特許6031718IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

この発明は、リポ蛋白を用いたα2−マクログロブリンの神経保護抑制効果抑止剤及び眼科用組成物に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

したがって、この発明は、少なくともアポリポ蛋白E含有リポ蛋白を含むリポ蛋白、またはアポリポ白E含有リポ蛋白を利用したα2−マクログロブリンの神経保護抑制効果抑止剤及び眼科用組成物を提供することを目的としている。 なお、本明細書で使用する用語「アポリポ蛋白E含有リポ蛋白」は、アポリポ蛋白Eとリポ蛋白とが化学的に会合している場合の他に、アポリポ蛋白Eとリポ蛋白とが同一媒体中に共存している場合も包含するものとする。 また、本明細書で使用する用語「神経保護分子」は、アポリポ蛋白E含有リポ蛋白が、神経保護効果を発揮する際に活性化される分子を意味しており、例えば、リポ蛋白受容体、ホスホリパーゼC、プロテインキナーゼCδなどが挙げられる。また、これとは相反する作用効果を奏する、神経保護効果を発揮する際に不活性化(抑制)される分子を「神経変性誘導分子」とし、かかる神経変性誘導分子としては、例えば、NMDA受容体、カルシウム、またはGSK3βなどが挙げられる。 さらに、本明細書で使用する用語「リポ蛋白受容体」とは、中枢神経系でアポ蛋白Eと結合するリポ蛋白受容体ファミリーの受容体であって、例えば、LRP1受容体、LDL受容体、ApoER2受容体、VLDL受容体、LR11受容体、LRP4受容体、LRP1B受容体、Megalin受容体、LRP5受容体、LRP6受容体などが挙げられる。 また、この発明は、別の形態として、アポリポ蛋白E含有リポ蛋白、リポ蛋白受容体、神経保護因子、神経変性誘導因子を有効成分として含有するアポトーシス抑制剤などの神経変性抑制剤、例えば緑内障・糖尿病性網膜症などの予防・治療剤などの神経疾患予防・治療剤、およびアポリポ蛋白E含有リポ蛋白、リポ蛋白受容体、神経保護因子、神経変性誘導因子または神経変性抑制剤などの神経疾患予防・治療剤を用いた神経疾患予防・治療方法を提供することを目的としている。 さらに、この発明は、別の態様として、生体内の系において、アポリポ蛋白E含有リポ蛋白または、リポ蛋白受容体、神経保護因子、神経変性誘導因子を介する神経保護機構を利用した神経疾患予防・治療剤ならびに神経疾患予防・治療方法を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

目的を達成するために、この発明は、点眼又は眼球に対する注射によって前記眼球内へ投与してα2−マクログロブリンの神経保護抑制効果を抑止するための、アポリポ蛋白E含有リポ蛋白を含有するα2−マクログロブリンの神経保護抑制効果抑止剤を提供する。
【発明の効果】
この発明は、アポリポ蛋白E含有リポ蛋白が、生体外(in vitro)の系ばかりではなく、生体内(in vivo)の系においてもアポトーシスに対する神経細胞保護作用を有している。したがって、この発明は、神経変性疾患における神経変性、例えば、視神経細胞のアポトーシスを抑制することができることから、緑内障などの予防、治療薬の開発に寄与できるものと期待される。また視神経細胞だけでなく、大脳皮質神経細胞に対しても神経保護効果を有することから、アルツハイマー病やパーキンソン病などの予防、治療薬の開発にも寄与できるものと期待される。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】グリア細胞由来アポ蛋白E含有リポ蛋白(LP)を用いた、グルタミン酸による神経変性からの網膜神経節細胞の保護効果を示す図である(実施例3)。

【図2】グリア細胞由来アポ蛋白E含有リポ蛋白(LP)を用いた、グルタミン酸による神経変性からの大脳皮質神経細胞の保護効果を示す図である(実施例4)。

【図3】高比重リポ蛋白(HDL)を用いた、グルタミン酸による神経変性からの網膜神経節細胞の保護効果を示す図である(実施例6)。

【図4】再構成LPを用いた、グルタミン酸による神経変性から網膜神経節細胞の保護効果を示す図である(実施例8)。

【図5】グルタミン酸による神経変性誘導に下記神経変性誘導分子が関わることを示す図である(実施例9)。(a)NMDA受容体 (b)カルシウム(c)カルパイン (d)カルシニューリン(e)カスパーゼ

【図6】(a)アポリポ蛋白E含有リポ蛋白を用いた、LRP1を介する神経細胞保護作用を示す図である。(b)アポリポ蛋白E含有リポ蛋白を用いた、GSK3bのリン酸化レベルの回復作用を示す図である(実施例10)。

【図7】アポリポ蛋白E含有リポ蛋白による、LRP1-NMDA受容体コンプレックスの形成促進作用を示す図である(実施例11)。

【図8】アポリポ蛋白E含有リポ蛋白の硝子体内投与による、GLAST-KOマウス(正常眼圧緑内障モデル)の網膜神経節細胞死の抑制効果を示す図である(実施例12)。

【図9】グルタミン酸とグリシンとの混合物がRGC中でアポトーシスを誘発することを示す図(実施例19)。

【図10】RGC中でのグルタミン酸誘発神経毒性に関与する物質を示す図(実施例20)。

【図11】グルタミン酸誘発アポトーシスを予防するリポタンパク質を示す図(実施例21)。

【図12】LRP1とNMDA受容体との相互反応による細胞内Ca2+の上昇がE-LPによって抑制されることを示す図(実施例22)。

【図13】ホスホリバーゼC、プロテインキナーゼCδならびにGSK3βによるグルタミン酸誘発神経毒性に対するE-LPの保護効果を示す図(実施例23)。

【図14】細胞体におけるグルタミン酸誘発アポトーシスを示す図(実施例24)。

【図15】E-LPによるGlast+/-ならびにGlast-/-マウス中のRGC生存の回復を示す図(実施例25)。

【図16】Glast+/+ならびにGlast-/-マウスの硝子体中のアポリポ蛋白Eと、硝子体内に注射したE-LPに含まれるアポリポ蛋白Eの量を比較したプロット結果を示す図(実施例26)。

【図17】E-LPによってα2マクログロブリンの神経保護抑制効果が抑止されることを示す図(実施例27)。

【図18】グリア細胞からのalpha 2-macroglobulin放出量の減少を示す図(実施例28)。

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

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