(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記競技前データ表示ステップで表示される前記競技前表示用データと、前記競技後データ表示ステップで表示される前記競技後表示用データとでは、互いに文字の色、文字の大きさ、文字のレイアウト、背景色の色の少なくとも1つが異なっている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の得点表示方法。
予め定められた操作以外の特定操作を前記入力部に対して行った場合に、前記第1表示装置にパスワードの入力を求める表示を行い、前記入力部に対する操作により入力されたパスワードが真正のものであれば前記特定操作を許容し、前記入力部に対する操作により入力されたパスワードが真正のものでなければ前記特定操作を禁止するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の得点表示方法。
前記表示用データ表示ステップによって前記第1表示装置に前記複数の表示用データを一覧表示させた状態で、前記第2表示装置の表示内容と同一の表示を前記第1表示装置に行わせるモニタ表示ステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載の得点表示方法。
前記判定ステップは、前記選択された1つの表示用データに含まれる前記得点データのうち前記加点が空白データである場合に前記加点が0点であるものとして判定を行なう、
ことを特徴とする請求項1から8の何れか1項記載の得点表示方法。
前記入力部に予め定められた操作以外の特定操作を行った場合に、前記第1表示装置にパスワードの入力を求める表示を行い、入力されたパスワードが真正のものであれば前記特定操作を許容し、入力されたパスワードが真正のものでなければ前記特定操作を禁止する誤操作防止部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10から15の何れか1項記載の情報処理装置。
前記表示用データ表示部によって前記第1表示装置に前記複数の表示用データを一覧表示させた状態で、前記第2表示装置の表示内容と同一の表示を前記第1表示装置に行わせるモニタ表示部をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10から16の何れか1項記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態に係る情報処理装置と共に得点表示方法、プログラムについて図面を参照して説明する。
なお、本実施の形態では、得点を表示する競技が女子の新体操である場合について説明するが、本発明は、体操や競技ダンスなど、個人あるいは団体に対して審査員によって得点が与えられる従来公知の様々な競技に適用可能である。
【0009】
図1は本実施の形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態では、情報処理装置(コンピュータ)10は、ノート型パーソナルコンピュータで構成されており、競技会場に設置され、得点の表示を行なう係員が操作するものである。
なお、情報処理装置10は、ノート型パーソナルコンピュータに限定されるものではなく、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、タブレット型端末など従来公知の様々なコンピュータを用いることができる。
また、競技会場には、情報処理装置10の他に、何れも後述するデータ通信装置34と、会場の観客に得点を含む情報を表示するための会場用表示装置36とが設置される。本実施の形態では、会場用表示装置36は特許請求の範囲の第2表示装置を構成している。
【0010】
情報処理装置10は、CPU12と、バスラインを介して接続されたROM14、RAM16、ハードディスク装置18、係員用表示部20、入力部22、通信部24、外部接続コネクタ26、カードスロット28、インターフェース30などを含んで構成されている。
ROM14は、各種のデータを格納・記憶するものである。
RAM16はCPU12のワーキングエリアを提供するものである。
ハードディスク装置18は、CPU12が実行する本発明に係るプログラムを格納するものである。なお、プログラムは、後述するサーバー4から通信網2を介して通信部24からハードディスク装置18に格納してもよいし、外部接続コネクタ26に接続された外部装置からハードディスク装置18に格納してもよいし、カードスロット28に接続されたカード型記録媒体からハードディスク装置18に格納してもよい。
また、ハードディスク装置18は、
図2に示すデータベース32を構成しており、データベース32については後述する。
【0011】
