール86の端部でキャップ88に保持されて、操作コード7が端部滑車84で反転されながら移動する。すると、カーテン生地85が矢印E方向に引き出され、あるいは矢印F方向に畳み込まれる。
【0164】
操作コード7に居住者等が引っ掛かって、端部滑車84に掛装される操作コード7の一対のコード部の双方に大きな引張り力が作用すると、支軸89と保持孔90との係合が外れ、端部滑車84がカーテンレール86に沿って移動する。
【0165】
このとき、先頭ランナー固定部87aが案内滑車83に当接すると、先頭ランナー固定部87aが取着されている側のコード部のそれ以上の移動が阻止される。すると、先頭ランナー固定部87aが取着されていない側のコード部のみが案内滑車83から下方へ引き出されて、ランナー92と先頭ランナー固定部87bと端部滑車84が
図26に示す矢印F方向に移動する。そして、やがて端部滑車84が移動可能距離Xを移動すると、案内滑車81と端部滑車84との間のランナー92が案内滑車81側に畳み込まれてそれ以上移動できなくなるため、端部滑車84のそれ以上の移動が阻止される。
【0166】
移動可能距離Xは、端部滑車84から案内滑車81までの距離の約半分となっており、端部滑車83から垂下される操作コード7の一対のコード部の両方が引き出される長さは、操作コード7の無端縁と床面との距離より大きく設定されているので、居住者等の移動を阻害しない。
【0167】
このような動作により、案内滑車83から垂下される操作コード7の長さが移動可能距離X分だけ長くなり、居住者等の移動を許容し得るとともに、引っ掛かりを容易に解除することができる。
【0168】
また、2本のカーテンレール86にそれぞれ先頭ランナーを移動可能に設け、操作コード7をそれぞれ掛装し、カーテンレール86の中央又は端部方向に開閉可能とした両開き仕様にも適用可能である。この場合には、端部滑車84とともに、カーテン生地の端部を吊下支持する吊下部91を移動させることができるので、端部滑車84を容易に移動させることができる。
【0169】
上記実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
【0170】
・第一及び第八の実施形態で、先頭ランナーを二つ設け、操作コードの前後のコード部に各先頭ランナーをそれぞれ固定した両開き仕様としてもよい。
【0171】
・カーテンレールからカーテン生地を移動可能に吊下支持するカーテンや、天窓用カーテン以外に、パネル状のカーテン生地をカーテンレールに移動可能に吊下支持するパネルカーテンにも、上記操作装置を実施してもよい。