(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6031643
(24)【登録日】2016年11月4日
(45)【発行日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】ゴルフ練習器具
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20161114BHJP
【FI】
A63B69/36 502Z
【請求項の数】5
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-120(P2016-120)
(22)【出願日】2016年1月4日
【審査請求日】2016年6月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503245384
【氏名又は名称】林 義弘
(72)【発明者】
【氏名】林 義弘
【審査官】
宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭59−108672(JP,U)
【文献】
実開平6−64681(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3068027(JP,U)
【文献】
実開昭48−92049(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3個以上の直線定規状部材を含み、該部材は平行な平面上を旋回可能に連結され、両端の部材が伸縮可能であるゴルフ練習器具。
【請求項2】
前記の旋回可能に連結する部分に、クラブフェースの向きを示すクラブヘッドの標識マークを取り外し可能に取り付けた、請求項1記載のゴルフ練習器具。
【請求項3】
ティーペックを差し込み可能とする孔明形状部分を備えた、請求項1または2に記載のゴルフ練習器具。
【請求項4】
スイングの正確度を判定する手段、および判定されたスイングの正確度を示す手段を備えた、請求項1から3のいずれか1項記載のゴルフ練習器具
【請求項5】
スイングの正確度を示す手段が、音または光による、請求項4記載のゴルフ練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゴルフスウィングにおいてインパクト後の正しい軌道を誘導する練習器具であり、クラブフェースの変化する形態を明確に示すため、2箇所以上の連結部分を有する直線定規状の器具であり、その各部材は平行な平面上で旋回可能に連結され、クラブヘッドの軌道及びクラブフェースの向きの変化する形態を明確に示すことのできるゴルフ練習器具に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習所の打球マットは長方形及びこれに白のセンターラインが入っているものである。一般ゴルファーはこのマットの形状、白の直線に惑わされスウィングの勘違いをし、これらが上達を阻む最大の要因であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-328174
【特許文献2】特願2003-193205
【特許文献3】実用新案平1-119667
【特許文献4】公開実用昭和50-1064
【特許文献5】特開2015-77377
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般ゴルファーが打球マットの前に立ち、スウィングしようとする際、眼下のマットの形状、白のセンターラインが視界に入り、これをなぞるようにクラブヘッドを直線的に振ろうとする。すると一般ゴルファーの2大病といわれる悪癖に罹ってしまう。一つ目はボールを空高く打ち上げたい意識からのすくい打ち。二つ目は真っ直ぐ飛ばしたい意識からのグリップを真っ直ぐ出してしまう等の悪癖が身についてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、3個以上の直線定規状部材を含み、該部材は平行な平面上を旋回可能に連結され、両端の部材が伸縮可能であるゴルフ練習器具を提供する。直線定規状部材とは、薄く細長い長方形状の部材をいう。直線定規状部材の数は任意であるが、図面に示されているように、一般的には両端部を含めて6個程度が使用しやすいと思われる。それぞれの部材は、隣接する部材と平行な平面上を旋回可能に連結される。隣接する部材と平行な平面上を旋回可能とは、本発明の器具を設置した際に、隣接して連結される2つの部材の接地面に向く面が形成する2つの平行な平面上を、それぞれの部材が旋回可能であることをいう。