係員用表示部20は、文字や画像を表示するものであり、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイで構成されている。本実施の形態では、係員用表示部20は、特許請求の範囲の第1表示装置を構成している。
入力部22は、入力操作を受け付けるものであり、キーボードおよびマウスによって構成されている。なお、入力部22は、係員用表示部20の表示面上に設けられたタッチパネルで構成してもよく、入力部22として従来公知の様々な構成の入力デバイスが使用可能である。
【0012】
通信部24は、無線回線およびインターネットを含む通信網2を経由してサーバ4と通信を行なうものである。
外部接続コネクタ26は、外部装置と接続されるコネクタであり、HDMI(登録商標)コネクタ、USBコネクタなどの外部装置とデータ通信可能なコネクタで構成されている。
本実施の形態では、外部接続コネクタ26としてのHDMI(登録商標)コネクタがデータ通信装置34に接続され、データ通信装置34を介して会場用表示装置36に画像データが伝送されるように構成されている。
カードスロット28は、カード型の記録媒体が装脱可能に装着されるものである。
インターフェース30は、外部接続コネクタ26、カードスロット28を介して外部装置やカード型記録媒体とCPU12との間で通信を行なうものである。
【0013】
CPU12は、
図2に示すように、上記プログラムを実行することにより、ハードディスク装置18をデータベース32として機能させるものであり、また、上記プログラムを実行することにより、表示用データ表示部12A、表示用データ選択部12B、判定部12C、競技前データ用表示部12D、競技後データ用表示部12E、モニタ表示部12F、種目変更部12G、誤操作防止部12Hを実現するものである。
【0014】
図3(A)〜(D)に示すように、データベース32は、個人あるいは団体の名前を示す名前データを含む属性データDAと、個人あるいは団体に与えられる得点データDBとを関連付けた複数の表示用データを格納するものである。なお、
図3(A)〜(D)では、競技者が5名であり、表示用データが5つである場合を例示しているが、表示用データは競技者の数に対応して増減されることはいうまでもない。
本実施の形態では、新体操の競技がフープ、ボール、クラブ、ロープの4つの種目を含む場合について説明する。
【0015】
データベース32は、表示用データを4つの種目毎に関連付けて格納する。
また、以下の実施の形態では、競技者が個人である場合について説明するが、競技者が団体であっても本発明は無論適用可能であり、その場合は、団体名データd4が名前データを構成することになる。
図3(A)は種目がフープである表示用データを示す。
表示用データのうち属性データDAは、競技順(出場順)を示す番号データd1と、種目を示す種目データd2と、競技者が所属する地区を示す地区データd3と、競技者が所属する団体名を示す団体名データd4と、競技者の氏名を示す選手名データd5(名前データ)とを含んで構成されている。
属性データDAは、上記のデータd1〜d5の構成に限定されるものではないが、少なくとも選手名データ(名前データ)d5を含むものであればよく任意に設定される。
【0016】
表示用データのうち得点データDBは、得点のうちD点(難度)を示すD点データd6と、得点のうちE点(実施)を示すE点データd7と、減点を示す減点データd8と、D点とE点と減点との合計である合計得点データd9とを含んで構成されている。
ここで、D点データd6と、E点データd7と、合計得点データd9とは、競技後の点数が必ず0点より大きな点数となる加点であり、減点データd8は、競技後に0点となる可能性がある減点である。すなわち、得点データDBは加点および減点を含む。
得点データDBは、上記のデータd6〜d9の構成に限定されるものではなく、競技の種類に応じてデータの構成が変更されることは無論である。
図3(B)は種目がボールである表示用データ、
図3(C)は種目がクラブである表示用データ、
図3(D)は種目がロープである表示用データをそれぞれ示す。
【0017】
表示用データ表示部12Aは、
図4に示すように、データベース32に格納された複数の表示用データを係員用表示部20に一覧表示するものである。
また、本実施の形態では、表示用データ表示部12Aは、
図2に示すように、第1の種目表示タブ表示部1202と、第2の種目表示タブ表示部1204とを含んでいる。
第1の種目表示タブ表示部1202は、
図4に示すように、種目毎に関連付けられ種目を表示する種目表示タブT1〜T4をそれぞれ表示するものである。
第2の種目表示タブ表示部1204は、
図4に示すように、入力部22の操作により種目表示タブT1〜T4から1つの種目表示タブが選択されると、選択された種目表示タブに対応する種目の複数の表示用データを一覧表示し、かつ、選択された種目表示タブの表示状態を残りの種目表示タブと異ならせて表示するものである。
表示状態を異ならせるとは、タブの色、大きさ、タブの枠線の有無などを変化させることであり、要するに、係員が目視した場合に種目表示タブの変化が容易にわかるものであればよい。
具体的には、マウスの操作によりマウスポインタで種目表示タブT1〜T4から1つの種目表示タブ、例えば、
図4に示すように、フープのタブT1を選択しクリックすると、選択された種目表示タブT1に対応する種目であるフープの複数の表示用データが一覧表示され、かつ、選択されたフープの種目表示タブT1の表示状態を残りの種目表示タブと異ならせて表示される。例えば、選択されたフープの種目表示タブT1の色が青色で表示され、残りの種目表示タブの色が灰色で表示される。なお、以下の図面では、種目表示タブの枠にハッチングを描くことで種目表示タブT1の表示状態が変更されたことを示す。
【0018】
同様に、ボール、クラブ、ロープの種目表示タブT2、T3、T4を入力部22の操作によりそれぞれ選択すれば、
図4と同様に、ボール、クラブ、ロープの表示用データがそれぞれ一覧表示され、選択された種目表示タブの表示状態が残りの種目表示タブと異ならせて表示される。
このようにすることで、種目表示タブを視認することで、現在選択されている表示用データの種目が何であるかを容易にかつ即座に知ることができ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0019】
なお、種目として団体戦もあり、図中符号T0は、団体戦に対応する種目表示タブを示しており、マウスの操作によりマウスポインタで団体戦の種目表示タブT0を選択しクリックすると、選択された種目表示タブT0に対応する種目である団体戦の複数の表示用データが一覧表示され、かつ、選択された団体戦の種目表示タブT0の表示状態が残りの種目表示タブと異ならせて表示される。
したがって、団体戦も種目の一つとして扱われるが、以下では説明を簡略化するため、種目がフープ、ボール、クラブ、ロープの4つの種目である場合についてのみ説明する。
【0020】
表示用データ選択部12Bは、入力部22に対してなされる操作に基いて、一覧表示された複数の表示用データから1つの表示用データ(1行の表示用データ)を選択するものである。言い換えると、1人の競技者に対応する表示用データを選択するものである。
本実施の形態では、
図4、
図5に示すように、一覧表示された表示用データの左側に、各表示用データに対応して表示ボタンB1が表示されている。
係員用表示部20の表示画面に一覧表示されている複数の表示用データのうち選択しようとする行の表示ボタンB1をマウス操作によりマウスポインタで選択してクリックすることで1つの表示用データが選択される。
したがって、表示用データ選択部12Bによる表示用データの選択は、一覧表示された複数の表示用データのそれぞれに対応して設けられた表示ボタンB1に対する入力部22の操作によってなされることになる。
なお、表示ボタンB1を操作することに代えて、係員用表示部20の表示画面に一覧表示されている複数の表示用データのうち選択しようとする行の表示用データをマウス操作によりマウスポインタで選択してクリックすることで1つの表示用データを選択するようにしてもよいが、本実施の形態のように表示ボタンB1を設けると、簡単確実に表示用データの選択を行なえ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0021】
判定部12Cは、表示用データ選択部12Bで選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が0点であるか否かを判定するものである。具体的には、D点データd6、E点データd7、合計得点データd9の少なくとも1つに基いて加点が0点であるか否かを判定する。
なお、競技開始前においてデータベース32に格納された表示用データの得点データDBには、すなわち、D点データd6、E点データd7、減点データd8、合計得点データd9の全てには、デフォルト値として0点が予め入力されている。
また、D点データd6、E点データd7、減点データd8、合計得点データd9は、競技後、審査員による得点が決定した後、係員が入力部22を用いて入力する。
また、本実施の形態では、加点としてデフォルト値として0点が入力されているものとして説明するが、表示用データの得点データDBのうち少なくとも加点(データd6,d7,d8,d9)が0点でなく、空白データ(未入力)であってもよい。この場合、判定部12Cは、表示用データ選択部12Bで選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が空白データであると、加点が0点であるものとして(加点が0点であるとみなして)判定を行なう。