両端の部材は伸縮可能である。伸縮可能にするための構造例としては、たとえば両端の部材をスライド可能な2つの部材で作成し、必要に応じて1方の部材を引き出し、または収納することにより全体の長さを変えられるものが考えられる。また、さらなる部材を取り付けることもできる。
本発明のゴルフ練習器具には、2箇所以上の連結部分にクラブフェースの向きを示すクラブヘッドの標識マークを取り外し可能に取り付けることができる。
また本発明のゴルフ練習器具はティーペックを差し込み可能とする孔明形状部分を備えることができる。孔明形状部分にティーペックを差し込んで地面に固定することにより、コースで使用することができる。
本発明のゴルフ練習器具には、スイングの正確度を判定する手段、および判定されたスイングの正確度を示す手段を提供することができる。スイングの正確度は公知のセンサーを組み込み、スイング軌道を測定することにより評価することができる。またスイングの正確度を音または光により表示することができる。たとえば正確度に応じて音程を変えたり、色を変えたりすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明を用いて練習すれば段落0004に記載された2大病に罹ることなく、ゴルフスウィングの最重要ポイントであるインパクト以後のヘッドの動き、フェースの変化する形態を会得できる。
【0007】
本練習器具を用いてある程度スウィングを習得したら意図的なスライスボールが打てるようになる。
図4にスライスボールを打つ際の設置方法を示す。また本練習器具を用いてある程度スウィングを習得したら意図的なフックボールが打てるようになる。
図5にフックボールを打つ際の設置方法を示す。
【0008】
一般ゴルファー特に女性には難しいとされているバンカーショットもスライスボールを打つ要領で脱出できる。
図7にバンカーショットの際の設置方法を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】ストレートボールを打つ際の設置方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明ゴルフ練習器具は
図1に示す直線定規状の形態で、連結部2、3および4により各複数の部材が平行な平面上を旋回可能に連結される。両端部材5および6は伸縮可能とされる。なおコースで使用する際に、芝生に安定させるため孔明形状部分13を設けることができる。競技でなければゴルフコース内で本発明の器具を使用することもできる。また本器具は折りたたんでキャディバッグに入れて持ち運びが可能である。
【0011】
図2は、本発明器具を打球マット11と足マット12を使用して本発明の器具を設置した図である。複数の直線定規形状部材が、
図1の連結部2、3および4で旋回されて、所望の形で固定される。連結部2、3および4には、ヘッドのフェースの向きを示す標識マーク7、8および9を設置でき、ストレート、スライス、フックの所望の球筋に応じてそれぞれ角度を調整して固定できる。標識マークのフェースの向きは、たとえばラチェット構造又は磁石などの手段を用いて変えることができる。打球の際はヘッドの標識マークが示すフェースの向きに沿って振ることによりフォロースルーの指針とする。
【0012】
本発明ゴルフ練習器具はスウィング形態又は使用クラブの番手に対応できる、その際は自由に動く連結部、たとえば
図1の2、3および4に、クラブヘッドの標識マークを所望の角度に設置し、固定できる。
【0013】
意図的なスライスボール、フックボールを打つ際には本器具の両端部材5および6を伸縮させて対応する。
【0014】
スウィングの最重要ポイントである、インパクトからフォロースルーの個所に於いてクラブヘッド、フェースを如何に振るかを明確に示すため、標識マーク7、8、9がクラブヘッドの動態フェースの変化する様を示すように設置される。
【0015】
図3はストレートボールを打つ際の設置方法を示す図である。ストレートボールを打つ際には本発明器具を打球マット、足マットに接続設置するが、立構えは左足14、右足15の位置を定め本器具の直線部分1を目標線17と並行に置き、端部を伸ばして足マット12の下に潜らせる。次に複数の旋回可能な部分にクラブヘッドの標識マーク7、8および9を設置する。可動部分に設置されたクラブヘッドの標識マーク7のフェースを本器具の直線部分1の長さ方向と平行に向ける。更に、各部材を旋回させてボール10の先に本発明の器具の端部5を設置する。8の位置ではクラブフェースの向きを7に近くする、同じく9の位置ではフェースの向きを8に近くする。打球の際にはクラブヘッド16をボール10の後ろに置く、この際フェースは目標線17に合わせる。次に足マット12に左足14、右足15を立構え、クラブヘッドを振り上げ、振り下ろしインパクトではフェースが目標線と正対するように戻しその後は本器具が示している9,8のヘッド標識マーク、フェースの向きに沿って7の位置に達するよう振りぬく。