【0022】
競技前データ表示部12Dは、判定部12Cによる判定結果が肯定の場合に、選択された1つの表示用データのうち得点データDBを除き少なくとも選手名データd5を含む属性データDAを、競技前表示用データとして観客用の会場用表示装置36に表示させるものである。
すなわち、本実施の形態では、
図4に示すように、番号1に対応する表示用データのうち得点データDBの加点がデフォルト値の0点である状態で、番号1に対応する表示用データが表示ボタンB1の操作により選択されると、
図6に示すように、得点データDBを除く属性データDAの全てが会場用表示装置36に表示される。
【0023】
競技後データ表示部12Eは、判定部12Cによる判定結果が否定の場合に、選択された1つの表示用データに含まれる少なくとも選手名データd5を含む属性データDAと得点データDBとを、競技後表示用データとして会場用表示装置36に表示させるものである。
すなわち、本実施の形態では、
図5に示すように、番号1に対応する表示用データのうち得点データDBが入力部22により入力された状態で、番号1に対応する表示用データが表示ボタンB1の操作により選択されると、
図7(A)に示すように、属性データDAの全てと得点データDBとが会場用表示装置36に表示される。
なお、会場用表示装置36に表示される競技前表示用データと競技後表示用データとでは、互いに文字の色、文字の大きさ、文字のレイアウト、背景色の色の少なくとも1つを異ならせても良い。
このようにすると、観客は、会場用表示装置36に表示された表示内容が、競技前であるか、競技後であるかを容易にかつ即座に知ることができ、見やすさの向上を図る上で有利となる。
例えば、
図7(B)に示すように、会場用表示装置36に表示される競技後表示用データでは、番号データd1、種目データd2、選手名データd5、D点データd6、E点データd7、減点データd8、合計得点データd9を表示し、かつ、合計得点データd9の文字を最も大きく表示してもよい。また、合計得点データd9の文字色を残りのデータの文字と異なる色としてもよい。このようにすると、合計得点を視認しやすくする上で有利となる。
また、選手名データd5の文字数が少ないほど選手名データd5の文字の大きさを大きくし、選手名データd5の文字数が多いほど選手名データd5の文字の大きさを小さくレイアウトしてもよい。このようにすると、会場用表示装置36の限られた大きさの表示画面を有効に利用でき、選手名を視認しやすくする上で有利となる。
【0024】
モニタ表示部12Fは、
図4、
図5に示すように、表示用データ表示部12Aによって係員用表示部20に複数の表示用データを一覧表示させた状態で、会場用表示装置36の表示内容と同一の表示38を係員用表示部20に行わせるものである。
したがって、係員は、係員用表示部20の表示を見るだけで、会場用表示装置36の表示内容を把握することができ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0025】
種目変更部12G、種目データd2を変更するものである。
具体的には、種目変更部12Gは、係員用表示部20に一覧表示される複数の表示用データのうち最も上位の行に表示される1つの表示用データに含まれる種目データd2を入力部22の操作により変更すると、種目表示タブの表示内容を、変更した種目データd2に変更すると共に、複数の表示用データの種目データd2を変更した種目データd2に置き代える。
例えば、
図4に示すように、種目表示タブのうちフープの種目表示タブT1が選択された状態で、
図8に示すように、一覧表示される複数の表示用データのうち最も上位の行に表示される表示用データに含まれる種目データd2を入力部22の操作によりフープからリボンに変更する。
すると、種目表示タブT1の表示内容もフープからリボンに自動的に変更される。
【0026】
また、
図8では、一覧表示された表示用データのうち最上位の行の種目データd2のみが変更され、残りの行の種目データd2はその表示内容がフープのまま維持されているが、
図8で一覧表示された表示用データについては、全ての種目データd2がフープからリボンに置き換えられて扱われ、したがって、競技前データ表示部12Dおよび競技後データ表示部12Eによる会場用表示装置36への表示用データの表示では、変更された種目データd2であるリボンとして表示される。
このようにすると、種目データd2の変更を簡単に行なえ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0027】
また、情報処理装置10は、パーソナルコンピュータであることから、得点表示に関する限定された操作以外の特定操作、例えば、ファイルの削除などを行なうと、得点表示が正常に行なえないなどの不都合が生じる。
したがって、情報処理装置10を使いなれていない係員が不用意に、あるいは、誤って特定操作を行なうことを防止することが好ましい。
誤操作防止部は、入力部22に予め定められた操作以外の特定操作を行った場合に、
図9に示すように、係員用表示部20にパスワードの入力を求める表示を行い、入力されたパスワードが真正のものであれば特定操作を許容し、入力されたパスワードが真正のものでなければ特定操作を禁止するものである。
このような誤操作防止部12Hを設けると、パスワードを知らない係員が特定操作を行なうことを防止でき、得点表示を正常に行なえなくなるといった不都合を回避する上で有利となる。
【0028】
また、新体操では、1つのフロアにおいて、2種類の種目を交互に演技することが多い。例えば、第1の競技者がフープを演技したのち、第2の競技者がボールを演技し、次いで第3の競技者がフープを演技し、その後、第4の競技者がボールを演技するといった順番である。
すなわち、同一の種目を続けて演技すると、審査員による審査に時間がかかるため、競技の進行を円滑に行なう上で不利がある。そこで、予め種目毎に異なる審査員を用意しておき、2種類の種目を交互に演技して審査を行なうようにすることで競技の進行を円滑に行なうためである。
この場合、得点表示を行なう係員は、係員用表示部20の表示画面上において、フープの表示用データの一覧表示と、ボールの表示用データの一覧表示とを交互に切り替えて操作することになる。
したがって、一覧表示の画面を切り替える毎に、前回得点を表示した競技者が何番目の競技者であったかを常に記憶しておかなくてはならず、仮に何番目の競技者であったかを失念すると、得点表示を誤って行なうおそれが考えられる。
そこで、本実施の形態では、表示用データ表示部12Aは、前回選択された1つの表示用データの表示状態を残りの表示用データと異なる表示状態とするようにしている。
【0029】
以下具体的に説明する。
図10は、種目がフープで番号1の競技者の演技後、得点が入力されたのち、表示ボタンB1が操作され、会場用表示装置36に競技前表示用データが表示された状態における係員用表示部20の表示内容を示している。
図11は、次の競技者、すなわち、種目がボールで番号1の競技者の演技後、得点が入力されたのち、表示ボタンB1が操作され、会場用表示装置36に競技前表示用データが表示された状態における係員用表示部20の表示内容を示している。
【0030】
図12は、その次の競技者の競技前の状態を示す。すなわち、フープの種目表示タブT1が操作された状態を示す。
この場合、前回の番号1の競技者に対応する1つの表示用データの行がハッチングで示すように、残りの表示用データの行とは異なる背景色で表示されている。
したがって、係員は、フープの次の競技者が番号2の競技者であることを確実かつ容易に把握することができる。そのため、係員は、フープの番号2の競技者に対応する表示ボタンB1を操作することで、会場用表示装置36に、競技前表示用データとして得点を除く表示用データを表示させることができる。そして、得点が決定したならば、得点を入力し、表示ボタンB1を操作することで、番号2の競技者の得点を含む競技後表示用データが会場用表示装置36に表示される。
【0031】
図13は、さらに次の競技者の競技前の状態を示す。すなわち、ボールの種目表示タブT2が操作された状態を示す。
この場合、ボールの前回の番号1の競技者に対応する1つの表示用データの行がハッチングで示すように、残りの表示用データの行とは異なる背景色で表示されている。
したがって、係員は、次の競技者が番号2の競技者であることを確実かつ容易に把握することができる。そのため、係員は、番号2の競技者に対応する表示ボタンB1を操作することで、会場用表示装置36に、競技前表示用データとして得点を除く表示用データを表示させることができる。そして、得点が決定したならば、得点を入力し、表示ボタンB1を操作することで、ボールの番号2の競技者の得点を含む競技後表示用データが会場用表示装置36に表示される。
このように、前回選択された1つの表示用データの表示状態が残りの表示用データと異なる表示状態となるため、係員は、種目を交互に切り替えながら得点表示を行なう際に、得点表示を誤って行なうことが防止される。
【0032】
次に、データ通信装置34、会場用表示装置36について説明する。
図1、
図2に示すように、データ通信装置34は、情報処理装置10と会場用表示装置36とをデータ通信可能に接続するものである。
データ通信装置34は、送信機34Aと、LAN回線34Bと、受信機34Cとを含んで構成されている。
送信機34Aは、情報処理装置10から提供される表示用データとしてのHDMI(登録商標)信号(映像信号)をLAN信号に変換してLAN回線34Bを介して受信機34Cに供給する。