【0016】
図4はスライスボールを打つ際の設置方法を示す図である。スライスボールを打つ際には本器具の設置方法がストレートボールとは若干変わる。本器具の直線部分1は目標線17より左に向け足マット12の下に潜らせる。次に可動部分ではクラブヘッドの標識マーク7のフェースを本器具の直線部分1の長さ方向と平行に向ける。次に各部材を旋回してボール10の先に本器具を設置するが先端が少し離れるので端部5を伸ばしてこれに充てる。8の位置ではフェースの向きを7に近くし同じく9の位置では8に近くする。足の立構えは本器具の直線部分と同じくし、左足14右足15を左向き斜めに揃える。打球の際にはクラブフェースをストレートと同じく目標線17に合わせ本器具のヘッドマーク、フェースに沿って振りぬけば意図するスライスボールが打てる。
【0017】
図5はフックボールを打つ際の設置方法を示す図である。フックボールを打つ際には本器具の設置方法がスライスを打つ際とは逆となる。本器具の直線部分1は目標線17と交わるよう右に向け足マット12の下に潜らせる、その際端部6を伸ばしこれを安定させる。次に可動部分では設置した直線部分1の長さ方向と平行にクラブヘッドのフェースが向くように標識マーク7を置く。8の位置ではフェースの向きを7に近くし、同じく9の位置ではフェースの向きを8に近くする。足の立構えは本器具の直線部分1と同じくし左足14右足15を右向き斜めに揃える。打球の際にはクラブフェースを目標線17に合わせ本器具のヘッドマーク、フェースに沿って振りぬけば意図するフックボールが打てる。
【0018】
図6に、左利きのゴルファーの場合の設置方法を示す。右利きのゴルファーと逆向きの角度に設置し利用することができる。
【0019】
本器具をコース内で使用する際は、本器具がスウィングの邪魔にならぬようボールから離し、芝生上で安定させるため孔明形状部分13にティーペッグを差し込み固定する。
【0020】
ゴルフコースでプレー中、樹木等が障害となって意図する方向に打てない場合、スライスボールを打つ要領で本器具を設置し、スウィングすれば意図的に右に曲がるボールで障害物をかわせる。
【0021】
フックボールを打つ要領で本器具を設置し、スウィングすれば意図的に左に曲がるボールで障害物をかわせる。
【0022】
図7にはバンカーショットの際の本器具の設置方法を示す。バンカー内で本器具を使用する際はスライスボールを打つ際の設置方法と同じだが、打球の際は離して本器具を設置する。クラブヘッド16のフェース面はやや開いて構え左足14右足15の立ち構えは直線定規状1と同じ方向にとり本器具の示す方向及びヘッドマークの標識に沿って振りぬけばバンカーから脱出できる。
【0023】
図8は一般ゴルファーの陥り易いヘッドの軌道とフェースのあまり変化しない良くないスウィングを示す。
【0024】
図9は本器具の推奨通りにヘッドが振られフェースの変化する様を明示した良いスウィングを示す。
【0025】
フォロースルーにおいてクラブヘッドが通過する正しい軌道を感知するためクラブヘッドの底面と本発明器具のヘッドマーク表面に、ネオジウム磁石磁性体と電動コイルを取り付け電子音を鳴らして判定させることができる。
【0026】
フォロースルーにおいてクラブヘッドが通過する正しい軌道を感知するためクラブヘッドの底面と本発明器具のヘッドマーク表面に取り付けた受光装置と発光装置を取り付け発光により判定させることができる。なお、クラブ側の装置はネックなどのクラブの一部に取り付けることもできる。
【0027】
請求項に記載の本発明器具を画像化し投影装置により随時随所で練習できる。
【符号の説明】
【0028】
1:直線定規状部材
2,3,4:連結部分
5,6:両端部分
7,8,9:標識マーク
10:ボール
11:打球マット
12:足マット
13:孔明形状部分
14:左の足位置
15:右の足位置
16:アドレス時のヘッドの位置
17:意図する地点までの目標線及び飛球線
18:バンカー
【要約】
【課題】 最適なスイング習得のための新規な練習器具の提供。
【解決手段】 本発明は、3個以上の直線定規状部材を含み、該部材は平行な平面上を旋回可能に連結され、両端の部材が伸縮可能であるゴルフ練習器具に関するものである。
【選択図】
図2