受信機34Cは、LAN回線34Bを介して受け付けたLAN信号を表示用データとしてのHDMI(登録商標)信号(映像信号)に変換して会場用表示装置36に供給する。
これにより、会場用表示装置36に表示用データが表示される。
会場用表示装置36は、競技会場の観客が視認可能な箇所に設置された大型モニタで構成されている。会場用表示装置36は、複数個設けられていてもよく、この場合は、受信機34Cから受信したHDMI(登録商標)信号(映像信号)を各会場用表示装置36に分配する分配器を設ければ良い。
【0033】
このような構成によれば、単一の情報処理装置10と、データ通信装置34とを用いることにより、情報処理装置10と会場用表示装置36との間の距離がHDMI(登録商標)信号が減衰するような長距離(例えば10m以上)であっても会場用表示装置36に表示用データを確実に表示させることができる。
なお、上記構成に代えて、係員用の情報処理装置10の他に別の情報処理装置10を用意しておき、それら情報処理装置10をLAN通信で結び、係員用の情報処理装置10から表示用データとしてのLAN信号をLAN通信を介して別の情報処理装置10に供給し、別の情報処理装置10によってLAN信号をHDMI(登録商標)信号に変換して会場用表示装置36に供給して、会場用表示装置36に表示用データを表示させることも考えられる。
しかしながら、この場合は、2台の情報処理装置10が必要となるため、本実施の形態のように1台の情報処理装置10とデータ通信装置34を用意する場合に比較して、設備費用がかさむため、本実施の形態の構成の方が有利である。
なお、本実施の形態では、映像信号としてHDMI(登録商標)信号を用いる場合について説明したが、映像信号として従来公知の様々な規格の映像信号を使用できることは無論である。
【0034】
次に、
図14に示すフローチャートを参照して情報処理装置10の動作について説明する。
予め、係員用の情報処理装置10、データ通信装置34、会場用表示装置36が会場に設置され、互いに接続されているものとする。
【0035】
まず、個人あるいは団体の名前を示す選手名データd5を含む属性データDAと、個人あるいは団体に与えられる得点データDBとを関連付けた複数の表示用データを格納するデータベース32を用意する(ステップS10)。
データベース32を用意する方法として次のようなものが挙げられる。
1)情報処理装置10の入力部22を用いて表示用データを直接入力することにより行なう。
2)係員用の情報処理装置10とは別の情報処理装置で表計算のアプリケーションソフトを用いて作成された表示用データをインターネットを含む通信網2から通信部24を介して受け取ることにより行なう。
3)USBコネクタなどの外部接続コネクタ26を介して外部装置から表示用データを受け取ることによって行なう。
4)カードスロット28を介してカード型記録媒体から表示用データを受け取ることによって行なう。
【0036】
CPU12は制御プログラムを実行することにより、
図4に示すように、種目毎に関連付けられ種目を表示する種目表示タブT1〜T4をそれぞれ係員用表示部20に表示する(ステップS12)。
そして、係員による入力部22の操作により種目表示タブから1つの種目表示タブが選択される(ステップS14)。
すると、その選択操作を受け付けたCPU12は、選択された種目表示タブに対応する種目の複数の表示用データを係員用表示部20に一覧表示し、かつ、選択された種目表示タブの表示状態を残りの種目表示タブと異ならせて係員用表示部20に表示する(ステップS16)。
このようにして、データベース32に格納された複数の表示用データを係員用表示部20に一覧表示する。
【0037】
次に、係員による入力部22の操作により、係員用表示部20に一覧表示された複数の表示用データから1つの表示用データを選択する選択操作がなされる。具体的には、一覧表示された複数の表示用データのそれぞれに対応して設けられた表示ボタンB1が選択操作される(ステップS18)。
すると、CPU12は、入力部22の操作に基いて1つの表示用データを選択する(ステップS20)。
【0038】
次いで、CPU12は、選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が0点であるか否かを判定する(ステップS22:判定ステップ)。
なお、前述したように、表示用データの得点データDBのうち少なくとも加点が空白データであってもよく、その場合は、ステップS22(判定ステップ)において、表示用データ選択部12Bで選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が空白データであると、加点が0点であるものとして判定を行なう。
ステップS22の判定結果が肯定の場合に、CPU12は、選択された1つの表示用データのうち得点データDBを除き少なくとも選手名データd5を含む属性データDAを、
図6に示すように、競技前表示用データとして会場用表示装置36に表示させる(ステップS24:競技前データ表示ステップ)。
また、CPU12は、係員用表示部20に複数の表示用データを一覧表示させた状態で、
図4に示すように、会場用表示装置36の表示内容と同一の表示38を係員用表示部20に行わせる(ステップS26:モニタ表示ステップ)。
そして、競技後の得点が決定すると、係員は、入力部22を用いて、D点データd6、E点データd7、減点データd8、合計得点データd9を表示用データにそれぞれ入力してデータを更新し(ステップS28)、ステップS22に戻る。
【0039】
ステップS22の判定結果が否定の場合に、CPU12は、選択された1つの表示用データに含まれる少なくとも選手名データd5を含む属性データDAと得点データDBとを、
図7(A)、(B)に示すように、競技後表示用データとして会場用表示装置36に表示させる(ステップS30:競技後データ表示ステップ)。
また、CPU12は、係員用表示部20に複数の表示用データを一覧表示させた状態で、
図5に示すように、会場用表示装置36の表示内容と同一の表示38を係員用表示部20に行わせる(ステップS32:モニタ表示ステップ)。
次いで、CPU12は、ステップS12に戻り、次の競技者について同様の処理を実行する。
【0040】
すなわち、新体操では、前述したように1つのフロアで2つの競技種目を交互に行なうため、ステップS14で入力部22に対する操作により、種目表示タブが例えばフープからボールに選択操作される。
これにより、ステップS16で、ボールに対応した表示用データが係員用表示部20に一覧表示され、以下同様の処理がなされる。
【0041】
ステップS32の処理後、ステップS14で種目表示タブがボールからフープに選択操作される。
これにより、ステップS16で、再びフープに対応した表示用データが係員用表示部20に一覧表示されるが、この際、
図12に示すように、前回選択された1つの表示用データの表示状態を残りの表示用データと異なる表示状態とする。すなわち、フープの種目を演技した前回の競技者に対応する1つの表示用データの行がハッチングで示すように、残りの表示用データの行とは異なる背景色で表示される。
【0042】
ステップS28の処理後、ステップS14で種目表示タブがフープからボールに選択される。
これにより、ステップS16で、再びボールに対応した表示用データが係員用表示部20に一覧表示されるが、この際、
図13に示すように、前回選択された1つの表示用データの表示状態を残りの表示用データと異なる表示状態とする。すなわち、ボールの種目を演技した前回の競技者に対応する1つの表示用データの行がハッチングで示すように、残りの表示用データの行とは異なる背景色で表示される。
このような処理がなされるため、係員は、前回の競技者を容易にかつ確実に把握でき、種目を交互に切り替えながら得点表示を行なう際に、得点表示を誤って行なうことが防止される。
【0043】
また、CPU12は、
図14で示すフローチャートの処理を実行している間、
図15に示す処理を定期的に実行する。
すなわち、CPU12は、入力部22に対して特定操作がなされたか否かを判定する(ステップS100)。
ステップS100の判定結果が否定ならば処理を終了する。
ステップS100の判定結果が肯定ならば、CPU12は、
図9に示すように、係員用表示部20にパスワードの入力を要求する表示を行なう(ステップS102)。
CPU12は一定時間以内にパスワードが入力されたか否かを判定し、一定時間以内にパスワードが入力されない場合は、処理を終了する(ステップS104)。
一定時間以内にパスワードが入力された場合、入力されたパスワードが真正か否かを判定する(ステップS106)。
パスワードが真正であれば、CPU12は、特定操作を受け付ける(ステップS108)。
パスワードが不正であれば、CPU12は、入力されたパスワードが不正である旨を係員用表示部20に表示させ(ステップS110)、ステップS102に戻る。
【0044】
以上説明したように、本実施の形態によれば、データベース32に格納された複数の表示用データを第1表示装置に一覧表示し、入力部22に対してなされる操作に基いて、一覧表示された複数の表示用データから1つの表示用データを選択し、選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が0点であるか否かを判定し、判定結果が肯定の場合に、選択された1つの表示用データのうち得点データDBを除き少なくとも選手名データd5を含む属性データDAを、競技前表示用データとして観客用の第2表示装置に表示させ、判定結果が否定の場合に、選択された1つの表示用データに含まれる少なくとも選手名データd5を含む属性データDAと得点データDBとを、競技後表示用データとして第2表示装置に表示させるようにした。
したがって、従来のように、競技前の情報を表示するための情報処理装置および表示装置と、競技後の情報を表示するための情報処理装置および表示装置とを別々に用意する必要がなく、1つの情報処理装置10を用いて会場用表示装置36に競技前の情報と競技後の情報とを表示させることができる。
そのため、設備費用の低減を図る上で有利となり、競技前の情報と競技後の情報とを観客にとって見やすく表示する上で有利となる。
さらに、表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が0点であるか否かに基いて、競技前表示用データおよび競技後表示用データの一方を選択して会場用表示装置36に表示させるようにしたので、競技前表示用データおよび競技後表示用データの何れを表示させるかを係員が判断する必要がなく、係員の負担の軽減を図り、また、誤った表示を行なうことを防止する上でも有利となる。
また、表示用データの得点データDBのうち少なくとも加点が空白データの場合に、加点が0点であるものとして加点が0点であるか否かの判定を行なうようにしてもよく、その場合も上記と同様の効果が奏される。
【0045】
また、本実施の形態では、係員用表示部20に一覧表示された複数の表示用データのそれぞれに対応して設けられた表示ボタンB1を操作することで、表示すべき表示用データを選択できるため、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0046】
また、本実施の形態では、競技前表示用データと競技後表示用データとでは、互いに文字の色、文字の大きさ、文字のレイアウト、背景色の色の少なくとも1つが異なっているので、会場用表示装置36に表示された表示内容が、競技前であるか、競技後であるかを容易にかつ即座に知ることができ、見やすさの向上を図る上で有利となる。
【0047】
また、本実施の形態では、種目表示タブから1つの種目表示タブが選択されると、選択された種目表示タブに対応する種目の複数の表示用データを一覧表示し、かつ、選択された種目表示タブの表示状態を残りの種目表示タブと異ならせて表示するようにしたので、現在選択されている表示用データの種目が何であるかを容易にかつ即座に知ることができ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0048】
また、本実施の形態では、係員用表示部20に一覧表示される複数の表示用データのうち最も上位の行に表示される1つの表示用データに含まれる種目データd2を変更すると、種目表示タブの表示内容を変更した種目データd2に変更すると共に、複数の表示用データの種目データd2を変更した種目データd2に置き代えるようにしたので、種目データd2の変更を簡単に行なえ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【0049】
また、本実施の形態では、前回選択された1つの表示用データの表示状態を残りの表示用データと異なる表示状態とするようにしたので、係員は、種目を交互に切り替えながら得点表示を行なう際に、得点表示を誤って行なうことが防止される。
【0050】
また、本実施の形態では、入力部22に予め定められた操作以外の特定操作を行った場合に、係員用表示部20にパスワードの入力を求める表示を行い、入力されたパスワードが真正のものであれば特定操作を許容し、入力されたパスワードが真正のものでなければ特定操作を禁止するようにした。
したがって、パスワードを知らない係員が特定操作を行なうことを防止でき、得点表示を正常に行なえなくなるといった不都合を回避する上で有利となる。
【0051】
また、本実施の形態では、係員用表示部20に複数の表示用データを一覧表示させた状態で、会場用表示装置36の表示内容と同一の表示38を係員用表示部20に行わせるようにしたので、係員は、係員用表示部20の表示を見るだけで、会場用表示装置36の表示内容を把握することができ、操作性の向上を図る上で有利となる。
【解決手段】データベース32に格納された複数の表示用データを第1表示装置に一覧表示し、入力部22に対してなされる操作に基いて、一覧表示された複数の表示用データから1つの表示用データを選択し、選択された1つの表示用データに含まれる得点データDBのうち加点が0点であるか否かを判定し、判定結果が肯定の場合に、選択された1つの表示用データのうち得点データDBを除き少なくとも選手名データd5を含む属性データDAを、競技前表示用データとして観客用の第2表示装置に表示させ、判定結果が否定の場合に、選択された1つの表示用データに含まれる少なくとも選手名データd5を含む属性データDAと得点データDBとを、競技後表示用データとして第2表示装置に表示させる。